(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記通知部は、前記パターン認識処理部により前記作業員が提示した所定のパターンを認識したとき第1の通知を行い、前記認識したパターンが表す稼動実績情報を前記稼動実績テーブルに一時的に書き込み、
前記第1の通知を行った後、前記パターン認識処理部により前記作業員が提示したパターンが確認を表すパターンであることを認識したとき、前記記録部は前記稼動実績テーブルに一時的に書き込んだ内容を確定し、前記通知部は、前記パターン認識処理部によるパターン認識の処理が正常に行われていることを示す第3の通知を行う
請求項2に記載の稼動実績取得システム。
前記通知部は、前記パターン認識処理部により前記作業員が提示した所定のパターンを認識したとき第1の通知を行い、前記認識したパターンが表す稼動実績情報を前記稼動実績テーブルに一時的に書き込み、
前記第1の通知を行った後、前記パターン認識処理部により前記作業員が提示したパターンが取消を表すパターンであることを認識したとき、前記通知部は、再度第1の通知を行い、そして前記記録部は、前記稼動実績テーブルに一時的に書き込んだ内容を消去する
請求項2に記載の稼動実績取得システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。なお、各図において共通の構成要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0012】
[稼動実績取得システム]
図1は、本発明の一実施の形態に係る稼動実績取得システムが適用される生産現場、及び撮像装置の設置例を示す説明図である。
生産現場100には、生産設備101A,101B,101Cを有する組立ラインがあり、組立ラインの傍らで作業員102が作業する。生産現場100は、一例として高精密を要する部品や機器の生産工場であり、生産設備101A〜101Cは例えばクリーンルーム内に設置されている。
【0013】
生産設備101A〜101Cの稼動実績(稼動、停止等の動作の実績)を取得するために、生産現場100外に画像認識のための撮像装置103(撮像部の一例)が設置されている。撮像装置103が生産現場100内を撮影できるよう、生産現場100の側壁には窓100aが設けられている。撮像装置103は、生産現場100内の生産設備101A〜101C周辺の特定の場所(特定スペース104)を窓100a越しに監視し、撮影して生成した画像データを稼動実績取得装置111(
図2参照)へ出力する。撮像装置103には、例えばデジタルビデオカメラを適用できる。
【0014】
本実施の形態では、作業員102が撮像装置103に向けてパターンを提示しているところを、撮像装置103が撮影する。撮像装置103が出力する画像データに含まれる当該作業員が提示したパターンを認識し、そのパターンに基づいて稼動実績情報を取得する。本実施の形態では、作業員102が撮像装置103に向けて提示するパターンに、作業員がとるポーズを利用する。
【0015】
図2は、本発明の一実施の形態に係る稼動実績取得システムの全体構成例を示す概略ブロック図である。
図2に示す稼動実績取得システム110は、撮像装置103と、稼動実績取得装置111と、表示灯115(通知部の一例)から構成されている。
【0016】
稼動実績取得装置111は、稼動実績取得端末112と、パターンマスタテーブル113と、稼動実績テーブル114を備える。稼動実績取得端末112は、図示しないインターフェース及び通信回線を介して撮像装置103と接続している。
【0017】
稼動実績取得端末112は、以下の機能を有する。
第1に、撮像装置103から、生産現場100内の特定スペース104上の作業員102を写した画像データを取得する機能である。
第2に、作業員102が生産現場100内で行う特別なポーズ(稼動実績情報を表すパターンの例:
図4参照)をパターンマスタテーブル113のパターンマスタ情報と照合し、マッチングしたパターンに基づいて、稼動実績の種別(例えば稼動開始、生産停止など)を判別する機能である。
第3に、照合の結果に応じた信号を表示灯115に送信し、表示灯115を点灯して作業員102に通知する機能である。
第4に、収集した稼動実績情報及びその日時情報を稼動実績テーブル114に記録する機能である。
【0018】
表示灯115は、例えば赤色表示部115rと、黄色表示部115yと、緑色表示部115gを備える。パターンマスタテーブル113と稼動実績テーブル114については、後述する。
