特許第5892382号(P5892382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立工機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5892382-電動工具 図000002
  • 特許5892382-電動工具 図000003
  • 特許5892382-電動工具 図000004
  • 特許5892382-電動工具 図000005
  • 特許5892382-電動工具 図000006
  • 特許5892382-電動工具 図000007
  • 特許5892382-電動工具 図000008
  • 特許5892382-電動工具 図000009
  • 特許5892382-電動工具 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5892382
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】電動工具
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20160310BHJP
【FI】
   B25F5/00 C
   B25F5/00 H
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-168141(P2012-168141)
(22)【出願日】2012年7月30日
(65)【公開番号】特開2014-24174(P2014-24174A)
(43)【公開日】2014年2月6日
【審査請求日】2014年12月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005094
【氏名又は名称】日立工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095946
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 伸
(74)【代理人】
【識別番号】100099829
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 朗子
(74)【代理人】
【識別番号】100183380
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 裕司
(72)【発明者】
【氏名】吉田 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】谷本 英之
(72)【発明者】
【氏名】山口 勇人
(72)【発明者】
【氏名】倉賀野 慎治
(72)【発明者】
【氏名】根内 拓哉
【審査官】 亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−006446(JP,A)
【文献】 特開2008−229763(JP,A)
【文献】 特開2012−115945(JP,A)
【文献】 特開2005−335005(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B25C 7/00
B23B 45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
該ハウジングに内蔵された電動モータと、
該電動モータに電力を供給する二次電池と、
該ハウジングに設けられたハンドルと、
該電動モータへの電力の供給を制御するために該ハンドルに設けられたトリガスイッチと、
該二次電池の残容量が表示される残容量表示部と、
該ハンドルに設けられ、操作されることにより作業者による該トリガスイッチの操作を可能にし且つ該残容量表示部に該二次電池の残容量を表示させるロック解除スイッチと、を備えることを特徴とする電動工具。
【請求項2】
該ハンドルは、作業者が把持する把持部を有し、該ハウジングと共に環状をなすように該ハウジングに設けられ、
該残容量表示部は、該ハウジングの該把持部に対向する箇所に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項3】
該把持部には該トリガスイッチが設けられ、
該残容量表示部は、該ハウジングの該トリガスイッチに対向する箇所に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の電動工具。
【請求項4】
該ハンドルは作業者が把持する把持部を有し、
該ロック解除スイッチは、作業者が該把持部を把持しながら操作可能な位置に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動工具。
【請求項5】
該残容量表示部における該二次電池の残容量の表示は、該トリガスイッチを操作すると非表示になるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項6】
該残容量表示部における該二次電池の残容量の表示は、該ロック解除スイッチが操作され該残容量表示部に該二次電池の残容量が表示されてから所定時間後に非表示になることを特徴とする請求項1に記載の電動工具。
【請求項7】
