(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されている鋼管杭の引き抜き工法では、既設中空杭の外周面に沿ってケーシングを用いて掘削する際に、ケーシング先端からジェット水又は泥水を吐出させながら掘削する旨の記載(例えば、段落番号[0020])があり、この吐出したジェット水又は泥水により既設中空杭内の充填材も流動性を有している可能性がある。
【0009】
しかし、ジェット水又は泥水の吐出は、ケーシングの回転による掘削抵抗を減少させる目的で行っているものであり、流動化した充填材も周囲の地盤性状に合わせて調製したものではないので、埋め戻した後に地盤変状が生じている可能性が高い。したがって、この地盤変状が生じている場所に新たに杭打ちを行うと、杭が斜行してしまうなどの不具合を生ずることになる。
【0010】
また、特許文献1に記載されている鋼管杭の引き抜き工法は、鋼管杭などの中空杭の引抜きに限定して用いることができるものであり、他のPC杭(プレストコンクリート杭)、PHC杭(プレストレスト高強度コンクリート杭)、BT杭(ボックスタイプ杭)、摩擦杭などの既成の杭や、ED杭(アースドリル杭)、リバース杭、ペデスタル杭等の場所打ちした杭の引抜きに用いることができないという不具合がある。
【0011】
また、杭を抜いた後の杭抜き穴の底部には、掘削時に用いた潤滑用の水や泥、更に地下水や崩れた土砂等が溜まっている。この状態で杭抜き穴の地表部分から埋戻剤を投入しても、内部に溜まっている水や土砂と混ざった状態で固化してしまうため、地盤変状を生じてしまう可能性がある。杭抜き穴に埋戻剤を均一かつ確実に充填させるためには、埋戻剤を吐出する埋戻剤供給管の吐出口を杭抜き穴の底部付近まで到達させておき、埋戻剤供給管の吐出口から埋戻剤を吐出させて、埋め戻し穴の内部に溜まっている水や土砂を浮かせてゆきながら充填する必要がある。
【0012】
既設杭の長さが数メートル以上である場合に、埋戻剤の吐出口を杭抜き穴の底部付近まで到達させておくためには、埋戻剤供給管を複数本接続する必要がある。しかし、埋戻剤供給管を掘削穴に挿入する際に、埋戻剤供給管の接続部が掘削穴の側壁と接触するなどして、埋戻剤供給管同士の接続が外れてしまう場合がある。特に、埋戻剤供給管を挿入する杭抜き穴が狭い場合や、杭抜き穴の深さが深い場合には、埋戻剤供給管同士の接続が外れてしまう可能性が高くなる。
【0013】
図24〜
図27に、従来の埋戻剤供給管の接続構造及びその方法を示す。
【0014】
図24は、長尺の第1埋戻剤供給管981及び第2埋戻剤供給管982における従来の接続部980の構造及び係合保持管990の形状を説明する図である。
図25は、第1埋戻剤供給管981と第2埋戻剤供給管982とを接続部980にて接続して接続部980の外周部に係合保持管990を被せる前の状態を示す図である。
図26は、第1埋戻剤供給管981と第2埋戻剤供給管982とを接続部980にて接続して接続部980の外周部に従来の係合保持管990を被せ、当該係合保持管990が第2埋戻剤供給管982の軸方向にずれないように針金992で固定した状態を示す図である。
図27は、第1埋戻剤供給管981と第2埋戻剤供給管982とを接続部980にて接続して接続部980の外周部に従来の係合保持管990を被せ、当該係合保持管990が第2埋戻剤供給管982の軸方向にずれないようにガムテープ994で固定した状態を示す図である。
【0015】
図24に示すように、長尺の第1埋戻剤供給管981の端部には、半円筒形状に切除して形成した半円筒部983と、当該半円筒部983の先端内筒面に係合用の内接円筒管985を取着した内接円筒管突出部986とを有する接続部980が形成されている。また、同様に、長尺の第2埋戻剤供給管982の端部には、半円筒形状に切除して形成した半円筒部983と、当該半円筒部983の先端内筒面に係合用の内接円筒管985を取着した内接円筒管突出部986とを有する接続部980が形成されている。
【0016】
第1埋戻剤供給管981と第2埋戻剤供給管982とを接続する場合には、先ず第2埋戻剤供給管982に係合保持管990を通しておく。次に、第1埋戻剤供給管981及び第2埋戻剤供給管982の軸を平行にずらして、それぞれの埋戻剤供給管の接続部980を向かい合わせた状態から、第1埋戻剤供給管981の接続部980に形成した半円筒部983の内部に第2埋戻剤供給管982の接続部980の内接円筒管突出部986を嵌入すると同時に、第2埋戻剤供給管982の接続部980に形成した半円筒部983の内部に第1埋戻剤供給管981の接続部980の内接円筒管突出部を嵌入して第1埋戻剤供給管981及び第2埋戻剤供給管982の軸を一致させる(
図25参照)。
【0017】
その後に、第1埋戻剤供給管981及び第2埋戻剤供給管982の接続部980の外周部に係合保持管990を移動させて被せることによって、第1埋戻剤供給管981と第2埋戻剤供給管982との係合状態を拘束しておくことができる。
