特許第5891312号(P5891312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5891312
(24)【登録日】2016年2月26日
(45)【発行日】2016年3月22日
(54)【発明の名称】歯科用メンブレン
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20160308BHJP
【FI】
   A61C8/00 Z
【請求項の数】38
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-548689(P2014-548689)
(86)(22)【出願日】2012年12月24日
(65)【公表番号】特表2015-506190(P2015-506190A)
(43)【公表日】2015年3月2日
(86)【国際出願番号】KR2012011387
(87)【国際公開番号】WO2013095077
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2014年6月23日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0141350
(32)【優先日】2011年12月23日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2012-0003854
(32)【優先日】2012年1月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】511306837
【氏名又は名称】オステムインプラント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100085279
【弁理士】
【氏名又は名称】西元 勝一
(72)【発明者】
【氏名】モン ジョン ホン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン シ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】オム テ グァン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ キョー オク
【審査官】 石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−212209(JP,A)
【文献】 特表2010−524556(JP,A)
【文献】 特開平07−023982(JP,A)
【文献】 特開2000−083970(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0192675(US,A1)
【文献】 特表平05−505952(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/105164(WO,A1)
【文献】 特許第3414757(JP,B2)
【文献】 特開2002−369830(JP,A)
【文献】 特開2000−116674(JP,A)
【文献】 特許第2895457(JP,B2)
【文献】 特公平06−083713(JP,B2)
【文献】 カナダ国特許出願公開第02235705(CA,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯槽骨の欠損部位に配置され、歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、前記歯槽骨に挿入固定される挿入物と、前記挿入物に結合されるカバー部材とによって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、
歯槽骨欠損部位上面を覆い包む上側部と、
前記上側部から下側に折り曲げられ、前記歯槽骨欠損部位の側面を覆い包む側面折曲げ部と、
を含んでなるが、
前記上側部は、
前記挿入物と、前記カバー部材とに結合されて位置固定される結合部分と、
前記結合部分から上側に延長突出し、前記カバー部材の側面の少なくとも一部を覆い包んでおり、再生される前記歯槽骨に結合部分の上面よりも上側に突出する歯槽骨突出部の形成を誘導する突出部分と、
を含み、
前記結合部分は、平板状のリング形状となっており、
前記結合部分の上面は、前記カバー部材の下面と接触し、
前記結合部分の下面は、前記挿入物の上面と接触する、
ことを特徴とする歯科用メンブレン。
【請求項2】
前記結合部分は、中央に貫通ホールが形成されたリング形状をなすことを特徴とする請求項1に記載の歯科用メンブレン。
【請求項3】
前記突出部分は、前記カバー部材の外形と対応する形状を有することを特徴とする請求項1に記載の歯科用メンブレン。
【請求項4】
前記突出部分は、前記カバー部材の側面と密着接触することを特徴とする請求項3に記載の歯科用メンブレン。
【請求項5】
前記突出部分は、前記カバー部材の側面から離隔されていることを特徴とする請求項3に記載の歯科用メンブレン。
【請求項6】
前記突出部分の最上端は、前記カバー部材の上面と同じ位置に配置されることを特徴とする請求項1に記載の歯科用メンブレン。
【請求項7】
前記突出部分は、前記結合部分から、0.1mm〜5mmの範囲に突出していることを特徴とする請求項1に記載の歯科用メンブレン。
【請求項8】
前記突出部分は、円筒状になることを特徴とする請求項1に記載の歯科用メンブレン。
【請求項9】
前記突出部分には、少なくとも1以上の孔が形成されることを特徴とする請求項1に記載の歯科用メンブレン。
【請求項10】
前記突出部分は、
前記結合部分と連結されて上側に延長される第1延長部と、
前記第1延長部から水平方向に延長される第2延長部と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の歯科用メンブレン。
【請求項11】
前記側面折曲げ部は、前記上側部の両側に、1対が配置されることを特徴とする請求項1に記載の歯科用メンブレン。
【請求項12】
歯槽骨の欠損部位に配置され、前記歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、前記歯槽骨に挿入固定される挿入物と、前記挿入物に結合されるカバー部材とによって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、
欠損部位上面を覆い包む上側部と、
前記上側部から水平方向に延長される側面延長部と、
を含み、
前記上側部は、
前記挿入物と、前記カバー部材とに結合されて位置固定される結合部分と、
前記結合部分から上側に延長突出し、前記カバー部材の側面の少なくとも一部を覆い包んでおり、再生される前記歯槽骨に結合部分の上面よりも上側に突出する歯槽骨突出部の形成を誘導する突出部分と、
を含み、
前記結合部分は、平板状のリング形状となっており、
前記結合部分の上面は、前記カバー部材の下面と接触し、
前記結合部分の下面は、前記挿入物の上面と接触する、
ことを特徴とする歯科用メンブレン。
【請求項13】
前記結合部分は、中央に貫通ホールが形成されたリング形状をなすことを特徴とする請求項12に記載の歯科用メンブレン。
【請求項14】
前記突出部分は、前記カバー部材の外形と対応する形状を有することを特徴とする請求項12に記載の歯科用メンブレン。
【請求項15】
前記突出部分は、前記カバー部材の側面と密着接触することを特徴とする請求項14に記載の歯科用メンブレン。
【請求項16】
前記突出部分は、前記カバー部材の側面から離隔されていることを特徴とする請求項14に記載の歯科用メンブレン。
【請求項17】
前記突出部分の最上端は、前記カバー部材の上面と同じ位置に配置されることを特徴とする請求項12に記載の歯科用メンブレン。
【請求項18】
前記突出部分は、前記結合部分から、0.1mm〜5mmの範囲に突出していることを特徴とする請求項12に記載の歯科用メンブレン。
【請求項19】
前記突出部分には、少なくとも1以上の孔が形成されることを特徴とする請求項12に記載の歯科用メンブレン。
【請求項20】
前記突出部分は、
前記結合部分と連結されて上側に延長される第1延長部と、
前記第1延長部から水平方向に延長される第2延長部と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の歯科用メンブレン。
【請求項21】
前記側面延長部は、上側部の両側に、1対が配置されることを特徴とする請求項12に記載の歯科用メンブレン。
