(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5893043
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】ギター固定装置
(51)【国際特許分類】
G10G 5/00 20060101AFI20160310BHJP
【FI】
G10G5/00
【請求項の数】19
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-538242(P2013-538242)
(86)(22)【出願日】2011年4月14日
(65)【公表番号】特表2013-546019(P2013-546019A)
(43)【公表日】2013年12月26日
(86)【国際出願番号】ES2011000124
(87)【国際公開番号】WO2012062939
(87)【国際公開日】20120518
【審査請求日】2013年11月20日
(31)【優先権主張番号】P201031647
(32)【優先日】2010年11月9日
(33)【優先権主張国】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】513113943
【氏名又は名称】リェビナック・エセ・エレ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ジョルディ・カニベル・グリフォルス
(72)【発明者】
【氏名】リカルド・エスカラダ・レクト
(72)【発明者】
【氏名】ダビド・マニョーサ・リポル
【審査官】
間宮 嘉誉
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2009/0282963(US,A1)
【文献】
米国特許第4159092(US,A)
【文献】
米国特許第4742751(US,A)
【文献】
特開2009−271522(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3162380(JP,U)
【文献】
米国特許第2559200(US,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0163693(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10D 1/00−3/18
G10G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ギター固定装置であって、
− ギターの固定対象をなす面に対して取り付けるための取付部材であるとともに、前記面から垂直に突出しているアームが設けられた取付部材と、
− 前記アームに対して接続されるとともに前記ギターの背面に沿って延在する第1層状部材を有した構造部材であるとともに、前記第1層状部材を、ギターのベルトのための第1支持スタッドに対して接続するための少なくとも1つの第1接続部材を有する構造部材と、
を備え、
前記構造部材が、さらに、第2層状部材を備え、この第2層状部材が、前記第1層状部材とこの第2層状部材との間の相対位置を変え得るようにして接続手段を介して前記第1層状部材に対して接続されているとともに、第2接続手段を介して、前記第1支持スタッドとは異なるさらなる支持スタッドに対しても接続されている、ことを特徴とする、ギター固定装置。
【請求項2】
前記面への前記取付部材が、前記アームのうちの、前記第1層状部材に接続する側の端部に玉継手を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記面が、台座とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記取付部材は、壁に接続するための開口部およびボルトを有する板を有することを特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項5】
前記玉継手に対して回転することができ、かつ前記構造部材が結合する中間接続部材が、前記構造部材および前記玉継手の間に位置することを特徴とする請求項2記載の装置。
【請求項6】
前記玉継手および前記構造部材の間の回転角度を調整するために、前記中間接続部材がホイールを有することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
発泡材料が前記第1層状部材および前記ギターの前記背面の間に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項にに記載の装置。
【請求項8】
