(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アウトレットポートの前記開口部は、前記本体部の中心軸に対してほぼ対称となるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のフロー分配器。
前記アウトレットポートの前記開口部は、前記本体部の中心軸に対して非対称となるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のフロー分配器。
前記フロー分配機構は、前記フロー分配器の前記アウトレットポートと前記下流パイプとの間に配置される複数の第二のフロー分配器をさらに含み、前記アウトレットポートから流れる前記冷媒を前記下流パイプに対応する複数の分岐フローに分割するようにしたことを特徴とする請求項9に記載の環境コントロールシステム。
前記冷媒経路は、前記フロー分配器の前記インレットポートの上流位置にて前記上流パイプに合流する複数の分岐パイプ部を含むことを特徴とする請求項9乃至11の何れか一項に記載の環境コントロールシステム。
前記第一熱交換部は一つ又はそれ以上の冷媒流路を含み、前記第二熱交換部は複数の冷媒流路を含み、前記第一熱交換部の前記冷媒流路の数が前記第二熱交換部の前記冷媒流路の数よりも少なくなるようにしていることを特徴とする請求項9乃至12の何れか一項に記載の環境コントロールシステム。
【背景技術】
【0003】
空調システム、冷却装置、ヒートポンプシステム、冷蔵庫等の、気体から液体へあるいは液体から気体への相転移を伴う、二相の冷媒を用いる従来の環境コントロールシステムでは、蒸発器の上流部及び/又は蒸発器内において、フロー分配器又は分流器によって、冷媒のフロー経路を複数の流路に分割することがよく行われ、それによって、二相のフローの圧力低下により蒸発器の性能が低下することを防止している。
【0004】
図15A〜15Dは、従来のフロー分配器の例を示す概略図である。
図15Aは、T型フロー分流器を示しており、この分流器においては、二つのパイプを単にT型を形成するように接続している。このようなT型フロー分流器は製造コストが低いという利点を有している。しかしながら、
図15Aに示すように、フロー分流器のインレット部において二相冷媒の液体成分の分配が均一でない場合、二相冷媒の液体成分が複数のアウトレットポート間で不均一に分配された状態で、冷媒がアウトレットポートから排出されてしまう。
図15Aに示すこのようなフロー分流器のインレット部における液体成分の不均一な分配は多くの理由によって引き起こされるものであり、例えば、分流器の取付角度による重力の影響、製造誤差(例えば、分流器の非対称の構造、表面湿潤性のばらつき)、及び上流パイプの屈曲、合流及び/又は分岐によるインレットポートにおける冷媒の液体成分のフロー状況のばらつき等があげられる。
図15Aに示す例においては、右側のアウトレットポートから排出される冷媒は、左側のアウトレットポートから排出される冷媒よりも多くの液体成分を含んでいる。つまり、右側のアウトレットポートから排出される冷媒のボイド率と、左側のアウトレットポートから排出される冷媒のボイド率とは異なっている。このように、冷媒の液体成分が不均一に分配されると、フロー分流器の下流部に配置される蒸発器の性能が低下するおそれがある。
【0005】
図15Bは、トランク型分流器を示しており、この分流器では、二相冷媒はまず中空のシリンダに導入され、二相冷媒の液体成分と蒸気成分はそのシリンダにおいて混合される。次いで、冷媒は複数のアウトレットポートから排出される。各アウトレットポートは比較的小さな径を有しており、摩擦抵抗を増加させて、冷媒を均一に分配するようにしている。しかしながら、このトランク型の分流器においては、
図15Bに示すように、シリンダ内で冷媒の液体成分が対称に分配されていない場合、冷媒のフローは一方に偏ってしまい、アウトレットポートにおいても液体成分の分配が不均一になってしまうおそれがある。
【0006】
図15Cは、内部分岐型フロー分流器を示しており、この分流器では、分流器の内部に狭小チャネル構造及び/又は突起構造のような構造物を設けることによって、内部で冷媒の経路を複数のアウトレットポートに分割して、冷媒を均一に分配するようにしている。しかしながら、分流器にそのような内部構造を設けることで、精密な製造プロセスが必要となり、結果として製造コストが高くなる。さらに、狭小チャネル構造及び/又は突起構造のため、分流器内の圧力損失が増加するおそれがある。
【0007】
図15Dは、ヘッダ型分流器を示しており、この分流器では、シリンダのヘッダ(マニホルド)の側壁に複数のアウトレットポートを設けている。このタイプのフロー分流器では、ヘッダ内での圧力と流量が一定でない場合、冷媒は一方に偏りがちになり、アウトレットポート内での冷媒の液体成分の分配を不均一にしてしまう。