【請求項22】
前記側面延長部は、上側部から下側に折り曲げられることを特徴とする請求項12に記載の歯科用メンブレン。
【請求項23】
歯槽骨の欠損部位に配置され、前記歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、前記歯槽骨に挿入固定されるインプラント用挿入物によって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、
骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位上面を覆い包む上側部と、
前記上側部から下側に折り曲げられて前記骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位の側面を覆い包む側面折曲げ部と、
を含んでなるが、
前記上側部は、
インプラント用挿入物が挿入される部分と対応する部分に配置され、前記インプラント用挿入物が結合される中央ホールが形成されている中央部分と、
前記中央部分の少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記中央部分から上側に突出し、再生される前記歯槽骨に凸状に上向き突出したパピラが形成されるように誘導するパピラ形成部分と、
を含み、
前記歯科用メンブレンは、前記歯槽骨に挿入固定される前記インプラント用挿入物と前記インプラント用挿入物に結合されるカバー部材とによって位置固定され、
前記中央部分は、平板状のリング形状となっており、
前記中央部分の上面は、前記カバー部材の下面と接触し、
前記中央部分の下面は、前記インプラント用挿入物の上面と接触する
ことを特徴とする歯科用メンブレン。
【請求項24】
前記パピラ形成部分は、前記中央部分を取り囲むようにリング状に配置されることを特徴とする請求項23に記載の歯科用メンブレン。
【請求項25】
前記パピラ形成部分は、舌側、唇側または隣接した歯側のうちいずれか1部分に局所的に突設されることを特徴とする請求項23に記載の歯科用メンブレン。
【請求項26】
前記中央部分から前記パピラ形成部分の最上端までの垂直距離は、0.1〜3mmであることを特徴とする請求項23に記載の歯科用メンブレン。
【請求項27】
前記パピラ形成部分は、前記中央ホールから所定距離離隔されていることを特徴とする請求項23に記載の歯科用メンブレン。
【請求項28】
前記上側部には、前記側面折曲げ部の延長方向と反対方向に延長され、下側に折り曲げられる上側延長部がさらに含まれることを特徴とする請求項23に記載の歯科用メンブレン。
【請求項29】
前記上側部には、両側から延長されて下側に折り曲げられる上側ウィング部がさらに含まれることを特徴とする請求項23に記載の歯科用メンブレン。
【請求項30】
前記側面折曲げ部には、両側から延長されて内側に折り曲げられた側面ウィング部がさらに含まれることを特徴とする請求項23に記載の歯科用メンブレン。
【請求項31】
前記側面ウィング部には、多数の第5微細孔が形成されることを特徴とする請求項30に記載の歯科用メンブレン。
【請求項32】
前記側面折曲げ部の下端には、下側に延長されて内側に折り曲げられる側面延長部がさらに含まれることを特徴とする請求項23に記載の歯科用メンブレン。
【請求項33】
歯槽骨の欠損部位に配置され、歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、前記歯槽骨に挿入固定されるインプラント用挿入物によって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、
骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位上面を覆い包む上側部と、
前記上側部から水平方向に延長される水平延長部と、
を含んでなるが、
前記上側部は、
前記インプラント用挿入物が挿入される部分と対応する部分に配置され、前記インプラント用挿入物が結合される中央ホールが形成されている中央部分と、
前記中央部分の少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記中央部分から上側に突出し、再生される前記歯槽骨に凸状に上向き突出したパピラが形成されるように誘導するパピラ形成部分と、
を含み、
前記歯科用メンブレンは、前記歯槽骨に挿入固定される前記インプラント用挿入物と前記インプラント用挿入物に結合されるカバー部材とによって位置固定され、
前記中央部分は、平板状のリング形状となっており、
前記中央部分の上面は、前記カバー部材の下面と接触し、
前記中央部分の下面は、前記インプラント用挿入物の上面と接触する、
ことを特徴とする歯科用メンブレン。
【請求項34】
前記パピラ形成部分は、前記中央部分を取り囲むようにリング状に配置されることを特徴とする請求項33に記載の歯科用メンブレン。
【請求項35】
前記パピラ形成部分は、舌側、唇側または隣接した歯側のうちいずれか1部分に局所的に突設されることを特徴とする請求項33に記載の歯科用メンブレン。
【請求項36】
前記中央部分から前記パピラ形成部分の最上端までの垂直距離は、0.1〜3mmであることを特徴とする請求項33に記載の歯科用メンブレン。
【請求項37】
前記パピラ形成部分は、前記中央ホールから所定距離離隔されていることを特徴とする請求項33に記載の歯科用メンブレン。
【請求項38】
前記水平延長部は、再生されなければならない前記歯槽骨の形状に合うように、曲面状にフォーミングされることを特徴とする請求項33に記載の歯科用メンブレン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歯科用メンブレンに係り、さらに詳細には、歯肉との間の空間を最小化して、施術安定性を確保することができる歯科用メンブレンに関する。
【背景技術】
【0002】
歯が抜けた場合、これまでは、義歯を入れたり、あるいは周辺の歯を柱にし、抜けた部分を金属などで被せるブリッジ施術を行った。しかし、かような施術過程は、義歯やブリッジ施術された人工歯が食べ物をかむ力が弱く、周辺の歯に悪影響を及ぼすというような多くの問題点があった。このため、発展した歯科医療の一施術として、インプラント施術が登場することになった。かようなインプラント施術は、歯槽骨に人工的な歯根を形成し、これを利用して、実際の歯に類似して製作された最終補綴物である人工歯を結合し、患者が実際の歯を使用する効果を得ることになる。
【0003】
前記インプラント施術過程は、歯が抜けた歯槽骨に、フィクスチャ(fixture)を埋植するために、ドリルのような工具を利用して、埋植溝を形成し、埋植溝内部にフィクスチャが堅固に埋植されるための選択作業として、タップピングを行う。その後、前記フィクスチャを埋植溝内に埋植した後、フィクスチャへの異物浸透を防止するために、カバースクリューを締結して歯ぐきを覆って縫合し、一次手術を完了する。その後、二次手術として、3〜6ヵ月ほど経過した後、縫合された歯ぐきをさらに切開した後、フィクスチャからカバースクリューを除去し、締結されるアバットメントの種類を考慮した後、ヒーリング・アバットメントを選択して締結する。そのときのヒーリング・アバットメントは、フィクスチャにアバットメントを締結する前に、フィクスチャ上に歯ぐきをきれいに形成させるものであり、締結後2〜3週間ほどした後、アバットメントを施術するのに適する歯ぐきが生成された後には、ヒーリング・アバットメントを除去した後、アバットメントを結合し、そこに人工歯の型取りを行い、アバットメント上側に自然歯の形状を有する最終補綴物を結合し、インプラント施術を完了する。
【0004】
かような一般的なインプラント施術において、歯槽骨の一部が欠損して残存する歯槽骨だけでは、フィクスチャを十分に支持し難い場合には、欠損した部分に骨移植材(bone graft)を充填した後、その骨移植材をして、新たな歯槽骨として機能を行わせる施術を追加することになる。すなわち、欠損したほど不足した歯槽骨を作る施術を施行するがに、それを骨誘導再生術(GBR:guided bone regeneration)という。骨誘導再生術を施術するためには、いったんフィクスチャを歯槽骨に挿入し、欠損した部位に人造骨または自家骨のような骨移植材を充填した後、充填された骨移植材をして、必要な形態を維持させるために、歯科用メンブレンを覆う。その後、所定のカバー部材を利用して、前記歯科用メンブレンをして、必要な位置に固定させる。
【0005】
