(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5891211
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20160308BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
H01L21/92 602H
H01L21/92 602D
H01L23/12 501P
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-183162(P2013-183162)
(22)【出願日】2013年9月4日
(62)【分割の表示】特願2007-298361(P2007-298361)の分割
【原出願日】2007年11月16日
(65)【公開番号】特開2013-239756(P2013-239756A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2013年10月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149766
【弁理士】
【氏名又は名称】京村 順二
(72)【発明者】
【氏名】鮫島 克己
【審査官】
樫本 剛
(56)【参考文献】
【文献】
特開平09−139387(JP,A)
【文献】
特開平09−199505(JP,A)
【文献】
特開2004−071872(JP,A)
【文献】
特開2005−175128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
H01L 23/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップ上に形成された配線と、
前記配線を被覆し、前記配線を部分的に露出させる開口を有するパッシベーション膜と、
前記配線における前記開口に臨む部分上に形成され、かつその周縁部が前記パッシベーション膜における前記開口の周囲に乗り上げて形成されたバリア膜と、
前記開口内から隆起状に突出するように前記バリア膜上に形成されたポストバンプと、
前記ポストバンプの上面に接合された半田ボールとを含み、
前記ポストバンプの下面は、前記バリア膜に下側から支持された基端部と、前記基端部から前記バリア膜の周縁よりも側方にはみ出し、前記パッシベーション膜との間に空間を生じさせている周縁部とを含み、
前記ポストバンプの前記周縁部は、前記パッシベーション膜との対向方向に変形可能であり、前記ポストバンプに生じた応力を前記周縁部の変形により吸収できることを特徴とする、半導体装置。
【請求項2】
前記パッシベーション膜は、前記半導体チップの最表面を形成している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記ポストバンプの上面は、前記半導体チップの表面の法線方向から見た平面視において、前記パッシベーション膜における前記開口と重なる位置に設けられている、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記バリア膜に接するように前記バリア膜上に形成されたシード膜をさらに含み、
前記ポストバンプは、前記シード膜を介して前記バリア膜上に形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記シード膜の下面は、前記バリア膜に下側から支持されたシード基端部と、前記シード基端部から前記バリア膜の周縁よりも側方にはみ出し、前記パッシベーション膜との間に空間を生じさせているシード周縁部とを含み、
前記シード膜の前記シード周縁部は、前記パッシベーション膜との対向方向に変形可能であり、前記ポストバンプに生じた応力を前記シード周縁部の変形により吸収できることを特徴とする、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記シード膜の側面は、前記ポストバンプの側面と面一をなしている、請求項4または5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体チップの表層部に形成された層間絶縁膜をさらに含み、
前記配線は、前記層間絶縁膜上に形成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記ポストバンプが、Cuからなり、
前記バリア膜が、TiW、Ti、TaおよびTaNからなる群から選択される1種からなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記ポストバンプが、Auからなり、
