(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2ステップの後に、全ての前記走査線を同時に選択して前記第3トランジスタをオンすることにより所定の基準電圧を前記データ線から前記第3トランジスタを介して前記第1ノードに書き込む第3ステップをさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の電気光学装置の駆動方法。
前記第3ステップの後に、前記第1電源から前記第2電源へ電流を流して、前記第2ノードの電圧値に対応する明るさで前記発光素子を発光させる第4ステップをさらに備えることを特徴とする、請求項2に記載の電気光学装置の駆動方法。
前記第4ステップにおいて、前記第2電源の電位を前記第1電源の電位より低くすることで前記第1電源から前記第2電源に電流を流すことを特徴とする、請求項3に記載の電気光学装置の駆動方法。
前記第1トランジスタ、前記第2トランジスタ、および前記第3トランジスタは、いずれもPチャネル型のMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)であることを特徴とする、請求項10に記載の電気光学装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0025】
<1.第1の実施形態>
[電気光学装置の画素回路の構成]
まず、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路100の構成を示す説明図である。本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置は、
図1に示した画素回路100が、n行の走査線とm列のデータ線との交点にマトリクス状に配置された構造を有するものである。以下、
図1を用いて本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路の構成について説明する。
【0026】
図1に示したように、本発明の第1の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路100は、第1トランジスタM1と、第2トランジスタM2と、第3トランジスタM3と、第4トランジスタM4と、キャパシタC
STと、発光素子OLEDと、を含んで構成される。
【0027】
第1トランジスタM1は、第1端子が第1電源ELV
DDに、ゲートが第2ノードN2に、第2端子が第2トランジスタM2の第2端子および第4トランジスタM4の第1端子に、それぞれ接続されている。
【0028】
第2トランジスタM2は、第1端子が第2ノードN2に、ゲートが信号線GCに、第2端子が第1トランジスタM1の上記第2端子および第4トランジスタM4の第1端子に、それぞれ接続されている。
【0029】
第3トランジスタM3は、第1端子がデータ線DATAに、ゲートが走査線SCANに、第2端子が第1ノードN1に、それぞれ接続されている。
【0030】
第4トランジスタM4は、ゲートが制御線EMに、第2端子が発光素子OLEDのエミッタに、それぞれ接続されている。
【0031】
画素回路100における第1トランジスタM1、第2トランジスタM2、第3トランジスタM3および第4トランジスタM4は、いずれもPチャネル型のMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect Transistor)である。
【0032】
キャパシタC
STは、一の端子が第1ノードN1に、他の端子が第2ノードN2に、それぞれ接続されている。
【0033】
走査線SCANは、第3トランジスタM3をオン・オフするための制御パルスを供給するものである。走査線SCANに供給される制御パルスによって第3トランジスタM3はオン・オフされる。
【0034】
データ線DATAは、画素回路100にデータ信号を供給するものである。走査線SCANに供給される制御パルスによって第3トランジスタM3がオンになると、その画素回路100に対応するデータ電圧が、第3トランジスタM3を介して第1ノードN1に書き込まれる。
【0035】
信号線GCは、第2トランジスタM2をオン・オフするための制御パルスを供給するものである。信号線GCに供給される制御パルスによって第2トランジスタM2はオン・オフされる。
【0036】
制御線EMは、第4トランジスタM4をオン・オフするための制御パルスを供給するものである。制御線EMに供給される制御パルスによって第4トランジスタM4はオン・オフされ、第4トランジスタM4がオンになっている期間で、画素回路100の第2ノードN2に保持されている電位に応じた電流を発光素子OLEDに流す。
【0037】
発光素子OLEDは、例えば有機EL素子で構成され、アノードとカソードとの間を流れる電流量に応じて自発光する素子である。本実施形態では、上述したように、制御線EMに供給される制御パルスによって第4トランジスタM4がオンになっている期間に、画素回路100の第2ノードN2に保持されている電位に応じた電流が発光素子OLEDに流れ、この電流によって発光素子OLEDは自発光する。
【0038】
本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置では、全ての画素回路100について、第4トランジスタEMを一斉にオンにするための制御パルスが制御線EMにより供給される。これにより、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置は面順次駆動される。
