特許第5890999号(P5890999)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5890999
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
   F24H 1/18 20060101AFI20160308BHJP
   F24H 1/20 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   F24H1/18 301Z
   F24H1/20 L
【請求項の数】6
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-228145(P2011-228145)
(22)【出願日】2011年10月17日
(65)【公開番号】特開2013-88009(P2013-88009A)
(43)【公開日】2013年5月13日
【審査請求日】2014年10月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】390002886
【氏名又は名称】株式会社長府製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100127155
【弁理士】
【氏名又は名称】来田 義弘
(74)【代理人】
【識別番号】100163267
【弁理士】
【氏名又は名称】今中 崇之
(72)【発明者】
【氏名】安田 敏之
(72)【発明者】
【氏名】大石 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】桐原 正人
【審査官】 吉村 俊厚
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−101051(JP,A)
【文献】 特開2010−007952(JP,A)
【文献】 特開2007−292413(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 − 9/20
F24D 1/00 − 19/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンクを有し、商用電源を電力供給元とする給湯器において、
該給湯器に使用する電動機器を直流仕様とし、前記商用電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータと、前記コンバータから出力される直流電力によって充電される二次電池とを備え、通常時には、前記商用電源からの交流電力を前記コンバータで変換した直流電力が前記電動機器に供給されて、該電動機器が作動し、前記商用電源が停電の際には、前記電動機器を前記二次電池からの直流電力によって作動させ、前記電動機器には、前記貯湯タンクから出湯された湯に水を混合する混合弁、及び、開かれることによって前記貯湯タンクからの湯が浴槽に送られる開閉弁があることを特徴とする給湯器。
【請求項2】
請求項1記載の給湯器において、前記電動機器に信号接続された制御部、前記電動機器、前記二次電池及び前記コンバータは、1つの筐体内にあることを特徴とする給湯器。
【請求項3】
請求項2記載の給湯器において、前記電動機器にはバーナーと該バーナーに空気を送るファンがあって、前記二次電池は前記ファンの上流側に配置されて、該ファンによって空冷されることを特徴とする給湯器。
【請求項4】
請求項3記載の給湯器において、前記バーナーによって加熱される湯を溜めた前記貯湯タンクを、前記筐体の内に備えることを特徴とする給湯器。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の給湯器において、前記コンバータは、整流回路とチョッパー回路を備えることを特徴とする給湯器。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の給湯器において、前記コンバータは、トランスと整流回路を備えることを特徴とする給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電源を電力供給元とする給湯器に関する。
【背景技術】
【0002】
バーナーの熱を利用して水を加熱し、給湯栓(蛇口やシャワー)に湯を供給する給湯器は、バーナーに空気を供給するファンや、操作用のリモコン等、電力が供給されて作動する電動機器を多く備えている(例えば、特許文献1参照)。
