【実施例1】
【0021】
図1,2に示すように、本実施例のスロットマシン1の筐体2は前方に開放しており、前方から前扉3によって覆われている。前扉3の中央部には、筐体2の内部に配設された三つのリール9を視認するための視認窓4が設けられる。そして、前扉3の前面側には、視認窓4の下方に、遊技操作に用いるベットスイッチ5a,5b、スタートスイッチ6、ストップスイッチ7、精算スイッチ8、演出ボタンユニット13などの各種スイッチが配設される。また、視認窓4の上方には、演出用の画像を表示する画像表示器10が配設される。画像表示器10は、液晶表示装置からなるものであり、前扉3の上部に嵌め込まれている。また、前扉3の前面側には、演出用ランプ12が複数配設される。
【0022】
図2に示すように、前扉3の背面側には、画像表示器10の裏側に、画像表示器10を制御する画像制御基板22がケースに収納された状態で配設される。また、前扉3の背面側には、メダル投入口から投入されたメダルを投入センサ24によって検知するメダルセレクタ16や、スピーカ11などが配設される。また、
図2に示すように、筐体2には、リール9の上方に、メイン制御基板20やサブ制御基板21がケースに収納された状態で設置され、また、リール9の下方には、電源ボックス18やホッパーユニット19が配設される。
【0023】
次に、スロットマシン1の作動を制御する制御回路を、
図3を参照して説明する。
【0024】
メイン制御基板20は、CPU、RAM、ROM等を備え、遊技の進行に関する制御を行うものである。メイン制御基板20の入力ポートには、電源ボックス18の電源スイッチ28及び設定キースイッチ29、投入センサ24、ベットスイッチ5a,5b、スタートスイッチ6、ストップスイッチ7、精算スイッチ8、リール9の位置検出センサ31,ホッパーユニット19の払出センサ33、設定変更スイッチ25が接続される。また、メイン制御基板20の出力ポートには、リール9のステッピングモータ30、ホッパーユニット19のモータ32、外部端子板26、サブ制御基板21が接続される。
【0025】
電源ボックス18は、スロットマシン1の各機器に電力を供給するためのものであり、電源のON/OFFを切り替えるための電源スイッチ28と、設定キースイッチ29とを備えている。設定キースイッチ29は、各役への当選確率の変更(いわゆる設定変更)を行うためのものであり、この設定キースイッチ29に所定の設定キーを差し込んで回転させることで、設定変更可能な状態と、設定変更不能な状態とに切り替えることができる。
【0026】
投入センサ24は、スロットマシン1に投入されたメダルを検出するものである。投入センサ24は、前扉3の裏側に備えられたメダルセレクタ16内のメダル通路に配設され、メダル通路を通過するメダルを1枚ずつ検知し、メダルを検知する毎に投入信号を出力する。
【0027】
ベットスイッチ5a,5bは、クレジットされているメダルを投入するためのものである。ベットスイッチ5a,5bとしては、シングルベットスイッチ5a、とマックスベットスイッチ5bとが備えられている。シングルベットスイッチ5aは、クレジットされているメダルを1枚ずつ投入する。マックスベットスイッチ5bは、1ゲーム当たりの最大投入枚数のメダルを投入する。
【0028】
スタートスイッチ6は、リール9の回転を開始させるものである。本実施例では、レバー式スイッチが用いられており、レバーを傾動させることで、三つのリール9が回転を開始する。
【0029】
三つのストップスイッチ7は、リール9の回転を停止させるものである。各ストップスイッチ7は、個々のリール9に対応付けられており、ストップスイッチ7を押圧操作すると、対応したリール9が所定遅延時間内に停止するよう構成されている。すなわち、このストップスイッチ7の操作順序によって、回転中のリール9の停止順序を選択することができる。なお、本実施例では、ストップスイッチ7を操作する順番を選択することによって、3つのリール9を任意の順序で停止させることができるが、操作順序が報知されない限りは、左→中→右の順にストップスイッチ7を押圧操作(以下、「順押し」と言う。)するのが正規の順序とされ、順押し以外の操作が禁止される。
【0030】
精算スイッチ8は、クレジットされているメダル及び投入されたものの未だ遊技に用いられていないメダルを返却するためのものである。
【0031】
設定変更スイッチ25は、電源ボックス18の設定キースイッチ29とともに設定変更を行うためのものであり、前扉3の背面側に設けられている(
図2参照)。
【0032】
各リール9は、円筒形状をなしており、
図4に示すように、その外周面には「リプレイ図柄(RP)」・「ベル図柄(BE)」・「赤7図柄(赤7)」・「チェリー図柄A(CH1)」・「チェリー図柄B(CH2)」・「チェリー図柄C(CH3)」・「スイカ図柄A(WM1)」・「スイカ図柄B(WM2)」・「デカチリ図柄A(DCU)」・「デカチリ図柄B(DCL)」の図柄が合計21個配されている。ここで、前記デカチリ図柄は、2つの図柄ABで1つの絵柄が形成されるようデザインされた図柄である。各リール9はステッピングモータ30を備えており、各ステッピングモータ30によって三つのリール9を回転させ、任意の角度で停止させることで、視認窓4に外周面の図柄を選択的に表示させ得るよう構成されている。視認窓4には、有効ラインが予め設定されており、後述するように、リール9が停止したときに、有効ラインの上に表示された図柄の組合せによって入賞したか否かが決定される。
【0033】
ホッパーユニット19はメダルを払い出すためのものであり、メダルを貯留するタンクと、タンクのメダルを払出口に向けて送り出す送出機構とを備えている。送出機構は、駆動源となるモータ32と、送出されるメダルを検出するための払出センサ33とを備えている。
【0034】
外部端子板26は、遊技情報(投入・払出情報、遊技履歴情報、エラー情報など)を外部出力し、遊技場設備によってスロットマシン1の大当り履歴などの情報を閲覧可能とするものである。
【0035】
サブ制御基板21は、CPU、RAM、ROM、時計(リアルタイムクロック)等を備え、主に、遊技に関する演出の制御を行うものであり、サブ制御基板21のROMには、多岐に亘る演出パターンに関する固定データが記憶されている。サブ制御基板21の入力ポートには、メイン制御基板20と演出ボタンユニット13が接続される。メイン制御基板20からサブ制御基板21には、遊技の進行に関する情報が入力される。また、演出ボタンユニット13は、遊技者が演出内容を選択するためのものである。そして、サブ制御基板21は、メイン制御基板20から入力される情報や、演出ボタンユニット13からの信号に基づいて演出パターンを選択し、選択した演出パターンを実行させるために、演出用ランプ12やスピーカ11にコマンドを送信し、さらには、画像表示器10に所要の画像を表示させるために画像制御基板22にコマンドを送信する。後述するように、演出ボタンユニット13は、本発明に係る演出向上期間を設定する際にも使用される。
【0036】
画像制御基板22は、CPU、RAM、ROM等を備え、画像表示器10の表示制御を行うものである。画像制御基板22のROMには、画像表示器10に表示する演出用画像を生成するためのデータが多量に記憶される。画像制御基板22は、サブ制御基板21からコマンドを受信すると、CPUにおいて演算処理し、演出用画像のデータをRAMに書きこんで画像表示器10に出力し、サブ制御基板21が選択した演出パターン通りの演出用画像を画像表示器10の表示画面に表示させる。
【0037】
本実施例のスロットマシン1では、リール9を回転させて図柄を変動表示させた後に、リール9を停止させて図柄を有効ライン上に停止表示させるゲームが繰り返し実行される。具体的には、1ゲームは、(1)ゲーム開始に必要な枚数のメダル投入、(2)スタートスイッチ操作、(3)リールの回転、(4)ストップスイッチ操作、(5)リールの停止、(6)有効ライン上に停止した図柄組合せに基づく入賞処理、の順序で行われる。
【0038】
図5は、メイン制御基板20のCPUの制御内容にあって、メインルーチンを構成するメイン制御処理の制御内容を示したものである。メイン制御処理において実行される各ステップS1〜S9の詳細は下記の通りである。
S1:電源投入時の設定値変更に係る電源投入時処理を実行する。電源投入時処理の詳細は後述する。
S2:賭数設定処理では、メダル投入操作を有効として、一遊技に必要なメダル数が投入若しくはクレジットからのベット操作が行われたか否かを検知し、いずれかが操作されるまで待機する。
S3:スタートスイッチ6が操作されるまで待機する。
S4:役抽選処理では、乱数値が抽出され、乱数値と内部当選役とを対応付けした役抽選テーブルに基づいて内部当選役を決定する。そして、役抽選の結果をRAMに記憶するとともに、サブ制御基板21に送信する。役抽選処理の詳細については後述する。
