(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5891294
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】エスプレッソ及び淹れたてのコーヒー抽出ユニット
(51)【国際特許分類】
A47J 31/46 20060101AFI20160308BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20160308BHJP
【FI】
A47J31/46
A47J31/36
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-503270(P2014-503270)
(86)(22)【出願日】2012年4月6日
(65)【公表番号】特表2014-510592(P2014-510592A)
(43)【公表日】2014年5月1日
(86)【国際出願番号】IB2012051726
(87)【国際公開番号】WO2012137185
(87)【国際公開日】20121011
【審査請求日】2015年2月12日
(31)【優先権主張番号】TO2011A000313
(32)【優先日】2011年4月6日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】509099992
【氏名又は名称】エヌ アンド ダブリュ グローバル ヴェンディング ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】コルチ ロベルト
【審査官】
白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−516563(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/138856(WO,A2)
【文献】
欧州特許出願公開第00909542(EP,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0000237(US,A1)
【文献】
特開2002−367022(JP,A)
【文献】
特開2002−360435(JP,A)
【文献】
特開2001−275839(JP,A)
【文献】
特表2003−528673(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2007/0012194(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00−31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エスプレッソ(ES)及び淹れたての(FB)コーヒー抽出ユニットであって、
前記抽出ユニットは、抽出組立体及び前記抽出組立体に水を供給するためのポンプを有し;
前記抽出組立体は、軸を有するとともにある分量の挽いたコーヒーを入れるように設計された可変体積抽出チャンバ;前記ポンプからの所与の水の供給のための入口通路;前記抽出チャンバの体積を調整するように前記軸に沿って移動可能な閉鎖手段;前記ESコーヒー用の第1の出口通路;前記FBコーヒー用の第2の出口通路;及び前記抽出チャンバを前記第1及び前記第2の出口通路に接続する送出マニホールド、を有し;
前記ポンプは実質的に定流量ポンプであり;
前記第1及び前記第2の出口通路並びに前記送出マニホールドは、前記閉鎖手段に形成され;
前記抽出組立体はまた、前記第1の出口通路に沿って配置され、5barと9barとの間の範囲にわたる液圧によってのみ開かれる、第1のバルブ手段;及び前記送出マニホールドを前記第1の出口通路に接続されたままに保持するように設計されるとともに、弾性手段に抗して、前記送出マニホールドが前記第2の出口通路とも連通する通常の開位置から、前記送出マニホールドが前記第1の出口通路のみと連通する閉鎖位置に、切替可能である、第2のバルブ手段、を有する、
抽出ユニット。
【請求項2】
前記第2のバルブ手段は、前記閉鎖手段に形成された三方COVバルブを有する、
請求項1に記載の抽出ユニット。
【請求項3】
前記COVバルブは、前記送出マニホールド並びに前記第1及び前記第2の出口通路が連通する、分配チャンバを有し、前記分配チャンバは、前記第1及び前記第2の出口通路並びに前記送出マニホールドが互いに連通する、前記開位置に通常セットされるように、
且つ、使用中、前記分量の挽いたコーヒーと接触すると、前記弾性手段に抗して、前記第2の出口通路が閉鎖されるとともに前記第1の出口通路及び前記送出マニホールドが前記分配チャンバを介して連通する、前記閉鎖位置に、切り替わるように、設計される、