【0019】
[稼動実績取得端末]
図3は、本発明の一実施の形態に係る稼動実績取得端末112の内部構成例を示すブロック図である。
稼動実績取得端末112には、上位計算機として例えばパーソナルコンピュータを利用することができる。
【0020】
稼動実績取得端末112は、制御部の一例であるCPU(Central Processing Unit)121を有している。また、稼動実績取得端末112は、CPU121が実行するプログラム等を記憶するためのROM(Read Only Memory)122と、CPU121の作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)123とを有している。これらは、システムバス128に接続されている。なお、ROM122としては、例えば、電気的に消去可能なプログラマブルROMを用いる。CPU121は、各ブロックの制御すなわち装置全体の制御を行う。
【0021】
また、CPU121は、システムバス128を介して、HDD(Hard Disk Drive)125、デコーダ124に接続されている。
デコーダ124は、インターフェース(図中I/F)124a及び通信回線を通じて、撮像装置103から画像データを取得し、符号化された画像データを復号する。圧縮された画像データをデコーダ124で伸長してもよい。
HDD125は、デコーダ124から出力される画像データを記録する。
【0022】
さらに、CPU121は、システムバス128を介して、操作部126、表示部127に接続されている。
操作部126は、複数のキーを備え、作業員のキー操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付けて、入力信号をCPU121に出力する。
表示部127は、液晶表示装置(LCD)又は有機ELD(Electro Luminescence Display)等の表示装置からなり、取得した画像データに関する情報や作業員に対する指示メニュー等を表示する。
なお、操作機能を備えるタッチセンサと表示機能を備える表示パネルを積層したタッチパネルによって、表示部127と操作部126を構成してもよい。
【0023】
さらに、CPU121は、システムバス128を介して、パターンマスタテーブル113、稼動実績テーブル114に接続されている。パターンマスタテーブル113及び稼動実績テーブル114の内容を記録する記録装置として、HDD125を利用してもよい。
【0024】
図4は、稼動実績取得システム110で用いられる、作業員が行うポーズの例を示す説明図である。
生産設備101A〜101Cの稼動状況に応じて作業員102が生産現場100内の特定スペース104で行う特別なポーズを複数設定し、設定したポーズごとにパターンコードと、パターン名称を割り当てる。ここで、ポーズとは、作業員の姿勢又は体の一部を用いて形成した形状の他、身振り、手振りなどの概念も含まれる。
【0025】
図4において、パターンコード01は「認識開始」のポーズである。「認識開始」のポーズは、作業員が撮像装置103を向いて足を肩幅程度に広げて両腕を左右に大きく広げた姿勢である。
パターンコード02は「確認」のポーズである。「確認」のポーズは、作業員が右手を上げて手の平を撮像装置103に向け、拳を作って親指を突き出した状態である。
パターンコード03は「稼動開始」のポーズである。「稼動開始」のポーズは、作業員が右手を上げて拳を作り、撮像装置103に近位指節間関節(指先から2番目の関節)付近を見せて親指を突き立てた状態である。
パターンコード04は「停止」のポーズである。「停止」のポーズは、作業員が右手を上げて手の平を撮像装置103に向け、5本の指を伸ばし、かつ親指を除く4本の指の隙間を閉じた状態である。
パターンコード05は「
取消」のポーズである。「
取消」のポーズは、作業員が撮像装置103を向き、腕を大きく交差させた状態である。
【0026】
図5は、パターンマスタテーブル113のレコードの例を示す説明図である。
図5に示すように、パターンマスタテーブル113は、「パターンコード」と「パターン名称」のフィールドを有する。作業員102が行う特別なポーズを、ポーズの種別ごとにパターンコード及びパターン名称と紐付けて、パターンマスタテーブル113に登録しておく。
