特許第5890392号(P5890392)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5890392ネットワーク対応型ツールのためのアーキテクチャ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890392
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】ネットワーク対応型ツールのためのアーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20160308BHJP
【FI】
   G05B23/02 V
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-504901(P2013-504901)
(86)(22)【出願日】2011年3月18日
(65)【公表番号】特表2013-525887(P2013-525887A)
(43)【公表日】2013年6月20日
(86)【国際出願番号】US2011029091
(87)【国際公開番号】WO2011129948
(87)【国際公開日】20111020
【審査請求日】2014年2月18日
(31)【優先権主張番号】12/761,889
(32)【優先日】2010年4月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500520743
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100101199
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 義教
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンス, ジョナサン, ビー.
【審査官】 川東 孝至
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−086911(JP,A)
【文献】 特開2002−367875(JP,A)
【文献】 特開2002−287816(JP,A)
【文献】 特開2002−292584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/00−23/02
G05B 19/04−19/05
B25J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信システムを含んだネットワークアーキテクチャと、
前記通信システムと通信を行う任意の数のツールであって、
操作602: 任意の数のプロセスパラメータを使用して任意の数のタスクを実施し、
操作604: 前記任意の数のタスクの実施中にプロセスデータを収集する
ように構成された任意の数のツールと、
前記通信システムと通信を行う中央サーバーであって、
操作504: 前記任意の数のツールが前記任意の数のタスクを実施しているときに前記任意の数のツールを監視し、
操作506: 前記通信システムを使用して前記任意の数のツールによって収集されたプロセスデータを受信し、
操作508: 前記任意の数のツールから受信した前記プロセスデータを分析し、
操作510: プロセスパラメータ更新が必要かどうかを判定し、
操作512: 前記プロセスパラメータ更新が必要であるという判定に対応して、前記通信システムを使用して、任意の数のプロセスパラメータ更新を前記任意の数のツールに送信する
ように構成されている中央サーバーと
を含むシステムであって、
前記任意の数のツールが、前記任意の数のツールによる前記任意の数のタスクの実施中に、前記プロセスデータを収集するように構成されたセンサーシステムをさらに含み、
ツールが動作している限り、操作504、506、508、510及び512が反復するシステム。
【請求項2】
前記任意の数のツールがデータ処理システムであって、
操作606: 前記プロセスデータを前記中央サーバーに送信し、
操作608: 前記任意の数のツールによる前記任意の数のタスクの実施中に、前記中央サーバーから任意の数のプロセスパラメータ更新を受信したかどうかを判定し、
操作610: 前記プロセス更新を受信したという判定に対応して、前記任意の数のツールで任意の数のプロセスパラメータを更新し、
操作612: 前記任意の数の更新されたプロセスパラメータを使用してタスクを実施するツール機構を制御する
ように構成されたデータ処理システムをさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ツールが動作している限り、操作604、606、608、610及び612が反復する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
通信システムを含んだネットワークアーキテクチャの中でツールを管理するための方法であって
操作504: 前記通信システムと通信を行っている任意の数のツールに対するツールプロセスを監視するステップであって、該通信システムを使用して中央の場所で実施される監視ステップと、
操作506: ツールプロセスの実施中に前記任意の数のツールからプロセスデータを前記通信システムを使用して中央の場所で受信するステップと、
操作508: 前記ツールプロセスの実施中に前記任意の数のツールから受信された前記プロセスデータを中央の場所で分析するステップと、
操作510: 前記任意の数のツールに対してプロセスパラメータ更新が必要かどうかを中央の場所で判定するステップと、
操作512: 前記プロセスパラメータ更新が必要であるという判定に対応して、前記通信システムを使用して前記中央の場所から前記任意の数のツールに任意の数のプロセスパラメータ更新を送信するステップであって、前記任意の数のツールが動作中に前記任意の数のツールに対して前記任意の数のプロセスパラメータ更新が送信されるステップとを含み、
前記任意の数のツールが任意の数のセンサーシステムを含み、且つ前記プロセスデータが前記任意の数のセンサーシステムを使用して前記任意の数のツールによって収集され、
ツールが動作している限り、操作504、506、508、510及び512が反復する方法。
【請求項5】
前記任意の数のツールの中の1つのツールが所定のパラメータの範囲内で動作していないことを前記プロセスデータが示している場合には、前記プロセスパラメータ更新が必要となる、請求項に記載の方法。
【請求項6】
操作608: プロセス更新が前記任意の数のツールで受信されたかどうかを判定するステップと、
操作610: 前記プロセス更新が受信されたという判定に対応して、前記任意の数のツールで任意の数のプロセスパラメータを更新するステップと
をさらに含む、請求項又はに記載の方法。
【請求項7】
操作612: 前記任意の数の更新されたプロセスパラメータを使用してタスクを実施するツール機構を制御するステップと、
