(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載の内視鏡では、ライトガイドとして円環状のファイバを用いているため、照明光の出射光強度分布は左右方向と上下方向との比率が1:1の円形状または円環状となる。そのため、横長のアスペクト比を有するモニタを用いた場合、画面上の左右端の照明光量が少なくなる、あるいは、画面上の上下方向にはみ出した位置に対応する領域を無駄に照明してしまい、照明光の有効利用ができないという課題があった。また、円環状のファイバを用いているため、挿入管の先端部の口径はファイバによって決まり、口径を小さくし難いという課題があった。
【0008】
また、特許文献2に記載の内視鏡では、挿入管の先端部に上下方向と左右方向とでレンズのパワーが異なる光拡散部を有しているため、照明光の出射光強度をモニタのアスペクト比に近づけることができる。しかしながら、光拡散部は先端部の中心を同軸とする円環形状となっているため、挿入管の中心に対して左右方向に配置されたライトガイドに対しては、上下方向の屈折力は左右方向に比べて非常に小さく拡散効果が殆ど得られないという課題が有った。光拡散部の拡散効果はレンズ形状の表面の曲率と光拡散部の屈折率によって決まっており、十分な光拡散効果を得られない場合があった。また、光拡散部によって拡散してキャップ内を透過した照明光が、キャップの出射端面で反射されてしまい、拡散効果と出射光量が低下してしまうという課題があった。
【0009】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、挿入管の口径を小さくし、照明光の発散効果を向上すると共に、照明光の出射光強度分布がモニタのアスペクト比、および、観察窓による観察範囲と整合し、照明光の出射光量を大きくする内視鏡用照明光学系を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明により、可撓性を有する挿入管に設けられた内視鏡用照明光学系であって、挿入管内において、挿入管の中心を挟んで第1の方向に並んで配置された2つのライトガイドと、挿入管先端部の先端面上に配置された観察窓と、挿入管先端部の先端面上の2つのライトガイドの端面に対向する位置に、ぞれぞれ前記観察窓を挟むように配置された、負の屈折力を有する2つの凹レンズ部と、を備え、先端面上における、2つのライトガイドの端面の第1の方向の幅が、第1の方向と直交する第2の方向の幅に比べて小さく、2つの凹レンズ部の第1の方向の負の屈折力が、第2の方向の負の屈折力に比べて大きく、ライトガイドから出射して凹レンズ部を透過した照明光のうち、ライトガイドの先端部側の中心を通ってライトガイドの端面中心から射出された照明光の光路が、挿入管の軸方向を基準として、第1の方向において外側に傾いている、ことを特徴とする、内視鏡用照明光学系が提供される。
【0011】
このような構成によれば、ライトガイドから出射した照明光は、凹レンズ部において発散され、また、第1の方向への発散効果の方が第2の方向への発散効果よりも大きく、出射方向は第1の方向に傾いているため、出射した照明光の強度分布は、第1の方向に広がった強度分布となる。これにより、照明光は広い範囲を照明することができ、広い範囲を観察窓から観察することができる。また、照明光の強度分布は第1の方向に広がった分布であるため、観察窓から観察した範囲の画像を横長のアスペクト比を有するモニタに表示する時に、モニタのアスペクト比に、照明光のアスペクト比を合わせることができ、照明光を有効利用できる。
【0012】
内視鏡用照明光学系は、2つのライトガイドの端面の前に、照明光を透過させる材質からなる外径が円形のキャップを更に備え、凹レンズ部は、キャップの端面の側を窪ませることによって形成されていてもよい。
【0013】
このような構成によれば、安価に、かつ、簡素な構成により凹レンズ部を形成することが可能になる。
【0014】
内視鏡用照明光学系は、2つの凹レンズ部の光軸が、それぞれ対応するライトガイドの光軸に対して偏心していてもよい。
【0015】
このような構成によれば、凹レンズ部によってライトガイドから出射した照明光の出射角度を広げ、凹レンズ部をライトガイドに対して偏心させることによって、照明光の出射方向を変化させることができる。そのため、出射した照明光の強度分布を凹レンズ部と偏心によって調整可能で、強度分布のアスペクト比を使用するモニタのアスペクト比に合わせやすくすることができる。
【0016】
内視鏡用照明光学系は、2つのライトガイドの端面の第1の方向の幅をw(単位:mm)と定義し、凹レンズ部の窪みの第1の方向の曲率半径をr(単位:mm)と定義し、凹レンズ部の光軸の、対応するライトガイドの光軸に対する偏心量をs(単位:mm)と定義し、キャップの材質のd線に対する屈折率をn
