(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5891304
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】自動車用継手構造及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B29C 45/14 20060101AFI20160308BHJP
【FI】
B29C45/14
【請求項の数】9
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-520549(P2014-520549)
(86)(22)【出願日】2012年6月23日
(65)【公表番号】特表2014-527475(P2014-527475A)
(43)【公表日】2014年10月16日
(86)【国際出願番号】EP2012002655
(87)【国際公開番号】WO2013010619
(87)【国際公開日】20130124
【審査請求日】2014年3月14日
(31)【優先権主張番号】102011108156.2
(32)【優先日】2011年7月20日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Daimler AG
(74)【代理人】
【識別番号】100090583
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 清
(74)【代理人】
【識別番号】100111143
【弁理士】
【氏名又は名称】安達 枝里
(72)【発明者】
【氏名】コンラッド・アイッパー
【審査官】
坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭57−201624(JP,A)
【文献】
特開平06−114876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00−45/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車用継手構造の製造方法であって、少なくとも2つの形材要素(20、22)が金型(28)内に挿入され、プラスチック結節部要素(38)によって互いに接続され、該プラスチック結節部要素が前記金型(28)内で硬化される製造方法において、
−前記形材要素(20、22)の対応する接続範囲(16、18)のための各アタッチメント(12、14)を備えた繊維半製品(10)を製造する工程と、
−前記形材要素(20、22)の前記接続範囲(16、18)を繊維半製品(10)の各アタッチメント(12、14)と接続する工程と、
−プラスチックをトランスファー成形プロセス中にそのために備えられた前記金型(28)のフォルム範囲(36)内に射出することで前記プラスチック結節部要素(38)を製造する工程とを有し、
前記アタッチメント(12、14)として各アタッチメント開口部が前記繊維半製品(10)内に備えられていることを特徴とする、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記金型(28)のフォルム範囲(36)に射出するためのプラスチックとして樹脂又は繊維強化プラスチックが使用されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法であって、
前記形材要素(20、22)として中空形材が使用されることを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の方法であって、
前記プラスチック結節部要素(38)が自動車ボディ(50)又は可動の開き扉のフレーム要素として形成されることを特徴とする、方法。
【請求項5】
少なくとも2つの形材要素(20、22)を備え、該形材要素が硬化したプラスチック結節部要素(38)によって互いに接続されている自動車用継手構造であって、前記プラスチック結節部要素がトランスファー成形プロセス中に加えられたプラスチックを有する繊維半製品(10)によって形成されるものであり、
前記繊維半製品(10)が前記形材要素(20、22)の対応する接続範囲(16、18)のための各アタッチメント(12、14)を備え、
前記アタッチメント(12、14)として各アタッチメント開口部が前記繊維半製品(10)内に備えられていることを特徴とする、継手構造。
【請求項6】
請求項5に記載の継手構造であって、前記繊維半製品(10)の各アタッチメント(12、14)が前記形材要素(20、22)の対応する接続範囲(16、18)と直接接続されていることを特徴とする、継手構造。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の継手構造であって、