【0018】
しかし、接続部980の外周部に係合保持管990を被せた状態のまま、第1埋戻剤供給管981及び第2埋戻剤供給管982を掘削穴に挿入してゆくと、係合保持管990が掘削穴の側壁と接触するなどして係合保持管990が上方にずれて接続部980から外れてしまい、第1埋戻剤供給管981と第2埋戻剤供給管982との接続が外れて分離してしまう不具合が多発する。
【0019】
そこで従来は、
図26に示すように、係合保持管990が上方にずれて接続部980から外れてしまうことを防止するために、針金992を係合保持管990上方の第2埋戻剤供給管982に巻き付けたり、
図27に示すようにガムテープ994を用いて係合保持管990と第2埋戻剤供給管982とを固定するように巻き付けていた。
【0020】
しかし、
図26及び
図27に示すようにして係合保持管990の固定を試みても、第1埋戻剤供給管981及び第2埋戻剤供給管982を杭抜き穴に挿入してゆく際に、係合保持管990が掘削穴の側壁と接触するなどして係合保持管990が上方にずれて接続部980から外れてしまい、第1埋戻剤供給管981と第2埋戻剤供給管982との接続が外れて分離してしまう不具合が発生していた。
【0021】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、建築物を解体した後に地中に残った既設杭を引き抜いて埋め戻した後の地盤変状を減少させるとともに、工期を短縮することが可能な杭抜埋戻工法と、当該杭抜埋戻工法に用いる埋戻剤供給管の接続構造を提供することを目的としている。
【0022】
また、本発明は、埋戻剤供給管を杭抜き穴に挿入する際においても埋戻剤供給管同士がその接続部において外れにくい埋戻剤供給管の接続構造を提供することを目定としている。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するために、本発明に係る杭抜埋戻工法は、既設杭の外周面に沿って掘削用ケーシングを用いて掘削する外周掘削工程と、前記掘削した既設杭の外周部に、流動性を有する埋戻剤を供給する埋戻剤供給管を配設する埋戻剤供給管配設工程と、前記埋戻剤供給管を介して前記埋戻剤を供給しながら前記既設杭を引き上げることによって前記埋戻剤を杭抜き穴に充填する既設杭引上埋戻工程とを有することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、引き抜く既設杭の外周部を掘削し、その掘削した既設杭の外周部に埋戻剤供給管を配設して、埋戻剤を供給しながら既設杭を引き上げることによって、杭抜き穴に空隙が生じることなく、杭抜き穴に直接埋戻剤を充填することができる。これにより、杭抜き穴に埋戻剤をより確実に充填することが可能となり、既設杭を引き抜いて埋め戻した後の地盤変状を減少させることができる。また本発明では、既設杭の引抜き作業と埋戻剤の充填作業とを同時に行うので、杭抜き埋戻し作業の工期を短縮することができる。
【0025】
上記本発明に係る杭抜埋戻工法は、前記杭抜埋戻工法における既設杭の既設杭引上埋戻工程において、前記埋戻剤の供給及び前記既設杭の引き上げと併せて前記埋戻剤供給管を引き上げることを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、埋戻剤の供給及び前記既設杭の引き上げと併せて埋戻剤供給管を引き上げることによって、固化が速い埋戻剤を用いる場合や、既設杭が長いために引抜きに時間がかかる場合においても、埋戻剤の充填処理をより確実に行って、埋め戻した後の地盤変状を減少させることができる。
【0027】
上記課題を解決するために本発明に係る埋戻剤供給管の接続構造は、長尺管の端部を半円筒形状に切除して形成した半円筒部と当該半円筒部の先端内筒面に係合用の内接円筒管を取着した内接円筒管突出部とを有する接続部がそれぞれ形成された第1及び第2の埋戻剤供給管と、前記第1及び第2の埋戻剤供給管の軸を平行にずらして前記それぞれの接続部を向かい合わせた状態から、前記第1の埋戻剤供給管接続部に形成した半円筒部の内部に前記第2の埋戻剤供給管接続部の内接円筒管突出部を嵌入すると同時に、前記第2の埋戻剤供給管接続部に形成した半円筒部の内部に前記第1の埋戻剤供給管接続部の内接円筒管突出部を嵌入して前記第1及び第2の埋戻剤供給管の軸を一致させた後に、前記第1及び第2の埋戻剤供給管接続部の外周部に被せることによって前記第1及び第2の埋戻剤供給管の係合状態を拘束する係合保持管と、を備える埋戻剤供給管の接続構造において、