【0008】
空調システムの冷媒回路においては、上述したような従来型のフロー分流器のいずれかのタイプを複数設置し、フロー分流器の各アウトレットポートを他のフロー分流器に接続してアウトレットポートから出る冷媒フローを更に分割するようにしてもよい。システム内に複数のフロー分流器を設けることで、より大規模な産業システムで必要とされるように、冷媒を数多くのフロー経路に分割することができる。しかしながら、冷媒のフローが複数のフロー分流器を通過することが必要となるので、上流のフロー分流器での冷媒の液体成分の不均一な分配が、下流のフロー分流器において、累積的に伝播する傾向がある。
【0009】
さらに、より大規模な産業用の環境コントロールシステムにおいては、一つの構成要素のサイズを大きくする代わりに、主要構成要素(例えば、コンプレッサ、熱交換器など)のそれぞれを、レギュラーサイズの構成要素を複数組み合わせることによって形成し、そのキャパシティを集合的に向上させることがあるが、これはそのようなアプローチの方がより経済的だからである。そのようなより大規模なシステムの冷媒回路においては、それぞれの構成要素を接続するために、導管を合流及び/又は分岐することが必要となることがあるが、上述したような従来型のフロー分流器を用いる場合、そのような導管の合流及び/又は分岐によって、フロー分流器における冷媒の液体成分の分配がより不均一になる可能性がある。さらには、より大規模なシステムにおいては、通常、多量の冷媒を循環させることが必要とされるため、冷媒用のパイプの径は比較的大きなものとなっている。そのため、パイプ内での冷媒の液体成分のフロー状況は、重力の影響をより受けやすくなっている。
【0010】
また、米国出願公開第2008/0000263号には、また別のタイプのフロー分配器が提案されており、この分配器においては、シリンダの上部に設けられる円筒形容器に導入される二相冷媒は下向きのスパイラル流を発生させて、円筒形容器の下部に形成されるアウトレットポートから出る。このフロー分配器においては、二相冷媒はインレットパイプから円筒形容器に接線方向から流入し、円筒形容器内で回転する間に冷媒に作用する遠心力によって気体と液体に分離する。より重い液体は周辺側に集まり、より軽い気体は中央に集まる。その後、気体は回転しながら移動する間に分配パイプのアウトレットから流出する。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。本件の開示より当業者にとって明らかなように、以下の実施形態に関する記述は、単なる例示であって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって決められる本発明を限定するものではない。
【0017】
図1を参照して、ヒートポンプシステム100は、本発明の一実施形態による環境コントロールシステム(ECS)の一例である。本実施形態のヒートポンプシステム100は、可逆サイクルヒートポンプ冷却システムであって、第一熱交換器1、第二熱交換器2、膨張弁3、コンプレッサ4、及び四方切換弁5を含み、これらは導管によって形成される冷媒回路Fに配置される。ヒートポンプシステム100が稼動している間、冷媒には相転移が起こり、ヒートポンプシステム100が加熱モードにあるか冷却モードにあるかによって、液体が気体(蒸気)に変わったり、気体(蒸気)が液体に変わったりする。第一熱交換器1、第二熱交換器2、膨張弁3、コンプレッサ4、及び四方切換弁5は、以下においてより詳細に記載されるように第一熱交換器1が本実施形態のフロー分配機構10を備える点を除いて、当該分野でよく知られた従来の構成要素である。これらの構成要素は当該分野でよく知られたものであり、その構造についてはここでは詳細に記述又は図示しない。むしろ、当業者であれば、これらの構成要素は、本発明の実施のために用いられる構造であればどのようなタイプのものであってもよいことが、本件の開示より明らかである。
【0018】
第一及び第二熱交換器1及び2は、蒸発器及び凝縮器の機能を互換的に果たすように設計されている。第一及び第二熱交換器1及び2は、空気(例えばビルの内部)又は物質(例えば産業用の液体、水泳用プール、魚用の水槽)を加熱又は冷却して調整するように作用する。「冷却モード」においては、第一熱交換器1は凝縮器として機能し、第二熱交換器2は蒸発器として機能する。「加熱モード」においては、役割が反対となり、第一熱交換器1は蒸発器として機能し、第二熱交換器2は凝縮器として機能する。コンプレッサ4は高圧で冷媒を冷媒回路Fにポンプ注入するように構成かつ配置されている。四方切換弁5は、冷媒回路Fにコンプレッサ4からポンプ注入された冷媒の方向を制御して、加熱モードと冷却モードとを切り替えるように構成かつ配置されている。
図1では、ヒートポンプシステム100が加熱モードで稼動している間の冷媒フローの方向を白い矢印で示し、ヒートポンプシステム100が冷却モードで稼動している間の冷媒フローの方向を黒い矢印で示している。
