特許第5890812号(P5890812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890812
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】インクジェットヘッド
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/015 20060101AFI20160308BHJP
   B41J 2/045 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   B41J2/015 101
   B41J2/045
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-186081(P2013-186081)
(22)【出願日】2013年9月9日
(65)【公開番号】特開2015-51599(P2015-51599A)
(43)【公開日】2015年3月19日
【審査請求日】2014年9月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】市川 晶也
【審査官】 外川 敬之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−019103(JP,A)
【文献】 特開2000−015802(JP,A)
【文献】 特開2006−076260(JP,A)
【文献】 特開2008−023837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01−215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インク滴が満たされ連通している複数の圧力室と、この圧力室に接触して設けられている複数の圧電部材と、この圧電部材に電圧を加えるための電圧を発生する駆動信号発生部と、を備え、
前記駆動信号発生部から、
第1の所定時間(第1AL)だけ、所定の負電圧を印加して当該圧力室を膨張させ、この後第2AL時間に所定の正電圧とゼロ電圧を印加して当該圧力室を収縮させた後元の状態に戻し、その後の第3AL時間に前記正電圧を印加して当該圧力室を収縮させ、次の第4AL時間にゼロ電圧と前記負電圧を印加して当該圧力室を元の状態に戻した後収縮させ、次の第5AL時間にゼロ電圧を印加して当該圧力室を元の状態に戻すように駆動電圧を、駆動信号として前記圧電部材に加えることを特徴とする、インクジェットヘッド。
但し、AL時間は、前記圧力室内のインクの固有振動周期の半分の時間である。
【請求項2】
前記第2AL時間は、前記圧電部材に正電圧を印加する時間T1とゼロ電圧を印加する時間T2から成り、時間T1は時間T2より長いことを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
【請求項3】
インク滴が満たされ連通している複数の圧力室と、この圧力室に接触して設けられている複数の圧電部材と、この圧電部材に電圧を加えるための電圧を発生する駆動信号発生部と、を備え、
前記駆動信号発生部から、
第1の所定時間(第1AL)だけ、所定の負電圧−Vを印加して当該圧力室を膨張させ、この後第2AL時間に所定の正電圧+Vとゼロ電圧を印加して当該圧力室を収縮させた後元の状態に戻し、その後の第3AL時間に前記正電圧+Vを印加して当該圧力室を収縮させ、次の第4AL時間の内のAL/2時間にゼロ電圧を印加して元の状態に戻し、その後のAL/2時間に前記負電圧−Vを印加して当該圧力室を膨張させ、次の第5AL時間にゼロ電圧を印加して当該圧力室を元の状態に戻すように駆動電圧を、駆動信号として前記圧電部材に加えることを特徴とする、インクジェットヘッド。
但し、AL時間は、前記圧力室内のインクの固有振動周期の半分の時間である。
【請求項4】
前記第2AL時間は、前記圧電部材に正電圧+Vを印加する時間T1とゼロ電圧を印加する時間T2から成り、時間T1は時間T2より長いことを特徴とする請求項3記載のインクジェットヘッド。
【請求項5】
前記負電圧−Vを印加して当該圧力室を膨張させるときには、着目するノズルに接続された圧力室に対応する圧電部材は接地すると共に他の圧電部材には正電圧を印加し、前記正電圧+Vを印加して当該圧力室を収縮させるときには、着目するノズルに接続された圧力室の圧電部材には正電圧+Vを印加すると共に他の圧電部材は接地することを特徴とする、請求項3又は4記載のインクジェットヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、インクジェットヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェット方式のプリンタ等に用いられるインクジェットヘッドは、インクを収容する複数の圧力室と、これら圧力室の一端面側に設けられ、各圧力室にそれぞれ対応してインク滴を吐出するためのノズルが複数形成されたノズルプレートと、各圧力室にそれぞれ対応して設けられ、それらの圧力室に振動板を介して振動を与える複数の圧電アクチュエータと、を備える。
