特許第5890836号(P5890836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5890836石炭または木から産出される炭化水素油分から高付加価値の芳香族製品及びオレフィン製品を製造する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890836
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】石炭または木から産出される炭化水素油分から高付加価値の芳香族製品及びオレフィン製品を製造する方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 7/13 20060101AFI20160308BHJP
   C07C 15/02 20060101ALI20160308BHJP
   C07C 11/02 20060101ALI20160308BHJP
   C07C 4/06 20060101ALI20160308BHJP
   C07C 5/13 20060101ALI20160308BHJP
   C10G 69/04 20060101ALI20160308BHJP
   C10G 69/08 20060101ALI20160308BHJP
   C10G 45/08 20060101ALI20160308BHJP
   C10G 11/05 20060101ALI20160308BHJP
   C10G 35/085 20060101ALI20160308BHJP
   C10G 35/095 20060101ALI20160308BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20160308BHJP
【FI】
   C07C7/13
   C07C15/02
   C07C11/02
   C07C4/06
   C07C5/13
   C10G69/04
   C10G69/08
   C10G45/08 Z
   C10G11/05
   C10G35/085
   C10G35/095
   !C07B61/00 300
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-529062(P2013-529062)
(86)(22)【出願日】2011年9月15日
(65)【公表番号】特表2013-537223(P2013-537223A)
(43)【公表日】2013年9月30日
(86)【国際出願番号】KR2011006813
(87)【国際公開番号】WO2012036484
(87)【国際公開日】20120322
【審査請求日】2014年7月23日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0091052
(32)【優先日】2010年9月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507268341
【氏名又は名称】エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077562
【弁理士】
【氏名又は名称】高野 登志雄
(74)【代理人】
【識別番号】100096736
【弁理士】
【氏名又は名称】中嶋 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】100117156
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100111028
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 博人
(72)【発明者】
【氏名】キム・ホン チャン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ヨン スン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ソン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】オ・サン フン
(72)【発明者】
【氏名】リ・ヒュック ゼ
(72)【発明者】
【氏名】チュ・ダイ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム・チョル ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム・ギュン ロック
(72)【発明者】
【氏名】ノ・ミュン ハン
(72)【発明者】
【氏名】コ・ゼ スック
(72)【発明者】
【氏名】チョイ・ヒュン チョル
(72)【発明者】
【氏名】キム・ウン キュン
(72)【発明者】
【氏名】リ・ユン キュン
(72)【発明者】
【氏名】リ・ジョン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ・スン