給湯器は、商用電源からの電力によって、これらの電動機器を作動させ、給湯栓に対して所定温度の湯を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−163711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、商用電源からの電力供給は、災害、事故等によって停止することがあり、従来の給湯器では、商用電源からの電力供給が停止した際に、給湯栓に湯を供給することができないという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされるもので、二次電池を備え、停電時には二次電池に蓄えられた電力を用いて作動する給湯器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う本発明に係る給湯器は、貯湯タンクを有し、商用電源を電力供給元とする給湯器において、
該給湯器に使用する電動機器を直流仕様とし、前記商用電源からの交流電力を直流電力に変換するコンバータと、前記コンバータから出力される直流電力によって充電される二次電池とを備え、通常時には、前記商用電源からの交流電力を前記コンバータで変換した直流電力が前記電動機器に供給されて、該電動機器が作動し、前記商用電源が停電の際には、前記電動機器を前記二次電池からの直流電力によって作動させ、前記電動機器には、前記貯湯タンクから出湯された湯に水を混合する混合弁、及び、開かれることによって前記貯湯タンクからの湯が浴槽に送られる開閉弁がある。
【0006】
本発明に係る給湯器において、前記電動機器に信号接続された制御部、前記電動機器、前記二次電池及び前記コンバータは、1つの筐体内にあるのが好ましい。
【0007】
本発明に係る給湯器において、前記電動機器にはバーナーと該バーナーに空気を送るファンがあって、前記二次電池は前記ファンの上流側に配置されて、該ファンによって空冷されるのが好ましい。
【0008】
本発明に係る給湯器において、前記バーナーによって加熱される湯を溜めた前記貯湯タンクを、前記筐体の内に備えるのが好ましい。
【0009】
本発明に係る給湯器において、前記コンバータは、整流回路とチョッパー回路を備えるのが好ましい。
【0010】
本発明に係る給湯器において、前記コンバータは、トランスと整流回路を備えるのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る給湯器は、商用電源が停電の際には、電動機器を二次電池からの直流電力によって作動させるので、停電時にも二次電池に充電されていた電力を用いて給湯を行うことができる。
また、電動機器が交流仕様の場合には、二次電池から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータが設けられ、二次電池から出力される電力はインバータの駆動にも使用される。これに対し、本発明に係る給湯器は、給湯器に使用する電動機器を直流仕様としているので、インバータを設ける必要がなく、停電時に、消費電力を抑制した状態で電動機器を作動させることが可能である。
【0012】
本発明に係る給湯器において、電動機器に信号接続された制御部、電動機器、二次電池及びコンバータが1つの筐体内にある場合、制御部と二次電池を接続する電気接続線及び信号接続線に防水加工を施す必要がなく、設計を簡略化することが可能である。
【0013】
本発明に係る給湯器において、二次電池がファンの上流側に配置されて、ファンによって空冷される場合、二次電池が高温状態になるのを抑制し二次電池の寿命を延ばすことができ、しかも、二次電池を空冷するファンをバーナーに空気を送るファンとは別に用意する必要はなく、給湯器を構成する部品点数の低減化及び設計の簡略化を図ることが可能である。
【0014】
本発明に係る給湯器において、熱交換器によって加熱された湯を溜める貯湯タンクを、筐体の内に備える場合、安定的な湯の供給が可能である。
【0015】
本発明に係る給湯器において、コンバータが整流回路とチョッパー回路を備える場合、商用電源からの交流電力を確実に直流電力に変換することが可能である。コンバータが、トランスと整流回路を備える場合も、交流電力の直流電力への変換を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の一実施の形態に係る給湯器の説明図である。
