(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記電気加熱回路がプリント回路板を備え、前記発熱部分が、前記電気回路ハウジングの外側で前記プリント回路板の下側部分に支持された複数の個々の離散的な抵抗加熱要素を具備している、請求項1に記載のアセンブリ。
前記プリント回路板が、非電導性であり、且つ前記発熱部分を前記電源に接続するのに有効な電子構成要素及び導線を支持する、基板を含んでいる、請求項5に記載のアセンブリ。
前記抵抗加熱要素が、直列、並列、又はそれらの任意の組合せで電子的に配置され、且つ前記プリント回路板の両面に一列ずつ二列に物理的に載置された、一連の固定値抵抗器である、請求項5に記載のアセンブリ。
少なくとも二つの位置を有するオン/オフ機構を更に備え、前記位置の少なくとも一つでは、前記機構が前記発熱部分と前記電源との間の電気的接触をもたらし、前記位置の少なくとも一つでは、前記機構が前記発熱部分と前記電源との間の電気的接触を中断し、前記機構がディスペンサの外側からアクセス可能であり、ユーザによって直接又は間接に係合され得る、請求項1に記載のアセンブリ。
前記電源が端子を有し、前記端子が、前記オン/オフ機構の位置決めに従って、少なくとも一つの「オン」位置及び少なくとも一つの「オフ」位置を交互に占め得る、請求項18に記載のアセンブリ。
前記リザーバの外表面の一部分がサーモクロミック材料から作られ、それによって、前記リザーバ内の前記製品の色が、製品塗布温度に達して10秒以内に前記サーモクロミック材料によって変化する、請求項1に記載のアセンブリ。
作用面がワイパー要素内に位置するまで前記アプリケータヘッドを引き上げるステップを更に含み、前記ステップが、前記リザーバと前記細長いネックとの間の接続を壊した後、且つ前記電気加熱回路をオンにする前に行われる、請求項26に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(定義)
「製品塗布温度」とは、製品の何らかの特性が向上又は改善する、周囲温度よりも高い製品の温度を意味する。例えば、周囲温度を20℃〜25℃としてもよく、状況に応じて、製品塗布温度は、30℃以上、又は40℃以上、又は50℃以上、又は60℃以上などであってもよい。改善された特性は、皮膚若しくは体毛への製品の塗布に関係する可能性も、又は製品の性能若しくは貯蔵寿命に関係する可能性もある。更に、改善された特性は、消費者による製品の経験又は期待値に関係する可能性もある。例えば、特性の改善は、予め定義された粘性の低下とすることもある。又は、例えば、閾値温度よりも高温での活性成分の活性化とすることもある。又は、例えば、改善された特性は、製品中の有害な微生物の低減によるより長い貯蔵寿命とすることもある。又は、改善された特性は、消費者が経験する暖かさの感覚とすることもある。
【0008】
「携帯型アプリケータ」とは、片手又は最大でも両手で保持され、アプリケータが1以上の主な活動を行っているとき、空中に持ち上げられるように意図されたアプリケータを意味する。主な活動としては、アプリケータを使用してリザーバから塗布面に製品を移すことが挙げられる。したがって、「携帯型」とは、単に物体を把持することができる以上のことを意味する。例えば、「スペースヒーター」は、この携帯型の定義に合致しない。
【0009】
本明細書全体にわたって、「備える、具備する」とは、要素又は要素群が、具体的に列挙されるそれらの要素に自動的に限定されず、追加の要素を含んでも含まなくてもよいことを意味する。
【0010】
本明細書全体にわたって、「電気接点」とは、電子要素間に電位差がもたらされる場合、要素間に直接的な物理的接触があってもなくても、又は1以上の他の導電要素が介在してもしなくても、それらの要素間を電流が流れることができることを意味する。
【0011】
実施形態のうちいくつかの様々な特徴について以下に記載する。特定の記載される特徴は、他の記載若しくは暗示される特徴とは別個に、又はそれらと組み合わせて使用されてもよい。実施形態のうちいくつかは、1以上の記載される特徴のみを使用してもよい。
【0012】
(詳細な説明)
本発明の一実施形態の概要が
図1に示される。本発明の一つの態様は、製品Pを保持することができるリザーバ1と、取外し可能な形でリザーバに接続される細長いネック2と、細長いネックからリザーバ内へと垂下するアプリケータヘッド3とを備える、使い捨ての第1のサブアセンブリである。アプリケータヘッドの一部分は、リザーバ内の製品を第1のサブアセンブリの外側の周囲の雰囲気から密閉する。第1のサブアセンブリの外側から、細長いネックを通ってアプリケータヘッドの内部空間内へと導管が存在する。本発明の別の態様は、使用時を除いて第1のサブアセンブリとは別個である、再使用可能な第2のサブアセンブリである。第2のサブアセンブリは、ハンドル4と、電気回路ハウジング5、電気加熱回路7と、オン/オフ機構6と、電源8とを備える。使用前に、電気回路ハウジング及び細長いネックは堅い接続を成すことができる。この接続が成された結果、電気加熱回路の一部分は、細長いネックを通してアプリケータヘッドの内部空間内へと挿入される。使用後に、電気回路ハウジング及び細長いネックを分離することができるので、第2のサブアセンブリは再使用することができ、第1のサブアセンブリの構成要素は廃棄される。
【0013】
(使い捨ての第1のサブアセンブリ)
本発明の使い捨ての第1のサブアセンブリの一実施形態が、
図2A、2B、3、及び4に示される。第1のサブアセンブリは、リザーバ1と、細長いネック2と、アプリケータヘッド3とを備える。第1のサブアセンブリは、後述するように、リザーバの内容物にアクセスした後は便利に再シールすることができないので、「使い捨て」と見なされる。
【0014】
リザーバ:リザーバ1は、製品Pを保持する、又は保持することができる。リザーバは、典型的には、円筒状であり、全体的又は部分的にプラスチックで作られてもよいが、これは必須ではない。リザーバは、上端部1a及び底端部1bを有する。リザーバの上端部にあるオリフィス1cは、リザーバの内側1dへのアクセスを提供する。リザーバは、その上端部において細長いネック2に接続されるが、これは、化粧品容器と通常関連付けられるタイプのネックとは大幅に異なる。
【0015】
様々な実施形態では、リザーバ1の底端部1bは、リザーバのタイプに応じて、リザーバに製品を充填する前又は後に閉じることができる。例えば、リザーバがマスカラを保持する硬いボトルである場合、リザーバの底部はボトルが成型されるときに閉じられることになる。この場合、リザーバは、リザーバの上端部1aにあるオリフィス1cを通して充填される。代替としては、本発明のいくつかの実施形態では、リザーバの底端部は、最初は製品をリザーバに充填するために開いていて、その後で閉じられる。例えば、リザーバが可撓性のチューブである場合、第1のサブアセンブリを組み立て、次にチューブの底端部を通してリザーバを充填することが可能である。その後、チューブの底端部を、熱溶着又は音波溶接などの既知の方法によってシールすることができる。
【0016】
好ましくは、ワイパー要素は、リザーバ1のオリフィス1cと関連付けられる。概して、第1のサブアセンブリの新規な構成によって、ネックの内表面を全体的に覆う、従来の別個のエラストマー性ワイパー要素を使用することが妨げられる。本発明では、後述するように、ネックの内表面の一部分は露出したままであるはずである。