操作604: タスク実施中にプロセスデータを収集するステップと、
操作606: 収集された前記プロセスデータを前記通信システムを使用して前記中央の場所に送信するステップと
をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
ツールが動作している限り、操作604、606、608、610及び612が反復する、請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してネットワークアーキテクチャに関し、具体的にはネットワーク対応型ツールに関する。さらに具体的には、本発明はネットワーク対応型ツールの監視及び管理のためのデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
生産プログラムで使用されるツールは多くの場合、ツール用のプロセスパラメータを電子的に制御するコンピュータ制御装置を備えている。このようなプロセスパラメータに関しては、遠隔地に設置されているツール保管庫にツールを入庫登録し、プロセスパラメータが変更された場合には手動で更新することが必要となる。ツール保管庫とは、使用しないときにツールが保管される生産環境内の部屋又は物理的な場所のことである。ツール保管庫、又はツールライブラリは、ツールがツール保管庫に登録されたときの在庫を管理する。
【0003】
ツールがツール保管庫に入庫登録されたとき、生産環境内のツールの操作によるプロセスデータを保管及び分析のためにダウンロード又は取得することができる。ツールをツール保管庫に最後に登録してからプロセスパラメータが更新された場合には、ツールはツール保管庫で手動によりプロセスの更新を受けてもよい。生産環境内でツールの操作中にプロセスパラメータが変更された場合には、ツールを次にツール保管庫に入庫登録するまでプロセスの更新は適用されない。
【0004】
ポイントツーポイントの有線イーサネット(登録商標)ソリューションの幾つかは、操作中にツールからプロセスデータを取得し、取得したデータをサーバーに保存する限定されたシナリオで存在する。この保存されたデータは自動的に又はツールオペレータにより手動で取得されてもよい。データ取得の手動による方法は、イーサネット(登録商標)によってツールに接続されているラップトップコンピュータ上への情報のダウンロードを含む。ラップトップのハードドライブに保存されたデータは、消去されるまで又はCD−ROMなどの携帯用の記憶媒体にさらにダウンロードされるまで、ハードドライブに常駐している。自動化されたソリューションは、ネットワーク上の遠隔地のデータベースあるいはマシン内部又は近傍のデータリポジトリとのポイントツーポイントの接続を構築するソフトウェアを組み込んでいる。
【0005】
したがって、一又は複数の上述の問題に対処する方法と装置を有することが有利であろう。
【発明の概要】
【0006】
種々の有利な実施形態は、無線ネットワーク、任意の数のツール、及び中央サーバーを含むシステムを提供する。任意の数のツールは無線ネットワークと通信を行っている。任意の数のツールは任意の数のタスクを実施し、任意の数のタスクの実施中にプロセスデータを収集するように構成されている。中央サーバーは無線ネットワークと通信を行っている。中央サーバーは任意の数のタスクを実施する任意の数のツールを監視し、且つ無線ネットワークを介して任意の数のツールによって収集されたプロセスデータを受信するように構成されている。
【0007】
種々の有利な実施形態はさらにツール管理のための方法を提供する。任意の数のツールは無線ネットワークに実装されている。任意の数のツールに対するツールプロセスは、無線ネットワークを使用して中央の場所で監視されている。ツールが無線ネットワークを使用して処理を行っている間に、任意の数のツールに対してプロセスデータが中央の場所で受信される。
【0008】
種々の有利な実施形態はさらにツールプロセス更新のための方法を提供する。ツールの機構は任意の数のプロセスパラメータを使用してタスクを実施するように制御されている。プロセスデータはタスク実施中に収集される。収集されたプロセスデータは遠隔地に送信される。
【0009】
特徴、機能及び利点は、本発明の様々な実施形態で独立に実現することが可能であるか、以下の説明及び図面を参照してさらなる詳細が理解されうる、さらに別の実施形態で組み合わせることが可能である。
【0010】
新規の機能と考えられる有利な実施形態の特徴は、添付の特許請求の範囲に明記される。しかしながら、有利な実施形態と、好ましい使用モードと、さらにはその目的及び利点とは、添付図面を参照して本発明の有利な一実施形態の以下の詳細な説明を読むことにより最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】有利な実施形態で実装されうるスマートツール環境を示したものである。
図2】有利な実施形態によるデータ処理システムを示したものである。
図3】有利な実施形態によるツールを示したものである。
図4】有利な実施形態によるネットワーク対応型ツール環境を示したものである。
図5】有利な実施形態によるツール管理用プロセスのフロー図を示したものである。
図6】有利な実施形態によるツール更新用プロセスのフロー図を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで図面、特に図1を参照すると、有利な実施形態で実装されうるスマートツール環境の図解が示されている。スマートツール環境100は、ツールが動作する任意の種類の環境であってもよい。例えば、スマートツール環境100は、生産環境、製造環境、整備環境、保守環境、及び/又は他の適切な環境であってもよい。
【0013】
スマートツール環境100は、ネットワーク102、バックオフィス104、及び工場106を含む。ネットワーク102は、工場106のコンポーネントとバックオフィス104との間の無線アクセスを提供する。ネットワーク102は、例えば、限定しないが、WPA、WPA2、及び/又は他の適切なセキュリティプロトコールなどの認証プロトコールを使用してアクセスが保護された安全な無線ネットワークとなりうる。バックオフィス104は中央データサーバー108、動的ホスト通信プロトコール(DHCP)サーバー110、認証機関112、データベース114、及びユーザーインターフェース116を含みうる。1つの有利な実施形態では、バックオフィス104は、例えば中央データサーバー108、動的ホスト通信プロトコール(DHCP)サーバー110、及び認証機関112などのプロセスを実装するコンピュータであってもよい。別の有利な実施形態では、バックオフィス104は、例えば中央データサーバー108、動的ホスト通信プロトコール(DHCP)サーバー110、及び認証機関112などの一又は複数のコンピュータを有する遠隔地であってもよい。
【0014】