【0003】
この種のインクジェットヘッドは、圧電アクチュエータが駆動すると、このアクチュエータに対応した圧力室に振動が与えられる。この圧力振動によって、圧力室内部の体積が変化し、この圧力室に対応したノズルからインク滴が吐出される。インク滴は、記録紙等の記録媒体に着弾して当該記録媒体にドットを形成する。このようなドットを連続して形成することによりインクジェットヘッドは、画像データに基づいた文字や画像等を記録媒体上に形成する。
【0004】
インクジェットヘッドにおいて、印字精度などの観点からインク滴を安定して吐出することが好ましい。そこで、所定の1周期(AL)を単位として、−V,0,+Vの電圧を3AL時間に印加する波形例1の駆動方式が知られている。
【0005】
この方式では、インク滴を安定して吐出することができる。しかしこの方式では隣接する電圧差がVであるから、十分な吐出量を得ることができない。そこで、最初のAL時間に−Vを印加し次の2AL時間に+Vを印加し、次のAL時間に0を印加する波形例2の駆動方式が考えられた。この場合には第1AL時間と第2AL時間の電圧差は2Vであるから十分なインク吐出を行うことができる。
【0006】
しかし、第2AL時間に+Vを印加した時、インクの吐出が不安定となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−19103号公報
【特許文献2】特開2000−15802号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の課題は、十分多量のインクを安定して高精度に吐出可能なインクジェットヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態では、インク滴が満たされ連通している複数の圧力室と、この圧力室に接触して設けられている複数の圧電部材と、この圧電部材に電圧を加えるための電圧を発生する駆動信号発生部と、を備え、前記駆動信号発生部から、第1の所定時間(第1AL)だけ、所定の負電圧を印加して当該圧力室を膨張させ、この後第2AL時間に所定の正電圧とゼロ電圧を印加して当該圧力室を収縮させた後元の状態に戻し、その後の第3AL時間に前記正電圧を印加して当該圧力室を収縮させ、次の第4AL時間にゼロ電圧と前記負電圧を印加して当該圧力室を元の状態に戻した後収縮させ、次の第5AL時間にゼロ電圧を印加して当該圧力室を元の状態に戻すように駆動電圧を、駆動信号として前記圧電部材に加えることを特徴とする、インクジェットヘッドを提供する。但し、AL時間は、前記圧力室内のインクの固有振動周期の半分の時間である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】一実施形態のインクジェットヘッドの斜視図である。
図2】インクジェットヘッドの要部を断面で示す構成図である。
図3】駆動信号発生部から印加される駆動信号の波形図である。
図4】状態ST1のとき、各圧力室の電極への電圧印加と圧力室の状態を模式的に示す図である。
図5】状態ST2のとき、各圧力室の電極への電圧印加と圧力室の状態を模式的に示す図である。
図6】状態ST3のとき、各圧力室の電極への電圧印加と圧力室の状態を模式的に示す図である。
図7】従来のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴の径の特性を示す図である。
図8】一実施形態のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴の径の特性を示す図である。
図9】従来のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴の直線性の特性を示す図である。
図10】一実施形態のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴の直線性の特性を示す図である。
図11】従来のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴のヒストグラムの特性を示す図である。
図12】一実施形態のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴のヒストグラムの特性を示す図である。
図13】従来のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴のピッチ誤差の特性を示す図である。
図14】一実施形態のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴のピッチ誤差の特性を示す図である。