本実施の形態では、パターンコード01に対するパターン名称は「認識開始」、同様に、パターンコード02は「確認」、パターンコード03は「稼動開始」、パターンコード04は「生産停止」、及びパターンコード05は「取消」である。
【0027】
図6は、稼動実績テーブル114のレコードの例を示す説明図である。
図6に示すように、稼動実績テーブル114は、「稼動実績取得日時」と「パターンコード」のフィールドを有する。稼動実績取得日時のフィールドには、稼動実績取得端末112が、作業員のポーズを解析してパターンコードを確認したときの、日付及び時刻が記録される。
【0028】
図7は、稼動実績取得端末112のソフトウェア機能の構成例を示すブロック図である。
稼動実績取得端末112は、ソフトウェア機能として、画像取得部131と、ポーズ認識処理部132(パターン認識処理部の一例)と、通知部133(通知部の一例)と、記録部134(記録部の一例)とを備える。
【0029】
画像取得部131は、撮像装置103から送られてきた画像データを、インターフェース124a(
図3参照)を通じて取得する。また画像取得部131は、取得後にデコーダ124で処理された画像データを、ポーズ認識処理部132へ入力する。
【0030】
ポーズ認識処理部132は、画像データに含まれるポーズ画像と、パターンマスタテーブル113のパターンマスタ情報と照合し、マッチングしたパターンに基づいて稼動実績の種別(例えば稼動開始、生産停止など)を判別する。
【0031】
通知部133は、ポーズ認識処理部132によるパターン照合結果に基づく信号を表示灯115に送信し、指定した色の表示部を点灯させる。点灯に代えて点滅でもよい。それにより、稼動実績取得端末112によるパターン照合結果が作業員102に伝えられる。
【0032】
例えば、作業員102が撮像装置103に向かってとったポーズにマッチングするパターンが、パターンマスタテーブル113にない場合又はポーズ認識処理部132でポーズを認識できない場合は、認識不可通知を発行し、赤色表示部115rを点灯させる。これにより、作業員102は、稼動実績取得装置111にポーズのパターンがないと判定されたこと又はポーズが認識されなかったことを知ることできる。
また、作業員がとったポーズにマッチングするパターンが、パターンマスタテーブル113にある場合は、認識可通知を発行し、黄色表示部115yを点灯させる。これにより、作業員102は、稼動実績取得装置111にポーズが認識されたことを確認することができる。
さらに、ポーズ認識処理部132で作業員がとった任意のポーズを認識(黄色表示部115yを点灯)した後で、さらにポーズ認識処理部132で作業員が確認ポーズをとったことを認識した場合は、正常処理通知を発行し、緑色表示部115gを点灯させる。これにより、作業員102は、稼動実績取得装置111で稼動実績取得処理が正常に行われたことを確認できる。
【0033】
記録部134は、収集した稼動実績情報の収集時刻、及び稼動実績情報を稼動実績テーブル114に記録する。
【0034】
[稼動実績取得処理]
次に、稼動実績取得装置111による稼動実績取得処理の流れを説明する。この説明にあたり、まず稼動実績取得装置111によるポーズ認識処理の流れを説明する。
【0035】
図8は、稼動実績取得装置111によるポーズ認識処理の流れを示すフローチャートである。
まず、撮像装置103が、生産現場100内の特定スペースでポーズをとる作業員102を撮影し、画像データを生成する。稼動実績取得端末112のCPU121は、撮像装置103からその作業員102が写った画像データを取得する(ステップS1)。
【0036】
続いて、CPU121は、取得した画像データに写っている作業員102のポーズと、パターンマスタテーブル113のパターンマスタ情報とを照合する(ステップS2)。
【0037】
CPU121は、照合の結果に基づいて、作業員102が行ったポーズの種別を判定すし(ステップS3)、ポーズ認識処理を終了する。
【0038】
図9は、稼動実績取得装置111における稼動実績取得処理の例を示すフローチャートである。
例えば、稼動実績取得装置111(稼動実績取得端末112のCPU121)は、撮像装置103が出力する画像データに基づいて生産現場100の特定スペース104に作業員102が入ってきたことを検知したとき又は所定の時間間隔で、稼動実績取得処理を開始する。
【0039】
稼動実績取得端末112は、稼動実績取得処理を開始すると、まず
図8に示したポーズ認識処理を行う(ステップS11)。ポーズ認識処理部132(