前記バリア膜が、TiWからなる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記配線が、Alからなる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記配線が、Cuを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記配線が、AlCuからなる、請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記配線が、Cuからなる、請求項11に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、いわゆるWL−CSP(ウエハレベルチップサイズパッケージ:Wafer Level-Chip Size Package)技術が適用された半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、半導体装置の高機能化・多機能化に伴って、WL−CSP技術の実用化が進んでいる。WL−CSP技術では、ウエハ状態でパッケージング工程が完了され、ダイシングによって切り出された個々のチップサイズがパッケージサイズとなる。
図4は、WL−CSP技術が適用された半導体装置の構造を示す図解的な断面図である。
【0003】
この半導体装置101は、その基体をなす半導体チップ(図示せず)を備えている。半導体チップ上には、SiO
2(酸化シリコン)からなる層間絶縁膜102が形成されている。層間絶縁膜102上には、Al(アルミニウム)からなる配線103が所定の配線パターンで形成されている。層間絶縁膜102および配線103上には、SiN(窒化シリコン)からなり、配線103を被覆するパッシベーション膜104が形成されている。パッシベーション膜104には、配線103の一部をパッシベーション膜104から露出させるための開口105が形成されている。
【0004】
配線103における開口105に臨む部分上には、Ti(チタン)からなるバリア膜106が形成されている。バリア膜106の周縁部は、パッシベーション膜104に乗り上げている。バリア膜106上には、Cu(銅)からなるポストバンプ107が形成されている。ポストバンプ107の側面は、バリア膜106の側面と面一をなしている。ポストバンプ107上には、半田ボール108が形成されている。半田ボール108は、配線基板上の外部配線に接続される外部端子である。半田ボール108が配線基板上の外部配線に接続されることにより、配線103と外部配線との電気的な接続が達成されるとともに、半導体装置101が配線基板上に支持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−353897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような構造では、半田ボール108に外力が加わると、バリア膜106およびポストバンプ107の周縁部に応力が集中し、この応力の集中により、バリア膜106の周縁部の直下に位置するパッシベーション膜104にクラックが生じるおそれがある。
また、パッシベーション膜104におけるクラックの発生を防止するために、パッシベーション膜104上に開口105と連通する貫通孔を有するポリイミド層を形成し、バリア膜106の周縁部をポリイミド層上に配置することが考えられる。バリア膜106の周縁部とパッシベーション膜104との間にポリイミド層が介在されるため、バリア膜106およびポストバンプ107の周縁部に応力が集中しても、その応力は、ポリイミド層によって吸収され、パッシベーション膜104に伝達されない。よって、パッシベーション膜104にクラックが生じるのを防止することができる。
【0007】
しかし、ポリイミド層を形成する工程を追加しなければならないので、半導体装置101の製造工程数の増加を招き、製造コストが増大してしまう。また、ポリイミド層は、応力を吸収することができる十分な厚さに形成する必要がある。そのため、半導体装置101の厚さが増すという問題もある。
そこで、本発明の目的は、製造工程数の増加や厚さの増大などの問題を生じることなく、パッシベーション膜にクラックが生じるのを防止することができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、半導体チップ上に形成された配線と、前記配線を被覆し、前記配線を部分的に露出させる開口を有するパッシベーション膜と、前記配線における前記開口に臨む部分上に形成され、かつその周縁部が前記パッシベーション膜における前記開口の周囲に乗り上げて形成されたバリア膜と、前記
開口内から隆起状に突出するように前記バリア膜上に形成され
たポストバンプと
、前記ポストバンプの上面に
接合された
半田ボールとを
含み、前記ポストバンプの下面は、前記バリア膜に下側から支持された基端部と、前記基端部から前記バリア膜の周縁よりも側方にはみ出し、前記パッシベーション膜との間に空間を生じさせている周縁部とを含み、前記ポストバンプの前記周縁部は、前記パッシベーション膜との対向方向に変形可能であり、前記ポストバンプに生じた応力を前記周縁部の変形により吸収できることを特徴とする、半導体装置である。
