【実施例】
【0035】
図1(斜視図)及び
図2(平面図)は、本願発明に係る配線基板連結装置の一例を構成する第1のコネクタを成すプラグコネクタ11及びプラグコネクタ11が取り付けられた配線基板(第1の配線基板)12を示す。プラグコネクタ11は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング13を備えており、ハウジング13は配線基板12における面の一つに固定されている。
【0036】
ハウジング13には、その長手方向に沿って互いに平行に伸びる一対の横長凸部14が形成されており、一対の横長凸部14の夫々には、複数のプラグ側コンタクト(第1のコンタクト)15の一部分がハウジング13の長手方向に沿って配列配置されている。複数のプラグ側コンタクト15の夫々は、弾性を有した導電性板材により形成された屈曲帯状部材を成すものとされていて、配線基板12に設けられた配線端子部12aに、例えば、半田付けにより接続される基板接続部15aと、後述される第2のコネクタを成すリセプタクルコネクタに備えられるリセプタクル側コンタクトに当接する接触接続部15bとが、夫々帯状部材の両端部分を成すものとして設けられている。
【0037】
上述のようにして、各々の一部分が一対の横長凸部14のいずれかに配された複数のプラグ側コンタクト15は、夫々が基板接続部15aと接触接続部15bとが設けられたものとされ、各々の接触接続部15bを相互対向させる2個の列を成す状態をもって、ハウジング13にその長手方向に沿って配列配置されていることになる。
【0038】
また、ハウジング13には、プラグ側取付金属部材16が、ハウジング13の周側壁部の外面を全面的に覆う状態をもって装着されている。なお、
図1及び
図2に示されるプラグ側取付金属部材16は、ハウジング13の周側壁部の外面を全面的に覆う状態をもってハウジング13に装着されているが、斯かるプラグ側取付金属部材16に代えて、ハウジング13の周側壁部の外面を全面的ではなく部分的に覆う状態をもってハウジング13に装着されるものとされるプラグ側取付金属部材16が用いられてもよい。
【0039】
プラグ側取付金属部材16は、ハウジング13の長手方向に一致する複数のプラグ側コンタクト15の配列方向(以下、第1のコンタクト配列方向という。)に伸びて相互対向する一対の長平板状部16aと、第1のコンタクト配列方向に伸びて相互対向する一対の短平板状部16bとを有している。一対の長平板状部16aのうちの一方は、重ね継ぎ部16cを含んでいる。そして、一対の短平板状部16bのうちの一方は、一対の長平板状部16aの夫々における第1のコンタクト配列方向における両端部のうちの一方同士を連結しており、また、一対の短平板状部16bのうちの他方は、一対の長平板状部16aの夫々における第1のコンタクト配列方向における両端部のうちの他方同士を連結している。それにより、一対の短平板状部16bは、プラグ側取付金属部材16における第1のコンタクト配列方向において対向する両端部を夫々構成していることになる。
【0040】
図3に示されるように、プラグ側取付金属部材16においては、一対の長平板状部16aの夫々における
図3において上端縁部分となる部分に、複数のハウジング係合部17が形成されており、さらに、一対の長平板状部16aの夫々における
図3において下端縁部分となる部分に、複数のグラウンド接続取付部18が形成されている。また、一対の短平板状部16bの夫々における
図3において上端縁部分となる部分に、それからプラグ側取付金属部材16の内側に屈曲して伸びる係合係止部(第1の係合係止部)19が設けられており、この係合係止部19は、それに、後述される第2のコネクタを成すリセプタクルコネクタに備えられたリセプタクル側取付金属部材に設けられた係合係止部(第2の係合係止部)が係合するものとされている。
【0041】
各々に係合係止部19が設けられて相互対向する一対の短平板状部16bは、夫々の係合係止部19を伴って相互間の間隔を広げる方向もしくは狭める方向に弾性変位することが可能なものとされている。それにより、例えば、係合係止部19にプラグ側取付金属部材16の内側から外側に向かう所定以上の押圧力が作用するときには、短平板状部16bが係合係止部19を伴ってプラグ側取付金属部材16の外側に向かって弾性変位する。
【0042】
図1に示されるように、プラグ側取付金属部材16に設けられた複数のハウジング係合部17は、プラグ側取付金属部材16がハウジング13に装着されるにあたって、ハウジング13の
図1において上端部分となる部分に係合し、また、プラグ側取付金属部材16に設けられた複数のグラウンド接続取付部18の夫々は、プラグ側取付金属部材16がハウジング13に装着されたもとにおいて、配線基板12に設けられたグラウンド電位部12bに、例えば、半田付けにより接続される。それにより、ハウジング13に装着されたプラグ側取付金属部材16が、配線基板12に取り付けられ、ハウジング13の配線基板12に対する固定に寄与するとともにグラウンド電位が与えられるものとされる。
【0043】
図4(斜視図)及び
図7(底面図)は、本願発明に係る配線基板連結装置の一例を、
図1及び
図2に示されるプラグコネクタと共に構成する、第2のコネクタを成すリセプタクルコネクタ21の部分及びリセプタクルコネクタ21が取り付けられた配線基板(第2の配線基板)22を示す。
図4においては、リセプタクルコネクタ21は、配線基板22の
