特許第5892015号(P5892015)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5892015
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】シャッタ開閉装置及び硬貨取扱装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20160310BHJP
   G07F 1/02 20060101ALI20160310BHJP
【FI】
   G07D9/00 403A
   G07F1/02 104
【請求項の数】9
【全頁数】52
(21)【出願番号】特願2012-205605(P2012-205605)
(22)【出願日】2012年9月19日
(65)【公開番号】特開2014-59813(P2014-59813A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2015年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082740
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵基
(72)【発明者】
【氏名】田尻 俊也
(72)【発明者】
【氏名】根井 秀人
【審査官】 望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−208107(JP,A)
【文献】 特開2006−099647(JP,A)
【文献】 実開昭60−000672(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 9/00
G07F 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面の所定位置に裏面へ貫通する硬貨投入用のスリットが形成され、硬貨取扱装置のパネル板に形成された硬貨を投入するための開口部用のシャッタと、
上記シャッタを、上記開口部に対して閉じた状態から少なくとも一部を上記裏面側へ変位させた後、当該シャッタの一端側へ移動させて上記開口部に対して開き、上記シャッタを、上記開口部に対して開いた状態から当該シャッタの他端側へ移動させた後、少なくとも一部を上記表面側へ変位させて上記開口部に対して閉じる開口部用シャッタ駆動部と、
上記シャッタの上記裏面に変位可能に設けられたスリットシャッタと、
上記シャッタを閉じた状態で上記一端と対向する位置に配置され、上記シャッタを閉じるために当該シャッタの上記少なくとも一部が上記表面側へ変位した場合のみ上記スリットシャッタと係合するスリット用シャッタ駆動部と
を具えるシャッタ開閉装置。
【請求項2】
上記スリット用シャッタ駆動部は、
上記シャッタの開閉時の移動経路の上側で、かつ上記シャッタを閉じた状態で上記一端と対向する位置に配置された
請求項1に記載のシャッタ開閉装置。
【請求項3】
上記スリットシャッタは、
上記シャッタの上記裏面に回動可能に設けられた
請求項2に記載のシャッタ開閉装置。
【請求項4】
上記スリット用シャッタ駆動部は、
所定の駆動源
を具え、
上記駆動源は、
上記シャッタの開閉時の上記移動経路の上側で、かつ上記シャッタを閉じた状態で上記一端と対向する位置に、当該一端と平行に配置された
請求項3に記載のシャッタ開閉装置。
【請求項5】
上記スリット用シャッタ駆動部は、
先端部を上記駆動源よりも上記シャッタの上記一端側へ位置させて回動可能に支持され、上記駆動源により回動される開閉用アーム
を具え、
上記開閉用アームは、
上記シャッタを閉じるために当該シャッタの上記少なくとも一部が上記表面側へ変位した場合のみ上記スリットシャッタと係合する
請求項4に記載のシャッタ開閉装置。
【請求項6】
上記シャッタの上記一端から上記スリットシャッタの突出する部分に突設された係合突起部
を具え、
上記係合突起部は、
上記シャッタを閉じるために当該シャッタの上記少なくとも一部が上記表面側へ変位した場合のみ、上記開閉用アームの上記先端部と上記駆動源との間に差し込まれて、上記スリット用シャッタ駆動部と係合する
請求項5に記載のシャッタ開閉装置。
【請求項7】
上記開閉用アームの上記先端部に突設された係合突起部
を具え、
上記係合突起部は、
上記シャッタを閉じるために当該シャッタの上記少なくとも一部が上記表面側へ変位した場合のみ、上記シャッタの上記一端から上記スリットシャッタの突出する部分と、当該シャッタの上記一端との間に差し込まれて上記スリットシャッタと係合する
請求項5に記載のシャッタ開閉装置。
【請求項8】
上記開口部用のシャッタは、
上記表面に、上記硬貨取扱装置の上記パネル板に形成された円形状の上記開口部に対応する円形状の凸部が設けられると共に、当該凸部の所定位置に上記スリットが形成され、
上記開口部用シャッタ駆動部は、
上記シャッタを、上記開口部に対して上記凸部を嵌合させて閉じた状態から少なくとも一部を上記裏面側へ変位させて上記開口部から上記凸部を引き抜いた後、上記一端側へ移動させて上記開口部に対して開き、上記シャッタを、上記開口部に対して開いた状態から上記他端側へ移動させた後、少なくとも一部を上記表面側へ変位させて上記開口部に対して上記凸部を嵌合させて閉じる
請求項5に記載のシャッタ開閉装置。
【請求項9】
硬貨を投入するための開口部が形成されたパネル板と、
表面の所定位置に裏面へ貫通する硬貨投入用のスリットが形成された、上記開口部用のシャッタと、
上記シャッタを、上記開口部に対して閉じた状態から少なくとも一部を上記裏面側へ変位させた後、当該シャッタの一端側へ移動させて上記開口部に対して開き、上記シャッタを、上記開口部に対して開いた状態から当該シャッタの他端側へ移動させた後、少なくとも一部を上記表面側へ変位させて上記開口部に対して閉じる開口部用シャッタ駆動部と、
上記シャッタの上記裏面に変位可能に設けられたスリットシャッタと、
上記シャッタを閉じた状態で上記一端と対向する位置に配置され、上記シャッタを閉じるために当該シャッタの上記少なくとも一部が上記表面側へ変位した場合のみ上記スリットシャッタと係合するスリット用シャッタ駆動部と
を具える硬貨取扱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャッタ開閉装置及び硬貨取扱装置に関し、例えば、現金としての硬貨の入金及び出金の取引を行う現金自動預払機(ATM:Automatic Teller Machine)に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来の現金自動預払機は、上面の所定位置に、大人の手が入る程度の大きさを有し、顧客が硬貨を出金や入金用に出し入れするための開口部(以下、これを硬貨出入口とも呼ぶ)が形成されている。
【0003】
また現金自動預払機は、硬貨出入口の下側に、当該硬貨出入口用のシャッタ(以下、これを硬貨出入口用シャッタとも呼ぶ)を有するシャッタ開閉部が設けられている。
【0004】
さらに現金自動預払機は、シャッタ開閉部の下側に、顧客から入金用の硬貨を受け取り、また顧客に出金用の硬貨を引き渡すための硬貨受皿が硬貨出入口と対向させて配置されている。
【0005】
そして現金自動預払機は、シャッタ開閉部により硬貨出入口用シャッタを前後に移動させるようにして硬貨出入口に対して当該硬貨出入口用シャッタを開閉(すなわち、硬貨出入口用シャッタによって硬貨出入口を開放及び閉塞)している。
【0006】
現金自動預払機は、係る構成のもと、硬貨の入金時、シャッタ開閉部により硬貨出入口用シャッタを開いて、顧客に入金用の1又は複数の硬貨を硬貨出入口に投入させる。
【0007】
これにより現金自動預払機は、顧客により硬貨出入口に投入された入金用の1又は複数の硬貨を硬貨受皿で受け取り、当該硬貨受皿から、その受け取った入金用の1又は複数の硬貨を装置内の所定の硬貨収納庫へ搬送して収納している。
【0008】
また現金自動預払機は、硬貨の出金時、装置内の硬貨収納庫から出金用の1又は複数の硬貨を硬貨受皿へ搬送して、シャッタ開閉部により硬貨出入口用シャッタを開く。
【0009】
これにより現金自動預払機は、顧客に硬貨出入口から硬貨受皿上の出金用の硬貨を取り出させるようにして引き渡している。
【0010】
このようにして現金自動預払機は、硬貨の入金及び出金の取引の有無に応じて、シャッタ開閉部により硬貨出入口用シャッタを適宜開閉していた(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開平7−320114号公報(第2頁、第3頁、第4頁、図1図4図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、係る構成の現金自動預払機は、硬貨出入口が比較的大きいため、顧客が複数の硬貨を入金するような場合には、その顧客に入金用の複数の硬貨を一挙に硬貨出入口に投入させることができる。
【0013】
ただし、現金自動預払機では、このように硬貨出入口に複数の硬貨を一挙に投入可能であると、顧客により誤ってクリップやメダルのような硬貨以外の異物が入金用の硬貨と一緒に硬貨出入口に投入され、その異物が誤動作や動作停止を引き起こす場合がある。
【0014】
そして現金自動預払機は、例えば、行員の勤務する店舗に設置されていると、昼間のような行員の勤務時間内であれば、硬貨出入口に誤って異物が投入されて誤動作や動作停止を引き起こしたとしても、行員に迅速に対処させることができる。
【0015】
しかしながら、現金自動預払機では、例えば、行員の勤務する店舗内に設置されていても、夜間のような行員の勤務時間外に硬貨出入口に誤って異物が投入されて誤動作や動作停止を引き起こすと、迅速には対処させ難い場合がある。
【0016】
このため従来、この種の現金自動預払機としては、硬貨の入金時に異物の投入を極力防止するための例えば、図18乃至図20に示すようなシャッタ開閉部200が設けられたものがある。
【0017】
よって以下には、図18乃至図20を用いて、硬貨の入金時に異物の投入を極力防止するためのシャッタ開閉部200の構成を、当該シャッタ開閉部200が設けられる現金自動預払機201の構成の一部と共に説明する。
【0018】
因みに、以下の説明では、図中に矢印a2で示す方向を、現金自動預払機201を、その前面と対峙して見た場合に左側となる方向として預払機左方向とも呼び、当該預払機左方向とは逆の方向を、預払機右方向とも呼ぶ。
【0019】
そして、以下の説明では、預払機左方向及び預払機右方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機左右方向とも呼ぶ。
【0020】
また、以下の説明では、図中に矢印b2で示す方向を、現金自動預払機201を、その前面と対峙して見た場合の上側となる方向として預払機上方向とも呼び、当該預払機上方向とは逆の方向を、預払機下方向とも呼ぶ。
【0021】
そして、以下の説明では、預払機上方向及び預払機下方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機上下方向とも呼ぶ。
【0022】
さらに、以下の説明では、図中に矢印c2で示す方向を、現金自動預払機201を、その前面と対峙して見た場合の手前側となる方向として預払機前方向とも呼び、当該預払機前方向とは逆の方向を、預払機後方向とも呼ぶ。
【0023】
そして、以下の説明では、預払機前方向及び預払機後方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機前後方向とも呼ぶ。
【0024】
まず現金自動預払機201は、例えば、ほぼ水平なパネル面201Aの所定位置に、大人の手が入る程度の大きさを有する略四角形状の硬貨出入口201AXが形成されている。
【0025】
そしてシャッタ開閉部200は、現金自動預払機201の硬貨出入口201AXよりも僅かに大きい略四角平板状の硬貨出入口用シャッタ202を有している。
【0026】
またシャッタ開閉部200は、シャッタフレームも有している。シャッタフレームは、例えば、それぞれ前下端よりも後下端が預払機下方向へ張り出すように略L字平板状に形成された左側板203及び右側板(図示せず)を有し、所定形状の底板(図示せず)の左端が左側板203の後下端に接合されると共に、当該底板の右端が右側板の後下端に接合されて形成されている。
【0027】
因みに、以下の説明では、シャッタフレームの左側板203を、フレーム左側板203とも呼び、右側板を、フレーム右側板とも呼び、底板を、フレーム底板とも呼ぶ。
【0028】
そしてシャッタフレームは、フレーム左側板203の前端部を硬貨出入口201AXの左斜下に位置させると共に、後端部を硬貨出入口201AXの左後斜下に位置させ、かつフレーム右側板の前端部を硬貨出入口201AXの右斜下に位置させると共に、後端部を硬貨出入口201Aの右後斜下に位置させて配置されている。
【0029】
フレーム左側板203は、例えば、内面において前端寄りの所定位置に、所定長さの図示しないプーリ支持軸(以下、これをプーリ左支持軸とも呼ぶ)が垂設されている。
【0030】
そしてフレーム左側板203は、預払機左右方向と平行なプーリ左支持軸を介して1個の図示しないプーリ(以下、これを左前プーリとも呼ぶ)を、図中に矢印d2で示す前回り方向(すなわち、預払機左右方向と平行な軸を中心とした反時計回り方向)、及びこれとは逆の後回り方向(すなわち、預払機左右方向と平行な軸を中心とした時計回り方向)へ回動可能に支持している。
【0031】
またフレーム右側板は、例えば、左前プーリのプーリ支持軸と対向させるようにして、内面において前端寄りの所定位置に、所定長さの図示しないプーリ支持軸(以下、これをプーリ右支持軸とも呼ぶ)が垂設されている。
【0032】
そしてフレーム右側板は、預払機左右方向と平行なプーリ右支持軸を介して1個の図示しないプーリ(以下、これを右前プーリとも呼ぶ)を前回り方向後及び回り方向へ回動可能に支持している。
【0033】
さらにフレーム左側板203及びフレーム右側板は、後端寄りの所定の対向位置に、当該フレーム左側板203及びフレーム右側板の間隔以上の所定長さのプーリ駆動軸(図示せず)を預払機左右方向と平行にして前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0034】
そしてプーリ駆動軸には、フレーム左側板203の内面近傍に1個のプーリ(以下、これを左後プーリとも呼ぶ)が、その中心に穿設された孔部を介して固着されている。
【0035】
またプーリ駆動軸には、フレーム右側板の内面近傍にも1個のプーリ(以下、これを右後プーリとも呼ぶ)が、その中心に穿設された孔部を介して固着されている。
【0036】
これによりシャッタ開閉部200は、左前プーリから左後プーリに亘って無端状のベルト(以下、これを左ベルトとも呼ぶ)が架けられて、当該左ベルトにおいて左前プーリ及び左後プーリ間の一対の直線状の部分を預払機前後方向と平行にしている。
【0037】
またシャッタ開閉部200は、右前プーリから右後プーリに亘っても無端状のベルト(以下、これを右ベルトとも呼ぶ)が架けられて、当該右ベルトにおいて右前プーリ及び右後プーリ間の一対の直線状の部分を預払機前後方向と平行にしている。
【0038】
さらにフレーム左側板203は、例えば、内面の所定位置にガイド取付部(図示せず)が設けられている。
【0039】
そしてフレーム左側板203のガイド取付部には、当該フレーム左側板203の前端から後端までに亘る長さの略短冊状の図示しないシャッタガイド(以下、これを左シャッタガイドとも呼ぶ)が、左ベルトよりも右側に位置してフレーム左側板203の内面の上端部と対向するように取り付けられている。
【0040】
さらにまたフレーム右側板にも、例えば、内面の所定位置にガイド取付部(図示せず)が設けられている。
【0041】
そしてフレーム右側板のガイド取付部には、当該フレーム右側板の前端から後端までに亘る長さの略短冊状の図示しないシャッタガイド(以下、これを右シャッタガイドとも呼ぶ)が、右ベルトよりも左側に位置してフレーム右側板の内面の上端部と対向するように取り付けられている。
【0042】
そして左シャッタガイドは、右側面において前端寄りの所定位置から後端寄りの所定位置までに亘り、預払機前後方向と平行な直線状のガイド溝が形成されている。
【0043】
また右シャッタガイドは、左側面において前端寄りの所定位置から後端寄りの所定位置までに亘り、預払機前後方向と平行な直線状のガイド溝が形成されている。
【0044】
一方、硬貨出入用シャッタ202は、例えば、左側面202Aの前端寄りにローラ回動軸が垂設され、当該ローラ回動軸を介して1個のガイドローラ(以下、これを左前ガイドローラとも呼ぶ)205を前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0045】
また硬貨出入口用シャッタ202は、左側面202Aの後端寄りにもローラ回動軸が垂設され、当該ローラ回動軸を介して1個のガイドローラ(以下、これを左後ガイドローラとも呼ぶ)206を前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0046】
さらに硬貨出入用シャッタ202は、例えば、右側面202Bの前端寄りにもローラ回動軸が垂設され、当該ローラ回動軸を介して1個のガイドローラ(以下、これを右前ガイドローラとも呼ぶ)207を前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0047】
さらにまた硬貨出入口用シャッタ202は、右側面202Bの後端寄りにもローラ回動軸が垂設され、当該ローラ回動軸を介して1個のガイドローラ(以下、これを右後ガイドローラとも呼ぶ)208を前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0048】
そして硬貨出入口用シャッタ202は、左前ガイドローラ205及び左後ガイドローラ206が左シャッタガイドのガイド溝に係合されると共に、右前ガイドローラ207及び右後ガイドローラ208が右シャッタガイドのガイド溝に係合されている。
【0049】
これによりシャッタ開閉部200は、左シャッタガイド及び右シャッタガイドを介して硬貨出入口用シャッタ202を、硬貨出入口201AXの下の出入口用シャッタ閉位置から、これよりも後側の出入口用シャッタ開位置までの範囲で預払機前後方向へ移動可能に支持している。
【0050】
また硬貨出入口用シャッタ202は、例えば、左側面202Aにベルト係止部(図示せず)が突設されており、当該ベルト係止部が左ベルトの直線状の部分の所定位置に係止されている。