該ロック解除スイッチは、該トリガスイッチが操作されている間は、操作されずとも該トリガスイッチと係合することにより、解除状態を維持することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項記載の電動工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源に二次電池を用いた電動工具において、特に二次電池の残容量表示部を備えた電動工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、二次電池により駆動され、電池残容量を表示する残容量表示部を有する電動工具が提案されている。例えば、残容量表示部がLED等の発光素子により構成され、電池残容量表示部の脇に残容量表示スイッチが設けられた電動工具では、残容量表示スイッチを押すことにより、残容量表示部に二次電池の残容量が表示される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−72892号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記の電動工具では、電池残容量を表示するために、電動工具のハンドルを片方の手で把持し工具を持ち上げ、他方の手で残容量表示スイッチを押す必要があった。よって、電池残容量を表示するための操作に両手を用いる必要があり面倒であった。
【0005】
そこで、本発明は、上記した従来技術の問題を解消し、容易な操作で電池残容量を表示させることができる電動工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明は、ハウジングと、該ハウジングに内蔵された電動モータと、該電動モータに電力を供給する二次電池と、該ハウジングに設けられたハンドルと、該電動モータへの電力の供給を制御するために該ハンドルに設けられたトリガスイッチと、該二次電池の残容量が表示される残容量表示部と、該ハンドルに設けられ、操作されることにより作業者による該トリガスイッチの操作を可能にし且つ該残容量表示部に該二次電池の残容量を表示させるロック解除スイッチと、を備える電動工具を提供している。
【0007】
かかる構成によれば、ロック解除スイッチを操作するという簡単な操作で、二次電池の残容量を残容量表示部に表示させることができる。また、ロック解除スイッチに、トリガスイッチを操作可能にする機能に加え、二次電池の残容量を表示させる機能を持たせたので、機能を新たに加えたことによる部品点数の増加を抑制することができる。また、二次電池の残容量を表示させるために、電動モータを駆動させないので、無駄に二次電池を消耗させることがなく、かつ騒音を発生させることもない。
【0008】
ここで、該ハンドルは、作業者が把持する把持部を有し、該ハウジングと共に環状をなすように該ハウジングに設けられ、該残容量表示部は、該ハウジングの該把持部に対向する箇所に配置されていることが望ましい。
【0009】
かかる構成によれば、破損しやすい残容量表示部を、ハンドルにより保護しながらある程度の視認性を確保することができる。
【0010】
また、該把持部には該トリガスイッチが設けられ、該残容量表示部は、該ハウジングの該トリガスイッチに対向する箇所に配置されていることが望ましい。
【0011】
かかる構成によれば、破損しやすい残容量表示部を、ハンドルにより保護しながらある程度の視認性を確保することができる。
【0012】
また、該ハンドルは作業者が把持する把持部を有し、該ロック解除スイッチは、作業者が該把持部を把持しながら操作可能な位置に設けられていることが望ましい。
【0013】
かかる構成によれば、ロック解除スイッチの操作を片手で行うことができるので、容易に二次電池の残容量を残容量表示部に表示させることができる。
【0014】
また、該残容量表示部における該二次電池の残容量の表示は、該トリガスイッチを操作すると非表示になるように構成されていることが望ましい。
【0015】
かかる構成によれば、作業中は、放電電流に応じて電圧が変化し、適正な残容量を表示することができないが、上記のように構成することにより、放電中の電圧降下を電池の残容量が低下していると作業者に誤認させることを抑制することができる。また、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0016】
また、該残容量表示部における該二次電池の残容量の表示は、該ロック解除スイッチが操作され該残容量表示部に該二次電池の残容量が表示されてから所定時間後に非表示になることが望ましい。
【0017】
かかる構成によれば、作業中は、放電電流に応じて電圧が変化し、適正な残容量を表示することができないが、上記のように構成することにより、放電中の電圧降下を電池の残容量が低下していると作業者に誤認させることを抑制することができる。また、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0018】
また、該ロック解除スイッチは、該トリガスイッチが操作されている間は、操作されずとも該トリガスイッチと係合することにより、解除状態を維持することが望ましい。
【0019】
