(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記発泡剤が、1つ以上のヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロフルオロエーテル(HFE)、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル/ジエーテル、若しくはCO2発生材料、又はそれらの組み合わせをさらに含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
前記発泡剤が、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、及びそれらの混合物からなる群から選択されるハロゲン化ヒドロオレフィン、ならびに任意選択的に1つ以上のヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロフルオロエーテル(HFE)、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル/ジエーテル、エステル、又は二酸化炭素発生材料を含む、請求項1に記載のポリオールプレミックス組成物。
前記発泡剤が、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、及びそれらの混合物からなる群から選択されるハロゲン化ヒドロオレフィン、ならびに、任意選択的に、1つ以上のヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロフルオロエーテル(HFE)、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル/ジエーテル、エステル、若しくはCO2発生材料、又はそれらの組み合わせを含む、請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ポリウレタン発泡は、HCFO−1233zdと一般に言われる、ヒドロクロロフルオロオレフィン 1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンなどのハロゲン化オレフィンを使用することによって研究された。ポリウレタンフォームのためのブレンドは、ポリオール、界面活性剤、アミン触媒、ハロゲン化オレフィン発泡剤、及び金属塩を含む。本発明に使用される金属塩は、経時的にフォームブレンドの安定性の向上をもたらすことが今回意外にも見いだされる。さらに、得られたフォームは泡崩壊がほとんどないか又はまったくない一様な気泡構造を有することが意外にも分かった。
【0013】
理論に縛られることなく、2成分系、とりわけHCFO−1233zdを使用する2成分系の貯蔵寿命安定性の減少という問題は、ハロゲン化オレフィンと、アミン触媒などの、触媒との反応に関係していると考えられる。この反応は、その場でシリコーン界面活性剤を攻撃するフッ化水素酸(HF)を生成する。この副反応は、水素、フッ素、及びケイ素核磁気共鳴(NMR)スペクトル及びガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)によって確認された。この影響は、HCFO−1233zdハロゲン化オレフィンのC
1への触媒、例えばアミン触媒の求核攻撃としてまとめることができる。したがって、本発明の実施形態は、HCFO−1233zdハロゲン化オレフィンと触媒との反応性を低下させることによって、そのような有害な相互作用を低減する。いずれの理論に縛られることもなく、触媒によって引き起こされるオレフィンの分解の低減は、ハロゲン化オレフィン発泡剤を保護するように働く金属塩に関係していると考えられる。金属塩のこの保護機能性は、触媒とHCFO−1233zdなどのハロゲン化オレフィンとの有害な相互作用、及び結果として生じるHF生成を防ぐ。金属塩はまた、フッ化水素酸の捕捉剤としても機能することができる。このようにして、金属塩は、アミン触媒との反応によってなどの、ハロゲン化オレフィンと触媒との反応によって生成するいかなるHFも「一掃する」。
【0014】
本発明の発明者らは、金属カルボキシレ−ト、金属アセチルアセトネート、金属アルコレート、例えば、アルカリ土類カルボキシレ−ト、アルカリ土類アセチルアセトネート及びアルコレート、アルカリカルボキシレ−ト、アルカリアセチルアセトネート及びアルコレート、ならびに亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、セリウム(Ce)、ランタン(La)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、スカンジウム(Sc)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、及びバリウム(Ba)、ビスマス(Bi)のカルボキシレ−ト、アセチルアセトネート及びアルコレートなどの、金属塩が、良好なフッ化水素酸(HF)捕捉剤活性を有し、そしてポリオールブレンドを安定させるように機能することを今回見いだした。例えば、1つ以上の官能性カルボキシル基を有する金属カルボキシレ−トが用いられてもよい。金属カルボキシレ−トは、C1〜C21カルボン酸の金属塩を含んでもよい。例えば、金属カルボキシレ−トは、C1〜C21直鎖若しくは分岐の脂肪族モノカルボン酸の金属塩を含んでもよい。同様に、例えば、C1〜C21アルコールの金属塩を含む金属アルコレートなどの金属アルコレートが用いられてもよい。金属アルコレートは、C1〜C21直鎖若しくは分岐の脂肪族アルコールの金属塩を含んでもよい。好適なカルボン酸としては、ギ酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸などが挙げられるが、それらに限定されない。好適なアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。一実施形態においては、金属カルボキシレ−トは、Zn、Co、Ca、及びMgからなる群から選択される金属のカルボキシレ−トを含む。好適な金属カルボキシレ−トとしては、例えば、ギ酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、オクタン酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、オクタン酸カルシウム、オクタン酸亜鉛、オクタン酸コバルト、オクタン酸第一スズ、亜鉛アセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネート、マグネシウムアセチルアセトネート、及びカルシウムアセチルアセトネートが挙げられてもよい。
【0015】