請求項2に記載の抽出ユニット。
【請求項4】
前記抽出組立体は、前記抽出チャンバを収容する中空体を有し;
前記閉鎖手段は、前記中空体内に、前記抽出チャンバを定めるように、スライドする且つ液密な方法で、前記中空体と係合する、圧縮ピストンを有し、前記抽出チャンバの体積は、前記軸に沿った及び前記中空体に対する前記圧縮ピストンによって、使用中に、想定される位置に応じて変化し;
前記第1及び前記第2の出口通路並びに前記送出マニホールドは、前記圧縮ピストンに形成される、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の抽出ユニット。
【請求項5】
前記弾性手段は、前記圧縮ピストンの一部を形成する、
請求項4に記載の抽出ユニット。
【請求項6】
前記弾性手段は、使用中、摩擦によって及び前記中空体に沿った前記圧縮ピストンの移動によって生じる圧縮力に、変形されず、耐えるように設計される、
請求項4又は5に記載の抽出ユニット。
【請求項7】
前記閉鎖手段は、前記第1及び前記第2の出口通路が形成されるメインボディ、及び前記メインボディに伸縮式に接続されるとともに前記送出マニホールドを支持するヘッドを有する、伸縮式圧縮ピストンを有する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の抽出ユニット。
【請求項8】
前記ヘッドは、前記メインボディ及び前記軸と同軸であり、前記弾性手段を介して前記メインボディにスライドする方法で接続され、前記メインボディに対して及び前記軸に沿って、通常の引き出された位置から引っ込められた位置に、前記弾性手段に抗して前記分量の挽かれたコーヒーに接触する前記ヘッドにかけられる圧力によって、移動可能である、
請求項7に記載の抽出ユニット。
【請求項9】
前記ヘッドは、前記軸と平行な、前記ヘッドが前記メインボディに対して前記引き出された位置から前記引っ込められた位置に移動するとき前記ヘッドをガイドするように、前記メインボディを通ってスライド可能に延びる、ロッド手段を有する、
請求項8に記載の抽出ユニット。
【請求項10】
前記抽出ユニットは、前記メインボディに対して及び前記弾性手段によって、前記引き出された位置を越えて、前記ヘッドが動かされることを防ぐために、前記メインボディの外側で、前記ロッド手段の自由端に接続される、停止手段を有する、
請求項9に記載の抽出ユニット。
【請求項11】
前記中空体は前記圧縮ピストンに面する自由端を有し、
前記ヘッドは、前記軸に沿った及び前記中空体に対する前記圧縮ピストンの与えられた動きに応じて、前記ヘッドを前記引っ込められた位置に動かすように前記自由端と協働するように、前記メインボディの外側に配置されるとともに前記自由端に面するように位置付けられた持上げ手段を取付けられる、
請求項4を引用する請求項10に記載の抽出ユニット。
【請求項12】
前記持上げ手段は、前記停止手段と一体である、
請求項11に記載の抽出ユニット。
【請求項13】
前記第2のバルブ手段は、前記メインボディに形成されたスライド面、及び前記ヘッドの移動組立体を有する、スライドバルブ手段である、
請求項7乃至12のいずれか1項に記載の抽出ユニット。
【請求項14】
前記送出マニホールドは、前記移動組立体に沿って形成される、
請求項13に記載の抽出ユニット。
【請求項15】
前記スライド面は、前記メインボディで前記軸と平行に形成された孔の一部によって定められ;
前記移動組立体は、前記ヘッドによって支えられる延長部によって定められ、前記延長部は前記軸と平行であるとともに前記孔の内部に前記分配チャンバを定めるように、前記孔とスライド式及び液密式に係合する、
請求項3を引用する請求項13又は14に記載の抽出ユニット。
【請求項16】
前記延長部及び前記孔は、前記軸と同軸である、
請求項15に記載の抽出ユニット。
【請求項17】
前記孔は、前記分配チャンバで、前記第1及び前記第2の出口通路と連通する、
請求項15又は16に記載の抽出ユニット。
【請求項18】
前記分配チャンバは、前記延長部と同軸の環状チャンバであり;
前記第1及び前記第2の出口通路は、前記孔に対して、それぞれ、半径方向及び軸方向に延びる、
請求項17に記載の抽出ユニット。
【請求項19】
前記送出マニホールドは、前記延長部に沿って軸方向に形成され;
直径方向孔が、前記送出マニホールドを前記分配チャンバに接続するように、
前記延長部に形成される、
請求項15乃至18のいずれか1項に記載の抽出ユニット。
【請求項20】