S5:リール制御処理では、全てのリール9を回転させ、ストップスイッチ7が操作されると、その操作タイミングや役抽選の結果等に基づいてリール9の停止角度を決定し、当該角度でリール9を停止させる。
S6:入賞判定処理では、有効ラインの上に停止した図柄の組合せが、所定の役に対応する図柄の組合せと一致しているか否かを判定し、一致している場合には当該役に入賞したと判定する。
S7:払出処理では、入賞判定処理の判定結果に応じた処理を行う。役に入賞した場合は、当該役に対応する処理を行う。具体的には、当該役に応じた払出枚数をクレジットに加算し、クレジットが所定数(50枚)を超えた場合には、超過分のメダルを払い出す。また、入賞した役によっては遊技状態の移行が行われる。
【0039】
図6は、メイン制御基板20の機能ブロック図である。
【0040】
メイン制御基板20は、
図6に示すように、遊技制御手段40と、投入枚数判定手段41と、役抽選手段42と、リール制御手段43と、入賞判定手段44と、払出制御手段45と、設定値設定手段46と、サブコマンド送信手段47と、遊技状態制御手段48と、RT状態制御手段49と、モード制御手段50とを備えている。
【0041】
遊技制御手段40は、投入枚数判定手段41や、役抽選手段42、リール制御手段43、入賞判定手段44、払出制御手段45などを制御することにより、遊技の統括的な制御を行うものである。
【0042】
投入枚数判定手段41は、投入センサ24が出力する投入信号に基づいて、投入されたメダル数を計数するものである。
【0043】
役抽選手段42は、複数用意された役について当選か否かを決定する役抽選を行うものである。役抽選手段42は、0〜65535の範囲の乱数を発生させる乱数発生手段と、スタートスイッチ6の操作を契機に乱数発生手段から乱数値を抽出する乱数抽出手段と、抽出した乱数値と内部当選役とを対応付けした役抽選テーブルと、役抽選テーブルを参照して、当該抽選で当選した役(内部当選役)を判定する役抽選判定手段と、役抽選の結果をRAMに記憶する役抽選結果記憶手段とを備えている。役抽選テーブルは、複数用意されており、役抽選では遊技状態に応じた役抽選テーブルが用いられる。具体的には、役抽選手段は、後述する非RT状態で用いられる通常役抽選テーブルと、後述するRT状態で用いられるRT用役抽選テーブルと、特別遊技状態で用いられる特別役抽選テーブルの三種類が設けられている。また、各役抽選テーブルは、後述する設定値ごとに設けられており、役抽選では、設定値に応じた役抽選テーブルが用いられる。
【0044】
リール制御手段43は、三つのリール9の回転を制御するものである。リール制御手段43は、スタートスイッチ6の操作を契機として、ステッピングモータ30に信号を送り、全リール9を所定速度で回転させ、ストップスイッチ7の操作を契機としてリール9を停止させる。具体的には、リール制御手段43はストップスイッチ7が操作されると、停止テーブルの内容を参照して、190msの遅延期間内に、該ストップスイッチ7に対応するリール9を停止させる。 停止テーブルは、ストップスイッチ7が操作されたときの条件に応じて、当該リール9を図柄何コマ分滑らせてから停止させるかを記憶したものである。この停止テーブルは、役抽選の結果やストップスイッチ7の操作順序等に応じて複数種類が用意されており、かかる停止テーブルによって、当選していない役に係る図柄組合せが有効ライン上に揃わないように制御され、当選している役に係る図柄組合せができる限り有効ライン上に揃うように制御される。ここで、複数の役に同時当選している場合には、停止テーブルによって、ストップスイッチ7の操作順序に応じた役に係る図柄組合せが有効ライン上に揃うよう制御される場合がある。
【0045】
入賞判定手段44は、三つのリール9が停止したときに、有効ライン上の図柄組合せを判定し、当該図柄組合せにより各種の役に入賞したか否かを判定するものである。
【0046】
払出制御手段45は、各種の役に入賞したときに、入賞役に応じたメダルの払出しを実行するものである。具体的には、入賞に係る払出枚数を、メダルのクレジット枚数に加算する。このとき、クレジット枚数が上限枚数(50枚)に達した場合には、ホッパーユニット19を作動させて、上限枚数を超えた分のメダルを払い出す。
【0047】
設定値設定手段46は、各役への当選確率に影響を与える設定値を設定するためのものである。具体的には、設定値は1〜6の6段階が用意される。前記役抽選テーブルは設定値ごとに用意されており、設定値の数値が大きいほど、全体的に役の当選確率が高い役抽選テーブルが役抽選に用いられるよう構成されている。なお、設定値を設定する場合は、設定キースイッチ29に鍵を差し込んで回転させて当該スイッチ29をONにした状態で、電源スイッチ28をONにして主電源を投入する。かかる操作により、設定値設定手段46は、スロットマシン1を設定変更許可状態とする。この設定変更許可状態では、設定変更スイッチ25の押圧操作によって所望の設定値を選択し、スタートスイッチ6の操作によって当該設定値を確定することができる。また、設定変更許可状態を終了させる場合は、設定キースイッチ29に差し込んだ鍵を回転させて当該スイッチ29をOFFにする。かかる操作により、設定値設定手段46は、スロットマシン1を設定変更不能な通常の遊技状態に復帰させる。
【0048】
サブコマンド送信手段47は、メイン制御基板20からサブ制御基板21へ各種の遊技情報を送信するものである。サブコマンド送信手段47が送信する遊技情報としては、役抽選の結果や、ストップスイッチ7の操作情報、リール停止時の入賞判定の結果などが挙げられる。
【0049】
遊技状態制御手段48は、スロットマシン1の各種状態の制御を行うものである。後述するように、本実施例のスロットマシン1には、設定変更状態と、一般遊技状態と、特別遊技状態の三状態があり、遊技状態制御手段48は、これらの遊技状態の切替えを行うものである。
【0050】
RT状態制御手段49は、一般遊技状態にあって、非RT状態(通常遊技状態)と、該非RT状態に比べてリプレイ役(再遊技役)の当選確率の高い役抽選テーブルを使用するRT状態(内部当選状態)の切替えを行うものである。
【0051】
モード制御手段50は、RT状態中の各種モードの切替えを行うものである。後述するように、RT状態中のモードは、通常モード、第1準備モード、第2準備モード、および第3準備モードの4種類がある。
【0052】
図7は、サブ制御基板21の機能ブロック図である。
【0053】
サブ制御基板21は、
図7に示すように、メイン制御基板20から送信される各種情報を受信するサブコマンド受信手段60と、サブ遊技状態制御手段61と、演出内容決定手段62と、演出制御手段63と、ホールメニュー設定手段64とを備えている。
【0054】
サブ遊技状態制御手段61は、AT状態と非AT状態の切替えなど、サブ制御基板21で遊技状態の制御を実行するものである。具体的には、サブ遊技状態制御手段61は、後述するART移行抽選を実行し、また、状態に応じて、ストップスイッチ7の操作順序の報知等を行う。
【0055】
演出内容決定手段62は、状況に応じて抽選を行い、抽選結果に基づいて実行する演出内容を決定するものであり、乱数を発生させる乱数発生手段、該乱数発生手段から乱数値を抽出する乱数抽出手段、該乱数抽出手段が抽出する乱数値と演出内容とを対応付けしたテーブルなどを備えている。演出内容決定手段62は、演出画像決定手段62aとART終了画面決定手段62bとを備えている。演出画像決定手段62aは、1ゲームごとに画像表示器10に表示する演出画像を抽選によって決定するものである。また、ART終了画面決定手段62bは、後述するART遊技の1セット終了時に表示するART終了画面を抽選によって決定するものである。
【0056】
演出制御手段63は、演出内容決定手段62が決定した演出内容の実行制御を行うものである。具体的には、演出制御手段63は、スロットマシン1で実行される全ての演出パターンを記憶した演出パターン記憶手段63aと、スピーカ11の制御を行う音声制御手段63bと、演出用ランプ12の点灯制御を行うランプ制御手段63cと、画像表示器10の所要画像を表示させる画像制御手段63dとを備えており、演出パターン記憶手段63aを参照して、スピーカ11、演出用ランプ12、画像表示器10を制御することで、演出内容決定手段62が決定した演出内容を実行する。
【0057】
ホールメニュー設定手段64は、サブ制御基板21の各種設定を外部設定可能とするものである。具体的には、ホールメニュー設定手段64は、後述する設定変更状態で、画像表示器10に、設定変更用のホールメニューを表示するとともに、演出ボタンユニット13の操作によって各種設定を変更可能とする。また、ホールメニュー設定手段64は、設定変更状態で変更可能な各種設定を記憶する設定情報記憶手段64aを備えており、設定変更状態で変更された設定内容は、設定変更状態で更新されるまで設定情報記憶手段64aに記憶保持される。ここで、ホールメニュー設定手段64によって外部設定可能な設定内容には、本発明に係る高頻度期間(演出向上期間)に関する情報(開始時刻・継続期間)が含まれる。すなわち、かかるホールメニュー設定手段64は、本発明に係る演出向上期間設定手段を構成するものである。