かような従来の技術としては、米国登録特許第6,171,106号の「歯インプラント用カバースクリュー(COVER SCREW FOR DENTAL IMPLANT)」に開示されており、図1にその代表構成が図示されている。従来の技術によれば、図1に図示されているように、歯槽骨B(bone)に植立されたフィクスチャ1のネジ山孔1aに、主本体3の雄ネジ3aが螺合されており、実装面3b上に、歯槽骨Bの上部一部を覆うように、メンブレン5が実装されている。固定スクリュー4の雄ネジ4cは、主本体3の雌ネジ3cに螺合され、その間にメンブレン5が挿入固定されている。一方、メンブレン5の上には、歯肉G(gingiva)が覆うように配置されており、歯槽骨再生過程において、外部の異物あるいは汚染源が内部に侵透することを防止する。
【0006】
かような従来技術による歯科用メンブレンは、次のような問題点がある。
【0007】
まず、従来技術による歯科用メンブレンは、その上側に固定スクリュー4が配置されているが、前記固定スクリューにより、メンブレンの上側に所定の空スペースSが形成される。その空スペースは、固定スクリューの高さと対応する大きさを有する。例えば、固定スクリューが厚い場合には、その空スペースが広く形成され、固定スクリューが薄い場合には、空スペースが小さく形成される。そのように空スペースが発生する場合には、その内部に、所望しない異物または不純物が充填されるおそれが大きくなり、それにより、歯肉内部が汚染される場合が発生することになる。かような歯肉内部の汚染は、骨結合を妨害し、骨再生時間を延長させたり、あるいははなはだしければ、骨崩壊を引き起こしたりすることもあるというような問題点がある。
【0008】
また、従来技術による歯科用メンブレンは、移植された歯の周辺に形成され、アーチ型に凸状に盛り上がった歯槽骨突出部の形成が容易ではない。一般的に、歯槽骨突出部は、歯の周辺に凸状に盛り上がった形状を有するものであり、一般的な歯には、一般的に存在するのである。かような歯槽骨突出部の上側には、歯槽骨突出部と類似した形状の歯肉が存在するが、人工歯周辺に、立体的に形成される歯肉は、見る者をして審美感を抱かせる。一方、歯槽骨突出部は、凸状に盛り上がる形状を有しているが、既存のメンブレンは、単純な平面形状または曲面形状を有しているために、歯槽骨突出部を具現し難いという問題点がある。
【0009】
一方、非吸水性素材であるチタンは、他の素材に比べ、骨欠損が発生した部位の空間形成(space making)、すなわち、垂直、水平に骨増大は容易であった。しかし、前歯部のように審美性が要求される部位では、単に骨増大だけではなく、骨増大の形状も重要視される。すなわち、前歯部の審美のためには、歯肉のパピラ(papilla;「骨誘導」ともいい、歯と歯の間、または歯の周辺に形成された凸状に突出した部分)の形成が必要となるが、既存のメンブレンを利用する場合、施術者が現場で行うベンディング及びトリミングだけでは、パピラ形状を具現するには困難が伴った。
【0010】
言い換えれば、満足すべき骨増大効果を得るとしても、パピラ形状を具現するためには、歯槽骨を掻き出したり、あるいは削ったりするような追加の過程が必要であり、かような施術過程は、具現し難いばかりではなく、患者及び施術者に、時間的、費用的な不都合をもたらしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、前述の問題を解決するために創出されたものであり、さらに詳細には、カバー部材と歯肉の間に発生する空スペースを最小化することにより、歯槽骨再生を容易にすることを目的とする。すなわち、空スペースに骨移植材を入れ、歯槽骨が形成されることをいう。
【0012】
また、本発明は、アーチ型の歯槽骨突出部を容易に形成させることにより、施術の利便性を極大化することを他の目的とする。
【0013】
また、本発明は、前述の問題点を解決するために創出されたものであり、さらに詳細には、歯槽骨再生がなされる過程で、パピラを同時に形成する歯科用メンブレンに係わるものである。
【0014】
特に、施術者が現場で、メンブレンのベンディング及びトリミング、または歯槽骨を掻き出したり、あるいは削ったりするような追加の過程なしに、容易にパピラ形状を形成させる歯科用メンブレンに係わるものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前述の目的を果たすための本発明の歯科用メンブレンは、歯槽骨の欠損部位に配置され、歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、前記歯槽骨に挿入固定される挿入物と、前記挿入物に結合されるカバー部材とによって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、歯槽骨欠損部位の上面を覆い包む上側部と、前記上側部から下側に折り曲げられ、歯槽骨欠損部位の側面を覆い包む側面折曲げ部と、を含んでなるが、前記上側部は、前記挿入物と、前記カバー部材とに結合されて位置固定される結合部分;及び前記結合部分から上側に延長突出する突出部分;を含む。
【0016】
前記歯科用メンブレンで、前記結合部分は、中央に貫通ホールが形成されたリング形状をなすことができる。
【0017】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、カバー部材の側面の少なくとも一部を覆い包むことができる。
【0018】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、前記カバー部材の外形と対応する形状を有することができる。
【0019】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、前記カバー部材の側面と密着接触される。
【0020】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、前記カバー部材の側面から離隔される。
【0021】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分の最上端は、カバー部材と同じ位置に配置されもする。
【0022】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、結合部分から、0.1mm〜5mm範囲に突出されもする。
【0023】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、円筒状になりもする。
【0024】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分には、少なくとも1以上の孔が形成されもする。
【0025】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、前記結合部分と連結されて上側に延長される第1延長部と、前記延長部から水平方向に延長される第2延長部と、を含んでもよい。
【0026】
前記歯科用メンブレンで、前記側面折曲げ部は、上側部の両側に、1対が配置されもする。
【0027】
前述の目的を達成するための本発明の歯科用メンブレンは、歯槽骨の欠損部位に配置され、歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、前記歯槽骨に挿入固定される挿入物と、前記挿入物に結合されるカバー部材とによって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、前記挿入物と接触して位置固定される結合部分と、前記結合部分から上側に延長突出する突出部分とからなり、欠損部位の上面を覆い包む上側部;及び前記上側部から水平方向に延長される側面延長部;を含む。
【0028】
前記歯科用メンブレンで、前記結合部分は、中央に貫通ホールが形成されたリング形状をなすことができる。
【0029】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、カバー部材の側面の少なくとも一部を覆い包むことができる。
【0030】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、前記カバー部材の外形と対応する形状を有することができる。
【0031】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、前記カバー部材の側面と密着接触されもする。
【0032】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、前記カバー部材の側面から離隔されることがある。
