特許第5891282号(P5891282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5891282引き込み可能なストライカを有する車両シート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5891282
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】引き込み可能なストライカを有する車両シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/20 20060101AFI20160308BHJP
   B60N 2/64 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
   B60N2/20
   B60N2/64
【請求項の数】8
【外国語出願】
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-187911(P2014-187911)
(22)【出願日】2014年9月16日
(62)【分割の表示】特願2012-533141(P2012-533141)の分割
【原出願日】2010年1月27日
(65)【公開番号】特開2015-27876(P2015-27876A)
(43)【公開日】2015年2月12日
【審査請求日】2014年10月2日
(31)【優先権主張番号】61/248,552
(32)【優先日】2009年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/260,561
(32)【優先日】2009年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598147400
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ テクノロジー カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Johnson Controls Technology Company
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ハラドゥーダ、 グイド
(72)【発明者】
【氏名】ジェック、 ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィト、 アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ミハラク、 エリック ビー.
【審査官】 宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−261294(JP,A)
【文献】 特開2007−283944(JP,A)
【文献】 特開2007−098976(JP,A)
【文献】 特開平08−216750(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00 − 2/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引き込み可能なストライカ(1)を有する、車両用の車両シートであって、
前記引き込み可能なストライカ(1)が、前記ストライカ(1)によって車体に接続されるバックレスト(11)に配列され、
前記引き込み可能なストライカ(1)は、前記バックレスト(11)が前方に折り畳まれる動作によって前記バックレスト(11)内に完全に引き込み可能となるべく並進移動をする、車両シート。
【請求項2】
前記引き込み可能なストライカ(1)は、ばね(151)によって突出位置へ付勢される、請求項1に記載の車両シート。
【請求項3】
前記引き込み可能なストライカ(1)は、案内スリーブ(2)内に移動可能に配列される、請求項2に記載の車両シート。
【請求項4】
前記引き込み可能なストライカ(1)は、ケーブルを含む作動手段(3)によって移動可能である、請求項3に記載の車両シート。
【請求項5】
前記引き込み可能なストライカ(1)と前記作動手段(3)との間に伸長要素(152)が配列される、請求項4に記載の車両シート。
【請求項6】
前記伸長要素(152)はばねである、請求項5に記載の車両シート。
【請求項7】
前記引き込み可能なストライカ(1)は前記バックレスト(11)に配列され、
前記バックレスト(11)が複数のセグメントに分割可能である、請求項1に記載の車両シート。
