特許第5892981号(P5892981)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5892981
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20160310BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20160310BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20160310BHJP
【FI】
   G02F1/1333
   G02F1/1335
   G02F1/13357
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-157430(P2013-157430)
(22)【出願日】2013年7月30日
(62)【分割の表示】特願2008-200854(P2008-200854)の分割
【原出願日】2008年8月4日
(65)【公開番号】特開2013-238883(P2013-238883A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2013年8月20日
(31)【優先権主張番号】10-2008-0036679
(32)【優先日】2008年4月21日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100147566
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100161171
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】姜 元錫
(72)【発明者】
【氏名】李 鐘範
【審査官】 弓指 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−243351(JP,A)
【文献】 実開平07−029530(JP,U)
【文献】 特開2000−338305(JP,A)
【文献】 実開昭62−005402(JP,U)
【文献】 特開2007−114737(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G02F 1/1335−1/13357
F21S 2/00
F21V 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも上面に取り付けられた偏光板を含む、画像が表示される液晶パネルと、
前記液晶パネルの下側に備えられて光を提供するバックライト装置と、
前記バックライト装置の下側に備えられた下部カバーと、
前記下部カバーの両側壁に備えられ、前記バックライト装置の複数のランプに電圧を印加して前記ランプを駆動するバランスPCBと、
前記下部カバー上に取り付けられる反射板と、
一端部が前記両側壁のバランスPCB上に配列して固定され、他端部が上部に向かって曲げられることで、前記複数のランプを締結して前記ランプと前記反射板との間の離間距離を調節できるランプソケットと、
前記偏光板上に備えられ、外部衝撃から前記液晶パネルを保護する強化基板、及び前記強化基板上に形成されて外部から入射する外部光の反射率を低減する低反射層からなる保護部材と、
前記偏光板及び前記保護部材の強化基板と類似した屈折率を有する材質からなり、前記液晶パネルと前記保護部材との間に介在して前記液晶パネルと前記保護部材を密着させる粘着層と
を含み、
記低反射層は、互いに異なる屈折率を持つ2個の物質が交互に形成されて5個または6個の層を形成し、一番目の層は低屈折率を持つ物質に形成され、二番目の層は高屈折率を持つ物質で形成され、三番目の層は再び低屈折率を持つ物質で形成される方式で形成され、
前記保護部材は、その保護部材の少なくとも一側縁部領域に形成され、前記バックライト装置から提供された光の漏れを防止する光漏れ防止部をさらに含む、
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
前記粘着層が溶媒、可塑剤、界面活性剤の少なくとも1つの添加物を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記液晶パネルは、画像が表示される第1領域、及び前記第1領域の少なくとも一側に形成されて画像が表示されない第2領域に区分され、
前記粘着層は、前記液晶パネル上に空隙なく密着するように備えられ、前記液晶パネルの第1領域に対応して設けられて外部から入射する外部光の反射率を低減し、
前記光漏れ防止部は、前記液晶パネルの第2領域に対応して設けられて前記バックライト装置から提供された光の漏れを防止する
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記粘着層が前記保護部材の下面に形成され、前記光漏れ防止部が前記保護部材の上面の第2領域に対応して形成される
ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記粘着層UV硬化又は熱硬化性の粘着剤である
ことを特徴とする請求項1からまでのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記光漏れ防止部が樹脂系又はクロムオキサイド(CrOx)の少なくとも一方の物質で形成される