前記相対位置を変えることができる前記接続手段が、前記第1層状部材と前記第2層状部材との一方に少なくとも1つの細長い開口部と、前記細長い開口部に対応し、かつ前記第1層状部材と前記第2層状部材との他方に配置された1組のより小さい開口部と、前記細長い開口部および前記対応するより小さい開口部の1つを貫通することができる少なくとも1つのピンとを備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項にに記載の装置。
【請求項9】
前記第1層状部材が、前記取付部材を異なる相対位置において前記構造部材に接合できるようにする1組のオリフィスを備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1層状部材が板であり、この板の外形が、支持されるべき前記ギターの外形に整合することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1接続部材が、前記第1層状部材に接続された層状ブラケットであり、
この層状ブラケットが、ギターのベルトのための支持スタッドに接続するためのものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記層状ブラケットおよび前記第1層状部材は、前記層状ブラケットに配置された第2の細長い開口部と、前記第1層状部材に配置されるとともに前記第2の細長い開口部に対応する少なくとも1つの第2の開口部と、それら両開口部を貫通するピンとによって接続されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1層状部材が前記層状ブラケットとの接続点を変えるために互いに近接した複数のさらなる開口部を備えることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記層状ブラケットがひしゃく形を有し、この層状ブラケットの先端の一方がギターのベルトのための支持スタッドを受け入れることによって接続することを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記層状ブラケットがギターのベルトのための支持スタッドを受け入れることによって接続するための凹所をさらに備えることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
前記支持スタッドおよび前記層状ブラケットが中間層状部材によって共に結合され、該中間層状部材は、前記支持スタッドを受け入れる開口部と、ピンがそれらを貫通するように配置された前記層状ブラケットの開口部に対応する細長い開口部とを有していることを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
前記さらなる支持スタッドが、前記ギターの肩部の1つに位置するギターのベルトのための支持スタッドとされ、
前記第2接続手段が、前記さらなる支持スタッドとの接続のための第2接続部材とされていることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
前記ギターのベルトのための前記第1支持スタッドへの前記第1接続部材が、フックを有した層状ブラケットとされ、この層状ブラケットの少なくとも一方の端部が、前記ギターの前記第1支持スタッドを受領し得るよう構成されていることを特徴とする請求項1または11に記載の装置。
【請求項19】
前記ギターのベルトのための前記第1支持スタッドへの前記第1接続部材が、湾曲板を有した層状ブラケットとされ、この層状ブラケットの少なくとも一方の端部が、前記ギターの前記第1支持スタッドを受領し得る受領部材として構成されていることを特徴とする請求項1または11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば壁に取り付けるための、または台座に固定するためのギター固定装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
ギターは、コレクターアイテムとなってきている。したがってギターの展示ユニットの需要がある。しかし、既知のタイプの展示ユニットは、ギターを囲むものであり、その結果、それらは非常にかさばり、かつギターの三次元性を鑑賞することは困難となり、および/またはユニットが見えるために、ギターの審美性に影響を及ぼす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、ギターの展示装置を提供することにより、この市場のニーズへの解決策を提供し、これにより、ギターは面、理想的には壁に固定可能であり、かつ展示装置は一目では見えず、ギターを傷つけることなくギターを空間につるす、または面にネジ留めするという効果を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
特に、本発明は、ギター固定装置を備え、ギター固定装置が、
− 面に取り付けるためのアームが設けられた取付部材と、