一般的に言えば、いかなる金属塩も不在下の同じ組成物において観察される安定性よりもポリオールプレミックス組成物の安定性を向上させるために及び/又はポリオールプレミックス組成物をポリイソシアネートからなるA側と組み合わせることによって得られるフォームの品質を、いかなる金属塩も不在下で得られるフォーム品質と比べて向上させるために有効である量の1つ以上の金属塩が利用される。そのような量は、例えば、利用される発泡剤、触媒、及び界面活性剤ならびに選択される特定の金属塩のタイプ及び量などの、特定の処方の詳細に依存して変わる場合があるが、所定の実験によって容易に決定することができる。典型的には、しかし、ポリオールプレミックス組成物の総重量を基準として、少なくとも約0.1重量%又は少なくとも約0.3重量%である金属塩の量が好適であろう。一般的に言えば、ポリオールプレミックス組成物の総重量を基準として約10重量%又は約5重量%超の金属塩含有率を用いることは不必要である。例えば、ポリオールプレミックス組成物は、ポリオールプレミックス組成物の総重量を基準として約0.1〜約10重量%又は約0.3〜約5重量%の金属塩を含有してもよい。金属塩は、例えば、乾燥形態又は溶液形態でプレミックス組成物の他の成分と組み合わせられてもよい。
【0016】
本発明は、このように、発泡剤、ポリオール、界面活性剤、触媒組成物、及び金属塩を含むポリオールプレミックス組成物を提供する。触媒組成物は、アミン触媒又は非アミン触媒を含んでもよい。別の実施形態においては、本発明は、(a)ポリイソシアネート及び、任意選択的に、イソシアネート相溶性原材料と;(b)発泡剤、ポリオール、界面活性剤、触媒組成物、及び金属塩を含むポリオールプレミックス組成物とを含む安定化熱硬化性フォームブレンドを提供する。触媒組成物は、アミン触媒又は非アミン触媒を含んでもよい。その上別の実施形態においては、本発明は、(a)ポリイソシアネート及び、任意選択的に、イソシアネート相溶性原材料と;(b)発泡剤、ポリオール、界面活性剤、触媒組成物、及び金属塩を含むポリオールプレミックス組成物とを組み合わせる工程を含む熱硬化性フォームブレンドの安定化方法である。触媒組成物は、アミン触媒又は非アミン触媒を含んでもよい。本方法による混合物は、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームを形成するために使用することができる安定な発泡性の熱硬化性組成物を生成する。
【0017】
本発明の金属塩は、様々なアミン触媒を含有するポリオールプレミックス組成物中に用いられてよい。従来のアミン触媒はこれまで、トリエチレンジアミン(TEDA)、ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、及びジメチルエタノールアミン(DMEA)などの、第三級アミンであった。アミン触媒は、それらがゲル化反応かそれとも発泡反応を推進するかに基づいて一般に選択される。ゲル化反応においては、多官能性イソシアネートはポリオールと反応してポリウレタンを形成する。発泡反応においては、イソシアネートは水と反応してポルウレア及び二酸化炭素を形成する。アミン触媒はまた、イソシアネート三量化反応を推進することができる。これらの反応は異なる速度で起こり;両反応速度は、温度、触媒レベル、触媒タイプ及び様々な他の因子に依存する。しかし、高品質フォームを製造するために、競合するゲル化及び発泡反応の速度は、適切にバランスさせなければならない。発泡反応がゲル化反応よりも速く起こる場合には、反応によって発生したガスは、ポリマーがそれを封じ込めるのに十分に強くなる前に膨張し、内部分裂又はフォーム崩壊が起こり得る。対照的に、ゲル化が発泡反応よりも速く起こる場合には、フォーム気泡は閉じたままであり、それが冷却するにつれてフォームを収縮させる。分子構造が触媒の強度及び選択性へのある手掛かりを与える。発泡触媒は、第三級窒素から2個炭素離れてエーテル結合を一般に有する。強いゲル化触媒はアルキル置換窒素を含有してもよいが、より弱いゲル化触媒は環置換窒素を含有してもよい。三量化触媒は、トリアジン構造を含有してもよいか、又は第四級アンモニウム塩である。ヒドロキシル基又は活性アミノ水素を含有する触媒がまた用いられてもよい。
【0018】
上記の通り、触媒は、ゲル化及び発泡反応を制御する及びバランスさせるように機能する。第三級アミン触媒は、ゲル化、発泡、及び架橋活性などのそれらの独自の特有な触媒特性を有する。当業者によって十分理解されるであろうように、これらの触媒活性は、上昇プロフィール、発泡効率、成形性、生産性、及び結果として生じるフォームの他の特性と強い関係を有する。したがって、本発明のポリオールプレミックス組成物は、発泡、ゲル化、及び三量化触媒作用反応をバランスさせ、そして所望の特性を有するフォームを生成するための様々なアミン触媒に加えて金属塩を含む。例えば、本発明のポリオールプレミックス組成物は、1つ以上の酸素含有アミン触媒と組み合わせて1つ以上の金属塩を含有してもよい。本発明のポリオールプレミックス組成物は或いは、又はさらに、1つ以上の非酸素含有アミン触媒及び/又は非アミン触媒を含んでもよい。
【0019】
本発明において使用することのできる酸素含有アミン触媒としては、エーテル及び/又はヒドロキシル基を含有するそれらのアミンが挙げられる。例えば、酸素含有アミン触媒は、アルカノールアミン、エーテルアミン又はN−アルキル置換モルホリンなどのモルホリン基含有触媒であってもよい。触媒は、1つ、2つ、3つ若しくはそれ以上の窒素原子をアミン官能基の形態で含有してもよい。一実施形態においては、触媒分子中に存在するアミン基のすべてが第三級アミン基である。本触媒は、一実施形態においては、2つ、3つ若しくはそれ以上の酸素原子を含有してもよく;これらの酸素原子は、エーテル基、ヒドロキシル基又はエーテル基及びヒドロキシル基の両方の形態で存在してもよい。好適な酸素含有アミン触媒としては、次の化学構造:
R
1R
2N(CH
2)
2X(CH
2)
2Y
(式中、R
1及びR
2は、同じ若しくは異なるものであり、それぞれ、メチルなどの、C
1〜C
6アルキル基、及び/又はCH
2CH
2OH若しくはCH
2CH(CH
3)OHなどの、アルカノール基であり;Xは、O、OH、若しくはNR
3であり、ここで、R
3は、メチルなどの、C
1〜C
6アルキル基、又はCH
2CH
2OH若しくはCH
2CH(CH
3)OHなどの、アルカノール基であり;Yは、OH又はNR
4R
5であり、ここで、R
4及びR
5は、同じ若しくは異なるものであり、それぞれ、メチルなどの、C
1〜C
6アルキル基、及び/又はCH
2CH
2OH若しくはCH
2CH(CH
3)OHなどの、アルカノール基である)に相当する化合物が挙げられる;ただし、化合物は少なくとも1つのエーテル及び/又はヒドロキシル基を含有する。
【0020】
例示的な酸素含有アミン触媒としては:
ビス−(2−ジメチルアミノエチル)エーテル;
N,N−ジメチルエタノールアミン;
N−エチルモルホリン;
N−メチルモルホリン;
N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチル−ビスアミノエチルエーテル;
