特許第5890468号(P5890468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890468
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】電気コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20160308BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20160308BHJP
   H01R 13/506 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   H01R13/42 E
   H01R13/639 Z
   H01R13/506
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-112215(P2014-112215)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-225843(P2015-225843A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2015年5月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100087790
【弁理士】
【氏名又は名称】尾関 伸介
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154900
【弁理士】
【氏名又は名称】関 京悟
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 安一
【審査官】 石川 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−358867(JP,A)
【文献】 特開2012−069347(JP,A)
【文献】 特開2010−251176(JP,A)
【文献】 特開2000−182506(JP,A)
【文献】 特開2004−253163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/42
H01R 13/506
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続対象物に取り付けられて、電線に取り付けられた相手コネクタと嵌合することで、前記電線を前記接続対象物に電気的に接続する、電気コネクタであって、
コンタクトと、
前記コンタクトに取り付けられるハウジングと、
を備え、
前記コンタクトは、前記接続対象物に対して固定可能な平板状の第1コンタクト部と、前記相手コネクタと接触可能な平板状の第2コンタクト部と、を有し、
前記ハウジングは、前記相手コネクタを前記電気コネクタに嵌合する嵌合方向と反対方向である抜去方向で前記第2コンタクト部が挿入されるハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられるコンタクトロックと、を有し、
前記コンタクトロックは、前記嵌合方向を向く第1ロック面と、前記抜去方向を向く第2ロック面と、を有し、
前記ハウジング本体は、前記抜去方向を向くハウジングロック面を有し、
前記コンタクトは、前記嵌合方向を向くコンタクトロック面を有し、
前記抜去方向と実質的に直交する方向で前記コンタクトロックを前記ハウジング本体に挿入して前記ハウジング本体に取り付けると、前記第1ロック面が前記ハウジングロック面と対向し、前記第2ロック面が前記コンタクトロック面と対向し、
前記ハウジングは、前記コンタクトが貫通可能であって前記接続対象物に向かって開口する第1の開口と、前記第1の開口と異なる開口であって前記コンタクトが貫通可能であって前記嵌合方向に開口する第2の開口と、を有する、
電気コネクタ。
【請求項2】
請求項1に記載の電気コネクタであって、
前記ハウジングは、前記コンタクトロックが前記ハウジング本体から引き抜かれると、前記コンタクトロックが前記接続対象物へと近づくように構成されている、
電気コネクタ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電気コネクタであって、
前記コンタクトは、前記第1コンタクト部の板厚方向と前記第2コンタクト部の板厚方向が略直角であるL字型に形成されている、
電気コネクタ。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電気コネクタであって、
前記コンタクトは、前記第1コンタクト部の板厚方向と前記第2コンタクト部の板厚方向が略平行であって、前記第1コンタクト部と前記第2コンタクト部が前記第1コンタクト部の板厚方向においてズレている、クランク型に形成されている、
電気コネクタ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の電気コネクタであって、
前記ハウジング本体は、前記コンタクトロックを前記ハウジング本体に挿入する挿入方向に延びる挿入溝を有し、
