(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記外針を前記スタイレットに対して装填し発射して組織試料を前記外針先端内に捕捉させるための、前記外針ハブ及び前記内針ハブへ連結されている機構を、更に備えており、
前記スタイレットと前記外針は、前記スタイレット先端が、当初、前記外針が発射されるより前は前記外針先端の最遠位端より遠位側に在るような大きさである、請求項8に記載の生検装置。
前記スタイレットは、前記先端から当該スタイレットの長さに沿って延びていて当該ストレットの外へ脱気するように配列されている溝を画定している、請求項8に記載の生検装置。
前記スタイレットと前記外針は、前記スタイレット先端が、当初、前記外針が発射されるより前は前記外針先端の最遠位端より遠位側に在るような大きさである、請求項8に記載の生検装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の原理の理解を促すことを目的に、これより、図面に示され以下の明細書書面に説明されている実施形態を参照してゆく。本発明の範囲に対する如何なる限定もこれにより意図されるものではないと理解している。更に、本発明は、図示の実施形態に対する何れの変更及び修正をも含み、また本発明が属する技術分野の当業者であれば普通に想起し得る本発明の原理の更なる応用を含むものである、と理解している。
【0015】
1つの型式のコア生検装置10が
図1に示されている。装置は、インジアナ州フランクリンのUSバイオプシー社(US Biopsy)によって販売されているSABD(商標)コア生検システム又は患者からコア組織試料を採得することのできる類似の装置に見られる特徴を含むものである。本開示は、コア生検装置に関してはいるが、ここに開示されている特徴は他の型式の組織試料採取装置又は組織生検装置へ組み入れることができるであろう。装置10は、生検処置中に臨床医に把持させる指ハンドル14を画定しているハウジング12を含んでいる。装置は、外側のカニューレ又は針20と、外針20を通って同軸に延びる内側のスタイレット、カニューレ、又は針30と、を含むことができる。
【0016】
生検装置10は、外針を内針に対して装填し発射して組織試料を捕捉させるための機構を組み入れている。ここには発射機構の1つの実施形態が説明されているが、外針を内針に対して装填し発射して組織試料を捕捉させることを可能にする他の機構が、半自動式システム又は完全自動式システムも含め、企図される。
図2により詳細に示されている様に、外針20は、外針架台24上に取り付けられている外針ハブ22内に固定されている。同様に、
図3に示されている様に、内針30は、内針架台38上に取り付けられている内針ハブ32内に固定されている。内針架台38は、生検装置10が装填されるとき外針架台24に係合するためのタブ39を含んでいる。外針20は、患者へ刺入された際の外針20の深さを求めるのに使用されるマーク23を含んでいてもよい。
【0017】
図1に戻って、装置10は、ハウジング12と外針ハブ22の間に配置されているばね40を含んでいる。知られている様に、装置10は外針20をその装填位置に保留するラッチ(図示せず)を含んでいる。多くの類似の生検装置同様、装置10は、内針ハブ32を引き戻すことで外針架台24がラッチに係合するまで引き戻されてゆくことによって装填される。外針ハブ22は、引っ込められてゆくと、ハウジング12内のばね40を圧縮する。
【0018】
生検装置10は、内針ハブ32を前方へ押し出すことでタブ39がラッチを外すことによって発射されるが、他の発射機構が実装されていてもよい。ひとたびラッチが解放されると、ばね40が、外針20を内針の上から前方へ対象組織の中へ推進する。生検処置では、臨床医は、装置をその装填位置に入れた状態にして、外針20の先端26を試料採取しようとする組織に当接して位置付ける。装置を発射させると、外針20は直達的に組織の中へ前進し、組織のコアが外針20のルーメン21(
図5)内に捕捉される。装置10を患者から抜去し、そして既知のやり方で組織コアを外針20から回収すればよい。
【0019】
これまでに説明されている様に、装置10は、構造及び作動が、SABD(商標)生検システム及び他の類似の同軸単動式コア生検装置に似たものとされている。本発明は、この型式の装置への改善を提供するものであり、より厳密にはその様な装置と共に使用するための外針及び内針への改善を提供している。とはいえ、ここに説明されている特徴は、組織試料採取装置又は生検装置において装置の装填動作及び/又は発射動作を行うのにモーターを使用している装置を含め他の型式の装置に組み入れることもできるものと理解している。