図2Bでは、従来以外のワイパー要素の一実施形態は、オリフィス1cの周囲の周りに一体的に成型される下向き部分1eである。本発明のシステムが、一つの用途のみに使用するように意図されることを所与として、このワイパー要素のサイズが従来のワイパー要素に比べて比較的小さいことは、不利ではないことがある。汚い製品の蓄積及び乾燥の問題は無関係であるか、又は現物サイズの販売用マスカラパッケージほどの関連性はない。
【0017】
他の実施形態では、ワイパー要素は、アプリケータヘッドの作用面の実質的な長さを収容するように十分に長い。作用面全体をワイパーの内側に収容できる場合が好ましいことがある。この利益については後述する。
【0018】
細長いネック:リザーバ1は、その上端部1aにおいて、リザーバのオリフィス1cが細長いネックによって取り囲まれるようにして、細長いネック2に接続される。細長いネックは上端部2a及び底端部2bを有する。本発明の細長いネックは、概して、化粧品容器に一般的に見られるネックよりも長いことがあり、他の違いも同様に存在する。例えば、いくつかの実施形態では、細長いネックは内表面に接続手段を有してもよい。例えば、いくつかの実施形態では、細長いネックは、一般的に行われるようにその外側ではなく、内表面に形成されたネジ山2dを有してもよい。内側の接続手段が使用される場合、ワイパー要素は接続に干渉すべきではない。別の違いは、リザーバと細長いネックとの間の接続又は関節結合部2cが、これら構成要素の寿命全体にわたって恒久的であることを意図しない点である。好ましくは、二つの構成要素は、使用前は液密接続を維持することができるが、使用時に供給される力を受けて分離することができる。
【0019】
好ましくは、リザーバ1及び細長いネック2は一体的に成型され、その場合、リザーバ及び細長いネックは、周囲の構造に比べて比較的弱い及び/又は脆弱な連結面に沿って関節結合する。このように、リザーバと細長いネックとの間の関節結合部2cが特異的な捻り及び/又は剪断及び/又は屈曲を受けると、二つの構成要素は分離する。それよりは好ましくないが、接続を壊すためにある種の器具が必要とされる。例えば、細長い器具を使用して、細長いネックに対するてこの作用が増加される。又は、例えば、リザーバと細長いネックとの間の接続を壊すことは、ナイフによって接続の周りに切れ目を入れ、次に関節結合部を屈曲させて破壊するステップを含む。又は、例えば、リザーバと細長いネックとの間の接続を壊すことは、ナイフによって関節結合部を切断するステップを含む。
【0020】
代替として、リザーバ1及び細長いネック2は、本明細書に記載される性能要件のうち任意の適切な手段によって、別個に形成され、後で連結されてもよい。例えば、リザーバ及び細長いネックは、協働するネジ山付き係合部によって接続されてもよい。この場合、二つの部品は、それらのネジを緩めることによって分離される。別の例として、リザーバ及び細長いネックは、手作業の圧力によって克服することができる、干渉係合(即ち、摩擦嵌め具、スナップ部品)によって接続されてもよい。別の例として、リザーバ及び細長いネックは、手作業の圧力によって克服することができる、接着係合によって接続されてもよい。
【0021】
リザーバ1及び細長いネック2が取り付けられると、細長いネックの上端部2aを通り、細長いネックの内側を通り、細長いネックの底端部2bから出て、オリフィス1c及びワイパー要素1eを通り、リザーバに入る通路が存在する。この通路は、アプリケータヘッド3が貫通できるように十分に大きい。細長いネックの一部は、アプリケータヘッドの1以上の部分と協働する特徴を備えてもよい。例えば、細長いネック及びアプリケータヘッドの部分は、リザーバの内容物が周囲条件に暴露されないように、液密シールを形成することができてもよい。
【0022】
アプリケータヘッド:アプリケータヘッド3は、近位端3c及び遠位端3dを有する中空の軸3bを備える。その遠位端に向かって、中空の軸は作用面3aを支持する。作用面の一般的な形態はマスカラブラシであってもよいが、本発明はそれに限定されない。
【0023】
図2A、3、及び4に示されるように、アプリケータヘッド3の作用面3aは、細長いネック2の上端部2aを通り、細長いネックの内側を通り、細長いネックの底端部2bを通り、オリフィス1c及びワイパー要素1eを通り、リザーバ1に入ることができる。リザーバが製品Pで満たされている場合、作用面は製品を引き上げることができる。
【0024】
細長いネック2は、アプリケータヘッド3と、且つ場合によってはリザーバ1と1以上の接続を形成する。例えば、
図2Aを参照すると、アプリケータヘッドの近位端3c付近に、第1、第2、及び第3の部分が設けられる。次に
図2Bを参照すると、第1の部分3eは細長いネックの陥凹部分2eに嵌合し、アプリケータヘッドの第2の部分3fは、細長いネックの第2の部分2fにしっかりと嵌合するように設計され、アプリケータヘッドの第3の部分3gは、リザーバ1の第1の部分1fにしっかりと嵌合するように設計される。好ましくは、これらの接続の1以上は液密シールを提供する。「液密」に関しては、製品がリザーバから漏れるのを防ぐのに十分にきつく、リザーバ内の製品の劣化を遅らせるのに十分にきついシールを意味する。好ましくは、液密シールはまた、シールがリザーバ内の製品の酸化を防ぐことができることを意味する。「酸化を防ぐ」に関しては、標準的な温度及び圧力において、少なくとも六ヶ月間、好ましくは少なくとも一年間、製品が販売可能な状態(当業者であれば理解するであろう「販売可能な状態」)のままであることを意味する。
【0025】
図4を再び参照すると、アプリケータヘッド3が細長いネック2に完全に収まっているとき、細長いネックの内表面上のネジ山2dは係合可能でなければならない。例えば、アプリケータヘッドの中空の軸3bは、ネジ山へのアクセスを阻害してはならない。アプリケータヘッド3の中空の軸3bは、細長いネック2の内側2dからリザーバ1の内側1dまで延在する。軸は、その近位端3cで開いており、この開口部によって、細長いネックの内側とリザーバの内側との間に延在する中空内部へのアクセスが得られる。細長いネックの上端部2aも開いているので、アプリケータヘッドの内部は外側からアクセス可能である。アプリケータヘッドは、それ自体の中に発熱部分7cを受け入れることができる。
【0026】
好ましくは、製品及びアプリケータヘッドはそれらの意図される目的に適合される。例えば、製品がマスカラである場合、アプリケータヘッドは、好ましくは、間隔を空けた剛毛を有するブラシ及び/又は櫛など、マスカラ塗布に使用されることが知られているタイプのものである。又は、例えば、製品がフェースクリームである場合、アプリケータヘッドの作用面は、顔の部分に製品を供給するように成形された幅広の平滑な表面を備えることができる。
【0027】
(再使用可能な第2のサブアセンブリ)
本発明の再使用可能な第2のサブアセンブリの一実施形態が
図6A〜6Cに示される。第2のサブアセンブリは、ハンドル4と、加熱回路ハウジング5と、切替え可能な電気加熱回路7と、電気加熱回路を係合する手段6とを備える。第2のサブアセンブリは、後述するように、ユーザが第1のサブアセンブリを廃棄した後であっても、第2のサブアセンブリを新しい第1のサブアセンブリと共に再使用できるので、「再使用可能」であると見なされる。