前記コンタクトロックは、前記ハウジング本体の前記挿入溝に収容可能な挿入部を有し、
前記コンタクトロックの前記第1ロック面は、前記挿入部に形成されており、
前記ハウジング本体の前記ハウジングロック面は、前記挿入溝に形成されている、
電気コネクタ。
【請求項6】
請求項に記載の電気コネクタであって、
前記挿入部は、前記挿入方向に沿って延びる梁と、前記梁に設けられた爪と、を有し、
前記ハウジング本体は、前記挿入溝に挿入された前記挿入部の前記爪が引っ掛かる引っ掛かり面を有する、
電気コネクタ。
【請求項7】
請求項に記載の電気コネクタであって、
前記挿入部は、前記挿入方向において前記梁を挟む一対の突部を有し、
前記コンタクトロックの前記第1ロック面は、前記挿入部の前記一対の突部に形成されている、
電気コネクタ。
【請求項8】
請求項に記載の電気コネクタであって、
前記梁は、前記一対の突部の何れか一方によって支持された片持ち梁である、
電気コネクタ。
【請求項9】
接続対象物に取り付けられて、電線に取り付けられた相手コネクタと嵌合することで、前記電線を前記接続対象物に電気的に接続する、電気コネクタであって、
コンタクトと、
前記コンタクトに取り付けられるハウジングと、
を備え、
前記コンタクトは、前記接続対象物に対して固定可能な平板状の第1コンタクト部と、前記相手コネクタと接触可能な平板状の第2コンタクト部と、を有し、
前記ハウジングは、前記相手コネクタを前記電気コネクタに嵌合する嵌合方向と反対方向である抜去方向で前記第2コンタクト部が挿入されるハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられるコンタクトロックと、を有し、
前記コンタクトロックは、前記嵌合方向を向く第1ロック面と、前記抜去方向を向く第2ロック面と、を有し、
前記ハウジング本体は、前記抜去方向を向くハウジングロック面を有し、
前記コンタクトは、前記嵌合方向を向くコンタクトロック面を有し、
前記抜去方向と実質的に直交する方向で前記コンタクトロックを前記ハウジング本体に挿入して前記ハウジング本体に取り付けると、前記第1ロック面が前記ハウジングロック面と対向し、前記第2ロック面が前記コンタクトロック面と対向し、
前記ハウジング本体は、前記コンタクトロックを前記ハウジング本体に挿入する挿入方向に延びる挿入溝を有し、
前記コンタクトロックは、前記ハウジング本体の前記挿入溝に収容可能な挿入部を有し、
前記コンタクトロックの前記第1ロック面は、前記挿入部に形成されており、
前記ハウジング本体の前記ハウジングロック面は、前記挿入溝に形成されており、
前記挿入部は、前記挿入方向に沿って延びる梁と、前記梁に設けられた爪と、を有し、
前記ハウジング本体は、前記挿入溝に挿入された前記挿入部の前記爪が引っ掛かる引っ掛かり面を有し、
前記挿入部は、前記挿入方向において前記梁を挟む一対の突部を有し、
前記コンタクトロックの前記第1ロック面は、前記挿入部の前記一対の突部に形成されている、
電気コネクタ。
【請求項10】
請求項9に記載の電気コネクタであって、
前記梁は、前記一対の突部の何れか一方によって支持された片持ち梁である、
電気コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術として、特許文献1は、本願の図30に示すように、バッテリ側に接続される入力端子100とタブ状の出力端子101を有するバスバー102をボックス103に抜け止め状態で収容する技術を開示している。特許文献1では、バスバー102を表裏両面から挟む樹脂モールド部104を設け、樹脂モールド部104の左右の面に設けた突起105をボックス103の左右の壁面に設けたロック片106に弾性的に係止させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−358867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンタクトとハウジングを備えた電気コネクタには以下のような問題がある。即ち、例えばバッテリーなどの固定物にコンタクトが固定されていると、ハウジングに外力が作用した際、ハウジングがコンタクトから脱落してしまう場合があった。コンタクトをハウジングに挿入して取り付ける際の挿入方向で上記の外力が作用すると、上記の脱落問題は更に顕著となる。
【0005】