【0020】
1つの態様によれば、外針20には、
図4−
図5に示されている様に、フランシーン(Franseen)先端26が設けられている。フランシーン先端は、外針先端26の周囲を廻って谷28によって区切られる3つ又はそれ以上の尖27を含んでいる。1つの特定の実施形態では、3つの尖27が、それぞれ、角度αを成して画定されており、角度αは約18°とすることができる。尖27のエッジ面29は、谷28内に鋭利な切断エッジを形成するべく角度βを成して画定されており、角度βは約30°とすることができる。尖27は、外針20が最初に組織の中へ前進してゆく際の軟組織の円滑な穿刺及び外針が完全に進められた後の確かな獲得を可能にする。尖27は、実質的に組織を圧縮すること無しに組織を貫いて前進するように構成されている。外針20が前進する際には尖27の角度の付けられたエッジ面29が組織を端正に薄切りにするギロチンカッターの役目を果たす。
【0021】
開示されている実施形態の1つの態様によれば、内針30は、装置10が装填されるとき並びに装置10が発射されるときは、外針20の先端26に対して引込位置に維持されている。よって、以上に解説されている様に内針ハブ32が動かされてラッチを外し外針20を解放したとき、内針30の先端36は
図4に示されている様に先端26の谷28の基底から寸法D1しか伸展していない。装置10が最初に装填されたとき、内針先端36は、外針20の先端26の谷28の基底を越えて伸展していないか又は基底を越えて伸展していたとしても最小限に留められているのが好ましい。別の言い方をすれば、
図4に描かれている様に、内針30の先端36は常に外針20の先端26の尖27の最遠位端から後方にオフセットされている。1つの実施形態では、寸法D1は、尖27の長さ(即ち谷28の基底と尖27の遠位端又は先端部の間の距離)の約4分の1未満とされている。
【0022】
図4に示されている装填位置では、内針ハブ32は装置10を発射させる位置に在ることが認識されよう。装置10は、以上に解説されている様に内針ハブ32を前方へ動かすことによって発射されるので、内針30の先端36は、外針20からあまりに突き出た状態にあれば組織に接触する可能性がある。先行技術の装置では、内側のスタイレットは発射に先立って外側の切断カニューレの端を越えて伸展しており、そのため軟組織を切断カニューレから押し退けてしまう傾向があり、その結果、完全コアに達しない試料又は押潰しによる人為的影響を被った試料がもたらされた。ここに開示されている実施形態では、装填位置及び発射位置での内針30の外針20に対する配列のおかげで、先行技術の装置に見られるこの状況は回避される。この配置関係は、外針20と内針30の長さを装填発射機構の構成を考慮に入れながら適切に寸法決めすることによって作り出されるものであることが認識されよう。内針30は、従って、内針ハブ32が進められ外針ハブ22を圧縮された発射用ばね40に押し付けて保留しているラッチを解放したとき、内針先端36を
図4に示されている位置に維持する長さを有している。
【0023】
更に別の取り組み方では、発射に先立って確実に内針先端36が外針先端26の障害となることのないように、内針30の意図的引込が可能になるように内針30が内針ハブ32内に取り付けられている。従って、内針30と内針ハブ32の間には、内針30を回転させると針が内針ハブ32から後戻りするように構成されたねじ式配設を組み入れてもよい。内針30が内針ハブ32から後戻りすると、内針先端36は外針先端26から引っ込む。ねじ式配設は、内針30が内針ハブ32から完全に係合解除されてしまうことを防ぐように構成されていてもよく、生検装置10が発射されるときに内針30をその引込位置にロックしておくロック掛け機構を組み入れているのが好ましい。この実施形態を用いれば、生検装置10が装填されたら、臨床医は、装置の発射に先立って内針30を回転させて先端36を引っ込めるという追加の手順を踏む。内針30には、その近位端に、手を使った針の回転をやり易くするための指用のタブが設けられていてもよい。
【0024】