【0028】
ハンドル:
図6Aでは、ハンドル4は、中空の円筒状構造として示されるが、形状は変わってもよい。ハンドルは、当技術分野で通常行われるように、パーソナルケア製品のユーザが把持するのに十分な大きさである。例えば、ハンドルは、長さ15mm〜150mm、直径10mm〜50mmであるマスカラアプリケータの一部とすることができる。ハンドルの閉じた端部4aは、第2のサブアセンブリの近位端を画成する。ハンドルの閉じた端部の反対側は開いた端部4bである。ハンドルは、その閉じた端部4aに除去可能なキャップ4cを有してもよい。除去可能なキャップは、ハンドルの内部へのアクセス、例えば電池へのアクセスを提供する。ハンドルは、概して、当技術分野で一般的に行われるような容器の栓として作用するように設計されたタイプのものではない。
【0029】
ハンドル4の内側は、電流源及び切替え可能な電気加熱回路の一部分を収納するのに十分に大きい。例えば、第1の導線が発熱部分との電気的接触を達成することができるように、第1の金属導線4dがハンドルの内表面4fに取り付けられてもよい。また、電流源がハンドル内に置かれたとき、第2の導線が電流源の負端子との電気的接触を達成することができるように、第2の金属導線4eがハンドルの内表面に取り付けられてもよい。ハンドルの第1及び第2の金属導線は、相互に電気的接触を有して、発熱部分から電流源の負端子に電気を伝達する。任意に、第2の金属導線はバネとして形成されてもよく、圧縮状態では電流源をハンドルの開いた端部4bに向かって付勢する。
【0030】
加熱回路ハウジング5は、ハンドル4に適合し、ハンドルを越えて延びている。加熱回路ハウジング及びハンドルは、後述する接続の性質に応じて、干渉嵌め、留め具機構、接着剤、又は任意の適切な手段のうちの1以上を用いて取り付けられてもよい。
【0031】
加熱回路ハウジング:その本質的な特徴において、加熱回路ハウジングは、その上側端部5a及び下側端部5b付近が開いていて、そこを通して電気加熱回路の一部分を置くことができる中空の細長い部材であり、電気加熱回路の部分がハウジングの両端から出ている。ハウジングは、ハンドル4に対して実質的に移動しない。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態は、
図5A〜5Dに示されるような加熱回路ハウジング5を有する。加熱回路ハウジングの上側部分は、ハンドル4の内側に載置されるので、ハウジングはハンドルに対して実質的に移動しない。ハンドルに対して望ましくない運動をしないように加熱回路ハウジングを固定する、任意の適切な手段が使用されてもよい。例えば、ハウジングの一部分は、ハンドルの内部部分に対して補完的に形作られてもよい。例えば、図面では、ハウジングの上側端部5aは、ハンドルの円筒状の内部の中にぴったり適合するほぼ円筒状の部分として形成される。この関係は、
図6Bに最も良く見ることができる。ハウジングをハンドルに更に固定するため、ハンドルに対するスナップ嵌めを形成するハウジング内の移動止め5cも設けられてもよい。
【0033】
本発明のいくつかの実施形態では、加熱回路ハウジング5の下側端部5bは、細長いネック2に対する堅い接続を成すことができる。
図4を再び参照すると、アプリケータヘッド3が細長いネックの内表面に完全に収まっているとき、細長いネックの内表面上の接続手段は係合可能である。例えば、加熱回路ハウジングの下側端部は、細長いネックの内表面上に設けられた一組のネジ山2dを係合するように設計されたネジ山5dを備えてもよい。代替実施形態では、加熱回路ハウジングと細長いネックとの間の接続は一回転未満の回転を要してもよい。例えば、接続は、四分の一回転の差込み式又は突起式のロック用機構として実施されてもよい。後述するように、発熱部分又はプリント回路板の下側部分に対する損傷を防ぐため、限定された回転量が好ましいことがある。
【0034】
接続の方法にかかわらず、一旦加熱回路ハウジング5及び細長いネック2が接続されると、ハンドルとハウジングの組合せをてこに使用して、リザーバ1と細長いネックとの間の接続又は関節結合2cを壊すことができる。その後、細長いネック2、アプリケータヘッド3、ハンドル4、及び回路ハウジング5は、一つの実質的に剛性の個片として挙動することができる。このようにして、アプリケータヘッドをリザーバから引き上げることができる。
【0035】
図5A及び5Cを参照すると、本発明の更に他の実施形態では、少なくとも一つの垂直溝5eが加熱回路ハウジング5の上側端部5a付近に設けられ、1以上の垂直延長部5fが上側端部よりも上方に立ち上がっている。更に他の実施形態では、ハウジングの上側端部5aは、部分的に中空であって円筒状部分の底端部付近で開いている、ほぼ円筒状の部分として形成される。このように、円筒状部分の内部に配置されたネジ山5gが係合されてもよい。これらの任意の特徴の目的については後述する。
【0036】
切替え可能な電気加熱回路:加熱された製品を試供するシステムは、割込み可能又は切替え可能な加熱回路を更に備える。概して、回路のスイッチが閉じているとき、電流が発熱部分に流れ、これによって発熱部分が「オン」として定義される。このスイッチが開かれると、電流は発熱部分に流れず、これによって発熱部分が「オフ」として定義される。加熱回路が閉じているとき、電流は、電源8の正端子から、加熱回路ハウジング5を通り、次にアプリケータヘッド3の内側に位置することができる発熱部分へと流れ、加熱回路ハウジングを通って1以上の導線に沿って電源の負端子に戻る。概して、電気経路は、回路に機能性及び/又は効率性を付加する様々な電気的構成要素を備えてもよい。
【0037】
図6B及び6Cを参照すると、切替え可能な電気加熱回路の一実施形態は、プリント回路板(PCB)7と、電池8と、PCB上にない1以上の電気導体とを備える。PCBが使用されるとき、電気回路ハウジング5はプリント回路板用のハウジングであり、PCBハウジングと呼ばれることがある。
【0038】
プリント回路板7は、PCBの部分がPCBハウジングのどちらかの端部から出るように、PCBハウジング5を貫通する細長い構造体である。PCBの拡大部分7aは、電池付近でハンドル4の内側に位置する。プリント回路板の下側部分7bは発熱部分7cを支持する。発熱部分は、アプリケータヘッド3の中空の軸3bに嵌合することができなければならない。電子回路の大部分はプリント回路板上で支えられる。プリント回路板は、通常の又は予期される使用の条件下では導電性でない、基板7dを備える。適切な基板材料としては、エポキシ樹脂、ガラスエポキシ、ベークライト(熱硬化性のフェノールホルムアルデヒド樹脂)、及びガラス繊維が挙げられるが、それらに限定されない。基板は、厚さ約0.25〜5.0mm、好ましくは0.5〜3mm、より好ましくは0.75〜1.5mmであってもよい。基板の片面又は両面の部分は、例えば厚さ約35μmの銅の層で覆われてもよい。基板は、1以上の発熱部分、電子構成要素、及び導電要素を支持する。PCBによって支持される導電要素の中で、電気導線及び/又は電気端子がPCBを電池に接続するのに有効である。
【0039】