図4における下面側に取り付けられている。そして、配線基板22には、一対の矩形透孔23が形成されており、リセプタクルコネクタ21の一部を成す部材が、矩形透孔23を通じて、配線基板22の
図4における上面側の外部に導出されている。また、
図5(斜視図)及び
図6(平面図)は、リセプタクルコネクタ21を、それが取り付けられた配線基板22を取り除いた状態をもって示す。
【0044】
図5〜
図7に示されるように、リセプタクルコネクタ21は、合成樹脂等の絶縁材料によって形成されたハウジング24を備えており、ハウジング24は配線基板22の面の一つに固定されている。ハウジング24には、各々が弾性を有した導電性板材により形成された屈曲帯状部材を成す複数のリセプタクル側コンタクト(第2のコンタクト)25が、各々がハウジング24の長手方向に沿って伸びて相互対向する2個の列を成すものとして配列配置されている。複数のリセプタクル側コンタクト25の夫々には、配線基板22に設けられた配線端子部22aに、例えば、半田付けによって接続される基板接続部25aと、第1のコネクタを成すプラグコネクタ11が備えるプラグ側コンタクト15に設けられた接触接続部15bに当接するものとされる接触接続部25bとが、リセプタクル側コンタクト25の部分を成すものとして設けられている。
【0045】
また、ハウジング24には、ハウジング24の長手方向に一致する複数のリセプタクル側コンタクト25の配列方向(以下、第2のコンタクト配列方向という。)における両端部分に、一対のリセプタクル側取付金属部材26が、相互対向する状態をもって装着されている。これら一対のリセプタクル側取付金属部材26は、各々が単体とされた状態をもって、
図8及び
図9に夫々示されている。
【0046】
図8及び
図9に示されるように、リセプタクル側取付金属部材26は、相互対向して配された一対の対向平板状部27と一対の対向平板状部27を連結する連結平板状部28とを有している。そして、一対の対向平板状部27には、一対のグラウンド接続取付部29が夫々設けられるとともに、一対の弾性片持片部30が各々の自由端部を相互対向させて夫々設けられている。また、連結平板状部28には、係合係止部(第2の係合係止部)31が設けられている。この係合係止部31は、前述の第1のコネクタを成すプラグコネクタ11に備えられたプラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19に係合するものとされている。
【0047】
係合係止部31は、リセプタクル側取付金属部材26における連結平板状部28の一部分が切り起こされて形成されており、リセプタクル側取付金属部材26の外方に突出する一対の突起部33を含んで構成されている。一対の突起部33の夫々は、
図8及び
図9において上方に向いた傾斜面33aと
図8及び
図9において下方に向いた傾斜面33bとを有している。このような係合係止部31を構成する一対の突起部33が形成された連結平板状部28は、一対の突起部33を伴って、リセプタクル側取付金属部材26の外側に向かう方向及びリセプタクル側取付金属部材26の内側に向かう方向に弾性揺動することが可能とされている。
【0048】
リセプタクル側取付金属部材26に設けられた一対のグラウンド接続取付部29は、リセプタクル側取付金属部材26がハウジング24に装着されたもとにおいて、配線基板22に設けられたグラウンド電位部22bに、例えば、半田付けにより接続される。それにより、ハウジング24に装着されたリセプタクル側取付金属部材26が、配線基板22に取り付けられ、ハウジング24の配線基板22に対する固定に寄与するとともにグラウンド電位が与えられるものとされる。
【0049】
さらに、リセプタクルコネクタ21には、ハウジング24に対して移動可能に設けられる可動操作部材35が備えられる。可動操作部材35は、その全体が、例えば、棒状金属材料に屈曲加工が施されて形成されて第2のコンタクト配列方向に伸びる棒状部材とされ、ハウジング24外において第2のコンタクト配列方向に沿う中間部36と、中間部36の両端に夫々設けられてハウジング24の内部へと伸びる一対の屈曲部37とを有している。中間部36には、薄いシート材によって形成された操作タグ38が装着されている。リセプタクルコネクタ21が配線基板22に取り付けられたもとにあっては、
図4に示されるように、可動操作部材35の中間部36が配線基板22外に突出するとともに、可動操作部材35の屈曲部37が中間部36の両端の夫々から配線基板22に設けられた矩形透孔23を通じてハウジング24内に伸びるものとされる。
【0050】
そして、配線基板22に取り付けられたリセプタクルコネクタ21に備えられた可動操作部材35は、操作タグ38が装着された中間部36が配線基板22外において配線基板22に近接せしめられる押込み位置と、操作タグ38が装着された中間部36が配線基板22外において配線基板22から離隔せしめられる引揚げ位置とを選択的にとる。可動操作部材35が押込み位置をとるものとされるときには、例えば、引揚げ位置をとる可動操作部材35に、その中間部36をハウジング24に向かう方向に変位させる押込み操作が加えられ、また、可動操作部材35が引揚げ位置をとるものとされるときには、例えば、押込み位置をとる可動操作部材35に、その中間部36をハウジング24から離隔する方向に変位させる引揚げ操作が加えられる。可動操作部材35に加えられる、その中間部36をハウジング24から離隔する方向に変位させる引揚げ操作は、例えば、中間部36に装着された操作タグ38が引き揚げられることによって行われる。