図5に示されている様に、装置10が発射された後、外針20が発射用のばね40によって前方へ押し進められために、内針30は外針20の先端26から後方に距離D2だけオフセットされている。この距離は、所望される組織コアの長さに対し較正されるものであり、一般的には、装填発射機構によって実現される装置10の投げによる到達距離、―即ち外針20がばね40によって推進されたときに進行する距離―に基づいている。一部の特定の完全コア生検装置では、外針の投げによる到達距離は固定されているであろうし、一方、他のその様な装置では、投げによる到達距離は採得される組織の長さを変えられるように調節可能とされているであろう。
【0025】
装置が発射された後、切り出された組織試料は外針20の端内に保持される。内針30は、その後、組織試料を吐き出させるのに使用される。これは、装置を装填することによって―即ち内針ハブ32を引き戻すことによって―外針20をその初期装填位置に退かせることにより達成することができる。外針20が装填された状態で、内針30は、組織試料を外針20から外へ押し出すのに足る程度に但しラッチを解放し装置10を空撃ちさせない程度に前方へ自由に前進させることができる。内針30は、こうして、
図4に示されている位置まで前進させられることになる。内針30は試料を吐き出させるために使用されているので、内針30の先端36が外針20の先端26の谷28の基底に密に近接しているのが望ましい。内針先端36がこの位置に在れば、確実に、軟組織試料は外針20から支障なく追い出されるか又は試料を壊さない程度に軽く促してやれば追い出される。
【0026】
装置10の一部の特定の使用では、好適な最初の段階が導入器及びスタイレットを生検部位へ刺入することである場合もある。スタイレットを抜去し、装置10を装填し、そして導入器を通して外針先端26がまず軟組織に係合するまで送り出してゆく。次いで、装置10を発射させ導入器を通して抜去する。生検試料を取り出すために、装置10を再び装填し、内針30をゆっくりと前方へ進ませるが、このとき装置10自体は(ケーキに砂糖衣を着せてゆくのに似て)受け入れ面の上を後ろ向きに動かされてゆくことになる。内針30がそのストロークの終わりに到達したら、生検試料は完全且つ端正に外針20から
追い出されているはずである。
【0027】
内針30の動作は、無傷の完全コア生検試料を作製する上で重要な因子であることが認識されよう。内針先端36は、組織が内針30の中へ移入できないように閉鎖されていてもよい。内針先端36は、引きずられる組織を内針30の中心へ向けて駆り立てるように僅かに凹状であってもよい。内針30は、外針20の内ルーメン21内に密な滑り合わせ(
図5)が得られ且つ内針30と外針20の間の隙間に組織を入って来させないようにする大きさである。
【0028】
フランシーン先端26と、上述の内針30と外針20の間の相対的な位置付けとの組合せにより、所望の奥行のコア試料を採得するために対応する所望の組織深さを過ぎて穿通しなくても押し潰されていない完全で端正なコア生検試料を採得できる可能性が飛躍的に高まることが認識されよう。装置10のフランシーン先端26は、外針20の回転無しに直線運動だけで、より端正な切り口を提供する。これは、試料を押し潰す可能性を低減するのに役立つ。内針30と外針20の相対位置も、試料を押し潰す可能性を低減し、装置10が組織の完全で端正なコア生検試料を採得するのに進行しなくてはならない組織の深さを軽減するのに役立つ。
【0029】
以上に解説されている様に、骨の様な硬組織は、装置を操作することによって容易に生検装置の中へ引き込んで抜き出すことができる。組織コアと生検針の内壁の間の摩擦が、コアを抜去されてゆく針の中に保留させるものと確信する。硬組織の場合は、確実に試料が生体組織から端正に分離されるようにするには、試料が採得された後に装置を軽く操作すればよい。しかしながら、軟組織の生検では、長いコア試料を保持しそれを生体組織から分離させる能力には問題があった。問題となっていることの少なくとも一部は、コア試料と生検針の内壁の間の摩擦力が、針が抜去される際にコアをその場に保留するには不十分だということであると確信する。組織の固有の抵抗性が往々にして試料を生体組織から分離する際の針の操作を無効にしてしまう。良好な軟組織試料を採得するためには試料長さ対試料直径の或る特定のアスペクト比が必要であることが判明している。このアスペクト比は、組織の種類及び組織の潤滑性に依って変わる。
【0030】