dと定義した場合に、次の条件式
2×10
−3<(n
d×w×s
2)/r<13×10
−3
を満たす構成としてもよい。
【0017】
このような構成によれば、凹レンズ部の発散効果を大きくでき、かつ、界面での全反射によってキャップ内に閉じ込められる照明光の割合を低下して、出射光量を向上することができる。
【0018】
内視鏡用照明光学系は、2つのライトガイドの端面の第1の方向の幅をw(単位:mm)と定義し、先端面内における内視鏡先端部中心を通る第1の方向において、2つの凹レンズ部のうちの1つの端面のキャップの外縁に最も近い位置と、キャップの外縁との間の、最も短い距離をd(単位:mm)と定義し、凹レンズ部の窪みの第1の方向の曲率半径をr(単位:mm)と定義し、凹レンズ部の光軸の、対応するライトガイドの光軸に対する、挿入管の中心方向への偏心量をs(単位:mm)と定義し、キャップの材質のd線に対する屈折率をn
dと定義した場合に、次の条件式
15×10
−6<(n
d×w×d×s
3)/r<200×10
−6
を満たす構成としてもよい。
【0019】
このような構成によれば、凹レンズ部の発散効果を大きくでき、かつ、界面での全反射によってキャップ内に閉じ込められる照明光の割合を低下して、出射光量を向上することができる。
【0020】
内視鏡用照明光学系は、板状のキャップの外径が、挿入管の先端方向に向かうに従って小さくなるように構成されていてもよい。
【0021】
このような構成によれば、挿入管を体腔内などに挿入する場合に、挿入管が体腔内の内壁から受ける抗力を抑制することができ、挿入管を体腔内に挿入し易くすることができる。
【0022】
内視鏡用照明光学系は、先端面上における、2つのライトガイドの端面が、挿入管の中心に向うに従って低くなるように傾斜していてもよい。
【0023】
このような構成によれば、ライトガイドの端面で照明光が、第1の方向における外側に屈折して出射するため、出射した照明光の強度分布として、横長の強度分布を得ることができる。
【0024】
内視鏡用照明光学系は、2つのライトガイドは、挿入管の先端領域において、挿入管の先端方向に向かうに従って、挿入管の中心から離れるように湾曲して配置され、先端面上における、2つのライトガイドの端面は、湾曲したライトガイドの軸方向と垂直になるように、挿入管の中心に向うに従って高くなるように傾斜していてもよい。
【0025】
このような構成によれば、ライトガイドの端面から出射した照明光は、第1の方向における外側に出射するため、出射した照明光の強度分布として、横長の強度分布を得ることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の内視鏡用照明光学系によれば、挿入管の口径を小さくし、照明光の発散効果を向上でき、照明光の出射光強度分布をモニタのアスペクト比、および、観察窓による観察範囲と整合させることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して、本発明の内視鏡用の照明光学系の実施形態について説明する。
【0029】
図1は、本実施形態の照明光学系151を有する内視鏡100の外観図である。
図1に示されるように、内視鏡100は、可撓性を有するシースによって外装されたチューブ状の挿入管101を有している。挿入管101の先端には、硬質性を有する樹脂製筐体によって外装された先端部102が設けられている。挿入管101の先端部102の手前にある湾曲部103は、挿入管
101の基端に連結された操作部104からの遠隔操作(具体的には、湾曲操作ノブ105の回転操作)によって屈曲自在に構成されている。この屈曲機構は、一般的な内視鏡に組み込まれている周知の機構であり、湾曲操作ノブ105の回転操作に連動した操作ワイヤの牽引によって湾曲部103を屈曲させるように構成されている。先端部102の方向が上記操作による屈曲動作に応じて変わることにより、内視鏡100による撮影領域が移動する。
【0030】
照明光学系151は、観察対象領域を照明し、観察対象領域の撮像画像を得るための光学系であり、以下で詳細に説明するように、先端部102内に配置された光学的構成要素(キャップ3、凹レンズ部8A、8B等)および内視鏡100内に延設されたライトガイド4A、4Bを含む。観察対象領域の撮像画像を取得するため、先端部102内において、観察対象領域からの物体光は撮像素子7の受光面上に結像される(
