(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
鉄道車両は、旅客や貨物や動力源を載せるための略箱状の車体と、走行のための機構部である走り装置とを備えている。走り装置は、車軸に車輪を固定して一体と成した輪軸を有するものである。走り装置としては、鉄道車両の長大化や質量の増大による輪軸数の増加と、曲線線路の通過をより円滑にすることを目的として、ボギー台車と呼ばれる複数の輪軸を有する台車が用いられている。
【0003】
このような台車は、一般的に二つの輪軸を有するように構成されている。また、鉄道車両一両に対して、二軸の台車を二つ設けるのが一般的である。台車は、車体の質量を車輪を介してレールに伝えることで、車体を保持し車体をレールに沿って安定して高速に走行させる役割を果たすものである。従って、鉄道車両一両に対して二つの台車が設けられていれば、一つの台車は車体の略半分の質量を二つの輪軸に分配して伝達する必要がある。
【0004】
台車の荷重伝達順序は、車体から受けた荷重を車体支持装置が受けて、台車枠、軸ばね、軸箱、軸受を経由して輪軸に伝達し、輪軸の車輪からレールへと伝達される。従って、二軸の台車では、車体支持装置から台車枠へと伝達された荷重を、台車枠が二つの輪軸へと分配することになるので、台車枠は強固なものとする必要がある。
【0005】
台車枠は、輪軸からの反力をその両端に固定されたばね帽で受けるように配置される一対の側梁と、その一対の側梁を繋ぐように接合される一対の横梁とを有している。側梁は、車体から受けた荷重を、それぞれの略中央近傍で受け止めるように構成される。従って、側梁は大きな荷重が加わる三点曲げ梁としての強度が求められる。一方、ばね帽は、軸ばねの一方を支える部分である。この軸ばねの他端は軸箱体によって支えられ,さらに軸箱体は軸箱支持装置によって側梁と結合されている。従って、側梁とばね帽とは、溶接によって強固に固定される必要がある。
【0006】
このような側梁とばね帽とを組み上げる態様としては、側梁とばね帽とを別個の部材として組み上げ、その後双方を組み上げていく態様が知られている。例えば、下記特許文献1では、台車枠は、側梁、ばね帽、及び横梁を備えるものとして構成されている。側梁、ばね帽、及び横梁の少なくとも一つは、レーザ溶接を用いて組み立てられている。また、側梁と横梁、及び側梁とばね帽の少なくとも一方は、レーザ溶接を用いて接合されている。
【0007】
下記特許文献2に示すような別の手法では、側梁を縦方向に左右対称となるように2分割し、それぞれをプレス成形によって形成して互いに溶接接合することで側梁を形成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述したように鉄道車両に用いられる台車の台車枠は大きな荷重を伝達するものであるから、台車枠を構成する側梁は厚さが9〜22mm程度の鉄板を用いるものである。また、側梁の全長は、一対の輪軸を支える距離を確保する必要があるため、2300mm程度の長さが必要とされる。このように、長尺かつ中厚の鉄板で構成される側梁を成形するにあたって、上記特許文献2に記載のように、側梁を縦方向に左右対称となるように2分割し、それぞれをプレス成形によって形成して互いに溶接接合することで側梁を形成するためには、熱間プレスを行う必要がある。しかしながら、熱間プレスを行ったとしても、寸法精度を高く保つことは困難である。従って、熱間プレスを行うことによるコストアップや正確な形状を出しにくいことから、上記特許文献2に記載の技術を実用化することは実質的に困難である。
【0010】
一方で、上記特許文献1に記載のように、板状部材を溶接接合して組み上げ、更にばね帽を溶接接合して、ばね帽を有する側梁を形成することは、溶接接合工程の増加を招き、コストダウンの観点からは改良の余地がある。製造工程の簡素化を目的とすれば、側梁にばね帽を一体化して構成することが求められている。