この構成によれば、半導体チップ上に配線が形成されている。配線は、パッシベーション膜によって被覆されている。パッシベーション膜には、配線をパッシベーション膜から部分的に露出させる開口が形成されている。配線における開口に臨む部分上には、バリア膜が形成されている。バリア膜上には、ポストバンプが形成されている。
ポストバン
プの下面
は、バリア膜に下側から支持された基端部と、
基端部からバリア膜の周縁よりも側方にはみ出し、パッシベーション膜との間に空間を生じさせている周縁部とを含む。このポストバンプの上面に
、半田ボールが
接合されている
。
ポストバンプの周縁部は、当該周縁部とパッシベーション膜との間に空間が生じていることにより、当該空間において、パッシベーション膜との対向方向に変形可能である。よって、ポストバンプに応力が生じても、その応力をポストバンプの周縁部の変形により吸収することができる。その結果、パッシベーション膜にクラックが生じるのを防止することができる。
また、この構成では、パッシベーション膜とポストバンプとの間に、応力緩和のためのポリイミド層が介在されないので、ポリイミド層を設けることによる製造工程数の増加や半導体装置の厚さの増大などの問題を生じない。
【0009】
請求項2記載の発明のように、前記パッシベーション膜は、前記半導体チップの最表面を形成していることが好ましい。
請求項
3記載の発明のように、前記ポストバンプの上面は、前記半導体チップの表面の法線方向から見た平面視において、前記パッシベーション膜における前記開口と重なる位置に設けられていてもよい。
【0010】
請求項
4記載の発明のように、前記バリア膜に接するように前記バリア膜上に形成されたシード膜をさらに含み、前記ポストバンプは、前記シード膜を介して前記バリア膜上に形成されていてもよい。
請求項
5記載の発明のように、
前記シード膜の下面
は、前記バリア膜に下側から支持されたシード基端部と、
前記シード基端部から前記バリア膜の周縁よりも側方にはみ出し、前記パッシベーション膜との間に空間を生じさせているシード周縁部とを含んでいてもよい。この構成において、前記シード膜の前記シード周縁部は、前記パッシベーション膜との対向方向に変形可能であり、前記ポストバンプに生じた応力を前記シード周縁部の変形により吸収できることを特徴とする。
請求項
6記載の発明のように、前記シード膜の側面は、前記ポストバンプの側面と面一をなしていてもよい。
請求項
7記載の発明のように、前記半導体チップの表層部に形成された層間絶縁膜をさらに含み、前記配線は、前記層間絶縁膜上に形成されていてもよい。
【0011】
請求項
8記載の発明のように、前記ポストバンプが、Cuからなり、前記バリア膜が、TiW、Ti、TaおよびTaNからなる群から選択される1種からなっていてもよい。
請求項
9記載の発明のように、前記ポストバンプが、Auからなり、前記バリア膜が、TiWからなっていてもよい。
請求項
10記載の発明のように、前記配線が、Alからなっていてもよい。
請求項
11記載の発明のように、前記配線が、Cuを含んでいてもよい。
請求項
12記載の発明のように、前記配線が、AlCuからなっていてもよい。
請求項
13記載の発明のように、前記配線が、Cuからなっていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る半導体装置の外観を示す側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る半導体装置の構造を示す図解的な断面図である。
【
図3A】
図2に示す半導体装置の製造方法を説明するための図解的な断面図である。
【
図4】従来の半導体装置の構造を示す図解的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の外観を示す側面図である。
この半導体装置1は、WL−CSP技術が適用された半導体装置であり、半導体チップ2と、半導体チップ2上に設けられた複数のポストバンプ3と、各ポストバンプ3
の上面に接合された半田ボール4とを備えている。
【0019】
図2は、
図1における破線Aで囲まれた部分の構造を示す図解的な断面図である。
半導体チップ2の表層部には、SiO
2からなる層間絶縁膜5が形成されている。層間絶縁膜5上には、Alからなる配線6が所定の配線パターンで形成されている。
層間絶縁膜5および配線6上には、配線6を被覆するパッシベーション膜7が形成され、パッシベーション膜7には、配線6の一部をパッシベーション膜7から露出させるための開口8が形成されている。
【0020】