【0039】
以上、
図1を用いて本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100の構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100の駆動方法について説明する。
【0040】
[電気光学装置の画素回路の駆動方法]
図2は、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100を駆動させるための各信号のタイミングチャートを示す説明図であり、
図3A〜
図3Dは、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100の駆動状態を示す説明図である。以下、
図2および
図3A〜
図3Dを用いて、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100の駆動方法について説明する。
【0041】
図2に示したタイミングチャートには、1行目の走査線SCAN(1)、2行目の走査線SCAN(2)、n行目の走査線SCAN(n)にそれぞれ供給される制御パルス、信号線GCに供給される制御パルス、制御線EMに供給される制御パルス、データ線DATAに供給されるデータ信号の状態が図示されている。
【0042】
図2の期間(a)および
図3Aにおいて、制御線EMをハイにすることにより、第4トランジスタM4をオフした状態とし、信号線GCをローにすることで、第2トランジスタM2をオンする。この結果、発光素子OLEDは非発光状態となり、第1トランジスタM1はダイオード接続状態となる。第2トランジスタM2がオンされ第1トランジスタM1がダイオード接続状態となることで、ノードN2の電圧が、ELV
DD−V
th(V
thは第1トランジスタM1のスレッショルド電圧)に向かって変動し始める。
図3Aでは、ELV
DD=12V、V
th=1Vとしている。これにより、第2ノードN2の電位は11Vとなる。もちろん、本発明ではELV
DDおよびV
thの値はかかる例に限定されるものではない。
【0043】
続いて、
図2の期間(b)および
図3Bにおいて、各走査線SCAN(1)、SCAN(2)、・・・、SCAN(n)が順次排他的に選択され、選択された走査線上の第3トランジスタM3がオンする。選択された走査線上の第3トランジスタM3がオンすると、その選択された画素に対応するデータ電圧V
DATAが、データ線DATAから、第3トランジスタM3を介して第1ノードN1に書き込まれる。
【0044】
図2の期間(b)において、データ線DATAから供給されるデータ電圧V
DATA(
図3Bでは7V〜14Vの範囲を有する)は、階調レベルと、後述する基準電位V
basとによって適宜設定される。
図2の期間(b)においても、第1トランジスタM1はダイオード接続状態を維持しているので、第2ノードN2はELV
DD−V
thになるまで変動し続けることになり、キャパシタC
STに充電される電圧は、第1ノードN1を基準とすると、ELV
DD−V
th−V
DATAとなる。
【0045】
続いて、
図2の期間(c)および
図3Cにおいて、信号線GCをハイにすることで、第2トランジスタM2をオフするとともに、全走査線SCAN(1)、SCAN(2)、・・・、SCAN(n)を同時選択することにより、全ての画素回路100の第3トランジスタM3をオンする。
【0046】
図2の期間(c)において、データ電圧V
DATAを基準電位V
bas(
図3Cでは9V)とすることにより、第3トランジスタM3を介して全ての画素回路100の第1ノードN1に電位V
basが書き込まれる。第1ノードN1に電位V
basが書き込まれることに伴い、第2ノードN2の電位は、キャパシタC
STの容量結合により、ELV
DD−V
th−V
DATA+V
basとなる。従って、データ電圧V
DATAが7V〜14Vの範囲を有する場合は、第2ノードN2の電位は6V〜13Vの範囲を有することになる。
【0047】
続いて、
図2の期間(d)および
図3Dにおいて、全ての画素回路100について、制御線EMをローにすることで、全ての画素回路100において同時に第4トランジスタM4をオンする。第4トランジスタM4がオンになることで、各画素回路100の第2ノードN2が保持する電位に応じた発光素子OLEDの発光が行われる。
【0048】
また、
図2の期間(c)から引き続いて第3トランジスタM3がオンしたままなので、第1ノードN1は基準電位V
basに維持される。第1ノードN1が基準電位V
basに維持されることよって、第2ノードN2の電位(ELV
DD−V
th−V
DATA+V
bas)が、期間(d)の間保持される。
【0049】
以上、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100の駆動方法について説明した。本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100をこのように駆動させることで、画素回路100のレイアウト上大きな面積を占めるキャパシタを、キャパシタC
STの1個に収めることができる。
【0050】