(72)【発明者】
【氏名】オ・ソン フン
(72)【発明者】
【氏名】コ・ゼ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】リ・サン イル
(72)【発明者】
【氏名】リ・サン ウ
【審査官】 前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−516015(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/074802(WO,A1)
【文献】 特表2007−527937(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0019792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 7/00
C07C 4/00
C07C 5/00
C07C 11/00
C07C 15/00
C10G 11/00
C10G 35/00
C10G 45/00
C10G 69/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)石炭または木由来油分を水素化処理工程及び接触分解工程を含む水添及び反応領域に導入し、芳香族環を含む芳香族成分を部分飽和及び分解させる段階と、
(b)前記(a)段階で生成された成分を炭素数11以上の炭化水素成分、炭素数6〜10の炭化水素成分、及び炭素数5以下の炭化水素成分に分離する段階と、
(c)前記(b)段階で分離された前記炭素数11以上の炭化水素成分は前記(a)工程に再循環させ、前記炭素数6〜10の炭化水素成分は芳香族成分分離工程及びトランスアルキル化工程に導入して芳香族製品の少なくとも一部を回収し、前記炭素数5以下の炭化水素成分は軽質油分の分離段階に導入してオレフィン製品を得る段階とを含んでなり、
前記石炭または木由来油分は、全体炭化水素成分に対して芳香族成分の含量が40〜99.9重量%であり、沸点が70〜700℃であり、
前記水素化処理工程で使用される触媒は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、及び活性炭の中から選ばれる1種以上からなる担体、並びに第6族、第8族、第9族及び第10族の金属成分から選ばれる1種以上の金属を含み、
前記接触分解工程で使用される触媒は、FAU、MOR、BEA、MFI、MEL及びFERよりなる群から選ばれた1種以上のゼオライト分子篩と、アルミナ及びクレイの中から選ばれた無機質バインダーとを混合して製造され、
前記トランスアルキル化工程で使用される触媒は、シリカ/アルミナのモル比が前記アルミナを基準として20〜200の範囲に調節されたモルデナイトまたはベータ型ゼオライト10〜95重量%、及びガンマアルミナ、シリカ、シリカアルミナ、ベントナイト、カオリン、クリノプチロライト及びモンモリロナイトよりなる群から選ばれた1種以上の無機質バインダー5〜90重量%からなる担体に、水素化金属として、前記担体100重量部に対して0.001〜0.5重量部の白金、錫、インジウム及び鉛よりなる群から選ばれた1種以上の金属を含む触媒である、
芳香族及びオレフィン製品の製造方法。
【請求項2】
前記(b)段階で分離された前記炭素数6〜10の炭化水素成分は、前記芳香族成分分離工程に流入して、ベンゼン、トルエン、キシレン及び炭素数9以上の炭化水素成分を含む分離成分に分離された後、前記炭化水素成分の一部がトランスアルキル化工程に導入されて、ベンゼン、トルエン、キシレン及び炭素数9以上の炭化水素成分を含む混合物が得られた後、トランスアルキル化工程に流入していない残りの油分と混合されて芳香族製品の少なくとも一部が回収されるか、或いは、前記(b)段階で分離された前記炭素数6〜10の炭化水素成分は、前記トランスアルキル化工程に流入して、ベンゼン、トルエン、キシレン及び炭素数9以上の炭化水素成分を含む混合物が得られた後、前記混合物が芳香族成分分離工程に導入されることを特徴とする、請求項1に記載の芳香族及びオレフィン製品の製造方法。
【請求項3】
前記製造方法は、(d)前記芳香族成分分離工程で分離されたキシレン成分をキシレン処理工程に導入して芳香族製品の少なくとも一部を回収し、前記キシレン処理工程で未処理された油分を前記芳香族成分分離工程に再循環させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の芳香族及びオレフィン製品の製造方法。
【請求項4】
前記キシレン処理工程は、前記キシレンからパラキシレンを分離する段階、及び前記パラキシレンが分離されたキシレンをパラキシレンに異性化する段階を含むことを特徴とする、請求項3に記載の芳香族及びオレフィン製品の製造方法。
【請求項5】
