【課題を解決するための手段】
【0004】
遺伝子改変された細胞、非ヒト胚、非ヒト動物、ならびにそれらを作製し、使用するための方法および組成物が提供される。様々な態様では、非ヒト動物は、ヒトFcγR受容体、内因性低親和性FcγR受容体の欠失、および/または内因性マウス低親和性FcγRの遺伝子座での、内因性FcγR受容体の、ヒトFcγR受容体による置き換えを含む。
【0005】
一態様では、機能的FcR γ鎖を含む、遺伝子改変された細胞、非ヒト胚、および非ヒト動物が提供され、細胞、胚、および動物は、低親和性内因性非ヒトFcγR遺伝子配列(たとえばFcγRIIB、FcγRIV、およびFcγRIII)の、1つまたは複数の低親和性ヒトFcγR遺伝子配列(たとえば、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、FcγRIIIB、およびその組合せから選択される)による置き換えを含む、さらなる改変を含む。
【0006】
一実施形態では、細胞、非ヒト胚、および非ヒト動物は、マウスである。一実施形態では、機能的FcR γ鎖は、マウスFcR γ鎖である。一実施形態では、マウスFcR γ鎖は、マウス、細胞、または胚に対して内因性のFcR γ鎖である。
【0007】
一実施形態では、細胞、胚、および動物は、マウスであり、マウスは、ヒト低親和性FcγR受容体の機能的α鎖および機能的内因性マウスγ鎖を発現する。
【0008】
一態様では、遺伝子改変されたマウスが提供され、マウスは、FcγRIIB α鎖、FcγRIV α鎖、FcγRIII α鎖、およびその組合せから選択される内因性α鎖を発現せず、マウスは、機能的内因性マウスγ鎖を発現する。
【0009】
特定の実施形態では、マウスは、機能的FcγRIIB α鎖を発現せず、機能的FcγRIV α鎖を発現せず、かつ機能的FcγRIII α鎖を発現しない。
【0010】
一実施形態では、マウスゲノムは、内因性FcγRIIB α鎖の欠失、内因性FcγRIV α鎖の欠失、および内因性FcγRIII α鎖の欠失を含む。
【0011】
一実施形態では、マウスは、内因性FcγRIIB α鎖の欠失、内因性FcγRIV α鎖の欠失、および内因性FcγRIII α鎖の欠失を含み、さらに、同じ抗原に関して、野生型マウスの能力と比較して、抗原に対する免疫応答を行う能力が低下している。一実施形態では、免疫応答の低下は、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)の減少を含む。一実施形態では、免疫応答の低下は、抗体依存性NK細胞殺傷を達成するための細胞殺傷アッセイにおける能力の低下を含む。特定の実施形態では、ADCCまたは抗体依存性NK細胞殺傷における低下は、少なくとも50%であり、一実施形態では少なくとも75%、一実施形態では少なくとも90%である。
【0012】
一実施形態では、マウスは、内因性FcγRIIB α鎖の欠失、内因性FcγRIV α鎖の欠失、および内因性FcγRIII α鎖の欠失を含み、野生型マウス、たとえば、欠失を含まない同じまたは類似する系統のマウスと比較して、抗原を用いる免疫に際しての体液性抗体応答の増加をさらに含む。一実施形態では、体液性抗体応答の増加は、野生型マウスと比較して、2倍である。一実施形態では、体液性抗体応答の増加は、野生型マウスと比較して、3倍である。一実施形態では、体液性抗体応答の増加は、野生型マウスと比較して、5倍である。一実施形態では、体液性抗体応答の増加は、野生型マウスと比較して、7倍である。一実施形態では、体液性抗体応答の増加は、野生型マウスと比較して、10倍である。特定の実施形態では、体液性抗体応答は、マウス由来の血清タンパク質の1マイクログラム当たりの、(マウスが免疫された)抗原に特異的に結合する抗体のマイクログラムによって測定される。一実施形態では、体液性抗体応答の増加は、野生型マウスが耐性を示す抗原または野生型マウスにおいて弱いもしくは最小限の体液性免疫反応を示す抗原に関してのものである。特定の実施形態では、抗原は、マウス抗原である。特定の実施形態では、抗原は、マウスタンパク質との少なくとも約95%、96%、97%、98%、または99%の同一性を示すヒト抗原である。
【0013】
一態様では、低親和性マウスFcγR α鎖遺伝子の、低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子による置き換えを含む、遺伝子改変されたマウスが提供され、置き換えは、内因性マウスFcγR α鎖遺伝子の遺伝子座でのものである。一実施形態では、低親和性マウスFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIB、FcγRIV、およびFcγRIII α鎖遺伝子から選択される。特定の実施形態では、遺伝子改変されたマウスが提供され、マウスは、内因性FcR γ鎖を発現し、低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIIA α鎖である。他の特定の実施形態では、遺伝子改変されたマウスは、NK細胞上に、内因性FcR γ鎖および機能的ヒトFcγRIIIA α鎖を発現する。特定の実施形態では、NK細胞上のFcγRIIIA α鎖の機能性は、ヒト抗体媒介性NK殺傷(たとえばヒト抗体によって媒介されるADCC)によって反映される。
