特許第5890997号(P5890997)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890997
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】グラビア印刷装置
(51)【国際特許分類】
   B41F 31/02 20060101AFI20160308BHJP
   B41F 31/26 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   B41F31/02 B
   B41F31/26 Z
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2011-225734(P2011-225734)
(22)【出願日】2011年10月13日
(65)【公開番号】特開2013-86270(P2013-86270A)
(43)【公開日】2013年5月13日
【審査請求日】2014年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237260
【氏名又は名称】富士機械工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100110939
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100110940
【弁理士】
【氏名又は名称】嶋田 高久
(74)【代理人】
【識別番号】100113262
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 祐二
(74)【代理人】
【識別番号】100115059
【弁理士】
【氏名又は名称】今江 克実
(74)【代理人】
【識別番号】100117581
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 克也
(74)【代理人】
【識別番号】100117710
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 智雄
(74)【代理人】
【識別番号】100124671
【弁理士】
【氏名又は名称】関 啓
(74)【代理人】
【識別番号】100131060
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 靖也
(74)【代理人】
【識別番号】100131200
【弁理士】
【氏名又は名称】河部 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100131901
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 雅典
(74)【代理人】
【識別番号】100132012
【弁理士】
【氏名又は名称】岩下 嗣也
(74)【代理人】
【識別番号】100141276
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 康二
(74)【代理人】
【識別番号】100143409
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100157093
【弁理士】
【氏名又は名称】間脇 八蔵
(74)【代理人】
【識別番号】100163186
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 裕吉
(74)【代理人】
【識別番号】100163197
【弁理士】
【氏名又は名称】川北 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100163588
【弁理士】
【氏名又は名称】岡澤 祥平
(72)【発明者】
【氏名】山本 弘
(72)【発明者】
【氏名】国竹 高明
【審査官】 藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−008406(JP,A)
【文献】 特開平03−281350(JP,A)
【文献】 特開2002−059535(JP,A)
【文献】 特開2003−039637(JP,A)
【文献】 実開昭51−136706(JP,U)
【文献】 特開昭52−56614(JP,A)
【文献】 特開昭64−40368(JP,A)