【0011】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、鉄道車両の車体の下部に回動可能なように取り付けられる台車を構成し、一対の側梁と、前記一対の側梁を連結する横梁とを備える鉄道車両用台車枠において、ばね帽を一体的なものとして備えつつ、溶接接合工程の簡素化及び平易化を促進できる側梁を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明に係る鉄道車両用台車枠は、鉄道車両の車体の下部に回動可能なように取り付けられる台車を構成し、一対の側梁と、前記一対の側梁を連結する横梁とを備える鉄道車両用台車枠であって、側梁は、車輪と車軸とからなり、所定の間隔をおいて互いに平行に配置される輪軸を支持するための一対のばね帽部と、一対のばね帽部を繋ぐ連接部と、を備える。ばね帽部及び連接部は、互いの上面を一体的に構成する上板と、互いの一側面を一体的に構成する一側板と、互いの他側面を一体的に構成する他側板とを、それぞれ対応する長辺部を接合して構成されるものであり、ばね帽部の、鉄道車両の進行方向前方又は後方に対応する端板
は、上板、一側板、及び他側板の少なくとも一つの端部
が折り曲げ
られた折り曲げ部を有し、折り曲げ部は、他の部分と溶接接合され
る接合部を有するように構成されている。
【0013】
本発明に係る鉄道車両用台車枠では、側梁のばね帽部及び連接部を、互いの上面を一体的に構成する上板と、互いの一側面を一体的に構成する一側板と、互いの他側面を一体的に構成する他側板とを、それぞれ対応する長辺部を接合して構成しているので、上板、一側板、及び他側板によって、ばね帽部及び連接部を一体化した側梁を、熱間プレス加工といった工程を経ることなく一体的に構成することができる。更に、ばね帽部の端板を、上板、一側板、及び他側板の少なくとも一つの端部を折り曲げて構成しているので、端部を略90度に折り曲げて他の部分と溶接接合するという簡易な手法で、側梁を構成することができる。
【0014】
また本発明に係る側梁では、連接部は、上板に対向し、一側板と他側板とを繋ぐ下板を有し、端板と下板とは離隔して間隙を形成しており、輪軸を支持する支持部材が間隙に挿入され、上板に当接することで支持されていることも好ましい。
【0015】
この好ましい態様によれば、上板、一側板、及び他側板の少なくとも一つの端部を折り曲げ且つ他の部分と溶接接合されるばね帽部の端板と、連接部の下板とが離隔して間隙を形成しているので、連接部においては強度確保しつつ、ばね帽部においては支持部材が挿入される間隙を確保することができる。
【0016】
また本発明に係る側梁では、一側板と他側板とは、同一の形状となるように形成されていることも好ましい。
【0017】
この好ましい態様によれば、一側板と他側板とが同一の形状となるように形成しているので、一側板と他側板とを区別することなく製造し準備することが可能になるので、コストダウン及び製造容易性に寄与することができる。
【0018】
また本発明に係る側梁では、
折り曲げ部は、一側板の端部
が折り曲げられた第1折り曲げ部と、第1折り曲げ部と接合し、他側板の端部
が折り曲げられた第2折り曲げ部と、を有していること好ましい。
【0019】
この好ましい態様によれば、一側板の端部及び他側板の端部をそれぞれ折り曲げ、その折り曲げた端部同士を接合して端板を形成しているので、端板を形成するために必要となる一側板及び他側板の端部の長さを短くすることができる。
【0020】
また本発明に係る側梁では、
折り曲げ部は、一側板及び他側板の、一方の端部又は他方の端部
が折り曲げられた第3折り曲げ
部を有することも好ましい。
【0021】
この好ましい態様によれば、一側板及び他側板における一方の端部又は他方の端部を折り曲げて端板を形成しているので、端板の周縁部においてのみ溶接接合を行うことになり、端板の中央部での溶接接合を回避することができる。
【0022】
また本発明に係る側梁では、端板は、
折り曲げ部は、上板の一方の端部
が折り曲げられた第4折り曲げ部と、他方の端部
が折り曲げられた第5折り曲げ部と、を有することも好ましい。
【0023】
この好ましい態様によれば、上板の一方の端部と他方の端部とを折り曲げて端板を形成しているので、溶接接合を行う箇所を、一側板が沿う平面及び他側板が沿う平面に集約することができ、二次元での溶接接合のみで側梁を形成することができる。