ことを特徴とする請求項1、または請求項からまでのいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置に関し、特に外部衝撃に対する信頼性と外部光による屋外視認性の低下を同時に改善する、保護部材が備えられた液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に広く使用されている表示装置の1つであるCRTは、テレビをはじめとして、計測機器、情報端末機器などのモニタに主に使用されてきたが、CRT自体の重量と大きさにより、電気製品の小型化、軽量化には積極的に対応することができなかった。
【0003】
このような欠点のため、CRTに代わって、小型、軽量、及び低消費電力などの利点を有する液晶表示装置が活発に開発されており、最近、フラットパネルディスプレイとしての機能を十分に果たせる程度にまで至り、ノートブックパソコン、デスクトップパソコン、30インチ以上の屋外用大型モニタ、及び壁掛けテレビにまでその需要が次第に増加している。
【0004】
液晶表示装置は外部からの光量を調節して画像を表示する受光装置である。これにより、LCDパネルに光を照射するための別途の光源を含むバックライト装置を必要とするが、バックライト装置は、通常、LCDパネルの表示面に対する光源の位置によって、エッジ型と直下型とに大別される。そのうち、直下型バックライト装置は、光利用率が高く、取り扱いが簡単であり、表示面の大きさに制限がないため、30インチ以上の大型液晶表示装置に広く使用されている。
【0005】
しかし、直下型バックライト装置は、1つのトランスフォーマを利用して複数のCCFLを並列駆動した場合、CCFLの放電特性により、複数のCCFLの一部のみ駆動されるという問題が発生する。すなわち、CCFLは、放電する前は無限大の抵抗値を有する反面、放電した後はガラス管の内部に発生した導体のプラズマにより抵抗値が小さくなる。これにより、CCFLが放電すると、初期より抵抗値が減少して電流の量が増加する。従って、複数のCCFLを並列接続して並列駆動した場合、初期放電後は抵抗値が小さいCCFL側に電流が流れるので、複数のCCFLの一部のみ駆動されて残りは駆動されないという問題が発生する。
【0006】
現在、このような問題を解決する一環として、それぞれのCCFLの両電極に同一容量のキャパシタ、すなわちバラストキャパシタを取り付けて、外部電極蛍光ランプ(External Electrode Fluorescent Lamp; EEFL)と同じ等価回路を構成することにより、1つのトランスフォーマを利用して複数のCCFLを並列駆動できる、液晶表示装置のランプ駆動装置が提案されている。
【0007】
ここで、EEFLは、外部電極に交流電源が供給されることによって点灯するもので、1対の外部電極に印加された高周波電圧による電界によりガラス管内部の放電空間で放電が行われ、その放電により発生した紫外線によりガラス管の内周面に塗布された蛍光体が発光して可視光線を発生するランプである。
【0008】
図7は、一般的な直下型液晶表示装置の構成を示す断面図である。図7に示すように、一般的な直下型液晶表示装置は、光を提供するバックライト装置(符号なし)と、前記バックライト装置の上側に備えられて光が提供される液晶パネル20と、液晶パネル20の上下両面にそれぞれ取り付けられる偏光板(又は、偏光フィルム)21、22とを含む。ここで、バックライト装置は、光源の役割を果たす複数のランプ48を含む。
【0009】
下部カバー41上には、複数のランプ48からの光を前面に反射するための反射板42が取り付けられる。また、下部カバー41の両側部には、複数のランプ48が締結されるバランスPCB49a、49bが備えられる。さらに、バランスPCB49a、49bには、交流電圧を印加するためのインバータPCB50a、50bがそれぞれ接続されるが、これについては後述する。
【0010】
ランプ48の上側には、ランプ48から提供されて反射板42により反射された光を前面に向けて均一に分散させるための拡散板43、及び拡散板43を透過した光の光学的機能を補完するプリズムシート及び/又は保護シートなどを含む光学シート44が載置される。
【0011】
次に、液晶表示装置の全体的な力の均衡を維持するためのメインサポート(図示せず)が備えられる。前記メインサポートは、上側に載置される液晶パネル20を考慮して、その上側面に段差を有する所定のパターンが形成される。
【0012】
前記メインサポート上に載置される液晶パネル20は多くの単位工程により形成される。すなわち、液晶パネル20は、単位画素毎に薄膜トランジスタが配列されている薄膜トランジスタアレイ基板20aと、これに対応して色を表現するカラーフィルタが形成されているカラーフィルタ基板20bと、これら2つの基板間に注入された液晶とを含む。
【0013】
また、液晶パネル20の上下両面にそれぞれ取り付けられる偏光板21、22は、前記バックライト装置から提供された光のうち、偏光軸と同一の方向に振動する光のみ透過させ、その他の方向に振動する光は適当な媒質を利用して吸収又は反射することにより、特定の一方向に振動する光にする役割を果たす。このような偏光板21、22はTNモードLCDの必須構成要素となる。
【0014】
そして、上部カバー(図示せず)は、偏光板21、22が取り付けられた液晶パネル20の縁部領域及び前記メインサポートの側面を覆うように、フックなどの別途の締結手段により下部カバー41に締結される。
【0015】
図8は、従来のバックライト構造を示す斜視図であり、下部カバー上のバランスPCB及びそれに連動するインバータPCBを示している。図8に示すように、インバータPCB50a、50bは、外部から供給された直流電圧を高電圧の交流電圧に変換する。その交流高電圧は、集積回路の制御下でインバータPCB50a、50bの出力コネクタを介してバランスPCB49a、49bに印加される。
【0016】