本発明の目的は、電気コネクタのハウジングに外力が作用してハウジングがコンタクトから脱落することで、電線と接続対象物との電気的な接続が失われるのを防止する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の観点によれば、接続対象物に取り付けられて、電線に取り付けられた相手コネクタと嵌合することで、前記電線を前記接続対象物に電気的に接続する、電気コネクタであって、コンタクトと、前記コンタクトに取り付けられるハウジングと、を備え、前記コンタクトは、前記接続対象物に対して固定可能な平板状の第1コンタクト部と、前記相手コネクタと接触可能な平板状の第2コンタクト部と、を有し、前記ハウジングは、前記相手コネクタを前記電気コネクタに嵌合する嵌合方向と反対方向である抜去方向で前記第2コンタクト部が挿入されるハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられるコンタクトロックと、を有し、前記コンタクトロックは、前記嵌合方向を向く第1ロック面と、前記抜去方向を向く第2ロック面と、を有し、前記ハウジング本体は、前記抜去方向を向くハウジングロック面を有し、前記コンタクトは、前記嵌合方向を向くコンタクトロック面を有し、前記抜去方向と実質的に直交する方向で前記コンタクトロックを前記ハウジング本体に挿入して前記ハウジング本体に取り付けると、前記第1ロック面が前記ハウジングロック面と対向し、前記第2ロック面が前記コンタクトロック面と対向し、前記ハウジングは、前記コンタクトが貫通可能であって前記接続対象物に向かって開口する第1の開口と、前記第1の開口と異なる開口であって前記コンタクトが貫通可能であって前記嵌合方向に開口する第2の開口と、を有する、電気コネクタが提供される。
前記ハウジングは、前記コンタクトロックが前記ハウジング本体から引き抜かれると、前記コンタクトロックが前記接続対象物へと近づくように構成されている。
前記コンタクトは、前記第1コンタクト部の板厚方向と前記第2コンタクト部の板厚方向が略直角であるL字型に形成されている。
前記コンタクトは、前記第1コンタクト部の板厚方向と前記第2コンタクト部の板厚方向が略平行であって、前記第1コンタクト部と前記第2コンタクト部が前記第1コンタクト部の板厚方向においてズレている、クランク型に形成されている。
前記ハウジング本体は、前記コンタクトロックを前記ハウジング本体に挿入する挿入方向に延びる挿入溝を有し、前記コンタクトロックは、前記ハウジング本体の前記挿入溝に収容可能な挿入部を有し、前記コンタクトロックの前記第1ロック面は、前記挿入部に形成されており、前記ハウジング本体の前記ハウジングロック面は、前記挿入溝に形成されている。
前記挿入部は、前記挿入方向に沿って延びる梁と、前記梁に設けられた爪と、を有し、前記ハウジング本体は、前記挿入溝に挿入された前記挿入部の前記爪が引っ掛かる引っ掛かり面を有する。
前記挿入部は、前記挿入方向において前記梁を挟む一対の突部を有し、前記コンタクトロックの前記第1ロック面は、前記挿入部の前記一対の突部に形成されている。
前記梁は、前記一対の突部の何れか一方によって支持された片持ち梁である。
本願発明の第2の観点によれば、接続対象物に取り付けられて、電線に取り付けられた相手コネクタと嵌合することで、前記電線を前記接続対象物に電気的に接続する、電気コネクタであって、コンタクトと、前記コンタクトに取り付けられるハウジングと、を備え、前記コンタクトは、前記接続対象物に対して固定可能な平板状の第1コンタクト部と、前記相手コネクタと接触可能な平板状の第2コンタクト部と、を有し、前記ハウジングは、前記相手コネクタを前記電気コネクタに嵌合する嵌合方向と反対方向である抜去方向で前記第2コンタクト部が挿入されるハウジング本体と、前記ハウジング本体に取り付けられるコンタクトロックと、を有し、前記コンタクトロックは、前記嵌合方向を向く第1ロック面と、前記抜去方向を向く第2ロック面と、を有し、前記ハウジング本体は、前記抜去方向を向くハウジングロック面を有し、前記コンタクトは、前記嵌合方向を向くコンタクトロック面を有し、前記抜去方向と実質的に直交する方向で前記コンタクトロックを前記ハウジング本体に挿入して前記ハウジング本体に取り付けると、前記第1ロック面が前記ハウジングロック面と対向し、前記第2ロック面が前記コンタクトロック面と対向し、前記ハウジング本体は、前記コンタクトロックを前記ハウジング本体に挿入する挿入方向に延びる挿入溝を有し、前記コンタクトロックは、前記ハウジング本体の前記挿入溝に収容可能な挿入部を有し、前記コンタクトロックの前記第1ロック面は、前記挿入部に形成されており、前記ハウジング本体の前記ハウジングロック面は、前記挿入溝に形成されており、前記挿入部は、前記挿入方向に沿って延びる梁と、前記梁に設けられた爪と、を有し、前記ハウジング本体は、前記挿入溝に挿入された前記挿入部の前記爪が引っ掛かる引っ掛かり面を有し、前記挿入部は、前記挿入方向において前記梁を挟む一対の突部を有し、前記コンタクトロックの前記第1ロック面は、前記挿入部の前記一対の突部に形成されている、電気コネクタが提供される。
前記梁は、前記一対の突部の何れか一方によって支持された片持ち梁である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、電気コネクタのハウジングに外力が作用してハウジングがコンタクトから脱落することで、電線と接続対象物との電気的な接続が失われるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】ピンコネクタにソケットコネクタを嵌合させる前の状態を示す斜視図である。(第1実施形態)
図2】ピンコネクタにソケットコネクタを嵌合させた後の状態を示す斜視図である。(第1実施形態)
図3】ピンコネクタの斜視図である。(第1実施形態)
図4】ピンコネクタの別の角度から見た斜視図である。(第1実施形態)