【0024】
また本発明に係る側梁では、前記上板は、前記ばね帽部に相当する部分の少なくとも一部が他の部分よりも幅広になるように形成されており、前記一側板と前記他側板とは、前記上板の幅広になっている部分に応じて屈曲していることも好ましい。
【0025】
この好ましい態様によれば、ばね帽部に相当する部分が幅広になっているので、輪軸を支持する支持部材を収容しやすくなる。また、一側板と他側板とは、上板の幅広になっている部分に応じて屈曲しているので、上板の形状に沿って一側板と他側板とを確実に密接させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、鉄道車両の車体の下部に回動可能なように取り付けられる台車を構成し、一対の側梁と、前記一対の側梁を連結する横梁とを備える鉄道車両用台車枠において、ばね帽を一体的なものとして備えつつ、溶接接合工程の簡素化及び平易化を促進できる側梁を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0029】
本発明の実施形態である台車について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、台車RTの外観を示す斜視図である。
図1においては、台車RTの鉄道車両進行方向に沿った向きにx軸を設定し、鉄道車両の幅方向に沿った向きにy軸を設定し、上下方向にz軸を設定している。
図2以降においても同様である。
【0030】
本実施形態の台車RTは、一つの車体に対して一対取り付けられるボギー台車である。
図1に示されるように、台車RTは、一対の側梁FRA,FRAと、一対の側梁FRA,FRAを連結する一対の横梁FRB,FRBを含む台車枠FRと、一対の輪軸WA,WAとを備えている。輪軸WAは、一対の車輪を一本の車軸で固定したものである。
【0031】
それぞれの側梁FRA,FRAには、まくらばねPSが取り付けられている。まくらばねPSは、台車RTが取り付けられる車体を支えるように配置されている。車体の質量はまくらばねPSを介して、側梁FRAに伝達されている。
【0032】
側梁FRAは、一対のばね帽部FR2,FR2と、一対のばね帽部FR2,FR2を繋ぐように設けられている連接部FR1と、を備えている。連接部FR1と、一対のばね帽部FR2,FR2とは一体的に形成されている。ばね帽部FR2の、鉄道車両の進行方向前方又は後方に対応する位置には、端板FR2tが設けられている。
【0033】
ばね帽部FR2の内部には、軸ばねBSが納められている。軸ばねBSは、一端がばね帽部FR2の内面に当接され、他端が軸箱体AB1に当接されている。軸箱体AB1は、軸受BEを保持している。軸受BEは、輪軸WAの両端に取り付けられている。軸箱体AB1は、アーム部AB2によって連接部FR1と繋がれている。軸箱体AB1とアーム部AB2とは一体的に構成されており、アーム部AB2の先端には緩衝ゴムGBが設けられている。
【0034】
このように構成することで、鉄道車両の車体の下部に回動可能なように取り付けられる台車RTが形成される。台車RTは、一対の輪軸WA,WAと、台車枠FRと、を備えている。輪軸WA,WAは、車輪と車軸とからなり、所定の間隔をおいて互いに平行に配置されている。台車枠FRは、一対の輪軸WA,WAを保持すると共に、車体の質量を一対の輪軸WA,WAそれぞれを構成する車軸に伝えるものである。
【0035】
続いて、本実施形態の側梁FRAについて
図2を参照しながら更に説明する。
図2は、
図1に示す側梁FRAの分解斜視図である。側梁FRAは、一側板及び他側板としての一対の側板10,10と、上板20と、下板30とによって構成される。本実施形態の場合、左右の側板は共通化されている。
【0036】
側板10は、厚さが9〜22mm程度の鉄板を用いて形成され、そのx軸方向に沿った全長は2300mm程度となっている。側板10は、中央側部FR1a1と、グースネック側部FR1b1と、ばね帽側部FR2a1と、ばね帽端部FR2a2とを有している。
【0037】
中央側部FR1a1は、側板の中央に形成される領域であって、側板10の長手方向(x軸方向)に沿って直線状を成すように形成される領域である。