【0058】
本実施例では、
図8に示すように、有効ライン上の図柄組合せによって規定される複数種類の役が設けられている。役は、1種類の特別役(いわゆるボーナス役・BB役)と、2種類のリプレイ役(いわゆる再遊技役)、9種類の入賞役とに大別される。特別役は、「29枚」を超える払出しで終了する特別遊技状態(CTBB)を開始するための役である。リプレイ役は、入賞時にメダルを投入することなく次ゲームを実行可能となる役である。入賞役は、2種類のチェリー役と、2種類のスイカ役と、2種のベル役と、3種類の特定小役(いわゆる1枚役)とからなり、入賞時に所定枚数のメダルが払い出される役である。
【0059】
役抽選で抽選される内部当選役は1つ又は複数の役に対応したものである。すなわち、役抽選でいずれかの内部当選役に当選すると、当該内部当選役に対応する1つ又は複数の役に当選した状態となり、当選した役を有効ライン上に揃えることが可能となる。具体的には、内部当選役には、「第1・第2チェリー役」「第1・第2スイカ役」、「第1特殊AT役(1〜3)」、「第2特殊AT役(1〜4)」、「第1リプレイ役」、「第2リプレイ役」、「ハズレ+特別役」がある。「第1・第2チェリー役」に当選した場合は、第1チェリー役と第2チェリー役に同時当選(重複)し、「第1・第2スイカ役」に当選した場合は、第1スイカ役と第2スイカ役に同時当選することとなる。
【0060】
また、
図9に示すように、「第1特殊AT」に当選した場合は、3種類の役(第1ベル役・第1特定小役・第2チェリー役)に同時当選する。この場合は、
図10(a)に示すように、ストップスイッチ7の停止操作順序に応じて、3種の役のいずれかに入賞するよう構成される。また、「第1特殊AT」は、停止操作順序と入賞する役との対応関係が相違する三種類(第1特殊AT1〜3)が設けられる。同様に、「第2特殊AT」に当選した場合は、4種の役(第2ベル役・第1〜3特定小役)に同時当選し、
図10(b)に示すように、ストップスイッチ7の停止操作順序に応じていずれかの役に入賞するよう構成される。そして、「第2特殊AT」は、停止操作順序と入賞する役との対応関係が相違する4種類(第2特殊AT1〜4)が設けられる。
【0061】
本実施例のスロットマシン1には、
図11に示すように、設定変更状態と、一般遊技状態と、特別遊技状態の三状態が用意される。
【0062】
設定変更状態は、遊技場がスロットマシン1の各種設定を行うための状態である。設定変更状態では、ホールメニューが画像表示器10に表示され、遊技場の係員は演出ボタンユニット13を操作することで各種設定を行うことが可能となる。本発明に係る高頻度期間も、この設定変更状態でのみ設定可能となる。なお、設定変更状態では遊技を実行不能となる。スロットマシン1は、電源投入直後に設定変更状態となり、設定変更状態が終了すると一般遊技状態に移行して遊技可能となる。
【0063】
一般遊技状態は、工場出荷時の時点で設定される非RT状態(通常遊技状態)と、非RT状態で特別役に当選すると移行するRT状態(内部当選状態)との2つの状態がある。RT状態は、非RT状態に比べてリプレイ役の当選確率の高い状態である。
図12は、非RT状態とRT状態で使用される役抽選テーブルの概要を示したものである。役抽選テーブルは、役抽選で抽出される0〜65535の乱数値に、各内部当選役を対応付けたものであり、
図12では、各内部当選役の縦幅が、乱数値に対応付けられた割合、すなわち、各内部当選役の当選確率を示している。
図12に示されるように、本実施例では、非RT状態からRT状態へ移行する場合、リプレイ役(第1リプレイ役)に当選する確率が上昇するものの、他の役に当選する確率は変化させずに一定に設定している。
【0064】
特別遊技状態(CTBB)では、1ゲームに必要なメダル枚数が2枚(一般遊技状態では3枚)となり、また、各小役の配当が2枚に統一される。特別遊技状態は、一般遊技状態のRT状態で、特別役に入賞することを契機に開始され、メダルの払出しが「29枚」を超えると終了するよう構成される。しかしながら、本実施例では、RT状態でリプレイ役又は入賞役のいずれかの役が当選するよう構成されており、これらの役の図柄組合せが、当選している特別役よりも優先(リプレイ役>入賞役>特別役)して有効ラインに揃うよう構成されているため、RT状態中に特別役に入賞することはない。すなわち、本実施例のスロットマシン1は、特別遊技状態の開始条件が充足されることはなく、実質的には、一般遊技状態のRT状態のままで遊技が進行する。
【0065】
RT状態は、メイン制御基板20において、
図13に示すように、さらに4種(通常モード・第1〜第3準備モード)のモードに分類して管理される。このうち、「第3準備モード」が、いわゆるART状態に対応するモードであり、「通常モード」が、ART状態でない通常の遊技に対応する状態(非ART状態)である。また、「第1準備モード」と「第2準備モード」は、通常モードから第3準備モードに移行するまでの中間状態に対応するモードである。
【0066】
本実施例のスロットマシン1の遊技は、実質的に、ART状態と、非ART状態の二つに分けられる。ART状態は、メイン制御基板20がリプレイ役に高確率で当選するRT状態となり、サブ制御基板21が、遊技者に有利な役に入賞させるためのストップスイッチ7の停止操作順序(以下、押し順ともいう。)を報知するAT状態(いわゆるアシストタイム)となった状態である。一方、非ART状態は、ART状態ではない状態である。ART状態は、非ART状態に比べて、ゲームでメダルを獲得できる見込みが高い、遊技者に有利な遊技状態である。具体的には、ART遊技中は、ストップスイッチ7の停止操作順序を報知する操作順序報知画像が画像表示器10に表示される。そして、遊技者は、操作順序報知画像の報知通りの順序でストップスイッチ7を操作して、リール9を停止させることで、高配当の小役に入賞可能となる。
【0067】
ART状態は、非ART状態中に、サブ制御基板21で実行されるART移行抽選の当選を契機に開始される。具体的には、ART移行抽選の当選後に、メイン制御基板20において第3準備モードに移行すると、サブ制御基板21がAT状態となって、非ART状態からART状態に移行する。
【0068】
ART移行抽選は、役抽選で所定の内部当選役(移行役)に当選した時に、サブ制御基板21で実行される。具体的には、サブ制御基板21は、当選した移行役と抽選確率とを対応付けたART移行抽選テーブルを備えており、メイン制御基板20から、移行役の当選を示す情報を受信すると、乱数値を抽出して、当選した移行役に応じた抽選確率で、ART移行抽選に当選したか否かを判定する。
【0069】
本実施例では、サブ制御基板21でART移行抽選に当選した場合、ストップスイッチ7の操作順序に基づいて、通常モードから第3準備モードへ移行して、ART状態に移行するよう構成される。詳述すると、メイン制御基板20は、通常モードであるときに第1リプレイ役に当選すると、所定の抽選により特定の停止操作順序(判定用停止操作順序:例.通常の順押しとは異なる押し順)を決定し、この順序をサブ制御基板21へ送信する。サブ制御基板21は、ART移行抽選に当選していない状態では、送信された判定用停止操作順序は無視するが、ART移行抽選に当選している(ART移行フラグ=ON)と、送信された判定用停止操作順序に対応する押し順を画像表示器10で報知する。これを受けて、遊技者は報知された順序でストップスイッチ7を操作すると、メイン制御基板20が、判定用停止操作順序どおりにストップスイッチ7が操作されたと判定し、通常モードから第1準備モードへ移行する。同様に、これらの動作を2回繰り返して、第3準備モード(ART遊技状態)へ移行すると、サブ制御基板21がAT状態に切り替わり、ART状態が開始される。なお、判定用停止操作順序どおりにストップスイッチ7を3回連続で操作するのは、画像表示器10での報知なしでは不可能であるため、ART移行抽選に当選することなくART状態に移行することはない。
【0070】
非ART状態からART状態に移行すると、少なくとも30ゲーム(以下、「ゲーム」を「G」と略す)を1セットとするART遊技を1セット実行可能となる。ART遊技1セットのゲーム数は、当該セットの開始時に30Gに設定されるが、ART遊技中に、所定の上乗せ条件をクリアすることで、当該セットのゲーム数を加算することができる。また、ART状態では、ART遊技のセットが終了する前に所定の継続条件をクリアすると、当該セット終了後に、次のセットのART遊技が開始される。一方、当該セット終了までに継続条件をクリアできなかった場合は当該セットの終了とともに、非ART状態に移行する。具体的には、メイン制御基板20は通常モードに移行し、サブ制御基板21ではAT状態が終了する。すなわち、ART状態では、