図5】ピンコネクタの組み立て手順の説明図である。(第1実施形態)
図6】ピンコネクタの組み立て手順の説明図である。(第1実施形態)
図7】ピンコネクタの組み立て手順の説明図である。(第1実施形態)
図8】ピンコネクタの組み立て手順の説明図である。(第1実施形態)
図9】ピンハウジング本体の斜視図である。(第1実施形態)
図10】ピンハウジング本体の一部切り欠き斜視図である。(第1実施形態)
図11図10のA部拡大図である。(第1実施形態)
図12】ピンハウジング本体の別の角度から見た一部切り欠き斜視図である。(第1実施形態)
図13】ピンコンタクトロックの斜視図である。(第1実施形態)
図14】ピンコンタクトロックの一部切り欠き斜視図である。(第1実施形態)
図15】ピンコンタクトロックの別の角度から見た斜視図である。(第1実施形態)
図16】ピンコンタクトロックの別の角度から見た斜視図である。(第1実施形態)
図17】ピンコンタクトの斜視図である。(第1実施形態)
図18】ピンコンタクトの別の角度から見た斜視図である。(第1実施形態)
図19】ピンコネクタの一部切り欠き斜視図である。(第1実施形態)
図20図19のB部拡大図である。(第1実施形態)
図21】ピンコネクタの別の角度から見た一部切り欠き斜視図である。(第1実施形態)
図22】ソケットコネクタの斜視図である。(第1実施形態)
図23】ソケットコネクタの一部切り欠き斜視図である。(第1実施形態)
図24】ピンコネクタをソケットコネクタに嵌合させた状態の一部切り欠き斜視図である。(第1実施形態)
図25】ピンコンタクトの斜視図である。(第2実施形態)
図26】ピンコネクタの斜視図である。(第2実施形態)
図27】ピンコネクタをバッテリーユニットに取り付けた状態を示す斜視図である。(第2実施形態)
図28】ピンコンタクトの斜視図である。(第3実施形態)
図29】ピンコネクタの斜視図である。(第3実施形態)
図30】特許文献1の図1に相当する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図1図24を参照して、第1実施形態を説明する。図1及び図2は、コネクタ組立体1を用いて電線2をバッテリーユニット3(接続対象物)に接続する様子を示している。図1及び図2に示すように、本実施形態においてバッテリーユニット3は、略直方体であって、上面3Aと一対の側面3Bを有する。上面3Aには、一対の外部端子4が配置されている。
【0010】
コネクタ組立体1は、バッテリーユニット3の外部端子4に取り付けられるピンコネクタ5(電気コネクタ)と、電線2に取り付けられるソケットコネクタ6(相手コネクタ)と、によって構成されている。そして、図2に示すように、ソケットコネクタ6をピンコネクタ5に嵌合させることで、電線2がバッテリーユニット3の外部端子4に電気的に接続される。
【0011】
図1に示すように、ピンコネクタ5は、ピンコンタクト7(コンタクト)と、ピンコンタクト7に取り付けられるピンハウジング8(ハウジング)と、を備える。ピンコンタクト7をバッテリーユニット3の外部端子4に取り付けると、ピンハウジング8は、バッテリーユニット3の側面3Bと対向する。
【0012】
ここで、図1及び図2を参照して、「コネクタ挿抜方向(第1方向)」「バッテリー対向方向(第2方向)」「コネクタ幅方向(第3方向)」を定義する。コネクタ挿抜方向、バッテリー対向方向及びコネクタ幅方向は互いに直交している。コネクタ挿抜方向は、ピンコネクタ5に対してソケットコネクタ6を挿抜する方向である。コネクタ挿抜方向は、コネクタ嵌合方向(嵌合方向)とコネクタ抜去方向(抜去方向)を有する。コネクタ嵌合方向は、ピンコネクタ5に対してソケットコネクタ6を嵌合させる方向である。コネクタ抜去方向は、ピンコネクタ5からソケットコネクタ6を抜去する方向である。バッテリー対向方向は、ピンコネクタ5のピンハウジング8とバッテリーユニット3の側面3Bが対向する方向である。バッテリー対向方向は、バッテリー近接方向とバッテリー離間方向を有する。バッテリー近接方向は、ピンコネクタ5のピンハウジング8からバッテリーユニット3の側面3Bを見る方向である。バッテリー離間方向は、バッテリーユニット3の側面3Bからピンコネクタ5のピンハウジング8を見る方向である。コネクタ幅方向は、コネクタ挿抜方向及びバッテリー対向方向に対して直交する方向である。コネクタ幅方向は、コネクタ幅中央方向とコネクタ幅反中央方向を有する。コネクタ幅中央方向は、ピンコネクタ5のコネクタ幅方向の中央に近づく方向である。コネクタ幅反中央方向は、ピンコネクタ5のコネクタ幅方向の中央から離れる方向である。
【0013】
図1及び図2には、2つのコネクタ組立体1が描かれているが、2つのコネクタ組立体1は同一構造を有する。従って、以下、一方のコネクタ組立体1のみについて説明し、他方のコネクタ組立体1については説明を省略する。
【0014】
(ピンコネクタ5)