次に、バランスPCB49a、49bに印加された高電圧の交流電圧は、導電ワイヤ及び高電圧供給パターン(又は、配線)を介してそれぞれのバラストキャパシタ49a1、49b1に供給されて、複数のランプ48の管内にそれぞれ流入する電流量を同一にする。そのバラスト電流は、バラストキャパシタ49a1、49b1にそれぞれ対応して接続されるランプ48に流入する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、このような液晶表示装置は、空港やバスターミナルなどの公共の場所に設置された場合、外部衝撃などにより液晶パネルが破損したり、悪意の使用者により外側に取り付けられた表面硬度3H以下の薄い偏光板にスクラッチが発生したりすることがある。その結果、このような問題を解決するための別途のコストが発生し、また、これは製品に対する信頼性の低下につながる。
【0018】
また、液晶表示装置は、通常、外部の太陽光や室内照明灯などの高照度環境下に置かれるが、液晶パネルの外側に取り付けられた偏光板上に別途の界面処理が施されていない場合、その偏光板により反射される反射率が最大4%に達し、別途の界面処理が施されている場合でも最小1.5%を超え、その表面反射によりコントラスト比が減少し、かつ色あせ現象などにより液晶表示装置の屋外視認性が非常に低下している。
【0019】
本発明は、このような問題を改善するためになされたもので、外部衝撃から液晶パネルを保護すると共に屋外視認性を改善できる、保護部材が備えられた液晶表示装置を提供することを第1の目的とする。
【0020】
しかしながら、前記保護部材が備えられた液晶表示装置においては、前記保護部材の縁部領域で、前記液晶パネルの下側に備えられているバックライトから提供された光が漏れる光漏れ現象が発生し得る。
【0021】
そこで、本発明は、前記保護部材の少なくとも一側縁部領域に光漏れ現象を防止するための光漏れ防止部がさらに形成された液晶表示装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記の目的を達成するために、本発明による液晶表示装置は、少なくとも上面に取り付けられた偏光板を含む、画像が表示される液晶パネルと、前記液晶パネルの下側に備えられて光を提供するバックライト装置と、前記バックライト装置の下側に備えられた下部カバーと、前記下部カバーの両側壁に備えられ、前記バックライト装置の複数のランプに電圧を印加して前記ランプを駆動するバランスPCBと、前記下部カバー上に取り付けられる反射板と、一端部が前記両側壁のバランスPCB上に配列して固定され、他端部が上部に向かって曲げられることで、前記複数のランプを締結して前記ランプと前記反射板との間の離間距離を調節できるランプソケットと、前記偏光板上に備えられ、外部衝撃から前記液晶パネルを保護する強化基板、及び前記強化基板上に形成されて外部から入射する外部光の反射率を低減する低反射層からなる保護部材と、前記偏光板及び前記保護部材の強化基板と類似した屈折率を有する材質からなり、前記液晶パネルと前記保護部材との間に介在して前記液晶パネルと前記保護部材を密着させる粘着層とを含み、前記低反射層は、互いに異なる屈折率を持つ2個の物質が交互に形成されて5個または6個の層を形成し、一番目の層は低屈折率を持つ物質に形成され、二番目の層は高屈折率を持つ物質で形成され、三番目の層は再び低屈折率を持つ物質で形成される方式で形成され、前記保護部材は、その保護部材の少なくとも一側縁部領域に形成され、前記バックライト装置から提供された光の漏れを防止する光漏れ防止部をさらに含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明による液晶表示装置は、外部衝撃などから液晶パネルを保護することにより、製品に対する信頼性を高めると共に、保護部材の強化基板と液晶パネル間の空隙がなく、かつ強化基板及び液晶パネルと同一の屈折率を有する材質で粘着層を形成することにより、液晶パネルの外部への光の総反射率を低下させて屋外視認性を改善できるという効果がある。
【0024】
また、下側に備えられているバックライト装置から提供された光により保護部材が備えられた液晶パネルの少なくとも一側縁部領域で発生し得る光漏れ現象を防止することにより、液晶表示装置の均一な輝度を維持できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置の分解斜視図である。
図2図1の締結状態を示す部分断面図である。
図3図1及び図2に示す保護部材の屈折率を示す図である。
図4A図1及び図2に示す液晶表示装置のコントラスト比を示すグラフである。
図4B図1及び図2に示す液晶表示装置の色再現性を示すグラフである。
図5図2と対比される本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置の部分断面図である。
図6図5の保護部材を示す斜視図である。
図7】一般的な直下型液晶表示装置の構成を示す断面図である。
図8】従来のバックライト構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置の分解斜視図であり、図2は、図1の締結状態を示す部分断面図であり、図3は、図1及び図2に示す保護部材の屈折率を示す図である。
【0027】
図1図3に示すように、本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置は、外部から印加された電圧により光を提供するバックライト装置(符号なし)と、前記バックライト装置の上側に備えられて画像が表示される液晶パネル150と、液晶パネル150上に備えられ、外部衝撃から液晶パネル150を保護する強化基板160a、及び強化基板160a上に形成されて外部から入射する外部光の反射率を低減する低反射層160bからなる保護部材160とを含み、保護部材160は、保護部材160の強化基板160aと同一の屈折率を有する材質からなり、液晶パネル150に保護部材160を密着させる粘着層160cをさらに含む。
