特許第5890706号(P5890706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890706
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】タッチペン
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20160308BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   G06F3/03 400F
   G06F3/044 Z
【請求項の数】5
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2012-43634(P2012-43634)
(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公開番号】特開2013-182288(P2013-182288A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2015年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】392005126
【氏名又は名称】ミクロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081547
【弁理士】
【氏名又は名称】亀川 義示
(72)【発明者】
【氏名】橋本 経人
【審査官】 笠田 和宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−014679(JP,A)
【文献】 特開2008−137189(JP,A)
【文献】 特開平10−171579(JP,A)
【文献】 特開平10−171580(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0262637(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0289922(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0261026(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC B43K 1/00− 1/12
5/00− 8/03
G06F 3/03− 3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペン本体に設けた導電性芯の先端に接続部を設け、この接続部に導電性ゴム材料で先端を球面状にした中空の導電性パットを嵌着し、この導電性パットの内方に、導電性パットよりも硬度が高い非導電性プラスチック材料又は金属材料で作った球面状の押圧面を有する押圧体を収納し、該押圧体を、ばねにより導電性パットを内方から外方に押圧するよう移動可能に設けたことを特徴とするタッチペン」。
【請求項2】
上記導電性芯は非導電性材料で作られたペン本体の内面に密嵌状態で挿入されている請求項1に記載のタッチペン。
【請求項3】
上記導電性芯の接続部に接続される導電性パットの基部の外周にはパット押えが嵌着され、このパット押えの外周にはペン本体に取り付けた閉じ具が嵌着されている請求項1又は2に記載のタッチペン。
【請求項4】
上記導電性芯の接続部に接続されている導電性パットの基部には、ペン本体に取り付けた閉じ具が嵌着されている請求項1又は2に記載のタッチペン。
【請求項5】
上記接続部、パット押え、閉じ具は、先端方向に向かって外径が縮径するようテーパー状に形成されている請求項3又は4に記載のタッチペン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画面に先端をタッチすることにより静電容量方式で指示操作をできるようにしたタッチペンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電子機器等において画面を指先や専用のタッチペンで操作する形成のものが用いられており、この中で静電容量方式で信号を入力するタイプのタッチペンが種々提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この種のタッチペンとして、画面に損傷を与えないよう導電性ゴムで中空形状に作ったパットを先端に設け、ペン本体に導通させるようにしたペンが知られているが、このパットは使用状態で画面に接して押されると簡単に凹み、使用し続けると凹んだ状態に変形し、もとの形状に戻らなくなってしまうおそれがある。例えば、上記特許文献1に示すものは、ゴムやウレタン、スポンジ等の弾性体やゲル状物質からなる充てん材を設け、その表面を0.1mmから0.4mmの薄肉の導電性ゴムで覆い、この弾性体や充てん材の硬度を、導電性ゴムの硬度より低く設定してあるので、全体として非常に変形しやすい。そのため、画面に接して軽く押圧しただけで、容易に導電性ゴムと弾性体や充てん材は凹み、長期にわたって使用すると、この凹み形状に変形したままもとに復元しなくなり、次にタッチしたとき正確に画面にタッチできなくなることがある。その上、ゲル状物質では、導電性ゴムを画面から離しても瞬時にもとの形状に戻らず、戻るのに時間がかかり、次にタッチするときに、変形状態が残っていて正確にタッチできない場合がある。また、従来の静電容量方式では、導電性ゴムに導通するようペン本体の全体若しくは把持部を導電性を有する材料で形成しなければならないので、経済的に得にくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4142776号公報(段落0007、0012)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決課題は、画面に損傷を与えるおそれもなく、長期にわたって使用してもパットが変形しないようにした静電容量方式のタッチペンを提供することであり、またペン本体を非導電性材料で経済的に構成できる静電容量方式のタッチペンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、ペン本体に設けた導電性芯の先端に中空の導電性パットを突出して設け、この導電性パットの内方に押圧体を収納し、該押圧体をばねで導電性パットの内面に向けて付勢したタッチペンが提供され、上記課題が解決される。
【0007】