図3及び図4には、異なる方向から見たピンコネクタ5を描いている。前述したように、ピンコネクタ5は、ピンコンタクト7とピンハウジング8を備える。ピンハウジング8は、ピンハウジング本体9と、ピンハウジング本体9に取り付けられるピンコンタクトロック10(コンタクトロック)と、を有する。そして、図5図8に示すように、ピンコンタクト7をピンハウジング本体9に挿入し、ピンコンタクトロック10をピンハウジング本体9に取り付けることで、ピンコンタクト7はピンハウジング本体9に固定される。
【0015】
(ピンハウジング本体9)
図9図12を参照して、ピンハウジング本体9を説明する。図9には、ピンハウジング本体9の斜視図を示している。図10図12には、ピンハウジング本体9の一部切り欠き斜視図を示している。図9に示すように、ピンハウジング本体9は、ベースプレート15と、嵌合部16と、ピンコンタクトロック収容部17と、を有する。
【0016】
図9及び図12に示すように、ベースプレート15は、平板状の部分である。ベースプレート15には、コネクタ挿抜方向においてベースプレート15を貫通するコンタクト挿入孔18が形成されている。
【0017】
図9及び図12に示すように、嵌合部16は、外側カバー19と内側カバー20を有する。図12では、内側カバー20を説明するために、外側カバー19を切り欠いた状態でピンハウジング本体9を描いている。図9に示すように、外側カバー19は、ベースプレート15からコネクタ抜去方向に角筒状に突出して形成されている。外側カバー19は、バッテリー対向方向で対向する一対の大側壁19Aと、コネクタ幅方向で対向する一対の小側壁19Bと、を有する。各小側壁19Bには、爪嵌合面19Cが形成されている。図12に示すように、内側カバー20は、外側カバー19の内側において、ベースプレート15からコネクタ抜去方向に突出して形成されている。内側カバー20は、ベースプレート15のコンタクト挿入孔18と連通するコンタクト収容空間21を形成する。内側カバー20は、コンタクト収容空間21を取り囲む複数の梁22によって構成されている。
【0018】
図10に示すように、ピンコンタクトロック収容部17は、ベースプレート15からコネクタ嵌合方向に突出して形成されている。ピンコンタクトロック収容部17は、コネクタ幅方向で対向する一対のロック保持壁部25と、コンタクト挿入孔18よりもバッテリーユニット3から遠くに配置されたロック突き当り壁部26と、を有する。各ロック保持壁部25のコネクタ幅中央方向側の壁面25Aには、バッテリー対向方向に延びる挿入溝27が形成されている。即ち、図11に示すように、各ロック保持壁部25は、挿入溝27のコネクタ幅反中央方向を区画する溝側面27Aと、挿入溝27のコネクタ嵌合方向を区画する溝天井27B(ハウジングロック面)と、を有する。また、各ロック保持壁部25には、溝側面27Aからコネクタ幅反中央方向に延びる引っ掛かり孔27Cと、引っ掛かり孔27Cのバッテリー近接方向を区画する引っ掛かり面27Dと、を有する。図10に示すように、ロック突き当り壁部26は、板厚方向がバッテリー対向方向に等しい突き当り壁部本体26Aと、突き当り壁部本体26Aのコネクタ幅方向における中央からバッテリー近接方向に突出する突き当り壁部突出部26Bと、を有する。
【0019】
(ピンコンタクトロック10)
次に、図13図16を参照して、ピンコンタクトロック10を説明する。図13図15及び図16には、異なる角度から見たピンコンタクトロック10を描いている。図14には、ピンコンタクトロック10の一部切り欠き斜視図を示している。
【0020】
図13図16に示すように、ピンコンタクトロック10は、コンタクト保持部30と、一対の挿入部31と、を有する。
【0021】
図13に示すように、コンタクト保持部30は、バッテリー対向方向に角筒状に延びる部分である。図14に示すように、コンタクト保持部30は、バッテリー対向方向に貫通するコンタクト貫通孔32を有する。図13図15に示すように、コンタクト保持部30は、コネクタ嵌合方向を向く上面30Aと、コネクタ抜去方向を向く下面30B(第2ロック面)と、コネクタ幅反中央方向を向く一対の側面30Cと、を有する。図16に示すように、コンタクト保持部30のバッテリー離間方向側の端部には、コネクタ挿抜方向に貫通する切り欠き35が形成されている。
【0022】
図13に示すように、各挿入部31は、コンタクト保持部30の各側面30Cの下部からコネクタ幅反中央方向に突出して形成されている。各挿入部31は、バッテリー対向方向に細長く形成されている。詳しくは、各挿入部31は、一対の保持突部36(突部)と、ロック梁37(梁)と、爪38と、を有する。各挿入部31が有する一対の保持突部36は、コンタクト保持部30の側面30Cからコネクタ幅反中央方向に突出する部分である。各挿入部31が有する一対の保持突部36は、バッテリー対向方向において互いに離れて配置されている。各保持突部36は、コネクタ嵌合方向を向く突起上面36A(第1ロック面)を有する。ロック梁37は、一対の保持突部36のうちバッテリーユニット3から遠い保持突部36によって支持された片持ち梁であって、バッテリー近接方向に延びている。爪38は、ロック梁37の自由端からコネクタ幅反中央方向に突出して形成されている。
【0023】
(ピンコンタクト7)