図15】従来のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴のピッチ誤差のヒストグラムを示す図である。
図16】一実施形態のインクジェットヘッドにおいて各ノズルから吐出するインク滴のピッチ誤差のヒストグラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下実施形態について、図面を用いて説明する。図1は一実施形態のインクジェットヘッドの斜視図、図2はインクジェットヘッドの要部を断面で示す構成図である。
【0012】
インクジェットヘッド1は、駆動装置2と、ヘッド基板3と、マニホールド4とを備える。マニホールド4は、インクの供給管5と排出管6とを備える。インクジェットヘッド1は、インクの供給手段から供給管5を経て供給されるインクを、駆動装置からの駆動信号に応じて、各ノズル13aから吐出する。供給管5からマニホールド4内に供給されたインクのうち、各ノズル13aから吐出されなかったインクは、排出管6からインク供給手段へ排出される。
【0013】
ヘッド基板3は、ノズルプレート13を含む。ノズルプレート13には、インク滴を吐出するための複数のノズル13aが形成されている。各ノズル13aは、ノズルプレート13の長手方向に複数列(図1では2列)で整列している。
【0014】
ヘッド基板3は、各ノズル13aのそれぞれに対応して複数の圧力室11を並設する。各圧力室11は、隔壁12によって仕切られており、それぞれインクを収容する。
【0015】
ヘッド基板3は、共通圧力室を備える。共通圧力室18には、供給管5を経由してインクが注入される。共通圧力室18は各圧力室11に連通しており、注入されたインクは各圧力室11とこの圧力室11に対応したノズル13aとに充填される。圧力室11とノズル13aとにインクが充填されることにより、ノズル13a内にインクのメニスカスが形成される。
【0016】
かかる構成のインクジェットヘッド1は、電極17を介して圧電部材15に駆動信号が印加されると、圧電部材15が膨張又は収縮する。この圧電部材15の膨張又は収縮に伴い振動板14が変形して、圧力室11に振動を与える。この振動により圧力室11の容積が変化して圧力室11内に圧力波が発生し、ノズル13aからインク滴が吐出される。
【0017】
なお、振動板14と圧電部材15とは、圧力室11に振動を与えるためのアクチュエータを形成する。インクジェットヘッド1は、ノズル13aの数だけ、アクチュエータを備えている。
【0018】
次に、駆動装置2について説明する。駆動装置2は通信部21と演算部22と駆動信号発生部23とを備える。通信部21は、例えばインクジェットプリンタを制御するためのホストコンピュータから印字を行う画像の階調データを受信する。演算部22は、上記階調データに基づいて駆動パルス数を算出する。
【0019】
駆動信号発生手段である駆動信号発生部23は、演算部22で算出されたパルス数の駆動信号を各アクチュエータに選択的に供給する。駆動信号の電圧がアクチュエータに印加されることにより、このアクチュエータに対応し圧力室11のノズル13aから、パルス数に相当するドロップ数のインク滴が吐出される。
【0020】
一実施形態において、隣り合うアクチュエータのそれぞれに印加される駆動信号の波形例を図3に示す。
【0021】
この駆動信号は、5倍のALで完結し以後はそれの繰り返しとなる。ここでALは時間の単位であり、インク室内の圧力が固有振動により正圧から負圧へ、あるいは、負圧から正圧へと反転する時間で、インク室内のインクの固有振動周期の半分の時間である。
【0022】
各状態ST1、ST2、ST3における各圧力室の電極への電圧印加と圧力室の状態を、模式的に図4図6に示す。これらの図は、理解を容易にするための図であり、構造位置関係などは図1図2に示したものと正確には一致していない。
【0023】
図4から図6において、ノズルプレート33に有するノズル33aから吐出するインクに着目して説明する。
【0024】
ノズル33aには圧電部材35内に設けられた圧力室31aが直結しており、この圧力室の電極には端子37aが接続されている。その横には同じ構造の圧力室31b,31c,31d,31eが設けられている。これらの圧力室の電極には、端子37b,37c,37d,37eが接続されている。
【0025】
これらの端子には、正電圧+Vが印加されるか、接地GNDされる。状態ST1では、各端子には、一様に正電圧+Vが印加されている。この状態から時刻t1において、状態ST2に移る。この状態では端子37aが接地され、他の電極には前と同じように正電圧+Vが印加されたままである。
【0026】
このとき、端子37aに接続された電極がゼロ電位になり、対応する圧力室31aは図5に示すように膨張して、負圧がかかる。一方、この影響で隣接する圧力室31b,31dの圧力室31aに面する側がへこむ。
【0027】
時刻t1からAL時間経過した時刻t2には各圧力室の状態ST3に移り、電極37aに正電圧+Vが印加され、他の電極は接地電位とされる。ここでは、時刻t1から時刻t2までの時間を第1AL時間という。