前記延長部の自由端は、前記第2のバルブ手段が前記閉鎖位置にあるとき、液密式に前記第2の出口通路と係合する、先端部を有し;
前記延長部は、前記先端部の後ろに、前記スライド面とともに、前記分配チャンバを定める、小断面端部を有する、
請求項18又は19に記載の抽出ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エスプレッソ(ES)及び淹れたての(FB)コーヒー抽出ユニットに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、抽出組立体、及び抽出組立体に水を供給するためのポンプを有するタイプのES及びFBコーヒー抽出ユニットに関し、抽出組立体は、軸を有するとともにある分量の挽いたコーヒーを入れるように設計された抽出チャンバ、ポンプからの所与の水の供給のための入口通路、抽出チャンバの体積を調整するために前記軸に沿って移動可能な閉鎖手段、第1のESコーヒー出口通路、第2のFBコーヒー出口通路、及び抽出チャンバを第1及び第2の出口通路に接続する送出マニホールド、を有する。
【背景技術】
【0003】
このタイプの抽出ユニットは、例えば、特許文献1から知られており、選択されたポンプ流の値によって、抽出チャンバ内で発生する圧力値に応じて、第1又は第2の出口通路を選択するために、バルブ手段と組み合わせて(製造することは容易ではない)調整可能な流れポンプ−より具体的には、電磁的な、調整可能ストローク及び/又は調整可能周波数ポンプ、それ自体は複雑で効果である−を用いることの欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】EP 1 267 685
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、安価且つ製造が容易であり、同時に上述の欠点を排除する、ES及びFBコーヒー抽出ユニットを提供することである。
【0006】
本発明のさらなる目的は、出願人のWO2009007804に記載された抽出ユニットを改良するように設計されたES及びFBコーヒー抽出ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、請求項1に及び好ましくは請求項1に直接又は間接的に従属するいずれか1つの請求項に記載されたES及びFBコーヒー抽出ユニットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の限定されない実施形態が、添付の図面を参照して例示として説明される。
【
図1】
図1は、本発明による抽出ユニットの好適な実施形態の、分かりやすさのために部品が取り外された状態の、概略図を示す。
【
図2】
図2は、第1の動作位置における
図1の細部の拡大軸方向断面を示す。
【
図6】
図6は、さらなる動作位置における
図2のVI−VI線に沿った断面を示す。
【
図7】
図7は、さらなる動作位置における
図2のVII−VII線に沿った断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本発明を実施するためのベストモード)
図1の数字1は、エスプレッソコーヒー(以後ESコーヒー)及び淹れたてのコーヒー(以後FBコーヒー)を選択的に作るための抽出ユニットを全体として示す。
【0010】
ユニット1は、所与の量の水のためのタンク2を有し、このタンク2の出口は、体積流量計3を介して、ポンプ4−好ましくは、固定最大ストロークを持つ電磁、定周波数ポンプ−の入口に接続され、出口は、ボイラ5を介してESコーヒー出口通路8及びFBコーヒー出口通路9を有する抽出組立体7の入口通路6に接続され、このESコーヒー出口通路8及びFBコーヒー出口通路9は、それぞれの注ぎ口(図示せず)からそれぞれのコーヒー飲料を分配するために、抽出組立体7から下流で、互いに比較的近くに配置される。
【0011】
ユニット1は、入口通路6に沿って、ボイラ5のすぐ下流にソレノイドバルブ10、及びさらなるソレノイドバルブ12を通って延びるバイパス通路11を有し、このソレノイドバルブ12は、出口通路9に沿ったポイントを、入口通路6に沿ったソレノイドバルブ10から下流のポイントと接続する。
【0012】
図2及び4により明確に示されるように、抽出組立体7は、中空体−図示された例では、長手方向軸15を有する円筒状側壁14、及び軸15に垂直であるとともに入口通路6によって通過される端部壁16を有するカップ形状中空体13を有する。端部壁16は、軸15と同軸の中央貫通孔17を有し、その中を排出ピストン19のロッド18がスライドし、この排出ピストン19のヘッド20は、軸方向に孔を開けられるとともに、中空体13内に定めらるとともに、ヘッド20の上部に、ある分量22の挽いたコーヒーを入れるために、液密な方法でシート21の内側をスライドする。