N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン;
N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン;
2−(2−ジメチルアミノエトキシ)エタノール;
N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン;及び
2,2’−ジモルホリノジエチルエーテル、ならびにそれらの混合物
が挙げられる。
【0021】
例示的なアミン触媒としては:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N,N−ジイソプロパノールアミン、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)−N−イソプロパノールアミン、1,3−プロパンジアミン、N’−(3−ジメチルアミノ)プロピル−N,N−ジメチル−、トリエチレンジアミン、1,2−ジメチルイミダゾール、1,3−プロパンジアミン、N’−(3−(ジメチルアミノ)プロピル)−N,N−ジメチル−、N,N,N’N’−テトラメチルヘキサンジアミン、N,N”,N”−トリメチルアミノエチルピペラジン、1−メチル−4−(2−ジメチルアミノエチル)ピペラジン、N,N,N’,N’テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン(DMCHA)、ビス(N,N−ジメチルアミノエチル)エーテル(BDMAFE)、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)、2−((2−ジメチルアミノエトキシ)−エチルメチル−アミノ)エタノール、1−(ビス(3−ジメチルアミノ)−プロピル)アミノ−2−プロパノール、N,N’,N”−トリス(3−ジメチルアミノ−プロピル)ヘキサヒドロトリアジン、1,3,5−トリス(3−(ジメチルアミノ)プロピル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ジモルホリノジエチルエーテル(DMDEE)、N.N−ジメチルベンジルアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタアメチルジプロピレントリアミン、N,N’−ジエチルピペラジン、ジシクロヘキシルメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、メチルイソプロピルベンジルアミン、メチルシクロペンチルベンジルアミン、イソプロピル−第二ブチル−トリフルオロエチルアミン、ジエチル−(α−フェニエチル)アミン、トリ−n−プロピルアミン、ジシクロヘキシルアミン、t−ブチルイソプロピルアミン、ジ−t−ブチルアミン、シクロヘキシル−t−ブチルアミン、デ−第二ブチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジ−(α−トリフルオロメチルエチル)アミン、ジ−(α−フェニルエチル)アミン、トリフェニルメチルアミン、及び1,1−ジエチル−n−プロピルアミンが挙げられる。他のアミンとしては、モルホリン類、イミダゾール類、ジモルホリノジエチルエーテル、N−エチルモルホリン、N−メチルモルホリン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、イミジゾール、n−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、ジモルホリノジメチルエーテルなどのエーテル含有化合物、N,N,N’,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、及びビス(ジエチルアミノエチル)エーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)エーテル、ジメチルピペラジン、ジエチルアミノプロピルアミン、エチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、イソプロピルアミノエタノール、ブチルアミノエタノール、ジブチルアミノエタノール、ブチルジエタノールアミン、第三ブチルアミノエタノール、ジエチルヒドロキシルアミン、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。
【0022】
例示的な非アミン触媒としては、オクタン酸第一スズ、ジブチルスズジラウレート(DGTDL)、ジブチルスズメルカプチド、プロピオン酸フェニル水銀、オクタン酸鉛、カリウムアセテート/オクタノエート、酢酸マグネシウム、シュウ酸チタニル、シュウ酸チタニルカリウム、ギ酸第四級アンモニウム、及び第二鉄アセチルアセトネート、ならびにそれらの組み合わせなどの、ビスマス、鉛、スズ、アンチモン、カドミウム、コバルト、鉄、トリウム、アルミニウム、水銀、亜鉛、ニッケル、セリウム、モリブデン、チタン、バナジウム、銅、マンガン、ジルコニウム、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、又はそれらの組み合わせを含有する有機金属化合物が挙げられる。
【0023】
ビスマス及び亜鉛カルボキシレ−トは、米国では危険有害性廃棄物としての水銀及び鉛触媒ならびに触媒された物質の毒性及び廃棄処分の必要性のために、水銀及び鉛ベースの触媒よりも有利に用いられる可能性があるが、これらは、ポットライフに及びある種の気候条件又は用途において欠点を有する可能性がある。アルキルスズカルボキシレ−ト、酸化物及びメルカプチド酸化物は、すべてのタイプのポリウレタン用途に使用されている。有機金属触媒は、2成分ポリウレタン系において有用である。これらの触媒は、イソシアネート−水反応ではなくイソシアネート−ヒドロキシル反応に向けて非常に選択的であるように設計され、それにより低いレベルの水分での泡発生を回避する。
【0024】
当業者によって十分理解されるであろうように、本発明の触媒は、バランスの取れたゲル化及び発泡反応速度を生み出すために、温度などの様々な因子に基づいて、選択することができる。2つの競合反応をバランスさせると、高品質フォーム構造が生成するであろう。当業者は、本発明の触媒が、結果として生じるフォーム構造の所望の機能特性及び特質を達成するために、単独で、又は有機金属触媒と組み合わせて用いられてもよいことをさらに十分理解するであろう。これには、ゲル化又は発泡反応機能性を有する他の触媒が含まれるが、それらに限定されない。
【0025】