【0019】
上述したように、加熱モードで、第一熱交換器1は蒸発器として機能し、第二熱交換器2は凝縮器として機能する。四方切換弁5は、高圧冷媒ガスを第二熱交換器2に通じる導管に向かわせる。冷媒ガスからの熱は、調整されるエリアや物質(例えば産業用の液体、水、又は室内の空気)に放出され、高圧冷媒ガスは高圧液体へと凝縮される。第二熱交換器2を出た冷媒液体は、導管を通過して、次いで、加熱モードでは蒸発器として機能する第一熱交換器1に入る。ここで、熱がシステムの外側から第一熱交換器1へと吸収されることで、そこに含まれる冷媒液体を蒸発させ低圧ガスにする。次いで、導管を経て第一熱交換器1を出た冷媒ガスは、四方切換弁5を介してコンプレッサ4に向けられる。
【0020】
冷却モードでは、四方切換弁5は、第一熱交換器1に通じる導管を経てコンプレッサ4を出た高圧冷媒ガスの方向を変える。なお、第一熱交換器1は冷却モードでは凝縮器として機能する。その結果、凝縮された高圧液体は、第一熱交換器1を出て、蒸発器として機能する第二熱交換器2に入る。調整されるエリアや物質(例えば産業用の液体、水、又は室内の空気)から熱が吸収され、その結果、液体の冷媒を蒸発させガスにする。第二熱交換器2を出た低圧冷媒ガスは、コンプレッサ4に戻る。
【0021】
第一及び第二熱交換器1及び2間の冷媒の経路は反転可能である一方で、コンプレッサ4への及びコンプレッサ4からの冷媒のフローの方向は、稼動モードに関係なく、常に同じである。
【0022】
第一熱交換器1は、第一熱交換部1A、第二熱交換部1B、及びフロー分配機構10を含み、フロー分配機構10は第一熱交換部1Aと第二熱交換部1Bの間に配置される。第一熱交換部1Aと第二熱交換部1Bは、第一熱交換部1A内の内部流路1a(例えばコイル)の数が第二熱交換部1B内の内部流路1b(例えばコイル)の数よりも少なくなるようにされている。
図1の概要図において、内部流路1aは2本の線のみで示され、内部流路1bは6本の線のみで示されているが、内部流路1a及び1bの実際の数は、第一熱交換器1の仕様に基づいて決められる。
【0023】
フロー分配機構10は、一つ又はそれ以上のパイプ16を介して第一熱交換器1の第一熱交換部1Aに接続され、内部流路1bの数に応じた数の複数のパイプ18を介して第二熱交換部1Bに接続される。
図1の概要図において、パイプ16は2本の線で示されているが、パイプ16の実際の数は内部流路1aの実際の数に応じて変わり、また設計仕様、配管、フロー分配機構10のスペース制限に応じて変わる。例えば、パイプ16は、第一熱交換部1Aの内部流路1aの数と同じ数だけ配置されるようにしてもよく、第一熱交換部1Aの内部流路1aの数より少ない数、又は、第一熱交換部1Aの内部流路1aの数より多い数を設置するようにしてもよい。パイプ16の数が第一熱交換部1Aの内部流路1aの数と異なる場合には、一つ又は複数の接続管部を内部流路1aとパイプ16の間に適切に設けて、その間の冷媒のフローを分割又は合流させるようにする。
【0024】
従って、ヒートポンプシステム100が加熱モードで稼動する場合、第一熱交換部1Aから流れ出た冷媒は、パイプ16を介してフロー分配機構10に入る。冷媒は、フロー分配機構10により、パイプ18の数に応じた数の複数のフロー経路に分割され、そして、冷媒は、パイプ18を介して第二熱交換部1Bに入る。ヒートポンプシステム100が冷却モードで稼動する場合、第二熱交換部1Bからパイプ18を介してフロー分配機構10へ流れた冷媒は、入り、パイプ16に合流及び分割され、次いで、冷媒は第一熱交換部1Aの内部流路1aに入る。
【0025】
上述したように、ヒートポンプシステム100が加熱モードで稼動する場合、第一熱交換器1は蒸発器として機能し、そこに含まれる冷媒液体を蒸発させ低圧ガスにする。より具体的には、冷媒はまず第一熱交換部1Aに入り、冷媒が第一熱交換部1Aの内部流路1aを通過する間に、液体冷媒の一部が蒸発させられガスとなる。従って、第一熱交換部1Aのインレット部における冷媒の乾き度は、第二熱交換部1Bのインレット部における冷媒の乾き度よりも小さくなる。より具体的には、第一熱交換部1Aから流れ出た冷媒は、概して、比較的低い乾き度と、比較的高いボイド率を有している。すなわち、第一熱交換部1Aを出た二相の冷媒は、液体成分の体積分率(パーセンテージ)が比較的低く、冷媒が例えばR134a、R410AなどのHFC冷媒であり、乾き度が約0.2から約0.3である場合には、通常約10%から30%である。しかしながら、液体成分の実際の体積分率は、冷媒のフロー状況、冷媒の温度、冷媒の圧力などの他の要因によっても変化する。なお、冷媒の液体成分は、加熱モードでは蒸発器として機能する第一熱交換器1での熱交換プロセスにおいて主要な役割を果たす。そのため、第一熱交換部1Aを出る冷媒の液体成分を第二熱交換部1Bの内部流路1b(コイル)にできるだけ均一に分配して、冷媒の液体成分が第二熱交換部1Bの内部流路1b(コイル)を通過するときに効率的に蒸発するようにすることが好ましい。従って、フロー分配機構10は、第一熱交換部1Aから出る二相冷媒の液体成分を第二熱交換部1Bの内部流路1bに対応する複数の流路にほぼ均一に分配して、第二熱交換部1Bの各内部流路1bを通過する冷媒の液体成分の体積分率がほぼ均一になるように構成かつ配置されている。