【請求項8】
前記バックレスト(11)の複数のセグメントが前記引き込み可能なストライカ(1)によって互いに接続可能である、請求項7に記載の車両シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストライカと、車両用の構造上に配列されるストライカを有するシートとに関する。
【背景技術】
【0002】
(優先権の主張)
本出願は、米国仮出願61/248552号(2009年10月5日出願)及び61/260561(2009年11月12日出願)の出願日の利益を主張し、この出願の内容の全体は、参照により本明細書に明示的に組み込まれている。
【0003】
このようなストライカ及びこのようなシートは従来技術において知られており、ストライカは、例えば、バックレストを車体に又は車体をバックレストに連結したり、バックレストの一セグメントを車体に連結したり、バックレストの複数のセグメントを互いに連結したりするために使用される。
【0004】
更に、このようなストライカは、シートのクッション部に、例えば、クッション部を車体に連結したり、クッション部の一セグメントを車体に連結したり、クッション部の複数のセグメントを互いに接続したりするために配列することができる。
【0005】
先行技術によるシートは、突出するストライカが障害物となり、したがって、例えば、これらのストライカがシートのバックレストに配列されてバックレストが前方に折り畳まれる場合に、乗員にとって危険であるという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明の目的は、従来技術の欠点がないシートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、引き込み可能なストライカと、車両用シート構造に配列された引き込み可能なストライカを有するシートとによって解決され、引き込み可能なストライカは少なくとも部分的に又は完全にシート構造内に引き込まれる。引き込み可能なストライカが取り付けられるシート構造は、シートのバックレストでも、クッション部でもよい。
【0008】
本発明によるシートは、少なくとも一人で使用することができるシートである。特に、複数の人用のベンチシートとしてこのシートを使用することが可能である。このシートはクッション部とバックレストとを備える。
【0009】
本発明によれば、バックレストはいくつかのセグメントに分割することができてもよい。特に、バックレスト全体又はバックレストの一以上のセグメントが、第1位置から別の位置に折り畳み可能である。例えば、第1位置は、乗員がシートに着座し得る運転位置である。また、第2位置は収納位置であってもよい。この収納位置において、バックレスト又はバックレストの一以上のセグメントがクッション部の上に折り畳まれる。好ましくは、バックレストは、複数の着座可能な位置に移動可能である。好ましくは、バックレストは、「通常の」着座可能位置と、後ろにもたれる、したがって快適な着座可能位置とに移動可能である。好ましくは、バックレストは、複数の第2位置に移動可能である。好ましくは、クッション部は、複数の位置に移動可能である。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、収納位置を、クッション部がバックレストに向かって上方に移動されるように設けることができる。特に第1位置では、バックレスト又はクッション部を、引き込み可能なストライカによって車体と接続することができ、又は、バックレスト/クッション部の複数のセグメントを、引き込み可能なストライカ及び引き込み可能なストライカの対応物によって互いに接続する。
【0011】
本発明によれば、引き込み可能なストライカは少なくとも部分的にシート構造又は他の構造体に引き込み可能であり、それにより、引き込み可能なストライカは乗員又は運転者の障害にならない。
【0012】
引き込み可能なストライカは任意の材料から作ることができる。好ましくは、引き込み可能なストライカは、金属、又は鉄鋼などのエネルギー吸収特性を有する強靭な材料で作られる。より好ましくは、引き込み可能なストライカは、U字、フック、ノッチ付きロッドなどの形で成形される。本発明によれば、引き込み可能なストライカの(複数の)脚部は、異なる長さ又は同様の長さにすることができる。
【0013】