本発明の一実施形態における熱硬化性フォームブレンドでの発泡剤は、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)、又はそれらの混合物などの不飽和ハロゲン化ヒドロオレフィン、及び、任意選択的に、1つ以上のヒドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロフルオロエーテル(HFE)、炭化水素、アルコール、アルデヒド、ケトン、エーテル/ジエーテル又は二酸化炭素発生材料を含む。本発明の熱硬化性フォームブレンドにおける好ましい発泡剤は、単独で又は組み合わせて、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)又はヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)である。好ましいヒドロフルオロオレフィン(HFO)発泡剤は、3、4、5、又は6個の炭素を含有し、1,2,3,3,3−ペンタフルオロプロペン(HFO 1225ye)などの、ペンタフルオロプロペン;1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO 1234ze、E及びZ異性体)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO 1234yf)、及び1,2,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ye)などの、テトラフルオロプロペン;3,3,3−トリフルオロプロペン(1243zf)などの、トリフルオロプロペン;(HFO 1345)などの、テトラフルオロブテン;(HFO1354)などの、ペンタフルオロブテン異性体;(HFO1336)などの、ヘキサフルオロブテン異性体;(HFO1327)などの、ヘプタフルオロブテン異性体;(HFO1447)などの、ヘプタフルオロペンテン異性体;(HFO1438)などの、オクタフルオロペンテン異性体;(HFO1429)などの、ノナフルオロペンテン異性体;ならびに1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233zd)(E及びZ異性体)、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(HCFO−1233xf)、HCFO1223、1,2−ジクロロ−1,2−ジフルオロエテン(E及びZ異性体)、3,3−ジクロロ−3−フルオロプロペン、2−クロロ−1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブテン−2(E及びZ異性体)、及び2−クロロ−1,1,1,3,4,4,4−ヘプタフルオロブテン−2(E及びZ異性体)などの、ヒドロクロロフルオロオレフィンを含むが、それらに限定されない。本発明の熱硬化性フォームブレンドにおける好ましい発泡剤は、約60℃未満の標準沸点の不飽和ハロゲン化ヒドロオレフィンを含む。好ましいヒドロクロロフルオロオレフィン発泡剤は、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン;E及び/又はZ 1233zd;1,3,3,3−テトラフルオプロペン;ならびにE及び/又はZ 1234zeを含むが、それらに限定されない。
【0026】
本発明の熱硬化性フォームブレンドにおけるハロゲン化オレフィン発泡剤は、単独で又は
(a)ジフルオロメタン(HFC32);1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC125);1,1,1−トリフルオロエタン(HFC143a);1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134);1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a);1,1−ジフルオロエタン(HFC152a);1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea);1,1,1,3,3−ペンタフルオプロパン(HFC245fa);1,1,1,3,3−ペンタフルオブタン(HFC365mfc)及び1,1,1,2,2,3,4,5,5,5−デカフルオロペンタン(HFC4310mee)を含むが、それらに限定されないヒドロフルオロカーボン;
(b)ペンタン異性体及びブタン異性体を含むが、それらに限定されない炭化水素;
(c)C
4F
9OCH
3(HFE−7100)、C
4F
9OC
2H
5(HFE−7200)、CF
3CF
2OCH
3(HFE−245cb2)、CF
3CH
2CHF
2(HFE−245fa)、CF
3CH
2OCF
3(HFE−236fa)、C
3F
7OCH
3(HFE−7000)、2−トリフルオロメチル−3−エトキシドデコフルオロヘキサン(HFE 7500)、1,1,1,2,3−ヘキサフルオロ−4−(1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオロプロポキシ)−ペンタン(HFE−7600)、1,1,1,2,2,3,5,5,5−デカフルオロ−3−メトキシ−4−(トリフルオロメチル)ペンタン(HFE−7300)、エチルノナフルオロイソブチルエーテル/エチルノナフルオロブチルエーテル(HFE 8200)、CHF
2OCHF
2、CHF
2−OCH
2F、CH
2F−OCH
2F、CH
2F−O−CH
3、シクロ−CF
2CH
2CF
2−O、シクロ−CF
2CF
2CH
2−O、CHF
2−CF
2CHF
2、CF
3CF
2−OCH
2F、CHF
2−O−CHFCF
3、CHF
2−OCF
2CHF
2、CH
2F−O−CF
2CHF
2、CF
3−O−CF
2CH
3、CHF
2CHF−O−CHF
2、CF
3−O−CHFCH
2F、CF
3CHF−O−CH
2F、CF
3−O−CH
2CHF
2、CHF
2−O−CH
2CF
3、CH
2FCF
2−O−CH
2F、CHF2−O−CF
2CH
3、CHF
2CF
2−O−CH
3(HFE254pc)、CH
2F−O−CHFCH
2F、CHF
2−CHF−O−CH
2F、CF
3−O−CHFCH
3、CF
3CHF−O−CH
3、CHF
2−O−CH
2CHF
2、CF
3−O−CH
2CH
2F、CF
3CH
2−O−CH
2F、CF
2HCF
2CF
2−O−CH
3、CF
3CHFCF
2−O−CH
3、CHF
2CF
2CF
2−O−CH
3、CHF
2CF
2CH
2−OCHF
2、CF
3CF
2CH
2−O−CH
3、CHF
2CF
2−O−CH
2CH
3、(CF
3)
2CF−O−CH
3、(CF
3)
2CH−O−CHF
2、及び(CF
3)
2CH−O−CH
3、ならびにそれらの混合物などのヒドロフルオロエーテル(HFE);ならびに
(d)C1〜C5アルコール、C1〜C4アルデヒド、C1〜C4ケトン、C1〜C4エーテル及びジエーテルならびに二酸化炭素発生材料
を含むがそれらに限定されない、他の発泡剤と組み合わせて使用することができる。
【0027】
本発明の熱硬化性フォームブレンドは、概して気泡構造を有するフォームを形成することができる1つ以上の成分及び発泡剤を含む。熱硬化性組成物の例としては、ポリウレタン及びポリイソシアヌレートフォーム組成物、好ましくは可撓性又は剛性の、低密度フォームが挙げられる。