【0026】
次に、
図2を参照して、本実施形態によるフロー分配機構10ついてより詳細に説明する。本実施形態のフロー分配機構10を記載するためにここで用いられる用語「上流」、「下流」、「インレット」及び「アウトレット」は、ヒートポンプシステム100が、第一熱交換器1が蒸発器として機能する加熱モードで稼動する場合の冷媒フローの方向(
図1において白い矢印で示される冷媒フローの方向)に関して用いられる。従って、これらの、本実施形態のフロー分配機構10を記載するために用いられる用語は、加熱モードにおいて第一熱交換器1が蒸発器として機能する場合の冷媒フローの方向に関するものとして解釈されるものとする。
【0027】
図2に示されるように、フロー分配機構10は、一つのフロー分配器12と複数の第二のフロー分配器14を含む。フロー分配器12は、フロー分配機構10における上流側に配置され、第一熱交換器1の第一熱交換部1Aの内部流路1aに通じる上流パイプ16に接続される。本実施形態において、冷媒は、上流パイプ16を介して二箇所からフロー分配器12に入る。第二のフロー分配器14は、フロー分配機構10における下流側に配置され、第一熱交換器1の第二熱交換部1Bの内部流路1bにそれぞれ通じる下流パイプ18に接続される。
図2に示されるように、フロー分配器12と第二のフロー分配器14は、複数の接続パイプ17を介して接続されている。
【0028】
フロー分配器12は、上流パイプ16を介して第一熱交換器1の第一熱交換部1Aから流入する二相の冷媒を、フロー分配器12内で二相冷媒の上向きのスパイラル流(サイクロン流)を発生させることによって、接続パイプ17に均一に分配するように構成かつ配置されている。次いで、第二のフロー分配器14のそれぞれは、対応する接続パイプ17を介してフロー分配器12から流れる二相の冷媒を、下流パイプ18へと分割し、冷媒が第一熱交換器1の第二熱交換部1Bの内部流路1bに流れるようにする。
【0029】
図示されている実施形態においては、8つの第二のフロー分配器14がフロー分配機構10に設けられている。当然のことであるが、当業者にとって、第二のフロー分配器14の数及び配置は本実施形態において図示されているものに限られず、さまざまな点(例えば、接続パイプ17の数、第二熱交換部1Bの内部流路1bの数、フロー分配機構10のスペース制限)を考慮して決定できることは明らかである。さらに、下流パイプ18の数が比較的少ない場合には、第二のフロー分配器14は完全に省略されてもよい。そのような場合、フロー分配器12が直接、下流パイプ18に接続される。
【0030】
本実施形態において、各第二のフロー分配器14は、
図15Cに示される内部分岐型フロー分流器のような従来構造を含んでいることが好ましい。代わりとして、他のタイプの従来型のフロー分配器(例えば、
図15Aに示されるT型フロー分流器、
図15Bに示されるトランク型フロー分流器、
図15Dに示されるヘッダ型フロー分流器など)を第二のフロー分配器14として用いることも可能である。さらに代わりとして、以下に記載するようなフロー分配器12と同様の構造をそれぞれが有する複数のフロー分配器を、従来型のフロー分流器の代わりに、第二のフロー分配器14として用いてもよい。
【0031】
次に、
図3から
図10を参照して、フロー分配器12の構造及び作用についてより詳細に記載する。
図3及び
図4に示されるように、フロー分配器12は、中心軸Cを有する筒状の本体部20、二つのインレットポート22、及び複数のアウトレットポート24を含む。本体部20、インレットポート22、及びアウトレットポート24は金属又は合金(例えば、鉄、真鍮、銅、アルミニウム、ステンレスなど)を材料として、単一部材として形成されることが好ましい。フロー分配器12をヒートポンプシステム100に設置する際、
図2に示されるように、本体部20の中心軸Cがほぼ垂直方向に向けられるようにフロー分配器12を配置することが好ましい。ここで用いられる「中心軸Cがほぼ垂直方向に向けられる」というフレーズは、中心軸Cの垂直方向に対する傾斜角度が−2°と+2°の間であることを意味する。また、本実施形態のフロー分配器12を記載するために用いられる「上」、「下」、「上部」、「下部」、「最上部」、「底」、「側」、「側部」、及び「横の」といった方向を示す用語、その他類似の方向を示す用語は、