【0051】
可動操作部材35の中間部36の両端部の夫々からハウジング24の内部へと伸びる屈曲部37は、可動操作部材35が押込み位置をとるとき、ハウジング24内においてリセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31に当接もしくは近接する可動操作部材35の端部を形成している。ハウジング24内において係合係止部31に当接もしくは近接した可動操作部材35の端部は、係合係止部31の移動を阻止する役割を果たす。
【0052】
また、可動操作部材35の中間部36の両端の夫々からハウジング24の内部へと伸びる屈曲部37は、その先端部分37aがさらに屈曲されて中間部36と平行となる方向に伸びるものとされる。そして、斯かる屈曲部37の先端部分37aは、可動操作部材35が引揚げ位置をとるとき、一対のリセプタクル側取付金属部材26の夫々に設けられた一対の弾性片持片部30に係合する状態をとる。屈曲部37の先端部分37aが一対の弾性片持片部30に係合する状態をとるときには、一対の弾性片持片部30は、屈曲部37についての位置規制を行う位置規制部を構成する。従って、一対のリセプタクル側取付金属部材26の夫々には、可動操作部材35が引揚げ位置をとるとき可動操作部材35の一対の屈曲部37の夫々についての位置規制を行う位置規制部が設けられていることになる。
【0053】
斯かるもとで、配線基板22に固定されたリセプタクルコネクタ21のハウジング24に可動操作部材35が装着されるにあたっては、先ず、
図10及び
図11に示されるように、配線基板22に固定されたリセプタクルコネクタ21のハウジング24に対して、可動操作部材35が、それにおける一対の屈曲部37の先端部分37aを配線基板22に設けられた一対の矩形透孔23に夫々対応する位置をとらせる状態をもって、対向配置される。
【0054】
次に、
図12及び
図13に示されるように、可動操作部材35がリセプタクルコネクタ21のハウジング24に向かう方向、即ち、
図12及び
図13における下方に移動せしめられる。その際、可動操作部材35における一対の屈曲部37の先端部分37aの夫々が、配線基板22外から配線基板22に設けられた一対の矩形透孔23を通じてハウジング24内へと移動せしめられ、一対のリセプタクル側取付金属部材26の夫々に設けられた一対の弾性片持片部30に当接して、当該一対の弾性片持片部30をハウジング24の内部へと弾性変位させ、相互対向する一対の弾性片持片部30の各々の自由端部間の間隔を増大させる。
【0055】
その後、
図12及び
図13における下方に移動せしめられる可動操作部材35における一対の屈曲部37の先端部分37aの夫々が、一対のリセプタクル側取付金属部材26の夫々に設けられた一対の弾性片持片部30の夫々の自由端部間を通過して、ハウジング24内における所定の位置に到達するものとされ、それにより、配線基板22に固定されたリセプタクルコネクタ21のハウジング24に可動操作部材35が装着された状態が得られる。そして、ハウジング24の内部へと弾性変位せしめられた一対の弾性片持片部30の夫々は、自らの弾性復元力によって、元の位置に復帰する。
【0056】
このようにして、配線基板22に固定されたリセプタクルコネクタ21のハウジング24に装着された可動操作部材35は、例えば、
図14に示されるように、例えば、引揚げ位置をとるものとされ、その際、可動操作部材35における一対の屈曲部37の先端部分37aの夫々が、一対のリセプタクル側取付金属部材26の夫々に設けられた一対の弾性片持片部30に係合する状態をとり、一対の弾性片持片部30が、屈曲部37についての位置規制を行う。
【0057】
このようなもとで、配線基板22におけるリセプタクルコネクタ21が有するハウジング24が固定された面が、配線基板12におけるプラグコネクタ11が有するハウジング13が固定された面に対向するものとされて、配線基板22が配線基板12に対面近接して重ね合わせられるとき、本願発明に係る配線基板連結装置の一例を構成する第1のコネクタと第2のコネクタとを夫々成すプラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ21とが相互係合状態をとる。斯かる際には、先ず、
図15に示されるように、配線基板12を伴ったプラグコネクタ11 に対して配線基板22を伴ったリセプタクルコネクタ21が対向配置される。
【0058】
このとき、リセプタクルコネクタ21のハウジング24に配列配置された複数のリセプタクル側コンタクト25が、プラグコネクタ11のハウジング13に配列配置された複数のプラグ側コンタクト15に夫々対応する位置をとるものとされ、また、
図16に示されるように、リセプタクルコネクタ21のハウジング24に装着されたリセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31が、プラグコネクタ11のハウジング13に装着されたプラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19に対応する位置をとるものとされる。さらに、
図15に示されるように、リセプタクルコネクタ21に備えられた可動操作部材35が引揚げ位置をとるものとされ、