また本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100は、面順次駆動において、第1トランジスタM1のスレッショルド電圧の補償時間の拡大と、データ書き込み時間の拡大を実現できる。これにより、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置は、画素回路の素子数を削減しつつ、駆動トランジスタのスレッショルド電圧補償時間およびデータ書き込み時間を十分に確保することで表示品位の劣化を避けることが可能となる。
【0051】
そして本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100は、データ保持期間中は第1ノードN1が基準電位V
basに維持されているので、第2ノードN2のデータ保持電圧レベルを一定に保つことができる。
【0052】
また、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置を、三次元画像の表示に用いる場合には、画像を表示する表示期間と画像データの書き込みを行なう非表示期間とを繰り返すことになるが、
図2の期間(a)から期間(c)の、発光素子OLEDの非発光期間は全画面が黒表示となり、
図2の期間(d)で全画面が同時に表示状態となる。従って、ユーザが三次元画像として視認するためのシャッタ眼鏡のシャッタ制御タイミングを、発光期間と非発光期間とで同期させることにより、片方の眼用の画像にもう片方の眼用の画像が漏れ込む、いわゆるクロストークのない高品位表示が得られる。
【0053】
なお、本発明においては、電気光学装置の画素回路100の駆動方法はかかる例に限定されない。次に、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100の駆動方法の変形例について説明する。
【0054】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100を駆動させるための各信号のタイミングチャートの変形例を示す説明図である。
図4に示したタイミングチャートは、
図2に示したものと異なり、信号線GCに供給される制御パルスが各行で異なっている。従って
図4には、1行目の信号線GC(1)に供給される制御パルス、2行目の信号線GC(2)に供給される制御パルス、・・・、n行目の信号線GC(n)に供給される制御パルスを図示している。
【0055】
1行目の信号線GC(1)に供給される制御パルスは、
図4の期間(b)において1行目の走査線SCAN(1)が選択された後、1行目の走査線SCAN(1)に供給される制御パルスがローからハイに切り替わるタイミングで、ローからハイに切り替わる。1行目の走査線SCAN(1)に供給される制御パルスがローからハイに切り替わるタイミングで1行目の信号線GC(1)に供給される制御パルスをローからハイに切り替えることで、その行の画素回路100の第2トランジスタM2をオフする。
【0056】
走査線SCANの選択が完了した時点で第2トランジスタM2をオフすることで、第2ノードN2の電位を安定化させることができ、その後の期間(c)においてデータ線から基準電位を印加することで、より所望の電位を第2ノードN2に保持することが可能となる。
【0057】
以上説明したように本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100は、第1トランジスタM1のスレッショルド電圧を補償している間に、選択された画素に対応するデータ電圧V
DATAが、データ線DATAから第3トランジスタM3を介して第1ノードN1に書き込まれる。
【0058】
これにより、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100は、画素回路100のレイアウト上大きな面積を占めるキャパシタを、キャパシタC
STの1個に収めつつ、かつ、面順次駆動において、第1トランジスタM1のスレッショルド電圧の補償時間の拡大と、データ書き込み時間の拡大を実現できる。これにより、本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置は、画素回路の素子数を削減しつつ、駆動トランジスタのスレッショルド電圧補償時間およびデータ書き込み時間を十分に確保することで表示品位の劣化を避けることが可能となる。
【0059】
本発明の第1の実施形態に係る電気光学装置の画素回路100は、全ての信号線GCの制御タイミングを同一にしてもよく、行毎に変えても良い。信号線GCの制御タイミングを行毎に変える場合は、走査線SCANの選択が完了した時点で第2トランジスタM2をオフすることで、第2ノードN2の電位を安定化させることができ、その後の期間(c)においてデータ線から基準電位を印加することで、より所望の電位を第2ノードN2に保持することが可能となる。
【0060】
<2.第2の実施形態>
[電気光学装置の画素回路の構成]
次に、本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路の構成について説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路200の構成を示す説明図である。本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置は、
図5に示した画素回路200が、n行の走査線とm列のデータ線との交点にマトリクス状に配置された構造を有するものである。以下、