前記第1の埋戻剤供給管接続部における外周部の一部に突出させたロック凸部と、前記ロック凸部を通過させることが可能な、前記係合保持管に開設した溝であって、一端に前記ロック凸部の入出を可能にする導入部を有すると共に少なくとも当該係合保持管の円周方向に開設した溝を有する円周溝と、当該円周溝から当該係合保持管の軸方向に向けて開設した回動防止溝と、を備えることを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、第1及び第2の埋戻剤供給管を接続部にて接続して第1及び第2の埋戻剤供給管の軸を一致させ、当該接続部の外周部に係合保持管を被せる工程において、先ずロック凸部を円周溝の導入部から円周溝を通過させ、当該円周溝から直交する軸方向に延びる回動防止溝に通しておくことによって、係合保持管を軸方向及び回動方向に対して位置決めすることが可能となる。係合保持管が軸方向に対して位置決めされることにより、例えば当該係合保持管を地中に挿入する際や地中から引き抜く際のように、当該係合保持管に対して軸方向に力が加わる場合であっても、係合保持管が接続部からずれてしまう不具合を減少することができる。なお、係合保持管が接続部からずれてしまうと、第1及び第2埋戻剤供給管の軸を一致させておく拘束力が働かなくなるので、第1及び第2埋戻剤供給管の接続部は容易に外れて分離してしまう。
【0029】
上記本発明に係る埋戻剤供給管の接続構造において、前記係合保持管の回動防止溝は、前記円周溝から当該係合保持管の軸と平行な双方向に向けて開設したことを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、係合保持管の回動防止溝を、円周溝端から当該係合保持管の軸と平行な双方向に向けて開設したので、例えば当該係合保持管を地中に挿入する際や地中から引き抜く際のように、当該係合保持管に対して双方向から軸方向に力が加わる場合であっても、係合保持管が接続部からずれてしまう不具合を減少することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係る杭抜埋戻工法によれば、既設杭の外周面に沿って掘削した部分に埋戻剤供給管を配設し、当該埋戻剤供給管を介して埋戻剤を供給しながら既設杭を引き上げることによって、杭抜き穴に直接埋戻剤を充填することができる。これにより、杭抜き穴に埋戻剤をより確実に充填することが可能となり、既設杭を引き抜いて埋め戻した後の地盤変状を減少させることができる。また、既設杭の引抜き作業と埋戻剤の充填作業とを同時に行うので、杭抜き埋戻し作業の工期を短縮することができる。
【0032】
また、本発明によれば、係合保持管に開設した回動防止溝に第1埋戻剤供給管の外周部の一部に突出させたロック凸部を通しておくことによって、係合保持管を軸方向及び回動方向に対して位置決めすることが可能となる。したがって、第1及び第2の埋戻剤供給管を掘削穴に挿入してゆく際に、係合保持管が掘削穴の側壁と接触した場合であっても、係合保持管が軸方向にずれて第1及び第2埋戻剤供給管が接続部において外れて分離してしまう不具合を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明に係る杭抜埋戻工法の各作業工程を説明するフローチャートである。
【
図2】杭頭出し掘削工程における既設杭付近の地面の断面図である。
【
図3】スタンドパイプセット工程における既設杭付近の地面の断面図である。
【
図4】外周掘削工程における既設杭付近の地面の断面図である。
【
図5】ケーシング引抜き工程における既設杭付近の地面の断面図である。
【
図6】玉掛けワイヤーセット工程における既設杭付近の地面の断面図である。
【
図7】玉掛けワイヤーセット工程にてケーシングを引き抜く際における既設杭付近の地面の断面図である。
【
図8】埋戻剤供給管挿入工程後の埋戻剤吐出工程における既設杭付近の地面の断面図である。
【
図9】既設杭引上工程における既設杭付近の地面の断面図である。
【
図10】既設杭引上工程における他の実施形態を説明する既設杭付近の地面の断面図である。
【
図11】スタンドパイプ除去工程における杭抜き穴付近の地面の断面図である。
【
図12】杭穴埋戻し工程における既設杭付近の地面の断面図である。
【
図13】複数の既設杭の埋戻跡と、次に埋設する新規杭との位置関係について説明する図である。
【
図14】埋戻剤供給管の全体構造を示す概略図である。
【
図15】長尺の第1及び第2の埋戻剤供給管における接続部の構造及び係合保持管の形状を説明する図である。
【
図16】第1及び第2の埋戻剤供給管同士を接続部にて接続して、接続部の外周部に係合保持管を被せる前の状態を示す図である。
【
図17】接続した第1及び第2の埋戻剤供給管の外周部に係合保持管を被せて、ロック凸部を円周溝に到達させた状態を示す図である。
【
図18】
図17に示した状態から係合保持管を左方向に回転させて、ロック凸部を回動防止溝に到達させた状態を示す図である。
【
図19】長さが異なる二種類の円周溝を、一つの係合保持管に形成した実施形態を示す図である。
【
図20】円周溝から係合保持管の両淵部に向かう2つの回動防止溝を開設した実施形態を示す図である。
【