配線6における開口8に臨む部分上には、TiW(チタンタングステン)からなるバリア膜9が被着されている。バリア膜9は、所定の膜厚T(たとえば、180nm)を有しており、開口8内において、配線6の表面およびパッシベーション膜7の側面を覆い、その周縁部がパッシベーション膜7の表面に乗り上がっている。
バリア膜9上には、Cuからなるシード膜10が形成されている。
シード膜10の下面は、バリア膜9に下側から支持されたシード基端部と、シード基端部からバリア膜の周縁よりも側方にはみ出し、パッシベーション膜7との間に空間を生じさせているシード周縁部とを含む。シード膜10の
シード周縁部は、バリア膜9の周縁に対して側方に、バリア膜9の膜厚Tよりも大きいはみ出し量Dではみ出して形成されている
。
【0021】
シード膜10上には、ポストバンプ3が
開口8内から隆起状に
突出するように形成されている
。ポストバンプ3は、たとえば、Cuからなる。ポストバンプ3の側面は、シード膜10の側面とほぼ面一をなしている。
ポストバンプ
3の下面
は、バリア膜9に下側から支持された基端部と、
基端部からバリア膜9の周縁よりも側方にはみ出し、パッシベーション膜7との間に空間を生じさせている周縁部とを含む。ポストバンプ3の周縁部は、空間を挟ん
でパッシベーション膜7に対向している
。
ポストバンプ3の周縁部とパッシベーション膜7との間に空間が存在することにより、ポストバンプ3の周縁部は、パッシベーション膜7との対向方向に変形可能である。よって、ポストバンプ3に応力が生じても、その応力をポストバンプ3の周縁部の変形により吸収することができる。その結果、パッシベーション膜7にクラックが生じるのを防止することができる。
【0022】
また、半導体装置1では、パッシベーション膜7とポストバンプ3との間に、応力緩和のためのポリイミド層が介在されないので、ポリイミド層を設けることによる製造工程数の増加や、半導体装置1の厚さの増大などの問題を生じない。
また、ポストバンプ3の周縁部のはみ出し量Dは、バリア膜9の膜厚Tよりも大きい。これにより、ポストバンプ3における変形可能な周縁部の幅をバリア膜9の膜厚よりも大きく確保することができる。
【0023】
図3A〜3Eは、
図2に示す半導体装置の一部の製造方法を工程順に示す図解的な断面図である。
まず、
図3Aに示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学的気相成長)法により、層間絶縁膜5が形成される。その後、スパッタ法により、層間絶縁膜5上の全面に、Alからなる金属膜(図示せず)が形成される。そして、公知のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術により、層間絶縁膜5上の金属膜が選択的に除去される。これにより、層間絶縁膜5上に、所定の配線パターンを有する配線6が形成される。
【0024】
次いで、CVD法により、層間絶縁膜5および配線6上に、パッシベーション膜7が形成される。その後、パッシベーション膜7上に、レジストパターン(図示せず)が形成される。このレジストパターンをマスクとして、パッシベーション膜7がエッチングされることにより、
図3Bに示すように、パッシベーション膜7に、配線6の一部をパッシベーション膜7から露出させる開口8が形成される。開口8の形成後、レジストパターンは除去される。
【0025】
その後、スパッタ法により、配線6における開口8に臨む部分およびパッシベーション膜7上に、TiWからなるバリア膜9が形成される。次いで、スパッタ法により、バリア膜9上にCuからなるシード膜10が形成される。そして、シード膜10上に、ポストバンプ3が形成されるべき部分に開口11を有するレジスト膜12が形成される。その後、レジスト膜12の開口11内に、Cuをめっき成長させることにより、
図3Cに示すように、ポストバンプ3が形成される。ポストバンプ3の形成後、レジスト膜12は除去される。
【0026】
次いで、ウェットエッチングにより、シード膜10におけるポストバンプ3から露出した部分が除去される。すなわち、シード膜10をエッチング可能な液がシード膜10に供給されて、シード膜10がポストバンプ3と接する部分を残して除去される。これにより、
図3Dに示すように、ポストバンプ3とバリア膜9との間にポストバンプ3の側面とほぼ面一な側面を有するシード膜10が残る。
【0027】
その後、バリア膜9をエッチング可能な液がバリア膜9に供給される。このとき、シード膜10の下方のバリア膜9にまでエッチングが進行するように、エッチング液の供給時間が設定される。これにより、
図3Eに示すように、バリア膜9におけるシード膜10から露出した部分およびシード膜10の周縁部とパッシベーション膜7とに挟まれた部分が除去される。その結果、バリア膜9の側面は、シード膜10の側面よりも内側(開口8側)に位置し、ポストバンプ3およびシード膜10は、それらの周縁部がバリア膜9の周縁に対して側方にはみ出した形状となる。
【0028】