【文献】 特開昭47−31712(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41F 31/00 − 31/38
B41F 9/00 − 9/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
版胴と、
該版胴の一側方でロール回転軸が版胴回転軸より下方に位置し、印刷液転写後の版胴の外周面に接しながら該版胴と逆方向に回転するファニッシャロールと、
該ファニッシャロールの版胴回転方向下流側で上記版胴の他側方に位置し、該版胴の外周面に圧接して当該外周面に付着する余分な印刷液を版胴の回転動作により掻き取るドクターブレードと、
下端が上記版胴及びファニッシャロールの接触部から上記版胴の外周面上側部分及び上記ファニッシャロールの少なくとも最上部を含む外周面にかけて摺接し、上記版胴及びファニッシャロールに跨るように版胴回転軸方向に離間して配設された一対のサイドプレートと、
これらサイドプレートの反版胴側を橋絡して上下方向及び版胴回転軸方向に亘って当該反版胴側を閉じ、下端が上記ファニッシャロールの外周面に摺接する橋絡プレートと、
上記版胴、ファニッシャロール、両サイドプレート及び橋絡プレートで構成され、上記版胴の外周面に供給される印刷液を上記橋絡プレートの上端まで貯溜可能な液溜部と、
上記版胴及びファニッシャロールの下方に位置し、上記ドクターブレードで掻き取られて落下する印刷液を回収する印刷液回収手段とを備え
上記版胴及び上記ファニッシャロールは、その各々の外周面が上記液溜部に貯溜する印刷液に対して上方から浸されるよう互いに逆回転することを特徴とするグラビア印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載のグラビア印刷装置において、
上記橋絡プレートは、上方に行くにつれて上記版胴から離れるように傾斜していることを特徴とするグラビア印刷装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のグラビア印刷装置において、
上記各サイドプレートは、上記ファニッシャロールの外周面に摺接するプレート本体と、
該プレート本体の版胴側の側部に下端が版胴の外周面に摺接するように積層状態で取り付けられ、上記版胴の径に応じて当該版胴の外周面との下端摺接位置を調節可能な複数の薄板からなる積層体とを備えていることを特徴とするグラビア印刷装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のグラビア印刷装置において、
上記印刷液回収手段は、版胴回転軸方向に沿って延び、下方に行くにつれて互いに接近するように傾斜して対向配置された一対のガイドプレートと、
上方に上記各ガイドプレートの下端縁間に対応する開口部を有し、上記各ガイドプレートに沿って下方に案内される印刷液を上記開口部を経て受ける印刷液受け部材とを備えていることを特徴とするグラビア印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載のグラビア印刷装置において、
上記開口部は、略水平方向に延びる板状のフィルタで覆われていることを特徴とするグラビア印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被印刷材に印刷液を印刷するグラビア印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特許文献1に開示されているように、外周面に付着する印刷液を回転動作により被印刷材に転写する版胴と、印刷液転写後の版胴の外周面に接しながら該版胴と逆方向に回転するファニッシャロールとを備えた印刷装置が知られている。上記版胴及びファニッシャロールの接触部からこれら版胴及びファニッシャロールの各外周面上側部分にかけて摺接するサイドプレートが版胴回転軸方向に離間して一対配設され、上記版胴、ファニッシャロール及び両サイドプレートで上記版胴の外周面に供給する印刷液を貯溜する液溜部が構成されている。そして、上記液溜部に印刷液を供給しつつ、上記版胴及びファニッシャロールを回転させて上記版胴の外周面に液溜部内の印刷液を付着させ、ドクターブレードで版胴の外周面に付着する余分な印刷液を掻き取った後、印刷液の付着した版胴の外周面を被印刷材に接触させることにより、印刷液を上記被印刷材に転写するようになっている。
【0003】