【0028】
まず、鉄や電気亜鉛鍍金鋼板(EGI)などを材質とする下部カバー100の両側壁(又は、別途の固定手段)には、外部の第1及び第2インバータから印加された交流高電圧によりランプ120を駆動するためのバランスPCB101、103が垂直に備えられている。
【0029】
バランスPCB101、103は、前記外部の第1及び第2インバータから交流高電圧が印加されるコネクタ101a、103aと、印加された交流高電圧により安定した電流を提供するようにパターンに形成されたバラストキャパシタ101b、103bと、バラスト電流がランプ120に安定して流入するように導電性を有すると共に、複数のランプ120を容易に配列して締結できるようにそれ自体が所定の角度(約90°)をなして形成されたランプソケット101c、103cとから構成される。
【0030】
また、両側に垂直に備えられるバランスPCB101、103の中間領域に該当する下部カバー100上には、反射板105が取り付けられている。ここで、反射板105としては、例えば白色ポリエステルフィルムや金属(Ag、Al)などがコーティングされたフィルムを使用できるが、反射板105での可視光の反射率は約90〜97%であり、コーティングされたフィルムが厚くなるほど反射率は高くなる。
【0031】
また、両側のバランスPCB101、103上に配列、固定されて上側に向って曲がっているランプソケット101c、103cには、複数のランプ120が締結される。ここで、ランプソケット101c、103cに締結されるランプ120とそのランプ120の背面に位置する反射板105間の距離は、通常約5mm以内に一定に維持される。これは、ランプ120と反射板105間の距離が5mmを超える場合、後で上側に締結される光学シート(図示せず)に影響を及ぼし、熱によるシワ現象を起こすことがあるからである。
【0032】
従って、ランプ120と反射板105間の距離を調節するために、下部カバー100の両側に垂直に備えられるバランスPCB101、103の高さを調節するか、又は前述したランプソケット101c、103c自体がなす所定の角度を調節することにより、上記の問題を克服することができる。
【0033】
そのうち、ランプソケット101c、103c自体がなす所定の角度を調節することによりランプ120と反射板105間の距離を調節する方法においては、例えばランプ120の締結が困難とならない範囲内でランプソケット101c、103cを自由に曲げて様々な形状にすることができるが、代表的には、図示のように「L」字状にするか、又は「C」字もしくは「V」字状にすることができる。ここで、その一端部はバランスPCB101、103上に固定され、他端部はランプ120が締結されるホルダー部となる。
【0034】
前述したように、両側のバランスPCB101、103上に固定される「L」字状のランプソケット101c、103cには、複数のランプ120が一定の間隔で締結される。大型LCDテレビの場合、高輝度のために、通常32インチには約16個のランプが、40インチには約18〜20個のランプが配列されるが、これはモデルによって若干異なる。ここで、ランプ120は、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)、EEFL、及びHCFL(Hot Cathode Fluorescent Lamp)のいずれか1つでもよい。
【0035】
また、両側に位置するランプソケット101c、103cを含むバランスPCB101、103上には、そのバランスPCB101、103を外部から保護するための所定の固定部材、すなわちサイドサポート130が載置される。ここで、プレス加工により製造されるサイドサポート130は、所定(又は、一定)の角度で傾斜して下部カバー100と接触する部分にランプ120を配列して固定するための半円状のランプ固定部130b1を有する傾斜フレーム130bと、傾斜フレーム130bと所定間隔をおいて垂直に形成される垂直フレーム130aと、これら2つのフレームの上部から互いに延びて水平に形成される上部フレーム130cとから構成される。
【0036】
本発明においては、サイドサポート130の垂直フレーム130bが下部カバー100の両側壁の外郭に位置して締結されている。従って、前記外部の第1及び第2インバータから交流高電圧が印加されるコネクタ101aを外部に突出させるためには、垂直フレーム130aの一部領域に孔を形成することが好ましい。
【0037】
そして、光学部材140がサイドサポート130により両側を支持されて載置されている。ここで、光学部材140は、複数のランプ120から直接発散した光と反射板105により反射された光とを液晶パネル150の全面に均一に分散させるための拡散板(符号なし)と、前記拡散板を透過した光が付加的な光学的特性を有するようにする光学シート(符号なし)とを含む。
【0038】
また、前記構成要素からなるバックライト装置の上側には、メインサポート145が締結される。メインサポート145は、前記バックライト装置の上側に位置して、外部から衝撃が加えられた場合、液晶表示装置に伝達される力の全体的な均衡を維持する役割を果たす。また、メインサポート145は、前面(又は、上面)に液晶パネル150が載置されることを考慮して、内側面と外側面とが段差をなすパターンが形成されている。
【0039】
