(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、無線通信機能を備える各検針メータからの検針データを無線通信により収集するシステムにおいて、移動体に搭載された無線通信装置が、基地局と無線通信ができない孤立検針メータを検出し、検出した孤立検針メータから未収集の検針データを受信し、孤立検針メータから受信した検針データを、基地局と無線通信ができる非孤立検針メータへ転送するものである。ここで、検針データは、ガス、水道、電気等の使用量の検針データを含む。移動体は、自動車、オートバイ等を含む。
【0014】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
本実施の形態では、移動体が自動車である場合を例に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態のシステム構成を例示する図である。
【0017】
図1において、検針メータ100から107は、無線通信機能を備え、各戸等に設置された自動検針装置(検針メータ)である。各検針メータは、例えば
図2に例示するように、制御部201、メータ部202、無線通信部203、記憶部204を備える。制御部201は、メータ部202により取得された検針データを無線通信部203を介して基地局120へ転送する。基地局120に転送された検針データは通信回線180を介して検針サーバ190へ収集される。検針メータ101及び102は、基地局通信エリア160内にあり、基地局120と直接無線通信を行い、検針データを転送する。検針メータ103から107は、基地局120と直接の無線通信はできないが、周囲の検針メータと無線通信ができるため、基地局120まで検針データをバケツリレー式に転送することができる。この結果、検針メータ101から107の検針データは自動検針できるので、基地局120の自動検針エリアは、基地局自動検針エリア170で示されるエリアとなり、基地局自動検針エリア170内で基地局120に転送された検針データは検針サーバ190へ収集される。
【0018】
一方、
図1の検針メータ100は基地局自動検針エリア170のエリア外にあり、他の検針メータや基地局120と無線通信ができない。本実施形態では、他の検針メータや基地局120と無線通信ができない検針メータ(
図1では検針メータ100)を孤立メータと呼び、他の検針メータや基地局120と無線通信ができる検針メータ(
図1では検針メータ101から107)を非孤立メータと呼ぶ。孤立メータである検針メータ100の記憶部203には、自動検針サーバが収集できない検針データ150が保持される。例えば、制御部201は、他の検針メータや基地局120と無線通信ができない場合、メータ部202から取得した検針データを記憶部204に記憶する。
【0019】
自動車130は無線通信装置140を搭載している。自動車130に搭載される無線通信装置140は、
図3に示すように、制御部301、無線通信部302、記憶部303を備える。制御部301は装置全体を制御するものであり、後述する各種処理を行う。
【0020】
図1において、自動車130が、孤立メータである検針メータ100と無線通信が可能である位置Aにある場合、無線通信装置140の制御部301は、孤立メータが保持する検針データ150を無線通信部302を介して受信する。また、
図1では、自動車130が運転されることで位置Aから位置Bへ移動したことを表している。自動車130が位置Bにきたとき、無線通信装置140が検針メータ107と無線通信可能となる。
【0021】
検針サーバ190は、各検針メータにより取得された検針データを基地局120から通信回線180を介して受信し、記憶部に記憶して管理する。
【0022】
次に、本実施形態の動作について説明する。
【0023】
図1において、検針メータ101から107については、検針メータ間での無線通信や検針メータと基地局120間の無線通信により、検針メータ毎に生成される検針データがすべて基地局120へ転送され、通信回線180を介して検針サーバ190へ収集される。すなわち、これら検針メータはすべて非孤立メータの状態にある。
【0024】