前記石炭または木由来油分はコールタール(coal tar)、タール油(tar oil)、粗軽油(light oil)、石炭酸油(phenolic oil or carbolic oil)、ナフタレン油(naphthalene oil)、洗浄油(wash oil)、アントラセン油(anthracene oil)、軽質アントラセン油(light anthracene oil)、重質アントラセン油(heavy anthracene oil)、ピッチ(pitch)、木タール(wood tar)、硬材タール(hardwood tar)、樹脂タール(resinous tar)またはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族及びオレフィン製品の製造方法。
【請求項6】
前記製造方法は、(e)前記芳香族成分分離工程で得られた炭素数11以上の重質油分を前記(a)段階に再循環させる段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族及びオレフィン製品の製造方法。
【請求項7】
前記製造方法は、(c’)前記(b)段階で分離された前記炭素数6〜10の炭化水素成分のうち、シクロヘキサンを含む飽和炭化水素を改質器に導入して不飽和改質させて前記芳香族成分分離工程及びトランスアルキル化工程に導入する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族及びオレフィン製品の製造方法。
【請求項8】
前記改質は水素雰囲気中、400〜600℃の温度でPt/Al23またはPt−Re/Al23触媒を用いて行われることを特徴とする、請求項に記載の芳香族及びオレフィン製品の製造方法。
【請求項9】
前記(c)段階における芳香族製品はベンゼン、トルエン、キシレンまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の芳香族及びオレフィン製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石炭または木から産出される炭化水素油分から芳香族製品及びオレフィン製品を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的に芳香族、すなわちベンゼン/トルエン/キシレンの需要が年平均4〜6%ずつ増加している。これはGDP増加率の2倍、石油製品需要増加率の3倍に至るほど急激な増加趨勢を示している。このような増加は特に中国の急激な芳香族需要の増加に起因する。
従来の芳香族製品(ベンゼン/トルエン/キシレン)は、ナフサ(naphtha)を原料としたナフサ熱分解工場においてエチレン、プロピレンなどの基礎油分の主製品と共に生産される熱分解ガソリン(pyrolysis gasoline)を水素処理及び抽出することにより生産されてき、或いはナフサを原料とした接触改質工程(reformer)を介して接触改質油(reformate)を製造し分離することにより生産されてきた。
【0003】
ところが、このように急激な芳香族需要の増加により、2007年を基点として、中国を含む世界市場におけるナフサの供給不足が激しくなっており、前記芳香族製品の製造技術は、原油の常圧蒸留段階で生産される、狭い沸点範囲の油分であるナフサのみを用いることで、需要の増大に対応することはできないという問題点があった。よって、ナフサを代替することが可能な芳香族製品の原料が必要とされており、ひいては芳香族製品及びオレフィン製品の収率を高めることへの関心も高まっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような状況で、本発明者は、石炭または木から産出される油分から、需要が増大しつつあるベンゼン、トルエンまたはキシレンの芳香族成分を製造し、しかも活用度の高い高付加価値オレフィンの分離も可能であることを見出したところ、本発明は、上述したような技術工程に対する市場の要求に応えるために案出された。
そこで、本発明の目的は、既存の芳香族製品の生産原料であるナフサを代替する新規原料として、芳香族性の高い成分が多量含有された石炭または木由来油分を用いて、これから高濃度の芳香族製品及びオレフィン製品を製造することができるようにする新規方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、(a)石炭または木由来油分を水添及び反応領域に導入し、芳香族環を含む芳香族成分を部分飽和及び分解させる段階と、(b)前記(a)段階で生成された成分を、炭素数11以上の炭化水素成分、炭素数6〜10の炭化水素成分、及び炭素数5以下の炭化水素成分に分離する段階、(c)前記(b)段階で分離された前記炭素数11以上の炭化水素成分は前記(a)工程に再循環させ、前記炭素数6〜10の炭化水素成分は芳香族成分分離工程及びトランスアルキル化工程に導入して芳香族製品の少なくとも一部を回収し、前記炭素数5以下の炭化水素成分は軽質油分の分離段階に導入してオレフィン製品を得る段階とを含んでなる、石炭または木由来油分の芳香族及びオレフィン製品の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、既存の芳香族製品の原料であるナフサを代替し、石炭炭化(Coal carbonation)過程で産出されるコールタール(coal tar)または粗軽油(light oil)、または木の熱分解(pyrolysis)、炭化(carbonation)、分解蒸留(destructive distillation)産物などの芳香族化合物を含む油分から高濃度のベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族製品の生産を可能とすることにより、芳香族生産物量の限界を乗り越えることができるようにする画期的方法を提供する。