【0013】
抽出組立体7はまた、使用において、排出ピストン19とともにシート21内に、分量22のために、調整可能な体積の抽出チャンバ24を定めるために、調整可能な距離シート21の内側に挿入される、軸方向にスライドする圧縮ピストン23を有する。
【0014】
圧縮ピストン23は、軸方向25に伸縮式であり、この軸方向25は、圧縮ピストン23が
図2乃至7に示されるようにシート21内部に挿入されるとき、長手方向軸15と一致する。
【0015】
圧縮ピストン23は、メインボディ26、及びメインボディ26と同軸であるとともに、通常の引き出された位置(
図2)から引っ込められた位置(
図4)に、軸25に同軸であるとともにヘッド27とメインボディ26との間で圧縮されるコイルスプリング28に対抗して、メインボディ26に対して且つ軸25に沿って動くように、メインボディ26に伸縮式に接続される、ヘッド27を有する。圧縮ピストン23がシート21と係合するとき、抽出チャンバ24の体積は、圧縮ピストン23の所与の位置のために、メインボディ26に対するヘッド27(
図2及び4)の位置にしたがって、変化する。
【0016】
メインボディ26は、カップ形状であり、その凹面をヘッド27に向けて配置され、軸25に対して横方向且つ内面30を有する端部壁29、及び軸25と同軸で、シート21の直径とほぼ同じであるがシート21の直径より大きくなく、自由端23を有し、この自由端23の内周に沿って溝が形成され、側壁31の内側に、軸25に対して横方向に環状肩部33を定める、円筒状側壁31を有する。
【0017】
軸方向貫通孔34が、軸25と同軸に、端部壁29を通って、形成され、円錐台形状面36によって、ヘッド27を向く側で境界を形成される、中間内側環状フランジ35を有し、この中間内側環状フランジ35は、孔34を2つの部分37及び38に分け、この部分38は、液密な方法で、出口通路9の最初の部分を定める取付け具39によって係合される。
【0018】
端部壁29は、以下に説明される目的のために、他の貫通孔40(
図6及び7)を有し、これらの貫通孔40は、孔34に平行であるとともに、側壁31の内面に隣接して、孔34の直径方向に反対側に配置される。
【0019】
端部壁29は、横方向延長部41を有し、この横方向延長部41は、孔40によって定められる平面と垂直な平面で、軸25に対して半径方向に延びるとともに、孔34に対して半径方向に延びるとともに液密な方法で出口通路8の最初の部分を定める取付け具43を収容する貫通孔42を有する。軸25に面する端部において、孔42は、円錐台形状の環状シート44によって境界を形成され、このシート44によって孔42は、端部壁29に形成された通路45を介して孔34を連通する。
【0020】
孔42内部の取付け具43の端部は、逆止弁47の調整されたスプリング46のための環状保持肩部を定め、この逆止弁47は、環状シート44とともに孔42を通常閉じるように協働し、この逆止弁47は、通路45の圧力が通常5と9barの間の範囲である所与の値を超えるとき、穴34を出口通路8に接続するのみである。
【0021】
ヘッド27は、カップ形状であり、軸25と同軸であり、その凹面をメインボディ26の凹面に面して配置され、軸25と同軸であるとともに、メインボディ26に面する側と反対側に、底壁49によって閉じられる、管状側壁48を有する。底壁49の外周は、側壁48の外側に突出し、側壁31の外径と実質的に等しい直径を有し、シール50を収容する環状溝を有し、このシール50は、液密な方法で側壁14の内面と係合する。側壁48は、−軸25と平行に且つ端部壁29及び49の間に圧縮されるスプリング28に抗して−その自由端が環状肩部33に接するようになるまで、メインボディ26の内側の側壁31とスライドするように形成されるとともに寸法決めされる。
【0022】
圧縮ピストン23がシート21の内側に挿入されるとき、シール50は排出ピストン19のヘッド20の周囲に取付けられたシール51とともに抽出チャンバ24を液密にシールするように、シート21の側面と協働する。
【0023】
排出ピストン19に面する端部壁49の表面は、フレーム54によって端部壁49に固定される孔開きプレート53を収容するくぼみ52を有する。
【0024】
ヘッド27は、軸25と同軸であるとともに端部壁49を介してくぼみ52と連通する軸方向通路を有する管状延長部55を有し、ES及びFBコーヒー送出マニホールドを定める。管状延長部55は、孔34の内側部分37をスライドし、COV(接触動作式)切替バルブ57を定めるために、メインボディ26と協働する。