好ましくは、引き込み可能なストライカはばね又は引き込み装置を含み、引き込み装置は引き込み可能なストライカを突出位置にし、この突出位置において引き込み可能なストライカが対応物と係合する。これは、引き込み装置が解放された場合に、引き込み可能なストライカをその引き込み位置からその突出位置に向かって移動させるように、引き込み装置が付勢されていることを意味する。
【0014】
好適な実施形態において、引き込み可能なストライカは停止部材を有し、停止部材は突出位置を画定する。
【0015】
より好ましくは、引き込み可能なストライカは、1つの案内スリーブ内に、又は複数の案内スリーブ内に、特に引き込み可能なストライカの脚部の各々に対して1つの案内スリーブに、移動可能に設けられる。より好ましくは、引き込み可能なストライカの(複数の)脚部が、特に異なる長さの(複数の)脚部(長い脚部と短い脚部)を有する引き込み可能なストライカの場合の長い脚部が、案内スリーブ内に移動可能に設けられる。案内スリーブは、突出位置から引き込み位置に及び引き込み位置から突出位置に移動する間、引き込み可能なストライカを案内する。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、引き込み可能なストライカは、作動手段、すなわち、ケーブル又はその他の装置を備える。引き込み可能なストライカは、この作動手段によって突出位置から引き込み位置に移動可能である。作動手段は手動で、或いはアクチュエータによって又はモータによって使用することができる。
【0017】
引き込み可能なストライカと作動手段との間には、好ましくは伸長要素が、特にばねが、設けられる。伸長要素は、引き込み可能なストライカが突出位置から引き込み位置に移動される場合に乗員、特に子供が怪我をすることを防ぐ。
【0018】
好ましくは、引き込み可能なストライカは、シート構造の動作によって、例えば、バックレストの動作によって又はクッション部の動作によって移動可能である。より好ましくは、シート構造が第1位置から第2位置に向かって移動されると、引き込み可能なストライカが自動的に引き込まれる。例えば、バックレストが第2位置に折り畳まれると、引き込み可能なストライカが引き込まれ、バックレストが着座可能な又は直立の第1位置に移動されると、引き込み可能なストライカが自動的に突出位置に移動される。
【0019】
本発明によれば、引き込み可能なストライカは、シート構造の、特にバックレストの少なくとも1つの第1位置にロック可能又はラッチ可能である。2つ以上の異なる第1位置(以下、「第1位置」及び「更なる第1位置」と称する)においてバックレストがラッチ可能である(引き込み可能なストライカは突起位置にある)場合には、シート構造を、2つの第1位置の一方を過ぎて、例えば、更なる第1位置に到達するために第1位置を過ぎて移動させる間に、引き込み可能なストライカが引き込まれることが有利となり得る。これは、好ましくは、第1位置が第2位置(引き込み可能なストライカがその引き込み位置にある)と更なる第1位置との間に設けられる場合である。第1位置を(更なる第1位置に移動するために)通過する引き込み可能なストライカの引き込みは、任意の手段により(例えば、手動で又は電気的に又はその他の方法で)実現することができる。ストライカのこのような引き込み動作によって、本発明のこの実施形態によれば、シート構造の更なる第1位置へ向かう途中で第1位置を通過することが可能である。シート構造が第1位置を通過した(すなわち、引き込み可能なストライカが第1位置に対応するラッチ手段を通過した)後、引き込み可能なストライカは、更なる第1位置でラッチされるように、(好ましくは、ばね手段によって)突出位置に突出させられる。第1位置は、引き込み可能なストライカがラッチ可能な任意の位置、すなわち、バックレストの任意の収納位置又は着座可能位置又は快適位置であることができる。また、更なる第1位置は、引き込み可能なストライカがラッチ可能である任意の位置、すなわち、バックレストの任意の収納位置又は着座可能位置又は快適位置又は更なる快適位置であることができる。この引き込み可能性は、シートクッションに関して同じ方法で大部分同様に実現可能であり、したがって本明細書では説明されていない。
【0020】
本発明の説明において、バックレスト又はシートクッションの第1位置は、バックレスト又はシートクッションが引き込み可能なストライカを用いて、ラッチされるか、ロックされるか、或いは固定されることができる1つ又は複数の位置である。これに関連して、バックレスト又はシートクッションの第2位置は、引き込み可能なストライカがシート構造内に引き込まれる1つ又は複数の位置である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1a及び1bは、それぞれシートの概略図を示す。