図2に示されるように、本体部20の中心軸Cがほぼ垂直方向を向くようにフロー分配器12を配置した状態における方向をさすものである。従って、本実施形態のフロー分配器12を記載するために用いられる、これらの方向を示す用語は、本体部20の中心軸Cがほぼ垂直方向を向くようにした状態でのフロー分配器12に関するものとして解釈するものとする。
【0032】
図3、
図4及び
図9に示すように、フロー分配器12の本体部20は、ほぼ密閉で中空の円筒形部材であり、上部端壁をなす上部カバープレート20a、底部端壁をなす下部カバープレート20b、及び側壁をなす円筒部20cを有している。
【0033】
フロー分配器12のサイズは、上向きのスパイラル流(サイクロン流)をフロー分配器12の本体部20内で確実かつ着実に発生させるように決定される。より具体的には、フロー分配器12のサイズは、第一熱交換器1の仕様(例えば、サイズ、キャパシティ、冷媒循環率、冷媒の流量など)、使用される冷媒の種類、フロー分配器12に接続される上流導管の数及びサイズ、フロー分配器12に接続される下流導管の数及びサイズなどのさまざまな点を考慮して決定するのが好ましい。一般的に、フロー分配器12は、以下の関係を満たすように設計されるのが好ましい。
【0034】
2<D1/Di<10
No×Do<π×D2、及び
2×D1<H<5×D1
【0035】
上記の式において、D1はフロー分配器12の本体部20の内径を示し、D2は本体部20の外径を示し、Diはフロー分配器に接続される上流導管の外径(本実施形態においては、上流パイプ16の外径)を示し、Noはフロー分配器12に接続される下流導管の数(本実施形態においては、接続パイプ17の数)を示し、Doはフロー分配器12に接続される下流導管の外径(本実施形態においては、接続パイプ17の外径)を示し、Hは本体部20の内部高さ(
図9参照)を示している。例えば、ヒートポンプシステム100が、冷媒としてR134aを使用する、比較的大きい産業用の空冷式冷却装置であり、上流パイプ16の外径Diが3/4インチであり、接続パイプ17の外径Doが3/8インチであり、8つの接続パイプ17が設けられている場合、本体部20の内径D1は約3.5インチであることが好ましく、本体部20の外径D2は約4インチであることが好ましく、本体部20の内部高さHは約9インチであることが好ましい。上部カバープレート20aの厚さは、上部カバープレート20aが本体部20内の冷媒フローによって発生する揚力に耐えるものとなるように決定される。当然のことであるが、当業者にとって、フロー分配器12が住居用の空調装置、冷蔵庫などのようなより小さな環境コントロールシステムに用いられるように適応させる場合、フロー分配器12の全体的なサイズをより小さくしてもよいことは明らかである。
【0036】
図3及び
図4に示すように、インレットポート22は、本体部20に対して、インレットポート22が
図2に示すように本体部の中心軸Cがほぼ垂直方向を向くような状態の本体部20の下部に位置するように、配置される。各インレットポート22は、本体部20の内部空間を貫通する中心軸Ciを備える円筒形状である。
図8及び
図9に示すように、インレットポート22は、その中心軸Ciが本体部20の中心軸Cと平行でなくかつ交差しないように配置されている。すなわち、中心軸Ciに沿って本体部20に入る冷媒のフローが本体部20の内壁にぶつかり、本体部20内で上向きのスパイラル流を発生させるように、インレットポート22を本体部20に配置している。
【0037】
図示された実施形態において、インレットポート22は、
図3及び
図4に示すように、本体部20の円筒部20cの下部に配置されている。インレットポート22は、本体部20の中心軸Cの方向における下部カバープレート20bとインレットポート22の間の距離が、インレットポート22と下部カバープレート20bとを本体部20に溶接するために必要とされる十分なスペースを確保しながら、できるだけ小さくなるように配置される。本実施形態において、各インレットポート22の中心軸Ciは、
図9に示すように、本体部20の中心軸Cにほぼ直角となる方向に延びている。さらに、図示された実施形態において、インレットポート22は、
図5及び
図8に示すように、本体部20の中心軸Cに対してほぼ対称となるように配置されている。
図6に示すように、各インレットポート22の上流端(外端)は、対応の上流パイプ16によって密閉されるように構成かつ配置されたカウンタボア部を含んでいる。
【0038】
図3及び
図4に示すように、アウトレットポート24は、本体部20の中心軸Cが
図2に示すようにほぼ垂直方向を向くような状態で、本体部20の上部に配置される。
図8及び
図9に示すように、アウトレットポート24は、本体部20の内部空間に向かって開口する複数の開口部24aを形成する。すべての開口部24aは、本体部20の中心軸Cと直交する面P(
図9参照)に少なくとも部分的に配置される。図示された実施形態において、アウトレットポート24の開口部24aは、