前記形材要素(20、22)が中空形材から形成されていることを特徴とする、継手構造。
【請求項8】
請求項5〜7のうちのいずれか一項に記載の継手構造であって、
前記形材要素(20、22)が、金属合金又は繊維強化プラスチックから形成されていることを特徴とする、継手構造。
【請求項9】
請求項5〜8のうちのいずれか一項に記載の継手構造であって、
前記プラスチック結節部要素(38)が自動車ボディ(50)又は可動の開き扉のフレーム要素として形成されていることを特徴とする、継手構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前段に従った自動車用継手構造の製造方法に関する。さらに本発明は、請求項6の前段に従った自動車用継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
このような継手構造又はこのような継手構造の製造方法は、すでに特許文献1で公知である。ここではまず中空形材キャリアが、圧縮されることのない中空のインサート内に差し込まれることで、複数の中空形材キャリアがそれぞれの結節部で互いに接続される。その後で、インサート、及び中空形材キャリアのキャリア端部が中に差し込まれる、インサートのキャリア開口部が、吸収性及び硬化性の繊維性材料、特に繊維マットで取り巻かれる。このために液状のプラスチックをしみ込ませた繊維性材料が成形金型内に挿入される。その後、成形金型が閉じられ、温度影響下で液状のプラスチックを吸収した繊維性材料が硬化される。これによって各プラスチック結節部(インサート及び対応する繊維性材料製埋包部から構成されている)が作られ、この結節部によって中空形材キャリアが互いに接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102006026385A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、単純化された構造を備え軽量化された継手構造を作り出せるように、方法及び冒頭に挙げた種類の継手構造を発展形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は本発明に従い、請求項1又は6の特徴を備えた継手構造によって解決される。有利な実施形態は、目的に合わせた発展形態と共に、従属請求項によってもたらされる。
【0006】
単純化された構造を備え軽量化された、冒頭に挙げられた種類の継手構造を製造する方法を作り出すため、まず少なくとも1つの繊維半製品が作られ、この繊維半製品によって少なくとも2つの形材要素が互いに接続される。これに関して、各繊維半製品は、形材要素の対応する接続範囲のための対応するアタッチメントを備えている。
【0007】
繊維半製品の製造に続いて、これが次の手順工程で各形材要素と、例えば形材要素の適切な接続範囲が繊維半製品の対応するアタッチメントに差し込まれることで、接続される。
【0008】
差込み又は同等の方法による形材要素と対応する繊維半製品との接続の後、このアセンブリが金型内に入れられ、金型が閉じられる。本発明の範囲として、各形材要素と対応する繊維半製品との接続は、金型へ挿入して初めて、又は挿入によっても、実施可能であると見なされることが含まれる。
【0009】
構成部品が対応する形状を備えた金型のフォルム内に挿入され、金型が閉じられた後、各プラスチック結節部要素を製造するために、プラスチック、特に樹脂が、そのために備えられており、繊維半製品が位置決めされている金型のフォルムのフォルム範囲に射出される。これはトランスファー成形プロセスで行なわれ、このプロセスは通常RTMプロセスとも呼ばれる。
【0010】
最後に別の手順工程で各プラスチック結節部要素の硬化が金型内で、すなわち好ましくは対応する加熱及び/又は加圧によって行なわれる。
【0011】
全体としてこのように、特に各プラスチック結節部要素の造形の種類によって特徴づけられる、継手構造が作り出される。これは、説明されたように、トランスファー成形プロセス中に対応する繊維半製品を使用して作り出される。このようなプラスチック結節部要素は例えば、卓越した方法で、ボディ構造の形材要素又はインテグラルサポート又は例えばアクスルキャリアのような他の車両構成部品と形材要素とを互いに接続することに適しているほどに、堅固で高剛性に形成され得るという利点を持っている。その際、このようなプラスチック結節部要素は特に簡単に製造可能であり、その結果これは特に軽量複合構造を作るために適している。このようなプラスチック結節部要素の別の利点は、これが高い製造精度で複製可能に製造できることにある。なぜなら特に各繊維半製品はそれ自体がすでに高精度で製造され得るからである。形材要素も、通常非常にわずかな許容誤差で製造可能であり、その結果全体として高精度の継手構造が作られる。