図2図2は、シートの一部分の正面図を概略的に示す。
図3図3は、案内スリーブ2内で移動可能に案内される引き込み可能なストライカ1を概略的に示す。
図4図4は、バックレスト11を有するシートを側面図で概略的に示す。
図5図5a、5b及び5cは、本発明の更なる実施形態を3つの概略図で例示的に示す。
図6図6a、6b及び6cは、本発明の更なる実施形態を3つの概略図で例示的に示す。
図7図7は、本発明の更なる実施形態を例示的に示す。
図8図8は、本発明の更なる実施形態を例示的に示す。
図9図9は、シートバック11及び突出位置にある引き込み可能なストライカ1の接近正面図を概略的に示す。
図10図10は、本発明の更なる実施形態を例示的に示す。
図11図11は、本発明の更なる実施形態を例示的に示す。
図12図12には、バックレスト11が第2位置に折り畳まれると、ストライカ作動レバー14が回転軸20の周りで回転し、引き込み可能なストライカ1をシート構造に向かって引き込むことが示されている。
図13図13は、第1位置17にあるバックレスト構造と中間位置17’にあるバックレスト構造を示す。
図14図14は、第1位置17にあるバックレスト構造と第2位置17”にあるバックレスト構造を示す。
図15図15は、本発明の更なる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下で、図1図15を用いて本発明を説明する。これらの説明は単なる例示であり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0023】
図1a及び1bは、それぞれシートの概略図を示す。上部の図(図1a)にはバックレスト11とトリム6とを有する座席の正面図が、下部の図(図1b)には背面図が示される。また、背面図(図1b)にはシート構造8が示される。シートの側面には引き込み可能なストライカ1が設けられている。この図示の位置において、引き込み可能なストライカ1は突出位置1’にあり、すなわち、引き込み可能なストライカはその延伸位置にある。バックレスト11は、(直立の)着座可能な第1位置にある。
【0024】
図2は、シートの一部分の正面図を概略的に示す。引き込み可能なストライカ1は、突出位置1’及び引き込み位置1”で示されている。引き込み位置1”において、引き込み可能なストライカ1はシートシステム(シート構造8とも呼ばれる)内に引き込まれる。好ましくは、引き込み位置1”においても、トリム6と引き込み可能なストライカ1の中央部分(すなわち、引き込み可能なストライカの脚部を構成しない部分)との間に隙間がある。
【0025】
図3は、案内スリーブ2内で移動可能に案内される引き込み可能なストライカ1を概略的に示す。ケーブル3は、コネクタプレート15において引き込み可能なストライカ1と接続される。バックレスト11が(直立の第1位置から(ほとんど前方に)折り畳まれた第2位置の方向に)折り畳まれると、次いでケーブル3が案内スリーブ2に案内された引き込み可能なストライカ1を突出位置1’からシート構造8に向かって引き込み位置1”に引き込む。
【0026】
図4は、バックレスト11を有するシートを側面図で概略的に示す。バックレスト11は直立の又は着座可能な位置(第1位置)で示される。バックレスト11は、シート面4又はクッション部4に向かって収納位置(第2位置)に折り畳み可能である。角度Bは、直立の又は着座可能な第1位置にあるバックレスト11と収納位置(第2位置)にあるバックレストとの間の角度である。角度Aは、第1位置にあるバックレスト11と中間位置にあるバックレスト11との間の角度である。この中間位置は第1位置と第2位置の間の任意の位置である。
【0027】
図5a、5b及び5cは、本発明の更なる実施形態を3つの概略図で例示的に示す。左図(図5a)は、シートバック枢動軸10を有するバックレスト11を示す。バックレスト11はシートバック枢動軸10を中心に折り畳まれる(回転する)。上部の丸で囲んだ図(図5b)は、ソリッドリンク9とケーブル3との接続に関する詳細図を示す。ソリッドリンク9は、バックレスト11が収納位置(第2位置)に折り畳まれるときに回転される両側(ツーサイド)レバー7に接続されている。両側レバーは、ケーブル3に接続されている。下部の丸で囲んだ図(図5c)は、シートバック枢動軸10とソリッドリンク9と接続の詳細図を示す。シートバック枢動軸10は、バックレスト11が第2位置に折り畳まれるときに回転される第1枢動レバー5に接続されており、第1枢動レバー5は、ソリッドリンク9に接続されている。シートバック枢動軸10が回転されると、第1枢動レバー5が回転の過剰進行を与える。ソリッドリンク9を用いる両側レバー7及び第1枢動レバー5とのこれらの接続は、機械的な伝動装置を提供する。この具現化は、バックレスト11の運転位置(第1位置)から折り畳み位置(第2位置)への行程の過剰進行を与えることが容易に可能となるので有利である。