一方、検針メータ100は、周囲の状況の影響により、他の検針メータと基地局120のいずれとも無線通信することができない。検針メータ100の検針データ150は基地局120へ到達しないためにこの検針データは検針サーバ190へ収集されない。検針メータ100は孤立メータの状態にある。なお、本発明においては、各検針メータは自身が孤立メータであるか、非孤立メータであるかを認識できる。例えば、制御部201がメータ部202から取得した検針データを転送しようとしたときに、他の検針メータや基地局と無線通信が確立できなかった場合やデータの転送に失敗した場合等に、自身が孤立メータであると認識し、検針データを記憶部204に記憶するようにしてもよい。
【0025】
(1)孤立メータから自動車に搭載された無線通信装置へのデータ転送
検針メータと同じ無線通信方式を用いる無線通信装置140を搭載した自動車130が孤立メータである検針メータ100の近傍に在ることとする。この例では、検針メータが設置されている家屋の駐車場へ駐車している自動車を想定している。このとき、無線通信装置140と検針メータ100は近傍のため無線通信ができることとする。自動車130に搭載された無線通信装置140は、周囲に検針データを転送できずにいる孤立メータがいないかを確認する。この確認方法の詳細については後述する。その確認の結果、無線通信可能な孤立メータとして検針メータ100が見つかると、無線通信装置140は、検針メータ100に対して検針データの転送要求を行なう。検針メータ100は自動車130に搭載された無線通信装置140から検針データの転送要求を受け取ると、自身が保持している検針データ150を無線通信装置140へ送信する。無線通信装置140は、孤立メータである検針メータ100の検針データ150を取得する。
【0026】
ここで孤立メータと無線通信装置間の検針データ転送処理の詳細について説明する。
【0027】
図4は、自動車130に搭載された無線通信装置140と無線通信が可能な位置に孤立メータである検針メータ100と非孤立メータである検針メータ401が在るケースを示している。
【0028】
自動車130に搭載された無線通信装置140は、自動車130のエンジンの始動を検出すると孤立メータの探索のための無線パケット「Probe-Req」を送出する。「Probe-req」の送出をエンジン始動時以降としているのは、不要な無線送出を減らす目的がある。また、無線通信装置140の電源が自動車130から供給されている場合、無線通信途中でエンジンが停止し、無線通信装置140を動かすための電力を失うことを避ける目的をもつ。本パケットは特定の宛先を指定しない、Broadcastパケットである。このため、自動車130の近傍の検針メータ100、検針メータ401は、この探索のためのパケットを受信し、パケットの内容を確認し、このパケットが孤立メータ探索パケットであることを認識する。
【0029】
検針メータ100は、「Probe-Req」パケットを受信すると、自身が孤立メータであり、且つ過去に無線通信装置へデータ転送した記録の無い検針データを記憶部204に保持している場合には、応答パケットとして「Probe-Ack」を返送する。「Probe-Ack」には、検針メータ100のアドレスが含まれている。一方、検針メータ401は、自身が非孤立メータであるため応答を返さない。これにより自動車130に搭載された無線通信装置140は、孤立メータである検針メータ100の存在を検出し、検針メータ100と無線通信するために必要なアドレス情報を取得する。
図5は、検針メータにおける「Probe-Req」受信から「Probe-Ack」送信までの動作シーケンスを示す図である。
【0030】
次に、自動車130に搭載された無線通信装置140は、検針メータ100が保持している検針データの取得を行なうために検針メータ100に対して「Data-Req」パケットを送出する。本パケットは宛先として検針メータ100のアドレスを指定したUnicastパケットである。「Data-req」を受信した検針メータ100は、保持している検針データを無線通信装置140に対して「Data」パケットにて送出する。無線通信装置140は、「Data」パケットを正常に受信すると、受信完了応答として「Data-Ack」パケットを検針メータ100に対して送出する。検針メータ100は、「Data-Ack」を受信すると、内部で保持している、送出した検針データに、無線通信装置140へのデータ転送済みであることを記録として追加しておく。これにより、再び「Probe-Req」を受信した場合には、この検針データは既に一度データ転送済みであるため、対象外として扱うことで「Probe-Ack」を応答しない。