特に、多様な芳香族/オレフィン製品の中から、高付加価値の芳香族製品であるベンゼン、キシレンと高付加価値のオレフィン製品であるプロピレンなどを選択的に製造し、相対的に価値の少ない副産物は回収及び再加工して価値を高めることにより、最終製品の付加価値極大化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一具体例の概略的な流れを示す概略図である。
図2】本発明の他の具体例の概略的な流れを示す概略図であって、芳香族成分分離工程、トランスアルキル化工程、キシレン処理工程、及び未処理油分の再循環工程が具体的に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、石炭または木から産出される油分から、ベンゼン、トルエンまたはキシレンの芳香族成分及び高付加価値のオレフィンを製造することが可能な方法に関するものである。本発明によれば、原料として用いられる石炭または木から産出された油分は、主にコールタール(coal tar)または粗軽油(light oil)、木タール(wood tar)などの芳香族化合物が含まれている油分を使用するが、これに限定されず、石炭または木から産出できる芳香族を含む油分であればいずれも使用可能である。例えば、石炭液化工程(coal liquefaction)または石炭炭化工程(coal carbonation)から誘導された液相/固相製品であるコールタール(coal tar)、タール油(tar oil)、粗軽油(light oil)、石炭酸油(phenolic oil or carbolic oil)、ナフタレン油(naphthalene oil)、洗浄油(wash oil)、アントラセン油(anthracene oil)、軽質アントラセン油(light anthracene oil)、重質アントラセン油(heavy anthracene oil)、ピッチ(pitch)、木炭化工程(wood carbonation)から誘導された木タール(wood tar)、硬材タール(hardwood tar)、樹脂タール(resinous tar)及びこれらの組み合わせから選ばれたいずれでも使用可能である。
【0009】
本発明に係る方法についての概略流れ図が図1に示されている。図1を参照して本発明の方法を説明すると、前記石炭または木由来油分が水添及び反応領域(reaction area)に導入される。前記石炭または木由来油分は、好ましくは、全体炭化水素成分に対して40〜99.9%の芳香族成分を有しかつ70〜700℃の沸点を有する炭化水素化合物である。前記油分が芳香族成分を多く有するほど、高付加価値の芳香族製品の製作に有利である。
【0010】
本発明によれば、前記水添及び反応領域において、芳香族環を含む芳香族成分を部分飽和及び分解させる。前記水添及び反応領域は水素化処理工程及び接触分解工程を含み、前記水素化処理工程及び接触分解工程はその順序を問わずに行われうる。すなわち、水素化処理工程後の接触分解工程を経るように構成されてもよく、接触分解工程後に水素化処理工程に導入されてもよい。
【0011】
前記水添及び反応領域の水素化処理工程は外部から水素の供給を受けるように構成される、この水素化処理工程では水素化触媒の下で前記石油及び石炭由来油分が水素化処理される。前記水素化処理反応によって、2つ以上の芳香族環を含む芳香族成分が部分飽和される。このような水素化処理段階では1つの芳香族環を有する芳香族成分は飽和されてはならないが、これは、1つの芳香族環を有する芳香族成分が、高付加価値の芳香族成分であり或いは後述のトランスアルキル化工程などで高付加価値の芳香族成分に転換できるためである。
前記水素化処理工程では、2つ以上の芳香族環を含む芳香族成分は1つの芳香族環のみを残して全て飽和されることが好ましい。これは、後続の接触分解工程では無駄な芳香族環の分解が容易でないためである。
【0012】
上記結果を得るために、水素化処理工程は、20〜100kg/cm2の反応圧力、150〜450℃の反応温度及び0.1〜4.5hr-1のLHSV運転条件で行われる。
【0013】
また、水素化処理工程で使用される触媒は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、活性炭の中から選ばれる1種以上の担体、及び第6族、第8族、第9族、第10族の金属成分の中から選ばれる1種以上の金属を含むことができる。好ましくは、前記金属はコバルト、モリブデン、ニッケル及びタングステンの中から1種以上が選ばれる。