図14に示すように、30G+αを1セットとするART遊技が、継続条件のクリアに失敗するまで繰り返される。
【0071】
メイン制御基板20には、ART状態の制御に関する情報であるART遊技情報が記憶される。具体的には、ART遊技情報としては、ARTフラグ、ART回数、ART上乗せ回数、ARTセット回数、ART継続情報が記憶される。ARTフラグは、ART状態と非ART状態を判別するためのフラグであり、ART状態の時に「ON」になり、非ART状態の時に「OFF」になる。ART回数は、当該セットのART遊技における残りゲーム数の情報である。ART上乗せ回数は、上乗せ条件クリアによって上乗せするゲーム数の情報である。ARTセット回数は、当該ART状態で実行された、ART遊技のセット数の情報である。ART継続情報は、次セットに継続するための継続条件をクリアしたか否かの情報である。ART遊技情報は、メイン制御基板20からサブ制御基板21に1ゲーム毎に送信される。ART遊技情報は、電源投入時に初期化され、また、ART状態から非ART状態に移行する時にも初期化される。
【0072】
前記上乗せ条件は、メイン制御基板20において、役抽選で特定の内部当選役(上乗せ役)に当選することでクリアされる。具体的には、本実施例では、チェリー役とスイカ役が上乗せ役として設定されている。上乗せ条件がクリアされると、メイン制御基板20において、ART上乗せ抽選を実行してART上乗せ回数を決定する。そして、決定したART上乗せ回数は、メイン制御基板20で管理しているART回数(その時点で実行可能なART回数)を示す情報(カウンタ)に加算されると共に、サブ制御基板21へ送信される。
【0073】
メイン制御基板20は、ART上乗せ抽選を行う際に参照するための「上乗せ抽選テーブル」を備えている。この上乗せ抽選テーブルは、抽出され得る乱数値と、所定個数の数値データ(0・30・50…)と、を対応付けたデータであって、抽出した乱数値に対応する数値データを選択し、この選択した数値を加算するART上乗せ回数として決定する。なお、「0」が選択された場合はハズレとなる。この上乗せ抽選テーブルは、設定値に応じて複数設けられており、設定値が高いほどART上乗せ回数が多くなるよう構成される。
【0074】
ART状態では、メイン制御基板20において、役抽選で特定の内部当選役(継続役)の当選を契機にART継続抽選が実行される。具体的には、本実施例では、ベル役、特定小役、及びチェリー役が上乗せ役として設定されている。そして、前記継続条件は、ART継続抽選に当選することでクリアされる。ART継続抽選に当選した場合は、メイン制御基板20で管理しているART継続情報に、ART継続抽選の当選を記憶する。そして、メイン制御基板20は、当該セットのART遊技が終了した時点で、ART遊技情報を再設定(例.ART回数←30G・セット回数←+1)し、次セットのART遊技を開始する。一方、ART継続抽選に当選しなかった場合は、当該セットのART遊技状態が終了すると、ART遊技情報をリセットし、メイン制御基板20は通常モードへ移行し、サブ制御基板21はAT状態を終了する。なお、メイン制御基板20は、ART継続抽選の結果(ART継続情報)を、サブ制御基板21へ逐次送信する。
【0075】
ART継続抽選では、継続役と当選確率(当選となる抽出乱数値の範囲)とを対応付けたART継続抽選テーブルを用いることで、当選した継続役の種類に応じて当選確率を異ならせている。また、ART継続抽選では、当選確率が4段階(低・中・高・超)に設定されており、ART継続抽選テーブルは、各段階での抽選に対応した4種類が設けられている。よって、本実施例では、ART継続抽選を実行する場合、まず4種類のART継続抽選テーブルの中から、現時点での継続率の段階に応じたART継続抽選テーブルを選択し、この抽選テーブルを参照して、当選した継続役に対応する当選確率を決定して、継続するか否かを決定する。ここで、本実施例のART継続抽選では、「通常継続」と「復活継続」の2種類の当選が設けられており、ART継続抽選では、単に当選(継続させる)かハズレ(継続させない)かを決定するだけでなく、当選の場合は「通常継続」と「復活継続」のいずれであるかが決定される。そして、当選種別の情報はART継続情報に記憶され、また、サブ制御基板21に送信される。当選の種類の情報は、後述するように、当該セット終了間際の演出に反映される。
【0076】
1セットのART遊技中の演出は、残り3Gになるまで実行されるART通常演出と、残り3Gで実行されるART継続演出と、当該セットの終了時に実行されるART終了演出との3つからなる。ART通常演出では、押し順の報知などのART遊技での一般的な演出が実行される。一方、ART継続演出では、複数のキャラクタが戦闘していずれかのキャラクタが勝利するバトル演出を中心とした演出が実行される。また、ART終了演出では、当該ART状態における各種情報を示すART終了画面が表示される。
【0077】
ART継続演出におけるバトル演出の勝敗は、その時点までに実行されたART継続抽選の抽選結果状況に応じた結果となるよう構成されている。すなわち、当該時点までに、ART継続抽選で「通常継続」に当選している場合は主人公キャラクタが勝利し、ART継続抽選に当選していない場合、または、「復活継続」に当選している場合は敵キャラクタが勝利する。このため、ART遊技で「通常継続」に当選した場合は、当該セットの残り3Gで実行されるART継続演出において、遊技者は、ART状態が次セットまで継続されるとわかる。ART遊技で「復活継続」に当選した場合は、遊技者は、ART継続演出の段階では「継続しなかった」という印象を受け、ART終了画面の表示とは別に、ART状態のセット終了後の最初のゲームにおいて、スタートスイッチ6の操作を契機に遊技者にART状態の継続が報知される。
【0078】
ART終了演出で表示されるART終了画面には、当該ART状態で、それまでに実行されたトータル(第1セットから当該セットまで)の累積情報を表示する。具体的には、ART終了画面には、
図15に示すように、トータルのART遊技のセット数(総RUSH回数)を示す情報と、当該ART状態におけるトータル(第1セット〜当該セット)のゲーム数(総ゲーム数)を示す情報と、当該ART状態において獲得したメダル枚数(総獲得枚数)を示す情報とが表示される。
【0079】
ART終了画面には、以下のように、1種類の非継続用ART終了画面と、2種類の通常継続用ART終了画面と、4種類の復活継続用ART終了画面とがあり、ART終了演出時にいずれかのART終了画面が画像表示器10に表示される。これらのART終了画面は、当該セットでのART継続抽選の結果を反映したものであり、また、幾つかのART終了画面は、遊技者に設定値を示唆・報知するよう構成されている。
≪非継続用ART終了画面≫
・終了画面1…黒色背景に「終了」の文字を表示。
≪通常継続用ART終了画面≫
・終了画面2…青色背景に扇子を表示(「奇数設定」を示唆)。
・終了画面3…橙色背景に扇子を表示(「偶数設定」を示唆)。
≪復活継続用ART終了画面≫
・終了画面4…複数の人物ABCを表示(設定値の示唆なし)。
・終了画面5…人物Dを表示(「設定2以上」を報知)。
・終了画面6…人物Eを表示(「設定4以上」を報知)。
・終了画面7…人物Fを表示(「設定6」を報知)。
【0080】
ART終了演出について詳述すると、ART終了演出を実行する段階で、ART継続抽選に当選していない場合は、非継続用ART終了画面(終了画面1)を表示画像として決定する。また、ART継続抽選で「通常継続」に当選している場合は、
図16に示す通常終了画面抽選テーブルを用いて、抽選により、通常継続用ART終了画面(終了画面2,3)のいずれかを表示画像として決定する。ここで、通常終了画面抽選テーブルでは、設定値が奇数の場合は終了画面2が選択されやすく、設定値が偶数の場合は終了画面3が選択されやすくなるように終了画面2,3の選択確率が規定されており、これにより、設定値が奇数と偶数のいずれであるかの示唆を行い得るよう構成されている。なお、
図16中、「77」は選択確率77/132を、「55」は選択確率55/132を示している。また、ART継続抽選で「復活継続」に当選している場合は、まず、抽選(復活画面抽選)によって、通常終了画面抽選テーブルと確定終了画面抽選テーブルのいずれかを選択し、選択した抽選テーブルを用いてART終了画面のいずれかを表示画像として決定する。通常終了画面抽選テーブルが選択された場合(選択確率50%)は、上述のように終了画面2,3のいずれかが選択される。一方、確定終了画面抽選テーブルが選択された場合(選択確率50%)は、通常継続用ART終了画面(終了画面2,3)と復活継続用ART終了画面(終了画面4〜7)のいずれかが表示画像として決定される。ここで、確定終了画面抽選テーブルでは、設定値ごとに終了画面2〜7の選択確率が規定されており、これにより、設定値の示唆・報知を行い得るよう構成されている。