【0014】
一態様では、遺伝子改変された細胞、非ヒト胚、または非ヒト動物が提供され、遺伝子改変は、少なくとも1つの内因性低親和性FcγR α鎖遺伝子の、ヒトFcγR α鎖遺伝子による置き換えを含み、細胞、胚、または動物は、機能的FcR γ鎖を発現する。一実施形態では、機能的FcR γ鎖は、内因性FcR γ鎖である。一実施形態では、低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIA α鎖遺伝子、FcγRIIIA α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。特定の実施形態では、ヒトFcγRIIA遺伝子は、多型を含み、多型は、131His低応答動物多型および131Arg高応答動物多型から選択される。特定の実施形態では、FcγRIIA多型は、131His低応答動物多型である。一実施形態では、FcγRIIIA遺伝子は、特異的な対立遺伝子変異体(allelic variant)であり、対立遺伝子変異体は、158Val変異体および158Phe変異体から選択される。特定の実施形態では、FcγRIIIA対立遺伝子変異体は、158Val変異体である。
【0015】
一実施形態では、低親和性ヒトFcγR遺伝子は、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIB遺伝子、およびその組合せから選択される。特定の実施形態では、ヒトFcγRIIB遺伝子は、アミノ酸置換を含み、置換は、232Ileまたは232Thr置換から選択される。他の特定の実施形態では、アミノ酸置換は、232Ile置換である。特定の実施形態では、FcγRIIIB遺伝子は、特異的対立遺伝子変異体であり、対立遺伝子変異体は、NA1変異体およびNA2変異体から選択される。他の特定の実施形態では、FcγRIIIB対立遺伝子変異体は、NA2変異体である。
【0016】
一実施形態では、低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、FcγRIIIB α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。
【0017】
一実施形態では、低親和性マウスFcγRIV α鎖遺伝子およびFcγRIII α鎖遺伝子は、少なくとも1つの低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子によって置き換えられる。一実施形態では、低親和性マウスFcγRIV α鎖遺伝子およびFcγRIIB α鎖遺伝子は、少なくとも1つの低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子によって置き換えられる。一実施形態では、低親和性マウスFcγRIIB α鎖遺伝子およびFcγRIII α鎖遺伝子は、少なくとも1つの低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子によって置き換えられる。特定の実施形態では、少なくとも1つの低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、FcγRIIIB α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。他の特定の実施形態では、少なくとも1つの低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIA α鎖遺伝子、FcγRIIIA α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。他の特定の実施形態では、少なくとも1つの低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIB α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。他の特定の実施形態では、低親和性マウスFcγR遺伝子は、ヒトFcγRIIA α鎖遺伝子およびヒトFcγRIIIA α鎖遺伝子によって置き換えられる。他の特定の実施形態では、低親和性ヒトFcγRIIA α鎖遺伝子およびFcγRIIIA α鎖遺伝子は、変異体を含み、FcγRIIA α鎖遺伝子は、131His変異体を含み、FcγRIIIA α鎖遺伝子は、158Val変異体を含む。他の特定の実施形態では、低親和性マウスFcγR α鎖遺伝子は、以下の低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子:FcγRIIB、FcγRIIC、およびFcγRIIIBによって置き換えられる。他の特定の実施形態では、低親和性ヒトFcγRIIB α鎖遺伝子およびFcγRIIIB α鎖遺伝子は、変異体を含み、FcγRIIB α鎖遺伝子は、232Ile変異体を含み、FcγRIIIB α鎖遺伝子は、NA2変異体を含む。