前記水素化処理段階では、芳香族環の部分飽和反応だけでなく、油分内の硫化物や窒素化合物などの不純物を除去する脱窒及び脱硫反応も起こるので、追加の不純物除去段階なしでも油分内の不純物を容易に除去することができる。
前記水素化処理段階で部分飽和されたフィードは接触分解工程に導入される。接触分解工程段階で使用する接触分解触媒としては、1種以上の多孔性固体酸を含む固形の成形触媒が使用できる。前記固体酸は、シリカ、アルミナまたはシリカ−アルミナで代表される無定形固体酸、またはSi/Alのモル比が300以下で気孔径が3〜8Å以上の結晶性ゼオライト分子篩であってもよい。
好ましくは、前記結晶性ゼオライト分子篩は、芳香族成分が細孔内で反応することができるように、気孔径5.6〜7.7Åの大口径のゼオライト分子篩として代表されるFAU、MOR及びBEAから選ばれる一つのゼオライト分子篩と、気孔径5〜6.5Åの中口径のゼオライト分子篩として代表されるMFI、MELおよびFERから選ばれる一つのゼオライト分子篩との組み合わせで使用できる。ここで、大口径のゼオライト分子篩:中口径のゼオライト分子篩の比は重量比で5/95〜95/5であり、好ましくは50/50〜95/5である。
【0014】
前記接触分解触媒は、FAU、MOR、BEA、MFI、MEL及びFERよりなる群から選ばれた1種以上のゼオライト分子篩10〜95重量%と、アルミナ及びクレイの中から選ばれる無機質バインダー5〜90重量%とを混合して10〜300ミクロンの粒度で噴霧し、乾燥させて製造できる。
前記接触分解工程は、1環芳香族に付いた2以上の炭素を持つ長い分枝またはナフテン環(naphthenic ring)を切る役割を果たす。前記水素化処理段階では、2以上の芳香族環を有する芳香族成分中の、1つの芳香族環を残し、残りの芳香族環は部分飽和させるが、このように部分飽和されてナフテン環になったものを切って高付加価値の芳香族成分にし、或いは後で芳香族成分の原料となれるようにする。
【0015】
上記結果を得るために、接触分解工程は、10〜60psigの反応圧力、400〜600℃の反応温度、及び前記触媒/オイルの比が4〜10の条件で行われる。
前記水添及び反応領域からの生成物は、分離カラム(separation column)を介してi)炭素数11以上の炭化水素成分、ii)炭素数6〜10の炭化水素成分、及び炭素数5以下の炭化水素成分に分離する。このように分離された前記炭素数11以上の炭化水素成分は前記水添及び反応領域に再循環させ、前記炭素数6〜10の炭化水素成分は芳香族成分分離工程及びトランスアルキル化工程に導入させ、前記炭素数5以下の炭化水素成分は軽質油分の分離段階に連続して導入させる。
【0016】
炭素数11以上の重質油分は、高付加価値の芳香族成分、または高付加価値のオレフィン成分に転換できるので、さらに水添及び反応領域に再循環する。分離カラムを介して生成される重質油分のうち、水素化処理工程及び接触分解工程を経る油分は供給された全油分の約30%程度に該当するが、再循環工程を経た場合、さらに再循環が必要な油分は全体の3%未満に過ぎない。
前記分離カラムを介して分離された炭素数5以下の炭化水素成分は、さらに軽質油分の分離段階(light separation)でオフガス(off-gas)及びオレフィン成分に分離される。前記オレフィン成分はエチレン、プロピレン、ブチレンなどの炭素数2以上のものが好ましく生成される。
前記分離カラムを介して分離された炭素数6〜10の炭化水素成分は、芳香族成分分離工程及びトランスアルキル化工程に導入されるが、この際、前記炭素数6〜10の炭化水素成分のうち、シクロへキサンを含む飽和炭化水素は、別途備えられた改質器(reformer)に導入される。改質器を介して不飽和改質された一部の油分は芳香族成分分離工程及びトランスアルキル化工程に導入され、未処理された油分は分離カラムまたは軽質油分の分離段階に導入できる。前記改質器では、水素雰囲気中、約400〜600℃の温度でPt/Al23またはPt−Re/Al23触媒を用いて前記飽和炭化水素を芳香族化することができる。前記改質器における産物はベンゼン、トルエン及びキシレンを含むことができ、このような不飽和炭化水素は芳香族成分分離領域及びトランスアルキル化工程に導入される。
【0017】
分離カラム(及び改質器)を介して分離された炭素数6〜10の炭化水素成分は、芳香族成分分離工程及びトランスアルキル化工程に流入するが、前記芳香族成分分離工程とトランスアルキル化工程は、その順序を問わずに行われ得る。すなわち、炭素数6〜10の炭化水素成分が、(i)芳香族成分分離工程でベンゼン、トルエン、キシレン及び炭素数9以上の炭化水素成分にそれぞれ分離された後、分離された油分のうち一部がトランスアルキル化工程に流入して、ベンゼン、トルエン、キシレン及び炭素数9以上の炭化水素成分を含む混合物が得られた後、トランスアルキル化工程に流入していない残りの油分と混合されて芳香族成分分離工程に導入されて所望の芳香族製品として回収し、或いは(ii)前記炭素数6〜10の炭化水素成分が直接トランスアルキル化工程に流入してベンゼン、トルエン、キシレン及び炭素数9以上の炭化水素成分を含む混合物が得られた後、前記混合物が芳香族成分分離工程に導入されて所望の芳香族製品を回収することができる。