かかる構成によれば、作業中にロック解除スイッチを操作し続ける必要がないので、電動工具の操作性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、容易な操作で電池残容量を表示させることができる電動工具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態による丸のこの斜視図。
図2】本発明の実施の形態による丸のこの側面図。
図3】本発明の実施の形態による丸のこの断面図。
図4】本発明の実施の形態による丸のこのバッテリー残容量表示部を示す図。
図5】本発明の実施の形態による丸のこのトリガスイッチとロック解除スイッチ付近の拡大図であって、ロック解除スイッチが非係合位置にある状態を示す図。
図6】本発明の実施の形態による丸のこのトリガスイッチとロック解除スイッチ付近の拡大図であって、ロック解除スイッチが係合位置にある状態を示す図。
図7】本発明の実施の形態による丸のこの回路図。
図8】本発明の実施の形態の変形例としての丸のこの回路図。
図9】本発明の実施の形態の変形例としての丸のこの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態による電動工具について、図1から図7に基づき説明する。図1図3に示される電動工具である携帯用丸のこ1は、ハウジング2と、のこ刃3と、ベース4とを主に備えている。ここで、説明の便宜上、図2に示される丸のこ1の右端側を前側、左端側を後側と定義し、図2に示される丸のこ1の上側を上側と定義し、図2に示される丸のこ1の下側を下側と定義する。更に、図1において後側から見た時の丸のこ1の右側を右側と定義し、逆側を左側と定義する。
【0023】
ハウジング2は、電動モータ25(図3)を収容するモータハウジング21と、ギヤ機構5(図3)を収容するギヤカバー22と、のこ刃3を収容するソーカバー23と、バッテリー27が装着されるバッテリー装着部24とを有している。
【0024】
モータハウジング21には、電動モータ25が収容された状態で電動モータ25の左方位置に開口する図示せぬ吸気口が形成されている。モータハウジング21に収容されている電動モータ25は、左右方向に延びる出力軸25Aを有し、出力軸25Aの右端にはピニオンギヤ25Bが設けられ、ピニオンギヤ25Bの左側にはファン26が設けられている。ファン26が回転すると、モータ収容部21内に図示せぬ吸気口から外気を取り込んでモータ25を冷却する。
【0025】
ギヤカバー22は、モータハウジング21の右側に配置されている。ギヤカバー22内には、ギヤ機構5が収容され、図示せぬ複数のギヤ及びギヤ51から構成される。ピニオンギヤ25Bの回転力は、図示せぬ複数のギヤを介して減速されてギヤ51に伝達される。ギヤ51は、伝達軸52に固定されており、伝達軸52は、ソーカバー23に回転可能に支承されている。伝達軸52の右端部には、のこ刃3が着脱可能かつ同軸一体回転するように設けられている。これにより、電動モータ25の出力はギヤ機構5を介してのこ刃3に伝達され、のこ刃3は図2に示す状態で反時計回り方向に回転する。
【0026】
また、ギヤカバー22は、図1及び図3に示されるようにのこ刃3の左側面の略上半分を覆っている。ギヤカバー22には、のこ刃3の刃先を照らすためのLED等からなる照明装置23A(図7)が設けられている。照明装置23Aは、後述するロック解除スイッチ34の動作に連動して点灯する。
【0027】
ソーカバー23は、のこ刃3の右側面の略上半分を覆うように構成され、左側でギヤカバー22と接続している。ソーカバー23の下方には、ベース4から突出したのこ刃3の刃先の大部分を覆うセーフティカバー41が配置されている。セーフティカバー41は、ギヤカバー22に取り付けられており、のこ刃3の回転軸心を中心としてのこ刃3の外縁に沿うように回動可能である。ギヤカバー22とセーフティカバー41との間には、図示せぬバネが介在しており、図示せぬバネは、ギヤカバー22に対してセーフティカバー41を、のこ刃3の回転方向へ付勢している。
【0028】
バッテリー装着部24は、モータハウジング21及びギヤカバー22から後側へ向かって延びるように設けられている。バッテリー装着部24の後部には、モータ25等に電力を供給するバッテリー27が着脱可能に装着される。バッテリー27は、ニカド電池、リチウムイオン電池等で構成される。また、バッテリー装着部24には、後述のバッテリーターミナル24A(図7)及び制御部29(図7)が収容されている。
【0029】
また、バッテリー装着部24の上面には、バッテリー残容量表示部28が設けられている。図4に示すように、バッテリー残容量表示部28は、LED等の発光素子からなる2つの発光部28Aを備えている。2つの発光部28Aは、制御部29により、バッテリー27の残容量に応じて点灯するように制御される。具体的には、バッテリー27の残容量が十分ある場合には2つの発光部28Aが点灯し、バッテリー27の残容量が略半分である場合には1つの発光部28Aが点灯し、バッテリー27の残容量が残り少ない場合は点灯しないように制御される。
【0030】