図5を用いて本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路の構成について説明する。
【0061】
図5に示したように、本発明の第2の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路200は、第1トランジスタM1と、第2トランジスタM2と、第3トランジスタM3と、キャパシタC
STと、発光素子OLEDと、を含んで構成される。
図5に示した画素回路200は、
図1に示した画素回路100から第4トランジスタM4が削除された構成を有している。
【0062】
第1トランジスタM1は、第1端子が第1電源ELV
DDに、ゲートが第2ノードN2に、第2端子が第2トランジスタM2の第2端子および発光素子OLEDのアノードに、それぞれ接続されている。
【0063】
第2トランジスタM2は、第1端子が第2ノードN2に、ゲートが信号線GCに、第2端子が第1トランジスタM1のドレインおよび発光素子OLEDのアノードに、それぞれ接続されている。
【0064】
第3トランジスタM3は、第1端子がデータ線DATAに、ゲートが走査線SCANに、第2端子が第1ノードN1に、それぞれ接続されている。
【0065】
画素回路200における第1トランジスタM1、第2トランジスタM2および第3トランジスタM3は、いずれもPチャネル型のMOSFETである。
【0066】
キャパシタC
STは、一の端子が第1ノードN1に、他の端子が第2ノードN2に、それぞれ接続されている。
【0067】
走査線SCANは、第3トランジスタM3をオン・オフするための制御パルスを供給するものである。走査線SCANに供給される制御パルスによって第3トランジスタM3はオン・オフされる。
【0068】
データ線DATAは、画素回路200にデータ信号を供給するものである。走査線SCANに供給される制御パルスによって第3トランジスタM3がオンになると、その画素回路200に対応するデータ電圧が、第3トランジスタM3を介して第1ノードN1に書き込まれる。
【0069】
信号線GCは、第2トランジスタM2をオン・オフするための制御パルスを供給するものである。信号線GCに供給される制御パルスによって第2トランジスタM2はオン・オフされる。
【0070】
発光素子OLEDは、例えば有機EL素子で構成され、アノードとカソードとの間を流れる電流量に応じて自発光する素子である。本実施形態では、第2電源ELV
SSの電位が第1電源ELV
DDの電位より低くなると、画素回路200の第2ノードN2に保持されている電位に応じた電流が発光素子OLEDに流れ、この電流によって発光素子OLEDは自発光する。
【0071】
本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置では、全ての画素回路200について、第2電源ELV
SSの電位が第1電源ELV
DDの電位より低くなる制御が行われる。これにより、本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置は面順次駆動される。
【0072】
以上、
図5を用いて本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路200の構成について説明した。次に、本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路200の駆動方法について説明する。
【0073】
[電気光学装置の画素回路の駆動方法]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路200を駆動させるための各信号のタイミングチャートを示す説明図であり、
図7A〜
図7Dは、本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路200の駆動状態を示す説明図である。以下、
図6および
図7A〜
図7Dを用いて、本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路200の駆動方法について説明する。
【0074】
図6に示したタイミングチャートには、1行目の走査線SCAN(1)、2行目の走査線SCAN(2)、n行目の走査線SCAN(n)にそれぞれ供給される制御パルス、信号線GCに供給される制御パルス、およびデータ線DATAに供給されるデータ信号の状態が図示されている。
図2に示したタイミングチャートからは制御線EMに供給される制御パルスの状態が削除された替わりに第2電源ELV
SSの電圧レベルの状態が図示されており、その他の点は
図2に示したタイミングチャートと同一である。
【0075】
図6の期間(a)および
図7Aにおいて、第2電源ELV
SSをハイにした状態で、信号線GCをローにすることで、第2トランジスタM2をオンする。この結果、発光素子OLEDは非発光状態となり、第1トランジスタM1はダイオード接続状態となる。第2トランジスタM2がオンされ第1トランジスタM1はダイオード接続状態となることで、ノードN2の電圧が、ELV
DD−V
th(V
thは第1トランジスタM1のスレッショルド電圧)に向かって変動し始める。
図7Aでは、ELV
DD=12V、V
th=1Vとしている。もちろん、本発明ではELV
DDおよびV
thの値はかかる例に限定されるものではない。