【0018】
一実施形態では、遺伝子改変は、マウスおよびヒト染色体1のシンテニックゲノム配列の置き換えを含む。特定の実施形態では、遺伝子改変は、内因性低親和性マウスFcγR遺伝子を含むゲノム断片の、低親和性ヒトFcγR遺伝子を含むゲノム断片による置き換えを含む。他の特定の実施形態では、染色体1:172,889,983〜染色体1:172,989,911のマウスゲノムは、ヒト染色体1:161,474,729〜染色体1:161,620,458を含むヒトゲノム断片によって置き換えられる。
【0019】
一態様では、遺伝子改変された細胞、非ヒト胚、または非ヒト動物が提供され、遺伝子改変は、1つまたは複数の内因性低親和性受容体α鎖遺伝子のノックアウトおよび1つまたは複数のヒトFcγR α鎖遺伝子を含むエピソームの存在を含む。特定の実施形態では、細胞、胚、または動物は、機能的FcR γ鎖を発現する。特定の実施形態では、エピソームは、ミニ染色体である。一実施形態では、機能的FcR γ鎖は、細胞、胚、または動物に対して内因性である。
【0020】
一態様では、低親和性マウスFcγR α鎖遺伝子の、低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子による置き換えを含む、遺伝子改変されたマウスが提供され、マウスは、マウスFcR γ鎖遺伝子を含み、マウスは、機能的ヒト低親和性FcγR受容体を発現する。一実施形態では、機能的低親和性FcγR受容体は、ヒトにおいて低親和性FcγR受容体が発現される細胞型上に発現される。特定の実施形態では、機能的ヒト低親和性FcγR受容体は、FcγRIIIAであり、FcγRIIIAは、NK細胞上に発現される。
【0021】
一実施形態では、マウスは、2つのマウスFcγR α鎖遺伝子の欠失を含む。他の実施形態では、マウスは、3つのマウスFcγR α鎖遺伝子の欠失を含む。
【0022】
一実施形態では、マウスは、3つのマウスFcγR α鎖遺伝子の、少なくとも1つのヒトFcγR α鎖遺伝子による置き換えを含む。他の実施形態では、マウスは、2つのマウスFcγR α鎖遺伝子の、少なくとも1つのヒトFcγR α鎖遺伝子による置き換えを含む。特定の実施形態では、マウスは、3つのマウスFcγR α鎖遺伝子の、少なくとも2つのヒトFcγR α鎖遺伝子による置き換えを含む。他の特定の実施形態では、3つのマウスFcγR α鎖遺伝子は、3つのヒトFcγR α鎖遺伝子によって置き換えられる。他の特定の実施形態では、マウスは、2つのマウスFcγR α鎖遺伝子の、少なくとも2つのヒトFcγR α鎖遺伝子による置き換えを含む。他の特定の実施形態では、2つのマウスFcγR α鎖遺伝子は、少なくとも3つのヒトFcγR α鎖遺伝子によって置き換えられる。
【0023】
一実施形態では、低親和性マウスFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIB、FcγRIV、FcγRIII α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。
【0024】
一実施形態では、低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、FcγRIIIB α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。一実施形態では、低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIA、FcγRIIIA α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。一実施形態では、低親和性ヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIB α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。
【0025】