バッテリー装着部24の上側には、ハンドル30が設けられている。ハンドル30は、作業者が把持する把持部31と接続部32とを備えている。把持部31は、バッテリー装着部24の後端部から前上方に向かって延びている。接続部32は、握り部31の前端から前斜め下方向に向かって延び、バッテリー装着部27の上面に接続されている。また、図1及び図2に示すように、ハンドル30は、バッテリー装着部24と共に環状をなすようにバッテリー装着部24に設けられているので、ハンドル30とバッテリー装着部24とにより左右方向に貫通する把持空間30aが形成されている。作業者は把持空間30aに手を入れて把持部31を把持することで丸のこ1を操作する。また、バッテリー残容量表示部28は、バッテリー装着部24において把持空間30aに面する箇所に位置し、把持部31の下側に位置している。よって、バッテリー残容量表示部28は、バッテリー装着部24の把持部31に対向する箇所に配置されている。
【0031】
また、把持部31の前端部には、電動モータ25への電力の供給を制御するトリガスイッチ33と、ロック解除スイッチ34とが設けられている。トリガスイッチ33及びロック解除スイッチ34によりオフロックスイッチが構成される。また、トリガスイッチ33及びロック解除スイッチ34は、把持部31を把持した手で操作可能な位置に設けられている。図5に示すように、ロック解除スイッチ34は、操作部34Aと、軸部34Bと、係合部34Cと、陰極側接点34Dと、スプリング34Eとにより構成されている。また、接続部32内には、陽極側接点32Aが設けられている。
【0032】
操作部34Aは作業者に操作される箇所である。操作部34A及び係合部34Cは、全体で断面視略くの字状をなし、軸部34Bを中心に回動可能に設けられている。そして、操作部34A及び係合部34Cは、図5に示す非係合位置(OFF状態)と、図6に示す係合位置(ON状態)とに軸部34Bを中心に回動可能である。陰極側接点34Dは、係合部34Cに設けられている。スプリング34Eは、陰極側接点34Dに当接するように設けられており、操作部34A及び係合部34Cを常に非係合位置に回動するように付勢している。
【0033】
図5に示すように、操作部34A及び係合部34Cが非係合位置にあるときには、作業者がトリガスイッチ33を引いたとしても、トリガスイッチ33の端部が係合部34Cに当接する。よって、操作部34A及び係合部34Cが非係合位置にあるときは、トリガスイッチ33を引くことができないように構成されている。換言すれば、操作部34A及び係合部34Cが非係合位置にあるときは、ロック解除スイッチ34はトリガスイッチ33をロックするロック状態にある。
【0034】
一方、図6に示すように、作業者が操作部34Aを押下して、操作部34A及び係合部34Cを非係合位置から係合位置へ回動させると、係合部34Cはトリガスイッチ33の移動を遮らない位置に移動する。換言すれば、ロック解除スイッチ34は、トリガスイッチ33のロックを解除する解除状態となる。よって、トリガスイッチ33は操作可能となり、トリガスイッチ33を引いてON状態とすることができる。
【0035】
また、操作部34A及び係合部34Cが係合位置に位置する時には、陰極側接点34Dと陽極側接点32Aが接触する(ON状態)。これにより、照明装置23Aが点灯し、且つバッテリー残容量表示部28が点灯するように構成されている。このように、ロック解除スイッチ34を操作することにより、トリガスイッチ33を操作することが可能となり、且つバッテリー残容量表示部28にバッテリー27の残容量が表示される。
【0036】
また、本実施の形態では、操作部34A及び係合部34Cが係合位置にありバッテリー残容量表示部28が点灯した状態において、作業者がトリガスイッチ33を引くと、バッテリー残容量表示部28が消灯(非表示)するように構成されている。
【0037】
また、トリガスイッチ33が引かれた状態において、操作部34Aを押すのをやめると、操作部34A及び係合部34Cはスプリング34Eの付勢力により非係合位置に戻ろうとする。しかし、図6に示すように、係合部34Cは引かれた状態のトリガスイッチ33と係合しているので、操作部34A及び係合部34Cは非係合位置に戻ることができない。このように、トリガスイッチ33が引かれた状態では、操作部34Aを押すのをやめたとしても、ロック解除スイッチ34のON状態(解除状態)は維持されるように構成されている。
【0038】
ベース4は、略矩形の板材により構成され、ハウジング2の下方に位置している。ベース4は長手方向が前後方向と一致するように配置され、その略中央部には長手方向に延びる長孔状の開口部4aが形成されている。開口部4aに、のこ刃3及びセーフティカバー41が挿通されている。
【0039】
次に、図1図7に基づきトリガスイッチ33及びロック解除スイッチ34による丸のこ1の制御について説明する。まず、作業者が、把持部31を把持し、把持した手の指でロック解除スイッチ34を押下し、陰極側接点34Dと陽極側接点32Aとを接触させて、ON状態にする。これにより、電流がバッテリー27からバッテリーターミナル24Aを介して照明装置23A及びバッテリー残容量表示部28に供給され、それらが点灯する。なお、バッテリーターミナル24Aは、バッテリー27の残容量に応じた信号を制御部29に送信し、制御部29は当該信号に応じてバッテリー残容量表示部28に信号を送り、発光部28Aの発光を制御する。
【0040】