メインサポート145上に載置される液晶パネル150は、多くの単位工程により形成される。すなわち、これは、単位画素毎にスイッチング素子として薄膜トランジスタが配列されているアレイ基板と、これに対応して色を表現するカラーフィルタが形成されているカラーフィルタ基板と、これら2つの基板間に注入された液晶とを含む。
【0040】
また、液晶パネル150の上下両面には、偏光板151、152がそれぞれ取り付けられている。偏光板151、152は、前記バックライト装置から提供された光のうち、偏光軸と同一の方向に振動する光のみ透過させ、その他の方向に振動する光は適当な媒質を利用して吸収又は反射することにより、特定の一方向に振動する光にする役割を果たす。
【0041】
また、液晶パネル150上には、外部衝撃から液晶パネル150を保護すると共に外部から入射する光の反射率を低減する保護部材160が備えられている。より詳しくは、保護部材160は、外部衝撃から液晶パネル150を保護する強化基板160aを含み、強化基板160aの上面には外部に露出して外部光に当たる低反射層160bが形成されており、強化基板160aの下面には液晶パネル150又は液晶パネル150上の偏光板151に接触する粘着層160cが形成されている。
【0042】
ここで、強化基板160aは、外部衝撃から内部の液晶パネル150を保護するために、例えば約3mm厚さの強化ガラスからなる。強化ガラスとは、成形板ガラスを軟化温度に近い約500〜600℃に加熱し、圧縮した冷却空気で急冷することにより、ガラスの表面部を圧縮変形させて内部を引張変形させて強化したガラスである。普通のガラスに比べて、曲げ強度は3〜5倍、耐衝撃度は3〜8倍強く、耐熱性にも優れている。しかしながら、ガラス自体が内部で力の均衡を維持しており、一側がわずかに切断されただけで全体が小豆大の破片に破壊されるので、強化処理を施す前に用途に合った形状に形成する必要がある。
【0043】
また、強化基板160aの上面に形成されて外部光に露出する低反射層160bは、低反射スパッタリング(anti-reflection sputtering)により表面処理されている。すなわち、強化基板160a上で異なる屈折率を有する2つの物質が交互に形成されて5つ又は6つの層をなしている。例えば、太陽光や外部照明灯などに最初に露出する第1層は低屈折率を有する物質で形成し、第2層は高屈折率を有する物質で形成し、第3層は再び低屈折率を有する物質で形成する方式により、外部から入射して吸収された光が各層を透過することによって次第に消滅していく方法で反射率を低減している。しかし、低反射層160aは、必ずしもスパッタリングにより表面処理する必要はなく、例えば低反射コーティング(anti-reflection coating)、耐汚染処理、又は耐指紋処理など様々な表面処理方式を適用できる。
【0044】
また、強化基板160aの下面に形成されて液晶パネル150と接触する粘着層160cは、その上側の強化基板160a又は下側の偏光板151と類似した屈折率を有する粘着剤(ペースト)などをUV硬化又は熱硬化することで形成される。このようにして、低反射層160bに入射して強化基板160aに透過した光が、強化基板160aと類似した屈折率を有する粘着層160c及び偏光板151に継続して吸収(又は、透過)されるようにすることにより、液晶パネル150の外部への総反射率の低減を極大化している。
【0045】
つまり、低反射層160bを透過した光がその低反射層160bを含む保護部材160と液晶パネル150間の空隙、すなわち空気に当たると、保護部材160、特に強化基板160aの屈折率と空気の屈折率とが異なるため、その異なる屈折率により保護部材160と空隙の空気とが接する界面から光が外部に反射され、その結果、液晶パネル150の外部への総反射率が増加するのである。
【0046】
このような点を考慮して、本発明においては、保護部材160上の粘着層160cを、強化基板160aと類似した屈折率を有する材質で形成すると共に、下側の液晶パネル150又は液晶パネル150上の偏光板151と類似した屈折率を有するように形成する。
【0047】
ここで、強化基板160a又は偏光板151と類似した約1.3〜1.8の屈折率を有する粘着剤としては、例えばアクリル系紫外線硬化型樹脂を主成分とするソニー社製の光学弾性樹脂「SVR(Super View Resin)」などが適する。しかし、本発明は、特定の粘着剤に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から外れない物質であり、かつ工程の容易性のためのUV硬化又は熱硬化が可能であれば、様々な粘着剤を使用できるであろう。もちろん、別途の製造方法により形成された物質であることが最も好ましい。
【0048】
ここで、粘着剤は、溶媒、可塑剤、及び/又は界面活性剤などの添加物の少なくとも1つの添加物をさらに含むことができるが、液晶パネル150上の偏光板151との結着力を高め、かつUV硬化又は熱硬化が迅速に行われるようにすれば、その含有量においても変更が可能である。
【0049】
このような粘着剤を強化基板160aの下面に液体状に形成した後、その粘着剤が形成された強化基板160aを液晶パネル150の外部の一側面に形成された偏光板151上に取り付ける。その後、強化基板160aの上側からUVを照射するか、又は液晶パネル150の下側から熱を加えることにより粘着剤を硬化すると、液晶パネル150に結合された保護部材160が形成される。
【0050】
一方、粘着剤を強化基板160aの下面に形成した後、液晶パネル150に密着させるのではなく、偏光板151が取り付けられている場合、液晶パネル150の偏光板151上に、偏光板151が取り付けられていない場合、液晶パネル150上に粘着剤を形成し、その粘着剤上に強化基板160aを取り付けた後、強化基板160aの上側からUVを照射するか、又は液晶パネル150の下側から熱を加えることにより粘着剤を硬化することで、液晶パネル150に結合された保護部材160を形成することもできる。