【0031】
なお、孤立メータ探索のための無線パケットの送出を自動車130のエンジン作動中としているが、これに限定されず、エンジン休止中においても無線通信装置140が探索のためのパケットを送出するよう設定こともできる。
【0032】
図6は、自動車130に搭載された無線通信装置140と無線通信が可能な位置に孤立メータとして検針メータ100と検針メータ402が在るケースを示している。
【0033】
孤立メータが複数存在する場合、無線通信装置140の「Probe-Req」に対して複数の「Probe-Ack」が返信される。図の例においては、検針メータ100と検針メータ402のそれぞれから「Probe-Ack」が送出され、無線通信装置140がこれらを受信する。
【0034】
二つのProbe-Ackが同時に無線通信装置140へ送られた場合、無線干渉となり無線通信装置140では正常にProbe-Ackの受信ができない可能性があるが、本発明においては、例えばIEEE802.11におけるCSMA/CAなどの仕組みにより無線干渉の回避がなされる。
【0035】
無線通信装置140は、「Probe-Ack」の受信順に従い、はじめに検針メータ100に対して「Data-Req」を送出し検針データを取得する。検針メータ100の検針データ取得が完了すると、検針メータ402に対して「Data-Req」を送出し検針データを取得する。
【0036】
なお、孤立メータが3台以上存在するケースも同様である。
【0037】
(2)自動車に搭載された無線通信装置から非孤立メータへのデータ転送
自動車130に搭載された無線通信装置140は、周辺で当該無線通信装置140と無線通信が可能な非孤立メータがないかを無線通信を用いて探索を行なう。検針データ150を取得したときの位置Aは、孤立メータである検針メータ100の近傍である可能性が高く、周囲の環境も検針メータ100と同等であり非孤立メータは見つからない。その後、自動車130が移動し、位置Bへ到達する。位置Bにおいては、無線装置140と検針メータ107は無線通信ができる環境にあるため、無線通信装置140が無線通信を用いた非孤立メータの探索を行なうことで検針メータ107を見つけることができる。無線通信装置140は、非孤立メータである検針メータ107に対して孤立メータ100から取得した検針データ150の転送要求を行なう。検針メータ107は、無線通信装置140から孤立メータの検針データの転送要求を受け取ると、受け取り可能である応答を無線通信装置140へ返信する。無線通信装置140は、検針メータ107からの応答を受け取ると、自身が検針メータ100より取得した検針データ150を無線通信により検針メータ107へ送信する。非孤立メータである検針メータ107は、無線通信装置140による代理転送によって、孤立メータである検針メータ100の検針データ150を取得する。
【0038】
この無線通信装置と非孤立メータ間の検針データ転送処理の詳細について説明する。
【0039】
図7は、孤立メータの検針データを取得済みである無線通信装置140と無線通信が可能な位置に、非孤立メータである検針メータ107と孤立メータである検針メータ403が在るケースを示している。
【0040】
自動車130に搭載された無線通信装置140は、孤立メータの検針データを取得すると、定期的に周囲の非孤立メータの探索のための無線パケット「Disc-Req」を送出する。本パケットは特定の宛先を指定しない、Broadcastパケットである。このため、自動車130の近傍の検針メータ107、検針メータ503はこのパケットを受信し、パケットの内容を確認し、このパケットが非孤立メータ探索パケットであることを認識する。
【0041】
検針メータ107は、「Disc-Req」パケットを受信すると、自身が非孤立メータである場合には応答パケットとして「Disc-Ack」を返送する。「Disc- Ack」には、検針メータ107のアドレスが含まれている。一方、検針メータ503は、自身が孤立メータであるため応答を返さない。これにより無線通信装置140は非孤立メータである検針メータ107の存在を検出し、検針メータ107と無線通信するために必要なアドレス情報を取得する。