図2参照)。本実施形態の内視鏡100は、例えば鼻咽喉の観察を想定して設計されている。そのため、照明光学系151の視野角は80°から100°程度で、かつ非常に細径であることを想定している。また内視鏡100の接続部106は、図示しない外部装置に接続されている。外部装置は光源を有しており、広い視野内の観察対象領域を照明するための照明光が内視鏡100に供給される。また、外部装置は、内視鏡100の撮像素子7から出力された信号を受信して信号処理および画像処理を行い、図示しないモニタに観察画像として表示する。
【0031】
図2(a)および
図2(b)に、それぞれ本発明の内視鏡100の挿入管101の先端部102の上面図および断面図を示す。
【0032】
先端部102の先端面10上には2つの配光窓1A、1Bと観察窓2が設けられており、更に、配光窓1A、1Bを覆うように透明なキャップ3が設けられている。なお、
図2(a)では、説明のため、キャップ3は記載していない。2つの配光窓1A、1Bは、x軸方向から観察窓2を挟むように設けられている。2つの配光窓1A、1Bは、それぞれ挿入管101の内部に設けられたライトガイド4A、4Bによって外部装置と光学的に接続されている。外部装置の光源から出射した照明光は、ライトガイド4A、4Bを通って配光窓1A、1Bから出射し、体腔内の観察対象領域を照明する。配光窓1A、1Bから出射し、観察対象領域で反射された照明光は、物体光として観察窓2で取り込まれる。配光窓1A、1Bのxy平面内での断面形状は、x軸方向の長さよりもy軸方向の長さの方が長くなるように構成されており、
図2(a)に示すような三日月状をしている。
【0033】
観察窓2は、円筒状の保持部材5によって保持された対物レンズ6と撮像素子7を備え、撮像素子7は、挿入管101の内部に設けられた図示しない信号線によって外部装置と接続されている。観察窓2で取り込まれ、対物レンズ6によって撮像素子7上に集光された物体光は、撮像素子7で電気信号に変換され、この電気信号が信号線を通って外部装置に送信される。撮像素子7としては、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどが用いられる。また、モニタとしては、表示部のアスペクト比が4:3や16:9の横長のモニタが用いられる。
【0034】
また、
図2(b)に示すように、観察窓2は保持部材5と共に、配光窓1A、1Bが設けられている面よりも先端方向(z軸の正の方向)に突出している。保持部材5は照明光を透過させない材質で構成されており、配光窓1A、1Bから出射した照明光が観察対象領域を照明せずに観察窓2に入射すること、いわゆる迷光を防ぎ、撮像画像の画質が低下するのを抑制している。
【0035】
また、挿入管101の先端部102に設けられているキャップ3は、先端部102の先端面10を覆うよう、かつ、観察窓2にはかからないように形成されており、円環形状をしている。これは、配光窓1A、1Bから出射し、キャップ3内に入射した照明光が観察対象領域を照明せずに、キャップ3の境界で反射して観察窓2に入射すること(迷光)を抑制するためである。なお、キャップ3の材質としては、照明光を透過させる樹脂やガラスなどが用いられるが、これらに限定されない。
【0036】
キャップ3の下面側(z軸の負の方向の側)における、2つ配光窓1A、1Bに対向する位置には、それぞれ凹レンズ部8A、8Bが形成されている。凹レンズ部8A、8Bはキャップ3を凹状に窪ませて形成されており、負の屈折力(パワー)を有する。キャップ3の凹レンズ部8A、8Bのxy平面内での断面形状は、x軸方向の長さよりもy軸方向の長さの方が長くなるように構成された楕円形状をしている。そのため、凹レンズ部8A、8Bの負のパワーは、窪みの曲率半径の小さいx軸方向の方が、曲率半径の大きいy軸方向よりも大きい。ここで、凹レンズ部8A、8Bのxz平面内での断面およびyz平面内での断面は球面となっており、凹レンズ部8A、8Bは断面により曲率の異なる非球面の凹レンズとして機能する。この機能により、ライトガイド4A、4Bを通って配光窓1A、1Bから出射し、凹レンズ部8A、8Bを透過した照明光が発散され、その光強度分布はx軸方向に広がった横長の分布となる。
【0037】
なお、本実施形態では、先端部102の先端面10の面積を有効に利用するために、配光窓1A、1Bおよびキャップ3の凹レンズ部8A、8Bのxy平面内の断面形状は三日月状としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、凹レンズ部8A、8Bのxy平面内の断面形状として、x軸方向の外径に比べてy軸方向の外径が長い楕円形や長方形の形状としてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、作製を容易にするために、凹レンズ部8A、8Bのxzおよびyz平面内の断面を球面状として説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、凹レンズ部8A、8Bのxzおよびyz平面内の断面は非球面であっても同様の効果が得られることは言うまでもない。非球面設計にすれば、より配光の自由度を増すことができる。