図21】円周溝から回動防止溝に繋がる部分に、傾斜面を形成した実施形態を説明する図である。
【
図22】円周溝が係合保持管の管淵部に開口している係合保持管の実施形態を説明する図である。
【
図23】円周溝が係合保持管の管淵部に開口している係合保持管の他の実施形態について説明する図である。
【
図24】長尺の第1及び第2の埋戻剤供給管における従来の接続部の構造及び係合保持管の形状を説明する図である。
【
図25】長尺の第1及び第2の埋戻剤供給管同士を接続部にて接続した直後の状態を示す図である。
【
図26】長尺の第1及び第2の埋戻剤供給管同士を接続して接続部の外周部に従来の係合保持管を被せた後に針金で係合保持管を固定した状態を示す図である。
【
図27】長尺の第1及び第2の埋戻剤供給管同士を接続して接続部の外周部に従来の係合保持管を被せた後にガムテープで係合保持管を固定した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(杭抜埋戻工法)
本発明の杭抜埋戻工法の各工程について
図1〜
図12を用いて説明する。
【0035】
図1は、杭抜埋戻工法の各作業工程を説明するフローチャートである。
図2は、杭頭出し掘削工程における既設杭付近の地面の断面図である。
図3は、スタンドパイプセット工程における既設杭付近の地面の断面図である。
図4は、外周掘削工程における既設杭付近の地面の断面図である。
図5は、ケーシング引抜き工程における既設杭付近の地面の断面図である。
図6は、玉掛けワイヤーセット工程における既設杭付近の地面の断面図である。
図7は、玉掛けワイヤーセット工程にてケーシングを引き抜く際における既設杭付近の地面の断面図である。
【0036】
図8は、埋戻剤供給管挿入工程後の埋戻剤吐出工程における既設杭付近の地面の断面図である。
図9は、既設杭引上工程における既設杭付近の地面の断面図である。
図10は、既設杭引上工程における他の実施形態を説明する既設杭付近の地面の断面図である。
図11は、スタンドパイプ除去工程における杭抜き穴付近の地面の断面図である。
図12は、杭穴埋戻し工程における既設杭付近の地面の断面図である。
【0037】
次に、
図1に示すフローチャート及び
図2〜
図12に示す地面の断面図を用いて、本発明の杭抜埋戻工法の各工程について説明する。
【0038】
先ず、
図1に示すステップS12「杭頭出し掘削」工程にて、現場の図面等を参照して既設杭12が埋まっている位置を調査して、
図2に示すようにバックホー等の掘削機14を使用して既設杭12の頭出しを行う。そして、既設杭12の上部近傍の土砂を取り除く作業を行う。
【0039】
次に、
図1に示すステップS14「スタンドパイプセット」工程にて、杭抜作業中に口元の周壁が崩れないように、既設杭12の頭部の周囲にスタンドパイプ16を埋設する作業を行う。そして、次のステップS16「スタンドパイプ周辺埋戻し」工程にて、
図3に示すように、バックホー等の掘削機14を用いてスタンドパイプ16の外周を埋め戻して、杭抜埋戻し作業を行う際の地盤を整える。
【0040】
次に、
図1に示すステップS20「撤去杭位置に機械セット」工程にて、既設杭12を引き抜く際に使用するクレーン(杭抜き機)18等を既設杭12の近くの地上に配置する。
【0041】
次に、
図1に示すステップS22「外周掘削」工程にて、ケーシング20を用いて既設杭12の外周部に沿って掘削を行う。外周掘削工程では、
図4に示すように、先端に掘削用のビットを取り付けた円筒形状のケーシング20をクレーン18を用いて吊るし、ケーシング20の内部に既設杭12が入るように位置決めしてから、ケーシング20を回転させながら下降させる。これにより、既設杭12の外周部に沿って掘削してゆくことができる。外周掘削工程では、掘削抵抗を減少させるために、ジェット水を噴出させながらケーシング20を下降させてもよい。なお、
図4中、符号19Aはクレーンの主ワイヤフックであり、符号19Bはクレーンの副ワイヤフックである。
【0042】
次に、
図1に示すステップS24「外周掘削完了?」にて、既存のケーシング20を用いて掘削することが可能な深さまで掘削したものの、未だ掘削深さが既設杭12の底部まで到達していないと判断した場合には、ステップS26「ケーシングジョイント」工程に分岐し、一端地上に出ている接続部でケーシング20を分離し、新たな延長ケーシングを間に継ぎ足して再びステップS22の外周掘削工程を実行する。
【0043】
図1に示すステップS24「外周掘削完了?」にて、掘削深さが既設杭12の底部まで到達したと判断した場合には、次のステップS28「既設杭縁切り確認」工程に進み、既設杭12が地面から抜き取ることが可能な状態にあるか否かの確認作業を行う。
【0044】
次に、
図1に示すステップS30「ケーシング引抜き」工程にて、
図5に示すようにクレーン18を用いて掘削に用いたケーシング20を地中から引き抜く作業を行う。
【0045】
次に、