一実施形態では、低親和性マウスFcγRIV α鎖遺伝子およびFcγRIII α鎖遺伝子は、少なくとも1つのヒトFcγR α鎖遺伝子によって置き換えられる。一実施形態では、低親和性マウスFcγRIV α鎖遺伝子およびFcγRIIB α鎖遺伝子は、少なくとも1つのヒトFcγR α鎖遺伝子によって置き換えられる。一実施形態では、低親和性マウスFcγRIIB α鎖遺伝子およびFcγRIIIB α鎖遺伝子は、少なくとも1つのヒトFcγR α鎖遺伝子によって置き換えられる。特定の実施形態では、少なくとも1つのヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、FcγRIIIB α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。他の特定の実施形態では、少なくとも1つのヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIA、FcγRIIIA α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。他の特定の実施形態では、少なくとも1つのヒトFcγR α鎖遺伝子は、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIB α鎖遺伝子、およびその組合せから選択される。他の特定の実施形態では、マウスα鎖遺伝子は、以下のヒトFcγR α鎖遺伝子:FcγRIIAおよびFcγRIIIAによって置き換えられる。他の特定の実施形態では、マウスα鎖遺伝子は、以下のヒトFcγR α鎖遺伝子:FcγRIIB、FcγRIIC、およびFcγRIIIBによって置き換えられる。
【0026】
一態様では、低親和性ヒトFcγR α鎖およびマウスFcR γ鎖サブユニットを含む遺伝子改変されたマウスが提供され、マウスは、好中球、好酸球、好塩基球、単球、マクロファージ、血小板、ランゲルハンス細胞、樹状細胞、NK細胞、肥満細胞、B細胞、T細胞、およびその組合せから選択される細胞上にヒトFcγR α鎖を発現する。一実施形態では、マウスは、好中球、マクロファージ、好酸球、血小板、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、およびその組合せから選択される細胞上にヒトFcγRIIA α鎖を発現する。一実施形態では、マウスは、発現されたヒトFcγRIIA α鎖を通して開始または媒介される食作用、ADCC、および細胞性の活性化が可能である。一実施形態では、マウスは、マクロファージ、NK細胞、単球、肥満細胞、好酸球、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、少なくとも1つのT細胞型、およびその組合せから選択される細胞上にヒトFcγRIIIA α鎖を発現する。一実施形態では、マウスは、NK細胞上に発現されるヒトFcγRIIIA α鎖を通して媒介されるADCCが可能である。特定の実施形態では、マウスは、ヒトFcを含む抗体に応じて、hFcγRIIIA媒介性のADCCを示す。
【0027】
一実施形態では、マウスは、ヒトFcγRIIA α鎖およびヒトFcγRIIIA α鎖の両方を発現する。一実施形態では、ヒトFcγRIIA α鎖は、血小板上に発現され、ヒトFcγRIIIA α鎖は、NK細胞上に発現される。一実施形態では、マウスは、ヒトFcを含む抗体によって媒介されるADCCが可能であり、媒介は、アクセサリー細胞の表面上に発現されるヒトFcγRIIA α鎖を通してのまたはヒトFcγRIIIA α鎖を通してのものである。一実施形態では、ヒトFcγRIIA α鎖は、血小板上に発現されない。ヒトFcγRIIA α鎖が血小板上に発現されない特定の実施形態では、マウスは、ヒトゲノムにおいてヒトFcγRIIA α鎖に作動可能に連結されるヒトプロモーター配列を欠くまたは実質的に欠く。
【0028】
一実施形態では、マウスは、B細胞、肥満細胞、好塩基球、マクロファージ、好酸球、好中球、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、およびその組合せから選択される細胞上にヒトFcγRIIB α鎖を発現する。特定の実施形態では、マウスは、B細胞および肥満細胞上にヒトFcγRIIB α鎖を発現する。他の特定の実施形態では、マウスは、発現されたヒトFcγRIIB α鎖を通して媒介される免疫複合体のエンドサイトーシスが可能である。一実施形態では、マウスは、好中球、マクロファージ、好酸球、血小板、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、およびその組合せから選択される細胞上にヒトFcγRIIC α鎖を発現する。特定の実施形態では、マウスは、発現されたヒトFcγRIIC α鎖を通して開始される食作用、ADCC、および細胞の活性化が可能である。
【0029】
一実施形態では、マウスは、好中球および好酸球上にヒトFcγRIIIB α鎖を発現する。特定の実施形態では、マウスは、細胞の活性化、食作用、ADCC、および脱顆粒が可能であり、活性化、食作用、ADCC、および脱顆粒は、発現されたヒトFcγRIIIB α鎖を通して媒介される。
【0030】
一態様では、内因性FcγRIIB、FcγRIV、およびFcγRIII遺伝子の欠失ならびにヒトFcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、およびFcγRIIIB遺伝子の挿入を含むマウスが提供され、マウスは、機能的マウスFcR γ鎖遺伝子を含む。