図2】マイクロコンピュータの信号接続を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1に示すように、本発明の一実施の形態に係る給湯器10は、湯を溜めた貯湯タンク11と、貯湯タンク11内の湯を沸き上げるバーナー12を有し、商用電源13を電力供給元として作動して、貯湯タンク11内の湯を蛇口14やシャワー15に供給する。以下、詳細に説明する。
【0018】
給湯器10は、図1に示すように、給水管16から減圧弁17を介して水が供給される貯湯タンク11を有し、貯湯タンク11の下部には燃焼室18が形成されている。
燃焼室18にはバーナー12が設けられ、バーナー12は液体燃料(本実施の形態では灯油)を燃焼することによって発生する燃焼ガスを燃焼室18に供給して、貯湯タンク11内の湯を加熱する。なお、燃焼室18は、燃焼ガスを排出する図示しない排気機構を備えている。
【0019】
バーナー12には、バーナー12に液体燃料を送るポンプ19が接続され、バーナー12に空気を送るファン20が取付けられている。バーナー12は、ポンプ19によって液体燃料が供給され、ファン20によって空気が供給されることによって液体燃料を燃焼することができる。
貯湯タンク11には貯湯タンク11内の湯の温度を計測する温度センサ21が設けられ、ポンプ19及びファン20は、温度センサ21の計測温度が所定温度以下になったときに作動してバーナー12によって液体燃料を燃焼させる。なお、バーナー12には点火装置の一例である図示しないイグナイターが設けられている。また、本実施の形態では、バーナー12、ポンプ19及びファン20が一体となったバーナー装置22が用いられている。
【0020】
貯湯タンク11は、蛇口14及びシャワー15に設定温度の湯を供給する給湯流路25に連結され、給湯流路25には、浴槽23に湯を供給する湯張り流路24が連結されている。
給湯流路25には、貯湯タンク11から出湯された湯に水を混合する混合弁28と給湯流路25を流れる湯の流量を調整する比例弁29が設けられている。
貯湯タンク11からの湯が設定温度を超えている場合、混合弁28で貯湯タンク11からの湯に水が混合され、蛇口14やシャワー15に供給される湯の温度を下げる。比例弁29は、給湯流路25を流れる湯の流量を調整することによって、浴槽23への湯張り開始時等に蛇口14やシャワー15に供給される湯の温度が揺らぐのを抑制する。
【0021】
給水管16には混合弁28に供給される水の温度を計測する温度センサ30が設けられ、給湯流路25には、貯湯タンク11から出湯される湯の温度を計測する温度センサ31が設けられている。混合弁28における湯と水の混合比は、温度センサ30、31の計測温度を基にして決定される。
また、給湯流路25には、混合弁28から出た湯の温度を計測する温度センサ32が設けられている。蛇口14又はシャワー15に湯を供給している間、温度センサ32の計測温度と給湯用に設定された温度が比較され、給湯用に設定された温度の湯が蛇口14あるいはシャワー15に供給されるように、混合弁28及び比例弁29が作動する。
【0022】
湯張り流路24には開閉弁26が設けられ、開閉弁26が開かれると貯湯タンク11からの湯が給湯流路25及び湯張り流路24を経由して浴槽23に送られ湯張りが行われる。湯張り流路24は、温度センサ32の下流側で給湯流路25に連結され、浴槽23への湯張りが行われている間、貯湯タンク11から浴槽23に送られる湯の温度は、温度センサ32によって計測される。そして、温度センサ32の計測温度を基にバーナー12の燃焼が調整され、浴槽23に所定温度の湯が張られるようにする。
開かれた開閉弁26は、浴槽23に所定量の湯が溜まると閉じられて、浴槽23への湯張りを終了する。
なお、開閉弁26の下流側には、断水時でも浴槽23の湯が貯湯タンク11に逆流しないようにするため、図示しない逆流防止手段が設けられている。
【0023】
給湯器10には、バーナー12、ポンプ19、ファン20、温度センサ21、30〜32、開閉弁26、混合弁28及び比例弁29をはじめとする複数の電動機器(電力を供給されて作動する機器)が設けられ、これらの電動機器には制御部33が接続されている。
制御部33は、商用電源13と電動機器を電気的に接続する電力供給回路33a及び各種プログラムが搭載されたマイクロコンピュータ33b(演算装置の一例)を備え、通常時、即ち商用電源13が電力を供給可能な時、電動機器には、電力供給回路33aを介して商用電源13から電力が供給される。