【0025】
以下、用語“COV”は、支持体に取付けられるとともに移動組立体又はスイッチ部材を有する切替バルブを意味することが意図され、この移動組立体は、支持体に対して移動可能であるとともに、支持体と外部部材との間の相対運動の結果として、移動組立体が外部部材と接触するようになるとともに外部部材を圧縮するとき、支持体に対して切り替えられた位置を取るのみである。
【0026】
バルブ57は、ヘッド27が通常の引き出された位置にあるとき、送出マニホールド56が通路45及び出口通路9の両方と連通し、またヘッド27が引っ込められた位置にあるとき、送出マニホールド56と出口通路9との間の連通が遮断されるように、送出マニホールド56、通路45、及び出口通路9との間の水圧接続を制御するための3方切替バルブである。
【0027】
この目的のために、管状延長部55の自由端は、孔34の内部環状フランジ35の円錐台形状の面36と係合するように設計された先端58(
図3及び5);及び孔34の部分37の内面とともに、三方弁57の分配チャンバを定める環状チャンバ60を定め、この管状延長部55は切替部材、移動組立体又はスライドを形成する、先端58の後ろの、小断面端部59、を有し、孔34の部分37はスライド面を形成する。環状チャンバ60は、管状延長部55の端部59に形成されるとともに環状チャンバ60を送出マニホールド56を介して抽出チャンバ24に接続する直径方向孔61によって定められる入口;通路45によって定められるとともに環状チャンバ60を逆止弁47を介して出口通路8に接続する第1の半径方向出口;及び孔34の部分38及び出口通路9によって定められる第2の軸方向出口;を有する。
【0028】
管状延長部55の端部59の反対側の端部には、2つの環状溝がそれぞれのシールリング62及び63を収容し、このシールリング62は端部59と先端58との間に挿入され、シールリング63は、液密な方法で孔34の部分37の内面と係合する。
【0029】
ヘッド27が引っ込められた位置にあるときのみ、シールリング62は、環状チャンバ60と出口通路9との間の連通を遮断するために、液密な方法で孔34の内側環状フランジ35の円錐台形状面36と係合する。
【0030】
図6及び7に示されるように、ヘッド27は2つのガイドロッド64を有する。この2つのガイドロッド64は、端部壁49から管状延長部55と平行に延び、管状延長部55の反対側の側部に配置され、軸25と平行であるとともに軸25及び孔42の軸によって定められる平面内にあるそれぞれの軸65を有し、それぞれ圧縮ピストン23のメインボディ26の端部壁29内でそれぞれの貫通孔40の内側をスライドする。
【0031】
圧縮ピストン23は、停止及び持上げ装置66を有する。この停止及び持上げ装置66は、ヘッド27が通常の引き出された位置にスプリング28によってセットされるとき、ヘッド27をメインボディ26に接続された状態に保ち、そして、この停止及び持上げ装置66は、ヘッド27を引っ込められた位置に動かすために、以下に記載される特定の動作状況において、中空体13と協働する。
【0032】
図6及び7により明確に示されるように、装置66は、センタプレート67を有する実質的にU形状のボディによって定められる。このセンタプレート67は、軸25と同軸且つ垂直であり、圧縮ピストン23のメインボディ26の端部壁29のが外側面と接触して位置し、取付け具39の通過用の中央孔を有し、ロッド64の自由端に貫通ネジ68によって固定される。このネジ68は、プレート67をヘッド27に一体に接続し、プレート67が、スプリング28がヘッド27を引き出された位置にセットするとき、ヘッド27をロッド64の自由端部が端部壁29の外側面と同一平面になることを阻止することを可能にする。
【0033】
U形状ボディはまた、2つの羽部69を有する。この2つの羽部69は、プレート67の正反対の外周部分から延び、軸25及び孔42の軸によって定められる平面の反対側に位置し、メインボディ26の側壁31の外面上に曲げられ、以下に説明されるように、軸25に沿って測定された同じ長さである。羽部69は、それぞれの湾曲した自由端部70を有し、この自由端部70は、軸25と同軸であり、軸25と垂直な平面内にある、中空体13の側壁14と同じ内部の半径を有し、側壁14の自由端71のそれぞれの部分と直接向かい合って位置付けられる。
【0034】
抽出ユニット1は、ESコーヒー、FBコーヒー、又は洗浄サイクルが選択されたかどうかによって、3つの方法で動作する。
【0035】
(1−FBコーヒーを作る)