【0031】
一実施形態では、マウスは、内因性FcγRIIB、FcγRIV、およびFcγRIII遺伝子によってコードされるα鎖の欠失ならびにヒトFcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、およびFcγRIIIB遺伝子によってコードされるα鎖の挿入を含む。
【0032】
一実施形態では、ヒトFcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、およびFcγRIIIB α鎖遺伝子の挿入は、マウスゲノム内のランダムな位置にある。
【0033】
一実施形態では、ヒトFcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、およびFcγRIIIB α鎖遺伝子の挿入は、内因性マウス低親和性FcγR α鎖の遺伝子座にある。
【0034】
一実施形態では、マウスは、NK細胞およびマクロファージ上にヒトFcγRIIIAを発現する。特定の実施形態では、マウスの脾細胞試料由来のすべてまたは実質的にすべてのNK細胞は、ヒトFcγRIIIAを発現する。特定の実施形態では、マウスの脾細胞試料由来のすべてまたは実質的にすべてのマクロファージは、ヒトFcγRIIIAを発現する。
【0035】
一実施形態では、マウスは、好中球、マクロファージ、およびその組合せから選択される細胞型上に、ヒトFcγRIIA、ヒトFcγRIIIA、およびその組合せから選択されるヒトFcγRを発現する。特定の実施形態では、マウスは、マウス由来の脾細胞試料のすべてまたは実質的にすべての好中球およびマクロファージ上にヒトFcγRIIAおよびヒトFcγRIIIAを発現する。
【0036】
一実施形態では、マウスは、このマウスからのB細胞ゲーティングされた脾細胞試料からのB細胞のうち、B細胞および好中球上にヒトFcγRIIBおよびヒトFcγRIIIBを発現する。特定の実施形態では、マウスは、このマウスからB細胞ゲーティングされた脾細胞試料からのすべてまたは実質的にすべてのB細胞および好中球上にFcγRIIIBおよびFcγRIIBを発現する。
【0037】
一実施形態では、マウスは、ヒト化CD20遺伝子をさらに含む。一実施形態では、ヒト化CD20遺伝子をさらに含むマウスは、Fcを含む抗CD20結合タンパク質を用いる処理に続いて、B細胞の枯渇(in vivoにおいて)を示す。一実施形態では、枯渇は、骨髄、血液、リンパ節、脾臓、およびその組合せから選択されるコンパートメントにおけるものとする。一実施形態では、Fcは、ヒトFcである。一実施形態では、Fcは、マウスFcである。一実施形態では、抗CD20結合タンパク質は、抗CD20抗体である。
【0038】
一態様では、本明細書において記載される遺伝子改変を含む細胞が提供される。一実施形態では、細胞は、胚性幹(ES)細胞、多能性細胞、誘導多能性細胞、および全能性細胞から選択される。一実施形態では、細胞は、マウス細胞およびラット細胞から選択される。特定の実施形態では、細胞は、ES細胞である。特定の実施形態では、細胞は、マウスES細胞である。
【0039】
一態様では、本明細書において記載される遺伝子改変を含む非ヒト胚が提供される。一実施形態では、非ヒト胚は、マウス胚およびラット胚から選択される。
【0040】
一態様では、治療薬の効能を決定するための方法が提供される。一実施形態では、治療薬は、ヒトFcを含む抗体(たとえば単一特異性、二重特異性、三重特異性、多重特異性)である。一実施形態では、治療薬は、ヒト抗体である。一実施形態では、効能は、治療薬媒介性の細胞殺傷(たとえばADCC)の効能である。特定の実施形態では、ヒト治療薬は、ヒト免疫グロブリン重鎖のFcを含む融合タンパク質である。一実施形態では、治療薬は、本明細書において記載されるように、マウスに投与され、治療薬依存性のADCCのレベルが測定される。一実施形態では、マウスは、治療薬をマウスに投与し、次いで、FcγR発現細胞上のヒト低親和性FcγRへの治療薬の結合を検出することによって(たとえば、動物から採取された試料(たとえば血液)からin vitroにおいて)、治療薬のADCC活性を評価するために使用される。特定の実施形態では、マウスのアクセサリー細胞は、マウスから単離され、治療薬依存性のADCCを媒介するための、治療薬の存在下または非存在下における能力について試験される。
【0041】