【0018】
前記トランスアルキル化(transalkylation)段階では、触媒上でトルエン間の不均等化反応、トルエンとC9以上の芳香族化合物のトランスアルキル化反応と共に、C9以上のアルキル芳香族化合物の脱アルキル化反応、及びベンゼンとC9以上の芳香族化合物間のトランスアルキル化反応などが同時に起こる。
このような脱アルキル化反応は、不均等化/トランスアルキル化反応にかかるトルエンを生成させる重要な反応である。そして、ベンゼンとC9以上の芳香族化合物間のトランスアルキル化反応も、トルエン及びキシレンを生成させる重要な反応である。
【0019】
一方、脱アルキル化反応によって生成されるエチレン、プロピレンなどのオレフィンは、迅速に水素化させることが非常に重要である。このようなオレフィンが迅速に水素化されない場合、さらに芳香族化合物で再アルキル化されて究極的にC9以上の芳香族化合物の転換率を減少させる結果をもたらすうえ、オレフィン自体が重合反応などを起こして触媒の不活性化を引き起こすコークスの生成を促進する結果をもたらす。
【0020】
前記トランスアルキル化段階で使用される触媒は、限定されないが、本出願人の米国特許第6,867,340号に開示された触媒を使用することが好ましい。
すなわち、前記トランスアルキル化段階は、シリカ/アルミナのモル比がアルミナを基準として20〜200の範囲に調節されたモルデナイトまたはベータ型ゼオライト10〜95重量%と、ガンマアルミナ、シリカ、シリカルミナ、ベントナイト、カオリン、クリノプチロライト及びモントモリロナイトよりなる群から選ばれた1種以上の無機質バインダー5〜90重量%とからなる担体に、水素化金属として、前記担体100重量部に対して0.001〜0.5重量部の白金、錫、インジウム及び鉛よりなる群から選ばれた1種以上の金属を含む触媒が使用できる。前記触媒の他の特徴は前記文献を参考する。前記段階で生成された高付加価値の芳香族成分、すなわちベンゼン/キシレンは回収されて製品化できる。
前記トランスアルキル化段階から、高付加価値の芳香族成分の原料になれない炭素数11以上の芳香族成分は回収され、前記水添及び反応領域に導入できる。また、トランスアルキル化段階から生成されたトルエン、キシレン及び炭素数9以上の炭化水素は、前記芳香族成分分離工程を経て後述のキシレン処理工程に導入できる。前記キシレン処理工程は、キシレンからパラキシレンを分離する段階と、前記パラキシレンが分離されたキシレンをパラキシレンに異性化させる段階とを含む。
【0021】
一方、前記キシレンからパラキシレン(para-xylene)のみを分離する段階(p-X Adsorption)には、吸着、結晶化など、当業界における公知の適切な技術が使用できる。
パラキシレンは、オルトキシレン(ortho-xylene)またはメタキシレン(meta-xylene)と比較して付加価値が大きいため、パラキシレンのみを分離して収得することが有利である。
パラキシレンを除いたオルトキシレンやメタキシレンなどのキシレンは、キシレン異性化(Xylene Isomerization)段階に送られる。前記芳香族成分分離段階で生成されたキシレンのうち、パラキシレン、メタキシレン及びオルトキシレンは平衡関係にあるが、前記分離段階でパラキシレンのみを分離したので、前記パラキシレンが分離されたキシレンを触媒を介して平衡化すると、さらに経済的価値の高いパラキシレンを得ることができる。
【0022】
一方、本発明によれば、前記トランスアルキル工程及び前記キシレン処理工程から少なくとも一部の芳香族製品、例えばベンゼン及びキシレン成分を回収し、未処理された油分は前記芳香族成分分離工程に再循環させる段階を含むことができる。すなわち、トランスアルキル化工程から回収されていない一部のベンゼン及びトルエン成分は、さらに芳香族成分分離工程に再循環し、前記トランスアルキル化段階に再導入されてもよく、前記芳香族成分分離工程から前記水添及び反応領域に再循環してもよい。前記トランスアルキル化段階で、前記ベンゼン及びトルエンはキシレンに転換できる。また、キシレン異性化反応でパラキシレンに異性化されていない油分は、さらに前記芳香族成分分離工程に再循環し、前記トランスアルキル化段階または前記キシレン処理工程に導入できる。
よって、キシレン異性化段階から出た全油分は、芳香族分解工程を経てトランスアルキル化段階及びパラキシレン分離段階に再循環し、さらにパラキシレンを収得することができる。
【0023】
すなわち、前記トランスアルキル化段階及びキシレン異性化段階からさらに芳香族成分分離段階への再循環工程は、パラキシレンの収率を向上させることができ、前記芳香族成分分離段階から前記水添及び反応領域への再循環工程によって追加処理または原料の浪費なしでオレフィン製品及び高付加価値の芳香族の収率を改善することができる。