【0033】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分の最上端は、カバー部材と同じ位置に配置されもする。
【0034】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、結合部分から、0.1mm〜5mm範囲に突出されもする。
【0035】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分には、少なくとも1以上の孔が形成されもする。
【0036】
前記歯科用メンブレンで、前記突出部分は、前記結合部分と連結されて上側に延長される第1延長部と、前記延長部から水平方向に延長される第2延長部と、を含んでもよい。
【0037】
前記歯科用メンブレンで、前記側面延長部は、上側部の両側に、1対が配置されもする。
【0038】
前記歯科用メンブレンで、前記側面延長部は、上側部から下側に折り曲げられる。
【0039】
前述の目的を達成するための本発明の歯科用メンブレンは、歯槽骨の欠損部位に配置され、歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、前記歯槽骨に挿入固定されるインプラント用挿入物によって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位の上面を覆い包む上側部と、前記上側部から下側に折り曲げられて骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位の側面を覆い包む側面折曲げ部と、を含んでなるが、前記上側部は、インプラント用挿入物が挿入される部分と対応する部分に配置され、前記インプラント用挿入物が結合される中央ホールが形成されている中央部分;及び前記中央部分の少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記中央部分から上側に突出し、再生される歯槽骨に凸状に上向き突出したパピラが形成されるように誘導するパピラ形成部分;を含む。
【0040】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、中央部分を取り囲むようにリング状に配置されもする。
【0041】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、舌側、唇側または隣接した歯側のうちいずれか1部分に局所的に突設されもする。
【0042】
前記歯科用メンブレンで、前記中央部分から前記パピラ形成部分の最上端までの垂直距離は、0.1〜3mmでもある。
【0043】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、前記中央ホールから所定距離離隔されている。
【0044】
前記歯科用メンブレンで、前記上側部には、前記側面折曲げ部の延長方向と反対方向に延長され、下側に折り曲げられる上側がさらに含まれてもよい。
【0045】
前記歯科用メンブレンで、前記上側部には、両側から延長されて下側に折り曲げられる上側ウィング部がさらに含まれてもよい。
【0046】
前記歯科用メンブレンで、前記側面折曲げ部には、両側から延長されて内側に折り曲げられた側面ウィング部がさらに含まれてもよい。
【0047】
前記歯科用メンブレンで、前記側面ウィング部には、多数の第5微細孔が形成されもする。
【0048】
前記歯科用メンブレンで、前記側面折曲げ部の下端には、下側に延長されて内側に折り曲げられる側面延長部がさらに含まれてもよい。
【0049】
前述の目的を達成するための本発明の歯科用メンブレンは、歯槽骨の欠損部位に配置され、歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、エッジに配置される複数の固定用ネジによって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位の上面を覆い包む上側部と、前記上側部から下側に折り曲げられて骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位の側面を覆い包む側面折曲げ部と、を含んでなるが、前記上側部は、多数の微細孔が形成される中央部分;及び前記中央部分の少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記中央部分から上側に突出し、再生される歯槽骨に凸状に上向き突出したパピラが形成されるように誘導するパピラ形成部分;を含んでもよい。
【0050】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、中央部分を取り囲むようにリング状に配置されもする。
【0051】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、舌側、唇側または隣接した歯側のうちいずれか1部分に局所的に突設されもする。
【0052】
前記歯科用メンブレンで、前記中央部分から前記パピラ形成部分の最上端までの垂直距離は、0.1〜3mmでもある。
【0053】
前述の目的を達成するための本発明の歯科用メンブレンは、歯槽骨の欠損部位に配置され、歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、前記歯槽骨に挿入固定されるインプラント用挿入物によって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位の上面を覆い包む上側部と、前記上側部から水平方向に延長される水平延長部と、を含んでなるが、前記上側部は、インプラント用挿入物が挿入される部分と対応する部分に配置され、前記インプラント用挿入物が結合される中央ホールが形成されている中央部分;及び前記中央部分の少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記中央部分から上側に突出し、再生される歯槽骨に凸状に上向き突出したパピラが形成されるように誘導するパピラ形成部分;を含んでもよい。
【0054】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、中央部分を取り囲むようにリング状に配置されもする。
【0055】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、舌側、唇側または隣接した歯側のうちいずれか1部分に局所的に突設されもする。
【0056】
前記歯科用メンブレンで、前記中央部分から前記パピラ形成部分の最上端までの垂直距離は、0.1〜3mmでもある。
【0057】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、前記中央ホールから所定距離離隔されている。
【0058】
前記歯科用メンブレンで、前記水平延長部は、再生されなければならない歯槽骨の形状に合うように、曲面状にフォーミングされる。
【0059】
前述の目的を達成するための本発明の歯科用メンブレンは、歯槽骨の欠損部位に配置され、歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材を覆い包んだりする歯科用メンブレンであって、エッジに配置される複数の固定用ネジによって位置固定される歯科用メンブレンにおいて、骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位の上面を覆い包む上側部と、前記上側部から水平方向に延長される水平延長部と、を含んでなるが、前記上側部は、多数の微細孔が形成される中央部分;及び前記中央部分の少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記中央部分から上側に突出し、再生される歯槽骨に凸状に上向き突出したパピラが形成されるように誘導するパピラ形成部分;を含んでもよい。
【0060】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、中央部分を取り囲むようにリング状に配置されもする。
【0061】
前記歯科用メンブレンで、前記パピラ形成部分は、舌側、唇側または隣接した歯側のうちいずれか1部分に局所的に突設されもする。
【0062】
前記歯科用メンブレンで、前記中央部分から前記パピラ形成部分の最上端までの垂直距離は、0.1〜3mmでもある。