【0042】
次に、自動車130に搭載された無線通信装置140は、保持している検針データを孤立メータに代わって転送するために、検針メータ107に対して「Send-Req」パケットを送出する。本パケットは宛先として検針メータ107のアドレスを指定したUnicastパケットである。「Send-Req」を受信した検針メータ107は、無線通信装置140に対してデータの転送を許可する応答として「Send-Ack」パケットを送出する。無線通信装置140は、「Send-Ack」パケットを受信すると、孤立メータから取得している検針データを検針メータ107に対して「Data」パケットにて送出する。検針メータ107は「Data」パケットを正常に受信すると、受信完了応答として「Data-Ack」パケットを無線通信装置140に対して送出する。無線通信装置140は、「Data-Ack」を受信すると、内部で保持していた孤立メータの検針データを削除するため、これ以降は「Disc-Req」による非孤立メータの探索は行なわない。
【0043】
図8は、自動車130に搭載された無線通信装置140と無線通信が可能な位置に、非孤立メータとして検針メータ107と検針メータ404が在るケースを示している。
【0044】
非孤立メータが複数存在する場合、無線通信装置140の「Disc-Req」に対して複数の「Disc-Ack」が返信される。図の例においては、検針メータ107と検針メータ404のそれぞれから「Disc-Ack」が送出され、無線通信装置140がこれらを受信する。「Disc-Ack」同士の無線干渉に関する扱いは、「Probe-Req」と同様である。無線通信装置140は、複数の「Disc-Ack」を受信すると、「Disc-Ack」送出元の中から、検針データの代理転送先として1台を決定する。
図8において、無線通信装置140は検針データの代理転送先を検針メータ107へ決定し、検針メータ107に対して「Send-Req」を送出し、検針データの代理転送を行なう。代理転送先の決定は次のような方法により行ってもよい。無線通信装置140は「Disc-Ack」を受信した際に、Disc-Ackの送出元のアドレスと共に、パケット受信時の電波の強さ(受信強度)を示すRSSI(Received Signal Strength Indicator)値を記録する。RSSI値が大きいということは、強い電波を受信しており、無線通信環境が良好であり通信の信頼度が高いといえる。無線通信装置140は、複数の「Disc-Ack」のRSSI値を比較し、もっともRSSI値の大きな送出元を検針データの代理転送先として選択する。
【0045】
図9は、自動車に搭載された無線通信装置における「Disc-Ack」受信から「Send-Req」送信までの動作シーケンスを示す図である。
【0046】
なお、自動車130に搭載された無線通信装置140において、非孤立メータ探索のための無線パケットの送出は、エンジン作動中が望ましいが、これに限定されず、エンジン休止中においても探索のためのパケットを送出することもできる。
【0047】
(3)非孤立メータから基地局への転送及び基地局から検針サーバへの転送
検針メータ107は非孤立メータである。例えば
図1の例では、検針メータ107→検針メータ105→検針メータ102→基地局120の順に無線通信が行なわれることで検針データが転送される。非孤立メータ間の検針データの転送の方法は任意に設定可能であり、例えば、予め設定された通信ルートに従って転送を行うようにしてもよく、また、上記の無線通信装置と非孤立メータ間の転送処理と同様の方法を用いてもよい。孤立メータである検針メータ100の検針データを取得した検針メータ107は、自身の検針データを転送するのと同様に検針データを基地局120まで転送する。また、基地局120に到達した検針データは、他の検針データと同様に通信回線180を介して検針サーバ190へ収集される。
【0048】