また、本発明によれば、上記導電性パットと導電性芯は2色成形の要領で一体成形され、上記導電性芯は非導電性材料で作られたペン本体の内面に挿入されている上記タッチペンが提供され、さらに上記導電性パットの先端外周にはパット押えが嵌着され、このパット押えの外周にはペン本体に取り付けた閉じ具が嵌着している上記タッチペンが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のタッチペンは、上記のように構成され、ペン本体に設けた導電性芯の先端に中空の導電性パットを突出して設け、この導電性パットの内方に押圧体を収納し、該押圧体をばねで導電性パットの内面に向けて付勢したから、使用に際し、導電性パットの先端を画面にタッチすると、導電性パットは少し凹むが、押圧体によるばねの付勢力で内面から積極的に押圧され、先端を画面から離せば瞬時にもとの状態に復元させることができる。したがって、長期にわたって使用しても形状が保たれており、パットの先端は的確に画面の該当箇所を指示することができ、従来のように変形して使用しにくくなるようなおそれがない。
【0009】
また、上記導電性パットと導電性芯を2色成形の要領で一体成形すれば、製造が簡単であり、その上、本願発明者は、上記導電性芯を非導電性材料で作られたペン本体の内面に挿入しても、導電性パットを通して静電容量方式で画面を操作できることを確認した。そのため、従来のように高価な導電性プラスチックを用いることなくペン本体を構成することができるから、全体として経済的に得ることができる。さらに上記導電性パットを導電性芯の接続部に接続し、この接続部に嵌め込んだパットの外周にパット押えを嵌着するとともに該パット押えにペン本体に取り付けた閉じ具を嵌着して導電性パットの基部を保持しているので、導電性パットの接続部は周囲から確実に支持され、先端が横方向に振られても簡単に脱落しにくくすることができ、上記接続部、パット押え、閉じ具を先端に向かって外径が縮径しているテーパー形状に形成すると、一層強固に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例を示す断面図。
図2】使用状態の説明図。
図3】他の実施例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照し、本発明のタッチペンは中空の軸筒状のペン本体1を有し、その後端にはクリップ2を有する尾栓3が嵌着され、先部には筒状の導電性芯4が密嵌状態で挿入固定されている。ペン本体1は、全体を導電性材料で構成することもできるが、図に示す実施例では非導電性プラスチック材料で形成してあり、手で把持する部分5の内面に、導電性芯4の筒状本体6が位置するように導電性芯4を挿入し、該導電性芯4に導電性パット7を設けてある。このように、非導電材料でペン本体1を構成しても、ペン本体1の把持部5を把持して導電性パット7を画面に接触させれば、上述したように、導電性芯4を通して静電容量効果により画面を操作できる。
【0012】
上記導電性芯4の筒状本体6の先部にはフランジ8が形成され、該フランジ8がペン本体1の先端に当接するまでペン本体1に密嵌状態で挿入される。なお、ペン本体1と導電性芯4を2色成形の要領で一体成形することもでき、この場合にはフランジを省略することもできる。このフランジ8の先部には図1において先端方向に外径が縮径するテーパー状の接続部9が形成されており、この接続部9の外周に、導電性ゴム材料で先端を球面状に形成した上記導電性パット7が嵌着されている。この導電性パット7と導電性芯4は別々に作ってから嵌着してもよいが、好ましくは2色成形の要領で一体成形することができる。
【0013】
上記導電性パット7の基部の外周には、パット押え10が嵌着され、導電性パット7を押えている。該パット押え10は、上記接続部9に対応して、先端の外径が縮径するようテーパー状に形成されており、さらに、このパット押え10の外周には、ペン本体1の先端外周にねじ着した先端が縮径する閉じ具11が嵌着されている。この際、パット押えを省いてテーパー状の閉じ具が直接導電性パットの基部に嵌着するようにしてもよい。このように、テーパー状のパット押え10と閉じ具11を介して導電性パット7の基部は確実に押え込まれているので、簡単に脱落するおそれはない。なお、図に示すようにパット押え10の先端は、導電性芯4の先端より先部方向に突出して導電性パットの基部を囲む長さを有し、閉じ具11の先端はペン本体にねじ着した状態でパット押え10の先端よりも少し後退している。この構成により、導電性パット7を画面に接触させて左右に移動させても、導電性パット7と導電性芯4の接続部9に引剥力が作用しにくくなり、導電性パット7の脱落が一層確実に防止される。
【0014】
上記導電性パット7の内方には、押圧体12が収納され、該押圧体12は、ばね13により導電性パット7の内面に接して該パットを内方から外方に押圧している。図1に示す実施例では、該押圧体12は、導電性パット7よりも硬度が高い非導電性プラスチック材料で作られ、半球面状の押圧面14を先端に有する筒状体に形成され、後部に係止爪15を形成した半割部16を有し、該半割部16を、導電性芯4に形成した挿通孔17に前後方向に移動可能に挿通してある。そして、上記挿通孔17の縁部に当接するまで、先端方向に前進動するよう押圧体12の段部18と上記挿通孔17の縁部間に上記ばね13が装着されている。先端から後方に向けで荷重が作用すると、該ばね13に抗して押圧体12は後退動し、該荷重が消失すると、ばねの作用で瞬時に前進位置に戻る。
【0015】
上記の構成により、図1に示すタッチペンの先端の導電性パット7を画面19に当てると、図2に示すように導電性パット7は画面19に当たった部分が少し凹むが、このとき内面から押圧体12で押されているから、導電性パット7はヘナヘナと変形することなく、確実に画面の所定箇所をタッチしたり、ドラッグすることができる。そして、導電性パット7を画面19から離すと、ばね13で押されている押圧体12により強制的に押されて導電性パット7は瞬時にもとの形状にもどり、変形状態は解消される。
【0016】
図3は他の実施例を示している。基本的な構成は上記実施例と同じであるが、押圧体の構成が相違している。この実施例においては、ペン本体1の後端はクリップのない尾栓3で閉塞され、前部には、上記実施例同様に、導電性芯4、導電性パット7、パット押え10、閉じ具11が設けられている。押圧体20は、上記導電性パット7よりも硬度が高い金属材料、非導電性プラスチック材料で球状に形成され、導電性芯4と押圧体20の間に設けたばね13で直接押圧されている。この実施例においても、上記実施例と同様に使用でき、導電性パット7を画面から離すと、該パットは瞬時に復元して変形しないようにできる。
【符号の説明】
【0017】
1 ペン本体
4 導電性芯
6 筒状本体
7 導電性パット
10 パット押え
11 閉じ具
12 押圧体
13 ばね
19 画面
20 押圧体
図1
図2
図3