図1に示すステップS32「玉掛けワイヤーセット」工程にて、
図6に示すように、引き上げたケーシング20の先端に杭抜き用のワイヤー22の輪をからげる。そのワイヤーの他端は、クレーンの副ワイヤフック19Bに掛ける。そして、再びケーシング20を地中に戻して玉掛けワイヤー22の輪を既設杭12の上部(上端から概ね3m程度)に掛ける。この作業は、副ワイヤフック19Bを緩めてケーシング20の先端にからげたワイヤー22をその先端から外し、副ワイヤフック19Bを再度張ってワイヤー22を既設杭12に掛ける。玉掛けワイヤー22の輪が既設杭12に掛かったら、ワイヤー22が外れたケーシング20をクレーンにより引き上げ、
図7に示すように再びケーシング20を引き抜く。
【0046】
次に、ケーシング20を撤去して、
図8に示すように、掘削機14(既設杭12が短い場合)又はクレーン18(既設杭12が長い場合)等を既設杭12近くの地上に配置して、副ワイヤフック19Bに掛かっていた玉掛けワイヤー22の上端を、
図8に示すように、掘削機14又はクレーン18の主ワイヤフック19Bに掛け換えて既設杭12を引き抜く準備を行う。なお、このとき、ケーシング20作業時のクレーン18をそのまま用いてもよいし、別のクレーンを用いてもよい。
【0047】
そして、
図1に示すステップS34「埋戻剤供給管配設」工程に進み、既設杭12の外周部に沿って掘削した穴に、埋戻剤供給管24を挿入してゆく。このとき、埋戻剤供給管24下端の埋戻剤30の吐出口が、杭抜き穴の底部付近に到達するように、例えば副ワイヤフック19Bを用いて配設する。杭抜き穴の深さが数メートル以上である場合には、後述の
図14に示すように、複数の埋戻剤供給管24を接続して、埋戻剤30の吐出口を杭抜き穴の底部付近まで到達させておく必要がある。埋戻剤供給管24の全体構造、接続構造及び接続方法については、別途後段にて説明する。
【0048】
ケーシング20を用いて外周掘削を行った場合には、既設杭12の周囲に円筒形の掘削穴が開口している。一般に、ケーシング20を用いて外周掘削を行った後に開口する円筒形の掘削穴の内径と外径の差は、100〜200mm程である。したがって、この円筒形の掘削穴に挿入する埋戻剤供給管24は、外径80mm程度、又はそれ以下の太さの管を用いることが好ましい。なお、これらの寸法は任意の設計事項である。
【0049】
既設杭12近くの地上部分には、埋戻剤30を供給するための埋戻剤供給プラント26を設置して、
図8に示すように、埋戻剤供給管24の上部に埋戻剤供給用エルボ25Bと埋戻剤供給用ホース25Aを接続する。埋戻剤30は、例えば当該地盤性状や土地質に応じて調製したセメントミルクやモルタルに、圧送用の流動化剤を混合したものを用いる。
【0050】
埋戻剤供給管24を複数接続し、配設が終了したら、
図1に示すステップS36「埋戻剤吐出」工程に進み、
図8に示すように埋戻剤供給プラント26から埋戻剤30を圧送し、埋戻剤供給管24の吐出口から埋戻剤30を吐出させて、埋戻剤30を掘削穴の底部に溜めておく。
【0051】
なお、掘削穴の内部に地下水や砂利、掘削に使用したジェット水等の不純物32が予め溜まっている場合には、埋戻剤供給管24の吐出口から埋戻剤30を吐出させることによって、これらの不純物32が浮き上がってくる。したがって、地中における埋戻剤30の充填むらを減少させることが可能となり、地盤変状を改善することができる。
【0052】
次に、
図1に示すステップS38「既設杭引上埋戻」工程にて、
図9に示すようにクレーン18を用いて玉掛けワイヤー22を引き上げて、既設杭12を上昇させる。玉掛けワイヤー22の引上げに伴って地上に現れた既設杭12の外周部分には、ケーシング20により掘削されなかった土や泥が付着しているので、既設杭12の引上げ時にはこれらの土や泥を水圧で落としながら行う。
【0053】
既設杭12を引き上げる際には、この既設杭12の引抜きと同時に埋戻剤供給管24先端の吐出口から埋戻剤30を吐出させておく。このように、埋戻剤供給管24を介して埋戻剤30を供給しながら既設杭12を引き上げることによって、引き抜きつつある既設杭12の下方に空隙を作ることなく、より確実に杭抜き穴に埋戻剤30を充填することができる。これにより、地中における埋戻剤30の充填むらを減少させることが可能となり、地盤変状を改善することができる。また、既設杭12の引抜き作業と埋戻剤30の充填作業とを同時に行うので、杭抜き埋戻し作業の工期を短縮することができる。
【0054】
なお、既設杭12の長さが数メートルを超える長さを有する場合には、
図9に示すように引き上げた既設杭12の上部を適宜切除し、且つ玉掛けワイヤー22を掛け換えながら引抜き作業を継続する。既設杭12を全て引抜いたら、配設した埋戻剤供給管24を引き上げる。複数の埋戻剤供給管24を接続している場合には、通常、後述する
図15〜
図17に示す係合保持管90を外し、個々の戻剤供給管24を外しながら引き上げる。
【0055】