次に、作業者がトリガスイッチ33を引くことにより、トリガスイッチ33が図7の1から3に切り換えられると、電動モータ25に電流が供給され電動モータ25が回転駆動される。また、制御部29は、トリガスイッチ33は1から3に切り換えられたことを検知し、バッテリー残容量表示部28に信号を送り点灯している発光部28Aを消灯する。
【0041】
電動モータ25が回転駆動されることにより、出力軸25Aの回転がピニオンギヤ25B及びギヤ機構5を介してのこ刃3に伝達される。この状態で、ベース4を被加工部材に当接させてのこ刃3を被加工部材に当てることにより切断作業が開始される。セーフティカバー41の前端と被加工部材とが当接することで、セーフティカバー41はソーカバー23内に収容される。切断作業が終了すると、図示せぬバネの付勢力によってセーフティカバー41は図2に示す状態となる。
【0042】
上記のように、ロック解除スイッチ34を操作することにより、トリガスイッチ33を操作することが可能となり、且つバッテリー残容量表示部28にバッテリー27の残容量が表示される。よって、ロック解除スイッチ34を操作するという簡単な操作で、バッテリー27の残容量をバッテリー残容量表示部28に表示させることができる。また、ロック解除スイッチ34に、トリガスイッチ33を操作可能にする機能に加え、バッテリー27の残容量を表示させる機能を持たせたので、機能を新たに加えたことによる部品点数の増加を抑制することができる。また、バッテリー27の残容量を表示させるために、電動モータ25を駆動させないので、無駄にバッテリー27を消耗させることがなく、かつ騒音を発生させることもない。
【0043】
また、ハンドル30は、バッテリー装着部24と共に環状をなすようにバッテリー装着部24に設けられ、バッテリー残容量表示部28は、バッテリー装着部24の把持部31に対向する箇所に配置されている。よって、破損しやすいバッテリー残容量表示部28を、ハンドル30により保護しながらある程度の視認性を確保することができる。
【0044】
また、ロック解除スイッチ34は、作業者が把持部31を把持した手で操作可能な位置に設けられている。よって、ロック解除スイッチ34の操作を片手で行うことができるので、容易にバッテリー27の残容量をバッテリー残容量表示部28に表示させることができる。
【0045】
また、ロック解除スイッチ34を操作することによりバッテリー残容量表示部28にバッテリー27の残容量が表示された状態で、作業者がトリガスイッチ33を引くと、バッテリー残容量表示部28が非表示となるように構成されている。よって、作業中にバッテリー27の残容量は、バッテリー残容量表示部28に表示されない。作業中は、放電電流に応じて電圧が変化し、適正な残容量を表示することができないが、上記のように構成することにより、放電中の電圧降下を電池の残容量が低下していると作業者に誤認させることを抑制することができる。また、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0046】
また、トリガスイッチ33が引かれた状態では、操作部34Aを押すのをやめたとしても、ロック解除スイッチ34のON状態(解除状態)は維持されるように構成されている。よって、作業中にロック解除スイッチ34を操作し続ける必要がないので、丸のこ1の操作性を向上させることができる。
【0047】
なお、本発明による電動工具は上述した実施の形態に限定されず特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲で種々の変更が可能である。例えば、トリガスイッチ33を引くと、バッテリー残容量表示部28が非表示となるように構成されていたが、バッテリー残容量を点灯してから所定時間経過後(例えば3秒後)に、消灯するように構成しても良い。かかる構成によっても、放電中の電圧降下を電池の残容量が低下していると作業者に誤認させることを抑制することができる。また、無駄な電力消費を抑えることができる。
【0048】
上記の実施の形態では、照明装置23A及びバッテリー残容量表示部28に対し一組の接点(陽極側接点32A及び陰極側接点34D)を設け、一組の接点により照明装置23A及びバッテリー残容量表示部28のON、OFFを制御した。しかし、図8に示すように、照明装置23A及びバッテリー残容量表示部28のそれぞれに対し一組の接点134A、134Bを設け、二組の接点134A、134Bをオフロックスイッチ134の操作に連動して作動させて、照明装置23A及びバッテリー残容量表示部28のON、OFFを制御しても良い。
【0049】
また、図9に示す丸のこ101のように、バッテリー残容量表示部128を、バッテリー装着部24のトリガスイッチ33に対向する位置(トリガスイッチ33の下側)に配置しても良い。当該構成によっても、破損しやすいバッテリー残容量表示部28を、ハンドル30により保護しながらある程度の視認性を確保することができる。
【符号の説明】
【0050】
1、101:丸のこ、 2:ハウジング、 28、128:バッテリー残容量表示部、 25:電動モータ、 27:バッテリー、 30:ハンドル、 31:把持部、 33:トリガスイッチ、 34:ロック解除スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9