【0076】
続いて、
図6の期間(b)および
図7Bにおいて、各走査線SCAN(1)、SCAN(2)、・・・、SCAN(n)が順次排他的に選択され、選択された走査線上の第3トランジスタM3がオンする。選択された走査線上の第3トランジスタM3がオンすると、その選択された画素に対応するデータ電圧V
DATAが、データ線DATAから、第3トランジスタM3を介して第1ノードN1に書き込まれる。
【0077】
図6の期間(b)において、データ線DATAから供給されるデータ電圧V
DATA(
図7Bでは7V〜14Vの範囲を有する)は、階調レベルと、後述する基準電位V
basとによって適宜設定される。
図6の期間(b)においても、第1トランジスタM1はダイオード接続状態を維持しているので、第2ノードN2はELV
DD−V
thになるまで変動し続けることになり、キャパシタC
STに充電される電圧は、第1ノードN1を基準とすると、ELV
DD−V
th−V
DATAとなる。
【0078】
続いて、
図6の期間(c)および
図7Cにおいて、信号線GCをハイにすることで、第2トランジスタM2をオフするとともに、全走査線SCAN(1)、SCAN(2)、・・・、SCAN(n)を同時選択することにより、全ての画素回路200の第3トランジスタM3をオンする。
【0079】
図6の期間(c)において、データ電圧V
DATAを基準電位V
bas(
図7Cでは9V)とすることにより、第3トランジスタM3を介して全ての画素回路200の第1ノードN1に電位V
basが書き込まれる。第1ノードN1に電位V
basが書き込まれることに伴い、第2ノードN2の電位は、キャパシタC
STの容量結合により、ELV
DD−V
th−V
DATA+V
basとなる。従って、データ電圧V
DATAが7V〜14Vの範囲を有する場合は、第2ノードN2の電位は6V〜13Vの範囲を有することになる。
【0080】
続いて、
図6の期間(d)および
図7Dにおいて、全ての画素回路200について、第2電源ELV
SSをローにすることで、全ての画素回路200において同時に発光素子OLEDに電流を流す。第2電源ELV
SSをローにすることで、各画素回路200の第2ノードN2が保持する電位に応じた発光素子OLEDの発光が行われる。
【0081】
また、
図6の期間(c)から引き続いて第3トランジスタM3がオンしたままなので、第1ノードN1は基準電位V
basに維持される。第1ノードN1が基準電位V
basに維持されることよって、第2ノードN2の電位(ELV
DD−V
th−V
DATA+V
bas)が、期間(d)の間保持される。
【0082】
以上、本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路200の駆動方法について説明した。本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路200をこのように駆動させることで、画素回路200のレイアウト上大きな面積を占めるキャパシタを、キャパシタC
STの1個に収めることができる。
【0083】
また本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路200は、面順次駆動において、第1トランジスタM1のスレッショルド電圧の補償時間の拡大と、データ書き込み時間の拡大を実現できる。これにより、本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置は、画素回路の素子数を削減しつつ、駆動トランジスタのスレッショルド電圧補償時間およびデータ書き込み時間を十分に確保することで表示品位の劣化を避けることが可能となる。
【0084】
そして本発明の第2の実施形態に係る電気光学装置の画素回路200は、データ保持期間中は第1ノードN1が基準電位V
basに維持されているので、第2ノードN2のデータ保持電圧レベルを一定に保つことができる。
【0085】
<3.第3の実施形態>
[電気光学装置の画素回路の構成]
次に、本発明の第3の実施形態に係る電気光学装置の画素回路の構成について説明する。
図8は、本発明の第3の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路300の構成を示す説明図である。本発明の第3の実施形態にかかる電気光学装置は、
図8に示した画素回路300が、n行の走査線とm列のデータ線との交点にマトリクス状に配置された構造を有するものである。以下、
図8を用いて本発明の第3の実施形態に係る電気光学装置の画素回路の構成について説明する。
【0086】
図8に示したように、本発明の第3の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路300は、第1トランジスタM1と、第2トランジスタM2と、第3トランジスタM3と、第4トランジスタM4と、第5トランジスタM5と、キャパシタC
STと、発光素子OLEDと、を含んで構成される。
図8に示した画素回路300は、
図1に示した画素回路100に第5トランジスタM5が追加された構成を有している。
【0087】
第5トランジスタM5は、第1端子が第2ノードN2に、ゲートがリセット線RSTに、第2端子がリセット電源V
RSTに、それぞれ接続されている。第5トランジスタM5は、発光素子OLEDに電流を流して発光素子OLEDを発光させた後に、第2ノードN2をリセット電源V