次に、
図10を用いて、既設杭引上埋戻工程の他の実施形態について説明する。
図9では、既設杭12のみを引き上げる実施形態について説明したが、
図10に示す実施形態では、既設杭引上埋戻工程において、埋戻剤30の供給及び既設杭12の引き上げと併せて埋戻剤供給管24を引き上げている。このように、埋戻剤30の供給及び既設杭12の引き上げと併せて埋戻剤供給管24を引き上げることによって、固化が速い埋戻剤30を用いる場合や、既設杭12が長いために引抜き作業に時間がかかる場合においても、これらの条件に関わらず埋戻剤30の充填処理をより確実に行って、埋め戻した後の地盤変状を減少させることができる。
【0056】
なお、複数の埋戻剤供給管24を接続して使用している場合において、埋戻剤供給管24を引き上げてゆく場合には、引き上げにより地上に出た埋戻剤供給管24を順次接続部にて分離して外し、長さを詰めながら行う。長さを詰めた埋戻剤供給管24の上部には、埋戻剤供給用エルボ25Bと埋戻剤供給用ホース25Aを再接続し、埋戻剤30を供給する。
【0057】
既設杭12の引上げと埋戻剤供給管24の引上げが完了したら、クレーン18及び埋戻剤供給プラント26を撤去する。そして、既設杭引上埋戻工程を終了する。この工程終了後の態様を
図11に示す。
【0058】
次に、
図1に示すステップS42「杭抜き穴埋戻し」工程では、
図12に示すようにバックホー等の掘削機14を用いて、杭抜き穴に土砂を投入して埋め戻す作業を行う。そして、杭抜埋戻工法を終了する。以上のようにして、杭抜き作業と埋戻し作業とを並行して行うことができる。この埋め戻し作業において、不純物32は予め除去して埋め戻してもよいし、不純物32を残した状態で埋め戻してもよい。
【0059】
次に、
図1に示すステップS44「スタンドパイプ除去」工程にて、杭抜き穴上部に配置しておいたスタンドパイプ16を引き上げて、杭抜き穴からスタンドパイプ16を除去する。杭抜き穴上部からスタンドパイプ16を除去した後には、必要に応じて、除去後の隙間等を土砂で埋め戻してもよい。
【0060】
なお、
図1に示すステップS42の工程とステップS44の工程とは、逆にしても構わない。すなわち、ステップS38の既設杭引上埋戻工程の後に、「スタンドパイプ除去」工程、杭抜き穴埋戻し工程の順であってもよい。
【0061】
本発明に係る杭抜埋戻工法は、PC杭、PHC杭、BT杭、鋼管杭、松杭、摩擦杭などの既成の杭や、ED杭、リバース杭、ペデスタル杭等の場所打ちした既設杭等の引抜きに用いることができる。また、本発明に係る杭抜埋戻工法が対応可能な既設杭の太さはケーシング20の内径に依存する。現在では直径2m程度の杭まで対応することが可能である。他方、既設杭の長さ(深さ)は、現在では80m程度まで対応可能である。また、本発明は、斜めに埋まっている既設杭の杭抜埋戻工法にも適用することができる。
【0062】
次に、
図13を用いて複数の既設杭の埋戻跡42と、次に埋設する新規杭44との位置関係について説明する。
図13に示すように、既設杭の埋戻跡42と次に埋設する新規杭44の位置とが重なる場合には、既設杭の埋戻跡42とその他の地盤の土地質が一致していないと、新規杭44を埋設する際に鉛直に掘削や埋設ができなくなるという不具合が発生する。特に、新規杭44の深さが深い場合には、重大な問題となる。本発明に係る杭抜埋戻工法を用いることによって、杭抜き穴に埋戻剤をより確実に充填することが可能となり、既設杭を引き抜いて埋め戻した後の埋戻跡42における地盤変状を減少させることができる。
【0063】
(埋戻剤供給管の接続構造)
次に、埋戻剤供給管の全体構造及びその接続構造について、
図14〜
図18を用いて説明する。
【0064】
図14は、埋戻剤供給管24の全体構造図である。本発明では、杭抜き穴の深さが数メートル以上である場合に、複数の埋戻剤供給管24を接続して、埋戻剤の吐出口を杭抜き穴の底部付近まで到達させる。その接続構造及び接続方法は以下のとおりである。
【0065】
図15は、長尺の第1埋戻剤供給管81及び第2埋戻剤供給管82における接続部80の構造及び係合保持管90の形状を説明する図である。
図16は、第1埋戻剤供給管81と第2埋戻剤供給管82とを接続部80にて接続して接続部80の外周部に係合保持管90を被せる前の状態を示す図である。
図17は、第1埋戻剤供給管81と第2埋戻剤供給管82とを接続して接続部80の外周部に本発明に係る係合保持管90を被せ、第1埋戻剤供給管81の外周部の一部に突出させたロック凸部88を係合保持管90の導入溝92へ通して円周溝94に到達させた状態を示す図である。
図18は、
図17に示した状態から係合保持管90を左方向に回転させることにより、ロック凸部88を係合保持管90の円周溝94に沿って通してゆき、回動防止溝96に到達させて係合保持管90を下方に下げた状態を示す図である。
【0066】