ところで、印刷された被印刷材の品質を高めるために、一般的には、版胴の外周面は、印刷液転写後で、上記液溜部内の印刷液に浸される直前に作業者によって目視で周期的に監視される。
【0004】
上記特許文献1では、ファニッシャロールのロール回転軸を版胴回転軸より下方に位置させている。この配置によれば、作業者の目視確認時における視認性エリアを広く確保することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−59535号公報(段落0010〜0012欄、図2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1のように、ファニッシャロールのロール回転軸が版胴回転軸より下方に位置するように上記ファニッシャロールを配設すると、作業者の目視確認時における視認性は良くなるものの、上記版胴及びファニッシャロールの接触部から上記ファニッシャロール最上部までの高さが低くなって液溜部の容積が少なくなってしまう。したがって、液溜部に貯溜する印刷液が少なくなることで、版胴の回転による印刷液の拡散作用で液溜部内の印刷液が波打ってしまい、上記版胴の外周面への印刷液の付着が不均一になり、ひいては、印刷液を被印刷材へ転写する際に印刷ムラが引き起こされてしまう。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、作業者の目視確認時の視認性が良く、しかも、印刷不良の発生を防止できるグラビア印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、両サイドプレートの反版胴側に液溜部の容積を増やす工夫を凝らしたことを特徴とする。
【0009】
すなわち、第1の発明では、版胴と、該版胴の一側方でロール回転軸が版胴回転軸より下方に位置し、印刷液転写後の版胴の外周面に接しながら該版胴と逆方向に回転するファニッシャロールと、該ファニッシャロールの版胴回転方向下流側で上記版胴の他側方に位置し、該版胴の外周面に圧接して当該外周面に付着する余分な印刷液を版胴の回転動作により掻き取るドクターブレードと、下端が上記版胴及びファニッシャロールの接触部から上記版胴の外周面上側部分及び上記ファニッシャロールの少なくとも最上部を含む外周面にかけて摺接し、上記版胴及びファニッシャロールに跨るように版胴回転軸方向に離間して配設された一対のサイドプレートと、これらサイドプレートの反版胴側を橋絡して上下方向及び版胴回転軸方向に亘って当該反版胴側を閉じ、下端が上記ファニッシャロールの外周面に摺接する橋絡プレートと、上記版胴、ファニッシャロール、両サイドプレート及び橋絡プレートで構成され、上記版胴の外周面に供給される印刷液を上記橋絡プレートの上端まで貯溜可能な液溜部と、上記版胴及びファニッシャロールの下方に位置し、上記ドクターブレードで掻き取られて落下する印刷液を回収する印刷液回収手段とを備え、上記版胴及び上記ファニッシャロールは、その各々の外周面が上記液溜部に貯溜する印刷液に対して上方から浸されるよう互いに逆回転することを特徴とする。
【0010】
第2の発明では、第1の発明において、上記橋絡プレートは、上方に行くにつれて上記版胴から離れるように傾斜していることを特徴とする。
【0011】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記各サイドプレートは、上記ファニッシャロールの外周面に摺接するプレート本体と、該プレート本体の版胴側の側部に下端が版胴の外周面に摺接するように積層状態で取り付けられ、上記版胴の径に応じて当該版胴の外周面との下端摺接位置を調節可能な複数の薄板からなる積層体とを備えていることを特徴とする。
【0012】
第4の発明では、第1から第3のいずれか1つに記載の発明において、上記印刷液回収手段は、版胴回転軸方向に沿って延び、下方に行くにつれて互いに接近するように傾斜して対向配置された一対のガイドプレートと、上方に上記各ガイドプレートの下端縁間に対応する開口部を有し、上記各ガイドプレートに沿って下方に案内される印刷液を上記開口部を経て受ける印刷液受け部材とを備えていることを特徴とする。
【0013】