【0051】
さらに硬貨出入口用シャッタ202は、例えば、右側面202Bにもベルト係止部(図示せず)が突設されており、当該ベルト係止部が右ベルトの直線状の部分の所定位置に係止されている。
【0052】
そしてシャッタ開閉部200は、例えば、フレーム底板の所定位置にベルト駆動モータ(図示せず)が配置され、当該ベルト駆動モータの出力軸が複数のギアを介してプーリ駆動軸に連結されている。
【0053】
これによりシャッタ開閉部200は、例えば、ベルト駆動モータを介して左ベルト及び右ベルトを駆動して、当該左ベルト及び右ベルトを前回り方向へ回転させ、また後回り方向へ回転させることができる。
【0054】
そしてシャッタ開閉部200は、例えば、ベルト駆動モータを介して左ベルト及び右ベルトを共に前回り方向へ回転させた場合、その回転に応じて硬貨出入口用シャッタ202を前側の出入口用シャッタ閉位置まで移動させる。
【0055】
これによりシャッタ開閉部200は、硬貨出入口用シャッタ202を硬貨出入口201AXと対向させて閉じる(すなわち、硬貨出入口201AXを閉塞する)ことができる。
【0056】
またシャッタ開閉部200は、例えば、ベルト駆動モータを介して左ベルト及び右ベルトを共に後回り方向へ回転させた場合、その回転に応じて硬貨出入口用シャッタ202を後側の出入口用シャッタ開位置まで移動させる。
【0057】
これによりシャッタ開閉部200は、硬貨出入口用シャッタ202を硬貨出入口201AXの下から後側へずらして開く(すなわち、硬貨出入口201AXを開放する)ことができる。
【0058】
これに加えて硬貨出入口用シャッタ202は、例えば、表面202Cの中央部に、硬貨を1枚ずつ投入するためのスリット(以下、これを硬貨投入スリットとも呼ぶ)202CXが形成されている。
【0059】
またシャッタ開閉部200は、硬貨投入スリット202CX用のシャッタ(以下、これをスリットシャッタとも呼ぶ)210を有している。
【0060】
スリットシャッタ210は、例えば、略W字平板状のシャッタ本体210Aの一面の中央部に軸挿通孔部が穿設されると共に、当該シャッタ本体210Aの他面の後端寄りに所定長さの係合突起部210Bが垂設されている。
【0061】
また硬貨出入口用シャッタ202は、裏面202Dにおいて硬貨投入スリット202CXの後側の所定位置に、シャッタ支持軸211が垂設されている。
【0062】
そしてスリットシャッタ210は、シャッタ本体210Aの先端部を硬貨出入口用シャッタ202の裏面202Dの中央部と対向させ、かつ後端部を当該硬貨出入口用シャッタ202の後左端部の後側へ突出させて、一面側から軸挿通孔部に預払機上下方向と平行なシャッタ支持軸211が挿通されている。
【0063】
これにより硬貨出入口用シャッタ202は、スリットシャッタ210の一面の先端部を裏面202Dの中央部に近接させて平行にした姿勢でシャッタ支持軸211を介して当該スリットシャッタ210を、図中に矢印e2で示す左回り方向(すなわち、預払機上下方向と平行な軸を中心とした時計回り方向)、及びこれとは逆の右回り方向(すなわち、預払機上下方向と平行な軸を中心とした反時計回り方向)へ回動可能に支持している。
【0064】
さらに硬貨出入口用シャッタ202は、例えば、裏面202Dの左後隅部に柱状のばね係止部212が垂設されている。
【0065】
そしてシャッタ開閉部200は、コイルばね213の一端部が硬貨出入口用シャッタ202のばね係止部212に係止されると共に、当該コイルばね213の他端部がスリットシャッタ210の係合突起部210Bの所定位置に係止されている。
【0066】
これによりシャッタ開閉部200は、コイルばね213によりスリットシャッタ210を、シャッタ支持軸211を中心にして右回り方向へ回転するように付勢している。
【0067】
ただし、硬貨出入口用シャッタ202は、例えば、裏面202Dの所定位置に、スリットシャッタ210が右回り方向へ回転しても、当該スリットシャッタ210の先端部がスリット用シャッタ閉位置まで変位すると、これ以上は右回り方向へ回転させないように制限する回転制限部(図示せず)が突設されている。
【0068】
よってシャッタ開閉部200は、コイルばね213の付勢によりスリットシャッタ210が右回り方向へ回転しても、先端部がスリット用シャッタ閉位置へ達すると、当該スリットシャッタ210の所定部分を回転制限部に突き当てて右回り方向への回転を停止させる。
【0069】
これによりシャッタ開閉部200は、スリットシャッタ210の先端部を硬貨出入口用シャッタ202の硬貨投入スリット202CXと対向させて、そのスリットシャッタ210を閉じる(すなわち、硬貨投入スリット202CXを閉塞する)ことができる。
【0070】
またシャッタ開閉部200は、アクチュエータ215と、略L字状の開閉用アーム216とを有している。
【0071】
アクチュエータ215は、本体部215Aに出力軸215Bが、当該本体部215Aからの突出量を変化させるようにして伸縮可能に設けられている。
【0072】
そしてアクチュエータ215は、出力軸215Bの先端を前側に向けた姿勢で、フレーム底板の左端部に配置されている。
【0073】
また開閉用アーム216は、根元部216Aの中央付近にアーム支持軸が設けられると共に、一端寄りにアーム回動軸が当該アーム支持軸と平行にして設けられている。
【0074】
そしてアクチュエータ215は、出力軸215Bの先端部により、開閉用アーム216のアーム支持軸を預払機左右方向と平行にして前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0075】
これにより開閉用アーム216は、円柱状の先端部216Bを、預払機左右方向と平行にし、アクチュエータ215の出力軸215Bの上側でスリットシャッタ210の係合突起部210Bの前に位置させている。
【0076】
また開閉用アーム216は、根元部216Aの一端寄りの部分を、アクチュエータ215の出力軸215Bの下側に位置させている。
【0077】
さらにフレーム底板は、後端部においてアクチュエータ215の出力軸215Bの下側となる所定位置にアーム支持部(図示せず)が設けられている。
【0078】
そしてフレーム底板は、そのアーム支持部により、開閉用アーム216のアーム回動軸を、預払機左右方向と平行にして前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0079】
よってシャッタ開閉部200は、アクチュエータ215の出力軸215Bを伸ばした場合、これに応じて開閉用アーム216を、アーム回動軸を中心にして前回り方向へ回転させて前側へ傾けることができる。
【0080】
またシャッタ開閉部200は、アクチュエータ215の出力軸215Bを縮めた場合、これに応じて開閉用アーム216を、アーム回動軸を中心にして後回り方向へ回転させて後側に傾けることができる。
【0081】
シャッタ開閉部200は、係る構成のもと、硬貨出入口用シャッタ202を閉じた状態で、アクチュエータ215の出力軸215Bを伸ばして開閉用アーム216を前側に傾けると、開閉用アーム216の先端部216Bを、スリットシャッタ210の係合突起部210Bよりも前側の所定の退避位置へ変位させる。
【0082】
これによりシャッタ開閉部200は、コイルばね213の付勢によりスリットシャッタ210を右回り方向へ回転させて当該スリットシャッタ210の先端部を硬貨投入スリット202CXと対向させるようにして閉じる(すなわち、硬貨投入スリット202CXを閉塞する)ことができる。
【0083】
そしてシャッタ開閉部200は、このように硬貨出入口用シャッタ202を閉じた状態でスリットシャッタ210も閉じた場合、開閉用アーム216の先端部216Bを当該スリットシャッタ210の係合突起部210Bに近接させている。
【0084】
よってシャッタ開閉部200は、硬貨出入口用シャッタ202と共にスリットシャッタ210も閉じている状態で、アクチュエータ215の出力軸215Bを縮めて開閉用アーム216を後側に傾けると、その開閉用アーム216の先端部216Bによりスリットシャッタ210の係合突起部210Bを後側に押すようにして、当該スリットシャッタ210を左回り方向へ回転させる。
【0085】
これによりシャッタ開閉部200は、スリットシャッタ210の先端部を、硬貨投入スリット202CXの下から左側へずらすようにして所定のスリット用シャッタ開位置まで変位させ、当該スリットシャッタ210を開く(すなわち、硬貨投入スリット202CXを開放する)ことができる。
【0086】
このようにしてシャッタ開閉部200は、硬貨出入口用シャッタ202を閉じた状態では、アクチュエータ215を介して開閉用アーム216を、アーム回動軸を中心にして回動させることで、スリットシャッタ210を開閉することができる。
【0087】
そして、係る構成のシャッタ開閉部200が設けられた現金自動預払機201は、例えば、昼間の硬貨の入金時には、スリットシャッタ210を閉じたままにして、硬貨の入金用に硬貨出入口用シャッタ202のみを開閉する。
【0088】
これにより現金自動預払機201は、昼間の硬貨の入金時には、顧客に入金用の1又は複数の硬貨を硬貨出入口201AXに投入させている。
【0089】
これに対して現金自動預払機201は、例えば、夜間の硬貨の入金時には、硬貨出入口用シャッタ202を閉じたままにして、硬貨の入金用にスリットシャッタ210のみを開閉する。
【0090】
これにより現金自動預払機201は、夜間の硬貨の入金時には、顧客に入金用の硬貨を1枚ずつ硬貨投入スリット202CXに投入させている。
【0091】
そして現金自動預払機201は、このようにスリットシャッタ210を開いて、顧客に入金用の硬貨を1枚ずつ硬貨投入スリット202CXに投入させる場合は、投入しようとしているものが硬貨であるか否かを必然的に確認させることができる。
【0092】
よって現金自動預払機201は、異物の投入に起因する誤動作や動作停止に迅速には対処し難いような場合に、その異物の投入を極力防止することができる。
【0093】
ところで、近年、この種の現金自動預払機としては、デザイン上の観点や内部への埃の侵入防止等の観点から、硬貨出入口用シャッタの表面に硬貨出入口に対応する凸部を設け、その凸部を硬貨出入口に嵌脱するようにして硬貨出入口用シャッタを開閉するようなものもある。
【0094】
実際、係る現金自動預払機では、シャッタ開閉部に硬貨出入口用シャッタが前後に移動可能で、かつ硬貨出入口の真下では上下に変位可能なように設けられている。
【0095】
そして、係る現金自動預払機は、硬貨出入口に硬貨出入口用シャッタの凸部を嵌合させて閉じた状態では、当該硬貨出入口用シャッタを下側へ変位させて硬貨出入口から凸部を引き抜いた後、後側へ移動させて開いている。
【0096】
また、係る現金自動預払機は、硬貨出入口用シャッタを開いた状態では、当該硬貨出入口用シャッタを前側へ移動させた後、上側へ変位させて硬貨出入口に凸部を嵌合させて閉じている。
【0097】
そして、最近では、係る現金自動預払機についても、シャッタ開閉部にスリットシャッタを開閉可能に設けることで、上述のように異物の投入を極力防止することが提案されている。
【0098】
ところが、係る現金自動預払機では、上述したシャッタ開閉部200の構成をもとにして、異物の投入を極力防止することを実現しようとすると、そのシャッタ開閉部200に硬貨出入口用シャッタ202を上下に変位させるための上下変位機構を追加する必要がある。
【0099】
そして係る現金自動預払機では、硬貨出入口用シャッタ202を上側へ変位させて閉じた状態でも、スリットシャッタ210の係合突起部210Bと開閉用アーム216の先端部216Bとを係合させるには、例えば、係合突起部210Bを上述よりも長くする必要がある。
【0100】
また係る現金自動預払機は、硬貨出入口用シャッタ202を開くときには下側へ変位させてから移動させるため、その移動の際にスリットシャッタ210の係合突起部210Bがアクチュエータ215の本体部215Aに引っ掛からないように、開閉用アーム216を下側に伸ばしてアクチュエータ215の本体部215Aを上述よりも下げて配置する必要がある。
【0101】
このため、係る現金自動預払機では、異物の投入を極力防止することを実現するために、上述したシャッタ開閉部200の構成をもとにしたのでは、当該シャッタ開閉部200が大型化し、その結果、現金自動預払機も大型化するという問題があった。
【0102】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、硬貨取扱装置を小型化し得るシャッタ開閉装置、及びその硬貨取扱装置を提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0103】
かかる課題を解決するため本発明においては、表面の所定位置に裏面へ貫通する硬貨投入用のスリットが形成され、硬貨取扱装置のパネル板に形成された硬貨を投入するための開口部用のシャッタと、シャッタを、開口部に対して閉じた状態から少なくとも一部を裏面側へ変位させた後、当該シャッタの一端側へ移動させて開口部に対して開き、シャッタを、開口部に対して開いた状態から当該シャッタの他端側へ移動させた後、少なくとも一部を表面側へ変位させて開口部に対して閉じる開口部用シャッタ駆動部と、シャッタの裏面に変位可能に設けられたスリットシャッタと、シャッタを閉じた状態で一端と対向する位置に配置され、シャッタを閉じるために当該シャッタの少なくとも一部が表面側へ変位した場合のみスリットシャッタと係合するスリット用シャッタ駆動部とを設けるようにした。
【0104】
従って本発明では、シャッタ開閉装置の高さ方向の大きさを従来に比して大幅に小さくすることができる。
【発明の効果】
【0105】
本発明によれば、表面の所定位置に裏面へ貫通する硬貨投入用のスリットが形成され、硬貨取扱装置のパネル板に形成された硬貨を投入するための開口部用のシャッタと、シャッタを、開口部に対して閉じた状態から少なくとも一部を裏面側へ変位させた後、当該シャッタの一端側へ移動させて開口部に対して開き、シャッタを、開口部に対して開いた状態から当該シャッタの他端側へ移動させた後、少なくとも一部を表面側へ変位させて開口部に対して閉じる開口部用シャッタ駆動部と、シャッタの裏面に変位可能に設けられたスリットシャッタと、シャッタを閉じた状態で一端と対向する位置に配置され、シャッタを閉じるために当該シャッタの少なくとも一部が表面側へ変位した場合のみスリットシャッタと係合するスリット用シャッタ駆動部とを設けるようにしたことにより、シャッタ開閉装置の高さ方向の大きさを従来に比して大幅に小さくすることができ、かくして硬貨取扱装置を小型化し得るシャッタ開閉装置、及びその硬貨取扱装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0106】
図1】本発明による現金自動預払機の外観構成の一実施の形態を示す略線的斜視図である。
図2】現金自動預払機の内部構成を示す略線的側面図である。
図3】硬貨用シャッタ開閉部の構成(1)を示す略線的斜視図である。
図4】硬貨用シャッタ開閉部の構成(2)を示す略線的上面図である。
図5】出入口用シャッタ駆動部の構成(1)を示す略線的上面図である。
図6】出入口用シャッタ駆動部の構成(2)を示す略線的側面図である。
図7】出入口用シャッタ駆動部の構成(3)を示す略線的側面図である。
図8】前後移動左ガイド及び前後移動右ガイドの構成を示す略線的側面図である。
図9】上下変位左ガイド及び上下変位右ガイドの構成を示す略線的側面図である。
図10】硬貨出入口用シャッタを閉じた状態を示す略線的側面図である。
図11】硬貨出入口用シャッタを開いた状態を示す略線的側面図である。
図12】硬貨出入口用シャッタの開閉の説明に供する略線的側面図である。
図13】スリットシャッタ及びスリット用シャッタ駆動部の構成を示す略線的上面図である。
図14】硬貨出入口用シャッタを閉じた状態でのスリットシャッタとスリット用シャッタ駆動部との係合の説明に供する略線的側面図である。
図15】硬貨出入口用シャッタを開くときのスリットシャッタとスリット用シャッタ駆動部との係合の解除の説明に供する略線的側面図である。
図16】スリットシャッタの開閉の説明に供する略線的上面図である。
図17】硬貨投入位置通知部の構成を示す略線的上面図である。
図18】従来のスリットシャッタを有するシャッタ開閉部の構成を示す略線的側面図である。
図19】従来のシャッタ開閉部による硬貨出入口用シャッタの開閉の説明に供する略線的側面図である。
図20】従来のシャッタ開閉部によるスリットシャッタの開閉の説明に供する略線的上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0107】
以下図面を用いて、発明を実施するための最良の形態(以下、これを実施の形態とも呼ぶ)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
(1)実施の形態
(2)他の実施の形態
【0108】
(1)実施の形態
(1−1)現金自動預払機の外観構成
図1において、1は全体として本発明を適用した現金自動預払機の外観構成を示す。かかる現金自動預払機1は、略箱型の筐体(以下、これを預払機筐体とも呼ぶ)2を有している。
【0109】
因みに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印a1で示す左の方向を、預払機左方向とも呼び、当該預払機左方向とは逆の方向を、預払機右方向とも呼ぶ。
【0110】
そして、以下の説明では、預払機左方向及び預払機右方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機左右方向とも呼ぶ。
【0111】
また、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印b1で示す上の方向を、預払機上方向とも呼び、当該預払機上方向とは逆の方向を、預払機下方向とも呼ぶ。
【0112】
そして、以下の説明では、預払機上方向及び預払機下方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機上下方向とも呼ぶ。
【0113】
さらに、以下の説明では、現金自動預払機1を、預払機筐体2の前面2Aと対峙して見た場合の図中に矢印c1で示す手前の方向を、預払機前方向とも呼び、当該預払機前方向とは逆の方向を、預払機後方向とも呼ぶ。
【0114】