【0028】
図6a、6b及び6cは、本発明の更なる実施形態を3つの概略図で例示的に示す。左図(図6a)は、シートバック枢動軸10を有するバックレスト11を示す。シートバック枢動軸10は、ケーブルリンク12に接続されている。ケーブルリンク12は、ケーブル3に接続されている。上部の丸で囲んだ図(図6b)は、ケーブルリンク12とケーブル3との接続に関する接近図を示す。バックレスト11が第2位置に折り畳まれると、次いでケーブルリンク12が、シートバック枢動軸10に向かって引っ張られ、ケーブル3及び引き込み可能なストライカ1を引き込む。下部の丸で囲んだ図(図6c)は、シートバック枢動軸10とケーブルリンク12との接続の接近図を示す。シートバック枢動軸10は、バックレスト11が第2位置に折り畳まれるときに回転される第2枢動レバー5’に接続されており、第2枢動レバー5’は、ケーブルリンク12に接続されている。シートバック枢動軸10が回転されると、次いで第2枢動レバー5’が回転の過剰進行を与える。この具現化は、バックレスト11の第1位置から第2位置への行程の過剰進行を与えることが容易に可能となるので有利である。
【0029】
図7は、本発明の更なる実施形態を例示的に示す。図7は、シート構造8と突出位置にある引き込み可能なストライカ1とを有するシートの背面図を概略的に示す。図7において、引き込み可能なストライカ1及び特に引き込み可能なストライカ1の脚部18’、18”は、シート構造8に関して直角に配列される。言い換えれば、引き込み可能なストライカ1の主延在面は、シート構造8に対して直角に向けられる。
【0030】
図8は、本発明の更なる実施形態を例示的に示す。図8は、シート構造8と突出位置にある引き込み可能なストライカ1とを有するシートの背面図を概略的に示す。図8において、引き込み可能なストライカ1及び特に引き込み可能なストライカ1の脚部18’、18”は、シート構造8に関して平行に配列される。代わりに、引き込み可能なストライカ1及び特に引き込み可能なストライカ1の脚部18’、18”は、シート構造8に関して任意の他の角度で配列することができる。言い換えれば、引き込み可能なストライカ1の主延在面は、シートバックに対して平行に向けられている。
【0031】
図9は、シートバック11及び突出位置にある引き込み可能なストライカ1の接近正面図を概略的に示す。引き込み可能なストライカ1及び特に引き込み可能なストライカ1の脚部18’、18”は、シート構造に関して平行に配列される。ラッチ機構13は、引き込み可能なストライカ1にロックされている。このラッチ機構13は、場合によりシートをシートセグメントと接続する。ラッチ19が、引き込み可能なストライカ1の脚部18”をロックする。脚部18’、18”間の幅は、ラッチ機構13が引き込み可能なストライカ1を容易にロックするように選択される。脚部18’、18”間のこの幅は、柔軟に選択することができる。この柔軟な配列により、引き込み可能なストライカ1及び特に引き込み可能なストライカ1の脚部18’、18”をシートバック11に関して一定角度に配列することなく、引き込み可能なストライカ1をラッチ機構13でロックすることが可能になる。
【0032】
図10は、本発明の更なる実施形態を例示的に示す。図10は、引き込み可能なストライカ1にロックされたラッチ機構13を有するシートに関する接近側面図を概略的に示す。引き込み可能なストライカ1及び特に脚部18’、18”は、シート構造に関して約60度又は他の角度で、すなわち、シート構造8に対して直角でも平行でもなく配列される。代わりに、引き込み可能なストライカ1及び特に引き込み可能なストライカ1の脚部18’、18”は、シート構造8に関して任意の他の角度で配列することができる。この柔軟な配列により、引き込み可能なストライカ1の脚部18’、18”間の幅を変えずに、引き込み可能なストライカ1をラッチ機構13でロックすることが可能になる。
【0033】
図11は、本発明の更なる実施形態を例示的に示す。図11は本発明の更なる実施形態による引き込み機構の正面図を示す。引き込み可能なストライカ1は、コネクタプレート15に接続される。コネクタプレート15は、ストライカ作動レバー14に接続されている。ストライカ作動レバー14は回転軸20の周りで回転可能である。