図17及び図18には、異なる方向から見たピンコンタクト7を描いている。図17及び図18に示すように、ピンコンタクト7は、約3mmの厚みを有する金属板を折り曲げて形成されている。ピンコンタクト7は、平板状のバッテリー固定部40(第1コンタクト部)と、平板状の接触部41(第2コンタクト部)と、連結部42と、を有する。
【0024】
バッテリー固定部40の板厚方向は、コネクタ挿抜方向に等しい。バッテリー固定部40は、バッテリー対向方向に延びている。バッテリー固定部40のバッテリー近接方向側の端部には、固定孔43が形成されている。接触部41の板厚方向は、バッテリー対向方向に等しい。接触部41は、コネクタ挿抜方向に延びている。連結部42は、バッテリー固定部40と接触部41を連結する部分である。本実施形態において、バッテリー固定部40の板厚方向と接触部41の板厚方向は略直角であり、もって、ピンコンタクト7は、L字型に形成されている。また、図18に示すように、接触部41のコネクタ幅方向の寸法41Wは、連結部42のコネクタ幅方向の寸法42Wよりも大きい。従って、接触部41は、コネクタ嵌合方向を向く一対のコンタクトロック面44を有する。一対のコンタクトロック面44は、コネクタ幅方向において連結部42を挟むように配置されている。
【0025】
次に、ピンコネクタ5の組み立て手順を説明する。
【0026】
先ず、図5及び図6に示すように、ピンコンタクト7をピンハウジング本体9に挿入する。ピンコンタクト7をピンハウジング本体9に挿入する方向は、コネクタ抜去方向に等しい。具体的には、ピンコンタクト7の接触部41をピンハウジング本体9のベースプレート15のコンタクト挿入孔18に挿入する。
【0027】
次に、図6図8に示すように、ピンコンタクトロック10をピンハウジング本体9に取り付ける。ピンコンタクトロック10をピンハウジング本体9に取り付ける方向は、バッテリー離間方向に等しい。具体的には、図5図8に示すように、ピンコンタクトロック10のコンタクト保持部30のコンタクト貫通孔32にピンコンタクト7のバッテリー固定部40を挿入させつつ、ピンコンタクトロック10の一対の挿入部31を、ピンハウジング本体9のピンコンタクトロック収容部17の一対の挿入溝27に挿入していく。すると、図19及び図20に示すように、ピンコンタクトロック10の一対の挿入部31の爪38が、一対のロック保持壁部25の引っ掛かり面27Dに引っ掛かり、ピンコンタクトロック10のピンハウジング本体9からの引き抜きが禁止される。また、図19に示すように、コンタクト保持部30がロック突き当り壁部26の突き当り壁部本体26Aに突き当り、ピンコンタクトロック10のバッテリー離間方向へのそれ以上の挿入も禁止される。
【0028】
こうして、ピンコネクタ5が組み立てられると、第1に、図18に示す各コンタクトロック面44と、図15に示すコンタクト保持部30の下面30Bと、がコネクタ挿抜方向で対向する。第2に、図13に示す各挿入部31の一対の突起上面36Aと、図11に示す溝天井27Bと、がコネクタ挿抜方向で対向する。これにより、ピンコンタクト7がピンハウジング8に対して相対的にコネクタ嵌合方向へ移動することが禁止される。換言すれば、ピンハウジング8がピンコンタクト7に対して相対的にコネクタ抜去方向へ移動することが禁止される。
【0029】
図21には、ピンコンタクト7の接触部41が内側カバー20に収容された様子を示している。内側カバー20は複数の梁22によって構成されているので、接触部41は、内側カバー20に収容された状態で部分的に外部に露出している。
【0030】
(ソケットコネクタ6)
次に、図22及び図23を参照して、ソケットコネクタ6を説明する。図22及び図23には、電線2に取り付けられたソケットコネクタ6を示している。
【0031】
図22及び図23に示すように、ソケットコネクタ6は、ソケットコンタクト50と、ソケットコンタクト50を収容するソケットハウジング51と、を有する。
【0032】
図23に示すように、ソケットコンタクト50は、電線2の導体2Aに圧着される圧着部52と、8つの弾性片53と、8つの弾性片53を支持する弾性片支持部54と、を有する。
【0033】
図22に示すように、ソケットハウジング51は、コネクタ挿抜方向に角筒状に延びて形成されている。ソケットハウジング51は、コネクタ幅方向に対向する一対の側壁55を有する。各側壁55には、側壁55によって両端支持された梁56と、梁56の長手方向の中途部からコネクタ幅反中央方向に突出する嵌合爪57と、が設けられている。
【0034】
次に、コネクタ組立体1の使用方法を説明する。
【0035】
先ず、図17に示すバッテリー固定部40の固定孔43を利用して、ピンコネクタ5のピンコンタクト7を図1に示す外部端子4にボルト締結する。
【0036】
次に、図1及び図2に示すように、ソケットコネクタ6をピンコネクタ5に嵌合させる。すると、図24に示すように、ソケットコンタクト50の8つの弾性片53がピンコンタクト7の接触部41に接触し、もって、電線2の導体2Aがバッテリーユニット3の外部端子4に電気的に接続される。
【0037】
また、図22に示す一対の嵌合爪57が、図9に示す一対の爪嵌合面19Cに引っ掛かり、ソケットコネクタ6のピンコネクタ5からの意図しない抜去が禁止される。
【0038】