そして、以下の説明では、預払機前方向及び預払機後方向を特に区別する必要がない場合、これらをまとめて預払機前後方向とも呼ぶ。
【0115】
預払機筐体2の前上端部には、前面2Aよりも後面2B側に凹むように略L字状に形成されたフロントパネル3が設けられている。
【0116】
フロントパネル3において上側を向く上向パネル面3Aは、例えば、後端から前端にかけて徐々に下がるような傾斜面として形成されている。
【0117】
また上向パネル面3Aは、例えば、左後端部(すなわち、前向パネル面3Bの下端左寄りとの境界部分)に、大人の手が入る程度の大きさを有し、顧客が円形の硬貨を出金や入金用に出し入れするための略円形状の開口部(以下、これを硬貨出入口とも呼ぶ)3AXが形成されている。
【0118】
そして上向パネル面3Aは、硬貨出入口3AXの下側に、その硬貨出入口3AX用(すなわち、硬貨出入口3AXを開放及び閉塞するため)のシャッタ(以下、これを硬貨出入口用シャッタとも呼ぶ)5を有する硬貨用シャッタ開閉部が配置されている。
【0119】
硬貨出入口用シャッタ5は、表面(以下、これをシャッタ表面とも呼ぶ)5Aに、硬貨を1枚ずつ投入するためのスリット(以下、これを硬貨投入スリットとも呼ぶ)5AXが形成されている。
【0120】
また硬貨用シャッタ開閉部は、硬貨投入スリット5AX用(すなわち、硬貨投入スリット5AXを開放及び閉塞するため)のシャッタ(以下、これをスリットシャッタとも呼ぶ)も有している。
【0121】
さらに上向パネル面3Aには、例えば、右後端部(すなわち、前向パネル面3Bの下端右寄りとの境界部分)に、顧客が長方形の紙幣を出金や入金用に出し入れするための、預払機左右方向に長い略長方形状の開口部(以下、これを紙幣出入口とも呼ぶ)3AYが形成されている。
【0122】
そして上向パネル面3Aは、紙幣出入口3AYの下側に、その紙幣出入口3AY用(すなわち、紙幣出入口3AYを開放及び閉塞するため)のシャッタ(以下、これを紙幣出入口用シャッタとも呼ぶ)6を有する紙幣用シャッタ開閉部が配置されている。
【0123】
さらに上向パネル面3Aには、例えば、中央前端部に、種々の操作画像の表示及び表面へのタッチ操作が可能なタッチスクリーン7が配置されている。
【0124】
一方、フロントパネル3において前側を向く前向パネル面3Bは、例えば、下端部に凹部が形成されている。
【0125】
また前向パネル面3Bは、例えば、中央部の左寄り(すなわち、凹部の左上)に、取引の際、通帳を挿入させ、また当該通帳や取引明細書を排出するための通帳挿入排出口8が設けられている。
【0126】
さらに前向パネル面3Bは、例えば、中央部の右寄り(すなわち、凹部の右上)に、取引の際、キャッシュカードやクレジットカード等の種々のカードを挿入及び排出するためのカード挿入排出口9が設けられている。
【0127】
現金自動預払機1は、係る構成のもと、タッチスクリーン7に操作画像を表示すると共に、顧客によるタッチスクリーン7の表面へのタッチ操作に応じて、当該タッチスクリーン7に表示する操作画像を適宜切り換える。
【0128】
そして現金自動預払機1は、タッチスクリーン7に適宜切り換えて表示する操作画像によって、顧客に硬貨や紙幣の預け入れのような入金や、硬貨や紙幣の払い出しのような出金等の所望の取引の手順を案内する。
【0129】
これにより現金自動預払機1は、硬貨や紙幣の入金や出金の場合、顧客に、通帳挿入排出口8やカード挿入排出口9に通帳やカードを挿入させる。
【0130】
そのうえで、現金自動預払機1は、硬貨の入金の場合は、硬貨用シャッタ開閉部により硬貨出入口用シャッタ5又はスリットシャッタを開き、顧客に、硬貨出入口3AX又は硬貨投入スリット5AXに入金用の硬貨を投入させる。
【0131】
また現金自動預払機1は、硬貨の出金の場合は、硬貨用シャッタ開閉部により硬貨出入口用シャッタ5を開き、顧客に、硬貨出入口3AXから出金用の硬貨を取り出させる。
【0132】
さらに現金自動預払機1は、紙幣の入金の場合は、紙幣用シャッタ開閉部により紙幣出入口用シャッタ6を開き、顧客に、紙幣出入口3AYに入金用の紙幣を投入させる。
【0133】
さらにまた現金自動預払機1は、紙幣の出金の場合は、紙幣用シャッタ開閉部により紙幣出入口用シャッタ6を開き、顧客に、紙幣出入口3AYから出金用の紙幣を取り出させる。
【0134】
そして現金自動預払機1は、取引の終了の際には、顧客に、通帳挿入排出口8やカード挿入排出口9から排出した通帳や取引明細書、カードを受け取らせる。
【0135】
このようにして現金自動預払機1は、顧客が所望する硬貨や紙幣の入金や出金等の取引を行うことができる。
【0136】
(1−2)現金自動預払機の内部構成
次いで、現金自動預払機1の内部構成について説明する。因みに、以下には、現金自動預払機1の内部構成として便宜上、硬貨の入金及び出金に関する構成について説明し、紙幣の入金及び出金に関する構成については説明を省略する。
【0137】
図2に示すように、現金自動預払機1の預払機筐体2内には、例えば、左下端部に当該現金自動預払機1全体を統括制御する制御部20が配置されている。
【0138】
また預払機筐体2内には、上述のように上向パネル面3Aの硬貨出入口3AXの下に、硬貨出入口用シャッタ5を有する硬貨用シャッタ開閉部21が配置されている。
【0139】
さらに預払機筐体2内には、左中央端部(すなわち、硬貨用シャッタ開閉部21と制御部20との間)に、制御部20の制御のもと、硬貨の入金処理及び出金処理等を行う硬貨処理ユニット22が収納されている。
【0140】
硬貨処理ユニット22は、略箱型の筐体(以下、これをユニット筐体とも呼ぶ)23を有している。ユニット筐体23内には、例えば、上前端部(すなわち、閉状態の硬貨出入口用シャッタ5の真下となる位置)に、顧客から入金用の硬貨を受け取り、また顧客に出金用の硬貨を引き渡すための硬貨受皿25が配置されている。
【0141】
またユニット筐体23内には、硬貨受皿25の下側に硬貨分離部26が配置される共に、当該硬貨受皿25と硬貨分離部26との間の後寄りに鑑別部27が配置され、その鑑別部27の後側に複数の硬貨振分部28A乃至28Gが順に配置されている。
【0142】
さらにユニット筐体23内には、例えば、最も後に位置する硬貨振分部28Gを除く残りの複数の硬貨振分部28A乃至28Fの下に、それぞれ硬貨を金種別に一時的に保持する(すなわち、それぞれ特定の1金種の硬貨のみを一時的に保持する)一時保持部29A乃至29Fが配置されている。
【0143】
さらにユニット筐体23内には、複数の一時保持部29A乃至29Fの下に、それぞれ硬貨を金種別に収納する(すなわち、それぞれ特定の1金種の硬貨のみを収納する)ための硬貨収納庫30A乃至30Gが配置されている。
【0144】
さらにまたユニット筐体23内には、最も後に位置する硬貨振分部28Gの下に、補充回収用の硬貨を収納する補充回収庫31が着脱可能に装着されている。
【0145】
因みに、補充回収庫31は、補充回収用の硬貨を収納し得るものの、変形している硬貨や損傷している硬貨、金種を判別し得ない硬貨等のような異常な硬貨も、補充回収用の硬貨とは区別して収納し得るように形成されている。
【0146】
なお、以下の説明では、変形している硬貨や損傷している硬貨、金種を判別し得ない硬貨等のような異常な硬貨を、適宜、入金用及び出金用の硬貨とは区別してリジェクト硬貨とも呼ぶ。
【0147】
そしてユニット筐体23内には、硬貨受皿25及び硬貨分離部26間や、当該硬貨分離部26から鑑別部27及び複数の硬貨振分部28A乃至28Gを順次介した硬貨受皿25までの間、複数の硬貨収納庫30A乃至30G及び補充回収庫31と硬貨分離部26との間等に、搬送ベルトやシュータ等によって硬貨を搬送する搬送路32が形成されている。
【0148】
係る構成のもと、制御部20は、硬貨の入金時、例えば、その入金の取引を受け付けた時間帯に応じて、硬貨用シャッタ開閉部21により硬貨出入口用シャッタ5又はスリットシャッタの何れか一方を開く。
【0149】
すなわち、制御部20は、現金自動預払機1の運用形態に従い、昼間に硬貨の入金の取引を受け付けた場合は、硬貨用シャッタ開閉部21により硬貨出入口用シャッタ5を開く。
【0150】
そして制御部20は、硬貨出入口用シャッタ5を開いた場合は、顧客に入金用の1又は複数の硬貨を硬貨出入口3AXに投入させて、当該投入された硬貨を硬貨受皿25で受け取る。
【0151】
また制御部20は、現金自動預払機1の運用形態に従い、夜間に硬貨の入金の取引を受け付けた場合は、硬貨用シャッタ開閉部21によりスリットシャッタを開く。
【0152】
そして制御部20は、スリットシャッタを開いた場合は、顧客に入金用の1又は複数の硬貨を1枚ずつ硬貨投入スリット5AXに投入させて、当該投入された硬貨を硬貨受皿25で受け取る。
【0153】
このようにして制御部20は、硬貨受皿25によって入金用の硬貨を受け取ると、硬貨用シャッタ開閉部21により硬貨出入口用シャッタ5又はスリットシャッタを閉じたうえで、当該硬貨受皿25から入金用の硬貨を、搬送路32を介して硬貨分離部26へ搬送する。
【0154】
また制御部20は、硬貨分離部26により入金用の1又は複数の硬貨を1枚ずつ分離して繰り出し搬送路32を介して鑑別部27へ搬送して、当該鑑別部27において、その硬貨の金種や状態等を鑑別させる。
【0155】
その結果、制御部20は、鑑別部27から正常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、搬送路32及び複数の硬貨振分部28A乃至28Fを順次介して、その金種に応じた一時保持部29A乃至29Fへ搬送して一時的に保持させることにより、当該硬貨の入金を保留する。
【0156】
また制御部20は、鑑別部27から異常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、リジェクト硬貨として搬送路32及び複数の硬貨振分部28A乃至28Gを順次介して硬貨受皿25へ戻すように搬送する。
【0157】
そして制御部20は、硬貨用シャッタ開閉部21により硬貨出入口用シャッタ5を開いて、顧客に硬貨出入口3AXから硬貨受皿25上のリジェクト硬貨を取り出させるようにして返却する。
【0158】
このようにして制御部20は、鑑別部27において、硬貨出入口3AX又は硬貨投入スリット5AXに入金用として投入された硬貨が全て鑑別されると、正常であると鑑別された硬貨の総額(すなわち、入金の金額)を、タッチスクリーン7を介して顧客に提示する。
【0159】
その結果、制御部20は、入金の金額を確認した顧客によりタッチスクリーン7を介して硬貨の入金が指示されると、一時保持部29A乃至29Fから一時的に保持していた硬貨を例えば、落下させるようにして、対応する(すなわち、硬貨の金種に応じた)硬貨収納庫30A乃至30Fへ移して収納する。
【0160】
このようにして制御部20は、硬貨処理ユニット22において硬貨の入金処理を実行して、顧客の所望する取引としての硬貨の入金を行うことができる。
【0161】
そして制御部20は、このように硬貨の入金時には、入金用の硬貨の投入に硬貨出入口3AXと硬貨投入スリット5AXとを使い分けることで、硬貨出入口3AXへの異物の投入に起因する誤動作や動作停止に迅速には対処させ難いような場合(すなわち、時間帯)に、その異物の投入を極力防止することができる。
【0162】
一方、制御部20は、硬貨の出金時、例えば、顧客によりタッチスクリーン7を介して出金の金額が指定されると、複数の硬貨収納庫30A乃至30Fから、顧客により指定された金額分の硬貨を出金用として1枚ずつ繰り出す。
【0163】
この際、制御部20は、複数の硬貨収納庫30A乃至30Fから1枚ずつ繰り出した出金用の硬貨を、搬送路32を介して硬貨分離部26へ搬送する。
【0164】
また制御部20は、硬貨分離部26により出金用の1又は複数の硬貨を1枚ずつ分離して繰り出し搬送路32を介して鑑別部27へ搬送して、当該鑑別部27において、その硬貨の金種や状態等を鑑別させる。
【0165】
その結果、制御部20は、鑑別部27から正常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、搬送路32及び複数の硬貨振分部28A乃至28Gを順次介して硬貨受皿25へ搬送する。
【0166】
ただし、制御部20は、この際、鑑別部27から異常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、リジェクト硬貨として搬送路32及び複数の硬貨振分部28A乃至28Gを順次介して補充回収庫31へ搬送して収納する。
【0167】
これにより制御部20は、出金処理中に発見されたリジェクト硬貨については、その後の出金には用いないようにする。
【0168】
そして制御部20は、硬貨受皿25へ、出金用に指定された金額分の硬貨を搬送し終えると、硬貨用シャッタ開閉部21により硬貨出入口用シャッタ5を開く。
【0169】
これにより制御部20は、顧客に硬貨出入口3AXから硬貨受皿25上の出金用の硬貨(すなわち、出金用に指定された金額分の硬貨)を取り出させるようにして引き渡した後、硬貨用シャッタ開閉部21により硬貨出入口用シャッタ5を閉じる。
【0170】
このようにして制御部20は、硬貨処理ユニット22において硬貨の出金処理を実行して、顧客の所望する取引としての硬貨の出金を行うことができる。
【0171】
因みに、制御部20は、硬貨の補充時、補充回収庫31から補充用の複数の硬貨を繰り出し搬送路32を介して硬貨分離部26へ搬送する。
【0172】
また制御部20は、硬貨分離部26により補充用の複数の硬貨を1枚ずつ分離して繰り出し搬送路32を介して鑑別部27へ搬送して、当該鑑別部27において、その硬貨の金種や状態等を鑑別させる。
【0173】
その結果、制御部20は、鑑別部27から正常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、搬送路32及び複数の硬貨振分部28A乃至28Fを順次介して、その金種に応じた一時保持部29A乃至29Fへ搬送して一時的に保持させる。
【0174】
このようにして制御部20は、複数の一時保持部29A乃至29Fにおいて例えば、一時的に保持している補充用の硬貨が所定枚数に達すると、これら複数の一時保持部29A乃至29Fから、その補充用の硬貨を落下させるようにして、対応する(すなわち、硬貨の金種に応じた)硬貨収納庫30A乃至30Fへ移して収納する。
【0175】
因みに、制御部20は、この際、鑑別部27から異常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、リジェクト硬貨として搬送路32及び複数の硬貨振分部28A乃至28Gを順次介して補充回収庫31へ戻すように搬送して収納する。
【0176】
これにより制御部20は、補充処理中に発見されたリジェクト硬貨については、複数の硬貨収納庫30A乃至30Fへの補充には用いないようにする。
【0177】
このようにして制御部20は、硬貨処理ユニット22において硬貨の補充処理を実行して、複数の硬貨収納庫30A乃至30Fに出金に用いる硬貨を補充することができる。
【0178】
また制御部20は、硬貨の回収時、複数の硬貨収納庫30A乃至30Fから回収用の複数の硬貨を繰り出し搬送路32を介して硬貨分離部26へ搬送する。
【0179】
制御部20は、この際、硬貨分離部26により回収用の複数の硬貨を1枚ずつ分離して繰り出し搬送路32を介して鑑別部27へ搬送して、当該鑑別部27において、その硬貨の金種や状態等を鑑別させる。
【0180】
その結果、制御部20は、鑑別部27から正常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、搬送路32及び複数の硬貨振分部28A乃至28Gを順次介して補充回収庫31へ搬送して回収用として収納する。
【0181】
因みに、制御部20は、この際、鑑別部27から異常であると鑑別されて繰り出された硬貨については、リジェクト硬貨として搬送路32及び複数の硬貨振分部28A乃至28Gを順次介して補充回収庫31へ戻すように搬送して、回収用の硬貨とは区別して収納する。
【0182】
このようにして制御部20は、硬貨処理ユニット22において硬貨の回収処理を実行して、複数の硬貨収納庫30A乃至30Fから硬貨を回収することができる。
【0183】
(1−3)硬貨用シャッタ開閉部の構成
次いで、硬貨出入口用シャッタ5を有する硬貨用シャッタ開閉部21の構成について説明する。図3及び図4に示すように、硬貨用シャッタ開閉部21は、シャッタフレーム40を有している。
【0184】
シャッタフレーム40は、例えば、硬貨出入口用シャッタ5の横幅とほぼ等しい間隔で平行に並べられた略短冊状の左底板40A及び右底板40Bを有している。
【0185】
またシャッタフレーム40は、例えば、略コ字状の連結板40Cを有し、当該連結板40Cの左板部40CXの下端を左底板40Aの左端の後寄りに接合すると共に、右板部40CYの下端を右底板40Bの右端の後寄りに接合するようにして形成されている。
【0186】
因みに、以下の説明では、シャッタフレーム40において左底板40Aを、フレーム左底板40Aとも呼び、右底板40Bを、フレーム右底板40Bとも呼び、連結板40Cを、フレーム連結板40Cとも呼ぶ。
【0187】
そしてシャッタフレーム40は、例えば、フレーム左底板40A及びフレーム右底板40Bの長手方向を預払機前後方向と平行にした姿勢で、当該フレーム左底板40Aの前端部を硬貨出入口3AXの左斜め下に位置させ、かつフレーム右底板40Bの前端部を硬貨出入口3AXの右斜め下に位置させ、フレーム連結板40Cの上板部40CZを硬貨出入口3AXの後側に位置させるようにして配置されている。
【0188】
また図3乃至図7に示すように、シャッタフレーム40には、フレーム左底板40A及びフレーム右底板40Bに、硬貨出入口用シャッタ5を開閉するための出入口用シャッタ駆動部42が設けられている。
【0189】
出入口用シャッタ駆動部42は、所定長さの略角柱状の左ラック43及び右ラック44と、当該左ラック43及び右ラック44よりも長い略蒲鉾状の左レール45及び右レール46とを有している。
【0190】
因みに、以下の説明では、左ラック43及び右ラック44の長手方向を、何れもラック長手方向とも呼ぶ。
【0191】
また、以下の説明では、左レール45及び右レール46において、その長手方向を、レール長手方向とも呼び、当該レール長手方向の一端から他端までの凸状の面(すなわち、断面が円弧状の面)を、レール表面とも呼ぶ。
【0192】
左レール45は、フレーム左底板40Aの上面の左端寄りに、レール長手方向を預払機前後方向と平行にし、かつレール表面を預払機上方向へ突出させるようにして配置されている。