図2において、中央側部FR1a1は、xz平面に沿って形成されている。
【0038】
中央側部FR1a1の両端には、一対のグースネック側部FR1b1,FR1b1が繋げられている。グースネック側部FR1b1は、中央側部FR1a1の両端から、上方(z軸正方向)に斜めに延びるように形成されている。
【0039】
一対のグースネック側部FR1b1,FR1b1の、中央側部FR1a1に繋がる端と反対側の端には、それぞれ一対のばね帽側部FR2a1,FR2a1が繋げられている。ばね帽側部FR2a1は、中央側部FR1a1と平行にx軸方向に沿って延びている。尚、ばね帽上部FR2a3は、少なくとも一部が幅広になるように構成されているので、ばね帽側部FR2a1は、そのばね帽上部FR2a3の形状に倣うように屈曲して形成されている。
【0040】
一対のばね帽側部FR2a1,FR2a1の、グースネック側部FR1b1,FR1b1に繋がる端とは反対側の端には、それぞればね帽端部FR2a2,FR2a2が繋げられている。ばね帽端部FR2a2は、車両幅方向であるy軸方向に沿って延びている。ばね帽端部FR2a2は、ばね帽部FR2の端板FR2tの半分の幅の長さとなるように形成されている。
【0041】
上板20は、厚さが9〜22mm程度の鉄板を用いて形成されている。上板20は、中央上部FR1a3と、グースネック上部FR1b3と、ばね帽上部FR2a3とを有している。
【0042】
中央上部FR1a3は、上板20の中央に形成される領域であって、上板20の長手方向(x軸方向)に沿って直線状を成すように形成される領域である。
図2において、中央上部FR1a3は、xy平面に沿って形成されている。
【0043】
中央上部FR1a3の両端には、一対のグースネック上部FR1b3,FR1b3が繋げられている。グースネック上部FR1b3は、中央上部FR1a3の両端から、上方(z軸正方向)に斜めに跳ね上がるように形成されている。
【0044】
一対のグースネック上部FR1b3,FR1b3の、中央上部FR1a3に繋がる端と反対側の端には、それぞればね帽上部FR2a3,FR2a3が繋げられている。ばね帽上部FR2a3は、中央上部FR1a3と平行にx軸方向に沿って延びている。尚、ばね帽上部FR2a3は、少なくとも一部が幅広になるように構成されている。
【0045】
下板30は、厚さが9〜22mm程度の鉄板を用いて形成されている。下板30は、中央下部FR1a4と、グースネック下部FR1b4とを有している。
【0046】
中央下部FR1a4は、下板30の中央に形成される領域であって、下板30の長手方向(x軸方向)に沿って直線状を成すように形成される領域である。
図2において、中央下部FR1a4は、xy平面に沿って形成されている。
【0047】
中央下部FR1a4の両端には、一対のグースネック下部FR1b4,FR1b4が繋げられている。グースネック下部FR1b4は、中央下部FR1a4の両端から、上方(z軸正方向)に斜めに跳ね上がるように形成されている。
【0048】
図2を参照しながら説明した一対の側板10,10と上板20と下板30とを組み上げて、溶接接合する。具体的には、一対の側板10,10のばね帽端部FR2a2の先端同士をつき合わせ、その突き合わせた部分を溶接接合する。この上側に上板20を配置し、上板20と、側板10,10との当接部分を溶接接合する。更に、下側に下板30を配置し、下板30と、側板10,10との当接部分を溶接接合する。このように組み上げて、各部を溶接接合すると
図3に示す側梁FRAとなる。
図3は、
図1に示す側梁FRAの斜視図である。
【0049】
図3に示すように、側梁FRAは、ばね帽部FR2及び連接部FR1を有している。連接部FR1は、中央部FR1aとグースネック部FR1bとを有している。ばね帽部FR2及び連接部FR1は、互いの上面を一体的に構成する上板20と、互いの一側面及び他側面をそれぞれ一体的に構成する側板10,10とを、それぞれ対応する長辺部を接合して構成されるものである。ばね帽部FR2の、鉄道車両の進行方向前方又は後方に対応する端板FR2tは、側板10の端部であるばね帽端部FR2a2を折り曲げ、且つ対向する側板10のばね帽端部FR2a2と溶接接合されて構成されている。