【0081】
以下に、本発明の要部を説明する。
本実施例では、遊技中に画像表示器10において、様々な演出が実行される。演出内容は、背景画像(街背景・戦場背景・陣形背景)によって特徴付けられる3種類の演出ステージに分けられる。そして、各演出ステージでは、1ゲームごとに、演出ステージに応じた各種の演出画像(キャラクタ画像・小道具画像)が静止画又は動画として表示され、スロット遊技を視覚的に盛り上げる。なお、演出ステージは、所定の抽選又は所定ゲーム数消化で適宜切り替わる。
【0082】
本実施例では、各演出ステージで出現可能な演出画像が10種類ずつ設けられており、1ゲームごとに抽選によっていずれかの演出画像が選択されて、画像表示器10に表示される。そして、これら演出画像のうち、抽選での選択確率が比較的高い6種の演出画像(例えば、キャラクタ画像A・B・Cと小道具画像A・B・C)を通常演出画像とし、通常演出画像に比べて抽選での選択確率が極めて低い4種類の演出画像(例えば、キャラクタ画像X・Yと小道具画像X・Y)をプレミア演出画像としている。すなわち、本実施例では、通常演出画像を表示する演出が本発明に係る通常演出に相当し、プレミア演出画像を表示する演出が本発明に係るプレミア演出に相当する。
【0083】
本実施例では、演出画像選択時にプレミア演出画像が表示される頻度は、通常期間は、1000Gに1回以下と極めて小さく設定される。また、所定の高頻度期間中は、プレミア演出画像の出現率が、高頻度期間以外の通常期間よりも高くなるよう構成されている。高頻度期間は、予め設定された時刻になると開始されるものであり、500G(約1時間)継続する第1高頻度期間、1000G(約2時間)継続する第2高頻度期間、1500G(約3時間)継続する第3高頻度期間の三種類がある。そして、本実施例では、高頻度期間は継続期間が短いものほど、1ゲーム当たりのプレミア演出画像の表示頻度が高くなるよう設定される。
【0084】
通常演出画像とプレミア演出画像の選択方法について詳述すると、本実施例では、メイン制御基板20で役抽選が実行されると、サブ制御基板21は、その時点で滞在している演出ステージに応じて、演出ステージに対応して設けられた複数(10種類)の演出画像の中から特定の演出画像(通常演出画像又はプレミア演出画像)を選択する抽選(演出画像抽選)を実行する。すなわち、本実施例では、この演出画像抽選が本発明に係る演出抽選に相当し、役抽選の実行が本発明に係る所定の遊技条件に相当する。
【0085】
サブ制御基板21は、各演出画像の抽選確率を規定した演出抽選用テーブルを備えている。演出抽選用テーブルは、3種類の演出ステージごとに設けられる。演出ステージごとに設けられた演出抽選用テーブルは、さらに、通常期間用のテーブルと、第1高頻度期間用のテーブルと、第2高頻度期間用のテーブルと、第3高頻度期間用のテーブルとからなる。
図17,18は、第1演出ステージに対応する演出抽選用テーブルであり、
図17(a)は通常期間用、
図17(b)は第1高頻度期間用、
図18(a)は第2高頻度期間用、
図18(b)は第3高頻度期間用のテーブルである。かかる演出抽選用テーブルには、選択され得る10種類の演出画像の抽選確率が規定されている。演出画像の抽選確率は、抽選時に抽出される乱数値の全範囲(0〜16383)に対して、当該演出画像が選択されることとなる乱数値の範囲を規定したものである。例えば、
図17(a)の通常期間用テーブルでは、キャラクタAに対して「3276」が規定されているが、かかるテーブルによれば、キャラクタAは20%(3276/16384)の抽選確率で選択される。
【0086】
図17(a)に示すように、通常期間用の演出抽選用テーブルでは、通常演出画像の抽選確率が約99.95%であり、プレミア演出画像の抽選確率は約0.05%と極めて低いものとなっている。これに対して、高頻度期間では、プレミア演出画像の抽選確率は、第1高頻度期間用の演出抽選用テーブル(
図17(b))では約0.30%、第2高頻度期間用の演出抽選用テーブル(
図18(a))では約0.15%、第3高頻度期間用の演出抽選用テーブル(
図18(b))では約0.10%に設定される。このように、高頻度期間では、プレミア演出画像の抽選確率は低いものの、通常期間に比べて高くなるよう設定されている。また、3種類の高頻度期間の中では、プレミア演出画像の抽選確率は、期間の短い第1高頻度期間が最も高く、期間の長い第3高頻度期間が最も低く設定され、期間が短いものほどプレミア演出画像の抽選確率が高くなるよう設定されている。なお、
図17,18は、第1演出ステージ用の演出抽選用テーブルを示しているが、その他の演出ステージ用の演出抽選用テーブルでも同様に、プレミア演出画像の抽選確率が、通常期間よりも高頻度期間の方が高くなるよう設定され、また、高頻度期間の期間が短いものほどプレミア演出画像の抽選確率が高くなるよう設定されている。
【0087】
本実施例のスロットマシン1は、電源投入後に高頻度期間を設定可能な設定変更状態となる。そして、かかる設定変更状態で、演出ボタンユニット13を操作することによって高頻度期間の各種設定を行うことができる。設定変更状態で設定した内容は、以降の設定変更状態で再設定されるまで記憶保持される。すなわち、高頻度期間の設定は、遊技場の開店作業時などにスロットマシン1の電源を投入したときのみ設定でき、一度設定されると、電源切断中も設定内容は保持される。
【0088】
図19は、高頻度期間の設定時に、画像表示器10に表示される高頻度期間設定画面70である。サブ制御基板21は、設定変更状態で、演出ボタンユニット13の操作によって、高頻度期間の設定が要求されると、かかる高頻度期間設定画面70を画像表示器10に表示させる。そして、高頻度期間設定画面70の表示中は、演出ボタンユニット13の操作によって、高頻度期間を設定するか否か、また、設定する高頻度期間の継続期間(ゲーム数)、高頻度期間の開始時刻などを設定可能とする。設定可能な高頻度期間は1日1回である。また、高頻度期間の継続期間は、500G(第1高頻度期間)、1000G(第2高頻度期間)、1500G(第3高頻度期間)の中から選択できる。そして、高頻度期間の開始時刻は、AM10:00、PM00:00、PM05:00の三種類から選択可能となっている。そして、設定が完了すると、サブ制御基板21は、設定変更状態で高頻度期間の設定が再要求されるまで、設定内容を記憶保持する。
【0089】
そして、サブ制御基板21は、遊技中に、演出画像抽選を実行するたびに、遊技機内蔵のリアルタイムクロックの値(日時分秒)を参照し、設定された高頻度期間の開始時刻に達しているか否かを判定する。このとき、「高頻度期間の開始時刻が経過した」と判断されたならば、設定された高頻度期間の種類と、現時点で滞在している演出ステージ(第1・第2・第3)とに対応する「高頻度期間用の演出抽選テーブル」を選択し、この演出抽選テーブルを参照して抽選を行い、特定の演出用画像を決定する。一方、「開始時刻が経過していない」と判断されたならば、電源投入時に設定した「通常期間用の演出抽選テーブル」をそのまま採用して抽選を行い、特定の演出用画像を決定する。
【0090】
本実施例では、高頻度期間の継続期間をゲーム数基準で計測するためのカウンタを設け、高頻度期間の開始時に、設定された継続期間に対応するゲーム数を当該カウンタに設定する。そして、設定されたゲーム数をカウンタが計測終了すると、高頻度期間の継続期間が経過したと判断し、高頻度期間を終了させる。具体的には、前記カウンタが計測満了した段階で、高頻度期間が発生済みであることを示す「期間設定フラグ」をOFFからONに切り替える。この期間設定フラグがONである場合は、リアルタイムクロックの値に関わらず、「通常期間用の演出抽選テーブル」を抽選で必ず採用するよう構成されており、これにより、高頻度期間の継続期間終了後は通常期間に制御される。
【0091】
このように、本実施例のスロットマシン1によれば、遊技場の開店作業で電源を投入する際に、遊技場の係員が高頻度期間を設定できる。このため、かかる高頻度期間を、遊技場における一種のイベントとして開催することが可能となり、遊技機の稼働率向上に役立てることが可能となる。
【0092】
本実施例にあって、第1高頻度期間が開始された場合、プレミア演出画像の抽選確率が約0.03%の抽選が、500G繰り返されることとなるから、第1高頻度期間中に、プレミア演出が出現する頻度は、約1.5回(500G×0.03%)となる。同様の計算によると、第2高頻度期間中にプレミア演出が出現する頻度も、約1.5回(1000G×0.15%)であり、第3高頻度期間中にプレミア演出が出現する頻度も、約1.5回(1500G×0.10%)となる。このように、本実施例では、複数種類の高頻度期間は継続期間が相違しているものの、継続期間が短いものほど、プレミア演出画像の抽選確率を高くすることで、いずれの高頻度期間においても、プレミア演出画像の出現頻度が同程度(1.5回程度)となるよう構成される。
【0093】