【0193】
左ラック43の一面には、一方の側面側に一端から他端(すなわち、ラック長手方向の一端から他端)に亘って、ギアの歯と歯合可能な複数の歯43Aが順に形成されている。
【0194】
また左ラック43の他面には、一方の側面側(すなわち、一面の複数の歯43Aの裏側の部分)に一端から他端に亘って、左レール45に対応する摺動溝43Bがラック長手方向と平行に形成されている。
【0195】
さらに左ラック43は、他方の側面に一端から他端に亘って、ラック長手方向と平行な直線状のガイド溝43Cが形成されている。
【0196】
そして左ラック43は、一面(すなわち、複数の歯43A)を預払機上方向へ向け、かつ他方の側面(すなわち、ガイド溝43C)を預払機左方向へ向けた姿勢で、摺動溝43Bを左レール45に嵌合させている。
【0197】
これにより左ラック43は、フレーム左底板40Aの上面に、左レール45を介して預払機前後方向へ摺動可能に配置されている。
【0198】
因みに、以下の説明では、左ラック43において預払機右方向へ向いた一方の側面を、右側面とも呼ぶ。
【0199】
また右レール46は、フレーム右底板40Bの上面の右端寄りに、レール長手方向を預払機前後方向と平行にし、レール表面を預払機上方向へ突出させるようにして配置されている。
【0200】
右ラック44は、左ラック43と同様に構成されている。すなわち、右ラック44の一面には、一方の側面側に一端から他端(すなわち、ラック長手方向の一端から他端)に亘って、複数の歯44Aが順に形成されている。
【0201】
また右ラック44の他面には、一方の側面側(すなわち、一面の複数の歯44Aの裏側の部分)に一端から他端に亘って、右レール46に対応する摺動溝44Bがラック長手方向と平行に形成されている。
【0202】
さらに右ラック44は、他方の側面に一端から他端に亘って、ラック長手方向と平行な直線状のガイド溝44Cが形成されている。
【0203】
ただし、右ラック44は、左ラック43とは面対称となるように、一面(すなわち、複数の歯44A)を預払機上方向へ向け、かつ他方の側面(すなわち、ガイド溝44C)を預払機右方向へ向けた姿勢で、摺動溝44Bを右レール46に嵌合させている。
【0204】
これにより右ラック44は、フレーム右底板40Bの上面に、右レール46を介して預払機前後方向へ摺動可能に配置されている。
【0205】
因みに、以下の説明では、右ラック44において預払機左方向へ向いた一方の側面を、左側面とも呼ぶ。
【0206】
またフレーム左底板40Aは、上面の左端においてフレーム連結板40Cの左板部40CXの接合位置よりも前側に、左ラック43の高さよりも高い軸支持板(以下、これを軸左支持板とも呼ぶ)40AXが垂設されている。
【0207】
すなわち、フレーム左底板40Aは、上面において左ラック43よりも左側に、当該左ラック43の高さよりも高い軸左支持板40AXが垂設されている。
【0208】
軸左支持板40AXは、右側面において左ラック43の上側となる所定位置に、ギア支持軸(以下、これをギア左支持軸とも呼ぶ)48が、その根元部を接合するようにして垂設されている。
【0209】
そしてギア左支持軸48は、先端部にラック用左ギア49を、その中心に穿設された孔部を介して、図中に矢印d1で示す前回り方向、及びこれとは逆の後回り方向へ回動可能に支持している。
【0210】
これによりギア左支持軸48は、ラック用左ギア49を左ラック43に歯合(すなわち、ラック用左ギア49の歯を左ラック43の歯43Aに係合)させている。
【0211】
因みに、図中に矢印d1で示す前回り方向は、預払機左右方向と平行な軸を回転中心とした場合の反時計回り方向であり、後回り方向は、当該預払機左右方向と平行な軸を回転中心とした場合の時計回り方向である。
【0212】
さらにフレーム右底板40Bは、上面の右端においてフレーム連結板40Cの右板部40CYの接合位置よりも前側に、右ラック44の高さよりも高い軸支持板(以下、これを軸右支持板とも呼ぶ)40BXが垂設されている。
【0213】
すなわち、フレーム右底板40Bは、上面において右ラック44よりも右側に、当該右ラック44の高さよりも高い軸右支持板40BXが垂設されている。
【0214】
軸右支持板40BXは、ギア左支持軸48と対向する位置(すなわち、右ラック44の上側となる所定位置)に、ギア支持軸(以下、これをギア右支持軸とも呼ぶ)50が、その根元部を接合するようにして垂設されている。
【0215】
そしてギア右支持軸50は、先端部にラック用右ギア51を、その中心に穿設された孔部を介して前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0216】
これによりギア右支持軸50は、ラック用右ギア51を右ラック44に歯合(すなわち、ラック用右ギア51の歯を右ラック44の歯44Aに係合)させている。
【0217】
また軸左支持板40AX及び軸右支持板40BXは、ギア左支持軸48及びギア右支持軸50の接合位置よりも前斜め上の対向位置に、1本のギア駆動軸52を預払機左右方向と平行にして前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0218】
ギア駆動軸52は、左端部においてラック用左ギア49の前斜め上の位置に左駆動ギア53が、その中心に穿設された孔部を介して固定され、当該左駆動ギア53をラック用左ギア49に歯合させている。
【0219】
またギア駆動軸52は、右端部においてラック用右ギア51の前斜め上の位置に右駆動ギア54が、その中心に穿設された孔部を介して固定され、当該右駆動ギア54をラック用右ギア51に歯合させている。
【0220】
さらにギア駆動軸52は、右端部において軸右支持板40BX及び右ラック44の間隙と対向する位置にアイドルギア55が、その中心に穿設された孔部を介して固定されている。
【0221】
これに加えて軸右支持板40BXは、左側面においてギア駆動軸52の右端の前斜め下に、軸挿通孔部が穿設されている。
【0222】
また軸右支持板40BXは、シャッタ駆動モータ57の出力軸57Aを預払機左右方向と平行にして右側面から軸挿通孔部に挿通するようにして、当該右側面にシャッタ駆動モータ57の本体部57Bが取り付けられている。
【0223】
そしてシャッタ駆動モータ57は、出力軸57Aにおいて軸右支持板40BXの左側面から突出している先端部にモータギア58が、その中心に穿設された孔部を介して固定され、当該モータギア58をアイドルギア55に歯合させている。
【0224】
よって出入口用シャッタ駆動部42は、制御部20の制御のもと、シャッタ駆動モータ57が動作して出力軸57Aが前回り方向へ回転した場合、その回転に連動させてギア駆動軸52と共に左駆動ギア53及び右駆動ギア54を後回り方向へ回転させると共に、ラック用左ギア49及びラック用右ギア51を逆の前回り方向へ回転させる。
【0225】
これにより出入口用シャッタ駆動部42は、この際、シャッタ駆動モータ57の出力軸57Aの前回り方向への回転に応じて、左ラック43及び右ラック44を左レール45及び右レール46を介して預払機後方向へ摺動させることができる。
【0226】
また出入口用シャッタ駆動部42は、制御部20の制御のもと、シャッタ駆動モータ57が動作して出力軸57Aが後回り方向へ回転した場合、その回転に連動させてギア駆動軸52と共に左駆動ギア53及び右駆動ギア54を前回り方向へ回転させると共に、ラック用左ギア49及びラック用右ギア51を逆の後回り方向へ回転させる。
【0227】
これにより出入口用シャッタ駆動部42は、この際、シャッタ駆動モータ57の出力軸57Aの後回り方向への回転に応じて、左ラック43及び右ラック44を左レール45及び右レール46を介して預払機前方向へ摺動させることができる。
【0228】
このようにして出入口用シャッタ駆動部42は、制御部20の制御のもと、左ラック43及び右ラック44を、硬貨出入口用シャッタ5を閉じるための前側の所定位置から当該硬貨出入口用シャッタ5を開くための後側の所定位置までの可動範囲で預払機前方向及び預払機後方向へ摺動させる。
【0229】
因みに、以下の説明では、硬貨出入口用シャッタ5を開閉するための左ラック43及び右ラック44の可動範囲を、開閉用ラック可動範囲とも呼ぶ。
【0230】
また、以下の説明では、硬貨出入口用シャッタ5を閉じるために、開閉用ラック可動範囲において左ラック43及び右ラック44を位置させる前側の所定位置を、可動範囲前端位置とも呼ぶ。
【0231】
さらに、以下の説明では、硬貨出入口用シャッタ5を開くために、開閉用ラック可動範囲において左ラック43及び右ラック44を位置させる後側の所定位置を、可動範囲後端位置とも呼ぶ。
【0232】
ただし、軸左支持板40AXは、右側面の中央部及び後端部に、一対のローラ支持軸60、61が預払機後方向に沿って並べるようにして垂設されている。
【0233】
そして一対のローラ支持軸60、61は、それぞれ先端部にガイドローラ62、63を前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持して、当該ガイドローラ62、63を左ラック43のガイド溝43Cに挿入している。
【0234】
また軸右支持板40BXは、左側面の中央部及び後端部に、一対のローラ支持軸64、65が預払機後方向に沿って並べるようにして垂設されている。
【0235】
そして一対のローラ支持軸64、65は、それぞれ先端部にガイドローラ66、67を前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持して、当該ガイドローラ66、67を右ラック44のガイド溝44Cに挿入している。
【0236】
これにより出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44を左レール45及び右レール46を介して預払機前後方向へ摺動させる際、ガイド溝43C、44Cに挿入しているガイドローラ62、63、66、67により、当該左ラック43及び右ラック44の姿勢が変化することを防止している。
【0237】
よって出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44を左レール45及び右レール46を介して預払機前後方向へ摺動させている途中に、当該左ラック43及び右ラック44が預払機左方向や預払機右方向へ傾いて、意図せずに摺動速度が低下し、又は停止することを防止することができる。
【0238】
また出入口用シャッタ駆動部42(図4)は、硬貨出入口用シャッタ5の預払機前後方向の移動をガイドするための略T字平板状の前後移動左ガイド70及び前後移動右ガイド71を有している。
【0239】
さらに出入口用シャッタ駆動部42(図4)は、硬貨出入口用シャッタ5の後端部に対する上側及び下側への(すなわち、硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ表面5A側及び裏面側への)変位をガイドするための略L字平板状の上下変位左ガイド72及び上下変位右ガイド73も有している。因みに、以下の説明では、硬貨出入口用シャッタ5の裏面を、シャッタ裏面とも呼ぶ。
【0240】
前後移動左ガイド70は、例えば、フレーム左底板40Aの上面の右前隅から右後隅寄りの所定位置までに亘って、預払機前後方向に長い略短冊状の肩部70Aを下側に位置させ、かつ略四角平板状の胴体部70Bを上側に位置させた姿勢で垂設されている。
【0241】
すなわち、前後移動左ガイド70は、フレーム左底板40Aの上面において左ラック43よりも右側(すなわち、左ラック43及び右ラック44の内側)に配置されている。
【0242】
図8に示すように、前後移動左ガイド70は、右側面において肩部70Aの前端中央部の近傍から後端中央部までに亘り預払機前後方向と平行な前後移動ガイド溝70AXが形成され、当該後端中央部で前後移動ガイド溝70AXの後端70AYを開放している。
【0243】
因みに、以下の説明では、前後移動ガイド溝70AXの開放されている後端70AYを、移動ガイド溝開放端70AYとも呼ぶ。
【0244】
また、以下の説明では、前後移動ガイド溝70AXにおいて移動ガイド溝開放端70AYから見て前側の最も奥となる前端を、移動ガイド溝先端70AZとも呼ぶ。
【0245】
ところで、前後移動左ガイド70は、胴体部70Bが肩部70Aの中央部よりも後端寄りに位置している。
【0246】
そして前後移動左ガイド70は、右側面において胴体部70Bの上端中央部の近傍から真下へ、前後移動ガイド42AXの幅と等しい幅の後側分岐溝70BXが形成され、当該後側分岐溝70BXの下端が前後移動ガイド溝70AXの対向位置に繋げられている。
【0247】
また前後移動左ガイド70は、肩部70Aの上縁の中央部よりも前側の所定位置に、胴体部70Bの高さよりも低い分岐溝用凸部70Cが設けられている。
【0248】
そして前後移動左ガイド70は、分岐溝用凸部70Cの上端から真下へ、前後移動ガイド42AXの幅と等しい幅の切欠が、前側分岐溝70CXとして形成され、当該前側分岐溝70CXの下端が前後移動ガイド溝70AXの対向位置に繋げられている。
【0249】
また前後移動右ガイド71(図4)は、例えば、フレーム右底板40Bの上面の左前隅から左後隅寄りの所定位置までに亘って、預払機前後方向に長い略短冊状の肩部71Aを下側に位置させ、かつ略四角平板状の胴体部71Bを上側に位置させた姿勢で垂設されている。
【0250】
すなわち、前後移動右ガイド71は、フレーム右底板40Bの上面において右ラック44よりも左側(すなわち、左ラック43及び右ラック44の内側)に配置されている。
【0251】
前後移動右ガイド71(図8)は、前後移動左ガイド70と同様に構成されており、左側面において肩部71Aに、移動ガイド溝先端71AZから移動ガイド溝開放端71AYまでの預払機前後方向と平行な前後移動ガイド溝71AXが形成されている。
【0252】
また前後移動右ガイド71は、左側面において胴体部71Bに形成された後側分岐溝71BXの下端と、分岐溝用凸部71Cに形成された前側分岐溝71CXの下端とが前後移動ガイド溝71AXのそれぞれ対向位置に繋げられている。
【0253】
さらに上下変位左ガイド72(図4)は、例えば、フレーム左底板40Aの上面において前後移動左ガイド70の後端部の左側に、略短冊状の肩部72Aを下側に位置させ、かつ略四角平板状の腕部72Bを上側に位置させた姿勢で垂設されている。
【0254】
すなわち、上下変位左ガイド72は、フレーム左底板40Aの上面において前後移動左ガイド70と左ラック43との間に配置されている。
【0255】
上下変位左ガイド72は、腕部72Bが肩部72Aの前端部の上に位置し、前後移動左ガイド70の胴体部70Bと対向している。
【0256】
そして図9に示すように、上下変位左ガイド72は、右側面において腕部72Bの上端中央部の近傍から肩部72Aの後端中央部までに亘り、当該上下変位左ガイド72の形状に沿った略L字状の上下変位ガイド溝72Cが形成され、当該肩部72Aの後端中央部で上下変位ガイド溝72Cの後端42CXを開放している。
【0257】
因みに、以下の説明では、上下変位ガイド溝72Cの開放されている後端42CXを、変位ガイド溝開放端72CXとも呼ぶ。
【0258】
また、以下の説明では、上下変位ガイド溝72Cにおいて変位ガイド溝開放端72CXから見て最も奥となる上端72CYを、変位ガイド溝上端72CYとも呼ぶ。
【0259】
ところで、上下変位左ガイド72は、上下変位ガイド溝72Cが肩部72Aと腕部72Bとの接合部分では、緩やかなカーブを描くように鈍角で段階的に屈曲させて、又は弓形状に形成されている。
【0260】
また上下変位左ガイド72は、上下変位ガイド溝72Cが肩部72Aの部分では預払機前後方向と平行で、フレーム左底板40Aの上面から当該上下変位ガイド溝72Cのセンタまでの高さが、そのフレーム左底板40Aの上面から上述の前後移動ガイド溝70AXのセンタまでの高さと等しくなるように形成されている。
【0261】
さらに上下変位右ガイド73(図4)は、フレーム右底板40Bの上面において前後移動右ガイド71の後端部の左側に、略短冊状の肩部73Aを下側に位置させ、かつ略四角平板状の腕部73Bを上側に位置させた姿勢で垂設されている。
【0262】
すなわち、上下変位右ガイド73は、フレーム右底板40Bの上面において前後移動右ガイド71と右ラック44との間に配置されている。
【0263】
上下変位右ガイド73は、肩部73Aの前端部の上に位置する腕部73Bが、前後移動右ガイド71の胴体部71Bと対向している。
【0264】
そして上下変位右ガイド73(図9)は、上下変位左ガイド72と同様に構成されており、左側面に当該上下変位右ガイド73の形状に沿った、変位ガイド溝上端73CYから変位ガイド溝開放端73CXまでの上下変位ガイド溝73Cが形成されている。
【0265】
また上下変位右ガイド73は、上下変位ガイド溝73Cが肩部73Aの部分では預払機前後方向と平行で、フレーム右底板40Bの上面から当該上下変位ガイド溝73Cのセンタまでの高さが、そのフレーム右底板40Bの上面から上述の前後移動ガイド溝71AXのセンタまでの高さと等しくなるように形成されている。
【0266】
一方、硬貨出入口用シャッタ5(図3及び図4)は、例えば、略四角平板状に形成され、一面の前端寄りに硬貨出入口3AXに対応する略円形状の凸部(以下、これをシャッタ凸部とも呼ぶ)5AYが設けられている。
【0267】
硬貨出入口用シャッタ5は、一面から突出しているシャッタ凸部5AYの表面がほぼ平坦に形成されており、当該表面が上述したシャッタ表面5Aとなる。
【0268】
因みに、以下の説明では、硬貨出入口用シャッタ5の一面においてシャッタ凸部5AYの周囲の部分(すなわち、シャッタ表面5Aよりも一段低い部分)を、段差面5AZとも呼ぶ。
【0269】
そして硬貨出入口用シャッタ5は、シャッタ凸部5AYの高さ(すなわち、段差面5AZからシャッタ表面5Aまでの長さ)が、現金自動預払機1の上向パネル面3Aを形成する(すなわち、表面が上向パネル面3Aとなる)パネル板の厚さとほぼ等しく選定されている。
【0270】
因みに、以下の説明では、現金自動預払機1の上向パネル面3Aを形成するパネル板を、上向パネル板とも呼ぶ。
【0271】
また硬貨出入口用シャッタ5は、左側面5Bの前端寄りの所定位置及び中央部の所定位置にそれぞれ同一の所定長さのローラ支持軸(図示せず)が垂設されている。
【0272】
さらに硬貨出入口用シャッタ5は、左側面5Bの後端寄りの所定位置に、前側の2本のローラ支持軸よりも長い所定長さのローラ支持軸80が垂設されている。