以上説明したように、本発明では、孤立メータのデータを、自動車等の移動体に搭載した無線通信装置により収集し、移動体が移動することで、無線通信装置が他の自動検針可能な非孤立メータと通信可能となった場合に収集した孤立メータのデータを非孤立メータへ代理データ伝送する。このデータは非孤立メータにより無線基地局までデータ伝送される。このようにして、自動車等の移動体に搭載された無線通信装置が孤立メータの保持する検針データを取得し、非孤立メータへ代理転送することによって、物理的に孤立メータである検針メータの検針データであっても検針サーバへ自動収集できるため、検針データの収集率が向上する。また、既存のシステム運用を阻害せずに検針データの収集率を効率的に向上できる。
【0049】
なお、上記説明では自動車に搭載される無線通信装置における「Disc-Req」の送出条件として、検針データを取得した後に周期的に送出されるものとしたがこれに限定されず、他の送出条件を用いてもよい。上記説明では、「Disc-Req」送出条件として検針データを取得した後に周期的に送出されるものとした。これはもっとも単純な条件ではあるが、以下の問題が生じる場合がある。一つ目は、周期的に無線パケットの送出を行なうため、近傍に非孤立メータが存在しないときなどは、不要なパケットを繰り返し送出することになる。二つ目は、「Disc-Req」含め自動車による検針データの代理転送は自動車の移動中に行なわれることが想定されるため、自動車が高速で移動している場合などは、検針データの代理転送が失敗してしまうことが考えられる。
【0050】
図10において、自動車410に搭載された無線通信装置は検針データ420をもち、非孤立メータ400と「Disc-Req」「Disc-Ack」「Send-Req」「Send-Ack」の通信に成功、その後「Data」パケットにて検針データを転送している。自動車410は移動中であり、位置Cまでは検針メータ400との通信はできているが、位置Dまで移動すると検針メータ400の無線通信エリア外となり検針データ420の転送は途中で失敗する。これらのリスクを低減するために「Disc-Req」送出条件に自動車の移動速度を追加し「Disc-Req」の送信数を動的に変化させてもよい。
【0051】
図11を参照して、自動車の移動速度と単位時間あたりに無線通信装置が送出する「Disc-Req」パケット数の動的制御例を説明する。横軸は移動速度であり、低速度域、中速度域、高速度域に分類される。縦軸は単位時間あたりの無線通信装置による「Disc-Req」送出数であり、数値が大きくなると高頻度に「Disc-Req」を送出することを意味する。定周期で送出する場合は、速度によらず常に同じ送出量で制御されるため、点線で示すグラフとなる。ここで動的制御を行なう場合、実線で示した制御などが考えられる。予め設定された低速度域においては、速度とともに「Disc-Req」送出量を増やす。低速なケースにおいては、移動量がすくないために「Disc-Req」を繰り返し送出しても近傍に存在する非孤立メータの状態に変化はなく、無駄なパケット送出になるためパケット送出量を少なくし、速度があがるとともに自動車が移動し近傍の状態変化が望めるためパケット送出量を増やしている。しかし、低速度域から中速度域のように、ある程度速度が速くなると、検針データ転送途中での通信断の可能性が高まる。このため、予め設定された中速度域においては速度とともに「Disc-Req」の送出量を減らし、積極的に非孤立メータを探索することをやめる。更に予め設定された高速度域においては、完全に「Disc-Req」の送出をやめることで、非孤立メータの探索自体をやめ、無駄なパケット送出をなくす。このような「Disc-Req」の送信数の動的制御により、無駄なパケット送出による電力消費の削減と周囲無線システムへの影響抑制の効果が得られ、また、自動車に搭載された無線通信装置と非孤立メータ間での検針データの代理転送が自動車の移動により失敗することを回避する効果も得られる。
【0052】
上述した本発明の実施形態に係る無線通信装置は、CPUが記憶部に格納された動作プログラム等を読み出して実行することにより実現されてもよく、また、ハードウェアで構成されてもよい。上述した実施の形態の一部の機能のみをコンピュータプログラムにより実現することもできる。
【0053】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0054】
(付記1)
無線通信機能を備える各検針メータからの検針データを無線通信により収集するシステムにおける無線通信装置であって、
移動体に搭載され、