FBコーヒーをつくるために(
図2及び3)、圧縮ピストン23が、予め分量22を詰められたシート21の外側で初期動作位置(図示せず)にセットされ、ヘッド27はスプリング28によって引き出された位置にセットされる。
【0036】
ヘッド27が引き出された位置にあるとき、三方弁57は完全に開放した位置にあり、そこでは環状チャンバ60は送出マニホールド56及び通路45を互いに並びに出口通路9に接続する。この位置において、送出マニホールド56内に圧力はなく、逆止弁47は当然閉鎖されているので、送出マニホールド56は出口通路9のみと連通する。
【0037】
次に、圧縮ピストン23は、軸25に沿って動かされ、ある分量より通常大きい、抽出チャンバ24の調整可能な体積を定めるために、シート21の内部に、電子制御プログラムに基づいて調整可能である、ある距離挿入される。
【0038】
上記に関連して、圧縮ピストン23がシート21の内部に挿入されるとき、シール50とシート21の内面との間の摩擦は、シート21に対してヘッド27を引き止めるとともに、メインボディ26に対して、引っ込められた位置に動かすが、引っ込められた位置へのヘッド27のこの動きは、この摩擦に変形されないで耐えるようにスプリング28を設計することによって防がれることが指摘されるべきである。言い換えると、圧縮ピストン23が
図2に示された最終動作位置で停止するとき、ヘッド27は、初期の引き出された位置に留まり、三方弁57は最初の完全に開放した位置に留まる。
【0039】
この時点では、ソレノイドバルブ10及び12がそれぞれ開かれる及び閉じられ、ポンプ4がタンクから、体積流量計3によって連続的に測定された、所与の量の水をくみ出すことが開始され、入口通路6に沿って抽出チャンバ24に水を供給する。前述のように、ポンプ4は、実質的に一定の流量(リットル/秒)及びある圧力で水を供給する。この圧力は、抽出チャンバ24内の分量22によって及び分量22によって引き起こされる渦によって発生する変化する流体抵抗、並びに送出マニホールド56及び三方弁57の形状によって発生する一定の流体抵抗の両方によって抽出チャンバ24内に生じる対抗圧にしたがって変化する。しかし、分量22は圧縮ピストン23によって実質的に圧縮されないので、ポンプ4の送出圧力は、約0.5−2barで、及び、スプリング46に打ち勝つにはあまりに低い圧力で、任意のレートで、すぐに安定する。このスプリング46は、前述のように、通常5と9barの間の範囲にあるそして通常5.5barの圧力下で、単に変形するように調整され、そして、逆止弁47を開く。したがって、逆止弁47は、閉じられたままであり、コーヒー飲料、この場合FBコーヒーは、出口通路9に沿って抽出組立体7から流出する。
【0040】
FBコーヒー用の水の量に達するとき、ポンプ4は停止され、抽出組立体7は、抽出チャンバ24から全ての残りの水を放出する。
【0041】
この目的のために、ソレノイドバルブ10が閉じられ、圧縮ピストン23は、ヘッド27を分量22に接触させるように;ヘッド27の側壁48の自由端部が環状肩部33に当るようになるように、すなわちヘッド27が引っ込められた位置にセットされるように、スプリング28を圧縮するように;及び分量22を「絞って」実質的に乾いたタブレットにするようにあるようを圧縮するように、さらに進められる。
【0042】
この位置では、三方弁57は閉鎖位置にあり、この閉鎖位置では、環状フランジ35の円錐台形状面36に係合するシールリング62は、環状チャンバ60を出口通路9から切り離すので、送出マニホールド56は通路45だけと連通し、抽出チャンバ24内に残っている実質的に全ての水は(当然、FBコーヒーが供給されている容器(図示せず)に)放出される。残っている水を放出するとき、抽出チャンバ24の圧力が逆止弁47の作動圧力より下に落ち、したがってそれを閉鎖する場合、そのときまで閉鎖された、ソレノイドバルブ12が、残りの水がバイパス通路11に沿って出口通路9に達することを可能にするように、開かれる。
【0043】
この時点では、圧縮ピストン23は、中空体13から引き出されることができ、シート21内に形成された乾燥したタブレットが排出ピストン19を作動させることによって排出される。
【0044】
圧縮ピストン23を引き出すとき、この場合スプリング28からのスラストが付随する、シール50とシート21の内面との間の摩擦は、圧縮ピストン23が引き出された位置に位置するまで、ヘッド27を停止させるので、三方弁57を開放位置に動かす。この位置において、環状チャンバ60は出口通路9に沿って外側と連通し、これは、第1に、出口通路9及び通路45内部の全ての液体が抽出チャンバ24に引き戻されるという、及び第2に、抽出チャンバ24を外側と接続するという利点を有する。抽出チャンバ24に引き込まれる外側の空気は、シート21内のタブレットのさらなる乾燥を提供し、したがって、排出ピストン19によって排出することを容易にする。