【0273】
因みに、以下の説明では、硬貨出入口用シャッタ5の左側面5Bにおいて前端寄りの所定位置に垂設されたローラ支持軸を、左前ローラ支持軸とも呼び、中央部の所定位置に垂設されたローラ支持軸を、左中央ローラ支持軸とも呼び、後端寄りの所定位置に垂設されたローラ支持軸80を、左後ローラ支持軸80とも呼ぶ。
【0274】
さらに硬貨出入口用シャッタ5は、右側面5Cの前端寄りの所定位置及び中央部の所定位置にも、それぞれ同一の所定長さのローラ支持軸81、82が垂設されている。
【0275】
さらに硬貨出入口用シャッタ5は、右側面5Cの後端寄りの所定位置に、前側の2本のローラ支持軸81、82よりも長い所定長さのローラ支持軸83が垂設されている。
【0276】
因みに、以下の説明では、硬貨出入口用シャッタ5の右側面5Cにおいて前端寄りの所定位置に垂設されたローラ支持軸81を、右前ローラ支持軸81とも呼び、中央部の所定位置に垂設されたローラ支持軸82を、右中央ローラ支持軸82とも呼び、後端寄りの所定位置に垂設されたローラ支持軸83を、右後ローラ支持軸83とも呼ぶ。
【0277】
そして硬貨出入口用シャッタ5は、左前ローラ支持軸、左中央ローラ支持軸及び左後ローラ支持軸80にそれぞれガイドローラ84乃至86を、これらの中心に穿設された孔部を介して前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0278】
因みに、以下の説明では、硬貨出入口用シャッタ5において左前ローラ支持軸に回動可能に支持されたガイドローラ84を、左前ガイドローラ84とも呼び、左中央ローラ支持軸に回動可能に支持されたガイドローラ85を、左中央ガイドローラ85とも呼び、左後ローラ支持軸80に回動可能に支持されたガイドローラ86を、左後ガイドローラ86とも呼ぶ。
【0279】
また硬貨出入口用シャッタ5は、右前ローラ支持軸81、右中央ローラ支持軸82及び右後ローラ支持軸83にもそれぞれガイドローラ87乃至89を、これらの中心に穿設された孔部を介して前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0280】
因みに、以下の説明では、硬貨出入口用シャッタ5において右前ローラ支持軸81に回動可能に支持されたガイドローラ87を、右前ガイドローラ87とも呼び、右中央ローラ支持軸82に回動可能に支持されたガイドローラ88を、右中央ガイドローラ88とも呼び、右後ローラ支持軸83に回動可能に支持されたガイドローラ89を、右後ガイドローラ89とも呼ぶ。
【0281】
そして硬貨出入口用シャッタ5は、前後移動左ガイド70の前後移動ガイド溝70AXに、左前ガイドローラ84、左中央ガイドローラ85及び左後ガイドローラ86が挿入されている。
【0282】
また硬貨出入口用シャッタ5は、前後移動右ガイド71の前後移動ガイド溝71AXに、右前ガイドローラ87、右中央ガイドローラ88及び右後ガイドローラ89が挿入されている。
【0283】
これにより出入口用シャッタ駆動部42は、前後移動左ガイド70及び前後移動右ガイド71を介して硬貨出入口用シャッタ5を預払機前後方向へ移動可能に支持している。
【0284】
また硬貨出入口用シャッタ5は、左後ローラ支持軸80の長さが、当該左後ローラ支持軸80の先端部を、上下変位左ガイド72よりも左側へ位置させるように選定されている。
【0285】
そして硬貨出入口用シャッタ5は、左後ローラ支持軸80の先端部に例えば、略レーストラック状の左連結板92を、当該左連結板92の一面の一端部に穿設された軸支持孔部を介して前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0286】
さらに左連結板92は、一面の他端部にも軸支持孔部が穿設され、他面側から、その軸支持孔部に左連結軸93の先端部が挿入されている。
【0287】
これにより左連結板92は、他端部の軸支持孔部を介して左連結軸93を、預払機左右方向と平行にし、かつ当該左連結軸93の根元部を他面側(すなわち、左連結板92の左側)へ突出させた姿勢で前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0288】
さらにまた左ラック43は、右側面の例えば、後端寄りの所定位置に軸支持孔部が穿設され、当該軸支持孔部に左連結軸93の根元部が挿入されている。
【0289】
これにより左ラック43は、右側面の軸支持孔部を介して左連結軸93を預払機左右方向と平行にした姿勢で前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0290】
このようにして硬貨出入口用シャッタ5は、左側面5Bの左後ローラ支持軸80が、左連結板92及び左連結軸93を順次介して左ラック43に連結されている。
【0291】
また硬貨出入口用シャッタ5は、右後ローラ支持軸83の長さが、当該右後ローラ支持軸83の先端部を、上下変位右ガイド73よりも右側へ位置させるように選定されている。
【0292】
そして硬貨出入口用シャッタ5は、右後ローラ支持軸83の先端部に、左連結板92と同様構成の右連結板94を、その一端部の軸支持孔部を介して前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0293】
さらに右連結板94は、他面側から他端部の軸支持孔部に右連結軸95の先端部が挿入されている。
【0294】
これにより右連結板94は、他端部の軸支持孔部を介して右連結軸95を、預払機左右方向と平行にし、かつ当該右連結軸95の根元部を他面側(すなわち、右連結板94の右側)へ突出させた姿勢で前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0295】
さらにまた右ラック44は、左側面の例えば、後端寄りの所定位置に軸支持孔部が穿設され、当該軸支持孔部に右連結軸95の根元部が挿入されている。
【0296】
これにより右ラック44は、左側面の軸支持孔部を介して右連結軸95を預払機左右方向と平行にした姿勢で前回り方向及び後回り方向へ回動可能に支持している。
【0297】
このようにして硬貨出入口用シャッタ5は、右側面5Cの右後ローラ支持軸83が、右連結板94及び右連結軸95を順次介して右ラック44に連結されている。
【0298】
よって出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44の預払機前後方向への摺動に連動させて硬貨出入口用シャッタ5を動かして開閉することができる。
【0299】
図10(A)及び(B)並びに図11(A)及び(B)に示すように、実際に出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44を可動範囲前端位置に停止させた場合、当該左ラック43及び右ラック44をフレーム左底板40Aの上面内及びフレーム右底板40Bの上面内に位置させる。
【0300】
そして出入口用シャッタ駆動部42は、その左ラック43及び右ラック44の間で、硬貨出入口用シャッタ5を前端部よりも後端部を上にした傾斜姿勢(すなわち、上向パネル面3Aと平行な傾斜姿勢)にして出入口用シャッタ閉位置に位置させる。
【0301】
これにより出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口3AXに硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ凸部5AYを下側から差し込むようにして嵌合させて、シャッタ表面5Aを上向パネル面3Aと面一にし、かつ段差面5AZを上向パネル板において硬貨出入口3AXの周囲のパネル裏面に近接させて、当該硬貨出入口3AXに対し硬貨出入口用シャッタ5を閉じる。
【0302】
このようにして硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じた場合、シャッタフレーム40の配置スペース内に当該硬貨出入口用シャッタ5を左ラック43及び右ラック44と共に位置させるようにして全体を一体化することができる。
【0303】
ところで、出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じた場合、当該硬貨出入口用シャッタ5の傾斜姿勢に応じて、前後移動左ガイド70において前後移動ガイド溝70AXの移動ガイド溝先端70AZに左前ガイドローラ84を近接させ、前側分岐溝70CX内及び後側分岐溝70BX内に左中央ガイドローラ85及び左後ガイドローラ86を位置させている。
【0304】
また出入口用シャッタ駆動部42は、前後移動右ガイド71において前後移動ガイド溝71AXの移動ガイド溝先端71AZに右前ガイドローラ87を近接させ、前側分岐溝71CX内及び後側分岐溝71BX内に右中央ガイドローラ88及び右後ガイドローラ89を位置させている。
【0305】
さらに出入口用シャッタ駆動部42は、上下変位左ガイド72の上下変位ガイド溝72Cに左後ローラ支持軸80を挿入すると共に、上下変位右ガイド73の上下変位ガイド溝73Cに右後ローラ支持軸83を挿入している。
【0306】
そして出入口用シャッタ駆動部42は、例えば、左連結板92を後斜め上方向と平行な傾斜姿勢にして、上下変位左ガイド72の変位ガイド溝上端72CYに左後ローラ支持軸80を近接させると共に、左連結軸93を当該左後ローラ支持軸80の前斜め下に位置させている。
【0307】
また出入口用シャッタ駆動部42は、例えば,右連結板94も後斜め上方向と平行な傾斜姿勢にして、上下変位右ガイド73の変位ガイド溝上端73CYに右後ローラ支持軸83を近接させると共に、右連結軸95を当該右後ローラ支持軸83の前斜め下に位置させている。
【0308】
出入口用シャッタ駆動部42は、このように硬貨出入口用シャッタ5を閉じた状態から開く場合、制御部20の制御のもと、左ラック43及び右ラック44を左レール45及び右レール46を介して可動範囲前端位置から預払機後方向の可動範囲後端位置まで摺動させる。
【0309】
よって出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43の預払機後方向への摺動に伴い、左連結軸93を預払機後方向へ移動させながら、当該左連結軸93を中心にして左連結板92を前回り方向へ回転させるようにして、上下変位左ガイド72の上下変位ガイド溝72C内で左後ローラ支持軸80を変位ガイド溝上端72CYから下側へ移動させる。
【0310】
また出入口用シャッタ駆動部42は、右ラック44の預払機後方向への摺動に伴い、右連結軸95も預払機後方向へ移動させながら、当該右連結軸95を中心にして右連結板94を前回り方向へ回転させるようにして、上下変位右ガイド73の上下変位ガイド溝73C内で右後ローラ支持軸83を変位ガイド溝上端73CYから下側へ移動させる。
【0311】
さらに出入口用シャッタ駆動部42は、この際、左後ローラ支持軸80の下側への移動に応じて、前後移動左ガイド70において前後移動ガイド溝70AXの移動ガイド溝先端70AZに左前ガイドローラ84を近接させたまま、前側分岐溝70CX内及び後側分岐溝70BX内の左中央ガイドローラ85及び左後ガイドローラ86を、下側の当該前後移動ガイド溝70AX内へ移動させる。
【0312】
さらにまた出入口用シャッタ駆動部42は、右後ローラ支持軸83の下側への移動に応じて、前後移動右ガイド71において前後移動ガイド溝71AXの移動ガイド溝先端71AZに右前ガイドローラ87を近接させたまま、前側分岐溝71CX内及び後側分岐溝71BX内の右中央ガイドローラ88及び右後ガイドローラ89を、下側の当該前後移動ガイド溝71AX内へ移動させる。
【0313】
このようにして出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44の預払機後方向への摺動に応じて、硬貨出入口用シャッタ5を前端部の左前ローラ支持軸及び右前ローラ支持軸81を中心にして後回り方向へ回転させて、当該硬貨出入口用シャッタ5の後端部を下側へ変位させ(すなわち、シャッタ裏面側へ引き下げ)る。
【0314】
そして出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44の預払機後方向への摺動に連動させて左連結軸93を中心にして前回り方向へ回転させていた左連結板92を、左後ローラ支持軸80及び当該左連結軸93を前後に位置させた水平姿勢にする。
【0315】
また出入口用シャッタ駆動部42は、右連結軸95を中心にして前回り方向へ回転させていた右連結板94も、右後ローラ支持軸83及び当該右連結軸95を前後に位置させた水平姿勢にする。
【0316】
さらに出入口用シャッタ駆動部42は、この際、前後移動左ガイド70の前後移動ガイド溝70AX内で左前ガイドローラ84、左中央ガイドローラ85及び左後ガイドローラ86を預払機後方向に沿って順に並べる。
【0317】
さらにまた出入口用シャッタ駆動部42は、前後移動右ガイド71の前後移動ガイド溝71AX内で右前ガイドローラ87、右中央ガイドローラ88及び右後ガイドローラ89も預払機後方向に沿って順に並べる。
【0318】
これにより出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口3AXから硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ凸部5AYを引き抜いて当該硬貨出入口用シャッタ5の後端部の下側への変位を停止させ、かくして硬貨出入口用シャッタ5を水平姿勢にする。
【0319】
そして出入口用シャッタ駆動部42は、このように硬貨出入口用シャッタ5を水平姿勢にした後も、左ラック43及び右ラック44を預払機後方向へ摺動させていることで、当該硬貨出入口用シャッタ5も後側へ移動させる。
【0320】
この際、出入口用シャッタ駆動部42は、前後移動左ガイド70の前後移動ガイド溝70AXに沿って左前ガイドローラ84、左中央ガイドローラ85及び左後ガイドローラ86を預払機後方向へ移動させる。
【0321】
また出入口用シャッタ駆動部42は、前後移動右ガイド71の前後移動ガイド溝71AXに沿って右前ガイドローラ87、右中央ガイドローラ88及び右後ガイドローラ89も預払機後方向へ移動させる。
【0322】
よって出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5を水平姿勢にすると、その水平姿勢のまま当該硬貨出入口用シャッタ5の後端側となる預払機後方向へ移動させる。
【0323】
そして出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44が可動範囲後端位置に到達して、その摺動を停止させると、硬貨出入口用シャッタ5を硬貨出入口3AXの後斜め下となる出入口用シャッタ開位置に到達させて、その移動を停止させる。
【0324】
これにより出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5に対し硬貨出入口3AXを開く(すなわち、硬貨出入口3AXを開放する)ことができる。
【0325】
ところで、出入口用シャッタ駆動部42は、上述のように左ラック43及び右ラック44に硬貨出入口用シャッタ5を、左後ローラ支持軸80、左連結板92及び左連結軸93と、右後ローラ支持軸83、右連結板94及び右連結軸95とを介して上下に変位可能なように支持している。
【0326】
また上下変位左ガイド72及び上下変位右ガイド73は、その預払機前後方向の長さが開閉用ラック可動範囲に比して格段的に短い所定長さに選定されている。
【0327】
そして上下変位左ガイド72及び上下変位右ガイド73は、開閉用ラック可動範囲内ではあるものの、可動範囲後端位置よりも前側に配置されている。
【0328】
さらに前後移動左ガイド70及び前後移動右ガイド71は、その預払機前後方向の長さが上下変位左ガイド72及び上下変位右ガイド73の長さより長いものの、開閉用ラック可動範囲に比して短い所定長さに選定されている。
【0329】
そして前後移動左ガイド70及び前後移動右ガイド71も、開閉用ラック可動範囲内ではあるものの、可動範囲後端位置よりも前側に配置されている。
【0330】
このため出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5を出入口用シャッタ開位置まで移動させた場合、左連結板92を上述の水平姿勢のまま上下変位左ガイド72よりも後へ移動させて、左後ローラ支持軸80を上下変位ガイド溝72Cから変位ガイド溝開放端72CXを介して後側へ排出している。
【0331】
また出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5を出入口用シャッタ開位置まで移動させた場合、右連結板94も上述の水平姿勢のまま上下変位右ガイド73よりも後へ移動させて、右後ローラ支持軸83を上下変位ガイド溝73Cから変位ガイド溝開放端73CXを介して後側へ排出している。
【0332】
ただし、出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5を出入口用シャッタ開位置まで移動させた場合、左後ガイドローラ86を前後移動左ガイド70の前後移動ガイド溝70AXから移動ガイド溝開放端70AYを介して後側へ排出するものの、左前ガイドローラ84及び左中央ガイドローラ85は前後移動ガイド溝70AX内に留めている。
【0333】
また出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5を出入口用シャッタ開位置まで移動させた場合、右後ガイドローラ89を前後移動右ガイド71の前後移動ガイド溝71AXから移動ガイド溝開放端71AYを介して後側へ排出するものの、右前ガイドローラ87及び右中央ガイドローラ88は前後移動ガイド溝71AX内に留めている。
【0334】
従って出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5を硬貨出入口3AXの下側から出入口用シャッタ開位置まで水平姿勢にして移動させ、当該硬貨出入口用シャッタ5を、その出入口用シャッタ開位置でも水平姿勢のままにしている。
【0335】
そして出入口用シャッタ駆動部42は、このように硬貨出入口用シャッタ5を開いた状態から閉じる場合、制御部20の制御のもと、左ラック43及び右ラック44を左レール45及び右レール46を介して可動範囲後端位置から預払機前方向の可動範囲前端位置まで摺動させる。
【0336】