【0028】
この状態ST3では、電極37aに接続されている電極に正電圧+Vがかかる。すると、図6に示すように対応する圧力室31aは凹み、ノズル33aから、インク滴が吐出することになる。このとき隣接する圧力室31b,31dの圧力室31a側は、突出することになる。
【0029】
時刻t2から時間T1が経過した時刻t3では、図4に示す状態ST1に戻り、各端子に正電圧+Vが印加された状態になる。この状態では、各圧力室は通常の状態に戻る。
【0030】
時刻t3から時間T2が経過した時刻t4では再び状態ST3になる。すなわち、電極37aに正電圧+Vが印加され、ノズル33aに対応する圧力室31aがへこむ。このとき隣接する圧力室31b,31dの圧力室31a側は、突出することになる。ここで、時刻t2から時刻t4までの時間を第2AL時間という。
【0031】
そして、時刻t4から第3AL時間経過後の時刻t5において、図4に示す状態ST1になる。この時刻t4から時刻t5までの時間を第3AL時間という。
【0032】
そして時間AL/2後の時刻t6では、図5に示す状態ST2になる。この状態では、電極37aが接地され、他の電極には正電圧+Vが印加され、圧力室31aは膨らむ。時刻t5から時刻t7までの時間を第4AL時間という。
【0033】
時間AL/2後の時刻t7では、図4に示す状態ST1の戻り、この状態が時刻t8まで続く。この時間を第5AL時間という。
【0034】
このように、時間ALの5倍の時間で1セットになり、この駆動信号が繰り返される。そして電極37a及び他の電極に加えられる正電圧+Vと接地の選択により、圧力室31aが収縮、膨張を繰り返す。これによって、対応するノズル33aからインク滴を吐出することになる。
【0035】
ところで、上記時間T1と時間T2の和は時間ALである。ここで時間T1と時間T2について述べる。
【0036】
インクの粘度などの特性にもよるが、一般的には、時間T1が短いと吐出するインク滴が小さく、インク滴の飛しょう速度が遅くなり、印字特性としては好ましくない。したがって、通常、時間T1が時間T2より長い方、つまりT1>AL/2>T2であることが望ましい。
【0037】
次に、上記の駆動波形を駆動信号発生部から圧力室の電極に印加したときの、性能について述べる。各圧力室を従来の駆動波形である波形例2で駆動した場合と、図4に示す本発明の一実施形態の駆動波形で駆動した場合の、インク径の大きさの比較を図7及び図8に示した。直線性の比較を図9及び図10に示した。
【0038】
図9及び図10において、横軸は併設されるノズル番号であり、縦軸はインクの直線性(μm)を示している。この特性図の比較から、一実施形態の場合は従来の場合よりも、インク滴の変動幅が小さくしたがって直線性がよいことを示している。また、図11及び図12にヒストグラムの比較を示す。
【0039】
また、各圧力室を従来の駆動波形で駆動した場合と、図3に示す本発明の一実施形態の駆動波形で駆動した場合の、ピッチ誤差の比較を図13及び図14に示した。
【0040】
図13及び図14において、横軸は併設されるノズル番号であり、縦軸はインクのピッチ誤差(μm)を示している。図15及び図16はヒストグラムを利用してそのヒストグラムの比較を示す。この特性図の比較から、一実施形態の場合は従来の場合よりも、ピッチ誤差が小さい、すなわち正確に所定の位置にインク滴を当てることができることを示している。
【0041】
これらのデータにより、一実施形態の場合には、従来の場合よりも、インクの吐出量を多くし、しかも正確に印字することが可能になることを意味する。
【0042】
一実施形態によれば、十分多量のインクを安定して吐出可能なインクジェットヘッドを得ることができる。
【0043】
上記実施形態では、圧力室の圧電部材に接続される各電極すべてに所定の正電圧+Vを印加した状態(ST1)を基準とし、この状態から着目する圧力室の圧力部材に接続された電極を接地し他の電極を正電圧+Vとした状態(ST2)から、当該電極に正電圧+Vを加えて他の電極を接地した状態(ST3)にすることによりインク滴を吐出していた。しかし、これらの状態は相対的なものであり、同様に圧力室に圧力を加えるものであれば、各電極すべてに所定の正電圧+Vを印加した状態(ST1)を基準としなくてもよい。正電圧+Vと負電圧−Vは絶対値として同じでなくてもよい。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態を説明したがこれらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
11,31a〜31e・・・・圧力室
15,35・・・・圧電部材
23・・・・駆動信号発生部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図13
図14
図11
図12
図15
図16