一例として、様々な要素を好ましい(但し排他的でない)配置で支持するプリント回路板7について記載する。PCB自体は、PCBが電流源8からPCBハウジングの遠位端を越える距離まで延在することができるという要件を伴って、製造しPCBハウジング5に組み込むのに便利な任意の形状又は寸法を有してもよい。この距離は、システム全体の長さ及び設計に応じて決まる。概して、PCBは、PCBハウジング及び細長いネックが堅い接続を形成する前に、アプリケータヘッド3内で底に達するほど長くすることはできない。
【0040】
図7及び8を参照すると、抵抗加熱要素7cを除く電子要素又は構成要素の全て若しくはほとんどは、プリント回路板の上側端部付近の、基板の拡大部分7a上にあってもよい。PCBの拡大部分の最大横寸法は、それが存在するハンドル4のその部分の内部寸法よりも小さくなければならない。PCBの比較的狭く細長い区画7eは、拡大部分からPCBハウジング5を通って延在し、PCBハウジングの下側端部から出ている。PCBハウジングの下側端部から出るPCBの一部分7bは、発熱部分7cを保持する。好ましくは、システムの加熱効率を低減する傾向になるため、発熱部分はいずれも、PCBハウジングの内側にはない。
【0041】
図9は、プリント回路板7上にレイアウトすることができる、本発明で有用な一つの可能な電子回路を示す。
図8は、PCB上の電子要素の一つの可能なレイアウトを示す。電源8(例えば、再充電式電池)からの電流は、PCB端子T1でプリント回路板に入る。この端子は、PCBの拡大部分7aの縁部を占めてもよい。好ましい一実施形態では、電池6の正端子は、スイッチの位置付けにしたがって、少なくとも一つの「オン」位置及び少なくとも一つの「オフ」位置を交互に占めてもよい。即ち、スイッチの移動によって電池が物理的に移動してもよい。「オン」位置では、電池の正端子はPCBの端子T1に直接接触する。「オフ」位置では、電池の正端子はPCBの端子と物理的に接触しない。この実施形態は、電池の正端子と回路板との間に追加の導体を要しないという利点を有する。スイッチのよく知られている動作にしたがって、スイッチの機能に対する代替実施形態が可能である。
【0042】
抵抗器R7、並びに並列コンデンサC1及びC2は、電力変換器U1と相互作用して、コンデンサが最大値のときは発熱部分7cに対する電流を自動的に遮断する。コンデンサは、例えば、PCBに締結されるか又は別の形で関連付けられる、セラミックチップコンデンサであってもよい。定格容量は、切替え可能な回路が最初に閉じられたときから、切替え可能な回路(及び発熱部分)が自動的に停止するときまでの時間長を制御するように選択される。このオーバーヘッドタイマー、つまり自動遮断機構は任意であり、ユーザが回路を停止し損ねた場合に電池が切れるのを防ぐ。ユーザは、加熱した後に製品を塗布する時間を必要とするので、回路は、発熱部分が予め定められた温度に達してからある時間量の後に、発熱部分を停止するように設計されてもよい。この時間長は、必要にしたがって選択することができるが、典型的には約2〜5分間であってもよい。更に、用いられる精巧さの度合いに応じて、
図8に示されるコンデンサベースのものなどのオーバーヘッドタイマーは、自動遮断に続いて、加熱要素を作動することができない(即ち、「オン」にすることができない)リセット期間を要することがある。数秒であってもよいリセット時間によって、コンデンサを放電させることが可能になる。
【0043】
RT1はNTCサーミスタである。好ましくは、NTCサーミスタは、加熱要素7cに物理的に近接して位置する。例えば、
図9の回線図では、加熱要素RH9及びRH10の間に空間が示されている。NTCサーミスタは、その空間、又は加熱要素を取り囲む空間の周囲温度のわずかな変動を検出することができる任意の空間に位置してもよい。NTCサーミスタ及び固定値抵抗器R3は、加熱要素の温度に比例し、且つ/又はそれと共に変動する電圧レベルを作り出す分圧器回路として構成される。その電圧レベルは、演算増幅器によって監視され、反転入力(U2のピン3)で演算増幅器に渡される。閾値基準電圧は、R4及びR5で別の分圧器回路によって生成され、この電圧は、演算増幅器の非反転入力(U2のピン7)に接続される。このように、演算増幅器は電圧比較器として使用される。負温度サーミスタを含む分圧器回路の出力電圧が基準電圧と交差する(それ以上に上昇するか又はそれ以下に下降するかのどちらか)と、演算増幅器の出力(U2のピン2)が状態を変える。演算増幅器の出力は、NチャネルMOSFETスイッチ(U2のピン6にある)に渡され、MOSFETスイッチの状態を制御するのに使用される。スイッチが閉じていると、電流はスイッチ(U2のピン4にある)から抵抗加熱要素7cに流れる。スイッチが開いていると、電流は抵抗加熱要素に流れることができない。PCB7の拡大部分7aの縁部は、金属片4d及びコイル/バネ(4e、
図6B,6Cを参照)を通して負電池端子につながる第2の端子T2を備える。
【0044】
回路は、コンデンサC3などのノイズ低減構成要素、LED D1などのオン/オフインジケータ、及びF1にあるような複数のヒューズ付き部分を更に含んでもよい。また、2以上のサーミスタを使用して温度監視能力を増加させることができる。
【0045】
回路は、上述したように、出力温度を能動的に測定し、それ自体を所望の温度と一致するように調節するシステムを含む。この回路を含む加熱された製品を試供するシステムは、過熱の心配なしに長期間オンのままにして、所望の温度を保つことができる。また、自動遮断の使用を通して、且つ加熱要素の温度の監視を通して、電力利用が大幅に低減される。この点に関して、本発明は、本明細書に記載されるレベルの精度及び信頼性をもって加熱された製品を試供するための、商業的に実現可能な、部分的に使い捨ての衛生的なシステムを提供することが可能である。
【0046】
回路は、電源の出力電圧を監視し維持するシステムを更に含んでもよい。例えば、電池は、3ボルトなどの公称電圧で定格化されるが、電池ごとに、また同じ電池の使用ごとにある程度の変動性がある。電池電圧を必要に応じて監視及び調節して、電池が通常供給する電圧よりも厳密な公差を維持する、任意のシステムが含まれてもよい。かかるシステムの一つの利益は、アプリケータの性能の一貫性が改善され、電池の寿命の予測可能性が改善されることである。
【0047】
上述の回路はプリント回路板7を利用する。プリント回路板の使用によって、コストの削減及び製造における誤差の低減がもたらされることがある。したがって、本明細書に記載される回路は、本明細書に記載される性能、信頼性、及び利便性を備えた、加熱された製品を試供するための、真に有効であり、商業的に実現可能で、美観的に容認可能な電池式システムを提供することが可能であり、より従来的な配線方法を使用するデバイスに比べて、コストの削減及び製造における誤差の低減を良好に達成し得る。対照的に、本明細書に記載されるような回路板がなければ、加熱された製品を試供するシステムの作成は大幅に困難に、より高価に、且つより信頼性が低くなるであろう。パーソナルケア市場の場合、本明細書に記載されるようなプリント回路板を有さない、加熱された製品を試供するシステムを作成することによって、製造コストが非常に高くなり、性能の質が低くなることがあり、顧客が製品を試供した時に欲しいものでなくなってしまう。
【0048】