これにより出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44の預払機前方向への摺動開始からしばらくの間は、硬貨出入口用シャッタ5を水平姿勢のまま当該硬貨出入口用シャッタ5の前端側となる預払機前方向へ移動させる。
【0337】
この際、出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5の移動に伴い前後移動左ガイド70の前後移動ガイド溝70AX内で左前ガイドローラ84及び左中央ガイドローラ85を移動ガイド溝先端70AZ側へ移動させると共に、左後ガイドローラ86を移動させて移動ガイド溝開放端70AYに近づける。
【0338】
また出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5の移動に伴い前後移動右ガイド71の前後移動ガイド溝71AX内で右前ガイドローラ87及び右中央ガイドローラ88を移動ガイド溝先端71AZ側へ移動させると共に、右後ガイドローラ89を移動させて移動ガイド溝開放端71AYに近づける。
【0339】
さらに出入口用シャッタ駆動部42は、左連結板92を上述の水平姿勢のまま預払機前方向へ移動させて、左後ローラ支持軸80を上下変位左ガイド72の変位ガイド溝開放端72CXに近づける。
【0340】
さらにまた出入口用シャッタ駆動部42は、右連結板94を上述の水平姿勢のまま預払機前方向へ移動させて、右後ローラ支持軸83を上下変位右ガイド73の変位ガイド溝開放端73CXに近づける。
【0341】
そして出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ凸部5AYが硬貨出入口3AXの真下へある程度近づくと、左後ガイドローラ86を前後移動左ガイド70の移動ガイド溝開放端70AYから前後移動ガイド溝70AXに挿入して、左前ガイドローラ84及び左中央ガイドローラ85と共に移動ガイド溝先端70AZ側へ移動させる。
【0342】
また出入口用シャッタ駆動部42は、右後ガイドローラ89を前後移動右ガイド71の移動ガイド溝開放端71AYから前後移動ガイド溝71AXに挿入して、右前ガイドローラ87及び右中央ガイドローラ88と共に移動ガイド溝先端71AZ側へ移動させる。
【0343】
さらに出入口用シャッタ駆動部42は、左連結板92を水平姿勢にしたまま、左後ローラ支持軸80を上下変位左ガイド72の変位ガイド溝開放端72CXから上下変位ガイド溝72Cに挿入する。
【0344】
さらにまた出入口用シャッタ駆動部42は、右連結板94も水平姿勢にしたまま、右後ローラ支持軸83を上下変位右ガイド73の変位ガイド溝開放端73CXから上下変位ガイド溝73Cに挿入する。
【0345】
そして出入口用シャッタ駆動部42は、上下変位左ガイド72において上下変位ガイド溝72Cの屈曲部分に左後ローラ支持軸80が到達すると、その後は左連結板92を後回り方向へ回転させながら、当該上下変位ガイド溝72C内で左後ローラ支持軸80を上側へ移動させる。
【0346】
また出入口用シャッタ駆動部42は、上下変位右ガイド73において上下変位ガイド溝73Cの屈曲部分に右後ローラ支持軸83が到達すると、その後は右連結板94を後回り方向へ回転させながら、当該上下変位ガイド溝73C内で右後ローラ支持軸83を上側へ移動させる。
【0347】
よって出入口用シャッタ駆動部42は、この際、左後ローラ支持軸80及び右後ローラ支持軸83の上側への移動に応じて、前後移動左ガイド70において前後移動ガイド溝70AXの移動ガイド溝先端70AZに左前ガイドローラ84を近接させたまま、当該前後移動ガイド溝70AX内から左中央ガイドローラ85及び左後ガイドローラ86を前側分岐溝70CX内及び後側分岐溝70BX内へ移動させる。
【0348】
また出入口用シャッタ駆動部42は、前後移動右ガイド71において前後移動ガイド溝71AXの移動ガイド溝先端71AZに右前ガイドローラ87を近接させたまま、当該前後移動ガイド溝71AX内から右中央ガイドローラ88及び右後ガイドローラ89を前側分岐溝71CX内及び後側分岐溝71BX内へ移動させる。
【0349】
このようにして出入口用シャッタ駆動部42は、硬貨出入口用シャッタ5を前端部の左前ローラ支持軸及び右前ローラ支持軸81を中心にして前回り方向へ回転させて、当該硬貨出入口用シャッタ5の後端部を上側へ変位させ(すなわち、シャッタ表面5A側へ持ち上げ)る。
【0350】
そして出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44が可動範囲前端位置に到達して、その摺動を停止させると、左連結板92を後斜め上方向と平行な傾斜姿勢にして、上下変位左ガイド72において上下変位ガイド溝72Cの変位ガイド溝上端72CYに左後ローラ支持軸80を近接させる。
【0351】
また出入口用シャッタ駆動部42は、この際、右連結板94を後斜め上方向と平行な傾斜姿勢にして、上下変位右ガイド73において上下変位ガイド溝73Cの変位ガイド溝上端73CYに右後ローラ支持軸83を近接させる。
【0352】
このようにして出入口用シャッタ駆動部42は、左ラック43及び右ラック44の間で、硬貨出入口用シャッタ5を上向パネル面3Aと平行な傾斜姿勢にして出入口用シャッタ閉位置に到達させて、その上側への変位を停止させる。
【0353】
これにより出入口用シャッタ駆動部42は、上述のように硬貨出入口3AXに硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ凸部5AYを下側から差し込むようにして嵌合させて、当該硬貨出入口3AXに対し硬貨出入口用シャッタ5を閉じる(すなわち、硬貨出入口3AXを閉塞する)ことができる。
【0354】
このようにして図12(A)及び(B)に示すように、硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口3AXを使用する硬貨の取引が行われるまでは、硬貨出入口用シャッタ5を出入口用シャッタ閉位置で傾斜姿勢にし、硬貨出入口3AXにシャッタ凸部5AYを嵌合させて閉じている。
【0355】
そして硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口3AXを使用する硬貨の取引が行われるとき、硬貨出入口用シャッタ5の後端部を下側(すなわち、シャッタ裏面側)へ変位させて当該硬貨出入口用シャッタ5を水平姿勢にした後、預払機後方向の出入口用シャッタ開位置まで退避させて開く。
【0356】
よって硬貨用シャッタ開閉部21は、顧客に対し硬貨出入口3AXに入金用の硬貨を投入させ、また硬貨出入口3AXから出金用の硬貨を取り出させることができる。
【0357】
そして硬貨用シャッタ開閉部21は、入金用の硬貨の投入や出金用の硬貨の取り出しが完了すると、硬貨出入口用シャッタ5を出入口用シャッタ開位置から水平姿勢のまま預払機前方向へ移動させた後、その後端部を上側(すなわち、シャッタ表面5A側)へ変位させることにより、硬貨出入口3AXにシャッタ凸部5AYを嵌合させて閉じる。
【0358】
なお、この実施の形態の場合、硬貨用シャッタ開閉部21は、上述のように硬貨出入口用シャッタ5を出入口用シャッタ開位置まで移動させた場合、当該硬貨出入口用シャッタ5を何ら傾斜させずに水平姿勢のままにしている。
【0359】
よって硬貨用シャッタ開閉部21は、シャッタフレーム40の後側に、硬貨出入口用シャッタ5を水平姿勢にしたまま出入口用シャッタ開位置に留め、かつ硬貨出入口用シャッタ5の左右に左ラック43及び右ラック44を水平な姿勢で隣接させることができるスペースを確保するだけで、硬貨出入口用シャッタ5を開くことができる。
【0360】
また硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じた場合、上述のように全体を一体化することで、シャッタフレーム40の後側には何ら配置されない状態になる。
【0361】
このため硬貨用シャッタ開閉部21は、従来の、シャッタの移動範囲に亘って当該シャッタを移動させるためのベルトやプーリ、これらを支持するフレーム等を配置するようなシャッタ開閉部に比して、預払機筐体2内での硬貨出入口用シャッタ5を開いた場合のスペースも含む当該硬貨用シャッタ開閉部21の配置スペースを大幅に小さくすることができる。
【0362】
従って硬貨用シャッタ開閉部21は、その配置スペースのために現金自動預払機1が大型化することを防止することができる。
【0363】
係る構成に加えて硬貨用シャッタ開閉部21(図3及び図4)は、硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ表面5Aの中央部に例えば、前後に長い略長方形状の硬貨投入スリット5AX(すなわち、シャッタ表面5Aからシャッタ裏面までの貫通孔)が形成されている。因みに、以下の説明では、硬貨投入スリット5AXの長手方向を、スリット長手方向とも呼ぶ。
【0364】
そして図13に示すように、硬貨用シャッタ開閉部21は、例えば、略W字平板状のスリットシャッタ100を有すると共に、当該スリットシャッタ100を開閉するためのスリット用シャッタ駆動部101も有している。
【0365】
スリットシャッタ100は、例えば、先端部100Aが硬貨投入スリット5AXの長さよりも長い略短冊状に形成されると共に、後端部100Bが先端部100Aの長さよりも短い略短冊状に形成され、当該先端部100A及び後端部100Bが、略へ字状の中央部100Cの両側に約90度の開き角度で設けられている。
【0366】
そしてスリットシャッタ100の一面には、中央部100Cの所定位置に、軸挿通孔部が穿設されている。
【0367】
またスリットシャッタ100の一面には、他端近傍に、硬貨出入口用シャッタ5の厚み(すなわち、硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ裏面からシャッタ表面5Aまでの長さ)よりも僅かに短い所定長さの円柱状の係合突起部103が垂設されている。
【0368】
さらにスリットシャッタ100の他面には、後端部100Bにおいて中央部100Cとの境界寄りの所定位置(すなわち、軸挿通孔部よりも後端側)に、棒状のばね係止部104が垂設されている。
【0369】
また硬貨出入口用シャッタ5は、例えば、シャッタ裏面において硬貨投入スリット5AXの左斜め後の所定位置に、シャッタ支持軸105が垂設されている。
【0370】
さらに硬貨出入口用シャッタ5は、シャッタ裏面においてシャッタ支持軸105の左斜め後に、柱状のばね係止部106が垂設されている。
【0371】
そしてスリットシャッタ100は、一面を硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ裏面と平行にして先端部100Aを当該シャッタ裏面の中央部と対向させ、かつ後端部100Bを硬貨出入口用シャッタ5の後左端の後側へ突出させて、その一面側から軸挿通孔部にシャッタ支持軸105が挿通されている。
【0372】
これにより硬貨出入口用シャッタ5は、スリットシャッタ100の先端部100Aをシャッタ裏面の中央部に近接させて平行にした姿勢で、シャッタ支持軸105を介して当該スリットシャッタ100を、図中に矢印e1で示す左回り方向、及びこれとは逆の右回り方向へ回動可能に支持している。
【0373】
因みに、図中に矢印e1で示す左回り方向は、預払機上下方向と平行又は僅かに傾斜した軸を中心とした時計回り方向であり、右回り方向は、預払機上下方向と平行又は僅かに傾斜した軸を中心とした反時計回り方向である。
【0374】
また硬貨用シャッタ開閉部21は、コイルばね107の一端部がスリットシャッタ100のばね係止部104に係止されると共に、当該コイルばね107の他端部が硬貨出入口用シャッタ5のばね係止部106に係止されている。
【0375】
これにより硬貨用シャッタ開閉部21は、コイルばね107によりスリットシャッタ100を、シャッタ支持軸105を中心にして右回り方向へ回転するように付勢している。
【0376】
ただし、硬貨出入口用シャッタ5は、シャッタ裏面の所定位置に、スリットシャッタ100が右回り方向へ回転しても、当該スリットシャッタ100の先端部100Aが硬貨投入スリット5AXと対向するスリット用シャッタ閉位置まで変位すると、それ以上は右回り方向へ回転させないように制限する回転制限部(図示せず)が突設されている。
【0377】
このため硬貨用シャッタ開閉部21は、コイルばね107の付勢によりスリットシャッタ100が右回り方向へ回転しても、所定の回転角度まで回転して先端部100Aがスリット用シャッタ閉位置へ変位すると、当該スリットシャッタ100の所定部分を回転制限部に突き当てて右回り方向への回転を停止させる。
【0378】
これにより硬貨用シャッタ開閉部21は、スリットシャッタ100を、その先端部100Aをスリット長手方向と平行にして硬貨投入スリット5AXと対向させ、かつ後端部100Bを硬貨出入口用シャッタ5の後左端の後側で預払機左右方向と平行にした姿勢にする。
【0379】
このようにして硬貨用シャッタ開閉部21は、スリットシャッタ100を閉じる(すなわち、硬貨投入スリット5AXを閉塞する)ことができる。
【0380】
因みに、以下の説明では、スリットシャッタ100を閉じたときの、先端部100Aをスリット長手方向と平行にして硬貨投入スリット5AXと対向させ、かつ後端部100Bを硬貨出入口用シャッタ5の後左端の後側で預払機左右方向と平行にした当該スリットシャッタ100の姿勢を、シャッタ閉姿勢とも呼ぶ。
【0381】
一方、スリット用シャッタ駆動部101は、アクチュエータ110と、略L字平板状の開閉用アーム111とを有している。
【0382】
アクチュエータ110は、本体部110Aの一端に出力軸110Bが、当該本体部110Aからの突出量を変化させるようにして伸縮可能に設けられている。
【0383】
そしてアクチュエータ110は、フレーム連結板40Cの上板部40CZの一面において硬貨出入口用シャッタ5が閉じた状態で後左端部と対向する位置(すなわち、左後端部の後)に、当該アクチュエータ110の長手方向を預払機左右方向(すなわち、硬貨出入口用シャッタ5の幅方向)と平行にし出力軸110Bの先端を預払機左方向へ向けて配置されている。
【0384】
また開閉用アーム111は、例えば、一面において根元部111Aの一端寄りに軸挿通孔部が穿設されると共に、当該根元部111Aのほぼ中央に軸支持孔部が穿設されている。
【0385】
そして開閉用アーム111は、軸支持孔部にアーム支持軸112が、当該アーム支持軸112の一端部及び他端部を一面及び他面から垂直に突出させるようにして取り付けられている。
【0386】
さらにフレーム連結板40Cの上板部40CZは、一面において例えば、アクチュエータ110の出力軸110Bが最も伸びたときの当該出力軸110Bの先端部の後側となる位置に、アーム回動軸113が垂設されている。
【0387】
そして開閉用アーム111は、他面をフレーム連結板40Cの上板部40CZの一面と平行にして先端部111Bを根元部111Aの右側に向けた姿勢で、他面側から軸挿通孔部にアーム回動軸113が挿通されている。
【0388】
これにより開閉用アーム111は、フレーム連結板40Cの上板部40CZにアーム回動軸113を介して左回り方向及び右回り方向へ回動可能に支持されている。
【0389】
またアクチュエータ110は、出力軸110Bの先端部に、開閉用アーム111に取り付けられたアーム支持軸112を預払機上下方向と平行にして左回り方向及び右回り方向へ回動可能に支持している。
【0390】
これによりアクチュエータ110は、出力軸110Bの伸縮に応じて開閉用アーム111を、アーム回動軸113を中心にして左回り方向及び右回り方向へ回動させることができる。
【0391】
そしてアクチュエータ110は、出力軸110Bを伸ばした場合、スリットシャッタ100をコイルばね107の付勢によって閉じさせるために、開閉用アーム111を、その根元部111Aを預払機前後方向と平行にし、かつ先端部111Bを預払機左右方向と平行にした待機姿勢にする。
【0392】
よってアクチュエータ110は、硬貨投入スリット5AXを使用する硬貨の取引が行われるまでは、出力軸110Bを伸ばして開閉用アーム111を待機姿勢にしている。
【0393】
このため、硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨投入スリット5AXを使用する硬貨の取引が行われるまでは、硬貨出入口用シャッタ5の開閉に関わらず、コイルばね107の付勢によりスリットシャッタ100の先端部100Aをスリット用シャッタ閉位置に変位させたままにして(すなわち、スリットシャッタ100をシャッタ閉姿勢にして)、当該スリットシャッタ100を閉じている。
【0394】
またアクチュエータ110は、出力軸110Bを縮めた場合、開閉用アーム111によりスリットシャッタ100を開くために、当該開閉用アーム111を、その根元部111Aを右斜め前方向と平行にし、かつ先端部111Bを右斜め後方向と平行にしたシャッタ駆動姿勢にする。
【0395】
よってアクチュエータ110は、硬貨出入口用シャッタ5が閉じられた状態で硬貨投入スリット5AXを使用する硬貨の取引が行われるときには、出力軸110Bを縮めて開閉用アーム111をシャッタ駆動姿勢にする。
【0396】
ところで、開閉用アーム111は、根元部111Aの長さが、アクチュエータ110の出力軸110Bの伸縮に関わらず、フレーム連結板40Cの上板部40CZの前端から先端部111Bを当該根元部111Aの一部と共に預払機前方向へ突出させるように適宜選定されている。
【0397】
またシャッタフレーム40は、硬貨出入口用シャッタ5が閉じられた場合、当該硬貨出入口用シャッタ5の後端とフレーム連結板40Cの上板部40CZの前端との間に所定距離の隙間を形成する(すなわち、離隔する)ように当該フレーム連結板40Cが設けられている。
【0398】
さらにシャッタフレーム40は、フレーム連結板40Cの高さ(すなわち、左板部40CX及び右板部40CYの下端から上板部40CZの一面までの距離)が、硬貨出入口用シャッタ5を、上述の預払機前後方向への移動時にはフレーム連結板40Cの上板部40CZの下を通過させるものの、極力低く適宜選定されている。
【0399】
さらにまたアクチュエータ110は、開閉用アーム111の高さ位置を硬貨出入口用シャッタ5が閉じられた場合の段差面5AZの後端の高さ位置とほぼ等しくするように、本体部110Aの一端に対する出力軸110Bの取付位置が適宜選定されている。
【0400】