一態様では、低親和性FcγRがヒト疾患または障害と関連するかどうかを決定するための方法であって、本発明に従って、マウスにおいて、ヒト疾患または障害と関連する形質を決定するステップを含む、方法が提供される。一実施形態では、形質は、1つまたは複数の低親和性FcγRの機能の不在または損失と関連する表現型である。特定の実施形態では、疾患または障害は、自己免疫疾患または障害である。特定の実施形態では、自己免疫疾患または障害は、関節リウマチ(RA)、全身性エリテマトーデス(SLE)、I型糖尿病、ギラン−バレー症候群、硬化症、多発性硬化症、グッドパスチャー症候群、ウェゲナー肉芽腫症、および実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)から選択される。特定の実施形態では、マウスは、低親和性FcγRにおいて多型を含み、形質は、多型を有しない大多数のヒト集団と比較した、ADCCを媒介するための能力の増強および多型を有しない大多数のヒト集団と比較した、ADCCを媒介するための能力の低下から選択される。
【0042】
一態様では、マウスにおいて抗ヒトFcR α鎖抗体を作製するための方法であって、本明細書において記載されるヒトFcRに対して本発明によるマウスを曝露するステップを含む、方法が提供される。一実施形態では、ヒトFcRを認識する抗体は、マウスから単離される。他の実施形態では、ヒトFcRを認識する抗体の可変領域のすべてまたは一部をコードする核酸配列は、同定され、クローニングされる。
【0043】
一態様では、分子をFcR発現細胞の標的とし、標的分子を食作用する抗ヒトFcR抗体の能力を決定するための方法であって、抗ヒトFcR抗体を含む作用物質に対して本明細書において記載されるマウスを曝露するステップおよび標的分子の食作用を測定するステップを含む、方法が提供される。
【0044】
一態様では、1つまたは複数のFcγRに関して野生型であるマウスにおいて低免疫原性の抗原に対して、マウスにおいて抗体を作製するための方法であって、1つまたは複数のFcγRに関して野生型であるマウスにおいて低免疫原性の抗原に対して、マウス低親和性FcRを欠くが、FcγR γ鎖を発現する、本明細書において記載されるマウスを曝露するステップおよび低抗原性の抗原を認識する抗体を同定するステップを含む、方法が提供される。一実施形態では、方法は、マウスから抗体を単離するステップを含む。他の実施形態では、抗体の可変領域のすべてまたは一部をコードする核酸配列は、同定され、クローニングされる。
【0045】
一態様では、ヒト可変領域を含む抗体を作ることができるマウスを作製するための方法であって、本明細書において記載される第1のマウスを、(a)1つもしくは複数のヒト免疫グロブリン可変領域遺伝子セグメントおよび1つまたは複数のヒト定常領域遺伝子または(b)マウス定常領域遺伝子に作動可能に連結された1つもしくは複数のヒト免疫グロブリン可変領域遺伝子セグメントを含む第2のマウスと交配するステップを含み、ヒト遺伝子セグメントは、マウス可変領域遺伝子セグメントの遺伝子座で可変領域遺伝子セグメントに取って代わる、方法が提供される。
【0046】
一実施形態では、第2のマウスは、(a)1つまたは複数のヒト免疫グロブリン軽鎖可変領域遺伝子セグメントおよびヒト軽鎖定常遺伝子を含む導入遺伝子ならびに1つまたは複数のヒト免疫グロブリン重鎖可変領域遺伝子セグメントおよび1つまたは複数のヒト重鎖定常遺伝子を含む導入遺伝子を含む。一実施形態では、1つまたは複数のヒト免疫グロブリン重鎖可変領域遺伝子セグメントを含む導入遺伝子は、2つ以上の重鎖定常遺伝子を含み、クラススイッチが可能である。特定の実施形態では、マウスは、不活性化された内因性軽鎖遺伝子座および/または不活性化された内因性重鎖遺伝子座を含む。特定の実施形態では、マウスは、内因性軽鎖遺伝子座の欠失および/または内因性重鎖遺伝子座の欠失を含む。
【0047】
一実施形態では、第2のマウスは、(b)それぞれ、重鎖および軽鎖のマウス遺伝子座に、ヒト重鎖可変領域遺伝子セグメントおよびヒト軽鎖可変領域遺伝子セグメントを含む。
【0048】
一態様では、抗腫瘍抗体を選択するための方法であって、ADCCを媒介するための抗体の能力を決定するステップを含み、ADCCを媒介するための抗体の能力は、本明細書において記載されるマウスの細胞によって媒介されるADCCを決定することによって試験され、抗体は、それが本明細書において記載される遺伝子改変されたマウスの細胞を用いるADCCを媒介する場合、選択される、方法が提供される。特定の実施形態では、遺伝子改変されたマウスの細胞への抗体の結合が決定され、抗腫瘍抗体が、細胞上のヒトFcγRに結合するその能力について選択される。特定の実施形態では、ヒトFcγRは、低親和性FcγRである。
【0049】
一実施形態では、抗腫瘍抗体は、野生型マウスの細胞を通してADCCを媒介するための抗腫瘍抗体の能力と比較した、マウスの細胞を通してADCCを媒介する能力の増強によって同定される。特定の実施形態では、抗腫瘍抗体は、NK細胞を通してADCCを媒介するその能力によって同定される。特定の実施形態では、NK細胞は、ヒトFcγRIIIAを発現する。
【0050】