中央データサーバー108は、工場106内の任意の数のツールなどのツール120に対してプロセスパラメータを提供する。中央データサーバー108は、任意の数のツール120からプロセスデータを受信し、そのプロセスデータを分析し、任意の数のツール120に対して一又は複数のプロセスの更新が必要かどうかを判定する。中央データサーバー108は、任意の数のツール120を監視及び管理するための中心となる情報源である。
【0015】
この例示的な実施例では、動的ホスト通信プロトコール(DHCP)サーバー110により、任意の数のツール120はIPアドレスを要求してネットワーク102にログオンすることができる。認証機関112はセキュリティのための任意の数の認証を処理し、ネットワーク102を介して任意の数のツール120とバックオフィス104との安全なやりとりを管理する。本明細書で使用している「任意の数のアイテム」は、一又は複数のアイテムを意味する。例えば、「任意の数のツール120」は、一又は複数のツールとなる。
【0016】
工場106は任意の数のアクセスポイント118及び任意の数のツール120を含む。任意の数のアクセスポイント118は、工場106の隅々の任意の数の場所に配置された任意の数の無線アクセスポイントであってもよく、これによって任意の数のツール120は工場106の隅々でネットワームにアクセスすることが可能になる。無線アクセスポイントは、Wi−Fi、又は関連の規格を使用して無線通信機器が無線ネットワークに接続することを可能にする機器であってもよい。無線アクセスポイントは、例えば任意の数のツール120などの無線機器と、バックオフィス104などのネットワーク上の他の機器との間でデータを中継するルーターを接続してもよい。任意の数のアクセスポイント118は、例えばスタンドアロン機器または任意の数のツール120による統合型機器であってもよい。任意の数のツール120は、例えばツールの機構に対するプロセスパラメータを電子的に制御するツールである。
【0017】
ツール122は、任意の数のツール120の実装の一例を示したものである。ツール122は、データ処理システム124、ゲートウェイ126、及び制御装置128を含む。データ処理システム124は、例えば、操作中にツール122から収集されたデータ及び操作中にバックオフィス104から受信したデータを管理する。ゲートウェイ126は、例えば、任意の数のアクセスポイント118を使用して、データ処理システム124がネットワーク102にアクセスできるようにする。ゲートウェイ126は、例えば、限定しないが、専用コンピュータ、ルーター、Wi−Fiシリアルブリッジ、及び/又は他の適切なゲートウェイ機器であってもよい。
【0018】
制御装置128は、データ処理システム124から受け取ったプロセスパラメータを使用して、ツール122の操作を制御する。制御装置128は、例えば、限定しないが、運動制御装置であってもよい。
【0019】
任意の数のツール120は、例えば、限定しないが、輪郭穿孔マシン130、ドリルモーター132、及び/又は他の適切なツールであってもよい、
【0020】
図1のスマートツール環境100の図解は、物理的又は構造的な実施形態が実装可能であることを示唆することを意図していない。図示されたコンポーネントに加えて及び/又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。一部の有利な実施形態では幾つかのコンポーネントは不要である。また、ブロックは、幾つかの機能的なコンポーネントを示すために提示されている。種々の有利な実施形態において実施されるとき、これらのブロックの一又は複数は異なるブロックに合成及び/又は分割することができる。
【0021】
幾つかの有利な実施形態では、バックオフィス104は以下の図2のデータ処理システム200などのデータ処理システムとして実装されうる。他の有利な実施形態では、バックオフィス104は例えば、ネットワーク102を介して接続された任意の数のデータ処理システムとして実装されうる。例示的な実施例では、バックオフィス104は工場106に隣接したオフィスなどの近隣地、又はサーバーファームなどの遠隔地にあってもよい。
【0022】
次に図2に注目すると、有利な実施形態によるデータ処理システムの説明が示されている。データ処理システム200は、例えば、図1の中央データサーバー108及び/又はデータ処理システム124などのコンピュータの実施例であってもよく、有利な実施形態に従って、その中にコンピュータで使用可能なプログラムコード又はプロセスを実装する命令を配置することができる。
【0023】
この例示的な実施例では、データ処理システム200は、通信ファブリック202を含み、これによりプロセッサ装置204、メモリ206、固定記憶域208、通信装置210、入出力(I/O)装置212、及びディスプレイ214の間の通信を可能にする。
【0024】
プロセッサ装置204は、メモリ206に読み込まれうるソフトウェアに対する命令を実行するように働く。プロセッサ装置204は、特定の実装に応じて、一又は複数のプロセッサの組か、或いはマルチプロセッサコアであってもよい。さらに、プロセッサ装置204は、単一のチップ上にメインプロセッサと二次プロセッサが共存する一又は複数の異種プロセッサシステムを使用して実装してもよい。別の例示的な実施例では、プロセッサ装置204は同一形式の複数のプロセッサを含む対称型マルチプロセッサシステムであってもよい。
【0025】
メモリ206及び固定記憶域208は記憶デバイス216の例である。記憶デバイスは、例えば、限定しないが、データ、機能的な形態のプログラムコードなどの情報、及び/又は他の適切な情報を、一時的に及び/又は永続的に保存することができる任意のハードウェア部分である。これらの例では、メモリ206は、例えば、ランダムアクセスメモリ又は他の適切な揮発性又は不揮発性の記憶デバイスであってもよい。固定記憶域208は特定の実装に応じて様々な形態をとりうる。例えば、固定記憶域208は、一又は複数のコンポーネント又はデバイスを含みうる。例えば、固定記憶域208は、ハードドライブ、フラッシュメモリ、書換型光ディスク、書換型磁気テープ、又はこれらの組み合わせであってもよい。固定記憶域208によって使用される媒体は着脱式であってもよい。例えば、着脱式ハードドライブは固定記憶域208に使用することができる。
【0026】
通信装置210はこれらの例では、他のデータ処理システム又はデバイスとの通信を行う。これらの例では、通信装置210はネットワークインターフェースカードである。通信装置210は、物理的及び無線の通信リンクのいずれか一方又は両方を使用することによって、通信を行うことができる。
【0027】
入出力装置212により、データ処理システム200に接続可能な他のデバイスによるデータの入力及び出力が可能になる。例えば、入出力装置212は、キーボード、マウス、及び/又は他の幾つかの適切な入力デバイスを介してユーザー入力への接続を提供することができる。さらに、入出力装置212は出力をプリンタに送ってもよい。ディスプレイ214はユーザーに情報を表示する機構を提供する。