【0039】
また、本実施形態の凹レンズ部8A、8Bのxzおよびyz平面内の断面は球面状であり、凹レンズ部8A、8Bの表面は中心対称軸がx軸と略平行なトロイダル面となっているが、本発明はこれに限定されない。例えば、中心対称軸がx軸からxz面内で傾いたトロイダル面としてもよい。あるいは、x軸方向とy軸方向とで曲率の異なるアナモフィック面としてもよい。これらにおいても、同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0040】
また、キャップ3の凹レンズ部8A、8Bの光軸OCは、配光窓1A、1Bおよびライトガイド4A、4Bの光軸OLに対して偏心しており、凹レンズ部8A、8Bは、x軸方向において、先端面10の中心側に僅かにシフトして配置されている。これにより、配光窓1A、1Bは、凹レンズ部8A、8Bに対して相対的に外側に配置され、凹レンズ部8A、8Bを透過した照明光は、偏心していない場合に比べて、それぞれx軸の負方向、正の方向に傾いて出射する。そのため、凹レンズ部8A、8Bの、x軸方向における発散効果は、偏心していない場合に比べて大きくなる。
【0041】
配光窓1A、1Bから出射し、凹レンズ部8A、8Bで発散された照明光は、キャップ3内を通りキャップ3の側面12または上面11(z軸の正の方向の側の面)から出射する。出射した照明光の強度分布は、x軸方向に広がった、横長の分布となる。本実施形態では、キャップ3の凹レンズ部8A、8Bのx軸方向のパワーが大きく、かつ、凹レンズ部8A、8Bが配光窓1A、1Bに対して偏心しているため、照明光のx軸方向への発散効果が大きく、表示部が横長のモニタを用いた場合において、モニタのアスペクト比に照明光の強度分布を合わせることができる。これにより、モニタに表示されない領域を照射することによる照明光の利用効率の低下を抑制し、モニタの表示部全体にわたって明るい撮像画像を得ることができる。
【0042】
また、
図2(b)では、キャップ3の側面12は、挿入管101の先端面10に対して垂直としているが、
図2(c)に示すように、先端方向(z軸の正の方向)に向うに従って細くなるように傾斜面9を設けても良い。これにより、挿入管101を体腔内に挿入する際に、キャップ3が体腔内壁から受ける抗力を減らし、容易に挿入することができる。また、キャップ3の側面12と上面11とは、非連続に接続されているのではなく、
図2(d)に示すように、曲面Rによって連続的に接続されていても良い。キャップ3の側面12と上面11とを、曲面Rによって連続的に接続することにより、挿入管101を体腔内に挿入する際に、体腔内壁から受ける抗力を更に減らすことができる。
【0043】
なお、キャップ3の側面12から出射した照明光の出射角度は、キャップ3の上面11から出射した照明光の出射角度よりも小さくなる。
図3は、キャップ3内における進行方向が互いに平行な光線L1およびL2が上面11および側面12でそれぞれ屈折する様子を示している。光線L1、L2は、それぞれキャップ
3の上面11および側面12に入射し、各面から光線L1’、L2’として出射する。いずれの光線L1、L2も、キャップ3の境界で屈折するが、光線L1は、屈折後の光線L1’の出射角度(ここでは、出射光線と内視鏡の軸(光軸、z軸)とがなす角をいう。以下同じ。)が光線L1の進行方向よりも広くなる(進行方向と光軸と成す角が大きくなる)ように屈折し、光線L2は、屈折後の光線L2’の出射角度が光線L2の進行方向よりも狭くなる(進行方向と光軸と成す角が小さくなる)ように屈折する。そのため、従来の内視鏡の照明光学系では、広い出射角度を得るためには、キャップ3の側面12から出射する照明光の割合を下げる必要があり、そのために、キャップ3の外径を大きくする必要があった。しかしながら、本実施形態によれば、照明光の発散効果が大きく、キャップ3の側面12から出射した照明光の出射角度を広げることができるため、キャップ3の外径を大きくする必要が無く、挿入管101の先端部102を細くすることができる。これにより、挿入管101を体腔内に挿入し易くなる。
【0044】
また、キャップ3の上面11および側面12は、キャップ3の下面側に設けられた凹レンズ部8A、8Bのような特別な構造は有しておらず、滑らかな表面を有しているが、これに限定されない。たとえば、配光窓1A、1Bから出射してキャップ3内に入射した照明光の、キャップ3の上面11または側面12の境界でのフレネル反射を抑制して、出射光量を向上するために、回折格子や微細構造を設けても良い。また、キャップ3と対物レンズ6を保持する保持部材5との境界や、キャップ3の下面のうち、凹レンズ部8A、8Bが設けられている領域以外に、反射率の高い材料(例えば、白色の塗料や金属ミラーなど)を設けてもよい。これにより、挿入管101の表面や保持部材5で照明光が吸収されるのを抑制し、観察対象領域への照明光量を向上することができる。