【0012】
本発明の別の有利な実施形態では、金型の対応するフォルム範囲に射出するためのプラスチックとして、樹脂又は繊維強化プラスチックが使用される。このような樹脂又はプラスチックは、特に本願のトランスファー成形プロセスに適しており、このために極めて高剛性で堅固なプラスチック結節部要素を作ることができる。
【0013】
本発明のさらに有利な実施形態では、アタッチメントとして各アタッチメント開口部が繊維半製品内に設けられることが企図される。このアタッチメント開口部は、すでに各繊維半製品又はテキスタイルの形成によって備えられていてよい。しかし、繊維半製品の変形の際にテキスタイル内に(織物層の間に又は押し破っても)ねじ込まれるそれぞれ1つの対応するピンが作られることも考えられる。ピンが入り込む深さにより、各テキスタイル又は繊維半製品のアタッチメント開口部の開口部深さを必要性に合わせて変化させることが可能である。
【0014】
本発明のさらに有利な実施形態では、形材要素として開いた形材又は中空形材を使用することが企図される。このような形材又は形材要素は、簡単な方法で、例えば引抜き成形法又は押し出し成型法によって製造することができる。
【0015】
最後に、各プラスチック結節部要素が、各形材要素の接続における機能だけに限定されず、さらに特に自動車ボディの、又は例えばドア、フラップ又はフード又はそれに類した可動の開き扉のフレーム要素として形成される場合に有利であることが明らかになる。こうして例えば、自動車ボディのボディピラーが少なくとも1つのこのようなプラスチック結節部要素を備えて形成され、このプラスチック結節部要素によってさらに各形材要素が互いに接続されることが考えられる。これは簡単で迅速に、剛性又は耐衝撃性を犠牲にすることなく、非常に軽量なボディを製造することを可能にする。製造は、ただ1つの大型の金型内で行なわれ得、この金型は例えば車体前部から車体後部までの側面構造全体を含むことが可能である。その際1つ又は複数の形材要素を備えたピラーのようなモジュール構造も考えられ、これは、それに続くさまざまなアセンブリの組立で、個々の軽量構造ベースモジュールによる幅広く多様なバリエーションを達成する道を開く。
【0016】
本発明に従った方法に関連して上述された利点は、請求項6に従った継手構造にも開示される。
【0017】
本発明のその他の利点、特徴、及び詳細については、下記の好ましい実施例の説明及び図面を参照して行う説明を通して明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】自動車用継手構造を製造するための金型の模式的断面図であり、2つの形材要素が各接続範囲で繊維半製品の対応するアタッチメントに差し込まれ、及びこのアセンブリが金型内に挿入され、その次にプラスチック結節部要素がプラスチックの射出によってトランスファー成形プロセス中にこのために備えられた金型フォルムのフォルム範囲で、繊維半製品の範囲に生成され、及びその際射出されたプラスチックと繊維半製品を含んでいるプラスチック結節部要素が、続いて適切な加熱及び/又は加圧によって金型内で硬化される。
【
図2】第一の実施形態による自動車用継手の構造模式的側面図であり、この実施形態では継手構造が可動の開き扉のフレーム構造としてサイドドアの形で形成されている。
【
図3】自動車用継手構造の第二の実施形態の模式的平面図であり、この継手構造はこの場合はサポートキャリアとして、例えばインテグラルサポート又はアクスルキャリアとして、自動車ボディに固定するために形成されている。
【
図4】継手構造の第三の実施形態の模式的側面図であり、この継手構造はここでは各形材要素を備えた、乗用車のボディ構造として形成され、この形材要素は各プラスチック結節部要素で互いに接続されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、以下に詳述される自動車用継手構造を製造するための金型の模式的断面図が示されている。これに関して、この継手構造を製造するための対応する方法は以下に説明される。
【0020】