以上のように、本実施例にあっては、高頻度期間(演出向上期間)の継続期間(実行期間)を複数設定可能となっているため、高頻度期間の継続期間の長短によって、一日の遊技演出を起伏に富んだものとすることができる。また、本構成では、高頻度期間におけるプレミア演出の出現率は、高頻度期間の継続期間が長いほど低くなるため、長期間(約3時間)の高頻度期間が設定された場合でも、プレミア演出の実行回数が大幅には増加せず、プレミア演出の希少価値が損なわれるのを防ぐことができる。一方で、短期間(約1時間)の高頻度期間が設定された場合には、当該高頻度期間中に、プレミア演出の出現率を大幅に増加させて、遊技演出の起伏を大きくできる。
【0094】
また、本実施例のスロットマシン1では、高頻度期間の開始時刻と継続期間とを外部設定可能となっている。このため、遊技場が、高頻度期間の開始時刻及び継続期間を複数のスロットマシンで統一して、所定の時間帯になると複数のスロットマシンが同時に演出向上期間となるようにすれば、プレミア演出が出現し易くなるイベント期間を、遊技場が所望の時間帯に開催できるという利点がある。
【0095】
また、本実施例にあっては、電源投入直後の設定変更状態でのみ高頻度期間の設定を変更可能であるため、遊技者に高頻度期間の設定を変更されるおそれがない。また、サブ制御基板21に記憶される高頻度期間の設定情報は、設定変更状態で更新されるまで保持され続けるため、遊技場は、電源を投入するたびに高頻度期間の設定を行わなくても、同一条件のイベントを毎日開催できるという利点がある。
【0096】
図20は、メイン制御基板20のCPUで実行される、上記電源投入時処理(
図5:S1)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S101:電源投入時であるか否かを判定する。電源投入時と判定した場合はステップS102に移行し、電源投入時でないと判定した場合は電源投入時処理を終了する。
S102:前扉3が開放中であるか否かを判定する。開放中と判定した場合はステップS103に移行し、開放中でないと判定した場合は電源投入時処理を終了する。
S103:設定キースイッチ29がONであるか否かを判定する。ONであると判定した場合はステップS104に移行し、ONでないと判定した場合は電源投入時処理を終了する。
S104:設定値の変更に係る設定変更処理を実行し、ステップS105に移行する。設定変更処理の詳細は後述する。
S105:設定キースイッチ29がOFFになるまで待機してから、電源投入時処理を終了する。
【0097】
図21は、上記設定変更処理(
図20:S104)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S201:ART遊技情報の初期化に係る初期設定処理を実行する。初期設定処理の詳細は後述する。
S202:設定変更スイッチ25が操作されたか否かを判定する。操作されたと判定した場合はステップS203に移行し、操作されてないと判定した場合はステップS204に移行する。
S203:設定値情報を更新する。具体的には設定値を1加算し、設定値が上限の6である場合は1に変更する。
S204:スタートスイッチ6が操作されたか否かを判定する。操作されたと判定した場合はステップS205に移行し、操作されてないと判定した場合はステップS202に移行する。
S205:設定値情報を確定する。
S206:設定値情報をサブ制御基板21に送信し、設定変更処理を終了する。
【0098】
図22は、上記初期設定処理(
図21:S201)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S301:RT状態のモードを通常モードに設定し、ステップS302に移行する。
S302:ARTフラグを「OFF(非ART状態)」に設定し、ステップS303に移行する。
S303:ART回数を「0」に設定し、ステップS304に移行する。
S304:ART上乗せ回数を「0」に設定し、ステップS305に移行する。
S305:ARTセット回数を「0」に設定し、ステップS306に移行する。
S306:ART継続情報を「非継続(ART継続抽選未当選)」に設定し、初期設定処理を終了する。
【0099】
図23は、メイン制御基板20のCPUで実行される、上記役抽選処理(
図5:S4)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S401:内部当選役を抽選し、ステップS402に移行する。具体的には、抽選用乱数値を抽出し、現在の役抽選テーブルに基づいて当選役(またはハズレ)を決定し、RAMに記憶する。
S402:役抽選の結果をサブ制御基板21に送信し、ステップS403に移行する。
S403:RT状態であるか否かを判定する。RT状態であると判定した場合はステップS404に移行し、RT状態でないと判定した場合は役抽選処理を終了する。
S404:ARTフラグが「OFF(非ART状態)」であるか否かを判定する。「OFF」であると判定した場合はステップS405に移行し、「OFF」でないと判定した場合はステップS406に移行する。
S405:ART状態への移行に係る第1ART準備処理を実行し、役抽選処理を終了する。第1ART準備処理の詳細は後述する。
S406:ART状態の遊技制御に係る第1ART遊技処理を実行し、役抽選処理を終了する。第1ART遊技処理の詳細は後述する。
【0100】
図24は、上記第1ART準備処理(
図23:S405)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S501:役抽選の結果、第1リプレイ役に当選したか否かを判定し、当選したと判定した場合はステップS502に移行し、当選していないと判定した場合は第1ART準備処理を終了する。
S502:判定用停止順序を抽選してRAMに記憶し、ステップS503に移行する。
S503:判定用停止順序をサブ制御基板21に送信し、第1ART準備処理を終了する。
【0101】
図25は、上記第1ART遊技処理(
図23:S406)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S601:継続抽選条件が成立したか否かを判定する。具体的には、役抽選の結果、特定の役(継続役)に当選したか否かを判定する。そして、継続抽選条件が成立したと判定した場合はステップS602に移行し、成立していないと判定した場合はステップS603に移行する。
S602:ART継続抽選の実行に係る継続抽選処理を実行し、ステップS603に移行する。継続抽選処理の詳細は後述する。
S603:上乗せ抽選条件が成立したか否かを判定する。具体的には、役抽選の結果、特定の役(上乗せ役)に当選したか否かを判定する。そして、上乗せ抽選条件が成立したと判定した場合はステップS604に移行し、成立していないと判定した場合は第1ART遊技処理を終了する。
S604:ART上乗せ抽選の実行に係る上乗せ抽選処理を実行し、第1ART遊技処理を終了する。上乗せ抽選処理の詳細は後述する。
【0102】
図26は、メイン制御基板20のCPUで実行される、上記入賞判定処理(
図5:S6)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S701:有効ライン上に停止した図柄に基づいて成立役を判定し、ステップS702に移行する。
S702:RT状態であるか否かを判定する。RT状態であると判定した場合はステップS703に移行し、RT状態でないと判定した場合は入賞判定処理を終了する。
S703:ARTフラグが「OFF(非ART状態)」であるか否かを判定する。「OFF」であると判定した場合はステップS704に移行し、「OFF」でないと判定した場合はステップS705に移行する。
S704:ART状態への移行に係る第2ART準備処理を実行し、入賞判定処理を終了する。第2ART準備処理の詳細は後述する。
S705:ART状態の遊技制御に係る第2ART遊技処理を実行し、入賞判定処理を終了する。第2ART遊技処理の詳細は後述する。
【0103】
図27は、上記第2ART準備処理(
図26:S703)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S801:判定用停止順序の正否判定に係る押し順判定処理を実行し、ステップS802に移行する。具体的には、第1ART遊技処理(
図24)のステップS502で決定した判定用停止順序の通りにストップスイッチ7が操作されたか否かを判定し、判定用停止順序どおりであれば「正解」と判定し、判定用停止順序でない場合、または判定用停止順序が設定されていない場合は「ハズレ」と判定する。
S802:押し順判定処理の結果が「正解」であったか否かを判定し、「正解」であると判定した場合はステップS803に移行し、「正解」でないと判定した場合はステップS809に移行する。