図7参照)は、画像取得部131から取得した画像データ内に、パターンマスタテーブル113に登録された認識開始ポーズ(パターンコード01)に対応する画像データが含まれているか否かを判定する(ステップS12)。
【0040】
ポーズ認識処理部132は、取得した画像データ内のポーズがパターンマスタテーブル113に登録されたポーズではない場合、又はポーズを認識できない場合(以下、「ポーズ認識不可の場合」と総称する)、ステップS13に進む。そして、通知部133に認識不可通知を発行して赤色表示部115rを点灯させ(第2の通知の例)、ステップS11の処理に戻る(ステップS13)。
【0041】
また、ポーズ認識処理部132は、取得した画像データ内のポーズがパターンマスタテーブル113に登録された認識開始を表すポーズである場合(以下、「ポーズ認識可の場合」と称する)、ステップS
14に進む。そして、通知部133に認識可通知を発行して黄色表示部115yを点灯させる(第1の通知の例)(ステップS14)。作業員102は、黄色表示部115yの点灯を見て、撮像装置103に向けて確認ポーズをとる。
【0042】
続いて、ポーズ認識処理部132は、
図8に示したポーズ認識処理を行う(ステップS15)。ポーズ認識処理部132は、画像取得部131から取得した画像データ内に、パターンマスタテーブル113に登録されたポーズに対応する画像データが含まれているか否かを判定する(ステップS16)。
【0043】
ここで、ポーズ認識処理部132は、ポーズ認識不可の場合、通知部133に認識不可通知を発行して赤色表示部115rを点灯させ、ステップS15の処理に戻る(ステップS17)。
一方、ポーズ認識処理部132は、ポーズ認識可の場合、通知部133に認識可通知を発行して黄色表示部115yを点灯させる(ステップS18)。
【0044】
記録部134は、ポーズ認識処理部132の指示を受けて、ステップS15の処理で認識したポーズに基づき、パターンコードと稼動実績取得日時を稼動実績テーブル114に一時的に書き込む(仮書き込み)(ステップS19)。仮書き込みは、一例としてRAM123に、パターンコードと稼動実績取得日時を書き込むことにより行われる。
【0045】
また、ポーズ認識処理部132は、
図8に示したポーズ認識処理を行う(ステップS20)。ポーズ認識処理部132は、画像取得部131から取得した画像データ内に、パターンマスタテーブル113に登録された確認ポーズ(パターンコード02)に対応する画像データが含まれているか否かを判定する(ステップS21)。
【0046】
ここで、ポーズ認識処理部132は、確認ポーズを認識しなかった場合、ステップS24の判定処理に進む。
一方、ポーズ認識処理部132は、確認ポーズを認識した場合、通知部133に正常処理通知を発行して緑色表示部115gを点灯させる(第3の通知の例)(ステップS22)。
【0047】
そして、記録部134は、ポーズ認識処理部132の指示を受けて、ステップS19で稼動実績テーブル114に一時的に書き込んだ、パターンコードと稼動実績取得日時を確定する(ステップS23)。これにより、稼動実績テーブル114に稼動実績が保存される。
【0048】
ステップS21の判定処理において確認ポーズが認識されなかった場合、ポーズ認識処理部132は、当該画像データ内に、パターンマスタテーブル113に登録された取消ポーズ(パターンコード05)に対応する画像データが含まれているか否かを判定する(ステップS24)。
【0049】
ここで、ポーズ認識処理部132は、取消ポーズを認識した場合、通知部133に認識可通知を発行して黄色表示部115yを点灯させる(ステップS25)。
【0050】
そして、記録部134は、ポーズ認識処理部132の指示を受けて、ステップS19で稼動実績テーブル114に一時的に書き込んだ、パターンコードと稼動実績取得日時を消去し(ステップS26)、ステップS15の処理に戻る。
【0051】
例えば、1回目のポーズ認識処理(ステップS15)において「生産停止」(パターンコード04)のポーズが認識された場合、黄色表示部115yが点灯される。
その後、それを確認した作業員102が更に「確認」のポーズをとり、2回目のポーズ認識処理(ステップS20)において「確認」のポーズが認識された場合、稼動実績取得装置111は生産停止と判断する。また稼動実績取得処理が正常に行われたことを示すために緑色表示部115gが点灯される。