RSTに接続して所定のリセット電位V
RSTに設定するものである。
【0088】
より具体的には、
図2における期間(d)の発光期間終了後、期間(a)の第1トランジスタM1のダイオード接続が開始される前までの間に、第1トランジスタM1を十分オンさせるだけの所定のリセット電位V
RSTを第2ノードN2に書き込む。
【0089】
発光素子OLEDを発光させた後に、第2ノードN2をリセット電源V
RSTに接続して所定のリセット電位V
RSTに設定することで、特に前フレームの表示が暗階調であった場合の、第1トランジスタM1のスレッショルド補償完了までの時間を短縮させることができる。
【0090】
<4.第4の実施形態>
[電気光学装置の画素回路の構成]
次に、本発明の第4の実施形態に係る電気光学装置の画素回路の構成について説明する。
図9は、本発明の第4の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路400の構成を示す説明図である。本発明の第4の実施形態にかかる電気光学装置は、
図9に示した画素回路400が、n行の走査線とm列のデータ線との交点にマトリクス状に配置された構造を有するものである。以下、
図9を用いて本発明の第4の実施形態に係る電気光学装置の画素回路の構成について説明する。
【0091】
図9に示したように、本発明の第4の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路400は、第1トランジスタM1と、第2トランジスタM2と、第3トランジスタM3と、第4トランジスタM4と、第6トランジスタM6と、キャパシタC
STと、発光素子OLEDと、を含んで構成される。
図9に示した画素回路300は、
図8に示した画素回路300から第5トランジスタM5が削除され、第6トランジスタM6が追加された構成を有している。
【0092】
第6トランジスタM6は、第1端子が第2ノードN2に、ゲートがリセット線RSTに、第2端子がデータ線DATAに、それぞれ接続されている。第6トランジスタM6は、
図8に示した画素回路300の第5トランジスタM5と同様に、発光素子OLEDに電流を流して発光素子OLEDを発光させた後に、第2ノードN2を所定のリセット電位V
RSTに設定するものである。
【0093】
本発明の第4の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路400は、第6トランジスタM6の第2端子をデータ線DATAへ接続し、上述のリセットタイミングにおいてデータ線DATAからリセット電位V
RSTを供給することにより、本発明の第3の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路300と同様の効果を得ることができる。そして本発明の第4の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路400は、本発明の第3の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路300において設けられていたリセット電位V
RST用の電源線が不要となるので、さらなる高解像度化への対応も可能となる。
【0094】
図10は、本発明の第3の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路300および本発明の第4の実施形態にかかる電気光学装置の画素回路400を駆動させるための各信号のタイミングチャートを示す説明図である。
図10に示したタイミングチャートは、
図2に示したタイミングチャートに、リセット線RSTに印加される制御パルスの状態が図示されている。
【0095】
リセット線RSTに印加される制御パルスは、
図10に示したように、期間(d)の後で次フレームの期間(a)が始まるまでの期間(e)においてローにするものである。期間(e)において、リセット線RSTに印加される制御パルスをローにすることで、第5トランジスタM5または第6トランジスタM6がオンされ、第2ノードN2が所定のリセット電位V
RSTに設定される。第2ノードN2を所定のリセット電位V
RSTに設定することで、特に前フレームの表示が暗階調であった場合の、第1トランジスタM1のスレッショルド補償完了までの時間を短縮させることができる。
【0096】
<5.まとめ>
以上説明したように本発明の各実施形態によれば、第1トランジスタM1のスレッショルド電圧を補償している間に、選択された画素に対応するデータ電圧V
DATAを、データ線DATAから第3トランジスタM3を介して第1ノードN1に書き込む。これにより、画素回路のレイアウト上大きな面積を占めるキャパシタを1個に収めつつ、かつ、面順次駆動において、第1トランジスタM1のスレッショルド電圧の補償時間の拡大と、データ書き込み時間の拡大を実現できる。そして、本発明の各実施形態に係る電気光学装置は、画素回路の素子数を削減しつつ、駆動トランジスタのスレッショルド電圧補償時間およびデータ書き込み時間を十分に確保することで表示品位の劣化を避けることが可能となる。また、本発明の各実施形態に係る電気光学装置の画素回路は、データ保持期間中は第1ノードN1が基準電位V
basに維持されているので、第2ノードN2のデータ保持電圧レベルを一定に保つことができる。
【0097】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。