【0050】
このように構成することで、ばね帽部FR2及び連接部FR1を、互いの上面を一体的に構成する上板20と、互いの一側面を一体的に構成する側板10と、互いの他側面を一体的に構成する側板10とを、それぞれ対応する長辺部を接合して構成しているので、上板20、側板10,10によって、ばね帽部FR2及び連接部FR1を一体化した側梁FRAを、熱間プレス加工といった工程を経ることなく、通常のプレス加工等で形成された部材を用い一体的に構成することができる。更に、ばね帽部FR2の端板FR2tを、側板10のばね帽端部FR2a2を折り曲げて構成しているので、ばね帽端部FR2a2を略90度に折り曲げて他の部分と溶接接合するという簡易な手法で、側梁FRAを構成することができる。
【0051】
また本実施形態では、連接部FR1は、上板20に対向し、側板10と側板10とを繋ぐ下板30を有し、端板FR2tと下板30とは離隔して間隙を形成しており、輪軸WAを支持する軸箱体AB1に当接された軸ばねBSが間隙に挿入され、上板20に当接することで支持されている。
【0052】
このように、側板10のばね帽端部FR2a2を折り曲げ且つ他の部分と溶接接合されるばね帽部FR2の端板FR2tと、連接部FR1の下板30とが離隔して間隙を形成しているので、連接部FR1においては強度確保しつつ、ばね帽部FR2においては支持部材である軸箱体AB1に当接された軸ばねBSが挿入される間隙を確保することができる。
【0053】
また本実施形態では、一対の側板10,10は、同一の形状となるように形成されている。このように、一対の側板10,10が同一の形状となるように形成しているので、一側板と他側板とを区別することなく製造し準備することが可能になるので、コストダウン及び製造容易性に寄与することができる。
【0054】
また本実施形態では、端板FR2tは、側板10,10のそれぞれのばね帽端部FR2a2,FR2a2をそれぞれ折り曲げ、その折り曲げた端部同士を接合することで形成されている。このように、側板10,10のそれぞれのばね帽端部FR2a2,FR2a2をそれぞれ折り曲げ、その折り曲げた端部同士を接合して端板FR2tを形成しているので、端板FR2tを形成するために必要となる側板10,10のそれぞれのばね帽端部FR2a2,FR2a2の長さを短くすることができる。
【0055】
続いて、本実施形態の変形例について、
図4を参照しながら説明する。
図4は、
図1に示す側梁FRAの変形例としての側梁FRAbの分解斜視図である。側梁FRAbは、一側板及び他側板としての一対の側板10b,10bと、上板20と、下板30とによって構成される。本変形例の場合も、左右の側板は共通化されている。
【0056】
側板10bは、厚さが9〜22mm程度の鉄板を用いて形成され、そのx軸方向に沿った全長は2300mm程度となっている。側板10bは、中央側部FR1a1と、グースネック側部FR1b1と、ばね帽側部FR2a1と、ばね帽端部FR2b2とを有している。
【0057】
中央側部FR1a1は、側板の中央に形成される領域であって、側板10の長手方向(x軸方向)に沿って直線状を成すように形成される領域である。
図4において、中央側部FR1a1は、xz平面に沿って形成されている。
【0058】
中央側部FR1a1の両端には、一対のグースネック側部FR1b1,FR1b1が繋げられている。グースネック側部FR1b1は、中央側部FR1a1の両端から、上方(z軸正方向)に斜めに延びるように形成されている。
【0059】
一対のグースネック側部FR1b1,FR1b1の、中央側部FR1a1に繋がる端と反対側の端には、それぞればね帽側部FR2a1,FR2a1が繋げられている。ばね帽側部FR2a1は、中央側部FR1a1と平行にx軸方向に沿って延びている。
【0060】
一方のばね帽側部FR2a1の、グースネック側部FR1b1に繋がる端とは反対側の端には、ばね帽端部FR2b2が繋げられている。ばね帽端部FR2b2は、車両幅方向であるy軸方向に沿って延びている。ばね帽端部FR2b2は、ばね帽部FR2の端板FR2tの幅と同等の長さとなるように形成されている。