【0045】
また、凹レンズ部8A、8Bの照明光を発散させ、強度分布を横長にする機能は、キャップ3の下面を窪ませることで実現できるため、内視鏡100の高コスト化および構造の複雑化を抑制することができる。
【0046】
次に、本発明の内視鏡用の照明光学系151の実施例について説明する。
【0047】
上述したように、本発明の内視鏡の挿入管101は、断面形状がx軸方向の外径に比べてy軸方向の外径の方が長いライトガイド4A、4Bと、負のパワーを有する凹レンズ部8A、8Bとを備え、凹レンズ部8A、8Bの光軸OCをライトガイドの光軸OLに対してx軸方向において先端部102の中心の側に偏心させることにより、出射光のx軸方向への発散効果を大きくすることを特徴とする。この発散効果について、キャップ3および配光窓1A、1B(ライトガイド4A、4B)の材質や形状を変化させた場合の出射光の光線追跡シミュレーションを実施した。
【0048】
シミュレーションの実施条件を、
図4を参照して説明する。シミュレーションでは、パラメータとして、配光窓1A、1Bのx軸方向の幅w、キャップ3のd線に対する屈折率n
d、負のパワーを有する凹レンズ部8A、8Bの窪みのx軸方向の曲率半径r、凹レンズ部8A、8Bのx軸方向の外側の端からキャップ3の周縁部までのx軸方向の距離d、ライトガイド4A、4Bの光軸OLに対する凹レンズ部8A、8Bの光軸OCのx軸方向へのズレ量(偏心量)s、およびキャップ3の側面12の傾斜角度θを変化させて、凹レンズ部8A、8Bの発散効果を計算した。ここで、先端部102の先端面10の中心Oを座標の中心とすると、幅wは、中心Oを通るx軸上における幅を表す。すなわち、配光窓1A、1Bの形状が三日月状の場合、幅wは、配光窓1A、1Bのx軸方向における最長幅となる。また、距離dは、x軸上における距離を表す。また、上述したように、広い出射角度を得るためには、キャップ3の側面12から出射する照明光の割合を下げることが望ましい。そのため、キャップ3のz軸方向の厚さは薄い方が望ましいが、薄くし過ぎると、キャップ3の機械的強度が低下し、製造し難くなるという問題が生じる。このシミュレーションでは、製造のし易さを踏まえて、いずれの条件でも、キャップ3のz軸方向の厚さを0.5[mm]とした。偏心量sは、凹レンズ部8A、8Bの光軸OCがライトガイド4A、4Bの光軸OLに対して先端部102の中心側(内側)へ偏心した場合を正としている。また、ライトガイド4A、4Bを通り、配光窓1A、1Bから出射する照明光の出射角度として、0度および30度の場合について計算を行った。
【0049】
まず、シミュレーションを行った計算条件を表1に示す。表1には、計算条件のパラメータおよび凹レンズ部8A、8Bの発散効果を表す関数Φ1および関数Φ2の計算結果を示す。関数Φ1および関数Φ2は凹レンズ部8A、8Bの発散効果を定量化するための式であり、それぞれ下記の式(1)および式(2)によって表される。
【表1】
Φ1=(n
d×w×s
2)/r ・・・(1)
Φ2=(n
d×w×d×s
3)/r ・・・(2)
【0050】
関数Φ1に関し、屈折率n
dが大きいほど、凹レンズ部8A、8Bの界面における照明光の屈折角度が大きくなり、凹レンズ部8A、8Bの発散効果が大きくなる。また、偏心量sが正の方に大きくなるほど、凹レンズ部8A、8Bを透過した光の出射方向が外側へ傾き、外側への発散効果が大きくなる。また、凹レンズ部8A、8Bの負のパワーが大きくなるほど(窪みの曲率半径rが小さくなるほど)、発散効果が大きくなる。また、凹レンズはレンズの中心から外側に向うに従ってパワーが大きくなるため、配光窓
1A、1Bの幅wが大きいほど、パワーの大きい凹レンズの外側を通る照明光の割合が増加し、発散効果が大きくなる。このことから、関数Φ1は、凹レンズ部8A、8Bの外側への発散効果の大きさを表している。なお、偏心による発散効果への寄与を強調するために、偏心量sは二乗して式に導入している。
【0051】
関数Φ2は、関数Φ1にキャップ3の外径の効果を加味したものである。キャップ3内を通りキャップ3の上面11に入射した照明光は、キャップ3の上面11で、出射角度が大きくなるように屈折する。一方、キャップ3の側面12に入射した照明光は、出射角度が小さくなるように屈折する。このことから、凹レンズ部8A、8Bのx軸方向の外側の端からキャップ3の周縁部までの距離dが大きいほど、キャップ3の側面12から出射する照明光の割合が減少し、発散効果は大きくなる。また、距離dが小さいと、キャップ3の側面12から出射する照明光の割合が増え、発散効果が小さくなるため、発散効果を大きくするためには、偏心量sを大きくする必要がある。このことから、距離dと偏心量sを関数Φ1に乗じた関数Φ2により、キャップ3の外径を加味した発散効果の大きさを表すことができる。