そして図13及び図14に示すように、硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5を、当該硬貨出入口用シャッタ5の後端部を上側へ変位させて閉じた場合、スリットシャッタ100と共に係合突起部103を上側へ変位させる。
【0401】
これにより硬貨用シャッタ開閉部21は、係合突起部103の上端部を、アクチュエータ110の出力軸110Bと待機姿勢の開閉用アーム111の先端部111Bとの間に差し入れて、当該先端部111Bの後面の所定位置に係合突起部103の上端部を近接させることができる。
【0402】
このようにして硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5を、その後端部を上側へ変位させて閉じた場合、スリット用シャッタ駆動部101をスリットシャッタ100と係合させている。
【0403】
すなわち、硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5を、その後端部を上側へ変位させて閉じた場合、スリット用シャッタ駆動部101の開閉用アーム111を、係合突起部103を介してスリットシャッタ100と係合させている。
【0404】
また図15に示すように、硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じた状態から開く場合、当該硬貨出入口用シャッタ5の後端部を下側へ変位させることにより、スリットシャッタ100及び係合突起部103を下側へ変位させる。
【0405】
これにより硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5が開く場合、待機姿勢の開閉用アーム111の先端部111Bから係合突起部103を下側へ引き離すことができる。
【0406】
このようにして硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5を開く場合、スリット用シャッタ駆動部101とスリットシャッタ100との係合を解除している。
【0407】
そして硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じた状態から開くために、その後端部を下側へ変位させた場合は、係合突起部103をフレーム連結板40Cの上板部40CZの高さ位置よりも下に位置させる。
【0408】
よって硬貨用シャッタ開閉部21は、この際、係合突起部103をフレーム連結板40Cの上板部40CZに何ら引っ掛けることなく、硬貨出入口用シャッタ5を開閉用に預払機前後方向へ移動させることができる。
【0409】
このようにして硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じている間は、スリット用シャッタ駆動部101をスリットシャッタ100と係合させ、当該硬貨出入口用シャッタ5を開閉用に変位及び移動させる間は、スリット用シャッタ駆動部101とスリットシャッタ100との係合を解除している。
【0410】
そして図16に示すように、スリット用シャッタ駆動部101は、硬貨出入口用シャッタ5が閉じられた状態で、硬貨投入スリット5AXを使用する硬貨の取引が行われるときには、制御部20の制御のもと、アクチュエータ110を動作させて出力軸110Bを縮める。
【0411】
従ってスリット用シャッタ駆動部101は、開閉用アーム111を、アーム回動軸113を中心にして右回り方向へ回転させて、当該開閉用アーム111の姿勢を待機姿勢からシャッタ駆動姿勢へ変化させる。
【0412】
よってスリット用シャッタ駆動部101は、開閉用アーム111の先端部111Bで係合突起部103を押して右斜め後へ変位させると共に、これに応じてスリットシャッタ100を左回り方向へ回転させて、当該スリットシャッタ100の先端部100Aを硬貨投入スリット5AXの下から左側へずらしたスリット用シャッタ開位置へ変位させる。
【0413】
すなわち、スリット用シャッタ駆動部101は、スリットシャッタ100を、その先端部100Aを硬貨投入スリット5AXの左側で左斜め前方向と平行にし、かつ後端部100Bを硬貨出入口用シャッタ5の後左端の後側で左斜め後方向と平行にした姿勢にする。
【0414】
これによりスリット用シャッタ駆動部101は、スリットシャッタ100を開く(すなわち、硬貨投入スリット5AXを開放する)ことができる。
【0415】
因みに、以下の説明では、スリットシャッタ100を開いたときの、先端部100Aを硬貨投入スリット5AXの左側で左斜め前方向と平行にし、かつ後端部100Bを硬貨出入口用シャッタ5の後左端の後側で左斜め後方向と平行にした当該スリットシャッタ100の姿勢を、シャッタ開姿勢とも呼ぶ。
【0416】
よって硬貨用シャッタ開閉部21は、顧客に対し硬貨投入スリット5AXに入金用の硬貨を1枚ずつ投入させることができる。
【0417】
そしてスリット用シャッタ駆動部101は、入金用の硬貨の投入が完了すると、制御部20の制御のもと、アクチュエータ110を動作させて出力軸110Bを伸ばす。
【0418】
従ってスリット用シャッタ駆動部101は、開閉用アーム111を、アーム回動軸113を中心にして左回り方向へ回転させて、当該開閉用アーム111の姿勢をシャッタ駆動姿勢から再び待機姿勢へ変化させる。
【0419】
よってスリット用シャッタ駆動部101は、開閉用アーム111の先端部111Bを係合突起部103から引き離すように左斜め前側へ変位させると共に、これに応じてスリットシャッタ100をコイルばね107の付勢により右回り方向へ回転させて、当該スリットシャッタ100の先端部100Aをスリット用シャッタ閉位置へ変位させる。
【0420】
これによりスリット用シャッタ駆動部101は、スリットシャッタ100を再びシャッタ閉姿勢にして閉じる(すなわち、硬貨投入スリット5AXを閉塞する)ことができる。
【0421】
このようにして硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨投入スリット5AXを使用する硬貨の取引が行われる毎に、スリット用シャッタ駆動部101を介してスリットシャッタ100を開閉することができる。
【0422】
よって硬貨用シャッタ開閉部21は、硬貨出入口3AXへの異物の投入に起因する誤動作や動作停止に迅速には対処し難いような場合(すなわち、時間帯)に、当該硬貨出入口3AXに換えて硬貨投入スリット5AXに入金用の硬貨を投入させるようにして、その異物の投入を極力防止することができる。
【0423】
ところで、図17に示すように、硬貨用シャッタ開閉部21には、硬貨投入スリット5AXを使用する硬貨の取引が行われるとき、顧客に入金用の硬貨を硬貨投入スリット5AXへ投入するように通知するための硬貨投入位置通知部120が設けられている。
【0424】
硬貨投入位置通知部120は、LED(Light Emitting Diode)のような所定の発光色(すなわち、緑や赤等の発光色)の光を発射させる発光素子121が実装された回路基板122を有している。
【0425】
また硬貨投入位置通知部120は、その発光素子121が発射する光を導光する導光部123も有している。
【0426】
回路基板122は、例えば、フレーム左底板40Aの上面において前後移動左ガイド70の左側の所定位置に設けられた基板取付部(図示せず)に、発光素子121の発射面を預払機右方向へ向け前後移動ガイド溝70AXに近接させて取り付けられている。
【0427】
また導光部123は、一端部が略S字角柱状に形成されると共に、他端部が一端部から垂直に立ち上がる略角柱状に形成され、他端面123Aが平坦な略三角形に形成されている。
【0428】
そして硬貨出入口用シャッタ5は、硬貨出入口3AXに対して閉じられた状態で左側面5Bの発光素子121の発射面と対向する位置から、シャッタ裏面の硬貨投入スリット5AXの後近傍までに亘り、導光部123の一端部に対応する溝部が形成されている。
【0429】
また硬貨出入口用シャッタ5は、その溝部の端部からシャッタ表面5Aの硬貨投入スリット5AXの後側までに亘り垂直な貫通孔部が穿設されると共に、当該貫通孔部の開口部が導光部123の他端面123Aの形状に合わせて略三角形に形成されている。
【0430】
これにより導光部123は、他端部が硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ裏面側から貫通孔部に挿入されると共に、一端部が当該シャッタ裏面の溝部に嵌合されている。
【0431】
このようにして導光部123は、硬貨出入口用シャッタ5に、他端面123Aを硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ表面5Aと面一にして取り付けられ、当該硬貨出入口用シャッタ5が閉じた状態では一端面を発光素子121の発射面と対向させている。
【0432】
制御部20は、係る構成のもと、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、スリットシャッタ100を開ける直前や当該スリットシャッタ100を開けている間等に、回路基板122を介して発光素子121に光を間欠的に発射させる。
【0433】
これにより硬貨投入位置通知部120は、発光素子121の発射面から発射された光を、前後移動左ガイド70の前後移動ガイド溝70AXを通して導光部123に一端面から取り込む。
【0434】
また硬貨投入位置通知部120は、この際、導光部123において一端面から取り込んだ光を他端面123Aまで導光して、当該他端面123Aを間欠的に発光させる。
【0435】
このようにして制御部20は、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、導光部123の他端面123Aを間欠的に発光させることで、顧客に入金用の硬貨の投入口が硬貨投入スリット5AXであることを通知して、当該入金用の硬貨を硬貨投入スリット5AXに投入するように促すことができる。
【0436】
(1−4)実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21に、上向パネル面3Aの硬貨出入口3AX用の硬貨出入口用シャッタ5を設けるようにした。
【0437】
また現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21に、硬貨出入口用シャッタ5を閉じている状態では、当該硬貨出入口用シャッタ5を、その後端部を下側へ変位させた後、預払機後方向へ移動させて開き、硬貨出入口用シャッタ5を開いている状態では、当該硬貨出入口用シャッタ5を預払機前方向へ移動させた後、その後端部を上側へ変位させて閉じる出入口用シャッタ駆動部42を設けるようにした。
【0438】
さらに現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21において、硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ表面5Aに硬貨投入スリット5AXを形成し、当該硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ裏面に硬貨投入スリット5AX用のスリットシャッタ100を設けるようにした。
【0439】
さらにまた現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21に、硬貨出入口用シャッタ5を閉じた状態で後端と対向する位置に、スリットシャッタ100を閉じている状態から左回り方向へ回転させて開き、またスリットシャッタ100を開いている状態から右回り方向へ回転させて閉じるためのスリット用シャッタ駆動部101を配置するようにした。
【0440】
そして現金自動預払機1は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じるために後端部を上側へ変位させた場合のみ、スリット用シャッタ駆動部101をスリットシャッタ100と開閉用に係合させるようにした。
【0441】
従って現金自動預払機1は、硬貨出入口用シャッタ5を開閉用に預払機前後方向に移動させ、かつ上側及び下側へ変位させる硬貨用シャッタ開閉部21に、スリットシャッタ100及びスリット用シャッタ駆動部101を設けても、当該硬貨用シャッタ開閉部21の高さ方向(すなわち、預払機上下方向)の大きさを従来に比して大幅に小さくすることができる。
【0442】
以上の構成によれば、現金自動預払機1は、硬貨出入口3AX用の硬貨出入口用シャッタ5を閉じている状態では、当該硬貨出入口用シャッタ5を、その後端部を下側へ変位させた後、預払機後方向へ移動させて開き、硬貨出入口用シャッタ5を開いている状態では、当該硬貨出入口用シャッタ5を預払機前方向へ移動させた後、その後端部を上側へ変位させて閉じる硬貨用シャッタ開閉部21において、硬貨出入口用シャッタ5にシャッタ表面5Aの硬貨投入スリット5AX用のスリットシャッタ100を設けると共に、硬貨出入口用シャッタ5を閉じた状態で後端と対向する位置にスリット用シャッタ駆動部101を配置して、硬貨出入口用シャッタ5を閉じるために、その上端部を上側へ変位させた場合のみ、当該スリット用シャッタ駆動部101をスリットシャッタ100と係合させるようにした。
【0443】
これにより現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21の高さ方向の大きさを従来に比して大幅に小さくすることができ、かくして当該現金自動預払機1を小型化することができる。
【0444】
また現金自動預払機1は、硬貨出入口用シャッタ5の開閉時の預払機前後方向への移動経路の上側で、かつ硬貨出入口用シャッタ5を閉じた状態での後側と対向する位置にスリット用シャッタ駆動部101を配置するようにした。
【0445】
従って現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21の奥行き方向(すなわち、預払機前後方向)の大きさも小さくすることができる。
【0446】
さらに現金自動預払機1は、硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ裏面にスリットシャッタ100を左回り方向及び右回り方向へ回動可能に設けるようにした。
【0447】
従って現金自動預払機1は、スリットシャッタ100において硬貨出入口用シャッタ5の後端から後側へ突出させている部分の長さ(すなわち、中央部100Cの一部及び後端部100Bの長さ)をほとんど変化させずに、当該スリットシャッタ100を開閉することができる。
【0448】
よって現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21においてスリット用シャッタ駆動部101を硬貨出入口用シャッタ5の後端に極力近づけて配置することができる。
【0449】
これにより現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21の奥行き方向の大きさを従来に比してさらに小さくすることができ、かくして当該現金自動預払機1をさらに小型化することができる。
【0450】
さらに現金自動預払機1は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じた状態で後端と対向する位置に、スリット用シャッタ駆動部101の駆動源となるアクチュエータ110を、当該アクチュエータ110の長手方向を預払機左右方向と平行にして配置するようにした。
【0451】
従って現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21においてスリット用シャッタ駆動部101の配置スペースの奥行き方向(すなわち、預払機前後方向)の大きさを小さくすることができる。
【0452】
よって現金自動預払機1は、硬貨用シャッタ開閉部21の奥行き方向の大きさを従来に比してさらに小さくすることができ、かくして当該現金自動預払機1を格段に小型化することができる。
【0453】
さらに現金自動預払機1は、スリットシャッタ100の後端部100Bに係合突起部103を上側へ突出するように設けると共に、アクチュエータ110の出力軸110Bの先端部に略L字平板状の開閉用アーム111を、その先端部111Bを当該出力軸110Bの前側に位置させるようにして左回り方向及び右回り方向へ回動可能に支持するようにした。
【0454】
そして現金自動預払機1は、硬貨出入口用シャッタ5を、その後端部を上側へ変位させて閉じたとき、係合突起部103を上側へ変位させてアクチュエータ110の出力軸110Bと開閉用アーム111の先端部111Bとの間に差し入れるようにした。
【0455】
従って現金自動預払機1は、アクチュエータ110を、硬貨出入口用シャッタ5を閉じた場合の後端部に極力近づけて配置することができ、硬貨用シャッタ開閉部21の奥行き方向の大きさを一段と小さくすることができる。
【0456】
さらに現金自動預払機1は、フロントパネル3の上向パネル面3Aに形成する硬貨出入口3AXの形状を、当該硬貨出入口3AXに対して出入の対象となる硬貨の形状(すなわち、円形)に合わせて略円形状にした。
【0457】
また現金自動預払機1は、フロントパネル3の上向パネル面3Aに形成する紙幣出入口3AYの形状を、当該紙幣出入口3AYに対して出入の対象となる紙幣の形状(すなわち、長方形)に合わせて略長方形状にした。
【0458】
従って現金自動預払機1は、顧客に対し、硬貨出入口3AX及び紙幣出入口3AYの形状により、顧客に硬貨出入口3AXが硬貨の出入用であり、紙幣出入口3AYが紙幣の出入用であることを容易に認識させることができる。
【0459】
そして現金自動預払機1は、硬貨出入口3AXの形状に合わせて硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ凸部5AYの形状も略円形状にした。
【0460】
よって現金自動預払機1は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じている状態でも、この際、硬貨出入口3AXの縁と、これに嵌合しているシャッタ凸部5AYの縁との間の僅かな隙間が略円形状となることにより、顧客に硬貨出入口3AXが硬貨の出入用であることを容易に認識させることができる。
【0461】
(2)他の実施の形態
(2−1)他の実施の形態1
なお上述した実施の形態においては、スリット用シャッタ駆動部101のアクチュエータ110を、出力軸110Bの先端を預払機左方向へ向けて配置するようにした場合について述べた。
【0462】