【0024】
本発明の具体例によれば、石炭油分であるコールタールが水素化処理及び加水素分解工程を含む水添及び反応領域に導入される。前記水添及び反応領域で分解されたコールタール油分は、(i)炭素数6〜10の成分、(ii)オレフィン成分、及び(iii)炭素数11以上の炭化水素成分への分離のために分離段階に導入される。
前記分離段階で分離された(iii)炭素数11以上の油分は、前記コールタールと混合されて前記水添及び反応領域へ導入されるように再循環する。
【0025】
このような再循環によって、2環以上の芳香族成分は水素化処理及び接触触媒を用いた分解段階を経て1環芳香族成分に分解でき、2以上の炭素を有する炭化水素基またはナフテン環も分解されて高付加価値の芳香族成分または高付加価値の芳香族成分の原料に転換できる。
このような再循環段階を経ると、再循環段階を経ていない場合に比べて、2環以上の芳香族成分を画期的に減らすことができ、高付加価値の芳香族、または高付加価値の芳香族製品になれる原料に転換される量を相当増加させることができる。例えば、再循環段階を経た場合、高付加価値の芳香族成分であるベンゼンは15〜25%増加し、キシレンは160〜197%増加する効果を得ることができる。
【0026】
また、前記(i)炭素数6〜10の成分に対して芳香族成分分離工程を介してベンゼン、トルエン、キシレン及び炭素数9以上の炭化水素成分をトランスアルキル工程に導入させ、前記トランスアルキル工程から生成されたベンゼン、トルエン及びキシレンなどを含む成分を、前記芳香族成分分離工程を介して、さらにトランスアルキル工程、キシレン処理工程並びに前記水添及び反応領域に再循環させることにより、ベンゼン及びパラキシレンの総収率が約75〜85%増加する効果を得ることができる。
【0027】
したがって、前記再循環段階を追加することにより、前記トランスアルキル化段階及びキシレン処理段階に無駄な成分が蓄積されることを防ぎ、前記高付加価値の芳香族成分の原料になれない成分を高付加価値の芳香族に転換できるようにして高付加価値の芳香族の収率を高めることができる。このような再循環による効果は後述の実施例でより具体的に示される。
【0028】
本発明の原理をさらに説明するために、実施例が後述される。但し、本実施例は、本発明者が考慮する発明の範囲を限定するためのものではない。
【実施例】
【0029】
水添及び反応工程、芳香族成分分離工程並びにトランスアルキル化工程を用いてコールタールから高付加価値の芳香族及びオレフィンを製造
本実施例で使用された石炭由来油分は、原料の種類及び工程運転条件に応じて製造される油分の物性及び組成に違いがありうる。本実施例では、石炭由来油分として沸点が78〜350℃の範囲に属しながら下記表1の組成を有するコールタールを準備した。
【0030】


【表1】
【0031】
その後、前記組成を有するコールタールを水素化処理工程に導入した。前記水素化処理工程は、アルミナ/シリカ担体にニッケル/モリブデン金属が含まれた触媒を用いて、固定層反応器で行われた。水素化処理工程の反応条件は下記表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】
前記水素化処理工程を介して変化した組成を下記表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】
表3から分かるように、水素化処理工程の前は2環以上の芳香族を含む成分が相当量存在したが、前記水素化処理工程の後は急激に減少した。また、1環芳香族成分が約8倍以上増加した。その中でも、ナフテン環を有する1環芳香族成分は、フィード100を基準として約3.4〜約74.7程度と21倍以上増加した。ナフテン環を有する1環芳香族成分は、後段の接触分解工程でナフテン環が切られて高付加価値の芳香族成分または高付加価値の芳香族成分の直接的原料になる。
前記水素化処理工程から得た生成物を、触媒の連続再生が可能な流動層接触分解反応器に供給して触媒分解反応を行った。ここで使用した触媒は、商業的に容易に得られるFAUゼオライトを含有するシリカ/アルミナ触媒(アルミナ49%、シリカ33%、希土類2%及びその他無機質バインダーから構成される)であった。また、接触分解工程における、反応温度は549℃、反応圧力は25.3psig、触媒/オイルの比は8であった。
前記接触分解工程を介して変化した組成を下記表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
表4から分かるように、接触分解工程前のフィード、すなわち水素化処理工程後のフィードと比較すると、高付加価値の芳香族成分であるベンゼン/キシレンの量が262%増加した。また、以後のトランスアルキル化を介してベンゼン/キシレン生産の原料となるトルエン/C9/C10の量は約410%増加した。
【0038】
また、接触分解工程を介して得た生成物は、最初原料の組成物にはなかった、軽質オレフィンであるエチレン、プロピレン、ブチレンがそれぞれ0.43、0.92、1.58重量%生成された。