【0052】
なお、実施例1〜6のパラメータは、以下の関数Φ1および関数Φ2が、それぞれ以下の条件式(3)および条件式(4)を満たすように選択されている。
2×10
−3<Φ1< 13×10
−3 ・・・(3)
15×10
−6<Φ2<200×10
−6 ・・・(4)
条件式(3)および条件式(4)は、いずれも、キャップ3に設けられた凹レンズ8A、8Bに、内視鏡用の照明光学系151として望ましい発散効果を与えるための条件を表している。
【0053】
条件式(3)に関し、関数Φ1が条件式(3)の上限以上になると、凹レンズ部8A、8Bによる発散効果が過剰になり、配光窓1A、1Bから出射し、凹レンズ部8A、8Bで発散された光がキャップ3の側面12に入射し易くなる。
図3において説明したように、キャップ3の側面12から出射する光は、キャップ3の上面11から出射する光よりも出射角度が小さくなるため、関数Φ1が上限以上になることは好ましくない。また、関数Φ1が下限以下になると、凹レンズ部8A、8Bによる発散効果が不足する。そのため、キャップ3からの出射光が十分に発散されないため、関数Φ1が下限以下になることは好ましくない。一方、関数Φ1が条件式(3)を満たすと、凹レンズ部8A、8Bによる発散効果が大きくなり、且つ、キャップ3の側面12に入射する光の量を抑えることができる。
【0054】
条件式(4)に関する臨界的意義は条件式(3)と同じである。ただし、上述のように関数Φ2にはキャップ3の外径の影響が含まれているため、条件式(4)から、キャップ3の外径を加味した望ましい条件が得られる。これにより、使用する内視鏡100の挿入管101の外径に合わせてキャップ3の外径を変化させた場合においても、凹レンズ部8A、8Bの望ましい条件を得ることができる。
【0055】
次に、各計算条件におけるシミュレーション結果を、図を参照して説明する。
図5に、キャップ3が無い場合における、ライトガイド4A、4Bを通り配光窓1A、1Bから出射した照明光の光線の一例を示す。
図5(a)は、照明光の出射角度が0度の場合、
図5(b)は、照明光の出射角度が30度の場合の計算例である。配光窓1A、1Bから出射する照明光の出射角度は、ライトガイド4A、4Bの太さや、光源とライトガイド4A、4Bとの接続条件によって異なるが、内視鏡では、一般に30度〜40度程度の出射角度を有するものが用いられる。以下に示す計算では、本願発明の発散効果の説明を分かりやすくするため、出射角度が0度の場合と30度の場合でシミュレーションした結果を用いて説明する。また、計算結果において図示する光線は、配光窓
1A、
1B内の領域のうち、x軸上の最も外側の位置から出射される光線であり、以下ではこの光線についてのみについて説明する。これは、配光窓
1A、
1Bからの出射位置が外側に向うほどキャップ3の側面12に入射し易くなり、キャップ3からの出射光の出射角度が小さくなり易いため、凹レンズ部8A、8Bによる発散効果が端的に表れるためである。また、シミュレーションでは、説明の便宜上、観察窓3や保持部材5、対物レンズ6については考慮していない。
【0056】
図6に、実施例1における、出射光のシミュレーション結果を示す。
図6(a)は実施例1のパラメータのうち、偏心量sをゼロにした場合、
図6(b)は凹レンズ部8A、8Bを偏心させた場合の結果を示し、配光窓1Aから出射する照明光の出射角度は0度、配光窓1Bから出射する照明光の出射角度は30度である。出射角度が0度の場合、偏心の有無によらず、凹レンズ部8A、8Bによって照明光の出射角度が大きくなっているが、偏心させた場合の出射角度がより大きく、発散効果が大きい。また、出射角度が30度の場合、偏心がないと、配光窓1Bからの出射光は、キャップ3内部において、キャップ3の側面12および上面11で全反射し、キャップ3外への照明光の取り出しが出来ないのに対し、偏心があると、キャップ3の側面12から照明光を取り出すことができる。このことから、実施例1では、条件式(3)、条件式(4)を満たすように凹レンズ部8A、8Bを偏心させることによって、凹レンズ部8A、8B発散効果を向上させるとともに、照明光量を向上させている。
【0057】
図7、
図8に、それぞれ実施例2および3における、出射光のシミュレーション結果を示す。
図7(a)、
図8(a)は実施例2および3のパラメータのうち、偏心量sをゼロにした場合、
図7(b)、