例えば、肝組織は特に滑らかであるため、肝組織とステンレス鋼生検針の滑らかな内壁との間の摩擦係数は低い。摩擦係数が低い場合、長い試料では、組織の断裂又は分離に対する抵抗に抗うために必要な摩擦力を実現することが求められる。肝組織の場合は、肝組織を端正に摘出するには20:1−25:1のアスペクト比が適することが判明している。よって、0.0535インチ(1.3589mm)の公称内径を有する16ゲージ針の場合、有効な試料を採得するには組織試料は長さ約1.1−1.3インチ(2.794−3.302cm)でなくてはならない。より小さい20ゲージ針なら、有効な試料を採得するには約0.6−0.75インチ(1.524−1.905cm)の試料長さが必要になる。これらの長さの試料を採得しようとすれば、外針20のストロークは所望の試料長さを超過せざるを得ない。こうして、16ゲージ針を用いて1.3インチ(3.302cm)の試料を採得する場合、針のストロークは好適には少なくとも1.4インチ(3.556cm)ということになる。先行技術による完全コア生検針構造については、有効な組織試料が採得されることもたまにはあるが、大抵は何回もの試行の後にしか採得できないことが判明している。
【0031】
この課題に対処するために、別の実施形態による完全コア生検装置は、外針の、長い組織試料を引き込み保持する能力を改善するための特徴を提供している。この実施形態によれば、
図6−
図7に示されている様に、外針20’は、内面72と外面74を含んでいる。外針20’は、内面72と外面74の間の厚さ76を画定している。1つの態様では、この保持特徴は、内面72に画定されている皿穴又は定心斜面80を含んでいる。基本的に、定心斜面80は、外針が組織の中へ前進させられる際により多くの組織を外針の中へ「押し込む」又は詰め込む。定心斜面によって外針の中へ組織がぎゅうぎゅう詰めにされることで、試料の長さが以上に論じられている所望のアスペクト比から外れている場合でも試料と針の間の試料を保持する摩擦力は増すことになるものと確信する。こうして、ここに開示されている定心斜面80を有する16ゲージ針は、(上述の1.1−1.3インチ(2.794−3.302cm)の長さに対比して)1.0インチ(2.54cm)未満の長さを有する無傷の組織試料を採得することができる。換言すれば、定心斜面は、ここに開示されている完全コア生検装置が有効な組織試料を最小のストロークで採得できるようにしている。当然ながら、所望に応じストロークをより長くしてより長い試料を採得することもできるであろう。
【0032】
定心斜面は、更に、外針の先端のより鋭利な切断エッジ78へ通じている。具体的には、外針の切断エッジは、針20’の外面74を鋭利なエッジか又は
図6に描かれているフランシーン研削部の何れかへ研削することによって形成することができるであろう。次いで、内面72を適切な斜面角度γに研削することによって定心斜面80を形成することができる。その結果、外面研削部と内面研削部の間の交点が、何れかの研削部単独よりも更に鋭利な切断エッジ78を作り出す。
【0033】
皿穴又は定心斜面80は、外針20’の内面72に形成され、先端から内端82へ延びている。内端82は奥行D3に位置し、一部の特定の実施形態では、D3は先端26’の尖92の間の谷75によって画定されている直径95の大凡2倍とされている。定心斜面80は、外針20’の厚さ76が先端26’よりも内端82で大きくなるように形成されている。換言すれば、内端82の厚さは、外針20’の管状本体の壁厚さに等しく、先端26’の鋭利な切断エッジ78に向かって漸減している。定心斜面80は、
図7に示されている様に内面72に角度γで形成されている。一部の特定の実施形態では、皿穴又は定心斜面80が約3−4°の刃先角度(included angle)を形成するように、角度γは約1−2°とすることができる。外針20の壁厚さに依っては、角度γは約6°と大きい場合もある。
【0034】
定心斜面80は、装置が発射されるとき及び切り出された組織が取り出されてゆくときに、組織を外針内に保持するのを支援する。定心斜面はコア採取動作時により大きな体積の組織を外側のカニューレの中へ圧縮しようとする傾向があること、及びより大きな体積がひいては表面張力又は組織試料と定心斜面80の間の圧力を増大させること、を確信している。この圧力増加のおかげで、装置が組織部位から引き抜かれてゆく際に組織試料は外針の内面に「はり付く」ことができるようになる。
【0035】
定心斜面は、更に、外針の先端のより鋭利な切断エッジ78へ通じている。具体的には、外針の切断エッジは、針20’の外面74を鋭利なエッジか又は