【0045】
(2−ESコーヒーを作る)
ESコーヒーを作るために(
図4及び5)、分量22が詰められ、抽出チャンバ24が圧縮ピストン23によって閉じられ、ソレノイドバルブ10及び12が、FBコーヒーを作るのと同様にセットされ、唯一の違いは、圧縮ピストン23が、ヘッドを分量22と接触するように;ヘッド27の側壁48の自由端が環状肩部33に当るように、すなわちヘッド27が引っ込められた位置にセットされるように、スプリング28を圧縮するように;及び分量22に所与の圧力をかけるように;進められることである。
【0046】
この位置では、三方弁57は閉鎖位置にあり、この閉鎖位置では、環状フランジ35の円錐台形状面36に係合するシールリング62は、環状チャンバ60を出口通路9から切り離すので、送出マニホールド56は通路45だけと連通する。
【0047】
ポンプ4が作動されるとき、抽出チャンバ24は、最初に、分量22を含浸させるために水浸しにされ、次に、ポンプ4の圧力−この時点まで、比較的低いままにされるとともに逆止弁47を開くのに十分な高さでない任意のレートである−が、スプリング46を圧縮するとともに出口通路8に沿って結果として生じるESコーヒーを放出するように、上昇する。
【0048】
いったんESコーヒーが供給されると、抽出チャンバ24への加圧された水の供給は止められ、FBコーヒーを作るために記載されたように、抽出組立体7は、抽出チャンバ24から、最初に全ての残りの水を、次に分量22を「絞る」ことによって形成された乾燥したタブレットを排出する。
【0049】
(3−洗浄サイクル)
洗浄サイクルは、抽出組立体7をFBコーヒーを作るように設定してポンプ4を作動させることによって実行されるが、当然抽出チャンバ24内に分量22は無い。
【0050】
この設定では、ソレノイドバルブ10は開き、ソレノイドバルブ12は閉じられ、逆止弁47は閉じられ、送出マニホールド56は出口通路9だけと連通するので、ポンプ4によって抽出チャンバ24に供給される水は、出口通路9に沿って真っ直ぐに流出し、したがって出口通路9及び抽出チャンバ24を洗浄する。
【0051】
この時点において、圧縮ピストン23は、
図4の、すなわち、ESコーヒー製造、位置を越えて、
図6の、すなわち「接触」位置に、抽出チャンバ24に沿って下げられる。この接触位置では、停止及び持上げ装置66の羽部69の自由端70は、中空体13の側壁14の自由端71と接触して位置する。
【0052】
抽出組立体7がFBコーヒーを作るようにセットされるとき、自由端70と71との間の距離は、引っ込められた位置と引き出された位置との間のヘッド27の移動量より大きいので、接触位置は、FB又はEBモードの、抽出ユニット1の通常動作中、決して得られない、ということが指摘されるべきである。
【0053】
圧縮ピストン23が接触位置(
図6)に達するとき、ヘッド27は、抽出チャンバ24の内側に分量が無いことを考えると、引き出された位置に留まるので、圧縮ピストン23が接触位置にあっても、水は出口通路9に沿って流出し続ける。
【0054】
この時点において、圧縮ピストン23が、中空体13に沿ってさらに下げられる(
図7)ので、停止及び持上げ装置66はヘッド27を引っ込められた位置に動かす。これに関連して、この動きの間、ヘッド27は中空体13に対して静止し、ヘッド27及び中空体13に対して動くのはメインボディ26である、ということが指摘されるべきである。
【0055】
いずれにせよ、ヘッド27の動きは、送出マニホールド56を出口通路9から切り離し、抽出チャンバ24内の圧力を上昇させ、及び逆止弁47を開く効果を有するので、水が出口通路8から流出し、したがって、出口通路8を洗浄する。
【0056】
水が流出すると、抽出チャンバ24内の圧力は、逆止弁47の作動圧力より下に落ち、したがってこの逆止弁47は閉じる。この時点において、ポンプが停止され、ソレノイドバルブ10が閉じられ、今まで閉じられていた、ソレノイドバルブ12は、抽出チャンバ24内で依然として僅かに加圧されている、残りの水が、バイパス通路11を通って出口通路9に流れ、そしてバイパス通路を洗浄することを可能にするように、開かれる。
【0057】
バイパス通路11を洗浄することは、ソレノイドバルブ10を開いたままに保持することによって、及び、ソレノイドバルブ12を開いた状態でポンプ4を動作させることによって、完了し得る。