しかしながら本発明は、これに限らず、スリット用シャッタ駆動部101のアクチュエータ110を、出力軸110Bの先端を預払機前方向へ向けて配置するようにしても良い。
【0463】
これに加えて本発明は、アクチュエータ110の出力軸110Bの先端部に、アーム支持軸112を介して支持された開閉用アーム111を、当該アクチュエータ110の出力軸110Bの左側に垂設されたアーム回動軸113に左回り方向及び右回り方向へ回動可能に支持するようにしても良い。
【0464】
そして本発明は、硬貨出入口用シャッタ5を、その後端部を上側へ変位させて閉じたとき、係合突起部103を上側へ変位させて、当該係合突起部103の上端部を開閉用アーム111の根元部111Aと、当該根元部111から後側へ突出する先端部111Bとの境界部分の内側に近接させるようにしても良い。
【0465】
本発明は、係る構成によっても上述した実施の形態の場合と同様に、スリット用シャッタ駆動部101を介してスリットシャッタ100を開閉することができると共に、硬貨用シャッタ開閉部21の高さ方向の大きさを従来に比して大幅に小さくすることができる。
【0466】
また本発明は、係る構成をスリットシャッタ100の構成と共に、左右反転させたように変更しても、上述した実施の形態の場合と同様に、硬貨用シャッタ開閉部21の高さ方向の大きさを従来に比して大幅に小さくすることができる。
【0467】
さらに本発明は、上述した実施の形態によるスリットシャッタ100及びスリット用シャッタ駆動部101の構成を左右反転させたように変更しても、上述した実施の形態の場合と同様に、硬貨用シャッタ開閉部21の高さ方向の大きさを従来に比して大幅に小さくすることができる。
【0468】
すなわち、本発明は、硬貨出入口用シャッタ5を、その上端部を上側へ変位させて閉じた場合のみ、スリットシャッタ100とスリット用シャッタ駆動部101とを係合可能にするため、アクチュエータ110を上述した向きや、これ以外の向きのように種々の向きで配置することができる。
【0469】
(2−2)他の実施の形態2
また上述した実施の形態においては、スリットシャッタ100に係合突起部103を設けるようにした場合について述べた。
【0470】
しかしながら本発明は、これに限らず、スリットシャッタ100には係合突起部103を設けずに、開閉用アーム111の先端部111Bに下側へ突出するように円柱状の係合突起部103を設けるようにしても良い。
【0471】
そして本発明は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じるために、その上端部を上側へ変位させた場合のみ、スリット用シャッタ駆動部101をスリットシャッタ100と、開閉用アーム111に設けた係合突起部103を介して係合させるようにしても良い。
【0472】
また本発明は、スリットシャッタ100の後端部100Bに係合突起部103を設けると共に、開閉用アーム111の先端部111Bに、硬貨出入口用シャッタ5を閉じるために、その上端部を上側へ変位させた場合のみ、当該係合突起部103を差し込むようにして係合させるための孔部を穿設するようにしても良い。
【0473】
さらに本発明は、開閉用アーム111の先端部111Bに係合突起部103を設けると共に、スリットシャッタ100の後端部100Bに、硬貨出入口用シャッタ5を閉じるために、その上端部を上側へ変位させた場合のみ、当該係合突起部103を差し込むようにして係合させるための孔部を穿設するようにしても良い。
【0474】
そして本発明は、このような種々の構成によっても、上述した実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0475】
(2−3)他の実施の形態3
さらに上述した実施の形態においては、硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ裏面にスリットシャッタ100を左回り方向及び右回り方向へ回動可能に設けるようにした場合について述べた。
【0476】
しかしながら本発明は、これに限らず、硬貨出入口用シャッタ5のシャッタ裏面に、略W字平板状や短冊状、L字平板状等のような種々の形状のスリットシャッタを、その硬貨出入口用シャッタ5の前端側及び後端側や、左斜め前隅側及び右斜め後隅側、右斜め前隅側及び左斜め後隅側等のように前側及び後側へ直線的に変位可能なように設けるようにしても良い。
【0477】
そして本発明は、例えば、スリットシャッタをコイルばねやトーションばね、輪ゴム等のような付勢部材、又は重りによって前側(すなわち、前端側や、左斜め前隅側、右斜め前隅側等)へ移動させるように付勢しておく。
【0478】
そのうえで本発明は、硬貨出入口用シャッタ5を閉じるために、その上端部を上側へ変位させた場合のみ、スリット用シャッタ駆動部をスリットシャッタと係合させ、当該スリット用シャッタ駆動部により、スリットシャッタを後側(すなわち、後端側や、右斜め後隅側、左斜め後隅側等)へ変位させて開き、また前側(すなわち、前端側や、左斜め前隅側、右斜め前隅側等)へ変位させて閉じるようにしても良い。
【0479】
本発明は、係る構成によっても、上述した実施の形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【0480】
(2−4)他の実施の形態4
さらに上述した実施の形態においては、硬貨出入口用シャッタ5を、出入口用シャッタ閉位置から預払機前方向へ移動させた後、当該硬貨出入口用シャッタ5の後端部を上側(すなわち、シャッタ表面5A側)へ変位させて閉じるようにした場合について述べた。
【0481】
しかしながら本発明は、これに限らず、硬貨出入口用シャッタ5を、出入口用シャッタ閉位置から預払機前方向へ移動させた後、当該硬貨出入口用シャッタ5全体を上側(すなわち、シャッタ表面5A側)へ変位させることにより、硬貨出入口3AXにシャッタ凸部5AYを嵌合させて閉じるようにしても良い。
【0482】
本発明は、係る構成によっても、上述した実施の形態の場合と同様に硬貨出入口用シャッタ5を、その上端部を上側へ変位させて閉じた場合のみ、スリットシャッタ100とスリット用シャッタ駆動部101とを係合可能にして同様の効果を得ることができる。
【0483】
また本発明は、傾斜している、又は水平な上向パネル面に円形や四角形等の種々の形状及び大きさの硬貨出入口を形成すると共に、硬貨出入口用シャッタを、シャッタ凸部は設けずに当該硬貨出入口の形状及び大きさとほぼ等しい形状及び大きさに形成する。
【0484】
そして本発明は、硬貨出入口用シャッタを、出入口用シャッタ閉位置から預払機前方向へ移動させた後、当該硬貨出入口用シャッタ全体を上側(すなわち、シャッタ表面側)へ変位させて硬貨出入口に嵌合させて閉じるようにしても良い。
【0485】
本発明は、硬貨出入口用シャッタを係る構成にしても、上述した実施の形態の場合と同様に当該硬貨出入口用シャッタを閉じるために、その上端部を上側へ変位させた場合のみ、スリット用シャッタ駆動部をスリットシャッタと係合させて同様の効果を得ることができる。
【0486】
(2−5)他の実施の形態5
さらに上述した実施の形態においては、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、硬貨投入位置通知部120において発光素子121から光を間欠的に発射させて導光部123の他端面123Aを間欠的に発光させるようにした場合について述べた。
【0487】
しかしながら本発明は、これに限らず、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、スリットシャッタ100を開ける直前には、硬貨投入位置通知部120において発光素子121から光を間欠的に発射させて導光部123の他端面123Aを間欠的に発光させる。
【0488】
そして本発明は、スリットシャッタ100を開けている間は、硬貨投入位置通知部120において発光素子121から光を連続的に発射させて導光部123の他端面123Aを連続的に発光させるようにしても良い。
【0489】
また本発明は、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、スリットシャッタ100を開ける直前には、硬貨投入位置通知部120において発光素子121から光を連続的に発射させて導光部123の他端面123Aを連続的に発光させる。
【0490】
そして本発明は、スリットシャッタ100を開けている間は、硬貨投入位置通知部120において発光素子121から光を間欠的に発射させて導光部123の他端面123Aを間欠的に発光させるようにしても良い。
【0491】
さらに本発明は、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、スリットシャッタ100を開ける直前、及びスリットシャッタ100を開けている間の一方のみで、硬貨投入位置通知部120において発光素子121から光を間欠的又は連続的に発射させて導光部123の他端面123Aを間欠的又は連続的に発光させるようにしても良い。
【0492】
さらに本発明は、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、スリットシャッタ100を開ける直前から閉じるまでの間、硬貨投入位置通知部120において発光素子121から光を間欠的又は連続的に発射させて導光部123の他端面123Aを間欠的又は連続的に発光させるようにしても良い。
【0493】
さらに本発明は、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、スリットシャッタ100を開ける直前と、スリットシャッタ100を開けている間とで、導光部123の他端面123Aを異なる発光色で発光させるようにしても良い。
【0494】
さらに本発明は、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、スリットシャッタ100を開ける直前や、スリットシャッタ100を開けている間に導光部123の他端面123Aの発光色を定期的に変化させるようにしても良い。
【0495】
このように本発明は、入金用の硬貨の投入に硬貨投入スリット5AXを使用する際、導光部123の他端面123Aを種々の発光パターンで(すなわち、発光のタイミングや発光色で)発光させることができる。
【0496】
(2−6)他の実施の形態6
さらに上述した実施の形態においては、本発明によるシャッタ開閉装置を、図1乃至図17について上述した現金自動預払機1の上向パネル面3Aに形成された硬貨出入口3AXに対して硬貨出入口用シャッタ5を開閉する硬貨用シャッタ開閉部21に適用するようにした場合について述べた。
【0497】
しかしながら本発明は、これに限らず、前側を向く垂直な又は後斜め上方向と平行なパネル面に硬貨出入口が形成された硬貨取扱装置の当該硬貨出入口に対して硬貨出入口用シャッタを開閉する硬貨用シャッタ開閉部に適用することができる。
【0498】
すなわち、本発明は、硬貨出入口用シャッタを、閉じた状態から少なくとも一部をシャッタ裏面側となる後側へ変位させた後、当該硬貨出入口用シャッタの一端側となる下側又は上側へ移動させて開き、また硬貨出入口用シャッタを、開いた状態から当該硬貨出入口用シャッタの他端側となる上側又は下側へ移動させた後、少なくとも一部をシャッタ表面側となる前側へ変位させて閉じるような硬貨用シャッタ開閉部に適用することができる。
【0499】
また本発明は、前側を向くパネル面や上側を向くパネル面に硬貨の投入専用の硬貨投入口が形成された硬貨取扱装置の当該硬貨投入口に対してシャッタを開閉するシャッタ開閉部等のように、この他種々の構成のシャッタ開閉装置に広く適用することができる。
【0500】
(2−7)他の実施の形態7
さらに上述した実施の形態においては、本発明による硬貨取扱装置を、図1乃至図17について上述した現金自動預払機1に適用するようにした場合について述べた。
【0501】
しかしながら本発明は、これに限らず、硬貨用シャッタ開閉部が設けられた現金自動支払機(CD:Cash Dispenser)や入金専用機、両替機、電車の切符や観劇のチケット等を販売する券売機、精算機等のように、硬貨用シャッタ開閉部が設けられた、この他種々の構成の硬貨取扱装置に広く適用することができる。
【0502】
(2−8)他の実施の形態8
さらに上述した実施の形態においては、表面の所定位置に裏面へ貫通する硬貨投入用のスリットが形成され、所定のパネル板に形成された硬貨を投入するための開口部用のシャッタとして、図1乃至図17について上述した硬貨出入口用シャッタ5を適用するようにした場合について述べた。
【0503】
しかしながら本発明は、これに限らず、四角平板状のシャッタ及び円板状のシャッタ等のような種々の形状のシャッタや、シャッタ表面に左右に長いスリットが形成されたシャッタ、表面に円形状のシャッタ凸部が設けられたシャッタ及び表面に正方形状のシャッタ凸部が設けられたシャッタ等のように、この他種々の構成のシャッタを広く適用することができる。
【0504】
(2−9)他の実施の形態9
さらに上述した実施の形態においては、シャッタを、開口部に対して閉じた状態から少なくとも一部を裏面側へ変位させた後、当該シャッタの一端側へ移動させて開口部に対して開き、シャッタを、開口部に対して開いた状態から当該シャッタの他端側へ移動させた後、少なくとも一部を表面側へ変位させて開口部に対して閉じる開口部用シャッタ駆動部として、図1乃至図17について上述した出入口用シャッタ駆動部42を適用するようにした場合について述べた。
【0505】
しかしながら本発明は、これに限らず、ベルト及びガイドによりシャッタを移動及び変位させる開口部用シャッタ駆動部のように、この他種々の構成の開口部用シャッタ駆動部を広く適用することができる。
【0506】
(2−10)他の実施の形態10
さらに上述した実施の形態においては、シャッタの裏面に変位可能に設けられたスリットシャッタとして、図1乃至図17について上述した略W字板状のスリットシャッタ100を適用するようにした場合について述べた。
【0507】
しかしながら本発明は、これに限らず、短冊状やL字平板状等のように、この他種々の構成のスリットシャッタを広く適用することができる。
【0508】
(2−11)他の実施の形態11
さらに上述した実施の形態においては、シャッタを閉じた状態で一端と対向する位置に配置され、シャッタを閉じるために当該シャッタの少なくとも一部が表面側へ変位した場合のみスリットシャッタと係合するスリット用シャッタ駆動部として、図1乃至図17について上述したスリット用シャッタ駆動部101を適用するようにした場合について述べた。
【0509】
しかしながら本発明は、これに限らず、スリットシャッタを一方向、及びこれとは逆の他方向へ直線的に変位させて開閉するスリット用シャッタ駆動部のように、この他種々の構成のスリット用シャッタ駆動部を広く適用することができる。
【0510】
(2−12)他の実施の形態12
さらに上述した実施の形態においては、所定の駆動源として、図1乃至図17について上述したアクチュエータ110を適用するようにした場合について述べた。
【0511】
しかしながら本発明は、これに限らず、モータや油圧シリンダ等のように、この他種々の構成の駆動源を広く適用することができる。
【0512】
(2−13)他の実施の形態13
さらに上述した実施の形態においては、先端部を駆動源よりもシャッタの一端側へ位置させて回動可能に支持され、駆動源により回動される開閉用アームとして、図1乃至図17について上述した略L字平板状の開閉用アーム111を適用するようにした場合について述べた。
【0513】
しかしながら本発明は、これに限らず、J字状やへ字状等のように、スリットシャッタの変位の手法と駆動源の種類、配置位置及び配置向きとに応じて、この他種々の構成の開閉用アームを広く適用することができる。
【0514】
(2−14)他の実施の形態14
さらに上述した実施の形態においては、シャッタの一端からスリットシャッタの突出する部分に突設された係合突起部として、図1乃至図17について上述した円柱状の係合突起部103を適用するようにした場合について述べた。
【0515】
しかしながら本発明は、これに限らず、スリットシャッタの一部を屈曲させるようにして形成された係合突起部や、開閉用アームとの係合位置及び係合姿勢等に応じたL字状やへ字状等の種々の形状の係合突起部等のように、この他種々の構成の係合突起部を広く適用することができる。
【0516】
(2−15)他の実施の形態15
さらに上述した実施の形態においては、開閉用アームの先端部に突設された係合突起部として、図1乃至図17について上述した円柱状の係合突起部103を適用するようにした場合について述べた。
【0517】
しかしながら本発明は、これに限らず、開閉用アームの一部を屈曲させるようにして形成された係合突起部や、スリットシャッタとの係合位置及び係合姿勢等に応じたL字状やへ字状等の種々の形状の係合突起部等のように、この他種々の構成の係合突起部を広く適用することができる。
【0518】
(2−16)他の実施の形態16
さらに上述した実施の形態においては、硬貨を投入するための開口部が形成されたパネル板として、図1乃至図17について上述した表面が上向パネル面3Aとなるパネル板を適用するようにした場合について述べた。
【0519】
しかしながら本発明は、これに限らず、表面が前側へ向いたパネル面となり、開口部として硬貨出入口又は硬貨の投入専用の開口部のみが形成されたパネル板のように、この他種々の構成のパネル板を広く適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0520】
本発明は、現金自動預払機や現金自動支払機等に設けられるシャッタ開閉装置と、現金自動預払機や現金自動支払機等の硬貨取扱装置とに利用することができる。
【符号の説明】
【0521】
1……現金自動預払機、3A……上向パネル面、3AX……硬貨出入口、5……硬貨出入口用シャッタ、5A……シャッタ表面、5AX……シャッタ凸部、5AY……硬貨投入スリット、21……硬貨用シャッタ開閉部、42……出入口用シャッタ駆動部、100……スリットシャッタ、100A、111B……先端部、101……スリット用シャッタ駆動部、103……係合突起部、110……アクチュエータ、110A……本体部、110B……出力軸、111……開閉用アーム、111A……根元部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
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図18
図19
図20