まず、継手構造は少なくとも1つの繊維半製品10を含み、この繊維半製品は通常以下にさらに詳述される方法に関連して、いわゆるプリフォームと呼ばれる。この繊維半製品10は、例えば炭素繊維又はガラス繊維から構成され、これらは別の製造工程で又は上流側の製造工程で生成され、特に事前に固化されていてもよい。この繊維半製品10を製造する際に、適切なアタッチメント12、14には対応する接続範囲16、18にそれぞれ形材要素20、22が備えられている。本実施例では、形材要素20、22は例えばパイプ形材として対応する接続範囲16、18を備えて形成されており、この接続範囲にはアタッチメント開口部として形成されたアタッチメント12、14が実質的に形状に忠実に適合されている。しかしこの形状に忠実な適合は、必ず必要というわけではない。それゆえに、アタッチメント12、14はここでは中空の、穴形状のアタッチメント開口部として、全体として同じく中空の繊維半製品10内に形成され、その際例えば各ストッパー24、26はアタッチメント12、14をその差込み深さに制限し、その結果このことによって極めて正確に再現可能な差込み深さが各形材要素20、22に生じる。ここで補足すると、繊維半製品10は言うまでもなく複数で、可能な実施形態で形成され得る。アタッチメント開口部の代わりに、アタッチメント12、14が形成されてもよく、これらアタッチメントは、例えば相応するジャーナルとして形成される。同様に繊維半製品10は一体型に形成されていることに限定されない。マルチピース構造の形態も同様に考え得るだろう。これに関して、相応するアタッチメント12、14の各部分が、繊維半製品10の各部分要素によって形成され、及び繊維半製品10の組立時に各アタッチメント12、14の組立ももたらされることが考えられ得るだろう。
【0021】
各形材要素20、22が繊維半製品10の対応するアタッチメント12、14内に差し込まれると、これらが共に
図1に示された金型28に挿入され、及び続いて2つのフォルム部片30、32が閉じられる。これに関して、各形材要素20、22と各繊維半製品10が金型28内に挿入されて初めて互いに結合され又は必要に応じて留め合わされることが当然原則として考え得るだろうことが言及される。
【0022】
金型28を閉じた後、次の手順工程において、通常RTM(resin transfer moulding)方法とも呼ばれるトランスファー成形プロセスで、繊維半製品10はプラスチック、特に樹脂又は繊維強化プラスチックを受けることができる。ここでは樹脂として特にホルムアルデヒド樹脂又は反応性樹脂が適している。プラスチックの射出は、この場合は1つ又は複数の射出チャンネル34から行なわれ、この射出チャンネルは、フォルム範囲36で相応する選択方位を備えており、金型28のフォルムに合流している。この、金型のフォルムのフォルム範囲36は、各プラスチック結節部要素38の雌型を形成し、この雌型はさらに
図2〜
図4で詳述されている。相応するトランスファー成形プロセスで、プラスチックが繊維半製品10の範囲に挿入され又はこの繊維半製品10がそれに加えられるプラスチックを受け入れることによって各プラスチック結節部要素38が形成されることが確認できる。
【0023】
プラスチック、特に樹脂がこれに関して備えられたフォルム範囲36に(この範囲に繊維半製品10が入れられる)射出されると、続いて別の手順工程でプラスチック又は樹脂の硬化が適切な熱供給及び/又は適切な加圧によって金型28のフォルム範囲36の範囲で行なわれる。
【0024】
こうして全体として、各形材要素20、22を接続するための、1つ又は複数のプラスチック結節部要素38が作られ、このプラスチック結節部要素は極めて堅固で及び簡単に製造可能である。加えて、この個々のプラスチック結節部要素38は特に重量的に有利であり、及び非常に良好に再現可能に製造できる。
【0025】
以下では、
図2〜
図4を使用して、
図1に関連して説明された方法に従って製造された、対応する継手構造のための各使用範囲が記述される。
【0026】
図2には、自動車用継手構造の第一の実施形態の模式的側面図が示され、この継手構造は、この場合フレーム構造40として乗用車のサイドドアのために形成されている。同様にフード、フラップ又は他のドアのような他の開き扉要素又は可動の開き扉も、このようなフレーム構造40を備えることができる。ここでは、この場合3つの形材要素41、42及び43がそれぞれ、車両横方向に伸びるキャリア要素又は上方の実質的にU字形状の、対応するドアウィンドウを取り巻くキャリア要素を形成していること、及び2つのプラスチック結節部要素44、45が形材要素41、42、43と互いに接続していることが確認できる。プラスチック結節部要素44、45、又はフレーム構造40として形成されている継手構造は、ここでは
図1において上に説明されている方法で製造されている。
【0027】