【0063】
前記歯科用メンブレンで、前記水平延長部は、再生されなければならない歯槽骨の形状に合うように、曲面状にフォーミングされる。
【発明の効果】
【0064】
本発明による歯科用メンブレンは、突出部分がカバー部材を覆い包むように突出配置されており、その上に歯肉が覆われる場合にも、歯肉とメンブレンとの間の空スペースが最小化されるという長所がある。
【0065】
本発明による歯科用メンブレンは、再生されなければならない歯槽骨で、パピラ形状が具現されるパピラ形成部分が設けられており、パピラ形成が容易であるという長所がある。
【0066】
また、本発明による歯科用メンブレンは、施術者が現場でメンブレンのベンディング及びトリミングを行う必要がなく、生成された歯槽骨を掻き出したり、あるいは削り出したりする追加の過程なしに、容易にパピラ形状を形成させ、施術の利便性を増大することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】従来技術による歯科用メンブレンが施術された様子を示す図面である。
図2】本発明の一実施形態による歯科用メンブレンが、挿入物及びカバー部材に結合された様子を示す斜視図である。
図3図2の側面図である。
図4図3の背面図である。
図5図4のV−V断面図及び歯槽骨内に施術された様子を示す図面である。
図6図2の歯科用メンブレンの斜視図である。
図7図6の平面図である。
図8図6の側面図である。
図9】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンが、挿入物及びカバー部材に結合された様子を示す斜視図である。
図10図9の歯科用メンブレンの側面図である。
図11】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンを図示した図面である。
図12】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンを平面的に示す図面である。
図13】施術条件に合うように、図12の歯科用メンブレンを三次元的にフォーミングした様子を示す斜視図である。
図14図13の平面図である。
図15図14の側面図である。
図16図13の歯科用メンブレンが歯槽骨再生のために設置された一例を示す図面である。
図17図13の歯科用メンブレンが歯槽骨再生のために設置された他の例を示す図面である。
図18】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンを平面的に示す図面である。
図19図18の歯科用メンブレンを三次元的にフォーミングした様子を示す図面である。
図20図19の側面図である。
図21】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンを平面的に示す図面である。
図22図21の歯科用メンブレンを三次元的にフォーミングした様子を示す図面である。
図23図22の側面図である。
図24】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンを平面的に示す図面である。
図25図24の歯科用メンブレンを三次元的にフォーミングした様子を示す図面である。
図26図25の側面図である。
図27】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンを平面的に示す図面である。
図28図27の歯科用メンブレンを三次元的にフォーミングした様子を示す図面である。
図29図28の側面図である。
図30】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンの斜視図である。
図31図30の平面図である。
図32】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンの斜視図である。
図33図32の平面図である。
図34】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンの斜視図である。
図35図34を他の方向から見た斜視図である。
図36】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンの斜視図である。
図37】本発明の他の実施形態による歯科用メンブレンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、本発明の一実施形態による歯科用メンブレンについて、添付された図面を参照しながら詳細に説明する。
【0069】
本発明の一実施形態による歯科用メンブレン100は、歯槽骨Bの欠損部位に配置され、歯槽骨が再生される空間を形成させたり、あるいは骨移植材BG(bone graft)を覆い包んだりするものであり、覆い包まれる骨移植材BGが外部に離脱することを防止する遮蔽膜である。かような歯科用メンブレン100は、歯槽骨Bに挿入固定される挿入物140、及び前記挿入物140に結合されるカバー部材150によって位置固定される。具体的には、前記歯科用メンブレン100は、人体内部に挿入されるものであり、人体に無害な素材が使用されることが望ましい。また、施術現場で、歯槽骨Bの形状に合うように変形が可能になるように、弾性がある程度付与されたことが望ましい。一方、前記歯科用メンブレン100には、多数の孔H(hole)が形成されており、骨移植過程で、メンブレン100を介して、血液などが疎通することができ、それによって、骨移植を容易にする。
【0070】
かような歯科用メンブレン100は、平面状に構成され、現場で施術者が必要によって曲げて使用することも可能であるが、望ましくは、あらかじめ製造所で、歯槽骨Bの形状に合うように、三次元フォーミングされて施術現場に提供されることが望ましい。
【0071】
かような歯科用メンブレン100は、上側部110と、側面折曲げ部120とを含んで構成される。
【0072】
前記上側部110は、歯槽骨Bの欠損部位上面を覆い包むものである。具体的には、欠損した部位で、骨移植材BGが充填された部分を覆うが、その上側部分を覆い包むものである。
【0073】
かような上側部110は、結合部分111と、突出部分112とを含んで構成される。
【0074】
前記結合部分111は、挿入物140と、前記カバー部材150とによって結合されて位置固定されるものであり、その中央には、挿入物140またはカバー部材150が挿入されて貫通される貫通ホール111aが形成され、全体的に平らな平板状のリング形状をなす。かような結合部分111は、その上面が、カバー部材150の下面に接触しており、その下面が挿入物140の上面と接触する。
【0075】
前記突出部分112は、前記結合部分111から上側に延長突出するものである。具体的には、前記突出部分112は、カバー部材150の少なくとも一部を覆い包むように構成され、カバー部材150の外形と対応する形状を有することができる。例えば、本実施形態では、前記カバー部材150が円板の形態によって構成されているので、前記突出部分112も、円筒状でもある。そのとき、前記突出部分112は、前記カバー部材150の側面と密着接触する。そのように、カバー部材150の側面と密着接触する場合には、空スペースが最小化され、汚染源充填を防止することができる。ただし、それに限定されるものではなく、互いに一定間隔ほど離隔されることも可能である。一定間隔離隔される場合、カバー部材を除去するための除去ツールが結合される空間が設けられる。
【0076】
一方、前記突出部分112の最上端は、前記カバー部材150の上面より低いか、あるいはそれと同じ位置に配置されたことが望ましく、望ましくは、カバー部材150の上面と同一高を構成することが望ましい。そのように、カバー部材150と同一高を形成する場合には、メンブレン100と歯肉G(gingiva)との間の空スペースを最小化することができるという長所がある。
【0077】
具体的には、前記突出部分112は、結合部分111から0.1mm〜5mm範囲に突出していることが望ましい。突出部分112の高さが0.1mmより低ければ、空スペースが大きくなって望ましくなく、5mmより高ければ、カバー部材150より前記突出部分112がさらに上側に突出することになり、望ましくない。
【0078】
かような突出部分112は、結合部分111と連結され、円筒状になる第1延長部112aと、前記第1延長部112aから水平方向に延長される第2延長部112bとを含む。そのとき、第2延長部112bは、側面折曲げ部120と連結される。
【0079】