図8(b)は凹レンズ部8Aを偏心させた場合の結果を示し、配光窓1Aから、30度の出射角度で照明光が出射する場合の結果を示す。偏心が無いと、配光窓1Aからの出射光はキャップ3内部において、キャップ3の側面12および上面11で全反射し、キャップ3外への照明光の取り出しが出来ないのに対し、偏心があると、キャップ3の側面12から出射角度の大きい照明光を取り出すことができる。このことから、実施例2および3では、凹レンズ部8A、8Bを偏心させることによって、発散効果を向上させるとともに、照明光量を向上させている。
【0058】
図9〜
図11に、それぞれ実施例4〜6における、出射光のシミュレーション結果を示す。なお、実施例4では、キャップ3の側面12には11.3度の傾斜面9が設けられている。
図9(a)〜
図11(a)は実施例4〜6のパラメータのうち、偏心量sをゼロにした場合、
図9(b)〜
図11(b)は凹レンズ部8Aを偏心させた場合の結果を示し、配光窓1Aから、30度の出射角度で照明光が出射する場合の結果を示す。偏心の有無によらず、凹レンズ部8Aによって照明光の出射角度が大きくなっているが、偏心させた場合の方が出射角度が大きく、発散効果が大きい。このことから、実施例4〜6では、凹レンズ部
8A、8Bを偏心させることによって、発散効果を向上させている。
【0059】
次に表1に示す照明光学系451の参考例1〜3について説明する。参考例1〜3では、内視鏡の先端部402内に設けられたライトガイド34内を導波した照明光は、配光窓31から出射する。出射した照明光は、キャップ33内を通り、キャップ33の側面42または上面41(z軸の正の方向の側の面)から出射する。キャップ33の下面(z軸の負の方向の側の面)の配光窓31に対向する位置には、凹レンズ部38が形成されている。参考例1〜3のシミュレーションに用いたパラメータは、
図4に示す実施例1〜6に対するパラメータと同じである。また、参考例1〜3は、いずれも条件式(3)および条件式(4)を満たしていない。参考例1では、関数Φ1および関数Φ2は、上記の条件式(3)および条件式(4)の下限よりも小さく、参考例2および3では、関数Φ1および関数Φ2は、上記の条件式(3)および条件式(4)の上限よりも大きい。
【0060】
図12に、参考例1における、出射光のシミュレーション結果を示す。
図12(a)は参考例1のパラメータのうち、偏心量sをゼロにした場合の結果、
図12(b)は凹レンズ部38を偏心させた場合の結果を示し、配光窓31から、30度の出射角度で照明光が出射する場合の結果を示す。参考例1の関数Φ1および関数Φ2は、上記の条件式(3)および条件式(4)の下限よりも小さいため、発散効果が小さい。参考例1(
図12)と、キャップ3の側面12に傾斜面9が設けられ、光の照明角度が30度の実施例4(
図9)とを比較すると、偏心による発散効果の向上は、参考例1の方が小さい。
【0061】
図13、
図14に、それぞれ参考例2、3における、出射光のシミュレーション結果を示す。
図13(a)、
図14(a)は参考例2および3のパラメータのうち、偏心量sをゼロにした場合の結果、
図13(b)、
図14(b)は凹レンズ部38を偏心させた場合の結果を示し、配光窓31から、0度の出射角度で照明光が出射する場合の結果を示す。いずれの参考例においても、偏心が無いと、出射光の出射角度は大きくなっている。一方、偏心があると、参考例2、3の関数Φ1および関数Φ2は、上記の条件式(3)および条件式(4)の上限よりも大きいため、発散効果が過剰となる。参考例2の場合は、出射光はキャップ33の側面12および上面11で全反射され、キャップ33外に取り出すことが出来ない。また、参考例3の場合は、一度、凹レンズ部38で出射角度が大きくなった照明光が、キャップ3の側面12で出射角度が小さくなって出射し、発散効果が得られていない。
【0062】
上記のように、関数Φ1および関数Φ2がそれぞれ条件式(3)および条件式(4)を満たす実施例1〜6では、凹レンズ部8A、8Bが適切な発散効果を備えているため、照明光の発散効果および出射光強度の向上効果が得られるのに対し、条件式(3)および条件式(4)を満たしていない参考例1〜3では、凹レンズ部38の発散効果が過剰または不足するため、キャップ33の側面
42からの出射光量が増えて出射光が発散しにくくなる、または、キャップ33内の出射光がキャップ33の側面
42または上面
41で全反射し、キャップ3外への照明光の取り出し効率が低下する。
【0063】
次に、本発明の内視鏡用の照明光学系の他の実施形態を示す。
【0064】
図15は、本発明の他の実施形態における照明光学系251を有する内視鏡の先端部202の断面図を示す。
図15に示す内視鏡の先端部202は、配光窓1A、1Bの配置が異なること、および、配光窓1A、1Bの配置に合わせてキャップ3の下面の形状を変化させていること以外は、