図6に描かれ以下に説明されているフランシーン研削部の何れかへ研削することによって形成することができるであろう。次いで、内面72を適切な斜面角度γに研削することによって定心斜面80を形成することができる。こうして、外面研削部と内面研削部の間の交点が、何れかの研削部単独よりも更に鋭利な切断エッジ78を作り出しており、それは一部には皿穴又は定心斜面80が外針20’の厚さ76を減少させていることが理由である。切断エッジ78の厚さは、一部の特定の実施形態では大凡0.0005乃至0.001インチ(0.0127乃至0.0254mm)とされている。
【0036】
別の態様では、外針20’は、更に、外面74に形成されている組織薄切特徴90を含んでいる。組織薄切特徴90もまた、先端26’が外針20’の最薄部分となるように外針20’の厚さ76を削減している。組織薄切特徴90は、例えば、(以上に
図4−
図5に関連付けて説明され
図6−
図7に示されている)フランシーン先端であってもよい。他の適した薄切構成に、トロカール先端、クインケ(Quinke)先端、又は鋭利な先端とエッジを形成している何れかの他の針先特徴があろう。
【0037】
この実施形態では、外針20’の厚さ76は、説明されている特徴の導入のせいで、外針の長さに沿って変化している。外針20’の厚さ76は、ハブ22と定心斜面80の内端82の間が大凡0.003又は0.004インチ(0.0762又は0.1016mm)となろう。外針20’の厚さ76は、定心斜面80の内端82から角度γで減少し始め、更に、組織薄切特徴90の谷94では角度αで減少し始める。先端26’の厚さ76は、こうして、大凡0.0012乃至0.0014インチ(0.03048乃至0.03556mm)まで削減されている。
【0038】
皿穴又は定心斜面80と組織薄切特徴90の両方を含んでいる上述の実施形態のもたらすものは、何らの押潰しによる人為的影響も被ること無く外針20’の端内に捕えられた完璧且つ均一なコア試料である。装置20’の組織薄切特徴90は、外針20’の回転無しに直線運動だけで、より端正な切り口を提供する。更に、装置20’の皿穴又は定心斜面80が、コアが組織から外針20’の切断エッジ78によって切り離される際にコアを案内及び支持するための案内面を提供する。
【0039】
上述の定心斜面又は皿穴80の角度γ及び刃先角度は、少なくとも一部には、組織薄切特徴90及び外針20’の壁厚さによって規定される。以上に説明されているように、図示の実施形態では、組織薄切特徴90は、谷又は谷底94を含んでいるフランシーン先端である。皿穴80は、先端26’から延びていて、フランシーン谷94の端より近位の奥行D3に停止している。奥行D3は、組織をすっぽり外針の中へ引き込むのに十分でなくてはならず、図示の実施形態ではフランシーン谷の直径95の2倍である。この奥行が、針の壁厚さと合同で、最大実施可能角度γを確定する。壁がより厚ければ、角度をより大きくできるが、但し、外針の直径が増加することで創傷の直径を大きくしてしまうか、又は内径が減少することで組織試料の直径を小さくしてしまうか、何れかの犠牲の上でということになる。
【0040】
臨床学的に適した完全コア生検を獲得するための一部の特定の実施形態では、外針は16から20の間のゲージを有するステンレス鋼管材で形成されている。16ゲージ針は、0.0650±0.0005インチ(1.651±0.0127mm)の公称外径と、0.006インチ(0.1524mm)の公称壁厚さにつき0.0535±0.001インチ(1.3589±0.0254mm)の内径と、を有している。20ゲージ針は、0.0350±0.0005インチ(0.889±0.0127mm)の公称O.D.と、0.003インチ(0.0762mm)の公称壁厚さにつき0.0295±0.001インチ(0.7493±0.0254mm)の公称I.D.と、を有している。典型的なフランシーン研削なら谷直径95は0.04−0.05インチ(1.01−1.27mm)となり、その結果、奥行D3は図示の実施形態では0.08−0.10インチ(2.032−2.54mm)になる。これらの寸法なら、実施可能角度γは1.7−4.3°の範囲となる(最薄壁と最長奥行D3の組合せであれば角度はより浅いものとなる)。しかしながら、外針の先端26’は、切断エッジを画定するように研削されるので、4.3°という大き目の角度γは、できる限り鋭利な切断エッジを提供する上では問題となろう。同じく、より短い奥行D3も実施可能ではあるが、結果として角度γが大きくなるので、切断エッジの鋭さが損なわれることになる。鋭い切断エッジを維持する必要性は、図示の実施形態のフランシーン研削部を含んでいない場合の適した角度γにも影響を及ぼす。