1以上の発熱部分7cが、プリント回路板の下側部分7bによって支持される。典型的に、本発明による加熱された製品を試供するシステムの一つのみの発熱部分を有してもよい。好ましくは、PCBハウジング内側の加熱によってエネルギーが浪費され、効率が減少するので、発熱部分のいずれの部分もPCBハウジング5内へと延在しない。発熱部分7cは、連続的な抵抗ワイヤループ又はコイルを備えてもよい。単純である一方、このタイプの発熱部分は、離散的な加熱要素のアレイなど、より高度な選択肢の性能及びエネルギー効率をもたらさない。したがって、好ましくは、本発明による加熱された製品を試供するシステムは、PCBハウジング5の外側でプリント回路板7の下側部分7b上で支持される、複数の個々の離散的な抵抗加熱要素7fを含む。
【0049】
離散的な抵抗加熱要素7fの好ましい一実施形態は、直列、並列、又はそれらの任意の組合せで電子的に配置され、PCB7の両面に一列ずつ二列に物理的に載置された一連の固定値抵抗器である。抵抗器の数及びそれらの定格抵抗値は、部分的には、回路の発熱要件によって支配される。一実施形態では、5オームの離散的な抵抗器41個が均等に間隔を空けて、PCBの片側に20個、反対側に21個置かれる。別の実施形態では、6オームの抵抗器23個が、PCBの片側に11個、反対側に12個使用される。更に別の実施形態では、3オームの抵抗器41個が、片側に20個、反対側に21個使用される。抵抗器が一つ少ない方の側にはサーミスタのための空間が残る。典型的には、本発明のアプリケータは、1〜10オームの定格抵抗値を有する10〜60個の個々の抵抗要素を使用してもよい。しかし、状況の要求に応じてこれらの範囲を超えてもよい。典型的には、全ての加熱要素全体の抵抗は1〜10オームの範囲であってもよい。しかし、状況の要求に応じてこの範囲を超えてもよい。
【0050】
好ましい一つのタイプの抵抗加熱要素は金属酸化物厚膜抵抗器である。これらは2以上の形態で利用可能である。好ましい一つの形態はチップ抵抗器であり、これは、固体セラミック基板上に置かれ、電気接点及び保護被膜を備える厚膜抵抗器である。幾何学的に、各チップはほぼ固体の長方形であってもよい。かかる加熱要素は様々なサイズで市販されている。例えば、KOA Speer Electronics, Inc(ペンシルベニア州ブラッドフォード)は、汎用厚膜チップ抵抗器を販売しており、その最大寸法は約0.5mm以下である。最大寸法が約2.0mm以下、より良好には一実施形態では1.0mm以下、更に良好には別の実施形態では0.5mm以下である抵抗器を使用することによって、抵抗器をPCBハウジング5の外側でプリント回路板7に沿って簡単に配置することができる。
【0051】
典型的には、チップ抵抗器は、既知の方法によってPCBに取り付けられてもよい。金属酸化物厚膜抵抗器のより好ましい形態は、シルクスクリーン堆積物(silk screened deposit)として利用可能である。チップ抵抗器などのハウジングなしで、金属酸化膜は、印刷技術を使用してプリント回路板上に直接堆積される。これは、製造上の観点から、溶接チップ抵抗器よりも効率的且つ柔軟である。金属酸化膜は、一つの連続的な加熱要素としてPCB上に堆積されてもよく、又は個々のドットとして印刷されてもよい。様々な金属酸化物が厚膜抵抗器の製造に使用されてもよい。一つの好ましい材料は酸化ルテニウム(RuO
2)である。個々のドットは、約2.0mm以下、より好ましくは1.0mm以下、最も好ましくは0.5mm以下の小ささで印刷されてもよく、それらの厚さは変わってもよい。実際には、ドットのサイズを制御することによって、各ドットの抵抗を変更してもよい。また、厚膜抵抗器の抵抗は、チップ抵抗器又はシルクスクリーン印刷した形態であるかにかかわらず、金属酸化膜の添加物によっても制御されてもよい。典型的には、本明細書に記載するタイプのチップ抵抗器及びシルクスクリーン印刷した金属酸化物ドットは、1〜10オームの定格抵抗値を有してもよい。
【0052】
シルクスクリーン印刷した厚膜抵抗器又はチップ抵抗器を持つプリント回路板は、ワイヤコイルなどの従来技術の加熱要素を持つものよりも嵩が少ない。より嵩が少ないエレクトロニクスとは、製品に入る熱のフラックスが増加され、熱の損失がより少ないことを意味する。
【0053】
概して、発熱部分7cとアプリケータヘッド3との間のギャップによって伝熱効率が減少する。したがって、発熱部分とアプリケータヘッドの内表面との間のギャップができるだけ少ない場合が好ましい。したがって、アプリケータヘッドが発熱部分の上にぴったり嵌まる場合が好ましい。これによって、アプリケータヘッドを通って内側から外に出る伝熱の効率が改善される。本発明の一実施形態では、アプリケータヘッドの中空の軸3bの内表面は、発熱部分と直接接触している。この配置は有効であるが、依然としてアプリケータヘッドの真下に空気で充填されたギャップを残すことがある。アプリケータヘッドによるリザーバ1内の製品への伝熱は、これらの空気で充填されたギャップによって弱まることがある。したがって、かかるギャップがない場合が最も好ましい。本発明の別の実施形態では、発熱部分は伝熱材料の円筒状のシェルに包まれる。シェルを作成することは、伝熱材料の連続的な質量に加熱要素を埋め込むことを含む。材料は、発熱部分を軟化状態にある伝熱材料に漬けることによって適用されてもよい。材料が硬化すると、発熱部分内にエアギャップが実質的に存在しないことがある。少なくともいくつかの実施形態では、伝熱材料が加熱要素から製品への伝熱速度を改善する限り、この実施形態は多くの用途にとって好ましい。伝熱材料は、発熱部分の上に半硬化又は硬化した円筒状のシェルを形成することができる。円筒状のシェルは、アプリケータヘッド3の中空の軸3bに嵌合しなければならない。好ましくは、円筒状のシェルは、中空の軸にぴったりと嵌合して、円筒状のシェルと中空の軸との間の空気量を最小限に抑える。伝熱材料の円筒状のシェルに有用な材料の例としては、1以上の熱伝導性接着剤、1以上の熱伝導性の封止用エポキシ、又はこれらの組合せが挙げられる。熱伝導性接着剤の一例は、Dow Corning(登録商標)1-4173(酸化アルミニウム及びジメチル、メチル水素シロキサンで処理、熱伝導度=1.9W/mK、ショア硬さ92A)である。熱伝導性の封止用エポキシの一例は、832-TC(アルミナとエピクロロヒドリン及びビフェニルFの反応生成物との組合せ、MG Chemicals(オンタリオ州バーリントン)から入手可能、熱伝導度=0.682W/mK、ショア硬さ82D)である。伝熱材料の場合、低い熱伝導度よりも高い熱伝導度の方が好ましい。
【0054】
本発明のいくつかの実施形態は、電流源8、好ましくはDC電源を更に備える。電流源は、電流源を収容するのに十分な大きさのハンドル4内に収納される。電流源は、少なくとも一つの正端子及び少なくとも一つの負端子を有する。電源端子の1以上は、プリント回路板7上の導体要素と直接接触してもよく、又は第1の金属導線4d若しくはバネ4eのような1以上の導線が介在してもよい。
【0055】