【0034】
図12には、バックレスト11が第2位置に折り畳まれると、ストライカ作動レバー14が回転軸20の周りで回転し、引き込み可能なストライカ1をシート構造に向かって引き込むことが示されている。この具現化は、バックレスト11の第1位置から第2位置への行程の過剰進行をもたらすことが容易に可能であるため、有利である。
【0035】
図13及び図14は、バックレスト11に対して平行に達するバックレスト構造17、17’、17”の概略側面図を示す。より良く図示するために、バックレスト11は図13及び図14に示されていない。
【0036】
図13は、第1位置17にあるバックレスト構造と中間位置17’にあるバックレスト構造を示す。この中間位置は第1位置と第2位置との間の任意の位置であることができる。折り畳み角度16は、第1位置17にあるバックレスト構造と中間位置17’にあるバックレスト構造との間の角度である。
【0037】
図14は、第1位置17にあるバックレスト構造と第2位置17”にあるバックレスト構造を示す。バックレスト構造の中間位置17’と第2位置17”との間において、引き込み可能なストライカは完全に引き込まれている。
【0038】
図15は、本発明の更なる実施形態を示す。引き込み可能なストライカ1はベース部と2つの脚部18’、18”とを有するU字形に成形され、2つの脚部18’、18”の一方は長い脚部18’であり、他方の脚部は短い脚部18’である。引き込み可能なストライカ1が引き込み位置に移動可能であるように、引き込み可能なストライカ1はシートのバックレストのシート構造8内に移動可能に配列される。この引き込み位置においてU字のベース部はシートのトリム6と接触している。引き込み可能なストライカ1が突出位置から引き込み位置に移動されるとき、長い脚部18’は案内スリーブ2によって移動可能に設けられている。引き込み可能なストライカ1の動作を制限する停止部材150と案内スリーブ2との間に、ばね151が配列される。ばね151は、引き込み可能なストライカ1に突出位置へとプレストレスを与える。ケーブル3は、引き込み可能なストライカ1の短い脚部18”に配列される。ケーブル3は、引き込み可能なストライカ1を突出位置から引き込み位置に移動するために使用される。伸長要素152が、引き込み可能なストライカ1とケーブル3との間に配列される。伸長要素152は、引き込み可能なストライカ1が突出位置から引き込み位置に移動される場合に、乗員、特に子供達及び彼らの指が傷つくことを防ぐ。
【0039】
更に、複数の実施形態を互いに組み合わせることが可能である。例えば、ストライカ作動レバー14を用いる引き込み機構を、シート構造8に関して平行な引き込み可能なストライカ1の配列と組み合わせることができる。しかし、他のいかなる組み合わせも可能であり、この説明における実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
【0040】
本発明の特定の実施形態のみを本明細書で説明してきたが、本発明の他の修正、変更、及び可能性が本発明の広義な精神から逸脱することなく可能であることが当業者に理解されるであろう。このような修正、変更、可能性は、本発明の精神及び範囲内にあり、それゆえ本明細書で説明し及び/又は例示した本発明の一部を形成すると考えられるべきである。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。
【符号の説明】
【0041】
1 引き込み可能なストライカ
1’ 突出位置にある引き込み可能なストライカ
1” 引き込み位置にある引き込み可能なストライカ
2 案内スリーブ
3 作動手段、ケーブル
4 シート面又はクッション部
5 第1枢動レバー
5’ 第2枢動レバー
6 トリム(ソフトトリム又はSTOとも呼ばれる)
7 両側レバー
8 シート構造
9 ソリッドリンク
10 シートバック枢動軸
11 バックレスト(シートバックとも呼ばれる)
12 ケーブルリンク
13 ラッチ機構
14 ストライカ作動レバー
15 コネクタプレート
16 折り畳み角度
17 第1(例えば、運転)位置にあるバックレスト構造
17’ 中間位置にあるバックレスト構造
17” 第2(例えば、収納)位置バックレスト構造
18’,18” 引き込み可能なストライカの脚部
19 ラッチ
20 回転軸
150 停止部材
151 ばね
152 伸長要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15