【0041】
外針20’は、外針の内面72に形成されている他の組織保持特徴を、定心斜面80と共に又はその代わりに含んでいてもよい。従って、1つの特徴では、内面72に螺旋溝85が形成されている。溝85は、
図7に示されている様に、内面72の定心斜面80の内端82に隣接する場所に形成されていてもよい。この実施形態では、溝85は0.04乃至0.08インチ(1.016乃至2.032mm)の奥行を有している。溝85は、定心斜面の端82に起始するものとして示されているが、他の実施形態では、溝は、定心斜面と重なり合っている場合もある。溝は外針と切り出されようとしている組織の間の「食いつき」を増強するものと確信しており、定心斜面80と組み合わされている場合はとりわけそうである。他の組織保持特徴を外側カニューレの内面72へ組み入れることも企図される。例えば、溝85の様な螺旋溝ではなしに、特徴は、一連の、周方向の溝、軸方向の溝、線条、畝、ローレット、又は組織が盛られる凸凹した表面を提供する他の特徴を含んでいてもよい。とはいえ、製造上の理由から螺旋溝が好適であろう。
【0042】
1つの実施形態では、完全コア生検装置10の外針20は、内針30と外針20'の間の既定の相対配置と併せて皿穴又は定心斜面80を含んでいる。この実施形態では、内針30は、内針先端36が外針20’のハブ22と皿穴又は定心斜面80の内端82の間に配置されるような位置(図示せず)に内針先端36を維持する長さを有していればよい。換言すれば、内針の先端は、定心斜面80の内端82の近位又は内方寄りにオフセットされている。この実施形態は、内針と外針の(以上に
図4−
図5の内針30と外針20に関連付けて説明されているのと同じやり方による)相対配置によってもたらされる利点を、上述の定心斜面80によってもたらされる利点と組み合わせている。同じく、螺旋溝85の様な他の保持特徴を、完全コア生検装置20へ組み入れることができる。
【0043】
内針先端36は、組織の内針30への進入を防ぐために閉鎖又は封鎖されていてもよい。別の取り組み方では、内針30は、潅注又は吸引/真空システムへ統合されていてもよい。この取り組み方では、内針30は、中空であって、近位端が潅注又は吸引用構成要素へ連結されている。確実に組織が内針30に入らないようにするために、先端36には、流体は通すが組織は通さないように構成されているフィルタ要素が設けられていてもよい。
【0044】
1つの実施形態では、フィルタ要素は、
図8に示されているフィルタ37の様なエッチングされた膜フィルタである。フィルタ37は、304ステンレス鋼で作られ、中空の内針30の先端36又はその近くで針30の内径に溶接されていてもよい。1つの特定の実施形態では、膜は厚さ約0.002インチ(0.0508mm)であって、直径0.0037インチ(0.09398mm)の一連の穿孔がフィルタ37の面積を囲むように0.0055インチ(0.1397mm)の間隔で分散している。金網構造の様な他のフィルタ要素構成も企図される。
【0045】
フィルタ要素は、上述の生検装置10を使用するための処置を増強する。例えば、幾つかの処置では、組織を外針20の中へ引き込むのを手助けするため、又は生検装置10が患者から抜去されてゆく際に組織を外針20内に保留するのを手助けするために、外針先端26に吸引を掛けることが望ましい場合もある。そうすると内針30は内針先端36に吸引を提供する装置へ連結されることになろう。フィルタ要素37は、組織が内針30の中へ移入するのを防ぐことができる。完全コア又は他の生検装置は、フィルタ要素37を組み入れることから益を享受することができ、フィルタ要素37が組織薄切特徴90、組織保持特徴の螺旋溝85、定心斜面80、内針30と外針20、20’の相対配置、のうちの1つ又はそれ以上と合同に組み入れられている場合は特にそうである。
【0046】
一部の特定の実施形態では、内針は、組織試料が外針20の中へ引き込まれる際の空気の圧力を逃がすための脱気用の特徴を提供するように修正されてもよい。従って、
図10に示されている様に、内針30’の近位端は、内針ハブ32’に取り付けられている。内針30’は、更に、遠位先端36まで針の内部と連通している脱気口37を画定している。脱気口37は、組織試料が外針の中へ引き込まれる際の組織試料の後ろの如何なる圧力水頭も排除するものであり、そうでなければ、完全コア生検装置の完璧で無傷の組織試料を引き込む能力が阻害されることになろう。
【0047】