図2に示す内視鏡100の先端部102と同じである。照明光学系251は、先端部202内に配置された光学的構成要素(キャップ3A、凹レンズ部8A、8B等)および内視鏡100内に延設されたライトガイド4A、4Bを含む。
【0065】
図2に示す実施形態では、配光窓1A、1Bはキャップ3の上面11と平行に配置されており、ライトガイド4A、4Bの光軸OLは配光窓1A、1Bに対して垂直であるのに対し、本実施形態の配光窓1C、1Dは、
図15に示すように、x軸方向において先端部202の外周側から観察窓
2側に向うに従って低くなるように、斜めに配置されている。また、配光窓1C、1Dの面はライトガイド4A、4Bの光軸OLに対して垂直ではない。また、キャップ3Aの下面は、斜めに配置された配光窓1C、1Dに合うように斜めに形成されている。また、斜めに形成されたキャップ3Aの下面の配光窓1C、1Dに対応する位置に、凹レンズ部8A、8Bが形成されている。ここで、凹レンズ部8A、8Bの光軸OCは、ライトガイド4A、4Bの光軸OLに対して偏心させている必要は無い。
【0066】
このように、配光窓1C、1Dがライトガイド4A、4Bの光軸に対して斜めに配置されていることにより、ライトガイド4A、4Bを通った照明光は、配光窓1C、1Dが垂直に配置されている場合に比べて、配光窓1C、1Dでの屈折によって、x軸方向において外側に広がって出射するため、発散効果を向上することができる。
【0067】
また、凹レンズ部8A、8Bの光軸を、ライトガイド4A、4Bの光軸に対して、先端部202の中心方向に向かって偏心させてもよい。これにより、凹レンズ部8A、8Bを透過した照明光を、x軸方向において外側に広がって出射させることができ、偏心させていない場合に比べて、発散効果を更に向上することができる。
【0068】
次に、本発明の内視鏡用の照明光学系の別の実施形態を示す。
【0069】
図16は、本発明の他の実施形態における照明光学系351
を有する内視鏡の先端部302の断面図を示す。
図16に示す内視鏡の先端部302は、配光窓1E、1Fの配置が異なること、および、配光窓1E、1Fの配置に合わせてキャップ3Bの下面の形状を変化させていること、先端部302内のライトガイド4A、4Bの配置が異なること以外は、
図2に示す実施形態と同じである。照明光学系351は、先端部302内に配置された光学的構成要素(キャップ3B、凹レンズ部8A、8B等)および内視鏡100内に延設されたライトガイド4A、4Bを含む。
【0070】
図2に示す実施形態では、ライトガイド4A、4Bの光軸OLは、内視鏡100の挿入管101および先端部102の軸方向(z軸方向)と平行であったのに対し、
図16に示す本実施形態では、ライトガイド4A、4Bは、挿入管101とは平行であるが、挿入管101の先端部302の領域においては、先端方向(z軸の正の方向)に向かうに従ってx軸方向において外側に広がるように配置されている。ここで、配光窓1E、1Fは、先端部302におけるライトガイド4A、4Bの光軸に対して垂直に配置されている。すなわち、配光窓1E、1Fは、x軸方向において先端部302の外周側から観察窓3側に向うに従って高くなるように、斜めに配置されている。また、キャップ3Bの下面は、斜めに配置された配光窓1E、1Fに合うように斜めに形成されている。また、斜めに形成されたキャップ3Bの下面の配光窓1E、1Fに対応する位置に、凹レンズ部8A、8Bが形成されている。ここで、先端部302におけるライトガイド4A、4Bの光軸はz軸と平行ではなく、z軸の正の方向に向かうに従って、先端部302の中心から離れるようにそれぞれx軸の正および負の方向に傾いている。
【0071】
このように、ライトガイド4A、4Bの光軸が外側に広がるように配置されていることにより、ライトガイド4A、4Bを通った照明光は、ライトガイド4A、4Bが先端部302の軸方向(z軸方向)と平行に配置されている場合に比べて、x軸方向において外側に広がって配光窓1E、1Fから出射するため、発散効果を向上することができる。
【0072】
また、凹レンズ部8A、8Bの光軸を、ライトガイド4A、4Bの光軸と平行な方向に定義した場合、凹レンズ部8A、8Bの光軸を、先端部302におけるライトガイド4A、4Bの光軸に対して、先端部302の中心方向に向かって偏心させてもよい。これにより、凹レンズ部8A、8Bを透過した照明光を、x軸方向において外側に広がって出射させることができ、偏心させていない場合に比べて、発散効果を更に向上することができる。
【0073】
以上が本発明の実施形態の説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。