図16に示されるように、配線基板22に設けられた矩形透孔23に対応する位置におかれた可動操作部材35における屈曲部37の先端部分37aが、リセプタクル側取付金属部材26に設けられた弾性片持片部30に当接し、それにより、可動操作部材35における屈曲部37が位置規制された状態におかれる。
【0059】
次に、配線基板22が、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24が固定された面を配線基板12のプラグコネクタ11が有するハウジング13が固定された面に近接させるべく移動せしめられると、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24のプラグコネクタ11が有するハウジング13との嵌合が開始され、それに伴って、リセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31が、プラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19との係合を開始する。斯かる際には、先ず、係合係止部31を構成する突起部33が有する傾斜面33bが、プラグ側取付金属部材16における係合係止部19が形成された部分に当接しつつ配線基板12に向かって移動し、その後、
図17に示されるように、係合係止部31を構成する突起部33の先端がプラグ側取付金属部材16における係合係止部19が形成された部分に当接する状態がとられる。それにより、突起部33がプラグ側取付金属部材16における係合係止部19が形成された部分から押圧反力を受け、突起部33が形成されたリセプタクル側取付金属部材26における連結平板状部28が、ハウジング24に対し、突起部33を伴ってリセプタクル側取付金属部材26の内側に向かう方向に弾性揺動をもって移動して変位する。
【0060】
その後、配線基板22が、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24が固定された面を配線基板12のプラグコネクタ11が有するハウジング13が固定された面に更に近接させるべく移動せしめられると、
図18に示されるように、リセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31を構成する突起部33が、それが有する傾斜面33aをプラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19が形成するエッジ部分に当接させて、係合係止部19に係合する。それにより、リセプタクルコネクタ21における係合係止部31がプラグコネクタ11における係合係止部19との係合状態におかれることになり、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24のプラグコネクタ11が有するハウジング13との嵌合が完了する。リセプタクル側取付金属部材26の内側に向かう方向に弾性揺動をもって移動したリセプタクル側取付金属部材26における連結平板状部28は、その後、自らの弾性復元力によって元の状態に戻る。
【0061】
続いて、リセプタクルコネクタ21に備えられた可動操作部35が、
図15に示されるように引揚げ位置をとる状態から、例えば、その中間部36をハウジング24に向かう方向に変位させる押込み操作が加えられて、押込み位置をとる状態に移行せしめられる。それに伴って、
図19に示されるように、可動操作部材35における屈曲部37の先端部分37aが、プラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19に係合したリセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31に当接もしくは近接した位置をとるものとされ、それにより、可動操作部材35における屈曲部37の先端部分37aによって、係合係止部31を構成する突起部33が形成されたリセプタクル側取付金属部材26における連結平板状部28の、ハウジング24に対するリセプタクル側取付金属部材26の内側に向かう方向の移動が阻止される。その結果、係合係止部31の係合係止部19に対する係合状態の解除が禁止されることになる。
【0062】
このように、可動操作部材35は、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24がプラグコネクタ11が有するハウジング13に嵌合したもとで押込み位置をとる状態におかれるとき、それにおける屈曲部37の先端部分37aを係合係止部19に係合した係合係止部31に当接もしくは近接させて、係合係止部31のハウジング24に対するリセプタクル側取付金属部材26の内側に向かう方向の移動を阻止し、係合係止部31の係合係止部19に対する係合状態の解除を禁止するものとされるのである。
【0063】