− アームに接続された構造部材であって、構造部材はギターの後部に沿って通り、この構造部材は、少なくとも
ギターのベルトのための第
1支持スタッドへの第1接続部材、および/またはギターのネックへの接続部材を有する、構造部材と、
を備えることを特徴としている。
【0005】
ギターの後部に位置する構造により、視覚への影響を最小限にしながら固定することができる
【0006】
好ましくは、構造部材は、ギターの背面に位置する層状部材を備える。見えないようにするために、層状部材は、板状とすることができ、その
外形は固定されるギターに整合する。
【0007】
より好ましくは、壁への取付部材は、アームの端部に
玉継手を有し、これは、装置が固定される面(例えば壁)に非平行にギターを配置することができることを意味し、ギターの三次元性をより提供することができる。
【0008】
再度好ましくは、固定部材は、台座に接続される。
【0009】
あるいは、固定部材は、壁に連結するための開口部およびボルトを有する板を備えることができる。
【0010】
より好ましくは、
玉継手に対して回転することができ、かつ構造部材が結合する中間接続部材が、構造部材および
玉継手の間に位置している。
【0011】
好ましくは、中間部材は、
玉継手および構造部材の間の回転角度を調整するホイールを有する。
【0012】
ギターを保護するために層状部材およびギターの背面の間に発泡
材料を配置することができる。
【0013】
同様に、本発明は、異なる形および大きさのギターのために装置を調整するよう使用することができる調節の異なる手段を提供する。
【0014】
このため、構造部材は好ましくは、2つの部材の間の相対的な位置を変更することができる第1貫通手段に接続された第2層状部材を備える。
【0015】
さらにより好ましくは、これらの手段は、層状部材のうちの1つに少なくとも1つの細長い開口部と、細長い開口部に対応し、かつ前述の細長い開口部を含まない層状部材に位置する1組のより小さい開口部と、細長い開口部および対応するより小さい開口部の1つを貫通することができる少なくとも1つのピンと、を備える。
【0016】
さらにより好ましくは、層状部材は、1組のオリフィスを備え、それにより、取付部材は、異なる相対位置において壁および構造部材に結合することができる。
【0017】
好都合に、第1接続部材は、ギター
のベルトのための支持スタッドに接続するための、構造部材に接続された層状ブラケットである。
【0018】
より好都合には、層状ブラケットおよび構造部材は、層状ブラケットまたは構造部材に配置された開口部、対応する細長い開口部および両開口部を貫通可能なピンによって共に接続されている。
【0019】
さらなるより好都合な方法において、構造部材は、互いに近い1組の開口部を備え、層状ブラケットへの接続点を変えることができる。
【0020】
またさらなるより好都合な方法においては、スタッドおよび層状ブラケットは、中間層状部材によって結合され、中間層状部材は、スタッドを受け入れる開口部および1つのピンが通過するよう配置された層状ブラケットのより小さい開口部に対応する細長い開口部を有する。
【0021】
層状ブラケットは、ギター
のベルトのための支持スタッドを受け入れるための凹所を備えることができる。
【0022】
本発明はまた、ギターのネックを支持するU字状部材を好ましく提供する。
【0023】
より好ましくは、U字状部材は、U字がギターの弦があるネックの側面を大きく遮らないように、ネックの背面および側面を囲むように、構造部材に取り付けられている。
【0024】
あるいは、ネックへの接続部材を有し、それはネックの裏との接触面と、ギターの弦が上を通るネックの一部に接触する屈曲状部材とを備える。
【0025】
好ましくは、ギターのネックの反対部分に位置するギター
のベルトのための支持スタッドと接続するように配置されたギター
のベルトのための支持スタッドへの接続部材を有する。
【0026】
さらにより好ましくは、ギターの肩部の1つに位置するギター
のベルトのための支持スタッドへの接続を形成するように位置するギター
のベルトのための支持スタッドへの接続部材をさらに備える。
【0027】
本発明はまた、ギターへの接続部材の異なる好ましい配置を提供し、それはアコースティックギター、エレキギターまたは一般的なギターなどの異なるタイプのギターに好ましく適用される。
【0028】
したがって、ネックへの接続部材およびギター
のベルトのための支持スタッドへの接続部材を備える。
【0029】
好ましくは、ネックへの2つの接続部材を備える。
【0030】
あるいは、本発明は、ギターネックへの接続部材なし、またはギター
のベルトのための支持スタッドへの接続部材なしも可能である。
【0031】
本発明のより良い理解のために、例に限定されることない説明のために、本発明の実施形態の図面が添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本発明による装置の第1実施形態の異なる部品の分解組立図を伴うエレキギターの斜視図である。