本発明の加熱された製品を試供するシステムでは、加熱回路が作動される(又は「オンにされる」)ごとに、電源8自体が本明細書に記載するように製品の温度を上げるのに十分なエネルギーを供給できる場合が好ましい。好ましい一実施形態では、DC電源は、1以上の電池、より好ましくはちょうど一つの電池を含む。電池が定義された性能レベルを達成するのに必要な電力を送達することができる限り、多くのタイプの電池が使用されてもよい。電池のタイプの例としては、亜鉛炭素(若しくは標準的な炭素)、アルカリ性、リチウム、ニッケルカドミウム(再充電式)、ニッケル水素(再充電式)、リチウムイオン、亜鉛空気、亜鉛酸化水銀、及び銀亜鉛の化学的性質が挙げられる。懐中電灯及び煙探知器に使用されるものなど、一般の家庭用電池は、小型の携帯型デバイスで頻繁に見られる。これらは、典型的に、単三、単四、単二、単一、及び9ボルト電池として知られているものを含む。適している可能性がある他の電池は、補聴器及び腕時計で一般に見られるものである。更に、電池が一般家庭廃棄物の流れ(ordinary household waste stream)で処分できる場合が好ましい。したがって、廃棄するために、法律によって一般家庭廃棄物の流れとは分離しなければならない電池(水銀を含有する電池など)は、余り好ましくない。
【0056】
任意に、電源は交換式又は再充電式であってもよい。例えば、ハンドル4は除去可能なキャップ4cを有してもよい。除去可能なキャップは、ハンドル内の電池8へのアクセスを提供する。代替として、又は交換式であることに加えて、電池は再充電式タイプのものであってもよい。その目的のため、上述したばかりのように電池がハンドルから除去可能であるか、又は、システムを充電用ベースに置いて、ベースから電力を電池に伝達し貯蔵することができるように、システムの外部に電池への導線を備えることができる。
【0057】
オン/オフ機構:本発明によるアプリケータは、ユーザが加熱回路を係合することを可能にする1以上の特徴を備えてもよい。好ましくは、本発明によるアプリケータは、電源8と加熱要素7cとの間の電気のフローを交互に中断し再度確立することができる、少なくとも一つの機構を備える。いくつかの実施形態では、オン/オフ機構は少なくとも二つの位置を有する。位置の少なくとも一つにおいて、機構は発熱部分と電源との間の電気的接触をもたらし、位置の少なくとも一つにおいて、機構は発熱部分と電源との間の電気的接触を中断する。
【0058】
一つの可能な実施形態では、少なくとも一つのオン/オフ機構は、システムの外側からアクセス可能であり、そこでユーザによって直接又は間接的に係合することができる。このタイプのオン/オフ機構は「手動」であって、ユーザが直接機構を係合することを要するが、これはユーザが従来の非加熱式ディスペンサでは行う必要のないことである。一部のオン/オフ機構は、動作するためには電気回路の一部にならなければならない。このタイプのオン/オフ機構の詳細は、電気分野においてよく知られている。いくつかの非限定例としては、トグルスイッチ、ロッカスイッチ、スライダ、ボタン、タッチ起動式表面、磁気スイッチ、及び光起動式スイッチが挙げられる。また、加熱要素が複数の加熱出力レベルの能力がある場合、複数位置のスイッチ又はスライダスイッチが有用なことがある。概して、手動のオン/オフ機構は、ディスペンサの外側から(直接又は間接的に)アクセス可能になる任意の場所に位置してもよい。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態(例えば、
図10A及び10Bを参照)では、オン/オフ機構は、円筒状のシェル6b上に乗るネジ山付きのネック6aから構成される回転式カラー6として形成される。ネジ山付きのネックは、加熱回路ハウジング5の円筒状部分のネジ山付きの内部にねじ込むように設計される。これを達成するために、図示されるように、加熱回路ハウジングの下側部分は回転式カラーを貫通しなければならないので、回転式カラー及び加熱回路ハウジングは同軸である。この配置では、ハンドル4に対してカラーを回転させることによって、回転式カラーはハンドルに向かって、またハンドルから離れる方向に移動することができる。回転式カラーと併せて、
図6Cに示されるように、1以上のタブ9が設けられる。各タブの下側端部は回転式カラーに接触し、上側端部は電池8に接触する。各タブは、ハンドルの外側からハンドルの内側まで、加熱回路ハウジングの垂直溝5eを貫通する。回転式カラーがハンドルに向かってねじ込まれると、タブはハンドル内へと更に移動する。これが起こると、タブと電池との間の接触によって電池がハンドルの更に上へと押し上げられて、プリント回路板7との接触が離れ、バネ4eを圧縮する。したがって、回転式カラーをハンドルにねじ込むことによって、電気加熱回路が開き、発熱部分7cに電流が流れない。更に、回転式カラーがハンドルから離れる方向にネジを緩められると、タブはハンドルの外に更に移動する。これが起こると、バネが拡張して、電池の正端子がプリント回路板上の導線に接触するまで、プリント回路板に向かって電池を押しやる。したがって、回転式カラーを回してハンドルから出すことによって、電気加熱回路が閉じ、発熱部分に電流が流れる。
【0060】
上述した実施形態では、バネ4eは二重の目的に役立つ。バネの第1の目的は、上述したように、電池8の負端子に対する導線として役立つことである。第2の目的は、第1の位置から第2の位置へと電池を励起することである。第1の位置では、バネがハンドル4に対してより圧縮されたとき、電池の正端子はプリント回路板と電気的に接触していない。この配置では、電流は発熱部分7cに流れることができない。第2の位置では、バネがより拡張されたとき、電池の正端子は、電流が発熱部分に流れることができる形で、プリント回路板と電気的に接触している。好ましい一実施形態では、プリント回路板の拡大部分7aは、電池がその第2の位置にあるときに電池の正端子に接触することができる導線(
図8のT1)を備える。例えば、導線T1は拡大部分の近位縁部に近く、そこで電池の正端子が接触してもよい。
図5Cを参照すると、他の実施の形態として、1以上の垂直延長部5fは電気回路ハウジングの上側端部5aよりも上方に立ち上がっている。これらの延長部は、バネ4e及び電池8がプリント回路板7の拡大部分7aに掛ける圧力を制限するのに使用されてもよい。
【0061】
(性能因子)
加熱された製品を試供するためのシステムの様々なパラメータは、リザーバ1内の製品の温度を上昇させるのに要する熱量、及び/又はそれに要する時間量に影響する。例えば、概して、リザーバ内の製品が多いほど、所与の時間量で製品の温度を製品塗布温度まで上昇させるのに、より多くの熱が必要になる。また、例えば、特定の熱発生速度を所与として、より厚いアプリケータヘッド3は、リザーバ内の製品の温度を上昇させるのに、より多くの時間が必要になることを意味する。アプリケータヘッドを通る伝熱速度を増加させるため、且つ失われる熱量を低減させるため、使用される特定の材料における製造の限界を考慮して、アプリケータヘッドの中空の軸3bを可能な限り薄くするのが好ましいことがある。好ましくは、アプリケータヘッドの壁の厚さは、1.0mm未満、より好ましくは0.8mm未満、更により好ましくは0.6mm未満、最も好ましくは0.4mm未満である。当然ながら、熱はアプリケータヘッドを通るので、リザーバ内に配置された製品の温度を上昇させるのに必要な熱量及び/又は時間長は、材料の熱伝導度にも依存する。したがって、概して、製品の温度を上昇させるのに必要な時間量を減少させるため、熱発生速度を増加させ、加熱される質量を減少させ(より薄いアプリケータヘッド)、且つ/又はアプリケータヘッドの熱伝導度を増加させてもよい。
【0062】