第5の発明では、第4の発明において、上記開口部は、略水平方向に延びる板状のフィルタで覆われていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明では、作業者の目視確認時における高い視認性を確保するために、版胴に対してファニッシャロールの位置を下げても、特許文献1に比べて橋絡プレートの高さ分だけ液溜部の容積が増える。したがって、ファニッシャロールを下げて作業者の目視確認時における高い視認性を確保した状態で、液溜部に貯留する印刷液の量を増やして版胴の回転による印刷液の拡散作用を抑え、版胴の外周面に付着する印刷液を略均一にして、印刷液が転写される被印刷材の品質を高めることができる。また、液溜部に貯溜する印刷液の量が増えると、液溜部に貯溜する印刷液の液面と版胴の被印刷材への転写位置との間隔が短くなり、転写してから印刷液に浸されるまでの時間が短くなる。したがって、転写後に版胴の外周面のセル内に残る印刷液が完全に乾く前に液溜部の印刷液に浸されるようになり、転写後にセル内に残る印刷液が乾いて根詰まりするのを防止できる。
【0015】
第2の発明では、液溜部全体が断面略V字状になって上に行くにつれて容積が拡大しているので、版胴の外周面における目視確認する領域を第1の発明に比べてさらに広く確保することができる。
【0016】
第3の発明では、積層状態の各薄板の相対位置を互いにずらすことによって、各薄板下端と版胴の外周面との摺接位置の細かな調節が可能となる。したがって、印刷時の仕様に応じて径の異なる版胴に取り替える必要が生じても、当該版胴の外周面に応じて各薄板の摺接位置を対応させることができる。また、隣り合う薄板の先端間と版胴の外周面との間に小さな隙間が生じ、当該隙間に液溜部の印刷液が入り込むので、上記隙間に入り込んだ印刷液が積層体と版胴の外周面との間の摺動抵抗を低くし、版胴の外周面の早期劣化を防止できる。
【0017】
第4の発明では、印刷液回収手段が、断面V字状で下方に行くにつれて版胴回転軸方向と交差する幅が縮小したコンパクトな構造となり、印刷液回収手段の下半部分周辺のスペースを有効利用することができる。
【0018】
第5の発明では、ドクターブレードに掻き落とされる印刷液に含まれるゴミがフィルタによって取り除かれるので、当該フィルタを通過した印刷液をそのまま再利用することができる。また、上記フィルタは版胴回転軸方向に長く、網目部分の面積が大きいので、印刷液を給排する配管途中にフィルタを設ける場合に比べて目詰まりが少なく、交換頻度を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係るグラビア印刷装置の概略正面図である。
図2図1の版胴周辺の拡大斜視図である。
図3図1の矢視A図である。
図4図1のB−B線断面図である。
図5】サイドプレートを版胴側から見た分解斜視図である。
図6】(a)は、図1のサイドプレート周辺の拡大図であり、径の大きな版胴に対するサイドプレートの積層体の取り付け状態を示し、(b)は、径の小さな版胴に対するサイドプレートの積層体の取り付け状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係るグラビア印刷装置1を示す。上グラビア印刷装置1は、プラスチックフィルム等の被印刷材10にグラビア印刷を行うための版胴2を備え、該版胴2の外周面2aには、多数の微細なセル(図示せず)が形成されている。上記版胴2の上方には、該版胴2に被印刷材10を圧着させる圧胴3が配置されていて、上記版胴2の外周面2a及び圧胴3の外周面3aで上記被印刷材10を挟み込むとともに、上記版胴2及び圧胴3の回転動作により上記被印刷材10を正面視で略V字状となるように移動させながら外周面2aのセル内の印刷液L(図2に示す)被印刷材10に転写するようになっている。
【0022】
上記版胴2の一側方で版胴回転軸方向両側には、図2に示すように、略上下方向に延び、上端が装置固定側(図示せず)に揺動可能に軸支された一対の揺動プレート4が対向配置され、各揺動プレート4の中程には、突出部4aが反版胴2側にそれぞれ突設されている。
【0023】
該両揺動プレート4の下端部の間には、上記版胴2より小径のファニッシャロール5が回転自在に軸支され、該ファニッシャロール5のロール回転軸5cは、版胴回転軸2cより下方に位置している。
【0024】
上記ファニッシャロール5は、上記両揺動プレート4の揺動により、上記版胴2の外周面2aに接する状態と接しない状態とに切替可能となっていて、グラビア印刷装置1稼働中は、印刷液L転写後の版胴2の外周面2aに接しながら該版胴2と逆方向に回転するようになっている。
【0025】