【
図2】第1実施形態を図示されたギターの特定の寸法に調整する工程を示す斜視図である。
【
図3】エレキギターに既に取り付けられた第1実施形態の斜視図である。
【
図4】ギター肩部に位置する支持スタッド近くにおける装置およびギター間の接続の詳細が良く見える斜視図である。
【
図5】第1実施形態の面への位置決め可能性を示す概略図である。
【
図6】本発明による装置の第2実施形態の異なる部品の分解組立図を伴うアコースティックギターの斜視図を示す。
【
図7】アコースティックギターに既に取り付けられた第2実施形態の斜視図である。
【
図8】アコースティックギターに既に取り付けられた第2実施形態の別の観点から見た別の斜視図である。
【
図9】ギターのネック近くにおける第2実施形態の装置およびギター間の接続の詳細が良く見える斜視図である。
【
図10】第2実施形態を図示されたギターの特定の寸法に調整する工程を示す斜視図である。
【
図11】第2実施形態の面への位置決め可能性が見える概略図である。
【
図12】本発明による装置の第3実施形態の異なる部品の分解組立図を伴う標準のギターの斜視図を示す。
【
図13】本発明による装置の第4実施形態の分解組立図を伴う別のギターの斜視図を示す。
【
図14】本発明による装置の第5実施形態の分解組立図を伴う別のアコースティックギターの斜視図を示す。
【
図15】
図13および
図14の実施形態において用いられる
玉継手の分解された部品の斜視図を示す。
【
図16】外形が異なるギターの外形に整合し、オリフィスの異なる分布を有する層状部材または板の異なる実施形態を示す。
【
図17】外形が異なるギターの外形に整合し、オリフィスの異なる分布を有する層状部材または板の異なる実施形態を示す。
【
図18】外形が異なるギターの外形に整合し、オリフィスの異なる分布を有する層状部材または板の異なる実施形態を示す。
【
図19】構造部材をギターのスタッドに固定するために使用することができるクランプ部材の斜視図を示す
【
図20】スタッドへの連結のためのフックを有する、層状部材をギターのスタッドに結合する層状ブラケットの実施形態の例の斜視図を示す。
【
図21】スタッドへの連結のためのブラケットの実施形態の別の例の別の斜視図を示す。
【
図22】調整可能に配置されたクランプシステムを介してギターのネックに連結するための装置の斜視図を示す。
【
図23】ギターのスタッドに取り付けられる層状ブラケットのさらなる実施形態の斜視図を示す。
【
図24】
図13に類似しているが、装置が水平面上に支持された台座に取り付けられる点が異なっている本発明による装置の第6実施形態の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1〜
図5は、本発明による装置1の第1実施形態およびエレキギター100への利用を示す。
【0034】
図1〜
図5においてギター100を吊るすための装置1は、壁への接続部材21,21’,21”を有する穴が開けられた壁用円板2を備える。
玉継手3に接続するアーム23は、円板から垂直に突出している。図示された
玉継手は、市販のタイプの
玉継手とすることができ、面に接続されることができるハウジング内の球形部材31および力による
玉継手の位置の調整を備える。球形部材31は、アーム23に直接取り付けられる。
【0035】
玉継手のハウジングの面への接合面は、ねじ部材またはピンによって板4を備える構造部材に接続される。板4は、異なる部品に異なる位置でこれを接続することができる多数の開口部を備え、これにより、異なるギターを吊るすために同じ装置を使用することができる。図に明らかなように、板4は、ギター100の後部に沿って延在している。
【0036】
したがって、中央位置において、板は異なるオリフィス43,43’を有しており、
玉継手3を板4に取り付ける接続点を調整することが可能となる。
【0037】
ギターを損傷から保護するために、発泡
材料49が板4およびギター100の間に配置される。この発泡
材料は、例えばPlastazoteの商品名で市販されている材料とすることができる。
【0038】
ギターのネックと逆の先端に対応する部分において、板は、1組のオリフィス48,48’を有し、その点に位置するギター
のベルトのための支持スタッド101への接続部材の取付点を調整することができる。
【0039】