【0024】
マイクロコンピュータ33bは、図2に示すように、バーナー12、ポンプ19、ファン20、温度センサ21、30〜32、開閉弁26、混合弁28及び比例弁29に信号接続され、指令信号を送信することによってこれらの電動機器を作動させることができる。
マイクロコンピュータ33bも電動機器の1つであり、マイクロコンピュータ33bにも、他の電動機器と同様に商用電源13からの電力が電力供給回路33aを介して供給される。
【0025】
給湯器10には、図1に示すように、二次電池35が設けられ、商用電源13が停電の際(以下、単に「停電時」ともいう)、即ち商用電源13からの電力供給が停止した際には、二次電池35から供給される直流電力によって電動機器を作動させる。
二次電池35は、交流電力を直流電力に変換するコンバータ37を介して商用電源13に電気的に接続されている。二次電池35は、通常時、即ち商用電源13から電力供給が可能な時、商用電源13から交流電力が供給されコンバータ37で変換されて出力される直流電力によって充電される。二次電池35としては、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池等を採用することができる。
本実施の形態では、コンバータ37に、交流電力を直流電力に変換する整流回路と変圧回路であるチョッパー回路を備えたものを採用しているが、チョッパー回路の代わりにトランス(変圧器)を用いてもよい。
【0026】
二次電池35の電力出力側には、電力供給回路33aへの電力の送り元を切り替えるリレースイッチ36が設けられている。リレースイッチ36は、図2に示すように、マイクロコンピュータ33bに信号接続されており、マイクロコンピュータ33bからの指令信号によって作動し、電力供給回路33aへの電力の送り元を切り替える。
具体的には、リレースイッチ36は、通常時、商用電源13を電力供給回路33aに電気的に接続し、商用電源13からの交流電力をコンバータ37で変換した直流電力が電力供給回路33aを介して電動機器に供給されるようにする。停電時には、二次電池35と電力供給回路33aがリレースイッチ36によって電気的に接続され、二次電池35からの直流電力が電力供給回路33aを介して電動機器に供給される状態となる。
【0027】
ここで、バーナー12、ポンプ19、ファン20、温度センサ21、30〜32、開閉弁26、混合弁28、比例弁29及びマイクロコンピュータ33bをはじめとする給湯器10に使用される電動機器は、直流仕様であり、直流電流を供給されて作動することができる。そのため、停電時に、二次電池35から出力される直流電力を交流電力に変換するインバータを設ける必要がなく、インバータの駆動によって電力が消費されるのを回避することが可能であり、これによって、停電時の給湯が可能な時間を長くすることができる。
【0028】
マイクロコンピュータ33bには、電力供給回路33aに電気的に接続された温度センサ38が信号接続されている。温度センサ38は、電動機器の1つであって、通常時に商用電源13から電力を供給されて作動し、二次電池35の表面温度を計測する。
マイクロコンピュータ33bは、通常時、温度センサ38から得た二次電池35の表面温度が所定温度(例えば60〜90℃の範囲で予め定められた温度)以上になったのを検知すると、バーナー12が燃焼を行っていない時であっても、ファン20を作動して二次電池35を空冷する。
【0029】
従って、二次電池35は、高温状態が継続するのを抑制される。二次電池は一般的に高温状態が継続すると短命になるので、このファン20による空冷は、二次電池35の寿命を長くするのに有効である。
本実施の形態では、停電時に、二次電池35から温度センサ38に対して電力が供給されず(即ち、二次電池35の表面温度は計測されない)、ファン20の作動はバーナー12を使用しているときのみに限定され、二次電池35に充電された電力の消費を抑制する設計となっている。これに対し、停電時に二次電池35から温度センサ38に対して電力を供給し、二次電池35の表面温度が所定温度以上になったのが検知されると、バーナー12の燃焼を行っていない時であっても、ファン20を作動させ二次電池35を空冷するようにすることもできる。
【0030】
また、二次電池35の表面温度を計測する温度センサ38、二次電池35、コンバータ37及びリレースイッチ36は、制御部33、貯湯タンク11、バーナー12、ポンプ19、ファン20、温度センサ21、30、31、32、開閉弁26、混合弁28及び比例弁29と共に1つの筐体39内に配置されている。