基地局と無線通信ができない孤立検針メータを検出し、検出した孤立検針メータから未収集の検針データを受信する未収集検針データ受信手段と、
前記孤立検針メータから受信した検針データを、基地局と無線通信ができる非孤立検針メータへ転送する検針データ転送手段と、
を備える無線通信装置。
【0055】
(付記2)
前記未収集検針データ受信手段は、
孤立検針メータを探索するための第1の探索パケットを送出し、
前記第1の探索パケットに対する応答を受信すると、当該応答の送信元に未収集の検針データを要求し、前記未収集の検針データを受信する
付記1に記載の無線通信装置。
【0056】
(付記3)
前記検針データ転送手段は、
非孤立検針メータを探索するための第2の探索パケットを送出し、
前記第2の探索パケットに対する応答を受信すると、当該応答の送信元に、孤立検針メータから受信した検針データを転送する
付記1又は付記2に記載の無線通信装置。
【0057】
(付記4)
前記探索パケットを前記移動体のエンジン作動中に送出する
付記2又は付記3に記載の無線通信装置。
【0058】
(付記5)
前記第2のパケットの送出数を前記移動体の移動速度に基づいて動的に変化させる
付記3に記載の無線通信方法。
【0059】
(付記6)
無線通信機能を備える各検針メータからの検針データを無線通信により収集する検針データ収集方法であって、
基地局と無線通信ができない孤立検針メータを、移動体に搭載された無線通信装置により検出し、検出した孤立検針メータから未収集の検針データを受信し、
前記孤立検針メータから受信した検針データを、前記移動体に搭載された無線通信装置により、基地局と無線通信ができる非孤立検針メータへ転送する
検針データ収集方法。
【0060】
(付記7)
孤立検針メータを探索するための第1の探索パケットを送出し、
前記第1の探索パケットに対する応答を受信すると、当該応答の送信元に未収集の検針データを要求し、前記未収集の検針データを受信する
付記6に記載の検針データ収集方法。
【0061】
(付記8)
非孤立検針メータを探索するための第2の探索パケットを送出し、
前記第2の探索パケットに対する応答を受信すると、当該応答の送信元に、前記孤立検針メータから受信した検針データを転送する
付記6又は付記7に記載の検針データ収集方法。
【0062】
(付記9)
前記探索パケットを前記移動体のエンジン作動中に送出する
付記7又は付記8に記載の検針データ収集方法。
【0063】
(付記10)
前記第2のパケットの送出数を前記移動体の移動速度に基づいて動的に変化させる
付記8に記載の検針データ収集方法。
【0064】
(付記11)
無線通信機能を備える各検針メータからの検針データを無線通信により収集するシステムにおける移動体に搭載された無線通信装置のプログラムであって、
前記無線通信装置に、
基地局と無線通信ができない孤立検針メータを検出し、検出した孤立検針メータから未収集の検針データを受信する未収集検針データ受信処理、
前記孤立検針メータから受信した検針データを、基地局と無線通信ができる非孤立検針メータへ転送する検針データ転送処理、
を実行させるプログラム。
【0065】
(付記12)
前記未収集検針データ受信処理は、
孤立検針メータを探索するための第1の探索パケットを送出し、
前記第1の探索パケットに対する応答を受信すると、当該応答の送信元に未収集の検針データを要求し、前記未収集の検針データを受信する
付記11に記載のプログラム。
【0066】
(付記13)
前記検針データ転送処理は、
非孤立検針メータを探索するための第2の探索パケットを送出し、
前記第2の探索パケットに対する応答を受信すると、当該応答の送信元に、孤立検針メータから受信した検針データを転送する
付記11又は付記12に記載のプログラム。
【0067】
(付記14)
前記探索パケットを前記移動体のエンジン作動中に送出する
付記12又は付記13に記載のプログラム。
【0068】
(付記15)
前記第2のパケットの送出数を前記移動体の移動速度に基づいて動的に変化させる
付記13に記載のプログラム。
【0069】
以上、好ましい実施の形態をあげて本発明を説明したが、本発明は必ずしも上記実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内において様々に変形し実施することが出来る。