【0028】
オペレーティングシステム、アプリケーション、及び/又はプログラムに対する命令は、通信ファブリック202を介してプロセッサ装置204と通信する記憶デバイス216内に配置されうる。これらの例示的な実施例では、命令は固定記憶域208上の機能的な形態になっている。これらの命令は、メモリ206に読み込まれ、プロセッサ装置204によって実行される。種々の実施形態のプロセスは、メモリ206などのメモリに配置されうる命令を実装したコンピュータを使用して、プロセッサ装置204によって実施することができる。
【0029】
これらの命令は、プログラムコード、コンピュータで使用可能なプログラムコード、又はコンピュータで読取可能なプログラムコードと呼ばれ、プロセッサ装置204内のプロセッサによって読取及び実行することができる。種々の実施形態のプログラムコードは、メモリ206又は固定記憶装置208など、種々の物理的な又は有形のコンピュータで読取可能な媒体上に具現化しうる。
【0030】
プログラムコード218は、選択的に着脱可能でコンピュータで読取可能な媒体220上に機能的な形態で配置され、プロセッサ装置204での実行用のデータ処理システム200に読込み又は転送することができる。プログラムコード218及びコンピュータで読取可能な媒体220は、これらの実施例ではコンピュータプログラム製品222を形成する。1つの実施例では、コンピュータで読取可能な媒体220は、コンピュータで読取可能な記憶媒体224又はコンピュータで読取可能な信号媒体226であってもよい。コンピュータで読取可能な記憶媒体224は、例えば、固定記憶域208の一部であるハードドライブなどのように、記憶デバイス上に転送するための固定記憶域208の一部であるドライブ又は他のデバイスに挿入又は配置される光ディスク又は磁気ディスクなどを含むことができる。コンピュータで読取可能な記憶媒体224は、データ処理システム200に接続されているハードドライブ、サムドライブ、又はフラッシュメモリなどの固定記憶域の形態もとりうる。幾つかの例では、コンピュータで読取可能な記憶媒体224はデータ処理システム200から着脱可能ではないことがある。これらの例示的な実施例では、コンピュータで読取可能な記憶媒体224は非一時的なコンピュータで読取可能な媒体である。
【0031】
代替的に、プログラムコード218はコンピュータで読取可能な信号媒体226を用いてコンピュータで読取可能な媒体220からデータ処理シスム220に転送可能である。コンピュータで読取可能な信号媒体226は、例えば、プログラムコード218を含む伝播されたデータ信号であってもよい。例えば、コンピュータで読取可能な信号媒体226は、電磁信号、光信号、及び/又は他の適切な形式の信号であってもよい。これらの信号は、無線通信リンク、光ファイバケーブル、同軸ケーブル、有線などの通信リンク、及び/又は他の適切な形式の通信リンクによって転送することができる。すなわち、通信リンク及び/又は接続は、例示的な実施例で物理的なもの又は無線によるものであってもよい。
【0032】
幾つかの例示的な実施形態では、プログラムコード218は、コンピュータで読取可能な信号媒体226により、ネットワークを介して別のデバイス又はデータ処理システムから固定記憶域208にダウンロードされて、データ処理システム200内で使用される。例えば、サーバーデータ処理システムのコンピュータで読取可能な記憶媒体に保存されたプログラムコードは、ネットワークを介してサーバーからデータ処理システム200にダウンロードすることができる。プログラムコード218を提供するデータ処理システムは、サーバーコンピュータ、クライアントコンピュータ、又はプログラムコード218を保存及び転送することができる他のデバイスであってもよい。
【0033】
データ処理システム200に対して例示されている種々のコンポーネントは、種々の実施形態が実装しうる方法に対して構造上の制限を設けることを意図していない。種々の例示的実施形態は、データ処理システム200に対して図解されているコンポーネントに対して追加的又は代替的なコンポーネントを含むデータ処理システム内に実装しうる。図2に示した他のコンポーネントは、例示的な実施例と異なることがある。種々の実施形態は、プログラムコードを実行できる任意のハードウェアデバイス又はシステムを用いて実施することができる。1つの実施例として、データ処理システムは無機コンポーネントと一体化した有機コンポーネントを含むことができ、及び/又は人間を除く有機コンポーネントを完全に含むことができる。例えば、記憶デバイスは有機半導体を含んでいてもよい。
【0034】
別の実施例として、データ処理システム200の記憶デバイスは、データを格納できる任意のハードウェア装置である。メモリ206、固定記憶域208及びコンピュータで読取可能な媒体220は有形の記憶デバイスの例である。
【0035】
別の実施例では、バスシステムは、通信ファブリック202を実装するために使用することができ、システムバス又は入出力バスといった一又は複数のバスを含むことができる。言うまでもなく、バスシステムは、バスシステムに取り付けられた種々のコンポーネント又はデバイスの間でのデータ伝送を行う任意の適切な種類のアーキテクチャを使用して実装することができる。加えて、通信装置は、モデム又はネットワークアダプタといったデータの送受信に使用される一又は複数のデバイスを含むことができる。さらに、メモリは例えば、通信ファブリック202に備わっていることがあるインターフェース及びメモリ制御装置ハブにみられるような、メモリ206又はキャッシュであってもよい。
【0036】
本明細書において、列挙されたアイテムと共に使用する「〜のうちの少なくとも1つの」という表現は、列挙されたアイテムのうちの一又は複数からなる様々な組み合わせが使用可能であり、且つ列挙された各アイテムが1つだけあればよいことを意味する。例えば、「アイテムA、アイテムB、及びアイテムCのうちの少なくとも1つ」は、例えば、限定しないが、「アイテムA」、又は「アイテムAとアイテムB」を含む。この例は、「アイテムAとアイテムBとアイテムC」、又は「アイテムBとアイテムC」も含む。
【0037】
本明細書で使用しているように、第1のコンポーネントを第2のコンポーネントに接続する場合には、任意の追加のコンポーネントを使用せずに、第1のコンポーネントを第2のコンポーネントに接続してもよい。第1のコンポーネントはまた、一又は複数のコンポーネントによって第2のコンポーネントに接続されてもよい。例えば、1つの電子デバイスは、第1の電子デバイスと第2の電子デバイスとの間に任意の追加の電子デバイスなしで、別の電子デバイスに接続することができる。場合によっては、互いに接続される2つの電子デバイスの間に別の電子デバイスが存在してもよい。
【0038】