また、上記両揺動プレート4の突出部4a間には、シャフト41が取り付けられ、該シャフト41の上面には、版胴回転軸方向に沿って延びるスライドレール42が所定の間隔をあけて一対取り付けられている。
【0026】
上記版胴2及びファニッシャロール5における外周面2a,5aの上側部分の間には、一対の樹脂製サイドプレート7が上記版胴2及びファニッシャロール5を跨ぐように版胴回転軸方向に離間して配設されている。
【0027】
上記サイドプレート7は、側面視で反版胴2側が先細の略三角形状をなすプレート本体71を備え、該プレート本体71の下端には、上記ファニッシャロール5の外周面5aに対応するように緩やかに湾曲する湾曲面71aが形成され、該湾曲面71aが上記版胴2及びファニッシャロール5の接触部Nから上記ファニッシャロール5の外周面5aにおける最上部Mを越えた反版胴2側の位置にまで摺接するようになっている。
【0028】
尚、上記プレート本体71の下端は、上記接触部Nから上記ファニッシャロール5の少なくとも最上部Mを含む外周面5aにかけて摺接するようになっていればよい。
【0029】
また、上記プレート本体71の版胴2側を向く側面には、図5に示すように、略上下方向に延びる断面略L字状の第1ガイド板部72aが、版胴回転軸方向内側に開放するように版胴回転軸方向外側端縁から突設され、該第1ガイド板部72aの版胴2側を向く壁面下部には、切り欠き部72bが形成されている。
【0030】
また、上記プレート本体71の版胴2側を向く側面の版胴回転軸方向内側端縁には、第2ガイド板部72cが上記切り欠き部72bに対応する位置に突設されている。
【0031】
さらに、上記プレート本体71の略中央には、外側方に開放する凹部73が形成され、上記プレート本体71の版胴2側の側部における上記切り欠き72bに対応する部分と上記凹部73との間には、連通孔73aが形成されている。
【0032】
それに加えて、上記プレート本体71の反版胴2側には、下方に開放し、上方に延出するにつれて上記版胴2から離れるように傾斜する装着溝74が形成され、該装着溝74と上記プレート本体71の反版胴2側の側部との間には、内周面に雌螺子(図示せず)を有する連通孔74aが形成されている。
【0033】
また、上記サイドプレート7は、複数の略短冊状薄板75を積層してなる積層体76と、該積層体76を上記プレート本体71に取り付けるためのボルト11と、該ボルト11に螺合するナット部12aを有するクランプレバー12と、外周面に雄螺子(図示せず)が形成された軸部13aを有し、該軸部13aを反版胴2側から上記連通孔74aに螺合するクランプレバー13とを備えている。
【0034】
上記各薄板75には、当該薄板75の長手方向に沿って延びる長孔75aが形成され、上記各薄板75の下端は、上記版胴2の外周面2aに対応するように面取りがなされている。
【0035】
そして、各薄板75は、図6に示すように、積層された積層体76の状態で、上記プレート本体71、第1ガイド板部72a及び第2ガイド板部72cの間にスライド可能に挿通され、上記ボルト11を版胴2側から上記各長孔75a及び連通孔73aに挿通させるとともに上記凹部73において上記ボルト11の先端部分にクランプレバー12のナット部12aを螺合させることにより、上記プレート本体71の版胴2側の側部に取り付けられ、各薄板75の下端は、上記版胴2及びファニッシャロール5の接触部Nから上記版胴2の外周面2aの上側部分にかけて摺接するようになっている。
【0036】
また、上記各薄板75は、上記クランプレバー12を緩めることにより、上記長孔75aの範囲において、上記プレート本体71、第1ガイド板部72a及び第2ガイド板部72cの間に沿って略上下方向にスライドさせて上記版胴2の径に応じて下端摺接位置を調節できるようになっている。
【0037】
さらに、上記サイドプレート7は、上記プレート本体71を上記シャフト41に取り付けるためのアーム部材78と、該アーム部材78を上記シャフト41に固定する略円盤状のハンドル付きボルト15とを備えている。
【0038】
上記アーム部材78は、上記各プレート本体71の上端から反版胴2側に延びるアーム本体78aと、該アーム本体78a先端から下方に延びる延出部78bとを備えている。
【0039】
上記アーム本体78aの中途部は、当該アーム本体78aの先端側及び基端側に対して傾斜していて、当該アーム部材78の先端側は基端側よりプレート本体71から離間している。
【0040】
また、上記各アーム本体78aの先端側下面には、略ブロック状のスライダ79が取り付けられ、上記両スライドレール42のそれぞれにスライド可能に嵌合している。