S803:現在のモードが通常モードであるか否かを判定し、通常モードであると判定した場合はステップS804に移行し、通常モードでないと判定した場合はステップS805に移行する。
S804:通常モードから第1準備モードに移行させる。
S805:現在のモードが第1準備モードであるか否かを判定し、第1準備モードであると判定した場合はステップS806に移行し、第1準備モードでないと判定した場合はステップS807に移行する。
S806:第1準備モードから第2準備モードに移行させる。
S807:現在のモードが第2準備モードであるか否かを判定し、第2準備モードであると判定した場合はステップS808に移行し、第2準備モードでないと判定した場合はステップS807に移行する。
S808:第2準備モードから第3準備モードに移行させる。
S809:現在のモードが第3準備モードであるか否かを判定し、第3準備モードであると判定した場合はステップS810に移行し、第3準備モードでないと判定した場合はステップS814に移行する。
S810:ARTフラグを「ON(ART状態)」に設定し、ステップS811に移行する。
S811:ARTセット回数を「1」に設定し、ステップS812に移行する。
S812:ART回数を30回に設定し、ステップS813に移行する。
S813:ART継続抽選の実行に係る継続抽選処理を実行し、ステップS814に移行する。継続抽選処理の詳細は後述する。
S814:ART状態に係る情報(現在のモードやART遊技情報)をサブ制御基板21に送信する。
【0104】
図28は、上記第2ART遊技処理(
図26:S704)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S901:ART回数を1回減算し、ステップS902に移行する。
S902:ART回数が0回であるか否かを判定する。0回であると判定した場合はステップS903に移行し、0回でないと判定した場合は第2ART遊技処理を終了する。
S903:ART上乗せ回数が0回であるか否かを判定する。0回であると判定した場合はステップS904に移行し、0回でないと判定した場合はステップS908に移行する。
S904:ART継続情報が「継続(ART継続抽選に当選)」であるか否かを判定する。「継続」であると判定した場合はステップS905に移行し、「継続」でないと判定した場合はステップS910に移行する。
S905:ARTセット回数に1回を加算して、ステップS906に移行する。
S906:ART回数を30回に設定し、ステップS907に移行する。
S907:ART継続抽選の実行に係る継続抽選処理を実行し、第2ART遊技処理を終了する。継続抽選処理の詳細は後述する。
S908:ART上乗せ回数をART回数に加算し、ステップS909に移行する。
S909:ART上乗せ回数を0回に設定し、第2ART遊技処理を終了する。
S910:ARTフラグを「OFF(非ART状態)」に設定し、ステップS911に移行する。
S911:モードを通常モードに設定し、第2ART遊技処理を終了する。
【0105】
図29は、上記継続抽選処理(
図25:S602,
図27:S813、
図28:S907)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1001:ART継続情報が「非継続(ART継続抽選に非当選)」であるか否かを判定する。「非継続」であると判定した場合はステップS1002に移行し、「非継続」でないと判定した場合は継続抽選処理を終了する。
S1002:継続率を抽選し、ステップS1003に移行する。具体的には、抽選によって、ART継続抽選の当選確率を4段階(低・中・高・超)のいずれかに決定する。
S1003:S1002で決定した継続率に対応するART継続抽選テーブルを設定し、ステップS1004に移行する。
S1004:継続抽選用乱数値を取得し、ステップS1005に移行する。
S1005:ART継続抽選テーブルを参照して、取得した継続抽選用乱数値が「非継続(非当選)」、「通常継続」、「復活継続」のいずれであるかを判定し、ステップS1006に移行する。
S1006:S1005の判定結果をART継続情報に設定し、ステップS1007に移行する。
S1007:継続率とART継続情報をサブ制御基板21に送信し、継続抽選処理を終了する。
【0106】
図30は、上記上乗せ抽選処理(
図25:S604)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1101:設定値に応じた上乗せ抽選テーブルを選択し、ステップS1102に移行する。
S1102:上乗せ抽選用乱数値を取得し、ステップS1103に移行する。
S1103:上乗せ抽選テーブルを参照して、取得した上乗せ抽選用乱数値に対応するゲーム数を取得し、ステップS1104に移行する。
S1104:取得したゲーム数を、ART遊技情報のART上乗せ回数に加算し、ステップS1105に移行する。
S1105:ART上乗せ回数をサブ制御基板21に送信する。
【0107】
図31は、サブ制御基板21のCPUで実行される、ストップスイッチ7の押し順の報知に係る処理(押し順報知設定処理)の内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1201:メイン制御基板20から役抽選の結果を受信したか否かを判定する。受信したと判定した場合はステップS1202に移行し、受信していないと判定した場合は押し順報知設定処理を終了する。
S1202:ATフラグが「ON」であるか否かを判定する。「ON」であると判定した場合はステップS1203に移行し、「ON」でないと判定した場合はステップS1204に移行する。ATフラグは、サブ制御基板21で、ART状態と非ART状態を判別するためのフラグであり、ART状態の時に「ON」になり、非ART状態の時に「OFF」になるものである。
S1203:受信した内部当選役に対応する押し順情報が画像表示器10に表示されるよう設定し、押し順報知設定処理を終了する。
S1204:AT移行フラグが「ON」であるか否かを判定する。「ON」であると判定した場合はステップS1205に移行し、「ON」でないと判定した場合は押し順報知設定処理を終了する。AT移行フラグは、サブ制御基板21でART移行抽選に当選した時に「ON」になり、ART状態への移行時に「OFF」になるものである。
S1205:受信した内部当選役が第1リプレイ役であるか否かを判定する。第1リプレイ役であると判定した場合は、ステップS1206に移行し、第1リプレイ役でないと判定した場合は押し順報知設定処理を終了する。
S1206:受信した判定用停止操作順序に対応する押し順情報が画像表示器10に表示されるよう設定し、押し順報知設定処理を終了する。
【0108】
図32は、サブ制御基板21のCPUで実行される、ART移行抽選に係る処理(ART移行抽選処理)の内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1301:メイン制御基板20から役抽選の結果を受信したか否かを判定する。受信したと判定した場合はステップS1302に移行し、受信していないと判定した場合はART移行抽選処理を終了する。
S1302:ATフラグが「OFF(非ART状態)」であるか否かを判定する。「OFF」であると判定した場合はステップS1303に移行し、「OFF」でないと判定した場合はART移行抽選処理を終了する。
S1303:受信した内部当選役が、ART移行抽選を実行する抽選対象役であるか否かを判定する。抽選対象役であると判定した場合はステップS1304に移行し、抽選対象役でないと判定した場合はART移行抽選処理を終了する。
S1304:当選した抽選対象役に対応する移行抽選テーブルを選択し、ステップS1305に移行する。
S1305:移行抽選用乱数値を取得し、ステップS1306に移行する。
S1306:移行抽選テーブルを参照して、取得した移行抽選用乱数値がART移行抽選の当選値であるか否かを判定し、ステップS1307に移行する。
S1307:ステップS1306の判定結果が「当選」であるか否かを判定する。「当選」であると判定した場合はステップS1308に移行し、「当選」でないと判定した場合はART移行抽選処理を終了する。
S1308:AT移行フラグを「ON」に設定し、ART移行抽選処理を終了する。
【0109】
図33は、サブ制御基板21のCPUで実行される、ART状態の遊技制御に係る処理(AT遊技処理)の内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1401:メイン制御基板20がリール9が全て停止した時に送信する信号を受信したか否かを判定する。受信したと判定した場合はステップS1402に移行し、受信していないと判定した場合はAT遊技処理を終了する。
S1402:AT移行フラグが「ON」であるか否かを判定する。「ON」であると判定した場合はステップS1403に移行し、「ON」でないと判定した場合はステップS1407に移行する。