上述においては、リセプタクルコネクタ21に備えられた可動操作部材35が引揚げ位置をとるものとされたもとで、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24のプラグコネクタ11が有するハウジング13との嵌合が開始され、それに伴って、リセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31が、プラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19との係合を開始するものとされたが、場合によっては、リセプタクルコネクタ21に備えられた可動操作部材35が押込み位置をとるものとされたもとで、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24のプラグコネクタ11が有するハウジング13との嵌合が開始され、それに伴って、リセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31が、プラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19との係合を開始するものとされることも考えられる。
【0064】
斯かる場合には、
図20に示されるように、可動操作部材35における屈曲部37の先端部分37aによってハウジング24に対するリセプタクル側取付金属部材26の内側に向かう方向の移動が阻止された係合係止部31を構成する突起部33の先端が、プラグ側取付金属部材16における係合係止部19が形成された部分に当接するとき、係合係止部19が形成されたプラグ側取付金属部材16における短平板状部16bが、係合係止部19を伴ってプラグ側取付金属部材16の外側に向かって弾性変位する。それにより、先端をプラグ側取付金属部材16における係合係止部19が形成された部分に当接させた突起部33が、配線基板12に向かって移動し得るものとされる。その後、突起部33が、それが有する傾斜面33aをプラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19が形成するエッジ部分に当接させて、係合係止部19に係合する状態がとられ、リセプタクルコネクタ21における係合係止部31がプラグコネクタ11における係合係止部19との係合状態におかれることになる。プラグ側取付金属部材16の外側に向かって弾性変位したプラグ側取付金属部材16における短平板状部16bは、その後、自らの弾性復元力によって元の状態に戻る。
【0065】
係合係止部31を構成する突起部33が係合係止部19に係合したもとにあっては、突起部33が有する傾斜面33aが係合係止部19が形成するエッジ部分に当接する状態がとられるので、たとえ、係合係止部31を構成する突起部33に配線基板12から離隔せしめられることになる方向の力が作用する場合にも、斯かる力は係合係止部19が形成するエッジ部分によって受け止められ、係合係止部19が形成されたプラグ側取付金属部材16における短平板状部16bがプラグ側取付金属部材16の外側に向かって弾性変位する事態はもたらされず、係合係止部31の係合係止部19に対する係合状態の解除が禁止される。
【0066】
上述のようにして、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24がプラグコネクタ11が有するハウジング13に嵌合し、リセプタクルコネクタ21における係合係止部31のプラグコネクタ11における係合係止部19に対する係合状態の解除が禁止される状態がとられて、配線基板22を伴ったリセプタクルコネクタ21と配線基板12を伴ったプラグコネクタ11とが相互係合状態におかれることになる。
【0067】
斯かるもとにあっては、
図21に示されるように、リセプタクルコネクタ21のハウジング24に配列配置された複数のリセプタクル側コンタクト25における接触接続部25bが、プラグコネクタ11のハウジング13に配列配置された複数のプラグ側コンタクト15における接触接続部15bに夫々接触接続される。それにより、複数のリセプタクル側コンタクト25における基板接続部25aが夫々接続された配線基板22に設けられた複数の配線端子部22aが、複数のリセプタクル側コンタクト25及び複数のプラグ側コンタクト15を介して、複数のプラグ側コンタクト15における基板接続部15aが夫々接続された配線基板12に設けられた複数の配線端子部12aに夫々連結され、配線基板12と配線基板22とが電気的に相互連結される。
【0068】
また、このとき、
図19に示されるように、リセプタクルコネクタ21のハウジング24に装着されたリセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31が、プラグコネクタ11のハウジング13に装着されたプラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19との係合状態をとるので、リセプタクルコネクタ21のハウジング24のプラグコネクタ11のハウジング13からの不所望な離脱が阻止される。
【0069】
リセプタクルコネクタ21がプラグコネクタ11に係合したもとで、必要に応じて、例えば、可動操作部材35の中間部36に装着された操作タグ38が引き揚げられる操作が行われ、それに伴って可動操作部材35が引揚げ位置をとるものとされるときには、係合係止部19に係合した係合係止部31に当接もしくは近接した位置におかれた可動操作部材35における屈曲部37の先端部分37aが、配線基板12から離隔するように移動せしめられて配線基板22に近接した位置をとるものとされる。それにより、係合係止部31を構成する突起部33が形成されたリセプタクル側取付金属部材26における連結平板状部28が、ハウジング24に対し、突起部33を伴ってリセプタクル側取付金属部材26の内側に向かう方向に弾性揺動をもって移動し得るものとされて、係合係止部31の係合係止部19に対する係合状態の解除が許容される。その結果、リセプタクルコネクタ21が備えるハウジング24のプラグコネクタ11が備えるハウジング13からの離脱が可能とされて、リセプタクルコネクタ21がプラグコネクタ11との係合状態を解除し得るものとされる。