図8に示すように、本体部20の中心軸Cに対してほぼ対称となるように配置されている。
図7に示すように、各アウトレットポート24の下流端(外端)は、対応の接続パイプ17によって密閉されるように構成かつ配置されたカウンタボア部を含んでいる。
【0039】
次に、
図10を参照して、フロー分配器12の作用について記載する。ヒートポンプシステム100が加熱モードで稼動する場合、第一熱交換部1Aの内部流路1aを通過した二相の冷媒は、上流パイプ16を介して、フロー分配器12のインレットポート22に入る。次いで、二相の冷媒は、本体部20の円筒部20cの内壁に沿って、上向きのスパイラル流(サイクロン流)を形成し、アウトレットポート24の開口部24aの方へと導かれる。二相冷媒の液体成分は、二相冷媒の蒸気成分よりも高密度であるため、二相冷媒の液体成分は、冷媒に作用する遠心力のためにスパイラル流の外周側に集まり、
図10に示すように、ほぼ均一な厚さの液体フィルムが円筒部20cの内壁に沿って形成される。この、本体部20の円筒部20cの内壁に沿って冷媒の液体成分を集めるために上向きのスパイラル流を発生させるプロセスは、サイクロン又はボルテックス分離と同じ原理を用いたものである。冷媒の液体成分は、円筒部20cの内壁に沿って上向きかつサイクロン状に進みながら、ほぼ均一に分配される。次いで、冷媒の液体成分は、円筒部20cの内壁に沿ってサイクロン状に移動しながら、円筒部20cに形成されたアウトレットポート24の開口部24aから順次排出される。このようにして、冷媒の液体成分はアウトレットポート24の間で均一に分配される。
【0040】
本実施形態のフロー分配器12によれば、インレットポート22から本体部20に流入する二相冷媒の液体成分の量が変動したとしても、液体成分は、サイクロン状の動作により、一定の頻度でアウトレットポート24の開口部24aから排出されるので、液体成分の時間平均の分配をアウトレットポート24の間でほぼ均一にすることができる。
【0041】
従って、本実施形態のフロー分配器12によれば、二相冷媒のサイクロン流を発生させることによって、以下の二つの効果が得られる。一つは、液体成分が円筒部20cの内壁に沿って均一に分配されることである(空間平均化)。二つは、液体成分がアウトレットポート24間で一定時間に均一に分配されることである(時間平均化)。さらに、冷媒は、本体部20内を下部から上部に向かって移動するため、より流速が高くより密度が低い蒸気成分の方が、すぐに本体部の上部に向かって移動する。一方、より流速が低くより密度が高い液体成分は、本体部20の下部に集まる傾向がある。このようにして、安定した液体−蒸気分離が行われ、液体成分をアウトレットポート24に安定して分配することができる。さらに、本実施形態のフロー分配器12によれば、インレットポート22を介して本体部20に入る冷媒のフロー状況(特に、液体成分の不均一な分配)は、上述したように、次いで本体部20にて発生するサイクロン流によってキャンセルすることができる。従って、インレットポート22に接続される上流パイプ16に屈曲部分、合流部分及び/又は分岐部分が存在することによって、冷媒の液体成分の不均一なフロー状況がインレットポート22に発生したとしても、本体部20内の液体成分の分配が、インレットポート22におけるそのように不均一なフロー状況によって大きく影響されることはない。さらには、本体部20の中心軸Cが垂直方向に対してわずかに傾くように、フロー分配器12が配置されていたとしても、二相冷媒の液体成分は、本体部20内にてサイクロン流を発生させることによって、アウトレットポート24に均一に分配することができる。
【0042】
図示されている実施形態のフロー分配器12とともに使用できる二相の冷媒は、特定の冷媒に限定されないが、気体/液体密度比(ρG/ρL)の比較的小さい二相冷媒を使用することが好ましい。より具体的には、気体/液体密度比の比較的小さい二相冷媒を本件の冷媒として使用すると、液体成分の密度と蒸気成分の密度の差が大きいため、スリップ比(すなわち液体成分と気体成分の流速の差)が比較的大きくなる。従って、気体/液体密度比の比較的小さい二相冷媒を本実施形態のフロー分配器12とともに使用すると、より密度が低くより高速の蒸気成分は、より密度が高くより低速の液体成分よりも速く上向きに移動するため、冷媒が上向きのサイクロン流に沿って移動する間に、二相冷媒の液体成分と蒸気成分とがスムーズに分離され、液体成分は円筒部20cの内壁に沿って均一に分配される。それにより、二相冷媒はアウトレットポート24間でほぼ均一に分配される。気体/液体密度比の比較的小さい二相冷媒の例としては、プロパン、イソブタン、R32、R134a、R407C、R410A、及びR404Aがあげられるが、これに限定されるものではない。R134aを例にとると、飽和温度が0℃の場合、蒸気密度(ρG)が約14.43kg/m3、液体密度(ρL)が約1295kg/m3、密度比又は割合(ρG/ρL)が約0.011である。R410Aを例にとると、飽和温度が0℃の場合、蒸気密度(ρG)が約30.58kg/m3、液体密度(ρL)が約1170kg/m3、密度比又は割合(ρG/ρL)が約0.026である。ここで用いられる、気体/液体密度比の比較的小さい二相冷媒とは、好ましくは、飽和温度が0℃の場合、密度比又は割合(ρG/ρL)が0.05より小さいものをいう。