【0051】
また、上部カバー170は、液晶パネル150上に備えられている保護部材160の4面の縁部とメインサポート140の側面を覆って下部カバー100と締結されている。
【0052】
図3を参照すると、外部から保護部材160に入射した光は、空気の屈折率n1と保護部材160を構成する低反射層160bの屈折率n2とが異なるため、その界面で先行的に反射が行われ、低反射層160bを透過した光は、異なる2つの物質が交互に形成されている複数の層を透過して外部に散乱する方式で次第に消滅し、引き続き、低反射層160bとそれぞれ類似した屈折率n3、n4を有する強化基板160a及び粘着層160c、並びに液晶パネル150上の偏光板151に継続して順次透過することにより、界面毎に反射される光がなくなり、結局、液晶パネル150の外部又は保護部材160の外部に反射される光の総反射率が減少する。
【0053】
ここで、強化基板160a、粘着層160c及び偏光板151の屈折率としては、例えば、
強化基板160aの屈折率:n3=1.4〜1.7であり、
偏光板151の屈折率 :n5=1.4〜1.6である場合、
粘着層160cの屈折率 :n4=1.3〜1.8
の値を用いることができ、これら各層の屈折率の差が0.2以上大きくならない範囲内の値を取り得る。
【0054】
このようにすることにより、保護部材160上の表面反射率だけでなく、それぞれの媒質間で発生する界面反射率を低減でき、総反射率を低減できる。
【0055】
以下、本発明による保護部材が備えられた液晶表示装置の反射率に関するシミュレーションについて説明する。まず、実験条件に関して簡単に紹介すると、液晶表示装置は18個のランプを備えた42インチのもので、照度は最大4,000ルクス(lux)まで測定可能であった。
【0056】
図4Aは、図1及び図2に示す液晶表示装置のコントラスト比を示すグラフであり、図4Bは、図1及び図2に示す液晶表示装置の色再現性を示すグラフである。
【0057】
まず、図4Aに示すように、本発明による保護部材が備えられた液晶表示装置、すなわち、強化基板の上面にスパッタリングにより表面処理された低反射層を形成した場合(AG+単面ARS)と、強化基板の上面及び下面の全てにスパッタリングにより表面処理された低反射層を形成した場合(AG+両面ARS)とでは、そのコントラスト比(CR)の差が大同小異であることが確認できる。
【0058】
これに対し、別途の表面処理(低反射処理)を施すことなく偏光板を取り付けた場合(AG Pol)、及び偏光板の一面に低反射コーティングをした場合(ARC Pol)の液晶表示装置は、本発明による液晶表示装置(AG+単面ARS、AG+両面ARS)と比較すると、その差が非常に大きいことが分かる(4,000ルクス基準)。
【0059】
すなわち、図4Aに示すように、暗室環境で全ての液晶表示装置のコントラスト比(CR)が1,000:1である場合、4,000ルクスの照度環境でのコントラスト比(CR)は、本発明による液晶表示装置(AG+単面ARS、AG+両面ARS)が約600:1である反面、別途の表面処理(低反射処理)を施すことなく偏光板を取り付けた場合(AG Pol)、及び偏光板の一面に低反射コーティングをした場合(ARC Pol)の液晶表示装置はそれぞれ約100:1及び300:1であった。
【0060】
このような測定値によりその予測値も導き出すことができるが、例えば室外で完全に太陽光に露出する場合の液晶表示装置の照度が1,000,000ルクスに該当するとすれば、室内で太陽光に露出する場合の液晶表示装置の照度は約10,000ルクスに該当し、最も強い室内照明灯の場合は約5,000ルクスに該当するが、図4Aのグラフはそのときのコントラスト比をそれぞれ示している。
【0061】
実際の4,000ルクスの実験状況での結果を基準とすると、コントラスト比(CR)は照度が高くなるほどそれに反比例することが確認できる。
【0062】
次に、図4Bを参照して図4Aと同じ条件での色再現性について説明する。図4Bに示すように、暗室環境で全ての液晶表示装置の色再現率が約73.4%である場合、4,000ルクスの照度環境下での色再現率は、本発明による液晶表示装置(AG+単面ARS、AG+両面ARS)が約72.4%である反面、別途の表面処理(低反射処理)を施すことなく偏光板を取り付けた場合(AG Pol)、及び偏光板の一面に低反射コーティングをした場合(ARC Pol)の液晶表示装置はそれぞれ約69.1%及び71%であった。
【0063】
上記実験で示されたように、本発明による液晶表示装置は、液晶パネルの上側に保護部材を備える際、外部光に露出する保護部材の上面に低反射層を形成すると共に、液晶パネル及び保護部材と同一の屈折率を有する粘着層を形成することにより、保護部材に入射して透過した光が液晶表示装置の構成要素とその構成要素間の界面毎の異なる屈折率により外部に反射されなくなり、これにより液晶パネルの外部への総反射率が大幅に減少し、屋外視認性が改善される。
【0064】
一方、本発明による液晶表示装置における粘着層は、前述したように液体状の粘着剤をUV硬化又は熱硬化することで形成したものに限らず、粘着層自体を両面テープ、シート、又はプレートタイプのものにすることもできる。ここで、両面テープ、シート、又はプレートは、強化基板及び偏光板(偏光板がない場合は液晶パネル)と同一の屈折率を有する物質で空隙なく形成しなければならない本発明の技術的思想から外れないであろう。
【0065】