種々の有利な実施形態は、ツールプロセスパラメータを更新するための現在のシステムが遠隔地にあるツール保管庫に入庫登録されており、プロセスパラメータが変化した場合には手動で更新しなければならないことを認識し、且つ考慮している。このような更新は、ツールが待機状態にあるとき、すなわち現在使用されておらず次回必要となるときまで、又は更新が完了するまでツール保管庫に保管されているときに局所的に発生する。リモート更新をツール保管庫に送信することはできるが、操作完了後ツールが保管庫に入庫登録されるまで更新を受信することはないため、ツールは技術者が手動で更新しなければならない。
【0039】
種々の有利な実施形態はさらに、ツールプロセスを監視するための現在の方法は、例えば結果又はツールパラメータ性能の目視検査用の個々のツールを人が監視することが必要となることを認識し、且つ考慮している。プロセスが完了し、分析のために情報がダウンロード又は手動で読み出された後、幾つかの限定的なコンピュータ監視が、ツールプロセスの結果と共に提供され、分析される。
【0040】
種々の有利な実施形態は、無線ネットワーク、任意の数のツール、及び中央サーバーを含むシステムを提供する。任意の数のツールは無線ネットワークに接続されている。任意の数のツールは任意の数のタスクを実施し、任意の数のタスクの実施中にプロセスデータを収集するように構成されている。中央サーバーは無線ネットワークに接続されている。中央サーバーは任意の数のタスクを実施する任意の数のツールを監視し、且つ無線ネットワークを介して任意の数のツールによって収集されたプロセスデータを受信するように構成されている。
【0041】
種々の有利な実施形態はさらにツール管理のための方法を提供する。任意の数のツールは無線ネットワークに実装されている。任意の数のツールに対するツールプロセスは、無線ネットワークを使用して中央の場所で監視されている。ツールが無線ネットワークを使用して処理を行っている間に、任意の数のツールに対してプロセスデータが中央の場所で受信される。
【0042】
種々の有利な実施形態はさらにツールプロセス更新のための方法を提供する。ツールの機構は任意の数のプロセスパラメータを使用してタスクを実施するように制御されている。プロセスデータはタスク実施中に収集される。収集されたプロセスデータは遠隔地に送信される。
【0043】
ここで図3を参照すると、有利な実施形態によるツールの説明が示されている。ツール300は、図1のツール122の実装の一例を示したものである。
【0044】
ツール300は制御ケース302、ツール機構304、筐体306、及び電源308を含む。制御ケース302は、ツール300のための処理及び制御センターである。ツール機構304は、制御ケース302のコンポーネントによって制御されるツール300の機械的なコンポーネントである。ツール機構304は、例えば、限定しないが、穿孔機構310、締結機構312、及び/又はツール操作を実施するための他の適切な機構であってもよい。
【0045】
筐体306は、例えば、ツール機構304及び/又は制御ケース302を包み込んで、単一の実装の中にツール300のコンポーネントを含むことができる。電源308は、限定しないが、工場供給の交流(AC)又は直流(DC)電源、バッテリー、ウルトラキャパシタ、燃料電池、ガソリン発電機、光電管、及び/又は有線あるいは無線で接続された他の適切な電力を含みうる。1つの例示的な実施例では、ツール300は、例えば、ケーブルを使用して電源308によって電力が供給される。
【0046】
制御ケース302は、データ処理システム314、データベース316、センサーシステム318、ゲートウェイ320、及び制御装置322を含む。データ処理システム314は、例えば、図2のデータ処理システム200を使用して実装することができる。データ処理システム314はデータマネージャ324を含むデータマネージャ324は、センサーシステム318から収集されたデータを受信し、例えば、図1のバックオフィス104などの集約場所への収集データの転送を管理する。データマネージャ324はまた、集約場所からデータを受信し、受信したデータを使用してツール300用のプロセスパラメータ及びネットワークパラメータを更新する。
【0047】
データベース316は、これらの例示的な実施例では、プロセスパラメータ326及びセキュリティ認証328を含む。プロセスパラメータ326は、データ処理システム314によって、図1のバックオフィス104などの集約場所から受信され、ツール300の操作時に制御装置322によって使用されるデータベース316に保存される。プロセスパラメータ326は、例えば、限定しないが、締め具の取付時に加えられるトルク量、穿孔操作時の許容可能な振動の程度、穿孔操作時の孔の大きさ、穿孔及びフライス操作時の材料へのカッターの送り速度、回転速度、パイロット孔形成、皿穴の深さ、及び/又はツール300用の適切なプロセスパラメータであってもよい。
【0048】
セキュリティ認証328は、図1のネットワーク102などのネットワークについて認証するゲートウェイ320に対して現在の認証フレームを提供する。ネットワークによる認証は、図1のネットワーク102などのネットワーク上の認証制御サーバーによって制御される。証明書は、例えば図1の任意の数のアクセスポイント118などのアクセスポイントを経由してネットワークに送信される。
【0049】
制御装置322は、ツール300のツール機構304を制御するように動作する。制御装置322は、例えば、ツール操作プロセス330を含むことができる。ツール操作プロセス330は、ツール機構304の操作の制御時に使用するプロセスパラメータ326などの命令を処理すること及び/又はパラメータを処理することができる。
【0050】
センサーシステム318は、ツール300の操作時にプロセスデータ332を収集する。セキュリティシステム318は、限定しないが、任意の数のカメラ334、ビデオサーバー336、画像処理装置338、及び/又は他の適切なセンサーを含むことができる。他の適切なセンサーは、例えば、限定しないが、振動を収集するための加速度計、温度を測定するための熱電対、屈曲を検出するための歪みゲージ、湿度センサー、ホールプローブ、タコメータ、及びホール効果センサーを含むことができる。任意の数のカメラ334は、例えば、限定しないが、カラーカメラ、白黒カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラ、及び/又は他の適切なカメラを含むことができる。ビデオサーバー336は、例えば、任意の数のカメラ334からのビデオ画像を処理するための任意の種類の専用コンピュータデバイスであってもよい。画像処理装置338は、任意の数のカメラ334による画像に対して生成された個々のピクセルの輝度及び色度情報を収集し、この情報を使用し、任意の数のアルゴリズムを利用して各ピクセルに対して正しい色と明るさの値を計算する。輝度は、所定の方向に進む光の単位面積あたりの光度の測光量である。輝度は、特定の領域を通過する又は特定の領域から放射され、所定の立体角内に降り注ぐ光の量を記述する。色度は、ある領域又は対象物の色情報を伝達する。ビデオサーバー336及び/又は画像処理装置338は、例えば画像データを生成することができる。画像データ340はプロセスデータ332の実装の一例である。