一実施形態では、抗腫瘍作用物質を選択するための方法であって、ヒトFcまたは改変ヒトFcを含む作用物質を第1の非ヒト動物に投与するステップであって、第1の非ヒト動物は、本発明に従って遺伝子改変され、ヒト腫瘍を含む、ステップ、腫瘍を含む第2の非ヒト動物に作用物質を投与するステップ、および作用物質の投与に続いて、ヒト腫瘍の成長を遅延させるための、第1の非ヒト動物および第2の非ヒト動物の能力を決定するステップを含み、作用物質は、それが、第2の非ヒト動物においてではなく、第1の非ヒト動物においてヒト腫瘍の成長を遅延させる能力の増強を示す場合、抗腫瘍作用物質として選択される、方法が提供される。
【0051】
一実施形態では、第1の非ヒト動物は、内因性FcR αサブユニットの欠失を含むように改変され、FcγRIIA αサブユニット、FcγRIIB αサブユニット、FcγRIIC αサブユニット、FcγRIIIA αサブユニット、FcγRIIIB αサブユニット、およびその組合せから成る群から選択されるヒトFcR αサブユニットを含むように改変される。一実施形態では、第2の動物は、野生型動物である。一実施形態では、第1の非ヒト動物は、内因性FcR γ鎖を発現する。
【0052】
一実施形態では、第1の非ヒト動物は、機能的内因性FcγRIを発現する。
【0053】
一態様では、低親和性マウスFcγRを欠き、機能的FcR γ鎖を発現し、ヒトFcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、およびFcγRIIIBのα鎖をコードする遺伝子を含む、マウスを作製するための方法であって、マウスFcγR α鎖の遺伝子座で、低親和性マウスFcγR α鎖をヒトFcγR α鎖と置き換えるステップを含む、方法が提供される。
【0054】
一実施形態では、第1のステップは、内因性FcγRIIB、FcγRIV、およびFcγRIII遺伝子のα鎖を欠失させることならびにヒトFcγRIIAおよびFcγRIIIA遺伝子のα鎖を挿入することを含み、第2のステップは、第1のステップから結果として生じるマウスゲノムの中にヒトFcγRIIB、FcγRIIC、およびFcγRIIIB遺伝子のα鎖を挿入することを含み、マウスは、機能的マウスFcR γ鎖遺伝子を含む。特定の実施形態では、第2のステップのヒトFcγRIIB、FcγRIIC、およびFcγRIIIB遺伝子のα鎖は、第1のステップのヒトFcγRIIAおよびFcγRIIIA遺伝子のα鎖に対して5’側に挿入される。
【0055】
一態様では、非霊長動物においてヒト治療薬による細胞殺傷を決定するための方法であって、ヒトFcを含むヒト治療薬に、細胞、非ヒト胚、または非ヒト動物を曝露するステップであって、細胞、胚、または動物は、機能的FcR γ鎖を含み、1つまたは複数の内因性低親和性FcγR α鎖遺伝子の、1つまたは複数のヒトFcγR α鎖による置き換えを含む、ステップおよび細胞、胚、または動物の低親和性ヒトFcγRを通して細胞殺傷を媒介するためのヒト治療薬の能力を決定するステップを含む、方法が提供される。
【0056】
一実施形態では、非霊長動物は、マウスである。特定の実施形態では、内因性マウスFcγR α鎖遺伝子FcγRIIB、FcγRIV、およびFcγRIIIは、ヒトFcγR α鎖遺伝子FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、およびFcγRIIIBで置き換えられる。
【0057】
一実施形態では、細胞は、B細胞、肥満細胞、好塩基球、マクロファージ、好酸球、好中球、樹状細胞、ランゲルハンス細胞、およびその組合せから選択される。特定の実施形態では、細胞は、NK細胞であり、ヒト抗体またはヒト化抗体によるNK細胞媒介性ADCCが、決定される。特定の実施形態では、低親和性ヒトFcγRは、ヒトFcγRIIIAである。
【0058】
一態様では、治療薬依存性の血栓形成を決定するための方法であって、治療薬に、血小板上にヒトFcγRIIAを発現する第1の非ヒト動物を曝露するステップ、当該治療薬に、血小板上にヒトFcγRIIAを発現しない第2の非ヒト動物を曝露するステップ、第1の非ヒト動物および第2の非ヒト動物において、治療薬依存性の血栓形成の量を測定するステップ、ならびに治療薬依存性の血栓形成における差異を決定するステップを含む、方法が提供される。
【0059】
一実施形態では、非ヒト動物は、マウスおよびラットから選択される。
【0060】
一実施形態では、治療薬依存性の血栓形成における決定された差異は、ヒトへの治療薬の投与と関連する危険性を同定するために用いられる。一実施形態では、決定された差異は、その必要性のあるヒト患者への治療薬の投与の変化をもたらす。
特定の実施形態では、例えば以下が提供される:
(項目1)
遺伝子改変を含むマウスであって、該遺伝子改変が、内因性低親和性FcγR遺伝子の、該内因性マウス低親和性FcγR遺伝子の遺伝子座に配置される、少なくとも2つの低親和性ヒトFcγR遺伝子による置き換えを含み、該マウスが機能的FcR γ鎖を含む、マウス。
(項目2)