その後、再度生産設備が稼動を開始した際には、同様に作業員102の「稼動開始」(パターンコード03)と「確認」のポーズを、ポーズ認識処理部132が認識することにより、生産設備の稼動開始を判断する。
【0052】
ステップS24の判定処理においてポーズ認識不可の場合、ポーズ認識処理部132は、通知部133に認識不可通知を発行して赤色表示部115rを点灯させ、ステップ20の処理に戻る(ステップS27)。
【0053】
上述した本発明の一実施の形態によれば、撮像装置103で作業員102が提示するパターン(ポーズ)を撮像装置103で撮影する。そして、撮像装置103が出力する画像データに含まれる当該作業員102が提示したパターンを稼動実績取得装置111で認識し、認識したパターンに基づいて稼動実績情報を取得する。
それにより、生産現場100に稼動実績取得システム110を導入するに際し、新たな配線工事をすることなく、上位計算機である稼動実績取得装置111において既存の生産設備101A〜101Cの稼動実績を取得することができる。
また、頻繁に行われる生産設備の配置換えに対しては、撮像装置103の設置場所や特定スペースの位置を変更することで対応可能である。
特に稼動実績を取得したい生産設備がクリーンルーム内にある場合、クリーンルーム内の環境を損なうことなく、当該生産設備の稼動実績を取得することが可能になる。
【0054】
なお、
図9の例では、始めに作業員102が認識開始のポーズをとった後、稼動実績を表すポーズをとる処理を説明したが、始めに認識開始のポーズをとらない処理としてもよい。
【0055】
なお、緑色表示部115gは、作業員102がとるポーズの種別が稼動実績取得装置111によって認識され、稼動実績取得処理が正常に行われているかどうかを作業員102に通知するためのものであるので、必要に応じて適宜設ければよい。
【0056】
[メンテナンス処理]
次に、稼動実績取得装置111のポーズ認識機能を利用して、稼動実績取得装置111が備えるパターンマスタテーブル113のメンテナンスを行う例を説明する。
【0057】
図10は、本発明の一実施の形態の変形例に係る稼動実績取得システムの構成例を示す概略ブロック図である。
図10に示す稼動実績取得システム110Aは、稼動実績取得装置111Aと撮像装置103を備えている。稼動実績取得装置111Aは、メンテナンステーブル116を備えている点で、稼動実績取得装置111と相違する。
【0058】
メンテナンステーブル116は、稼動実績取得装置111Aのポーズ認識に関する情報を記録するテーブルである。メンテナンステーブル116に記録された情報を、パターンマスタテーブル113のメンテナンスに利用する。
【0059】
図11は、本発明の一実施の形態の変形例に係る稼動実績取得装置によるメンテナンス処理の例を示すフローチャートである。
図11に示すように、ステップS12,S16,S24(
図9参照)の判定処理において取得した画像データ内のポーズがパターンマスタテーブル113に登録されたポーズではない場合、又はポーズを認識できない場合、記録部134は、ポーズ認識不可であるという情報をメンテナンステーブル116に記録する(ステップS31)。ポーズ認識不可と判断されたときの日時を併せて記録してもよい。
【0060】
また、ステップS24(
図9参照)の判定処理において取得した画像データ内のポーズが取消ポーズである場合、記録部134は、取消ポーズであるという情報をメンテナンステーブル116に記録する(ステップS32)。取消ポーズと判断されたときの日時を併せて記録してもよい。
【0061】
そして、通知部133は、ポーズ認識不可であるという情報と取消ポーズであるという情報からメンテナンス情報を作成し、表示部127に表示する(ステップS33)。
【0062】
例えば、ポーズ認識不可と判定されたポーズは、稼動実績取得装置111にとって認識しにくいポーズであると考えられる。また、取消ポーズを認識したということは、稼動実績取得装置111が作業員102のポーズを誤認識したと考えることができる。すなわち、これらに該当するポーズは、パターンコードを正しく判定することが困難なポーズといえる。
そこで、各ポーズについて、ポーズ認識不可及び取消ポーズを判定された回数を表示する。あるいは、これらを判定された回数が設定した回数を超えたポーズについては、メンテナンスが必要なポーズであるという表示をしてもよい。
【0063】
作業員102又は生産現場100の責任者等は、表示されたメンテナンス情報を確認して、ポーズの変更を検討し、パターンマスタテーブル113をメンテナンスする(ステップS34)。