一方、本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置は、液晶パネル上に保護部材が備えられることによって外部衝撃に対する信頼性及び/又は外部光による屋外視認性の低下を改善できるが、その厚さが相対的に増加することによって他の問題が発生し得る。すなわち、その下側に備えられているバックライト装置から提供された内部光(又は、バックライト光)により、前記保護部材が備えられた液晶パネルの縁部領域から光漏れが発生し得る。
【0066】
以下、このような問題を改善するための本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置を説明する。図5は、図2と対比される本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置の部分断面図であり、図6は、図5の保護部材を示す斜視図である。
【0067】
図5及び図6に示すように、本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置は、外部から印加された電圧により光を提供するバックライト装置(符号なし)と、前記バックライト装置の上側に備えられて画像が表示される液晶パネル250と、液晶パネル250上に備えられ、外部衝撃から液晶パネル250を保護する強化基板260a、及び強化基板260a上に形成されて外部から入射する外部光の反射率を低減する低反射層260bからなる保護部材260とを含み、保護部材260は、保護部材260の強化基板260aと同一の屈折率を有する材質からなり、液晶パネル250に保護部材260を密着させる粘着層260cと、保護部材260を構成する低反射層260b上の少なくとも一側縁部領域に形成され、前記バックライト装置から提供された光の漏れを防止する光漏れ防止部261とを含む。
【0068】
より詳しくは、保護部材260は、外部衝撃から液晶パネル250を保護する強化基板260aと、強化基板260aの上面に形成されて外部に露出することによって外部光に当たる低反射層260bと、強化基板260aの下面に形成されて液晶パネル250又は液晶パネル250上の偏光板251に接触する粘着層260cと、低反射層260b上の少なくとも一側縁部領域に形成され、下側の前記バックライト装置から提供された光の漏れを防止する光漏れ防止部261とからなる。
【0069】
強化基板260aは、外部衝撃から内部の液晶パネル250を保護するために、例えば約2〜5mm厚さの強化ガラスからなる。強化ガラスとは、成形板ガラスを軟化温度に近い約500〜600℃に加熱し、圧縮した冷却空気で急冷することにより、ガラスの表面部を圧縮変形させて内部を引張変形させて強化したガラスである。普通のガラスに比べて、曲げ強度は3〜5倍、耐衝撃度は3〜8倍強く、耐熱性にも優れている。しかしながら、ガラス自体が内部で力の均衡を維持しており、一側がわずかに切断されただけで全体が小豆大の破片に破壊されるので、強化処理を施す前に用途に合った形状に形成する必要がある。
【0070】
また、強化基板260aの上面に形成されて外部光に露出する低反射層260bは、スパッタリングにより表面処理されている。すなわち、強化基板260a上で異なる屈折率を有する2つの物質が交互に形成されて5つ又は6つの層をなしている。例えば、太陽光や外部照明灯などに最初に露出する第1層は低屈折率を有する物質で形成し、第2層は高屈折率を有する物質で形成し、第3層は再び低屈折率を有する物質で形成するなどのようにして、外部から入射して吸収された光が各層を透過することによって次第に消滅していく方法で反射率を低減している。しかし、低反射層260aは、必ずしもスパッタリングにより表面処理する必要はなく、例えば低反射コーティング、耐汚染処理、又は耐指紋処理など様々な方式を適用できる。
【0071】
また、強化基板260aの下面に形成されて液晶パネル250と接触する粘着層260cは、その上側の強化基板260a又は下側の偏光板251と類似した屈折率を有する粘着剤などをUV硬化又は熱硬化することで形成される。このようにして、低反射層260bに入射して強化基板260aに透過した光が、強化基板260aと同一の屈折率を有する粘着層260c及び偏光板251に継続して吸収(又は、透過)されるようにすることにより、液晶パネル250の外部への総反射率の低減を極大化している。
【0072】
つまり、低反射層260bを透過した光がその低反射層260bを含む保護部材260と液晶パネル250間の空隙、すなわち空気に当たると、保護部材260、特に強化基板260aの屈折率と空気の屈折率とが異なるため、その異なる屈折率により保護部材260と空隙の空気とが接する界面から光が外部に反射され、その結果、液晶パネル250の外部への総反射率が増加するのである。
【0073】
このような点を考慮して、本発明においては、保護部材260上の粘着層260cを、強化基板260aと同一の屈折率を有する材質で形成すると共に、下側の液晶パネル250又は液晶パネル250上の偏光板251と同一の屈折率を有するように形成する。
【0074】
ここで、強化基板260a又は偏光板251と類似した約1.4〜1.6の屈折率を有する粘着剤としては、例えばアクリル系紫外線硬化型樹脂を主成分とするソニー社製の光学弾性樹脂「SVR」などが適する。しかし、本発明は、特定の粘着剤に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から外れない物質であり、かつ工程の容易性のためのUV硬化又は熱硬化が可能であれば、様々な粘着剤を使用できるであろう。もちろん、別途の製造方法により形成された物質であることが最も好ましい。
【0075】