この場合の特徴はさらに、プラスチック結節部要素44、45がここでは各形材要素41、42、43の接続の機能に限定されるのではなく、追加的に各フレーム要素又はそれと同様のものとして可動開き扉の機能要素がサイドドアの形で形成されていることである。このことは、ドアキャリアとして形成されているフレーム構造40の簡単で迅速な製造を可能にする。加えて、全体として剛性又は耐衝撃性を犠牲にすることなくドアの重量が非常に軽量になる。対応するプラスチック結節部要素44、45は、ここで簡単な方法で必要性に合わせて、つまり例えば中空形材として又は開いた形材として形成されることができ、その際アタッチメント、固定箇所又はそれと同様の機能エリアが統合されていてよい。
【0028】
図3は、別の継手構造の模式的平面図であり、この継手構造は
図1に説明されている継手構造に従い、又はそのような方法によって製造されている。この継手構造は
図3に従い、ここではサポートキャリア46として、インテグラルサポート又はアクスルキャリアの形で形成され、その下側が乗用車のボディの前部構造又は後部構造の構造要素のキャリア又はそれと類似のものに固定可能である。その際本実施例ではサポートキャリア46は4つの各形材要素47を含み、これら形材要素は4つの対応する、全体としてフレーム形状のサポートキャリア46の各エッジ範囲に、相応するプラスチック結節部要素48で互いに接続されている。
【0029】
最後に、
図4は継手構造の別の考えられる実施形態の模式的側面図を示しており、この場合は少なくとも実質的に乗用車のボディ50が全体として形成されている。車体前部又は前部構造52の範囲には、複数の形材要素53、54が備えられ、この形材要素は特にプラスチック結節部要素55によって、ストラットドーム56の形で含まれている結合部品と互いに接続されている。前部構造52全体又は車体前部全体は、ここでは車体前部モジュールとして形成され得る。
【0030】
類似の実施形態は、車体後部又は後部構造58にある。ここでも複数の形材要素60、61が備えられており、これら形材要素は各プラスチック結節部要素62によって形成されている。本実施例ではこのプラスチック結節部要素62内へ(その他の点に関しては前部構造52と同様である)それぞれ連結エレメントの機能だけが引受けられることが可能であるが又はしかし追加的に利点として、又は各構造のフレーム要素として形成されていてよい。これに関する例として、この場合リヤアクスルの上部のサイドメンバ63が挙げられ、このサイドメンバは同様にプラスチック結節部要素62として形成され、このプラスチック結節部要素は対応する、
図1に関連して記述された方法で説明されている種類の射出プロセス方法で作られている。
【0031】
ボディ50のパッセンジャーセル64の範囲には、同様に複数の形材要素が備えられている。こうして例えば各形材要素65、66がルーフフレームの範囲に備えられている。特に前側の形材要素65はここでは適切に発泡されていてよい。ここでは各サイドシルの範囲で、それぞれ相応する形材要素67、68が備えられていてよい。記述された形材要素65〜68はここでは各プラスチック結節部要素69、70、71を備えており、この場合これらプラスチック結節部要素はAピラーとして、Bピラーとして、Cピラーとして形成される。
図2に記述された例と類似して、ここでもボディのフレーム要素又はピラー要素が企図され、これらは相応する継手構造のプラスチック結節部要素69、70、71によって形成される。このことは簡単で迅速に、剛性又は耐衝撃性を犠牲にすることなく、非常に軽量なボディを製造することをやはり可能にする。ここでは製造はただ1つの大型の金型28内で行なわれ得、この金型は例えば車体前部から車体後部まで又は前部構造52から後部構造58までの側面構造全体を含んでいる。1つ又は複数の形材要素を備えた、例えば対応するピラー又はフレーム要素から成るモジュール構造も考えられ、これは、それに続くさまざまなアセンブリの組立で、個々の軽量構造ベースモジュールによる幅広く多様なバリエーションを達成する道を開く。
【0032】
形材要素自体は、特に引抜き成形材として繊維強化プラスチック又は軽金属材料から製造可能である。しかし、他の製造方法も考え得る。各繊維半製品10は、その使用範囲に応じて、対応する繊維方向を備えることができ、その結果各プラスチック結節部は、力損失に応じて需要又は負荷に個別にぴったり合わせて適合される。
【0033】
本願の継手構造は、開き扉の対応するフレーム構造40、各サポートキャリア46又はボディ50全体又はその部品に適しているだけでなく、さらに例えばピラー要素及びフレーム要素、ファイアウォールクロスメンバ又はカウルのクロスメンバのようなパーツアセンブリ又はモジュールにも適している。