【0070】
上述のようなプラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ21とを含んで構成される本願発明に係る配線基板連結装置の一例によれば、プラグコネクタ11が有するハウジング13に装着されたプラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19とリセプタクルコネクタ21が有するハウジング24に装着されたリセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31とが、リセプタクルコネクタ21におけるハウジング24のプラグコネクタ11におけるハウジング13からの不所望な離脱を阻止する係止手段を構成するもとにおいて、係合係止部19に係合した係合状態をとる係合係止部31が、押込み位置をとる可動操作部材35によって係合係止部19との係合状態の解除が禁止されるものとされるので、プラグコネクタ11が有するハウジング13がリセプタクルコネクタ21が有するハウジング24との係合状態をとり、それに伴って、ハウジング24に配列配置された複数のリセプタクル側コンタクト25がハウジング13に配列配置された複数のプラグ側コンタクト15との接触接続状態をとる、プラグコネクタ11とリセプタクルのコネクタ21との相互係合状態を、極めて安定かつ堅固に維持することができる。
【0071】
プラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ21とが相互係合した状態におかれ、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24がプラグコネクタ11が有するハウジング13との係合状態をとったもとで、可動操作部材35に押込み位置をとらせる操作は、例えば、ハウジング24が固定された配線基板22外に突出するものとされる可動操作部材35の中間部36を、配線基板22外からハウジング24内に向かう方向に押し込むだけの、極めて簡単で容易なものとされる。従って、特別な工具等の使用を必要としない極めて簡単で容易な操作により、しかも、プラグコネクタ11及びリセプタクルコネクタ21のいずれにも不所望な力を作用させることなく、ハウジング24に装着されたリセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31を、ハウジング13に装着されたプラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19との係合状態の解除が禁止される状態におくことができることになる。
【0072】
さらに、プラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ21とを含んで構成される本願発明に係る配線基板連結装置の一例にあっては、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24に装着されたリセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31が、プラグコネクタ11が有するハウジング13に装着されたプラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19との係合状態をとるもとで、押込み位置をとっていた可動操作部材35が引揚げ位置をとるものとされると、可動操作部材35による係合係止部31の係合係止部19との係合状態の解除禁止が解かれる。それにより、係合係止部31の係合係止部19に対する移動が可能とされ、係合係止部31の係合係止部19に対する係合状態の解除が許容されて、プラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ21とを相互係合状態から解放することができる状態が得られる。
【0073】
斯かるもとで、プラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ21とが相互係合した状態におかれ、リセプタクルコネクタ21が有するハウジング24がプラグコネクタ11が有するハウジング13との係合状態をとったもとで、押込み位置をとっていた可動操作部材35に引揚げ位置をとらせる操作は、例えば、ハウジング24が固定された配線基板22外に突出する可動操作部材35の中間部36を、ハウジング24内から配線基板22外に向かう方向に引き揚げるだけの、極めて簡単で容易なものとされる。従って、特別な工具等の使用を必要としない極めて簡単で容易な操作により、しかも、プラグコネクタ11及びリセプタクルコネクタ21のいずれにも不所望な力を作用させることなく、ハウジング24に装着されたリセプタクル側取付金属部材26に設けられた係合係止部31についての、ハウジング13に装着されたプラグ側取付金属部材16に設けられた係合係止部19との係合状態の解除禁止を解いて、プラグコネクタ11とリセプタクルコネクタ21とを相互係合状態から解放することができる状態におくことができる。