ここで、粘着剤は、溶媒、可塑剤、及び/又は界面活性剤などの添加物の少なくとも1つの添加物をさらに含むことができるが、液晶パネル250上の偏光板251との結着力を高め、かつUV硬化又は熱硬化が迅速に行われるようにすれば、その含有量においても変更が可能である。
【0076】
このような粘着剤を強化基板260aの下面に液体状に形成した後、その粘着剤が形成された強化基板260aを液晶パネル250の外部の一側面に形成された偏光板251上に取り付ける。その後、強化基板260aの上側からUVを照射するか、又は液晶パネル250の下側から熱を加えることにより粘着剤を硬化すると、液晶パネル250に結合された保護部材260が形成される。
【0077】
一方、粘着剤を強化基板260aの下面に形成した後、液晶パネル250に密着させるのではなく、偏光板251が取り付けられている場合、液晶パネル250の偏光板251上に、偏光板251が取り付けられていない場合、液晶パネル250上に粘着剤を形成し、その粘着剤上に強化基板260aを取り付けた後、強化基板260aの上側からUVを照射するか、又は液晶パネル250の下側から熱を加えることにより粘着剤を硬化することで、液晶パネル250に結合された保護部材260を形成することもできる。
【0078】
さらに、保護部材260の少なくとも一側縁部領域には、その下側に備えられる液晶パネル250に提供された光の漏れを防止する光漏れ防止部(又は、光漏れ防止部材)261が備えられている。ここで、光漏れ防止部261は、別途のシートタイプで備える(又は、取り付ける)こともできるが、カラーフィルタ基板のブラックマトリクス(BM)を形成する場合と同様に、スパッタリングやコーティング方式を適用したフォトリソグラフィ工程により形成される樹脂系BM、又は不透明な金属製のクロムオキサイド(CrOx)などで形成されて1つの層をなすことが好ましい。
【0079】
本発明においては、実質的にバックライト装置の光源の役割を果たすランプ220が直下型で構成されているため、光漏れ防止部261が保護部材260の4面の縁部領域に形成される(又は、シートの場合、4面の縁部領域に備えられる)が、例えばバックライト装置の光源の役割を果たすランプ220が一側縁部領域に備えられるエッジタイプで構成される場合、保護部材260上の光漏れ防止部261は、ランプ220と対応する一側縁部領域にのみ形成することができる。つまり、その形成位置については特に限定されるものではない。
【0080】
また、液晶パネル250を画像が表示される第1領域と前記第1領域の一側に位置する非画像領域である第2領域とに区分すると、光漏れ防止部261は、前記第2領域に形成されることが好ましいが、その結果、実質的に光漏れ防止部材261は、上部カバー270と接触して一部が覆われた領域と保護部材260上で外部光に露出する露出領域とからなる。
【0081】
この場合、外部光に露出した光漏れ防止部261の反射率を液晶パネル250の第1領域、すなわち画像領域に反射される総反射率と同一に維持するために、光漏れ防止部261も、その反射率が0.5〜1.5%の範囲になるように、保護部材260の低反射層260b、強化基板260a、及び粘着層260cと同一の屈折率を有する材質で形成される。
【0082】
このような部分を除けば、本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置の残りの構成要素、例えばバックライト装置を構成するランプ220及びバランスPCB201などについては、前述した本発明の第1の実施の形態の内容と同様であるので、それを援用する。
【0083】
本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置は様々な変形が可能である。例えば、図5を参照すると、液晶パネル250の下側に備えられているバックライト装置から提供された光の光漏れ防止効果を極大化するために、液晶パネル250、すなわち貼り合わせられる2つの基板間の縁部領域に、前述した光漏れ防止部261と対応するように、第2光漏れ防止部をさらに形成することができる。
【0084】
このとき、その形成幅は同一でもよく同一でなくてもよいが、画像が表示される第1領域と前記第1領域の少なくとも一側に位置する第2領域とが接触する境界部(又は、境界線)は一致させて形成することが好ましい。これは、画像が表示される第1領域をそれぞれ遮蔽しない範囲で形成することを意味する。
【0085】
また、本発明は、図示していないが、外部光の液晶パネルの画像領域での総反射率を低減し、かつその下側の内部光の光漏れを防止するための目的のみを達成するための液晶表示装置としても構成することができる。
【0086】
例えば、保護部材の形成において、液晶パネル又は偏光板が液晶パネルの偏光板上に粘着層を形成した後、その粘着層上に再びコーティングなどにより低反射層を形成し、さらにその低反射層の少なくとも一側縁部領域にバックライト装置から提供された光の漏れを防止する光漏れ防止部を形成する。
【0087】
その結果、前記保護部材は、外部光の反射率を低減する低反射層と、液晶パネルと空隙なく密着して前記低反射層を介して吸収された光を透過させ、前記液晶パネル及び低反射層と同一の屈折率を有する同一の材質で形成された粘着層と、前記低反射層の少なくとも一側縁部領域に形成され、前記バックライト装置から提供された光の漏れを防止する光漏れ防止部とのみから構成することもできる。
【0088】
本明細書は本発明を好ましい実施の形態に基づいて説明しているが、当該技術の分野における通常の知識を有する者であれば、添付の特許請求の範囲に記載されている本発明の思想及び領域から外れない範囲内で本発明を多様に変更及び変形できることを理解できるであろう。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8