前記突出部分112には、少なくとも1以上の孔Hが形成される。
【0080】
前記側面折曲げ部120は、前記上側部110から下側に折り曲げられ、歯槽骨B欠損部位の側面を覆い包むものであり、多数の孔Hが形成されている。かような側面折曲げ部120は、上側部110から緩慢なラウンド状に折り曲げられ、その下端は、内側にすぼまるようになり、内部の骨移植材BGの外部流出を最大限防止する。かような側面折曲げ部120は、前記上側部110の両側に、1対が配置される。ただし、それに限定されるものではなく、一側にのみ形成されることも可能である。
【0081】
一方、図面番号140,150は、それぞれ挿入物、カバー部材である。前記挿入物140は、歯槽骨B内に挿入されて位置固定されるものであり、フィクスチャ141と、前記フィクスチャ141に結合されるアバットメント142と、を含んでもよい。前記フィクスチャ141は、全体的に円柱状によってなるが、外周面には、歯槽骨Bとの結合のためのネジ山141aが形成され、上端から下側に向けてブラインドホール141bが形成される。
【0082】
前記アバットメント142は、前記フィクスチャ141のブラインドホール141bに挿入され、前記フィクスチャ141から突出し、その突出高ほど骨移植材が充填される空間を追加確保することができる。かようなアバットメント142は、その上端に、上側方向に突出した結合用突起142aが設けられている。前記結合用突起142aには、雄ネジ山が形成されている。
【0083】
前記カバー部材150は、前記アバットメント142に結合されるものであり、具体的には、下面に、前記結合用突起142aに結合される溝151が形成される。前記カバー部材150とアバットメント142との間には、本実施形態による歯科用メンブレン100が固定される。
【0084】
かような本実施形態による歯科用メンブレン100は、次のような作用効果を有する。
【0085】
まず、本実施形態による歯科用メンブレン100が歯槽骨Bに施術された様子を図示した図5を参照すれば、歯槽骨Bの欠損部位に結合された挿入物140と、カバー部材150とによって位置固定された歯科用メンブレン100は、骨移植材を覆うように配置される。そのとき、前記歯科用メンブレン100は、上側部110の結合部分111が、前記挿入物140とカバー部材150とによって噛み合わさって結合されており、突出部分112は、前記カバー部材150を覆い包むように配置されている。そのように、カバー部材150を覆い包むように突出配置されていれば、その上に歯肉Gが覆われる場合にも、歯肉Gとメンブレン100との間の空スペースが最小化される。特に、突出部分112の最上端と、カバー部材150の上面とが同一高をなしているために、空スペースが最小化され、異物または汚染源が空スペースに充填される心配が少なくなる。
【0086】
また、突出部分112によって新しく生成された空間には、骨移植材BGが充填されることによって生成される歯槽骨Bの量が多くなるという長所がある。そのように生成される歯槽骨Bの量が多くなることにより、フィクスチャ141は、さらに堅固に歯槽骨B内で位置固定されるという長所がある。また、突出した部分のうち一部を削除することにより、アーチ型の歯槽骨突出部を容易に形成することができる。例えば、所望する歯槽骨突出部を形成するために、さらなる骨再生を行う必要なしに、突出部分112によって形成された空間に設けられた歯槽骨Bを必要な形態に削除することにより、簡便に歯槽骨突出部を得ることができる。
【0087】
かような本発明の一実施形態による歯科用メンブレン100は、次のような変が可能である。
【0088】
前述の実施形態では、上側部110の周辺に、側面折曲げ部120が下側に折り曲げられているように例示したが、それに限定されるものではなく、図9及び図10に図示されているように、側面延長部120’が、上側部110’の周辺に配置されることも可能である。かような側面延長部120’は、上側部110’から水平方向に延長されるものであり、上側部110’の周辺に1対が配置され、少なくとも1以上の孔が形成されている。
【0089】
かような側面延長部120’をそれ自体で歯槽骨に使用することもできるが、必要により、施術現場で歯槽骨の形状に合うように、側面折曲げ部の形状に折り曲げて使用することができる。一方、図9または図10で、フィクスチャ141’とアバットメント142’とからなる挿入物、カバー部材150’、第1延長部112a’、第2延長部112b’は、前述の実施形態と同一形状を有しているので、具体的な説明は省略する。
【0090】
また、前述の実施形態では、挿入物140が、フィクスチャ141と、前記フィクスチャ141に結合されるアバットメント142とから構成されると説明したが、それに限定されるものではない。例えば、図11に図示されているように、挿入物140”が別途の分離されたアバットメントなしに、アバットメント一体型フィクスチャによってのみなることも可能である。そのときカ、バー部材150”は、前記挿入物140”であるアバットメント一体型フィクスチャに結合され、歯科用メンブレン100”を位置固定する。それ以外の歯科用メンブレン100”の上側部110”、及び側面折曲げ部120”は、前述の実施形態と同一形状を有しているので、具体的な説明を省略する。
【0091】
また、挿入物は、フィクスチャだけでなることも可能である。例えば、挿入物が図5に開示されたフィクスチャだけからなり、カバー部材は、前記フィクスチャに直接結合されることも可能である。
【0092】
従って、全体的に見れば、挿入物は、フィクスチャとアバットメントとの結合形態(図5の形態)、フィクスチャ単一形態(図5において、アバットメントのみない形態)、及びアバットメント一体型フィクスチャ(図11の形態)を含む概念であるということができる。
【0093】
一方、前述の実施形態では、突出部分がカバー部材と対応する形状を有すると例示したが、それに限定されるものではなく、結合部分から上側に行くほど、突出部分がカバー部材から遠くなること(突出部分とカバー部材との間隔が大きくなること)も可能である。例えば、カバー部材が円板形態によってなる場合、突き出部材が、逆さま円錐台の形態を有することが可能である。かような形状を有する場合には、歯槽骨突出部を容易に形成することができる。すなわち、歯槽骨で、歯槽骨突出部を形成するために、歯槽骨を削除しなければならない量を最小化することができる。
【0094】
特に、突出部分である再生されなければならない歯槽骨突出部と対応する形状を有するように設計することも可能である。そのように、再生されなければならない歯槽骨突出部と対応する形状を有する場合には、歯槽骨を削除することなしに、歯槽骨突出部を形成することができる。
【0095】
また、前述の実施形態では、突出部分が円筒状に構成されるものを例示したが、それ以外に、歯槽骨の舌側、隣接した歯側、唇側のうち少なくともいずれか1ヵ所に配置されることも可能である。
【0096】
また、前述の実施形態では、歯科用メンブレンが、挿入物とカバー部材との間に配置されるものを例示したが、それに限定されるものではなく、挿入物に円周方向に沿って形成された溝が設けられ、前記溝に、前記歯科用メンブレンが挿入されて結合されているものも考慮することができる。そのとき、前記突出部分は、メンブレンから突出した挿入物の上側部と対応する形状を有することができる。
【0097】
一方、パピラ(papilla)が形成されるように誘導するパピラ形成部分を有する歯科用メンブレンに係わる実施形態は、以下で説明する。
【0098】
本発明の一実施形態による歯科用メンブレン10は、歯槽骨80の欠損部位に充填された骨移植材82を覆い包み、歯槽骨80の再生を誘導するものである。具体的には、歯科用メンブレン10は、欠損した歯槽骨80の開かれた部位に充填された自家骨または人造骨のような骨移植材82を覆い、前記骨移植材82が、骨再生過程で外部に離脱することを防止し、内部に配置された骨移植材の動揺度をなくし、安定して歯槽骨80の再生を誘導するためのものである。
【0099】
かような歯科用メンブレン10の二次元平面図は、図12に図示されている通りであり、その形状は、骨欠損形態をあらかじめ分類し、それに合うようにトリミングされている様子を図示したものである。かようなあらかじめトリミングされている二次元形態の骨再生用メンブレンを、所定のベンディング器具によって三次元的にベンディングした様子は、図13ないし図15に図示されている通りである。
【0100】