本発明による、加熱された製品を試供するためのシステムは、製品の一回量の温度を周囲温度から製品塗布温度まで上昇させるように構成される。その温度は市場の需要に対して調節されてもよい。例えば、製品塗布温度は、状況に応じて、40℃以上、又は50℃以上、又は60℃以上などであってもよい。塗布の直前に、本発明による製品を試供するためのシステムは、60秒以下で、好ましくは30秒以下、より好ましくは15秒以下、最も好ましくは5秒以下で、ある量の製品を周囲温度から製品塗布温度まで加熱することができる。加熱の結果、分配された製品の何らかの特性が向上又は改善する。向上又は改善した特性は、例えば、粘性の低減、活性成分の活性化、マスカラ製品中の糸引き効果、より長い貯蔵寿命、消費者が経験する暖かい感覚、ユーザの皮膚に対する製品の浸透の向上、封入された成分の放出、又はユーザが利益を得る他の任意の変化とすることもある。
【0063】
(いくつかの任意の特徴)
一つの代替実施形態では、加熱要素は自動的にオン及びオフ(即ち、作動及び作動解除)に切り替えられる。「自動的に切り替えられる」とは、試供システムの正常な使用の結果として、加熱要素がオン又はオフにされることを意味する。例えば、PCBハウジングが細長いネック2に取り付けられている場合、発熱部分は作動され得、次にPCBハウジングが細長いネックから取り外されているとき、作動解除され得る。ここでの利点は、発熱部分がアプリケータヘッドに挿入されていないときはその上に残される可能性がないことである。
【0064】
別の実施形態では、単一の加熱ディスペンサに2以上のオン/オフ機構があってもよい。第1のオン/オフ機構は、上述したような手動のオン/オフ機構であることができ、第2のオン/オフ機構は自動スイッチである場合もあり得る。これらは、いわゆる「三路」スイッチとして動作して、自動スイッチをオーバーライドする選択肢をユーザに与えるように配線することができる。
【0065】
本発明は、定義された時間量で、製品の一回量の温度を周囲温度から製品塗布温度まで上昇させるように構成される。消費者は加熱が生じるのを待たなければならないことがあるので、ディスペンサは、製品が塗布温度に達しており、塗布を始めることができるという指示を備えてもよい。例えば、リザーバ1の外表面の一部分は、即ち色の変化によって、温度の変化に反応する材料から作られてもよい。この場合、チャンバ内の製品が塗布温度に達して数秒以内、即ち10秒以下、好ましくは5秒以下、より好ましくは3秒以下で視認できる色の変化が起こるように、「サーモクロミック」表面は発熱部分に十分に近接するべきである。代替として、電気回路は、リザーバ内の製品が塗布温度に達したときに点灯するLEDを含んでもよい。システムはまた、加熱回路が閉じるとすぐに点灯して、加熱回路がオンであることをユーザに伝えるLEDを有してもよい。
【0066】
第2のサブアセンブリは、加熱回路以外の電気回路を備えることができる。これらは他の機能性又は利便性をユーザに提供し得る。例えば、電気回路は、振動系、照明系、音響系などのために提供されてもよい。
【0067】
(製品を試供するためのシステムと共に使用される製品)
本発明によるシステムを用いて試供されることによって利益を得ることができる製品のタイプの限定的なリストとしては、例えば、審美的な理由で加熱される製品(即ち、シェービングクリーム)、成分を活性化するために加熱されるもの、製品のレオロジーを変更するために加熱されるもの、製品を殺菌するために加熱されるもの、ゼラチンカプセルを溶かすことなどによって、封入成分を放出するために加熱されるものが挙げられる。特に好ましい製品はマスカラなどの睫毛製品である。製品の形態としては、クリーム、ローション、セラム、ゲル、液体、ペースト、粉末、又は化粧品及びパーソナルケアの分野で使用されることが知られているタイプの携帯型アプリケータを用いて塗布されてもよい任意の製品が挙げられる。
【0068】
本明細書に記載されるように、システムのリザーバ1は店頭で使用される完成品を保持するように設計される。「完成品」とは、加熱しなくても使用することができるもの、又は使用前にのみ加熱を要するものである。したがって、加熱以上の追加の準備を要する製品は、本発明に適さないことがあるか、又は本発明にはあまり適さないことがある。例えば、リザーバ2外側の液体発泡剤と組み合わせなければならないプレシェイブフォーム混合物は、本発明で使用するのに適さない。この例外としては、使用前にリザーバを振ることによって構成することができる製品が挙げられる。概して、製品は、混合物、懸濁液、乳剤、分散液、又はコロイドであってもよい。特に好ましい製品は、加熱によって何らかの構造的又は動的性質を一時的に変えることによって活用することができるものである。例えば、加熱は、マスカラ製品の粘性を一時的に低減して、塗布を改善すると共に塗布をより簡単にするが、冷却後、マスカラの粘性はほぼ加熱前のレベルに戻ることがある。
【0069】
概して、材料が加熱されるにつれて、温度の変化は材料の熱容量に反比例する。したがって、リザーバ1に入れられた製品を加熱するのに要する時間及びエネルギーを考慮すると、より小さな熱容量を有する製品の方が、より大きな熱容量を有する製品よりも効率的であると考えることができる。化粧液の中でも、水はより高い熱容量の一つを有する。したがって、概して、より少ない水を含むパーソナルケア組成物は、その他のことが全て同じでより多い水を含むものよりも効率的に熱くなることがある。その結果、いくつかの用途については、50%未満の水、より好ましくは25%未満の水、更に好ましくは10%未満の水を有する、最も好ましくは無水の製品を使用することが好ましいことがある。当然ながら、全てのタイプの製品が無水又は低含水量の製品として実施され得るものではなく、50%以上の水を有するパーソナルケア組成物が、本発明によるシステムで使用するのに依然として適していることがある。
【0070】
(売れやすいセットとしての提供)
店頭(即ち、化粧品カウンタ)において製品を試供するための手段として特に有効であるが、本明細書に記載されるような加熱された製品を試供するためのシステムは、売れやすい品目として、例えばメークアップセットとして提供されてもよい。これが行われるとき、販売用として外装に入れたセットとして提供するのが好ましいことがあり、その場合のセットは、本明細書に記載される第2のサブアセンブリと、1以上の第1のサブアセンブリとを備える。
【0071】
任意に、2以上の第1のサブアセンブリが外装内にある場合、全てのリザーバが同じ製品を収容しているとは限らない。例えば、外装は、一つの第2のサブアセンブリと、三つの第1のサブアセンブリ、即ち三つの異なる色のマスカラ製品を収容した三つのリザーバとを保持し得る。
【0072】
任意に、外装はまた、ディスペンサの使用説明書、又はユーザに使用説明書を案内する説明書を収容してもよい。例えば、使用説明書は、外装に含まれる基材上に印刷されてもよい。代替として、外装は、使用説明書をモニタ上で見ることができるウェブサイトをユーザに案内してもよい。使用説明書は、第2のサブアセンブリを第1のサブアセンブリに組み合わせる方法、リザーバと細長いネックとの間の関節結合を壊す方法、加熱要素をオンにする方法、塗布前に製品を加熱するための待ち時間、加熱要素をオフにする方法、電池6にアクセスし交換する方法、アプリケータヘッドを第2のサブアセンブリから取り外す方法、システムの任意の部品を廃棄する方法のうち一部又は全てを含んでもよい。任意に、外装は、第2のサブアセンブリの発熱部分に電力を供給することが意図される1以上の電池を含んでもよい。