【0064】
例えばポーズ認識不可及び取消ポーズを判定された回数が、設定した回数を超えた場合、作業員102が目的のポーズを正しく作れていない可能性がある。その場合は、作業員102が目的のポーズを正しく行えるようアドバイスするなどの対策がとれる。また、認識しやすいポーズに変更することも一案である。その場合は、パターンマスタテーブル113のパターンコードとパターン名称に、変更後のポーズを紐つけて登録する処理を行う。
【0065】
このように、ポーズ認識不可であるという情報と取消ポーズであるという情報を利用してメンテナンス情報を作成することで、ポーズの見直しや、パターンマスタテーブル113のメンテナンスを行うことができる。それにより、作業員102のとるポーズを稼動実績取得装置111が誤認識することが減り、稼動実績取得装置111が生産設備101A〜101Cの正確な稼動実績を取得できる。
【0066】
なお、上述した実施の形態において、撮像装置103として例えばデジタルビデオカメラを適用したが、デジタルスチルカメラを用いることもできる。
【0067】
また、上述した実施の形態において、作業員102が撮像装置103の前で特別なポーズをとる例を説明したが、作業員102が撮像装置103に向けてパターンコードと対応させたカラー板を掲げるようにしてもよい。ポーズ認識処理部132(識別情報処理部)が、ポーズに代わりカラー板の色を解析することによって、パターンコードを特定する。このようにした場合、カラー板の色とパターンコードを紐付けているので、作業員102がとるポーズを認識する場合と比較して、誤認識が少なくなる。また、パターンマッチング処理を行わないので、ポーズ認識処理部132(CPU121)の処理負荷が軽減される。なお、稼動実績を表すパターンは、板に表示した文字又は図形等の情報でもよい。
【0068】
また、上述した実施の形態において、ポーズ認識状況を作業員102に通知する手段に表示灯115を用いる例を説明したが、スピーカー等を用いた音声による通知、又は表示部127への画面表示による通知でもよい。ポーズ認識状況を表示部127の画面に表示した場合、文字や図形、絵等を用いてポーズ認識状況を容易かつ確実に知らせることが可能になる。なお、表示部127への画面表示による通知を行う場合、生産現場100の側壁に窓を設け、作業員102が窓越しに表示部127の画面を確認できるものとする。
【0069】
また、上述した実施の形態において、生産現場100内の生産設備101A〜101Cの稼動実績をまとめて管理したが、生産設備101A〜101Cを個別に制御できる場合、生産設備101A〜101Cの稼動実績を個別に取得するようにしてもよい。例えば、生産設備101A〜101Cに1〜3の番号を割り当て、作業員102が撮像装置103に向けて見せる指の数で生産設備を指定する。その後、作業員102は、指定した生産設備に関する稼動実績情報を、上述の実施の形態と同様にポーズを用いて稼動実績取得装置111に伝達する。なお、生産設備を指定する他の方法として、例えば数字もしくは記号を記載したボードを撮像装置103に向けて提示してもよい。
【0070】
さらに、本発明は上記の実施の形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
例えば、上記した実施の形態例は本発明をわかりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施の形態例の構成の一部を他の実施の形態例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施の形態例の構成に他の実施の形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態例の構成の一部について、他の構成の追加・置換、削除をすることが可能である。
【0071】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するためのソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に保持することができる。
【0072】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
【0073】
また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。