【0041】
上記延出部78bの延出端寄りには、内周面に雌螺子(図示せず)を有する貫通孔78cが上記シャフト41に対応する位置に形成され、反版胴2側から上記ボルト15が螺合している。
【0042】
そして、上記スライドレール42に対して上記スライダ79をスライドさせることにより、上記サイドプレート7を版胴回転軸方向に移動させることが可能となっていて、上記ボルト15を回転させて当該ボルト15の先端を上記シャフト41の側面に押し込むことによりサイドプレート7をシャフト41に固定するようになっている。
【0043】
上記両サイドプレート7の反版胴2側には、版胴回転軸方向に沿って延びる細板状をなし、上記各装着溝74に下方から装着して上記サイドプレート7の反版胴2側を橋絡する橋絡プレート77が設けられている。
【0044】
該橋絡プレート77は、上方に向かうにつれて上記版胴2から離れるように傾斜し、且つ、その下端が上記ファニッシャロール5の外周面5aに摺接していて、上記サイドプレート7の反版胴2側下端領域を上下方向及び版胴回転軸方向に亘って閉じるようになっている。
【0045】
上記橋絡プレート77上端の長手方向中程には、図3に示すように、長手方向両側よりも低い段差部77aが形成され、上記橋絡プレート77の反版胴2側の面には、版胴回転軸方向に沿って延びる溝部77bが版胴回転軸方向両側に一対形成されている。
【0046】
上記橋絡プレート77は、上記クランプレバー13を回動させて上記軸部13a先端を上記溝部77bに押し込むことにより、上記両サイドプレート7に固定されるようになっている。
【0047】
そして、図2に示すように、上記版胴2、ファニッシャロール5、両サイドプレート7及び橋絡プレート77で上記版胴2の外周面2aに供給する印刷液Lを貯溜する液溜部20が構成され、該液溜部20に図示しない印刷液供給装置から供給される印刷液Lを上記橋絡プレート77の上端まで貯溜可能になっていて、版胴2及びファニッシャロール5は、その各々の外周面2a,5aが上記液溜部20に貯溜する印刷液Lに対して上方から浸されるように互いに逆回転するようになっている。
【0048】
また、クランプレバー13及びボルト15を緩めた状態で、上記サイドプレート7を版胴回転軸方向の任意の位置に移動させることにより、上記液溜部20の容量を変更できるようになっている。
【0049】
尚、上記液溜部20に印刷液供給装置から印刷液Lが供給され過ぎると、上記橋絡プレート77において、印刷液Lは、長手方向両側部分よりも上記段差部77aから先に溢れるようになり、溢れる印刷液Lが出来るだけ版胴2やファニッシャロール5の摺動部分に付着し難い構造となっている。
【0050】
また、図6(a)、(b)に示すように、上記版胴2を径の大きなもの(以下、版胴2Aと呼ぶ)から小さなもの(以下、版胴2Bと呼ぶ)に交換する際、上記揺動プレート4を上記版胴2B側に向かって揺動させて上記ファニッシャロール5と上記版胴2Bとを接触させるので、上記版胴2Aのときに比べて橋絡プレート77がさらに傾くようになっている。
【0051】
上記ファニッシャロール5の版胴回転方向下流側で、且つ、上記版胴2の他側方には、該版胴2の外周面2aに圧接して当該外周面2aに付着する余分な印刷液Lを版胴2の回転動作により掻き取るステンレス製ドクターブレード8が配設されている。
【0052】
また、上記版胴2及びファニッシャロール5の下方には、図1に示すように、上記ドクターブレード8で掻き取られて落下する印刷液Lや上記液溜部20から溢れた場合の印刷液Lを回収する印刷液回収器9(印刷液回収手段)が配設されている。
【0053】
印刷液回収器9は、図4にも示すように、版胴回転軸方向に沿って延びる一対のガイドプレート91を備え、該両ガイドプレート91は、下方に行くにつれて互いに接近するように傾斜して対向配置されている。上記各ガイドプレート91は、それぞれ1枚のパネルで形成され、その表面には、印刷液Lを弾く撥水加工が施されている。
【0054】
また、上記両ガイドプレート91下方には、版胴回転軸方向に沿って延びる断面略V字状の印刷液受け部材92が配設され、該印刷液受け部材92は、上端部に各ガイドプレート91の下端縁間に対応する開口部92aを有し、上記各ガイドプレート91に沿って下方に案内される印刷液Lを上記開口部92aを経て受けるようになっている。
【0055】