【0028】
本発明はまた、安定化量のエステルが添加された熱硬化性フォーム調合物から製造される、フォーム、好ましくは独立気泡フォームに関する。エステルが用いられるとき、本発明の発泡剤及びエステル組み合わせが形成される及び/又は発泡性組成物に添加される順番及びやり方は、本発明の操作性に一般に影響を及ぼさない。例えば、ポリウレタンフォームの場合には、発泡剤及びエステル組み合わせの様々な成分が発泡設備への導入に先立って混合されないこと、又は成分が発泡設備で同じ場所に添加されないことさえも可能である。こうして、ある種の実施形態においては、発泡剤及びエステル組み合わせの1つ以上の成分を、成分が発泡設備において一緒になるような方法で導入することが望ましい場合もある。それにもかかわらず、ある種の実施形態においては、発泡剤及びエステル組み合わせの成分は前もって組み合わせられ、直接にか発泡性組成物の他の部分に次にさらに添加されるプレミックスの一部としてかのどちらかで、発泡性組成物へ一緒に導入される。
【0029】
ポリウレタンポリオールフォームの製造でのある種の実施形態においては、B側ポリオールプレミックス組成物は、ポリオール、シリコーン又は非シリコーンベースの界面活性剤、触媒、難燃剤又は鎮火剤、酸捕捉剤、ラジカル捕捉剤、充填剤、及び他の安定剤又は阻害剤を含むことができる。触媒は、アミン触媒又は非アミン触媒を含んでもよい。
【0030】
ポリオールの混合物を含むことができる、ポリオール成分は、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームを製造する際にイソシアネートと公知のやり方で反応するあらゆるポリオールであり得る。例示的なポリオールとしては:Carpol(登録商標)GP−700、GP−725、GP−4000、GP−4520などのグリセリンベースのポリエーテルポリオール;Carpol(登録商標)TEAP−265及びEDAP−770、Jeffol(登録商標)AD−310などのアミンベースのポリエーテルポリオール;Jeffol(登録商標)SD−360、SG−361,及びSD−522、Voranol(登録商標)490、及びCarpol(登録商標)SPA−357などの、サッカロースベースのポリエーテルポリオール;Jeffol(登録商標)R−425X及びR−470Xなどの、Mannichベースのポリエーテルポリオール;Jeffol(登録商標)S−490などの、ソルビトールベースのポリエーテルポリオール;ならびにTerate(登録商標)2541及び3510、Stepanpol(登録商標)PS−2352、及びTerol(登録商標)TR−925などの芳香族ポリエステルポリオールが挙げられる。
【0031】
ポリオールプレミックス組成物はまた、界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤は、所望の気泡構造のフォームが得られるように、混合物からフォームを形成するために、ならびにフォームの泡のサイズを制御するために使用される。好ましくは、一様なサイズのその中に小さい泡又は気泡を持ったフォームは、それが圧縮強度及び熱伝導性などの最も望ましい物理的特性を有するので望ましい。また、発泡前に又はフォーム上昇中に崩壊しない安定な気泡のフォームを手にすることは決定的に重要である。ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームの製造での使用のためのシリコーン界面活性剤は、当業者に公知の多数の商品名で入手可能である。そのような材料は、非常に低い密度のフォーム構造を達成するために一様な気泡形成及び最大ガス閉じ込めを可能にする広範囲の調合物にわたって適用できることが分かった。
【0032】
例示的なシリコーン界面活性剤としては、Goldschmidtから入手可能なB8404、B8407、B8409、B8462及びB8465;Air Productsから入手可能なDC−193、DC−197、DC−5582、及びDC−5598;ならびにMomentiveから入手可能なL−5130、L5180、L−5340、L−5440、L−6100、L−6900、L−6980、及びL6988などのポリシロキサン・ポリオキシアルキレンブロックコポリマーが挙げられる。例示的な非シリコーン界面活性剤としては、スルホン酸の塩、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸、オレイン酸、ステアリン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ジナフチルメタンジスルホン酸、リシノール酸のアンモニウム塩、オキシエチル化アルキルフェノール、オキシエチル化脂肪アルコール、パラフィンオイル、ヒマシ油エステル、リシノール酸エステル、Turkeyレッドオイル、落花生油、パラフィン脂肪アルコール、又はそれらの組み合わせが挙げられる。界面活性剤の典型的な使用レベルは、ポリオールプレミックスの約0.4〜6重量%、好ましくは約0.8〜4.5重量%、より好ましくは約1〜3重量%である。
【0033】
例示的な難燃剤としては、トリクロロプロピルホスフェート(TCPP)、トリエチルホスフェート(TEP)、ジエチルエチルホスフェート(DEEP)、ジエチルビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、臭素化酸無水物ベースのエステル、ジブロモネオペンチルグリコール、臭素化ポリエーテルポリオール、メラミン、アンモニウムポリホスフェート、アルミニウム三水和物(ATH)、トリス(1,3−ジクロロイソプロピル)ホスフェート、トリ(2−クロロエチル)ホスフェート、トリ(2−クロロイソプロピル)ホスフェート、クロロアルキルホスフェート/オリゴマーホスホネート、オリゴマークロロアルキルホスフェート、ペンタブロモジフェニルエーテルに基づく臭素化難燃剤、ジメチルメチルホスホネート、ジエチルN,Nビス(2−ヒドロキシエチル)アミノメチルホスホネート、オリゴマーホスホネート、及びそれらの誘導体が挙げられる。
【0034】