そのように、本実施形態による歯科用メンブレン10は、施術直前に、施術者が患者の形状に合うように、即座にトリミング及びベンディングを行うものではなく、あらかじめ三次元的に、所定のベンディング器を利用してト、リミング及びベンディングを行って製作されるものであり、再生されなければならない歯槽骨80の形状に合うように、歯槽骨80の方向に、立体的な曲面状にあらかじめフォーミングされていることを特徴とする。
【0101】
前記歯科用メンブレン10は、上側部(20、側面折曲げ部(30、上側延長部(40、上側ウィング部(50、側面ウィング部60、側面延長部70を含んで構成される。
前記上側部20は、歯槽骨80の欠損部位として、骨移植材82が詰められている部位の上面を覆うものであり、中央部分21とパピラ形成部分22とを含む。
【0102】
そのとき、前記中央部分21は、インプラント用挿入物が挿入される部分と対応する部分に配置され、前記インプラント用挿入物が結合される部分である。かような中央部分21には、インプラント用挿入物が通過して挿入される中央ホール211が形成されている。
【0103】
前記パピラ形成部分22は、中央部分21の少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記中央部分21から上側に突出して再生される歯槽骨80に、凸状に上向き突出するパピラが形成されるように誘導するものである。かようなパピラ形成部分22の断面は、ほぼアーチ形状によってなる。前記パピラ形成部分22は、中央部分21を取り囲み、全体的にリング形状を有するように、中央部分21に隣接するように配置される。
【0104】
そのとき、中央部分21から、前記パピラ形成部分22の最上端までの距離hは、0.1〜3mmほどであることが望ましい。パピラ形成部分22が前記範囲より大きい場合には、生成される歯槽骨80のパピラ部分が過度に高く突出して望ましくなく、パピラ形成部分22が前記範囲より低い場合には、突出する部分の高さが低く、審美的に望ましくないだけでなく、再生後に、容易に崩壊される心配があり、望ましくない。
【0105】
また、前記中央ホール211から、前記パピラ形成部分22は、所定距離離隔されている。具体的には、前記中央ホール211と、パピラ形成部分22との最短距離は、1mm〜10mmであることが望ましい。そのとき、最短距離とは、中央ホールにおいて、パピラ形成部分と最も隣接した部分から、前記突出するパピラ形成部分の開始部分までの距離をいう。そのように、一定距離ほど離隔されていることにより、パピラ形成が確実になされるという長所がある。
【0106】
前記上側部20には、多数の第1微細孔23が形成されている。かような第1微細孔23は、中央ホール211に比べ、若干小さいことが望ましく、具体的には、0.1〜2.0mmの範囲を有したことが望ましい。かような第1微細孔23は、骨欠損部位を充填する骨移植材82と、周辺骨組織との間の血液生理反応を活性化させるものであり、骨移植材82が周辺骨組織と、堅固であって安定して骨融合がなされるようにするものである。かような第1微細孔23が前記範囲を有することにより、血液の疎通が有利になる。
【0107】
前記側面折曲げ部30は、前記上側部20から下側に折り曲げられ、骨移植材82が充填された歯槽骨80の欠損部位の側面を覆い包むものである。かような側面折曲げ部30は、“〕”形状を有するように、前記上側部20から折り曲げられて構成され、多数の第2微細孔33が形成されている。
【0108】
かような側面折曲げ部30は、前記上側部20から遠くなる方向に折り曲げられる第1折曲げ部31と、前記上側部20に近付く方向に折り曲げられる第2折曲げ部32とからなる。そのとき、第1折曲げ部31の第2微細孔33は、0.8〜2.0mmであり、前記第2折曲げ部32の第2微細孔33は、0.1〜0.7mmの直径を有することができる。そのとき、第1折曲げ部31の最下端の第1孔は、三日月または半月の形態に整列されている。すなわち、第1孔の最下端が凹状ラインに沿って整列されている。そのように、凹状の皿形態によってなる理由は、ベンディングラインを自然に形成することにより、ベンディング時に、一部区間で局所的な突出がないようにするためである。また、前記第2折曲げ部32の孔サイズが小さい理由は、ベンディング過程で、柔軟性を極大化させ、曲率半径が大きい場合にも、柔軟にベンディングされて曲げられるようにするためである。
【0109】
前記上側延長部40は、前記上側部20から延長され、骨移植材82を覆い包むものであり、具体的には、前記側面折曲げ部30の延長方向と反対方向に延長され、下側に折り曲げられるものである。前記上側延長部40には、多数の第3微細孔41が形成されており、その第3微細孔41を介して血液が疎通することにより、骨融合が増進される。かような上側延長部40は、再生されなければならない歯槽骨80の最終形状に合うように、三次元的にあらかじめフォーミングされている。
【0110】
前記上側ウィング部50は、前記上側部20の両側から延長されて突出するものであり、下側に折り曲げられて構成される。具体的には、上側ウィング部50は、骨移植材82を覆い包むように下側に折り曲げられている。前記上側ウィング部50は、前記上側の側面端のうち一部から突設され、それによって、ベンディングが容易になる。具体的には、前記側面結合部は、歯槽骨80上部の内側(medial)または外側(distal)を覆うように設けられるものである。かような上側ウィング部50には、多数の第4微細孔51が形成されている。そのように、多くの微細孔が形成されることにより、全体的な柔軟性が増大され、ベンディングが容易になるという長所がある。
【0111】
前記側面ウィング部60は、側面折曲げ部30の両側から延長され、内側に折り曲げられたものである。内部に骨移植材82が設けられており、前記側面折曲げ部30の両側エッジから突設されるが、骨移植材82に向けて折り曲げられて曲がっている。かような側面ウィング部60は、骨欠損部位の口腔(buccal)側を覆い包むものであり、上端から下端に行くほど、側面折曲げ部30からの距離が徐々に長くなっていて、中間以降からは、距離が一定して維持される形状を有するようになる。かような側面ウィング部60は、側面折曲げ部30の側面全体にわたって、単一の形態に形成されおり、骨融合後、骨欠損部位から抜き取る場合、容易に抜けるように形成される。
【0112】
かような側面ウィング部60には、多数の第5微細孔61が形成されているが、かような第5微細孔61の直径は、第2微細孔33の直径より小さいことが望ましい。例えば、第5微細孔61の直径は、0.1〜0.7mmでもある。また、第5微細孔61は、第2微細孔33より詰まって配置されており、同一面積対比にして、さらに多数の孔が側面ウィング部60に形成される。すなわち、側面ウィング部60の単位面積当たり総面積は、側面折曲げ部30の第2孔の単位面積当たり総面積より大きいことが望ましい。そのように、第5微細孔61が小サイズに詰まって配置されていることにより、全体的な側面ウィング部60の柔軟性が増大し、追って歯槽骨80から抜き取る過程で、周辺に損傷を加えずに、容易に抜き取られるのである。また、側面ウィング部60が柔軟であることにより、ベンディングが容易に行われる。
【0113】
前記側面延長部70は、前記側面折曲げ部30の下端から延長され、内側に折り曲げられるものである。前記下端折曲げ部には、多数の第6微細孔71が形成されている。そのとき、前記第6微細孔71の直径は、第2微細孔33より小さく、それによって、十分な柔軟性を確保し、追って骨融合後に、歯槽骨80から容易に抜ける。また、トリミング過程で、表面が鋭くなることを最小化し、周辺歯肉の損傷を最小化することができる。
【0114】
一方、歯科用メンブレン10の表面には、TiNコーティング層またはアノダイジングコーティング層が形成される。かようなコーティング層が形成される場合には、全体的にメンブレンが黒く見えることにより、審美感を呼び起こすことができると言う長所がある。
【0115】
かような本発明の一実施形態による歯科用メンブレン10は、次のような作用効果を有する。
【0116】
まず、歯科用メンブレン10を付着させる前に、フィクスチャ91とアバットメント92とからなるインプラント挿入物90を歯槽骨80内に挿入し、骨欠損部位に、骨移植材82を充填する。その後、インプラント挿入物90に対して、あらかじめ三次元形状にフォーミングされて形成された歯科用メンブレン10を、前記インプラント挿入物に結合する。具体的には、上側部20の中央ホール211に、前記インプラント挿入物を挿入して結合させる。そのように、歯科用メンブレン10が、インプラント挿入物に結合した後、別途のメンブレン固定用覆いを利用して、前記歯科用メンブレン10が、骨移植材82の上側に位置固定される。その後、前記歯科用メンブレン10の上に、歯肉81を覆った後、前記歯肉81を縫合する。縫合後の様子は、図16に図示されている通りである。その後、所定時間が経過した後、歯科用メンブレン10の内部で、骨移植材82が骨融合された後には、縫合された歯肉81を開き、前記歯科用メンブレン10を前記骨欠損部位から除去する。