組織試料の摘出を支援するために吸引を掛けることに関し、組織試料を外針20、20’内に十分に保持するには短時間の真空「バースト」しか必要ないと考えている。よって、内針30は外部の真空源へ接続されてもよいとされてはいるが、その様な取り組み方は、ここに開示されている完全コア生検装置10の多くの用途にとっては現実的でもないし必須でもないであろう。従って、
図9に示されている生検装置60は、真空生成用の特徴を組み入れるように修正されてもよい。装置60は、上述の装置10と類似であって、実質的に同じハウジング12、外針20、及び完全コア先端26、並びに実質的に同じ内針30支持用ハブ32を有している装置とすることができる。
【0048】
この実施形態では、生検装置60は、内針ハブ32とシール係合状態に取り付けられている真空要素50を組み入れるように修正されている。内針30は、外針先端26から真空要素50の開口端51まで(又はそれを僅かに越えて)延びるのに十分な長さを有している。内針30の近位端にはピストン55が取り付けられており、真空室58内に滑動可能に配置されている。内針30の近位端には、内針30を外針20、20’の先端26から引き戻すために使用することのできるハンドル57が設けられていてもよい。ハンドル57が後ろへ引かれると、ピストン55は室58内に真空を引き、ひいては内針30内に真空を引く。真空は、切り出された組織が内針20の遠位先端36にぶつかる場合には強められる。内針30には、内針のルーメンと真空室58の間を連通させる開口を設けることができる。
【0049】
幾つかの実施形態では、真空要素50の作動は生検装置60の発射と連係され自動式になっていてもよい。真空要素50が、過早に、組織試料が外針20、20’によって捕捉されるより前に作動すれば、内針30内には真空が殆ど或いは全く引かれない。真空は、従って、外針20、20’がその切断ストロークの終わりにさしかかったときに始まり、組織の外針20、20’への引き込みを手助けする。真空は、外針20、20’が生検部位から抜去され始めるまで維持されるのが好ましい。先行技術による完全コア生検装置は、装置が切り出された組織と共に抜去されてゆくとき、組織試料の抵抗が試料を生検部位へ引き戻そうとし試料が生検装置から出てゆきがちであった。生検装置60が抜去される際の吸引の提供は、組織試料の追い出し又は引き戻しに抵抗し、確実に試料が元の組織部位から完全に分離されるようにする。しかしながら、組織試料が内針30の中へ吸い込まれ(特にフィルタ37不存在時)その後の組織病理学にとって組織試料の完全性が損なわれてしまうのを回避するために、真空は限られた期間持続されるのが好適であろう。従って、吸引は、生検装置を組織部位から完全に引き抜く時間よりも短い期間で掛けられるのが好ましい。
【0050】
真空要素50によって引くことのできる真空の量は、内針30へ取り付けられているピストン55のストロークを制限することによって限定することができる。生検装置60の抜去時に組織試料の完全取り出しを確保するには最小限の吸引しか必要でないと考えている。組織試料の完全性が保たれ吸引による影響を被らせないことが重要である。
【0051】
更なる実施形態では、真空要素50は外針20、20’内に真空を引くように構成されている。この場合、室58は外針20、20’と連通しているが、ピストン55は内針30に取り付けられたままである。何れの実施形態でも、吸引は生検装置60内に自発的に生成されるので、外部真空源は不要である。この自発生成の態様は、生成される吸引の量が許容可能値を超えないという保証を与えており、そうでなければ組織が傷つけられるか又は装置の機能が損なわれかねない。その上、真空は、生検装置60の発射の都度、何れの構成要素も「リセット」する必要無しに、一貫して生成される。
【0052】
生検設定によっては、複数の組織試料を採得するのが望ましい。その場合は、生検装置60の毎回の発射後に、外針20、20’を装填することによって組織試料を追い出させることができ、但し内針30の位置は変わらない(組織試料の追い出しを支援するために内針30を僅かに前進させる一部の場合を除く)。内針30は、試料を採得するためのみならず試料が採取されるときに最適真空を生成するためにも、開始点へ付勢される。
【0053】
ここに示されている実施形態では、完全コア生検構成要素は、用手装置又は部分的に自動化された装置で利用される。同じ構成要素を他の生検装置で利用することもできるであろう。例えば、上述の外針20(又は20’)及び内針30は、