【0051】
データマネージャ324はセンサーシステム318からプロセスデータ332を受信し、プロセスデータ332を使用してプロセスレポート342を作成する。プロセスレポート342は、ゲートウェイ320を使用して、データ処理システム314によって中央サーバーに転送される。ゲートウェイ320は、図1のツール126の実装の一例を示したものである。プロセスレポート342は、中央サーバーで任意の数のアプリケーションによって分析され、プロセスパラメータ326が更新を必要としているかどうかを判定することができる。
【0052】
幾つかの有利な実施形態では、ゲートウェイ320は、セキュリティ認証328を使用して、ツール300用のネットワーク認証を管理することもできる。データマネージャ324は、例えばゲートウェイ320によって認証問題が検出された場合、セキュリティレポート344を作成することができる。さらに、誤ったデータの収集を防止するため、又は有用なデータの損失を防止するため、ネットワーク媒体上でデータの完全性が検討される。
【0053】
データマネージャ324はまた、図1のバックオフィス104などの集約場所からプロセス更新346及びセキュリティ更新348を受信する。プロセス更新346は、データベース316のプロセスパラメータ326の更新に使用されることがある。プロセス更新346はツール300の操作中に受信されることがある。制御装置322は更新されたプロセスパラメータを検出し、その結果、例えばツール300の操作中に、ツール操作プロセス330を調整することができる。
【0054】
図3に示すツール300は、種々の有利な実施形態を実装可能な方式に対する物理的又は構造的な限定であることを意図していない。図示されたコンポーネントに加えて及び/又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。一部の有利な実施形態では幾つかのコンポーネントは不要である。また、ブロックは、幾つかの機能的なコンポーネントを示すために提示されている。種々の有利な実施形態において実施されるとき、これらのブロックの一又は複数は異なるブロックに合成及び/又は分割することができる。
【0055】
ここで図4を参照すると、有利な実施形態によるツールの説明が示されている。ネットワーク対応型ツール環境400は、図1のスマートツール環境100の実装の一例を示したものである。
【0056】
工場401は、図1の工場106の例示的な実施例の1つである。工場401はドリル402を含む。ドリル402は、図1の任意の数のツール120の例示的な実施例の1つである。ドリル402は、制御ケース404及び穿孔機構406を含む。制御ケース404は、図3の制御ケース302の例示的な実施例の1つである。穿孔マシン406は、図3のツール機構304の例示的な実施例の1つである。
【0057】
ドリル402は、例えば、加工対象物408に穿孔するために使用されることがある。工場401は、この例示的な実施例では、ドリル402へのネットワークアクセスを可能にするアクセスポイント410を含む。アクセスポイント410は、図1の任意の数のアクセスポイント118の例示的な実施例の1つである。制御ケース404は、例えば、アクセスポイント410を使用してネットワーク414を介してバックオフィス412と相互作用することができる。制御ケース404は、ドリル402の操作中にプロセスデータを収集し、収集したプロセスデータを無線ネットワークを使用してバックオフィス412に送信する。
【0058】
ユーザーインターフェース416は、この例示的な実施例では中央データサーバー418に接続されている。ユーザー420は、ユーザーインターフェース416を使用し、ドリル402によって収集及び送信されたプロセスデータにアクセスすることができる。ユーザー420及び/又は中央データサーバー418はこのプロセスデータを分析し、ドリル402の制御ケース404にプロセス更新が必要かどうかを判定する。プロセス更新が必要な場合には、中央データサーバー418でプロセス更新を生成して、ネットワーク414上で無線によりドリル402の制御ケース404へ送信することができる。これらのプロセス更新は、例えば、工場401内でドリル402の操作中にドリル402によって受信される。
【0059】
図4に示すネットワーク対応型ツール環境400は、種々の有利な実施形態を実装可能な方式に対する物理的又は構造的な限定であることを意図していない。図示されたコンポーネントに加えて及び/又は代えて、他のコンポーネントを使用することができる。一部の有利な実施形態では幾つかのコンポーネントは不要である。また、ブロックは、幾つかの機能的なコンポーネントを示すために提示されている。種々の有利な実施形態において実装されるとき、これらのブロックの一又は複数は異なるブロックに合成及び/又は分割することができる。
【0060】
次に図5を参照すると、有利な実施形態により描かれたツール管理のプロセスのフロー図が示されている。図5のプロセスは、例えば、図1のバックオフィス104などのコンポーネントによって実装可能である。
【0061】
プロセスはエンタープライズネットワークアーキテクチャに任意の数のツールを実装することによって開始される(操作502)。ネットワーク上のツールは、例えば、データ統合アプライアンス、エンタープライズプロセスミドルウェア、及びデータベースソフトウェアなど、他のネットワークエンドポイントと相互作用可能なノードになりうる。任意の数のツールは、データサーバーの役割を果たすこと又は集約構成管理サービスのクライアントとして動作することができる。プロセスモニターはネットワークを使用して処理を行う(操作504)。プロセスは、例えば、図1のネットワーク102などの無線ネットワークを介して、ツールプロセスを監視することができる。プロセスはネットワークを使用して任意の数のツールからプロセスデータを収集する(操作506)。プロセスデータは、例えば、図3のツール300のセンサーシステム318など、ツール上に実装されたセンサーシステムによって収集することができる。
【0062】
プロセスは任意の数のツールのプロセスデータを分析する(操作508)。プロセスデータは、図1の中央データサーバー108などの中央サーバーによって、及び/又は図4のユーザー420などの中央サーバー上のプロセスデータにアクセスするユーザーによって、分析可能である。プロセスは、プロセスパラメータ更新が必要かどうかを判定する(操作510)。例えば、ツールがある規定されたパラメータの範囲内で動作していないこと、又はツールがある規定されたパラメータの範囲内の結果を生み出すように動作していないことを、プロセスデータが示している場合には、プロセスパラメータ更新が必要となることがある。