ピンコネクタ5からソケットコネクタ6を抜去するには、図22の梁56をコネクタ幅中央方向に撓ませて、一対の嵌合爪57と、図9に示す一対の爪嵌合面19Cと、の引っ掛かりを解除した上で、ソケットコネクタ6をコネクタ抜去方向に引き下ろせばよい。
【0039】
以上に、第1実施形態を説明したが。上記第1実施形態は、以下の特長を有する。
【0040】
(1)ピンコネクタ5(電気コネクタ)は、バッテリーユニット3(接続対象物)に取り付けられて、電線2に取り付けられたソケットコネクタ6(相手コネクタ)と嵌合することで、電線2をバッテリーユニット3に電気的に接続する。ピンコネクタ5は、ピンコンタクト7(コンタクト)と、ピンコンタクト7に取り付けられるピンハウジング8と、を備える。ピンコンタクト7は、バッテリーユニット3の外部端子4に対して固定可能な平板状のバッテリー固定部40(第1コンタクト部)と、ソケットコネクタ6のソケットコンタクト50と接触可能な平板状の接触部41(第2コンタクト部)と、を有する。ピンハウジング8は、コネクタ抜去方向(抜去方向)で接触部41が挿入されるピンハウジング本体9(ハウジング本体)と、ピンハウジング本体9に取り付けられるピンコンタクトロック10(コンタクトロック)と、を有する。ピンコンタクトロック10は、コネクタ嵌合方向(嵌合方向)を向く突起上面36A(第1ロック面)と、コネクタ抜去方向を向く下面30B(第2ロック面)と、を有する。ピンハウジング本体9は、コネクタ抜去方向を向く溝天井27B(ハウジングロック面)を有する。ピンコンタクト7は、コネクタ嵌合方向を向くコンタクトロック面44を有する。バッテリー離間方向でピンコンタクトロック10をピンハウジング本体9に挿入してピンハウジング本体9に取り付けると、突起上面36Aが溝天井27Bと対向し、下面30Bがコンタクトロック面44と対向する。詳しくは、バッテリー離間方向でピンコンタクトロック10をピンハウジング本体9に挿入してピンハウジング本体9に取り付けると、コネクタ挿抜方向において突起上面36Aが溝天井27Bと接触可能に対向し、コネクタ挿抜方向において下面30Bがコンタクトロック面44と接触可能に対向する。以上の構成によれば、ピンコンタクト7をピンハウジング本体9に確実に固定することができる。従って、電線2がコネクタ抜去方向に引っ張られるなどして、ピンハウジング本体9にコネクタ抜去方向の外力が作用してピンハウジング8がピンコンタクト7から脱落することで、電線2とバッテリーユニット3との電気的な接続が失われるのを防止することができる。
【0041】
(2)また、ピンハウジング8は、ピンコンタクトロック10がピンハウジング本体9から引き抜かれると、ピンコンタクトロック10がバッテリーユニット3へと近づくように構成されている。以上の構成によれば、何らかの原因によりピンコンタクトロック10がピンハウジング本体9から外れ掛かった際、ピンコンタクトロック10はバッテリーユニット3へと近づくことになり、もって、ピンコンタクトロック10がバッテリーユニット3に接触してピンコンタクトロック10のピンハウジング本体9からの完全な脱落が回避される場合がある。
【0042】
(3)本実施形態において、ピンコンタクト7は、バッテリー固定部40の板厚方向と接触部41の板厚方向が略直角であるL字型に形成されている。
【0043】
(5)ピンハウジング8は、ピンコンタクト7が貫通可能であってバッテリーユニット3に向かって開口するコンタクト貫通孔32(第1の開口)と、ピンコンタクト7が貫通可能であってコネクタ嵌合方向に開口するコンタクト貫通孔58(第2の開口、図8参照)と、を有する。なお、コンタクト貫通孔58は、バッテリー対向方向におけるピンハウジング本体9とピンコンタクトロック10の間の隙間として形成される。以上の構成によれば、バッテリー固定部40の板厚方向と接触部41の板厚方向が略直角であるL字型のピンコンタクト7と、バッテリー固定部40の板厚方向と接触部41の板厚方向が略平行であってバッテリー固定部40と接触部41がバッテリー固定部40の板厚方向においてズレているクランク型のピンコンタクトと、バッテリー固定部40と接触部41が直線的に並んでいるストレート型のピンコンタクトと、のすべてに対応可能なピンハウジング8が実現される。
【0044】
(6)ピンハウジング本体9は、バッテリー対向方向(ピンコンタクトロック10をピンハウジング本体9に挿入する挿入方向)に延びる挿入溝27を有する。ピンコンタクトロック10は、ピンハウジング本体9の挿入溝27に収容可能な挿入部31を有する。ピンコンタクトロック10の突起上面36Aは、挿入部31に形成されている。ピンハウジング本体9の溝天井27Bは、挿入溝27に形成されている。
【0045】
(7)挿入部31は、バッテリー対向方向に沿って延びるロック梁37(梁)と、ロック梁37に設けられた爪38と、を有する。ピンハウジング本体9は、挿入溝27に挿入された挿入部31の爪38が引っ掛かる引っ掛かり面27Dを有する。以上の構成によれば、ピンコンタクトロック10をピンハウジング本体9に取り付けた状態で挿入部31のロック梁37及び爪38が挿入溝27内に収容された状態となるので、挿入部31のロック梁37及び爪38が破損し難い。
【0046】