【0043】
従って、図示されている実施形態のフロー分配器12は、上記に説明したように、比較的簡単な構造により低コストで二相の冷媒を高効率かつ均一に分配することができる。また、二相冷媒の液体成分の分配は、インレットポート22における冷媒のフロー状況によってあまり影響されないため、上流の構成要素(例えば、パイプ16)の設計の自由度を向上させるものである。
【0044】
変形例
次に、
図11から
図14を参照して、フロー分配器の変形例をいくつか説明する。上述した
図2から
図10に図示する実施形態と類似するため、変形例の構成要素のうち上述の実施形態の構成要素と同一のものについては、上述の実施形態の構成要素と同じ符号を用いる。さらに、変形例の構成要素のうち上述の実施形態の構成要素と同一のものについては、簡潔とするため、その説明を省略する。変形例の構成要素のうち上述の実施形態の構成要素と異なるものについては、ダッシュ一つ(’)、ダッシュ二つ(’’)、又はダッシュ三つ(’’’)を付して示すこととする。
【0045】
上述の実施形態においては、8つのアウトレットポート24を配置したが、アウトレットポート24の数は、インレットポート22の数と同じか又はそれ以上であれば、8つに限定されない。アウトレットポート24の数は、接続パイプ17の数、第二のフロー分配器14の数、第二熱交換部1Bの内部流路1bの数、フロー分配器12に関するスペースの制限など、さまざまな点を考慮して決定することができる。
【0046】
上述の実施形態において、アウトレットポート24はフロー分配器12の本体部20の中心軸Cに対して対称となるように配置されているが、
図11に示すように、アウトレットポート24は本体部20の中心軸Cに対して非対称となるように配置されてもよい。
図2から
図10に図示する実施形態と同様に、本変形例においても、開口部24aはすべて、本体部20の中心軸Cと直交する面P(
図9参照)に少なくとも部分的に配置される。これにより、本体部20内にて冷媒のサイクロン流を発生させることによって、二相冷媒の液体成分をアウトレットポート24間で均一に分配することができる。
【0047】
上述の実施形態において、インレットポート22はフロー分配器12の本体部20の中心軸Cに対して対称となるように配置されているが、
図12に示すように、インレットポート22は本体部20の中心軸Cに対して非対称となるように配置されてもよい。インレットポート22における冷媒のフロー状況は、本体部20内にてサイクロン流が発生することによりキャンセルされるため、インレットポート22が本体部20の中心軸Cに対して対称に配置されていなくても、液体成分を均一に分配することができる。従って、この変形例においても、本体部20内にて冷媒のサイクロン流を発生させることによって、冷媒の液体成分をアウトレットポート24間で均一に分配することができる。
【0048】
図11に示すようなアウトレットポート24の非対称な配置を、上述の実施形態のようなインレットポート22の対称な配置又は
図12に示すようなインレットポート22の非対称な配置と組み合わせてもよい。同様に、
図12に示すようなインレットポート22の非対称な配置を、上述の実施形態のようなアウトレットポート24の対称な配置又は
図11に示すようなアウトレットポート24の非対称な配置と組み合わせてもよい。
【0049】
上述の実施形態において、アウトレットポート24は本体部20の円筒部20cに形成されているが、アウトレットポート24は上部カバープレート20aに配置して、
図13に示すように、アウトレットポート24の開口部24aが本体部20の上部端壁に位置するようにしてもよい。この変形例においては、開口部24aはすべて、上部カバープレート20aの底面によって形成される面に完全に配置され、この面は本体部20の中心軸Cと直交している。この変形例において、本体部20の円筒部20cの内壁に均一に堆積した液体成分は、蒸気成分が本体部20の上部端壁に形成された開口部24aから出るのに伴い、冷媒の蒸気成分の高速のサイクロン流に吸い込まれる。このようにして、冷媒の液体成分はアウトレットポート24に均一に分配される。
図13には、アウトレットポート24の本体部の中心軸Cに対する対称な配置が示されているが、本件の開示より、当業者にとっては、アウトレットポート24が中心軸Cに対して対称に配置される必要がないことは明らかである。