図11に示されている装置160の様な完全に自動化された装置へ統合することができるであろう。この実施形態では、外針20はハブ170へ取り付けられており、一方内針はハブ172へ取り付けられている。ハブ同士は、両ハブの発射装置161への導入位置を維持する案内ピン175によって整列されている。ハブ170、172は、ハブを対応する架台162、164へ取付ピン163、165によって着座させるのに使用される各自の取付孔171、173を含んでいる。1つの適した自動式装置160の構造及び作動の詳細は米国特許第7,309,317号に開示されており、同特許の開示をここに参考文献として援用する。組織試料の捕捉に関し、装置160は、外針20、20’を組織部位の中へ前進させて組織試料を摘出するという点において装置10と同様のやり方で作動する。装置160は、317号特許に開示されている様に針を推進するのにばねを使用していてもよいし、又は少なくとも外針を試料採取しようとする組織の中へ押し進めるための他の手段を実装していてもよい。
【0054】
ここに開示されている完全コア構成要素は、案内式、操舵式、又は可撓性の生検装置で使用することもできるであろう。1つのその様なシステムが
図12に示されており、
図12では、装置180は発射装置182へ取り付けられている可撓性針組立体181を含んでいる。装置180は、吸引又は潅注管185を組み入れるためのコネクタ組立体184を含んでいてもよい。装置180及び可撓性針組立体は、米国特許第6,419,641号に開示されている生検装置の様な構成及び作動であってもよく、同特許の開示をここに参考文献として援用する。1つの態様では、可撓性針組立体は、内針30’’に形成されている複数のノッチ186及び188と、外針20’’に形成されている複数のスロット187と、を含んでいる。ノッチとスロットは、針組立体が、身体通路を通って操縦されてゆく際、例えば肝臓へ経頚静脈アクセスするために頚静脈を通って操縦されてゆく際などに、内針と外針が曲がれるように配設され整列されている。外針20’’の作業端26は、
図4−
図5に示されている様に、無傷の完全コア組織試料を採得するように構成されている。内針20’’及び外針30’’の構造及び機能は、それ以外はここに説明されている通りであり、主な相違点は、装置180は装置10、60、及び160の剛性針方式を利用していないことである。
【0055】
一部の特定の処置では、生検部位への初期アクセスを提供するため、及び外側のカニューレを前進させるためのガイドワイヤの役目を果たさせるために、スタイレットを利用するのが望ましい。これらの処置では、スタイレットは外カニューレの先端から突き出ていなくてはならない。よって、
図13に示されている様に、スタイレット200は、外側カニューレ20の尖27を越えて伸展している。スタイレット200は、容易に組織を穿通するように構成されている鋭利な先端202を有する構成である。この実施形態では、先端202は、複数の開口又は空隙203を有する多孔材料で形成されている。開口はスタイレットの内ルーメン205と連通しており、内ルーメンは上述の様に脱気部又は真空源と連通されていてもよい。開口203及びルーメン205は、こうして、以上に
図8に示されているフィルタ37に関連付けて説明されているやり方で作動することのできる、即ちスタイレットが外側カニューレに対して引っ込められる際に真空が形成されるのを防止する、脱気部を提供している。
【0056】
或る代わりの実施形態では、スタイレット210には先端212からスタイレットの長さに沿って延びる複数の溝214が設けられていてもよい。溝214は、脱気部又は真空源と連通していて、上述と同じやり方で機能するものである。無傷の組織試料の摘出が損なわれないようにスタイレットと外側カニューレの間に脱気を可能にする他の特徴がスタイレットへ組み入れられてもよいと考えている。
【0057】
内針を外針内に配した生検装置の1つ又はそれ以上の実施形態の以上の詳細な説明は、限定ではなく一例としてここに提供されている。ここに説明されている一部の特定の個別的な特徴及び機能には利点のあることが認知されるであろう。また、以上に開示されている実施形態の様々な代替、修正、変更、又は改善、及び、他の特徴及び機能又はそれらの代替は、多くの異なった実施形態、システム、又は用途へと望ましく組み合わされてもよいことが認知されるであろう。その点において、現時点で予測又は予期されていない代替、修正、変更、又は改善が当業者によって今後なされるかもしれず、それらも付随の特許請求の範囲によって網羅されるものとする。