このように、ウェットエッチングにより、バリア膜9の材料からなる層をパターニングする工程において、ポストバンプ3の下方にまでエッチングが進行するようにエッチング時間を設定することにより、ポストバンプ3の周縁部のはみ出し量Dをバリア膜9の膜厚Tよりも大きくすることができる。これにより、製造工程数の増加を招くことなく、シード膜10の周縁部とパッシベーション膜7との間に空間を形成することができる。
【0029】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、上記の実施例では、バリア膜9の材料としてTiWを用いたが、バリア膜9の材料としては、Cuの拡散に対するバリア性を有する材料であればよく、例えば、Ti(チタン)、Ta(タンタル)およびTaN(窒化タンタル)などを例示することができる。
【0030】
また、ポストバンプ3の材料としてCuを用いたが、ポストバンプ3の材料としては、Au(金)を用いてもよい。ポストバンプ3の材料としてAuが採用された場合、バリア膜9の材料としては、TiWを用いることができる。
また、配線6は、Cuを含む金属材料を用いて形成されていてもよい。Cuを含む金属材料としては、例えば、AlCu(アルミニウム/銅合金)およびCuを例示することができる。その場合、層間絶縁膜5に、その上面から掘り下がった配線溝が形成され、この配線溝に配線6が埋設されてもよい。
【0031】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
この明細書および図面から抽出される構成を以下に示す。
項1.半導体チップと、前記半導体チップ上に形成されたAlまたはAlCuからなる配線と、前記配線を被覆するパッシベーション膜と、前記パッシベーション膜を貫通して形成され、前記配線を前記パッシベーション膜から部分的に露出させるための開口と、TiW,Ti,TaおよびTaNからなる群から選択される1種からなり、前記配線における前記開口に臨む部分上に形成され、かつその周縁部が前記パッシベーション膜における前記開口の周囲を覆う(前記開口の周囲に乗り上げて形成された)バリア膜と、前記バリア膜上に形成されたCuからなるポストバンプとを備え、前記ポストバンプは、その下面が前記バリア膜に下側から支持された基端部と、前記基端部の前記下面と同一平面からなる下面を有し、当該下面と前記パッシベーション膜との間に空間が形成されるように前記基端部から前記バリア膜の周縁よりも(断面視で)側方にはみ出した周縁部とを含み、前記バリア膜の周縁に対する前記ポストバンプの周縁部のはみ出し量は、前記バリア膜の膜厚よりも大きい、半導体装置。
この構成によれば、半導体チップ上には、配線が形成されている。配線は、パッシベーション膜によって被覆されている。パッシベーション膜には、配線をパッシベーション膜から部分的に露出させるための開口が形成されている。配線における開口に臨む部分上には、バリア膜が形成されている。バリア膜上には、その周縁部がバリア膜の周縁部よりも側方にはみ出した隆起状のポストバンプが形成されている。
ポストバンプの周縁部がバリア膜の周縁よりも側方にはみ出していることにより、ポストバンプの周縁部とパッシベーション膜との間に空間が生じている。この空間が存在することにより、ポストバンプの周縁部は、パッシベーション膜との対向方向に変形可能である。よって、ポストバンプに応力が生じても、その応力をポストバンプの周縁部の変形により吸収することができる。その結果、パッシベーション膜にクラックが生じるのを防止することができる。
また、この構成では、パッシベーション膜とポストバンプとの間に、応力緩和のためのポリイミド層が介在されないので、ポリイミド層を設けることによる製造工程数の増加や半導体装置の厚さの増大などの問題を生じない。
また、前記バリア膜の周縁に対する前記ポストバンプの周縁部のはみ出し量は、前記バリア膜の膜厚よりも大きい。
このように、ポストバンプの周縁部のはみ出し量がバリア膜の膜厚よりも大きいことにより、ポストバンプにおける変形可能な周縁部の幅をバリア膜の膜厚よりも大きく確保することができる。なお、ポストバンプの周縁部のはみ出し量をバリア膜の膜厚よりも大きくするためには、たとえば、パッシベーション膜上および配線上にバリア膜の材料からなる層を形成し、その層上にポストバンプを形成した後、ウェットエッチングにより、バリア膜の材料からなる層をパターニングする工程において、ポストバンプの下方にまでエッチングが進行するようにエッチング時間を設定すればよい。
項2.前記ポストバンプに接合された半田ボールをさらに含む、項1に記載の半導体装置。
項3.前記半導体チップの表層部に形成された層間絶縁膜をさらに含み、前記配線は、前記層間絶縁膜上に形成されている、項1または2に記載の半導体装置。
項に記載の半導体装置である。
【符号の説明】
【0032】
1 半導体装置
2 半導体チップ
3 ポストバンプ
6 配線
7 パッシベーション膜
8 開口
9 バリア膜
D はみ出し量
T 膜厚(バリア膜の膜厚)