上記開口部92aは、略水平方向に延びる板状のフィルタ92bで覆われていて、通過する印刷液L内のゴミを取り除くようになっている。
【0056】
また、上記印刷液受け部材92の底部は、長手方向一方に向かって緩やかに下傾していて、印刷液受け部材92に受けられた印刷液Lは、長手方向一方に向かって流れて長手方向一端から図示しない回収ボックス等で回収され、再利用されるようになっている。
【0057】
以上より、本発明の実施形態によれば、作業者の目視確認時の高い視認性を確保するために、版胴2に対してファニッシャロール5の位置を下げても、特許文献1に比べて橋絡プレート77の高さ分だけ液溜部20の容積が増える。したがって、ファニッシャロール5を下げて作業者の目視確認時における高い視認性を確保した状態で、液溜部20に貯溜する印刷液Lの量を増やして版胴2の回転による印刷液Lの拡散作用を抑え、版胴2の外周面2aに付着する印刷液Lを略均一にして、印刷液Lが転写される被印刷材10の品質を高めることができる。
【0058】
また、液溜部20に貯溜する印刷液Lの量が増えると、液溜部20に貯留する印刷液Lの液面と版胴2の被印刷材10への転写位置との間隔が短くなり、転写してから印刷液Lに浸されるまでの時間が短くなる。したがって、転写後に版胴2の外周面2aのセル内に残る印刷液Lが完全に乾く前に液溜部20の印刷液Lに浸されるようになり、転写後にセル内に残る印刷液Lが乾いて根詰まりするのを防止できる。
【0059】
また、橋絡プレート77が上方に行くにつれて版胴2から離れるように傾斜しており、液溜部20全体が断面略V字状になって上に行くにつれて容積が拡大しているので、版胴2の外周面2aにおける目視確認する領域をさらに広く確保することができる。
【0060】
また、版胴2を径の大きなもの(版胴2A)から小さなもの(版胴2B)に交換すると揺動プレート4の版胴2B側への揺動により橋絡プレート77がさらに傾くので、版胴2Bの外周面2aにおける目視確認する領域を版胴2Aの外周面2aにおける目視確認する領域に比べてさらに広く確保することができる。
【0061】
また、積層状態の各薄板75の相対位置を互いにずらすことによって、各薄板75下端と版胴2の外周面2aとの摺接位置の細かな調節が可能となる。したがって、印刷時の仕様に応じて径の異なる版胴2に取り替える必要が生じても、当然版胴2の外周面2aに応じて各薄板75の摺接位置を対応させることができる。
【0062】
また、隣り合う薄板75の先端間と版胴2の外周面2aとの間に小さな隙間が生じ、当該隙間に液溜部20の印刷液Lが入り込むので、上記隙間に入り込んだ印刷液Lが積層体76と版胴2の外周面2aとの間の摺動抵抗を低くし、版胴2の外周面2aの早期劣化を防止できる。
【0063】
また、印刷液回収器9が、断面V字状で下方に行くにつれて版胴回転軸方向と交差する幅が縮小したコンパクトな構造となり、印刷液回収器9の下半部分周辺のスペースを有効利用することができる。
【0064】
また、ドクターブレード8に掻き落とされる印刷液Lに含まれるゴミがフィルタ92bによって取り除かれるので、当該フィルタ92bを通過した印刷液Lをそのまま再利用することができる。
【0065】
また、上記フィルタ92bは版胴回転軸方向に長く、網目部分の面積が大きいので、印刷液を給排する配管途中にフィルタを設ける場合に比べて目詰まりが少なく、交換頻度を抑えることができる。
【0066】
尚、サイドプレート7及び橋絡プレート77の材質は、ホルムアルデヒドを原料としたポリアセタール樹脂が好ましい。例えば、デュポン社の商標名デルリン(Delrin)が好適である。
【0067】
また、上記ドクターブレード8は、ステンレス製のものを使用したが、その他の材質のものでもよく、例えば、鉄製、樹脂製及びゴム製のものを用いてもよい。また、金属にセラミックコートを施したものを用いてもよい
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、被印刷材に印刷液を印刷するグラビア印刷装置に適している。
【符号の説明】
【0069】
グラビア印刷装置
2,2A,2B 版胴
2a 外周面
2c 版胴回転軸
5 ファニッシャロール
5c 回転軸
7 サイドプレート
8 ドクターブレード
印刷液回収器(印刷液回収手段)
10 被印刷
20 液溜部
71 プレート本体
75 薄板
76 積層体
77 橋絡プレート
91 ガイドプレート
92 印刷液受け部材
92a 開口部
92b フィルタ
印刷
N 接触部
図1
図2
図3
図4
図5
図6