ある種の実施形態においては、酸捕捉剤、ラジカル捕捉剤、及び/又は他の安定剤/阻害剤がプレミックス中に含められる。例示的な安定剤/阻害剤としては、1,2−エポキシブタン;グリシジルメチルエーテル;dl−リモネン、l−リモネン、d−リモネンなどの環状テルペン;1,2−エポキシ−2,2−メチルプロパン;ニトロメタン;ジエチルヒドロキシルアミン;アルファメチルスチレン;イソプレン;p−メトキシフェノール;m−メトキシフェノール;dl−リモネンオキシド;ヒドラジン類;2,6−ジ−t−ブチルフェノール;ヒドロキノン;カルボン酸、ジカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、スルファミン酸、ヒドロキサム酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、イソカプロチック酸、2−エチルヘキサン酸、カプリル酸、シアノ酢酸、ピルビン酸、安息香酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸、及びそれらの組み合わせが挙げられる。接着促進剤、帯電防止剤、酸化防止剤、充填剤、加水分解剤、滑剤、抗菌剤、顔料、粘度調整剤、耐UV剤などの他の添加剤がまた含められてもよい。これらの添加剤の例としては、立体障害のあるフェノール;ジフェニルアミン類;ベンゾフラノン誘導体;ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT);炭酸カルシウム;硫酸バリウム;ガラス繊維;炭素繊維;微小球;シリカ;メラミン;カーボンブラック;ワックス及び石鹸;アンチモン、銅、及びヒ素の有機金属誘導体;二酸化チタン;酸化クロム;酸化鉄;グリコールエーテル;ジメチルAGSエステル;プロピレンカーボネート;ならびにベンゾフェノン及びベンゾトリアゾール化合物が挙げられる。
【0035】
本発明の幾つかの実施形態においては、エステルが熱硬化性フォームブレンドに添加されてもよい。エステルの添加は、プレミックスの貯蔵寿命の延長、及び得られたフォームの特性の向上におけるように、経時的にブレンドの安定性をさらに向上させることが意外にも発見された。本発明に有用なエステルは、式R−C(O)−O−R’[式中、R及びR’はC
aH
c-bG
b(ここで、Gは、F、Cl、Br、Iなどのハロゲンである)であり得、a=0〜15、b=0〜31、及びc=1〜31である]を有し、ジカルボン酸、ホスフィン酸、ホスホン酸、スルホン酸、スルファミン酸、ヒドロキサム酸又はそれらの組み合わせのエステル化によって得られる生成物であるエステルを含む。好ましいエステルは、メタノール、エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソ−ブタノール、ペンタノール、イソ−ペンタノール及びそれらの混合物などのアルコールと;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、イソカプロチック酸、2−エチルヘキサン酸、カプリル酸、シアノ酢酸、ピルビン酸、安息香酸、シュウ酸,トリフルオ酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸及びそれらの混合物などの酸とを使用するエステル化によって得られる生成物である。より好ましいエステルは、ヘキサン酸アリル、酢酸ベンジル、ギ酸ベンジル、酢酸ボルニル、酪酸ブチル、酢酸エチル、酪酸エチル、ヘキサン酸エチル、桂皮酸エチル、ギ酸エチル、ヘプタン酸エチル、イソ吉草酸エチル、乳酸エチル、ノナン酸エチル、ペンタン酸エチル、酢酸ゲラニル、酪酸ゲラニル、ペンタン酸ゲラニル、酢酸イソブチル、ギ酸イソブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソプロピル、酢酸リナリル、酪酸リナリル、ギ酸リナリル、酢酸メチル、アントラニル酸メチル、安息香酸メチル、酪酸メチル、桂皮酸メチル、ギ酸メチル、ペンタン酸メチル、プロパン酸メチル、フェニル酢酸メチル、サリチル酸メチル、カプリル酸ノニル、酢酸オクチル、酪酸オクチル、酢酸アミル/酢酸ペンチル、酪酸ペンチル/酪酸アミル、ヘキサン酸ペンチル/カプロン酸アミル、ペンタン酸ペンチル/吉草酸アミル、エタン酸プロピル、イソ酪酸プロピル、酪酸テルペニル及びそれらの混合物である。最も好ましいエステルは、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、及び酢酸エチル、ならびにそれらの混合物である。
【0036】
エステルは、当該技術分野において公知の様々な手段によって熱硬化性フォームブレンドへ発泡剤と組み合わせて添加することも、発泡剤とは別々に添加することもできる。エステルの典型的な量は、熱硬化性フォームブレンドの約0.1重量%〜10重量%であり、エステルの好ましい量は、熱硬化性フォームブレンドの約0.2重量%〜7重量%であり、エステルのより好ましい量は、熱硬化性フォームブレンドの約0.3重量%〜5重量%である。
【0037】
本明細書に記載される組成物を使用するポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームの製造は、当該技術分野において周知の方法のいずれかに従ってもよく、用いることができ、Saunders and Frisch,Volumes I and II Polyurethanes Chemistry and technology,1962,John Wiley and Sons,New York,N.Y.又はGum,Reese,Ulrich,Reaction Polymers,1992,Oxford University Press,New York,N.Y.又はKlempner and Sendijarevic,Polymeric Foams and Foam Technology,2004,Hanser Gardner Publications,Cincinnati,Ohioを参照されたい。一般に、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、イソシアネート、ポリオールプレミックス組成物、及び任意選択の難燃剤、着色剤、又は他の添加剤などの他の材料を組み合わせることによって製造される。これらのフォームは、剛性、可撓性、又は半剛性であり得、独立気泡構造、開放気泡構造又は開放気泡と独立気泡との混合物を有することができる。
【0038】
ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームのための成分を、プレブレンドされた調合物で提供することが多くの用途において便利である。最も典型的には、フォーム調合物は、2つの成分へプレブレンドされる。イソシアネート及び任意選択的に他のイソシアネート相溶性原材料が、一般に「A」側成分と言われる、第1成分を構成する。界面活性剤、触媒、発泡剤、及び任意選択の他の原料を含む、ポリオール混合組成物が、一般に「B」側成分と言われる、第2成分を構成する。あらゆる所与の用途において、「B」側成分は、上にリストされた成分すべてを含有しなくてもよく、例えば、幾つかの調合物は難燃剤を、当該特性が所要のフォーム特性ではない場合には除外する。したがって、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームは、ブロック、スラブ、ラミネート、現場注入パネル及び他の品目、スプレー適用フォーム、フロスなどを形成するために小製造については手動混合及び、好ましくは、機械混合技法によってのどちらかでA及びB側成分を一緒にすることによって容易に製造される。任意選択的に、難燃剤、着色剤、補助発泡剤、水、及びさらには他のポリオールなどの他の原料は、混合ヘッド又は反応部位に流れとして添加することができる。しかし、最も便利には、それらは、上記の通り1つのB側成分中へすべて組み込まれる。幾つかの状況においては、A及びBは、水が取り除かれている1つの成分中へ調合し、混合することができる。重合は、一成分混合物が排出され、空気に曝されるときに起こる。これは、例えば、容易な適用のために一成分フォーム混合物を含有するスプレーフォーム小型缶にとっては典型的である。