図15に示すように、長尺の第1埋戻剤供給管81の端部には、半円筒形状に切除して形成した半円筒部83と、当該半円筒部83の先端内筒面に係合用の内接円筒管85を取着した内接円筒管突出部86とを有する接続部80が形成されている。また、同様に、長尺の第2埋戻剤供給管82の端部には、半円筒形状に切除して形成した半円筒部83と、当該半円筒部83の先端内筒面に係合用の内接円筒管85を取着した内接円筒管突出部86とを有する接続部80が形成されている。
【0067】
第1埋戻剤供給管81の接続部80における外周部の一部には、ロック凸部88を突出させてある。ロック凸部88は、例えば一辺が2〜4cm程度の四角形の板材、又は直径が2〜4cm程度の円形の板材を、溶接、ロウ付け、又は螺合等により第1埋戻剤供給管81の外周部に取り付けて形成することができる。
【0068】
また、
図15に示すように、係合保持管90の管淵部には、当該係合保持管90の軸と平行に開設した導入溝92を開設してある。導入溝92上部の側部は、当該係合保持管90の円周方向に開設した溝を有する円周溝94に繋がる導入部93となっている。円周溝94の他端は、当該係合保持管90における管淵部から離間する軸方向(
図15に示す実施形態では、
図15の紙面の上方)に向けて開設した回動防止溝96を開設してある。
【0069】
係合保持管90に形成した導入溝92は、当該係合保持管90を第1埋戻剤供給管81及び第2埋戻剤供給管82の外周に沿って下降させていった際に、ロック凸部88を円周溝94に案内するために通す溝である。
【0070】
円周溝94は、ロック凸部88を回動防止溝96に案内するための溝であるとともに、係合保持管90が外力によって上下方向に摺動した場合であっても、回動防止溝96に案内したロック凸部88が導入溝92を通って係合保持管90の外部に出てしまわないようにするための緩衝部分である。
【0071】
回動防止溝96は、係合保持管90が外力によって上下方向に摺動した場合であっても、ロック凸部88が直ちに円周溝94を通って係合保持管90の外部に出てしまわないようにするための溝である。
【0072】
第1埋戻剤供給管81と第2埋戻剤供給管82とを接続する場合には、先ず第2埋戻剤供給管82に係合保持管90を通しておく。次に、第1埋戻剤供給管81及び第2埋戻剤供給管82の軸を平行にずらして、それぞれの埋戻剤供給管の接続部80を向かい合わせた状態から、第1埋戻剤供給管81の接続部80に形成した半円筒部83の内部に第2埋戻剤供給管82の接続部80の内接円筒管突出部86を嵌入すると同時に、第2埋戻剤供給管82の接続部80に形成した半円筒部83の内部に第1埋戻剤供給管81の接続部80の内接円筒管突出部を嵌入して第1埋戻剤供給管81及び第2埋戻剤供給管82の軸を一致させる。この状態が
図16に示す状態である。
【0073】
その後に、
図17に示すように、第1埋戻剤供給管81及び第2埋戻剤供給管82の接続部80の外周部に係合保持管90を移動させて被せるとともに、第1埋戻剤供給管81の外周部の一部に突出させたロック凸部88を係合保持管90の導入溝92へ通して円周溝94に到達させる。
【0074】
次に
図18に示すように、
図17に示した状態から係合保持管90を左方向に回転させて、ロック凸部88を係合保持管90の円周溝94に沿って通して、回動防止溝96に到達させる。一般的には、第1埋戻剤供給管81は掘削穴に挿入してあるので、第1埋戻剤供給管81及び第2埋戻剤供給管82の軸は鉛直に配置されている。したがって、ロック凸部88が回動防止溝96に到達すると、係合保持管90の自重により係合保持管90が下方に下がるので、ロック凸部88は回動防止溝96の上部にて停止した状態となる。
【0075】
係合保持管90が、
図18に示すように回動防止溝96の上部に停止した状態になると、例えば第1埋戻剤供給管81及び第2埋戻剤供給管82を掘削穴に挿入してゆく場合に係合保持管90が掘削穴の側壁と接触して係合保持管90が上方にずれた場合であっても、ロック凸部88が回動防止溝96の下端に当接するので、それ以上係合保持管90が上方に摺動することを防止することができる。したがって、より確実に係合保持管90を接続部80に保持しておくことができるので、第1埋戻剤供給管81と第2埋戻剤供給管82との係合状態を拘束しておくことができる。
【0076】
次に、
図19〜
図23を用いて、係合保持管における円周溝及び回動防止溝の他の実施形態について説明する。
【0077】
図19は、長さが異なる二種類の円周溝94及び円周溝94aを、一つの係合保持管90aに形成した実施形態を示す図である。なお、
図15にて説明した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0078】
図19に示す係合保持管90aの下部に形成した円周溝94における平行部の長さはL1である。他方、
図19に示す係合保持管90aの上部に形成した円周溝94aにおける平行部の長さは、L1よりも長いL2に設定してあり、現場の状況に応じて係合保持管90aの上下方向を入れ換えて使用することを可能にしている。