【0117】
一方、前記歯科用メンブレン10には、パピラ形成部分22が形成されており、生される歯槽骨80には、上側に凸状に突出した部分が設けられる。そのとき、その上に覆われる歯肉81も、前記歯槽骨80の形状に合うように凸状に上側に突出し、所望する審美感を有する。
【0118】
そのように、本発明の一実施形態による歯科用メンブレンは、歯槽骨形成過程で、パピラが具現されることにより施術者が不要に歯槽骨を切り取ったり、あるいは削除したりすることにより、別途にパピラを具現する必要がないという長所がある。
【0119】
また、本発明の歯科用メンブレンは、カスタマイズ化され、三次元的にあらかじめフォーミングされて製作されるので、施術者が施術現場で、最小限のトリミング及びベンディングを行ったり、あるいはトリミングまたはベンディングがなく、そのまま施術することが可能であり、簡便であるという長所がある。特に、歯科用メンブレンは、局部的に折れて突出した部分がないように、あらかじめカスタマイズ化された形状を有しているので、施術現場でベンディングを行う過程中、局所的に一部が突出するパッカリング現象(例えば、よれ現象及びしわ現象)を防止することができるという長所があり、インプラント挿入物の状態に締結されるとき、別途の締結スクリューが不要になる。
【0120】
また、部分別微細孔の大きさを異にすることにより、多く曲げなければならない部分では、柔軟性を高めるようにし、ベンディング容易性を極大化することができる。それにより、施術現場で、局所的なベンディングが必要な場合にも、現場作業性が高くなるようにした。
【0121】
また、側面ウィング部が柔軟性が高いように構成されることにより、ベンディングの容易性以外に、追って移植材から除去するときに容易になる。
【0122】
かような本発明の一実施形態による歯科用メンブレンは、次のように変形されることも可能である。
【0123】
まず、前述の図16では、インプラント用移植物90として、フィクスチャ91とアバットメント92とを含む構成を例示したが、それに限定されるものではなく、インプラント移植物が、図17に図示されているように、フィクスチャ91とアバットメント92とが互いに一体に結合されたアバットメント一体型フィクスチャを意味することが可能である。そのとき、歯科用メンブレンの中央ホールが、前記アバットメント一体型フィクスチャの上端に結合される。一方、図示していないが、インプラント用移植物90がフィクスチャだけからなることも可能である。
【0124】
また、前述の実施形態では、上側部20、側面折曲げ部30、上側延長部40、上側ウィング部50、側面ウィング部60、側面延長部70が設けられる歯科用メンブレンを説示したが、図18ないし図20に図示されているように、上側延長部40なしに、上側部20、側面折曲げ部30、上側ウィング部50、側面ウィング部60、側面延長部70だけによって構成された歯科用メンブレンも可能である。かような図18ないし図20に図示された歯科用メンブレンは、歯槽骨欠損部位が、上面と一側面とである場合に、使用可能である。
【0125】
また、前述の図18ないし図20の実施形態では、上側部20、側面折曲げ部30、上側ウィング部50、側面ウィング部60、側面延長部70を含んだ歯科用メンブレンを図示したが、それに限定されるものではなく、図21ないし図23に図示されているように、上側部20に、別途の上側ウィング部50が設けられることなしに、上側部20の幅を拡大させ、歯槽骨の上面を全体的に覆うように、四角形の平板によって構成することも可能である。それ以外に、側面ウィング部60もなしに、側面折曲げ部30だけで構成されもする。
【0126】
また、前述の図18ないし図20の実施形態では、上側部20、側面折曲げ部30、上側ウィング部50、側面ウィング部60、側面延長部70を含んだ歯科用メンブレンを図示したが、それ以外に、図24ないし図26に図示されているように、上側部20、側面折曲げ部30、側面ウィング部60及び側面延長部70だけによって構成されることも可能である。そのとき、前記上側部20のパピラ形成部分は、リング形状によってなるものではなく、唇側に向くように、局所的を突出している。かような図24ないし図26に図示された実施形態は、主に歯槽骨欠損部が一側面に限定された場合に使用される。
【0127】
また、前述の図24ないし図26に図示された歯槽骨歯科用メンブレンは、上側部20、側面折曲げ部30、側面ウィング部60及び側面延長部70によって構成されたものを例示したが、それに限定されるものではなく、図27ないし図29に図示されているように、上側部20、側面折曲げ部30及び側面延長部70によって構成された歯科用メンブレンも考慮することができる。かような図24ないし図26に図示された実施形態も、主に歯槽骨欠損部が一側面に限定された場合に使用することができる。
【0128】
また、前述の図12ないし図15の実施形態では、上側部20に、中央ホールが形成されたものを例示したが、それに限定されるものではなく、図30及び図31に開示されているように、中央ホールの形成なしに、多数の第1微細孔だけが形成されるように構成されることも可能である。すなわち、上側部20、側面折曲げ部30、上側延長部40、上側ウィング部50、側面ウィング部60、側面延長部70が設けられた状態で、中央ホールだけが開示されることなしに製作される。そのとき、メンブレンの固定は、エッジに配置される複数の固定用ネジによって行われる。そのとき、使用される固定用ネジは、小ネジ形態からなり、上側延長部40の両端及び側面延長部70の両端に配置される。
【0129】
また、図32及び図33に図示されているように、骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位の上面を覆い包む上側部10’と、前記上側部10’から水平方向に延長される水平延長部30’とを含んでなるが、前記上側部10’は、インプラント用フィクスチャが挿入される部分と対応する部分に配置され、前記インプラント用挿入物が結合される中央ホール211’が形成されている中央部分21’、及び前記中央部分21’の少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記中央部分21’から上側に突出し、再生される歯槽骨に凸状に上向き突出したパピラが形成されるように誘導するパピラ形成部分22’を含むものも可能である。すなわち、前述の形態と異なり、全体的に四角平面状に構成されるが、中央部分21’の周辺に、パピラ形成部分22’が設けられるように製作することが可能である。
【0130】
かような図32及び図33に開示された歯科用メンブレン10’は、施術現場で、別途のベンディングやトリミングもなしに、歯槽骨再生に使用されることも可能であるが、必要により、所定の形状にベンディングまたはトリミングを行って使用されることも可能である。
【0131】
また、図32及び図33の実施形態と異なり、所定の形態にベンディングして製作することも可能である。すなわち、水平延長部30’を下側に曲げ、全体的に曲面状に製作することも可能である。
【0132】
また、図36に開示されているように、骨移植材が充填された歯槽骨欠損部位の上面を覆い包む上側部10’と、前記上側部10’から水平方向に延長される水平延長部30’とを含んでなるが、前記上側部10’は、多数の微細孔が形成される中央部分21’、及び前記中央部分21’の少なくとも一部を取り囲むように配置され、前記中央部分21’から上側に突出し、再生される歯槽骨に凸状に上向き突出したパピラが形成されるように誘導するパピラ形成部分22’を含むものも可能である。すなわち、図32及び図33の実施形態と異なり、中央ホール211’が別途に設けられないものも可能である。そのとき、歯科用メンブレン10’は、エッジコーナーに配置される多数の固定用ネジによって歯槽骨に固定される。
【0133】
また、図36の実施形態と異なり、図37に開示されているように、所定の形態にベンディングして製作されることも可能である。すなわち、水平延長部30’を下側に曲げ、全体的に曲面状に製作することも可能である。
図1
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