(8)挿入部31は、バッテリー対向方向においてロック梁37を挟む一対の保持突部36(突部)を有する。ピンコンタクトロック10の突起上面36Aは、挿入部31の一対の保持突部36に形成されている。
【0047】
(9)ロック梁37は、一対の保持突部36の一方によって支持された片持ち梁である。
【0048】
(第2実施形態)
次に、図25図27を参照して、第2実施形態を説明する。本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0049】
図25に示すように、本実施形態のピンコンタクト7は、バッテリー固定部40の板厚方向と接触部41の板厚方向が略平行であって、バッテリー固定部40と接触部41がバッテリー固定部40の板厚方向においてズレているクランク型に形成されている。
【0050】
図26には、ピンコンタクト7にピンハウジング8を取り付けた状態を描いている。図25及び図26に示すように、ピンコンタクト7のバッテリー固定部40は、接触部41と比較して、ピンコンタクトロック10をピンハウジング本体9へ挿入する挿入方向と反対方向にズレている。ピンコンタクト7の連結部42は、コンタクト貫通孔58を貫通している。
【0051】
図27には、本実施形態のピンコネクタ5がバッテリーユニット3の外部端子4に取り付けられている様子を示している。図27に示すように、本実施形態においてピンコネクタ5は、外側カバー19の突出方向がバッテリーユニット3の上面3Aに対して平行となるように、バッテリーユニット3の外部端子4にボルト締結される。以上の構成によれば、電線2の引出方向のバッテリーユニット3の上面3Aに対して平行にすることができる。
【0052】
(2)本実施形態でも、上記第1実施形態と同様に、ピンハウジング8は、ピンコンタクトロック10がピンハウジング本体9から引き抜かれると、ピンコンタクトロック10がバッテリーユニット3へと近づくように構成されている。従って、何らかの原因によりピンコンタクトロック10がピンハウジング本体9から外れ掛かった際、ピンコンタクトロック10はバッテリーユニット3へと近づくことになり、もって、ピンコンタクトロック10がバッテリーユニット3に接触してピンコンタクトロック10のピンハウジング本体9からの完全な脱落が回避される場合がある。
【0053】
(第3実施形態)
次に、図28及び図29を参照して、第3実施形態を説明する。本実施形態が上記第1実施形態と相違する点を中心に説明し、重複する説明は省略する。
【0054】
図28に示すように、本実施形態のピンコンタクト7は、バッテリー固定部40と接触部41が直線的に並んでいるストレート型に形成されている。
【0055】
図29には、ピンコンタクト7にピンハウジング8を取り付けた状態を描いている。図29に示すように、ピンコンタクト7の連結部42は、コンタクト貫通孔58を貫通している。
【0056】
以上に、本発明の第1〜第3実施形態を説明した。特筆すべきは、ピンハウジング8は、ピンコンタクト7が貫通可能であってバッテリーユニット3に向かって開口するコンタクト貫通孔32(第1の開口)と、ピンコンタクト7が貫通可能であってコネクタ嵌合方向に開口するコンタクト貫通孔58(第2の開口、図8参照)と、を有する点である。この構成により、ピンハウジング8は、上記第1〜第3実施形態に示すようにピンコンタクト7の形状が全く異なっていても問題なくそれらのピンコンタクト7を収容することができている。
【符号の説明】
【0057】
1 コネクタ組立体
2 電線
2A 導体
3 バッテリーユニット(接続対象物)
3A 上面
3B 側面
4 外部端子
5 ピンコネクタ(電気コネクタ)
6 ソケットコネクタ(相手コネクタ)
7 ピンコンタクト(コンタクト)
8 ピンハウジング
9 ピンハウジング本体(ハウジング本体)
10 ピンコンタクトロック(コンタクトロック)
15 ベースプレート
16 嵌合部
17 ピンコンタクトロック収容部
18 コンタクト挿入孔
19 外側カバー
19A 大側壁
19B 小側壁
19C 爪嵌合面
20 内側カバー
21 コンタクト収容空間
22 梁
25 ロック保持壁部
25A 壁面
26 ロック突き当り壁部
26A 突き当り壁部本体
26B 突き当り壁部突出部
27 挿入溝
27A 溝側面
27B 溝天井(ハウジングロック面)
27C 引っ掛かり孔
27D 引っ掛かり面
30 コンタクト保持部
30A 上面
30B 下面(第2ロック面)
30C 側面
31 挿入部
32 コンタクト貫通孔(第1の開口)
33 コンタクト抑え面
35 切り欠き
36 保持突部(突部)
36A 突起上面(第1ロック面)
37 ロック梁(梁)
38 爪
40 バッテリー固定部(第1コンタクト部)
41 接触部(第2コンタクト部)
41W 寸法
42 連結部
42W 寸法
43 固定孔
44 コンタクトロック面
50 ソケットコンタクト
51 ソケットハウジング
52 圧着部
53 弾性片
54 弾性片支持部
55 側壁
56 梁
57 嵌合爪
58 コンタクト貫通孔(第2の開口)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30