【0063】
プロセスパラメータ更新が必要ないと判定された場合には、プロセスは操作504に戻る。プロセスパラメータ更新が必要であると判定された場合には、プロセスはネットワークを使用して、任意の数のプロセスパラメータ更新を任意の数のツールに送信し(操作512)、次に操作504に戻る。
【0064】
図5のプロセスは、例えば、ツールが動作している限り、反復されることがある。このプロセスは、例えば、ツールが待機状態になると、又は所定の時間動作しなくなると停止することがある。
【0065】
次に図6を参照すると、有利な実施形態により描かれたツールプロセス更新のフロー図が示されている。図6のプロセスは、例えば、図1の任意の数のツール120及び/又は図3のツール300などのコンポーネントによって実装可能である。
【0066】
プロセスは、任意の数のプロセスパラメータを使用し、タスクを実施するツール機構を制御することによって開始される(操作602)。ツール機構は、例えば、限定しないが、ドリルビット又は締め具の機構であってもよい。実施されるタスクは、例えば、限定しないが、孔の穿孔作業、1つのコンポーネントを別のコンポーネントに締め付ける作業、及び/又は他の適切なタスクであってもよい。プロセスパラメータは、例えば、ツール操作及び/又はツール操作の結果に対して、特定のパラメータを提供することができる。
【0067】
プロセスはタスク実施中にプロセスデータを収集する(操作604)。プロセスデータは、例えば、限定しないが、ツールプロセス及び/又はツールプロセスの結果の視覚的データ、例えば穿孔された孔のサイズなどであってもよい。プロセスデータはまた、例えば、ツールによって締め付け操作中に加えられたトルクに関する情報であってもよい。
【0068】
プロセスは収集されたプロセスデータを遠隔地に送信する(操作606)。遠隔地は、例えば、図1のバックオフィス104であってもよい。プロセスは、例えば、図1のネットワーク102などの無線ネットワークを介して、プロセスデータを送信することができる。
【0069】
プロセスは、プロセス更新が受信されたかどうかを判定する(操作608)。プロセス更新は無線ネットワークを介して、例えば、図1のバックオフィス104などの中央の遠隔地から受信することができる。プロセス更新は、例えば、図5の操作512の結果として受信することができる。プロセス更新が受信されていないと判定された場合には、プロセスは操作604に戻る。
【0070】
プロセス更新が受信されたと判定された場合には、プロセスは受信したプロセス更新を使用して任意の数のプロセスパラメータを更新し、新しいプロセスパラメータを形成する。次にプロセスは新しいプロセスパラメータを使用して、タスクを実施するツール機構を制御し、その後プロセスは終了する。
【0071】
図6のプロセスは、例えば、ツールの動作中に任意の数のプロセス更新を受信するステップを、ツールが動作している限り反復することがある。
【0072】
種々の図解されている実施形態でのフロー図及びブロック図は、実装可能な装置、方法及びコンピュータプログラム製品のアーキテクチャ、機能、及び作業を示している。その際、フロー図及びブロック図の各ブロックは、コンピュータで使用可能又は読取可能なプログラムコードのモジュール、セグメント、又は部分を表わしており、特定の機能又は機能群を実装するための一又は複数の実行可能な命令を含んでいる。幾つかの代替的な実施では、ブロックに記載された機能又は機能群は、図の中に記載の順序を逸脱して現れることがある。例えば、場合によっては、連続して示されている2つのブロックがほぼ同時に実行されること、又は時には含まれる機能によってはブロックが逆順に実行されることもありうる。
【0073】
種々の有利な実施形態は、全体がハードウェアからなる実施形態、全体がソフトウェアからなる実施形態、又はハードウェア要素とソフトウェア要素とを含む実施形態の態様をとることができる。幾つかの実施形態は、限定しないが、例えばファームウェア、常駐ソフトウェア、及びマイクロコードといった形態を含むソフトウェアにおいて実施される。
【0074】
さらに、種々の実施形態は、コンピュータ、或いは命令を実行する何らかのデバイス又はシステムにより使用される、或いはそれに接続されて使用されるプログラムコードを提供するコンピュータで使用可能又は読み取り可能な媒体からアクセス可能なコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。本明細書の目的のために、コンピュータで使用可能又は読み取り可能な媒体は、一般に、命令実行システム、装置、又はデバイスによって使用される、或いはそれに接続されて使用されるプログラムの収容、格納、通信、伝播、又は運搬を行う任意の有形装置とすることができる。
【0075】
コンピュータで使用可能又はコンピュータで読取可能な媒体は、例えば、限定しないが、電子システム、磁気システム、光学システム、電磁システム、赤外システム、又は半導体システム、或いは伝播媒体とすることができる。コンピュータで読取可能な媒体の非限定的な実施例には、半導体又は固体状態のメモリ、磁気テープ、取り出し可能なコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RMA)、リードオンリーメモリ(ROM)、剛性磁気ディスク、及び光ディスクが含まれる。光ディスクには、コンパクトディスク−リードオンリーメモリ(CD−ROM)、コンパクトディスク−リード/ライト(CD−R/W)、及びDVDが含まれる。
【0076】
さらに、コンピュータで使用可能な又はコンピュータで読取可能な媒体は、コンピュータで読取可能又は使用可能なプログラムコードを収容又は格納し、コンピュータで読取可能又は使用可能なこのプログラムコードがコンピュータ上で実行されるとき、このコンピュータで読取可能又は使用可能なプログラムコードの実行によって、コンピュータに、コンピュータで読取可能又は使用可能な別のプログラムコードを通信リンクを介して伝送させることができる。このような通信リンクは、例えば、限定しないが、物理的な又は無線の媒体を使用することができる。
【0077】
コンピュータで読取可能な又はコンピュータで使用可能なプログラムコードを格納及び/又は実行するデータ処理システムは、システムバスのような通信ファブリックによりメモリ要素に直接的に又は間接的に連結された一又は複数のプロセッサを含む。メモリ要素は、プログラムコードが実際に実行される間に使用されるローカルメモリ、大容量記憶装置、及び少なくとも何らかのコンピュータで読取可能な又はコンピュータで使用可能なプログラムコードを一時的に格納することにより、コード実行中に大容量記憶装置からコードを取り出す回数を低減できるキャッシュメモリを含むことができる。
【0078】