【0061】
上板20及び下板30は、
図2を参照しながら説明したものと同様であるので、その説明を省略する。
【0062】
図4を参照しながら説明した一対の側板10b,10bと上板20と下板30とを組み上げて、溶接接合する。具体的には、一方の側板10bのばね帽端部FR2b2の先端を、他方の側板10bのばね帽側部FR2a1の端部につき合わせ、その突き合わせた部分を溶接接合する。この上側に上板20を配置し、上板20と、側板10b,10bとの当接部分を溶接接合する。更に、下側に下板30を配置し、下板30と、側板10b,10bとの当接部分を溶接接合する。このように組み上げて、各部を溶接接合すると
図5に示す側梁FRAbとなる。
図5は、
図1に示す側梁FRAの変形例である側梁FRAbの斜視図である。
【0063】
図5に示すように、側梁FRAbは、ばね帽部FR2b及び連接部FR1を有している。連接部FR1は、中央部FR1aとグースネック部FR1bとを有している。ばね帽部FR2b及び連接部FR1は、互いの上面を一体的に構成する上板20と、互いの一側面及び他側面をそれぞれ一体的に構成する側板10b,10bとを、それぞれ対応する長辺部を接合して構成されるものである。ばね帽部FR2bの、鉄道車両の進行方向前方又は後方に対応する端板FR2tbは、側板10bの端部であるばね帽端部FR2b2を折り曲げ、且つ対向する側板10bのばね帽側部FR2a1と溶接接合されて構成されている。
【0064】
更に、連接部FR1は、上板20に対向し、側板10bと側板10bとを繋ぐ下板30を有し、端板FR2tbと下板30とは離隔して間隙を形成しており、上述したように輪軸WAを支持する支持部材である軸箱体AB1に当接された軸ばねBSが間隙に挿入され、上板20に当接することで支持されている。
【0065】
このように、側板10bにおける一方のばね帽端部FR2b2を折り曲げて端板FR2tbを形成しているので、端板FR2tbの周縁部においてのみ溶接接合を行うことになり、端板FR2tbの中央部での溶接接合を回避することができる。
【0066】
続いて、本実施形態の別な変形例について、
図6を参照しながら説明する。
図6は、
図1に示す側梁FRAの変形例としての側梁FRAcの分解斜視図である。側梁FRAcは、一側板及び他側板としての一対の側板10c,10cと、上板20cと、下板30とによって構成される。本変形例の場合も、左右の側板は共通化されている。
【0067】
側板10cは、厚さが9〜22mm程度の鉄板を用いて形成され、そのx軸方向に沿った全長は2300mm程度となっている。側板10cは、中央側部FR1a1と、グースネック側部FR1b1と、ばね帽側部FR2a1とを有している。
【0068】
中央側部FR1a1は、側板10cの中央に形成される領域であって、側板10cの長手方向(x軸方向)に沿って直線状を成すように形成される領域である。
図6において、中央側部FR1a1は、xz平面に沿って形成されている。
【0069】
中央側部FR1a1の両端には、一対のグースネック側部FR1b1,FR1b1が繋げられている。グースネック側部FR1b1は、中央側部FR1a1の両端から、上方(z軸正方向)に斜めに延びるように形成されている。
【0070】
一対のグースネック側部FR1b1,FR1b1の、中央側部FR1a1に繋がる端と反対側の端には、それぞればね帽側部FR2a1,FR2a1が繋げられている。ばね帽側部FR2a1は、中央側部FR1a1と平行にx軸方向に沿って延びている。
【0071】
上板20cは、厚さが9〜22mm程度の鉄板を用いて形成されている。上板20cは、中央上部FR1a3と、グースネック上部FR1b3と、ばね帽上部FR2a3と、ばね帽端部FR2c2を有している。
【0072】
中央上部FR1a3は、上板20cの中央に形成される領域であって、上板20cの長手方向(x軸方向)に沿って直線状を成すように形成される領域である。
図6において、中央上部FR1a3は、xy平面に沿って形成されている。
【0073】
中央上部FR1a3の両端には、一対のグースネック上部FR1b3,FR1b3が繋げられている。グースネック上部FR1b3は、中央上部FR1a3の両端から、上方(z軸正方向)に斜めに跳ね上がるように形成されている。