【0073】
(使用方法)
これまで、第1のサブアセンブリ及び第2のサブアセンブリについて別個に記載してきた。
図11は、使用前のこれら二つのサブアセンブリの一つの説明図である。上述したように、細長いネック2の上端部2aが開いているので、アプリケータヘッド3の内部は外側からアクセス可能である。詳細には、電気加熱回路の発熱部分7cはアプリケータヘッドに挿入されてもよい。
【0074】
使用場所では、リザーバ1が製品の試供品を収容している第1のサブアセンブリが提供される。第2のサブアセンブリも提供される。発熱部分7cは、アプリケータヘッド3の中空内部に挿入され、電気回路ハウジング5は細長いネック2に(即ち、協働するネジ山などによって)堅く取り付けられる。この構成は
図12に示される。一旦この構成が達成されると、ユーザは、リザーバ1と細長いネック2との間の関節結合部2cを壊し、加熱回路をオンにし、アプリケータヘッドをリザーバから引き上げる順序に応じて、いくつかの選択肢を有する。説明を続ける。
【0075】
概して、製品の加熱は、作用面が下側のリザーバ内にある状態で、又はワイパー要素内にある状態で、又はリザーバから完全に引き上げられた状態で行うことができる。作用面が下側のリザーバ内にある状態で製品を加熱する場合、ユーザは、最初に関節結合部2cを壊し、次に(例えば、カラー6を回転させることによって)加熱回路をオンにしてもよく、又は加熱回路を係合し、次に関節結合部を壊すことができる。代替として、作用面がワイパー内又はリザーバ外にある状態で加熱が行われる場合、ユーザは、アプリケータヘッドを引き上げることができるように、最初に関節結合部を壊さなければならない。
【0076】
どの時点で関節結合部2cが壊されても、ハンドル4とハウジング5の組合せをてこに使用して、リザーバ1と細長いネック2との間の接続又は関節結合部2cを壊すことができる。その後、ハンドル、回路ハウジング、細長いネック、及びアプリケータヘッド3は、一つの実質的に剛性の個片として挙動することができる。
【0077】
どの時点で加熱回路がオンにされても、ユーザは、作用面上の製品が熱くなるための、且つ製品の何らかの特性が改善又は向上するための推奨される時間量(例えば、30秒以下)の間待ってもよい。概して、製品が熱くなるための実際の時間量は、使用される方法に応じて変わる。例えば、アプリケータヘッドがリザーバの外に出された後に加熱回路が係合されたときは、最も長い時間量を要することがある。作用面が下側のリザーバ内にある状態で熱くなっているときは、二番目に長い時間量を要することがある。下側のリザーバのきつい領域は、リザーバの外側で作用面を加熱するのに比べて加熱効率を改善するはずである。作用面がワイパー要素内にある状態で加熱されるときは、加熱が発生することが予期される時間量は最も少ない。ワイパー要素のよりきつい領域、並びにワイパー要素の断熱特性は、記載される他の状況に比べて加熱効率を改善するはずである。
【0078】
一旦関節結合部2cが壊れると、アプリケータヘッドは第2のサブアセンブリと堅く関連付けられ、これは
図13A〜13Dに示される。特に、
図13A及び13Bは、「オン」位置にあるアプリケータを示す。一旦リザーバ(1)から引き上げられると、アプリケータヘッド3を使用して、加熱された製品を体毛又は皮膚などの意図される表面に移すことができる。リザーバが一回量を超える製品を備える場合、アプリケータヘッドはより多くの製品を取り出すためにリザーバに戻されてもよい。好ましくは、店頭で製品を試供するため、リザーバは、一回の完全な塗布に十分な製品を有する。例えば、製品がマスカラである場合、好ましくは、ユーザは両目の睫毛に化粧を施すのに十分な製品をリザーバから取り出してもよい。
【0079】
アプリケータが使用された後、加熱回路をオフにすることができる。これは
図13C及び13Dに示される。この時点で、加熱回路ハウジング5を(例えば、ネジを緩めることによって)細長いネック2から分離することができ、発熱部分7cをアプリケータヘッド3の内側から除去することができる。この時点では、第2のサブアセンブリは回収されており、異なる製品を試供するため、又は異なる顧客が製品を試供できるように、別の第1のサブアセンブリと共に再使用されてもよい。衛生上の理由で、使用済みのリザーバ1、使用済みのアプリケータヘッド3、及び使用済みの細長いネック2は廃棄される。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態では、本明細書に記載される本発明を使用する方法は、次のステップの一部又は全てを含んでもよい。顧客が、加熱された製品を試したいことを示唆する。販売員が、第1のサブアセンブリ及び物理的に別個の第2のサブアセンブリを備える、本発明による加熱された製品を試供するためのシステムを提供する。発熱部分がアプリケータヘッド内に配置されるようにして、第2のサブアセンブリを第1のサブアセンブリに取り付ける。ユーザがオン/オフ機構を係合し、電流源と加熱要素との間に電力を流す。ユーザが、リザーバ内の製品の一部分が周囲温度から製品塗布温度まで加熱されている期間の間待つ。ユーザが、リザーバと細長いネックとの間の接続を壊す。(代替として、ユーザが、リザーバと細長いネックとの間の接続を壊し、次に作用面がワイパー要素に入るまで引き上げる。次に、ユーザが、オオン/オフ機構を係合し、電流源と加熱要素との間に電力を流す。ユーザが、作用面上にある製品の一部分が周囲温度から製品塗布温度まで加熱されている期間の間待つ。)この時点で、ユーザがアプリケータヘッドをリザーバから除去する。ユーザが、アプリケータヘッドを体表面に向かって移動させ、製品を表面に乗せる。ユーザが、アプリケータヘッドをリザーバに再挿入し、次に、ある期間の間待つステップ、アプリケータヘッドをリザーバから除去するステップなどを繰り返す。ユーザがオン/オフ機構を係合し、電力が加熱要素に流れるのを停止させる。ユーザが、第2のサブアセンブリをアプリケータヘッド及び細長いネックから分離する。ユーザが、リザーバ、細長いネック、及びアプリケータヘッドを廃棄する。
【0081】
ある期間の間待つステップは、少なくともユーザ以外の誰か又は何かによって導かれる限りユーザが待つことを含んでもよい。概して、待機期間は、60秒未満、好ましくは30秒以下、より好ましくは15秒以下、更により好ましくは10秒以下であってもよい。代替として、サーモクロミック材料が目に見えて色を変えるまで、ユーザは待ってもよい。上述のステップの一部又は全ては、少なくとも一週間に一回、例えば少なくとも一週間に五回、例えば少なくとも一日一回、例えば少なくとも一日二回、例えば少なくとも一日三回行われてもよい。ユーザは、除去可能なキャップ4cを開くステップ、電池8を除去するステップ、電池を交換するステップ、及び除去可能なキャップを閉じるステップを行ってもよい。
【0082】
(結論)
店頭設備において直面することがある問題を緩和する、加熱された製品を試供するためのシステムについて記載してきた。この新しいシステムでは、構成要素のうち最も高価な部品が再使用され、廃棄される汚れた構成要素は比較的安価である。本発明によって、加熱されたマスカラの試供品の提供が衛生的且つコスト効率の良いものになる。本発明は、本明細書に記載される実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。