温度センサ38、二次電池35、コンバータ37及びリレースイッチ36を、制御部33を収めた筐体と別の筐体内に配置した場合には、制御部33とリレースイッチ36及び制御部33と温度センサ38をそれぞれ接続する電気接続線や信号接続線を防水設計する必要がある。これに対し、本実施の形態では、温度センサ38、二次電池35、コンバータ37及びリレースイッチ36を、制御部33と同一の筐体39内に収めているので、制御部33とリレースイッチ36及び制御部33と温度センサ38をそれぞれ接続する電気接続線や信号接続線を防水設計にする必要はなく、設計の簡略化が図られている。
【0031】
筐体39内には、ファン20の作動により外部から筐体39内に空気を取り込む給気路40が形成されている。二次電池35は、給気路40のファン20の上流側に配置され、ファン20が作動中に給気路40を流れる空気によって空冷される。
また、マイクロコンピュータ33bには、リビングやキッチンに配置される給湯リモコン41及び浴室内に配置される浴室リモコン42が信号接続されている。給湯器10の使用者は、給湯リモコン41及び浴室リモコン42を操作して、浴槽23への湯張り温度や、蛇口14及びシャワー15に供給する湯の温度を設定することができる。
【0032】
給湯リモコン41及び浴室リモコン42は、入力された温度等を表示する画面及び操作用の複数の入力ボタンを有し、図2に示すようにマイクロコンピュータ33bに信号接続されている。
なお、給湯リモコン41及び浴室リモコン42も、図1に示すように、電力供給回路33aに電気的に接続された直流仕様の電動機器であり、通常時は、商用電源13から電力を供給され、停電時には、二次電池35から電力を供給されて作動する。
【0033】
通常時、シャワー15及び蛇口14への給湯及び浴槽23への湯張りは、所定の操作によって開始され、全ての電動機器は、適宜、マイクロコンピュータ33bから指令信号を送信されて作動する。
停電時、マイクロコンピュータ33bは、浴槽23への湯張りを禁止し、シャワー15及び蛇口14への給湯のみが行える状態にする。このため、たとえ給湯リモコン41や浴室リモコン42で湯張りを開始するための操作がなされたとしても、開閉弁26は開かれず、湯張りは行われない。これは、停電時に二次電池35の電力の使用を制限し、シャワー15及び蛇口14への給湯を優先させるためである。
【0034】
マイクロコンピュータ33bは、タイマー機能を備え、停電時、シャワー15又は蛇口14への給湯を開始してから所定時間(3〜10分の間で設定可能)が経過すると、バーナー12、ポンプ19及びファン20への通電を停止して作動を止め、シャワー15又は蛇口14への給湯を停止する。
本実施の形態では、給湯リモコン41及び浴室リモコン42は、シャワー15又は蛇口14への給湯が停止する前にアラーム音を発し、使用者に対して給湯を停止する旨を事前に知らせる。そして、給湯リモコン41又は浴室リモコン42からの入力操作がなされると、バーナー12、ポンプ19及びファン20への通電を開始して、停止していた給湯を再び始める。
【0035】
また、停電時には、給湯リモコン41及び浴室リモコン42は省エネモードとなり、入力ボタンによる操作が所定時間なされないと画面が消えた状態になり、入力ボタンの操作がなされると画面を点灯する。停電時、給湯リモコン41及び浴室リモコン42は、入力ボタンの操作がなされると、通常時に比べて輝度が低い状態で画面を点灯する。
混合弁28及び比例弁29は、通常時、蛇口14及びシャワー15に給湯される湯の温度の揺らぎを抑制するため作動するが、停電時は、停止状態となり電力消費が抑えられた状態となる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、バーナーは、ガス燃料式のものであってもよい。
【符号の説明】
【0037】
10:給湯器、11:貯湯タンク、12:バーナー、13:商用電源、14:蛇口、15:シャワー、16:給水管、17:減圧弁、18:燃焼室、19:ポンプ、20:ファン、21:温度センサ、22:バーナー装置、23:浴槽、24:湯張り流路、25:給湯流路、26:開閉弁、28:混合弁、29:比例弁、30〜32:温度センサ、33:制御部、33a:電力供給回路、33b:マイクロコンピュータ、35:二次電池、36:リレースイッチ、37:コンバータ、38:温度センサ、39:筐体、40:給気路、41:給湯リモコン、42:浴室リモコン
図1
図2