【0074】
一対のグースネック上部FR1b3,FR1b3の、中央上部FR1a3に繋がる端と反対側の端には、それぞればね帽上部FR2a3,FR2a3が繋げられている。ばね帽上部FR2a3は、中央上部FR1a3と平行にx軸方向に沿って延びている。
【0075】
一対のばね帽上部FR2a3,FR2a3の、グースネック上部FR1b3,FR1b3に繋がる端とは反対側の端には、それぞればね帽端部FR2c2,FR2c2が繋げられている。ばね帽端部FR2c2は、上下方向であるz軸方向に沿って、下板30に向かって延びている。ばね帽端部FR2c2は、ばね帽部FR2の端板FR2tcと同等の高さ及び幅となるように形成されている。
【0076】
下板30は、厚さが9〜22mm程度の鉄板を用いて形成されている。下板30は、中央下部FR1a4と、グースネック下部FR1b4とを有している。
【0077】
中央下部FR1a4は、下板30の中央に形成される領域であって、下板30の長手方向(x軸方向)に沿って直線状を成すように形成される領域である。
図6において、中央下部FR1a4は、xy平面に沿って形成されている。
【0078】
中央下部FR1a4の両端には、一対のグースネック下部FR1b4,FR1b4が繋げられている。グースネック下部FR1b4は、中央下部FR1a4の両端から、上方(z軸正方向)に斜めに跳ね上がるように形成されている。
【0079】
図6を参照しながら説明した一対の側板10c,10cと上板20cと下板30とを組み上げて、溶接接合する。具体的には、上板20cの長辺に沿って、一対の側板10c,10cの上側長辺を当接させ、その突き合わせた部分を溶接接合する。より具体的には、上板20cの中央上部FR1a3と側板10cの中央側部FR1a1とが溶接接合され、上板20cのグースネック上部FR1b3と側板10cのグースネック側部FR1b1とが溶接接合される。更に、上板20cのばね帽上部FR2a3と側板10cのばね帽側部FR2a1とが溶接接合され、上板20cのばね帽端部FR2c2と側板10cのばね帽側部FR2a1の側端とが溶接接合される。従って、溶接接合する部分は、xz平面のみに存在するので、2次元対応の溶接装置で溶接接合することができる。この下側に下板30を配置し、下板30と、側板10c,10cとの当接部分を溶接接合する。このように組み上げて、各部を溶接接合すると
図7に示す側梁FRAcとなる。
図7は、
図1に示す側梁FRAの変形例としての側梁FRAcの斜視図である。
【0080】
図7に示すように、側梁FRAcは、ばね帽部FR2c及び連接部FR1を有している。連接部FR1は、中央部FR1aとグースネック部FR1bとを有している。ばね帽部FR2c及び連接部FR1は、互いの上面を一体的に構成する上板20cと、互いの一側面及び他側面をそれぞれ一体的に構成する側板10c,10cとを、それぞれ対応する長辺部を接合して構成されるものである。ばね帽部FR2cの、鉄道車両の進行方向前方又は後方に対応する端板FR2tcは、上板20cの端部であるばね帽端部FR2c2を折り曲げ、且つ対向する側板10cのばね帽側部FR2a1と溶接接合されて構成されている。
【0081】
更に、連接部FR1は、上板20cに対向し、側板10cと側板10cとを繋ぐ下板30を有し、端板FR2tcと下板30とは離隔して間隙を形成しており、上述したように輪軸WAを支持する支持部材である軸箱体AB1に当接された軸ばねBSが間隙に挿入され、上板20cに当接することで支持されている。
【0082】
このように、上板20cの一方のばね帽端部FR2c2と他方のばね帽端部FR2c2とを折り曲げて端板FR2tcを形成しているので、溶接接合を行う箇所を、一側板が沿う平面及び他側板が沿うxz平面に集約することができ、二次元での溶接接合のみで側梁を形成することができる。
【0083】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素およびその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。