【0050】
図14Aに示すように、
図2から
図10に示す上述の実施形態のフロー分配器12では、2つの上流パイプ16に接続される2つのインレットポート22が設けられる。しかしながら、インレットポート22の数は2つに限定されない。より具体的には、インレットポート22の数は、第一熱交換部1Aの内部流路1aの数、上流パイプ16の分岐導管の数や配置、フロー分配器12に関するスペースの制限など、さまざまな点を考慮して決定することができる。例えば、
図14Bに示すように、1つの上流パイプ16に接続される1つのインレットポート22を本体部20に設けるようにしてもよい。あるいは、3つ又はそれ以上のインレットポート22を設け、3つ又はそれ以上の上流配管16にそれぞれ接続するようにしてもよい。さらには、
図14C(及び上述の
図12)に示すように、上流パイプ16の配置に応じて、インレットポート22を上流パイプ16と適切に接続されるように非対称に配置して、それによって、フロー分配器の近くに配置される構成要素の設計自由度を向上させるようにしてもよい。さらには、
図14Dに示すように、冷媒経路は、インレットポート22の上流位置にて上流パイプ16に合流する複数の分岐パイプ部16aを含むようにしてもよい。インレットポート22に接続される上流パイプ16において合流部分が存在することにより、冷媒の液体成分の不均一なフロー状況がインレットポート22にて発生したとしても、インレットポート22を経て本体部20に入るそのような不均一な冷媒のフロー状況は、上述したように、次いで本体部20内で発生するサイクロン流によってキャンセルされる。従って、上流パイプ16に合流部分及び/又は屈曲部分が存在しているかどうかにかかわらず、本体部20内にてサイクロン流を発生させることによって、二相冷媒の液体成分をアウトレットポート24に均一に分配することができる。
【0051】
図示されている実施形態においては、逆転サイクルヒートポンプシステム100が環境コントロールシステムの一例として用いられているが、本発明の環境コントロールシステムは逆転サイクルヒートポンプシステムに限定されない。より具体的には、本発明の環境コントロールシステムは、空調システム、HVACシステム、冷却装置、冷蔵庫などのような、冷媒と外気又は物質(例えば水)との間で、熱を伝達するための熱交換器を含むシステムであれば、どのようなシステムであってもよい。さらに、フロー分配機構10は、どちらも蒸発器として機能する第一熱交換部1Aと第二熱交換部1Bの間に配置されるが、本件の開示により、当業者にとっては、蒸発器と凝縮器のように別々の機能を持つ2つの熱交換器の間にフロー分配機構10を配置してもよいことは明らかである。そのような場合、フロー分配機構10を蒸発器の上流部分に配置して、二相冷媒の液体成分が蒸発器の複数のフロー流路に均一に分配されるようにすることが好ましい。
【0052】
本発明の範囲の理解において、ここで用いられる用語「備える」及びその派生語は、記載された特徴、エレメント、コンポーネント、群、整数、及び/またはステップがあることを明記しているオープンエンドの用語を意味するのであって、記載されていない特徴、エレメント、コンポーネント、群、整数、及び/またはステップがあることを排除するものではない。このことは、用語「含む」、「有する」及びそれらの派生語など同様の意味を持つ語にも当てはまる。また、単数形的に用いられる用語「パート」、「セクション」、「部」、「部材」あるいは「エレメント」は、単一のパートあるいは複数のパーツの2つの意味を持ちうる。ここで「ほぼ」、「約」、「およそ」といった程度を示す用語は、最終結果が大きく変わらないような、妥当な変形の条件の変更量を意味するものとして用いる。
【0053】
本発明の説明のためにいくつかの実施例が選択されたに過ぎず、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を逸脱することがない範囲で、種々の変更、変形ができることは当業者にとって明らかである。例えば、必要に応じて及び/または所望により、種々の部品の大きさ、形状、配置、向きを変更できる。互いと直接的に連結あるいは接触するよう示した部品は、それらの間に設けられる中間構造体を有することができる。1つのエレメントの機能は2つによって達成することができ、またその逆の場合も同様である。一の態様の構造及び機能を他の態様に適用することもできる。すべての利点が必ずしも同時に特定の態様にもたらされる必要はない。先行技術から区別されるそれぞれの特徴は、それ単独として、あるいは他の特徴との組み合わせとして、そのような特徴により実施される構造的及び/または機能的思想を含む出願人によるさらなる発明の別の記載として考慮されるものとする。このように、前述の本発明にかかる実施形態の説明は単なる例示であって、添付の特許請求の範囲及びそれらの均等物によって決められる本発明を限定するものではない。