前記少なくとも2つの低親和性ヒトFcγR遺伝子が、FcγRIIA、FcγRIIB、FcγRIIC、FcγRIIIA、およびFcγRIIIBから選択される、項目1に記載のマウス。
(項目3)
前記少なくとも2つの低親和性ヒトFcγR遺伝子が、FcγRIIAおよびFcγRIIIAである、項目1に記載のマウス。
(項目4)
前記ヒトFcγRIIIAが、前記マウスのNK細胞上に発現される、項目3に記載のマウス。
(項目5)
前記少なくとも2つの低親和性ヒトFcγR遺伝子が、FcγRIIB、FcγRIIC、およびFcγRIIIBである、項目1に記載のマウス。
(項目6)
前記FcγRIIAおよびFcγRIIIAの遺伝子が、対立遺伝子変異体または多型を含む、項目3に記載のマウス。
(項目7)
ヒト低親和性FcγR対立遺伝子変異体を含み、前記対立遺伝子変異体が、(a)FcγRIIA対立遺伝子変異体131H、(b)FcγRIIIA対立遺伝子変異体158V、(c)FcγRIIB対立遺伝子変異体232I、(d)好中球抗原2(NA2)対立遺伝子によって特徴付けられるFcγRIIIB対立遺伝子変異体、および(e)それらの組合せから成る群から選択される、項目5に記載のマウス。
(項目8)
遺伝子改変されたマウスであって、該遺伝子改変が、FcγRIIB、FcγRIII、およびFcγRIVのαサブユニットをコードする内因性マウス遺伝子の、ヒトFcγRIIIA αサブユニットをコードする遺伝子による置き換えを含み、該マウスが、内因性マウスFcR γサブユニットを伴うヒトFcγRIIIAタンパク質を発現し、該ヒトFcγRIIIAタンパク質がマウスNK細胞の表面上に発現される、マウス。
(項目9)
マウスNK細胞が、前記マウスの血中で循環するNK細胞であり、該マウスNK細胞の表面上に発現される該FcγRIIIAタンパク質が、ヒトFcまたは改変ヒトFcを含むイムノアドヘシンまたは抗体に結合し、該イムノアドヘシンまたは抗体が、該マウスにおける標的細胞に特異的に結合し、該NK細胞の該FcγRIIIAへの、該イムノアドヘシンまたは該抗体の結合が、該標的細胞のNK細胞殺傷を媒介する、項目8に記載の遺伝子改変されたマウス。
(項目10)
前記標的細胞にヒト病原体が感染しており、前記イムノアドヘシンまたは抗体が該ヒト病原体のエピトープに特異的に結合する、項目9に記載の遺伝子改変されたマウス。
(項目11)
前記標的細胞が腫瘍細胞であり、前記イムノアドヘシンまたは抗体が該腫瘍細胞のエピトープに特異的に結合する、項目9に記載の遺伝子改変されたマウス。
(項目12)
治療薬依存性の細胞殺傷を測定するための方法であって、
(a)遺伝子改変されたマウスに、該マウスにおけるNK細胞でない標的細胞に特異的に結合する治療剤を投与するステップであって、該治療剤がヒトFcを含む、ステップと、(b)該マウスまたは該マウスの組織試料におけるNK媒介性の標的細胞殺傷のレベルを測定するステップと、
(c)前記治療剤によって媒介される標的細胞殺傷の量を決定し、それによって、治療薬依存性の細胞殺傷を測定するステップとを含み、該遺伝子改変が、マウスFcγRIIBのαサブユニットをコードする遺伝子の欠失、マウスFcγRIIIのαサブユニットをコードする遺伝子の欠失、およびマウスFcγRIVのαサブユニットをコードする遺伝子の欠失を含み、前記マウスが、ヒトFcγRIIIAのαサブユニットをコードする遺伝子を、内因性マウスαサブユニットの遺伝子座に含み、該マウスが機能的FcR γ鎖サブユニットを発現する、方法。
(項目13)
前記マウスが、前記内因性マウスαサブユニットの遺伝子座に、FcγRIIA αサブユニット、FcγRIIB αサブユニット、FcγRIIC αサブユニット、FcγRIIIB αサブユニット、およびそれらの組合せから選択されるヒトFcγR αサブユニットをコードする遺伝子をさらに含む、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記標的細胞がヒト病原体であり、前記治療薬が、該ヒト病原体のエピトープに特異的に結合する、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記標的細胞が、ヒト病原体が感染しているマウス細胞であり、前記治療薬が、該ヒト病原体のエピトープに特異的に結合する、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記標的細胞が、ヒト病原体が感染しているヒト細胞であり、前記治療薬が、該ヒト病原体のエピトープに特異的に結合する、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記標的細胞が、ヒト腫瘍細胞であり、前記治療薬が、該ヒト腫瘍細胞のエピトープに特異的に結合する、項目12に記載の方法。
(項目18)
前記組織試料が血液試料である、項目12に記載の方法。
(項目19)
前記治療薬が抗体である、項目12に記載の方法。
(項目20)
前記抗体がヒト抗体である、項目17に記載の方法。