【0079】
例えば円周溝94aのように、平行部の長さが長い円周溝94aの方が、回動防止溝96に案内したロック凸部88が外れにくい。したがって、埋戻剤供給管を挿入する掘削穴が深い場合、又は掘削穴が狭いために、係合保持管90aが頻繁に掘削穴の側壁に接触することが予想される場合等においては、円周溝94aを形成した溝が下側になるように係合保持管90aを配置して、ロック凸部88を円周溝94aに通して回動防止溝96に入れて使用すると良い。
【0080】
他方、円周溝94のように、平行部の長さが短い円周溝の方が、ロック凸部88を回動防止溝96まで案内する作業が容易である。したがって、埋戻剤供給管を挿入する掘削穴が浅い場合、又は掘削穴が広いために係合保持管90aが掘削穴の側壁にそれほど接触しないと予想される場合等においては、円周溝94を形成した溝が下側(
図19に示す状態)になるように係合保持管90aを配置して、ロック凸部88を円周溝94に通して回動防止溝96に入れて使用すると良い。
【0081】
次に、回動防止溝96の他の実施形態について、
図20を用いて説明する。なお、
図15にて説明した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0082】
図20は、
図19に示した回動防止溝96に加えて、円周溝94の他端において、係合保持管90bの管淵部に向かう回動防止溝97を開設した実施形態を示す図である。係合保持管90bの管淵部に向かう回動防止溝97を開設しておくことによって、例えば第1埋戻剤供給管81及び第2埋戻剤供給管82を掘削穴に挿入してゆく場合に係合保持管90bが掘削穴の側壁と接触して係合保持管90bが上方にずれた場合であっても、ロック凸部88aが回動防止溝97に入り込むことになる。これにより、それ以上係合保持管90bが上方に摺動することを防止すると共に、係合保持管90bの回動動作を制限することができるので、ロック凸部88aが円周溝94に入り込んでしまうことを防止することができる。したがって、より確実に係合保持管90bを接続部80に保持しておくことができる。
【0083】
なお、
図20に示す実施形態では、ロック凸部88aの平面形状を円形に形成してある。ロック凸部の平面形状は、
図15等に示すような四角形の平面形状のものを用いることもできるし、
図20に示すような円形の平面形状のものを用いることもできる。
【0084】
次に、円周溝94と、回動防止溝96及び回動防止溝97との間の接続形状の他の実施形態について、
図21を用いて説明する。
図21に示す係合保持管90cは、円周溝94から回動防止溝96及び回動防止溝97に繋がる部分に、傾斜面98を形成した実施形態を説明する図である。なお、
図15、
図19、及び
図20にて説明した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0085】
図21に示すように、円周溝94から回動防止溝96及び回動防止溝97に繋がる部分に傾斜面98を形成することによって、係合保持管90cが上下方向及び回動方向にずれる動きを伴った場合であっても、ロック凸部88が回動防止溝96又は回動防止溝97に戻されるように係合保持管90cが回動するので、ロック凸部88が円周溝94に入り込んでしまう不具合を減少させることができる。したがって、より確実に係合保持管90cを接続部80に保持しておくことができる。
【0086】
次に、円周溝が係合保持管の管淵部に開口している係合保持管の実施形態について、
図22を用いて説明する。
図22に示す係合保持管90dは、
図19〜
図21に示したような導入溝92を有しておらず、円周溝94が係合保持管90dの管淵部に開口している係合保持管90dの実施形態を示す図である。なお、
図15及び
図19〜
図21にて説明した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
図22に示すように、係合保持管90dにおける管淵部を半円筒形状に切除し、円周溝92の導入部93を係合保持管90dの切除した淵部に形成するように構成しても、本発明の目的を達成することができる。
【0088】
次に、円周溝が係合保持管の管淵部に開口している係合保持管の他の実施形態について、
図23を用いて説明する。
図23に示す係合保持管90eも、
図19〜
図21に示したような導入溝92を有しておらず、斜めに開設した円周溝94が係合保持管90dの管淵部に開口している。なお、
図15及び
図19〜
図22にて説明した部位と同一の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0089】
図23に示すように、管淵部から斜めに開設した円周溝92の導入部93を係合保持管90dの管淵部に形成しても、本発明の目的を達成することができる。