S1403:メイン制御基板20から受信した現在のモード情報が、第3準備モードであるか否かを判定する。第3準備モードであると判定した場合はステップS1404に移行し、第3準備モードでないと判定した場合はAT遊技処理を終了する。
S1404:ATフラグを「ON(ART状態)」に設定し、ステップS1405に移行する。
S1405:AT回数に初期値(30回)を設定し、ステップS1406に移行する。AT回数は、当該セットのART遊技の残りゲーム数をサブ制御基板21で計数するためのカウンタである。
S1406:AT移行フラグを「OFF」に設定し、AT遊技処理を終了する。
S1407:ATフラグが「ON(ART状態)」であるか否かを判定する。「ON」であると判定した場合はステップS1408に移行し、「ON」でないと判定した場合はAT遊技処理を終了する。
S1408:AT回数を1回減算し、ステップS1409に移行する。
S1409:AT回数が0回であるか否かを判定する。0回であると判定した場合はステップS1410に移行し、0回でないと判定した場合はAT遊技処理を終了する。
S1410:ATフラグを「OFF(非ART状態)」に設定し、ステップS1411に移行する。
S1411:表示するART終了画面の選択に係るART終了画面選択処理を実行し、AT遊技処理を終了する。ART終了画面選択処理の詳細は後述する。
【0110】
図34は、サブ制御基板21のCPUで実行される、ART継続情報の受信制御に係る処理(継続情報設定処理)の内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1501:メイン制御基板20からART継続情報を受信したか否かを判定する。受信したと判定した場合はステップS1502に移行し、受信していないと判定した場合は継続情報設定処理を終了する。
S1502:継続情報設定テーブルを参照し、受信したART継続情報に対応する設定情報を取得し、ステップS1503に移行する。継続情報設定テーブルは、
図35に示すように、ART継続情報に含まれるART継続抽選の当選状況を示す0〜2の値と、サブ制御基板21で「継続情報」として設定する情報(「非継続」、「通常継続」、「復活継続」)とを対応付けしたものである。
S1503:取得した設定情報を「継続情報」として設定し、継続情報設定処理を終了する。
【0111】
図36は、上記ART終了画面選択処理(
図33:S1411)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1601:ART遊技の当該セットの終了時であるか否かを判定する。終了時と判定した場合はステップS1602に移行し、終了時でないと判定した場合はART終了画面選択処理を終了する。
S1602:識別情報が「復活継続」であるか否かを判定する。「復活継続」であると判定した場合はステップS1603に移行し、「復活継続」でないと判定した場合はステップS1606に移行する。
S1603:使用する終了画面抽選テーブルを抽選する復活画面抽選処理を実行し、ステップS1604に移行する。
S1604:復活画面抽選処理の抽選結果が当選(確定終了画面抽選テーブルを使用する)であったか否かを判定する。当選と判定した場合はステップS1605に移行し、当選でないと判定した場合はステップS1607に移行する。
S1605:終了画面選択用乱数値を取得し、確定終了画面抽選テーブルを参照して、取得した乱数値と設定値に基づいて、表示するART終了画面を、通常継続用ART終了画面と復活継続用ART終了画面の中から選択し、ART終了画面選択処理を終了する。
S1606:識別情報が「通常継続」であるか否かを判定する。「通常継続」であると判定した場合はステップS1607に移行し、「通常継続」でないと判定した場合はステップS1608に移行する。
S1607:終了画面選択用乱数値を取得し、通常終了画面抽選テーブルを参照して、取得した乱数値と設定値に基づいて、表示するART終了画面を、通常継続用ART終了画面の中から選択し、ART終了画面選択処理を終了する。
S1608:表示するART終了画面を非継続用ART終了画面に決定し、ART終了画面選択処理を終了する。
【0112】
図37は、サブ制御基板21のCPUで実行される演出画像抽選に係る処理(演出画像抽選処理)の内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1701:メイン制御基板20から役抽選の結果を受信したか否かを判定する。受信したと判定した場合はステップS1702に移行し、受信していないと判定した場合は演出画像抽選処理を終了する。
S1702:高頻度期間が設定されているか否かを判定する。高頻度期間が設定されていると判定した場合はステップS1703に移行し、高頻度期間が設定されていないと判定した場合はステップS1704に移行する。
S1703:演出抽選テーブルを選択するための抽選テーブル選択処理を実行し、ステップS1705に移行する。抽選テーブル選択処理の詳細は後述する。
S1704:現在の演出ステージに対応する通常期間用の抽選テーブルを選択し、ステップS1705に移行する。
S1705:演出画像抽選用の乱数値を取得し、ステップS1706に移行する。
S1706:選択した演出抽選テーブルを参照して、取得した乱数値に対応する演出画像を決定し、演出画像抽選処理を終了する。
【0113】
図38は、上記抽選テーブル選択処理(
図37:S1703)の処理内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1801:リアルタイムクロックから現在時刻情報を取得し、ステップS1802に移行する。
S1802:RAMに記憶された高頻度期間の開始時刻情報を取得し、ステップS1803に移行する。
S1803:高頻度遊技回数が0回より大きいか否かを判定する。0回より大きいと判定した場合はステップS1804に移行し、0回より大きくないと判定した場合はステップS1805に移行する。「高頻度遊技回数」は高頻度期間中のゲーム数を計測するためのカウンタである。
S1804:高頻度遊技回数から1を減算し、ステップS1810に移行する。
S1805:現在時刻情報と開始時刻情報を比較して、高頻度期間の開始時刻を経過しているか否かを判定する。開始時刻を経過していると判定した場合はステップS1806に移行し、開始時刻を経過していないと判定した場合はステップS1811に移行する。
S1806:期間設定フラグが「OFF(高頻度期間未発生)」であるか否かを判定する。「OFF」であると判定した場合はステップS1806に移行し、「OFF」でないと判定した場合はステップS1811に移行する。
S1807:期間設定フラグを「ON(高頻度期間発生済み)」に設定し、ステップS1808に移行する。
S1808:設定された高頻度期間の種類に係る情報(高頻度期間情報)を取得し、ステップS1809に移行する。
S1809:設定された高頻度期間の継続期間に対応するゲーム数を「高頻度遊技回数」に設定し、ステップS1810に移行する。
S1810:現在の演出ステージと高頻度期間の種類に応じた演出抽選テーブルを選択し、抽選テーブル選択処理を終了する。
S1811:現在の演出ステージに対応する通常期間用の抽選テーブルを選択し、抽選テーブル選択処理を終了する。
【0114】
図39は、サブ制御基板21のCPUで実行される、高頻度期間の設定に係る処理(高頻度期間設定処理)の内容を示したものである。各ステップの具体的な内容は下記の通りである。
S1901:設定変更状態で表示されるホールメニューで「高頻度期間設定」が選択されたか否かを判定する。高頻度期間設定が選択されたと判定した場合はステップS1902に移行し、高頻度期間設定が選択されていないと判定した場合は高頻度期間設定処理を終了する。
S1902:高頻度期間設定に係る初期設定を行い、ステップS1903に移行する。具体的には高頻度期間設定画面の初期画面を画像表示器10に表示する。
S1903:演出ボタンユニット13の選択ボタンが操作されたか否かを判定する。選択ボタンが操作されたと判定した場合はステップS1904に移行し、選択ボタンが操作されていないと判定した場合はステップS1905に移行する。
S1904:高頻度期間設定画面の選択項目を更新し、ステップS1905に移行する。
S1905:演出ボタンユニット13の決定ボタンが操作されたか否かを判定する。決定ボタンが操作されたと判定した場合はステップS1906に移行し、決定ボタンが操作されていないと判定した場合はステップS1903に移行する。
S1906:「設定終了」の項目が選択されたか否かを判定する。「設定終了」が選択されていないと判定した場合はステップS1907に移行し、「設定終了」が選択されたと判定した場合は高頻度期間設定処理を終了する。
S1907:現在の選択項目に応じて高頻度期間の継続期間と開始時刻を設定し、ステップS1903に移行する。