【0039】
ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォームを形成するために好適な発泡性組成物は、有機ポリイソシアネートと上記のポリオールプレミックス組成物とを反応させることによって形成されてもよい。脂肪族及び芳香族ポリイソシアネートを含めて、任意の有機ポリイソシアネートを、ポリウレタン又はポリイソシアヌレートフォーム合成に用いることができる。好適な有機ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン化学の分野においてよく知られている脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族、及び複素環イソシアネートが挙げられる。
【実施例】
【0040】
本発明は、以下の例を参照することによってさらに例示される。
【0041】
例1
例1は、良好なフッ化水素酸(HF)捕捉剤活性を有し、そしてポリオールプレミックス組成物に安定性を付与する、カルボン酸のアルカリ土類塩などの、金属塩の使用によって付与される安定性の向上を示す。ギ酸マグネシウムが本例では用いられるが、例えば、アルカリ土類カルボキシレ−ト、アルカリ土類アセチルアセトネート、アルカリカルボキシレ−ト、アルカリアセチルアセトネート、ならびに亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、セリウム(Ce)、ランタン(La)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、スカンジウム(Sc)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、及びビスマス(Bi)のカルボキシレ−ト、アセチルアセトネート、及びアルコレートなどの、他の金属塩を、ポリオールプレミックス組成物の安定性を向上させるために本発明に従って用いることができる。
【0042】
水性調合物を、2重量%のペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、4重量%のシリコン界面活性剤(TEGOSTAB(登録商標)B8465)、2重量%のギ酸マグネシウム、及び92重量%のヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)HCFO−1233zd「E」ハロゲン化オレフィン発泡剤を混ぜ合わせることによって調製した。比較のために、ギ酸マグネシウムなしの溶液を、2重量%のペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、4重量%のシリコン界面活性剤(TEGOSTAB(登録商標)B8465)、及び94重量%のヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)HCFO−1233zd「E」ハロゲン化オレフィン発泡剤を混ぜ合わせることによって調製した。2つの混合物を次に、オーブン中で50℃で15日間熟成した。各試料を重水素化クロロホルム(CDCl
3)溶媒の溶液と混合した。ブレンドを次に、5mm TBIプローブを備えたBruker DRX 500(11.7T)分光計で取得された、25℃でのNMRスペクトルを得るために解析した。HCFO−1233zd「E」とアミン及びシリコン界面活性剤との間の相互作用に関連する少量の生成物は、HCFO−1233zd「E」に標準化し、それ故定量化することができる。この比較の結果を下の表1にまとめる。
【0043】
【表1】
【0044】
表1が示すように、ギ酸マグネシウムは、ヒドロクロロフルオロオレフィン(HCFO)HCFO−1233zd「E」ハロゲン化オレフィン発泡剤とアミン及び界面活性剤との間の有害な相互作用による生成物の形成を抑制することができる。例1は、カルボン酸のアルカリ土類塩などの、金属塩が良好なフッ化水素酸(HF)捕捉剤活性を有し、そしてポリオールプレミックス組成物の安定性を向上させることを示す。
【0045】
例2
例2は、金属塩を含まない比較B側プレミックス調合物を示す。比較B側成分を、下の表2に示される処方に従ってプレブレンドした。B側成分は、商品名Voranol 490でDow Chemicalによって販売されるもの、商品名Jeffol R−425−XでHuntsmanによって販売されるもの、及び商品名Stepanpol PS−2352でStepan Companyによって販売されるものなどの、ポリオールと;Evonik Industries−Degussaによって商品名TEGOSTAB(登録商標)B8465で販売されるシリコーン界面活性剤と;アミン触媒、具体的には、それらの両方ともAir Products and Chemicals,Inc.から入手可能である、商品名POLYCAT(登録商標)8で販売されるジメチルシクロヘキシルアミン及び商品名POLYCAT(登録商標)5で販売されるペンタメチルジエチレントリアミンとの水性ブレンドを含んだ。B側成分はまた、Antiblaze 80、Rhodia製の難燃剤を含んだ。
【0046】
【表2】
【0047】
(115のISO Indexを有する)試験される調合物は、A側成分として商品名Rubinate MでHuntsmanによって販売される高分子メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)を含有した。本例では、高分子メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)である、A側成分と、ポリオール、界面活性剤、触媒、発泡剤、及び添加剤のブレンドである、B側成分とをハンドミキサーで混合し、自由上昇フォームを形成するための容器へ分配した。全体発泡レベルは23.0ml/gであった。3つの試料を上の処方に従って調製し、異なる期間及び異なる条件で熟成した:非熟成試料、周囲温度で15日間熟成した試料、及び50℃で15日間熟成した試料。クリーム時間、ゲル化時間、及び不粘着時間、自由上昇密度(FRD)、ならびにフォーム品質などの特性を測定し、それらを下の表3にまとめる。
【0048】
【表3】
【0049】
上の表3に示されるように、例2のポリオールプレミックス組成調合物の熟成は、フォーム品質に有害な影響を及ぼした。50℃で15日間熟成した試料は、フォーム品質に増加した有害な影響を及ぼすことが分かり、触媒及び界面活性剤が両方ともそれらの機能特性のほとんどすべてを失うことを示した。したがって、例2の比較調合物は不十分な貯蔵寿命安定性及び性能特性を有することが分かった。
【0050】