接触分解工程を介して生成された成分のうち、前記軽質オレフィンを回収し、炭素数6〜10の成分のみをトランスアルキル化工程に導入した。トランスアルキル化工程で使用した触媒としては、シリカ/アルミナのモル比が90のモルデナイト50重量%、及びガンマアルミナバインダー50重量%からなる担体に白金及び錫がそれぞれ0.05及び0.5重量部担持された触媒を使用した。トランスアルキル化工程を通過した後に得られた生成物の組成を下記表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
表5から分かるように、トランスアルキル化工程を経たフィードは、これを経ていないフィードと比較して、高付加価値の芳香族成分であるベンゼンが134%増加し、キシレンが41%さらに増加した。また、ベンゼン及びキシレンの総和は約88%増加した。前記トランスアルキル化は分解工程でないから、追加的なオレフィン生産量の増加はなかった。
【0041】
炭素数11以上の炭化水素の再循環によるコールタールからの高付加価値の芳香族及びオレフィンの製造
前記高付加価値の芳香族及びオレフィンの製造工程において、水素化処理工程及び接触分解工程を介して生成された炭素数11以上の炭化水素成分を水添反応工程に再循環させた以外は、同一の原料及び反応条件を使用した。
原料として使用されたコールタール原料(A0)、炭素数11以上の炭化水素の再循環なしで得た生成物(A1)、及び炭素数11以上の炭化水素の再循環で得た生成物(A2)を下記表6に示す。
【0042】
【表6】
【0043】
表6から分かるように、再循環段階を加えることにより、2環以上を有する芳香族成分を含まないようになり、高付加価値の芳香族成分であるベンゼンが21%増加し、キシレンが187%さらに増加した。ベンゼン及びキシレンの総和は約82%増加した。また、軽質オレフィンであるエチレン、プロピレン、ブチレンの総和が約5倍増加した。このような結果は、再循環段階によって高付加価値の芳香族及びオレフィンをより高い収率で得ることができることを意味する。
【0044】
トランスアルキル化工程後、未処理油分の再循環によるコールタールからの高付加価値の芳香族及びオレフィンの製造
前記炭素数11以上の炭化水素成分を水素化処理工程に再循環させて高付加価値の芳香族及びオレフィンを製造する工程において、トランスアルキル工程から生成された一部のベンゼン、トルエン、キシレン、炭素数9以上を含む成分を、芳香族成分分離工程を介して、さらにトランスアルキル工程と水添及び反応領域への再循環を繰り返し行った以外は、同一の原料及び反応条件を使用した。
原料として使用されたコールタール(A0)、炭素数11以上の炭化水素の再循環なしで得た生成物(A1)、炭素数11以上の炭化水素の再循環で得た生成物(A2)、及びトランスアルキル化工程後の未処理重質油分を再循環させて得た生成物成分(A3)を下記表7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】
表7から分かるように、2つの再循環段階をさらに含むことにより、1つの再循環段階のみを含む生成物(A2)に比べて、高付加価値の芳香族成分であるベンゼン及びキシレンが1.2重量%、軽質オレフィンであるエチレン、プロピレン、ブチレンが0.46重量%増加した。このような結果は、2つの再循環段階を介して高付加価値の芳香族及びオレフィンをより高収率で得ることができることを意味する。
【0047】
トランスアルキル化工程後、キシレン処理工程の導入によるコールタールからの高付加価値の芳香族及びオレフィンの製造
前記トランスアルキル化工程後の未処理油分の再循環工程において、トランスアルキル化工程から得たキシレン成分を、パラキシレン分離工程及びパラキシレン異性化工程からなるキシレン処理工程で処理する以外は、同一の原料及び反応条件を使用した。
原料として用いたコールタール(A0)、炭素数11以上の炭化水素の再循環なしで得た生成物(A1)、炭素数11以上の炭化水素の再循環で得た生成物(A2)、トランスアルキル化工程後に未処理重質油分を再循環させて得た生成物成分(A3)、並びにキシレン異性化及び分離工程を介して得た生成物成分(A4)を下記表8に示す。
【0048】
【表8】
【0049】
表8から分かるように、パラキシレン分離及びパラキシレン異性化工程を介して、混合キシレンの大部分を高付加価値製品のパラキシレンに転換することができ、キシレン成分の不純物であるエチルベンゼン(EB)を全て除去してベンゼンに転換することができた。このような結果は、キシレン工程をさらに導入することにより、高付加価値の芳香族の収率を高めることができることを意味する。
以上、本発明の好適な実施例について説明の目的で開示したが、当業者であれば、添付した請求の範囲に開示された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形、追加または置換を加え得ることを理解するであろう。したがって、それらの変形例、追加例及び置換例も本発明の範囲内に含まれるものと理解されるべきである。
図1
図2