入出力又はI/O装置は、直接的に、又はI/O制御装置を介して、システムに連結することができる。このような装置には、例えば、限定されないが、キーボード、タッチスクリーンディスプレイ、及びポインティングデバイスが含まれる。種々の通信アダプタをシステムに連結することにより、データ処理システムを、構内ネットワーク又は公衆ネットワークを介在させて他のデータ処理システム、遠隔プリンタ、又は記憶デバイスに連結させることができる。非限定的な実施例はモデムであり、ネットワークアダプタは、現在利用可能な種類の通信アダプタのうちのごく一部に過ぎない。
【0079】
種々の有利な実施形態は、ツールプロセスパラメータを更新するための現在のシステムが遠隔地にあるツール保管庫に入庫登録されており、プロセスパラメータが変化した場合には手動で更新しなければならないことを認識し、且つ考慮している。このような更新は、ツールが待機状態にあるとき、すなわち現在使用されておらず次回必要となるときまで、又は更新が完了するまでツール保管庫に保管されているときに局所的に発生する。リモート更新をツール保管庫に送信することはできるが、操作完了後ツールが保管庫に入庫登録されるまで更新を受信することはない。
【0080】
種々の有利な実施形態はさらに、ツールプロセスを監視するための現在の方法は、例えば結果又はツールパラメータ性能の目視検査用の個々のツールを人が監視することが必要となることを認識し、且つ考慮している。プロセスが完了し、分析のために情報がダウンロード又は手動で読み出された後、幾つかの限定的なコンピュータ監視が、ツールプロセスの結果と共に提供され、分析される。
【0081】
したがって、種々の有利な実施形態は、電子的にプロセスパラメータを制御し、且つ得られるプロセスパラメータを既存の生産プログラムに報告するツールである多数のスマートツールを実装するために、エンタープライズレベルのネットワークアーキテクチャを提供する。このシステムは、プロセスパラメータに対する一様な更新及びツールプロセスの監視のために、ツールと集中管理システムとの間の双方向通信を構築する。
【0082】
種々の有利な実施形態の説明は、例示及び説明を目的として提供されているものであり、網羅的な説明であること、又は開示された形態に実施形態を限定することを意図していない。当業者には、多数の修正例及び変形例が明らかであろう。さらに、種々の有利な実施形態は、他の有利な実施形態に照らして別の利点を提供することができる。選択された一又は複数の実施形態は、実施形態の原理、実際の用途を最もよく説明するため、及び他の当業者に対し、様々な実施形態の開示内容と、考慮される特定の用途に適した様々な修正との理解を促すために選択及び記述されている。
また、本発明は以下に記載する態様を含む。
(態様1)
無線ネットワークと、
前記無線ネットワークと通信を行い、任意の数のタスクを実施して前記任意の数のタスクの実施中にプロセスデータを収集するように構成された任意の数のツールと、
前記任意の数のツールが前記任意の数のタスクを実施し、且つ前記無線ネットワークを使用して前記任意の数のツールによって収集されたプロセスデータを受信するに連れて、前記無線ネットワークと通信を行い、前記任意の数のツールを監視するように構成されている中央サーバーと
を含むシステム。
(態様2)
前記任意の数のツールが任意の数のプロセスパラメータを使用して前記任意の数のタスクを実施する、態様1に記載のシステム。
(態様3)
前記中央サーバーが前記任意の数のツールから受信した前記プロセスデータを分析し、且つプロセスパラメータ更新が必要かどうかを判定する、態様1に記載のシステム。
(態様4)
前記中央サーバーが前記無線ネットワークを使用して、任意の数のプロセスパラメータ更新を前記任意の数のツールに送信する、態様1に記載のシステム。
(態様5)
前記任意の数のツールが、前記プロセスデータを前記中央サーバーに送信するように構成されたデータ処理システムをさらに含む、態様1に記載のシステム。
(態様6)
前記任意の数のツールが、前記任意の数のツールによる前記任意の数のタスクの実施中に、前記中央サーバーから任意の数のプロセスパラメータ更新を受信するように構成されたデータ処理システムをさらに含む、態様1に記載のシステム。
(態様7)
前記任意の数のツールが、輪郭穿孔マシン、ドリルモーター、及び締め具のうちの少なくとも1つから選択されている、態様1に記載のシステム。
(態様8)
前記任意の数のツールが、前記任意の数のツールによる前記任意の数のタスクの実施中に、前記プロセスデータを収集するように構成されたセンサーシステムをさらに含む、態様1に記載のシステム。
(態様9)
ツールを管理するための方法であって
無線ネットワークと通信を行っている任意の数のツールに対するツールプロセスを監視するステップであって、該無線ネットワークを使用して中央の場所で実施される監視ステップと、
前記無線ネットワークを使用して中央の場所で行われるツールプロセスの実施中に前記任意の数のツールに対してプロセスデータを受信するステップと
を含む方法。
(態様10)
前記ツールプロセスの実施中に前記任意の数のツールから収集された前記プロセスデータを分析するステップと、
前記任意の数のツールに対してプロセスパラメータ更新が必要かどうかを判定するステップと
をさらに含む、態様9に記載の方法。
(態様11)
前記任意の数のツールの中の1つのツールが所定のパラメータの範囲内で動作していないことを前記プロセスデータが示している場合には、前記プロセスパラメータ更新が必要となる、態様10に記載の方法。
(態様12)
前記プロセスパラメータ更新が必要であるという判定に対応して、前記無線ネットワークを使用して前記中央の場所から前記任意の数のツールに任意の数のプロセスパラメータ更新を送信するステップであって、前記任意の数のツールが動作中に前記任意の数のツールに対して前記任意の数のプロセスパラメータ更新が送信されるステップ
をさらに含む、態様10に記載の方法。
(態様13)
前記任意の数のツールが、輪郭穿孔マシン、ドリルモーター、及び締め具のうちの少なくとも1つから選択されており、前記任意の数のツールが前記ネットワーク上の任意の数のノードである、態様9に記載の方法。
(態様14)
前記任意の数のツールが任意の数のセンサーシステムを含み、且つ前記プロセスデータが前記任意の数のセンサーシステムを使用して前記任意の数のツールによって収集される、態様9に記載の方法。
(態様15)
プロセス更新が前記任意の数のツールで受信されたかどうかを判定するステップと、
前記プロセス更新が受信されたという判定に対応して、前記任意の数のツールで任意の数のプロセスパラメータを更新するステップと
をさらに含む、態様12に記載の方法。
(態様16)
前記任意の数の更新されたプロセスパラメータを使用してタスクを実施するツール機構を制御するステップと、
タスク実施中にプロセスデータを収集するステップと、
前記無線ネットワークを使用して収集された前記プロセスデータを前記中央の場所に送信するステップと
をさらに含む、態様15に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6