例3
例3は、B側ポリオールプレミックス組成物が金属塩安定剤として2.9重量%のオクタン酸コバルト溶液(有機溶媒中25重量%)を含む、本発明の例示調合物を示す。オクタン酸コバルト金属塩溶液を調合物に添加し、上の例2に記載された手順に従って測定した。結果として生じる特性を下の表4にまとめる。
【0051】
【表4】
【0052】
上の表4に示されるように、例3のポリオールプレミックス調合物の熟成はまた、フォーム品質に影響を及ぼした。50℃で15日間熟成した試料は、フォーム品質に増加した影響を及ぼすことが分かった。しかし、オクタン酸コバルト金属塩を含有する熟成試料は、クリーム時間、ゲル化時間、及び自由上昇密度が、非熟成試料と比較されるときにわずかに増加したにすぎないため、フォーム触媒作用への影響がはるかに少なかった。
【0053】
例4
例4は、B側ポリオールプレミックス組成物が金属塩安定剤として2.9重量%のオクタン酸カリウムを含む、本発明の例示調合物を示す。オクタン酸カリウム金属塩溶液を調合物に添加し、上の例2に記載された手順に従って測定した。結果として生じる特性を下の表5にまとめる。
【0054】
【表5】
【0055】
上の表5に示されるように、例4のポリオールプレミックス調合物の熟成は、フォーム品質にはるかに有害な影響を示した。50℃で15日間熟成した試料は、フォーム品質に増加した有害な影響を及ぼすことが分かり、触媒及び発泡剤が両方ともそれらの機能特性のほとんどすべてを失うことを示した。
【0056】
例5
例5は、B側ポリオールプレミックス組成物が金属塩安定剤として2.9重量%のオクタン酸亜鉛溶液を含む、本発明の例示調合物を示す。オクタン酸亜鉛金属塩溶液を調合物に添加し、上の例2に記載された手順に従って測定した。結果として生じる特性を下の表6にまとめる。
【0057】
【表6】
【0058】
上の表6に示されるように、例5のポリオールブレンド調合物の熟成は、フォーム品質に小さい影響を及ぼすにすぎなかった。50℃で15日間熟成した試料は、クリーム時間及びゲル化時間測定値によって示されるように、比較調合物と比較されるときに、フォーム品質及びフォーム触媒作用への影響がはるかに少ないことが分かった。熟成試料のクリーム時間及びゲル化時間は、非熟成試料よりもほんのわずかに増加し、ハロゲン化オレフィン発泡剤がオクタン酸亜鉛金属塩安定剤の添加によって保護されることを示した。
【0059】
例6
例6は、B側ポリオールブレンドが金属塩安定剤として2.9重量%のオクタン酸マグネシウム溶液(2−エチルヘキサン酸塩)を含む、本発明の例示調合物を示す。オクタン酸マグネシウム金属塩溶液を調合物に添加し、上の例2に記載された手順に従って測定した。結果として生じる特性を下の表7にまとめる。
【0060】
【表7】
【0061】
上の表7に示されるように、例6の熟成ポリオールブレンド調合物は、フォーム品質に有害な影響を示した。50℃で15日間熟成した試料は、フォーム品質に増加した影響を及ぼすことが分かり、発泡剤がその機能特性のほとんどすべてを失うことを示した。
【0062】
例7
例7は、B側ポリオールブレンドが金属塩安定剤として2.9重量%のオクタン酸カルシウム溶液(2−エチルヘキサン酸塩)を含む、本発明の例示調合物を示す。オクタン酸マグネシウム金属塩溶液を調合物に添加し、上の例2に記載された手順に従って測定した。結果として生じる特性を下の表8にまとめる。
【0063】
【表8】
【0064】
上の表8に示されるように、例7の熟成ポリオールブレンド調合物は、フォーム品質への有害な影響がより少ないことを示した。50℃で15日間熟成した試料は、フォーム品質への影響がはるかに少ないことが分かり、ハロゲン化オレフィン発泡剤が安定剤の添加によって保護されることを示した。
【0065】
例1は、HF捕捉剤及び安定剤としてギ酸マグネシウムを用いた。金属カルボキシレ−ト、金属アセチルアセトネート、金属アルコレート、例えば、アルカリ土類カルボキシレ−ト、アルカリ土類アセチルアセトネート及びアルコレート、アルカリカルボキシレ−ト、アルカリアセチルアセトネート及びアルコレート、ならびに亜鉛(Zn)、コバルト(Co)、スズ(Sn)、セリウム(Ce)、ランタン(La)、アルミニウム(Al)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、クロム(Cr)、スカンジウム(Sc)、カルシウム(Ca)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、及びバリウム(Ba)、ビスマス(Bi)のカルボキシレ−ト、アセチルアセトネート及びアルコレートなどの、金属塩は、良好なフッ化水素酸(HF)捕捉剤活性を有し、そしてポリオールブレンドを安定させるように機能する。例えば、1つ以上の官能性カルボキシル基を有する金属カルボキシレ−トが用いられてもよい。金属カルボキシレ−トは、C1〜C21カルボン酸の金属塩を含んでもよい。例えば、金属カルボキシレ−トは、C1〜C21直鎖若しくは分岐の脂肪族モノカルボン酸の金属塩を含んでもよい。同様に、例えば、C1〜C21アルコールの金属塩を含む金属アルコレートなどの金属アルコレートが用いられてもよい。金属アルコレートは、C1〜C21直鎖若しくは分岐の脂肪族アルコールの金属塩を含んでもよい。好適なカルボン酸としては、ギ酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸などが挙げられるが、それらに限定されない。好適なアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどが挙げられる。一実施形態においては、金属塩は、Zn、Co、Ca、及びMgからなる群から選択される金属のカルボキシレ−トを含む。好適な金属カルボキシレ−トとしては、例えば、ギ酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、オクタン酸マグネシウム、ギ酸カルシウム、オクタン酸カルシウム、オクタン酸亜鉛、オクタン酸コバルト、オクタン酸第一スズ、亜鉛アセチルアセトネート、コバルトアセチルアセトネート、マグネシウムアセチルアセトネート、及びカルシウムアセチルアセトネートが挙げられてもよい。金属塩は、例1に示されるように、酸素含有アミン触媒、又は、例2〜7に示されるように、他のアミン触媒を、又は非アミン触媒と一緒に含有するポリオールブレンドに利用されてもよい。金属塩の幾つかは、他のものよりも良好に機能するが、金属塩を含有する本発明のポリオールブレンド調合物のすべてが、そのような金属塩を欠くポリオールブレンドよりも良好な安定性及びハロゲン化オレフィンと触媒との間の有害な相互作用がより少ないことを示した。
【0066】
本発明は、具体的な実施形態に関連して本明細書において例示され、記載されているが、本発明は、示された詳細に限定されることを意図されない。むしろ、様々な修正が、クレームの均等物の領域及び範囲内でかつ本発明から逸脱することなしにこれらの詳細に対して行われてもよい。