図示された例のスタッド101への接続部材は、シート状金属から作られたブラケット5を備え、ブラケットは、細長い開口部51および板4のオリフィス48,48’の1つに接続するためのピン58を有する。この細長い開口部51により、板4の端部およびスタッド101間の距離を調整することが可能となり、ギターの寸法およびギター100に対して装置1が配置される点に応じて変化することができる。閉じた円形オリフィス52および凹所または開口した細長い開口部53が、ブラケット5の他方のリムに配置される。凹所または開口した細長い開口部53は、ギター100のスタッド101が横方向に入ることができるように設計されている。閉じた円形オリフィス52は、他の細長い開口部55と共に作用し、細長い開口部55は、ギター100のスタッド101を受け入れる閉じた円形オリフィス56を備える中間板54に属している。閉じたオリフィスおよび細長い開口部のこのセットにより、ギターの高さを調整することができる。
【0040】
ネックにより近い部分に関して、板4は、第2板6に接続され、その目的は、共鳴胴の長さおよびスタッドの相対位置に関して異なる形状のギターに取り付けられるようにすることである。
【0041】
この第2板6は、2つの細長い開口部64,64’を有し、該開口部は、スライドとして作用し、かつ主板4のオリフィス46,46’に対応するように結合される。細長い開口部により、異なる相対位置における2つの板4,6をピン61を用いて共に結合することができる。第2板は、より特定の形状を有し、スタッド102を有するギターの肩部に向かって延在するアームを有する。アーム6の端部およびギター肩部のスタッド102間の接続は、他のスタッドに用いられるものに類似の手段によってなされる。
【0042】
特にこの場合、オリフィス67が板6のアームの端部に配置され、これを通ってピン73が、細長い開口部76を有するブラケット7と接続する。ブラケットの他方のリムに中間板75に接続するための閉じた円形オリフィス72がある。ブラケット7はまた、スタッド102を受け入れる凹所74を有する。中間板75は、ピン74を介してブラケット7に接続するための細長い開口部77およびスタッド102を受け入れる閉じた円形オリフィス78aを有する。中間板75は、接続するためスタッド102が凹所74から滑り落ちるのを防ぐための固定部材として作用する。
【0043】
図2および
図5に明らかなように、一旦装置1がギター100に取り付けられると、
玉継手3によってギター100の空間配置を調整することが可能である(面300に対する回転、傾斜)。
【0044】
図6〜
図11は、本発明の第2実施形態を示す。第2実施形態は、ギター200のネック202と逆の点に位置するスタッド201およびネック202に位置する別の点の両方によって支持されるべき(技術的または芸術的な理由により)であるギター200、例えば、特定のアコースティックギター等を対象としている。
【0045】
第2実施形態の固定装置は、第1実施形態として示されたものと類似しているため、全く同一のまたは類似の部品は、同じ参照符号によって参照されており、詳細には説明しない。以下の説明は、したがって第2および第1実施形態で異なる要素が中心である。
【0046】
第2実施形態において、主板4が
玉継手3に対して回転することを可能とするホイール31を有する中間部材32が
玉継手3および主板4間に取り付けられている。構造部材の第2板6は、異なる形状をしており、その目的は、ネック203への接続および主板4の間の接続部として機能することである。図示されたこの第2実施形態のネック203への接続部材は、ピン81および細長い/円形の開口アセンブリを介して第2板6のアーム端部へ結合するブラケット8を備え、該ブラケットは、ネックのギターの弦がある側を大きく遮らないようにネックの背面および側面を越えて延在するU字状部材82に接続されている。
【0047】
図12は、特に支持スタッドがない標準のギターに適した本発明の第3実施形態を示す。
【0048】
第3実施形態の固定装置は、第1および第2実施形態に示したものと類似しているため、全く同一のまたは類似の部材は、同じ符号によって特定される。これらの部材もまた詳細に説明しない。したがって以下の説明は第2および第1実施形態とは異なる部材に集中する。
【0049】
第3実施形態においては、装置は、支持スタッドに接続されていないことが理解できるだろう。第1および第2実施形態と比較すると、主板4および第2板6が結合して、それらのあいだにピンを必要とせずに単一の部品を共に形成していることがわかるだろう。一方、第2板6のアームは、ネック203への2つの接続部材を有する。それは、特にギター200をしっかり吊るすネック上の2点を介する接続である。この場合、接続部材は、第2板6のアームを介して構造部材に取り付けられる屈曲形状部材82,82’を備え、その目的は、弦が通るネック203の一部に接触することである。接触部分において、各屈曲部材82,82’は、エラストマーのスリーブ89によって覆われている。接続部材はまた、ネック203の反対の面に接触するための面84,84’を備える。ギター200の損傷を予防するために、発泡
材料85’の層がこれらの面84,84’の間に配置される。
【0050】
図13および
図14は、本発明による装置の2つのさらなる実施形態を示す。これらの図において、前述の実施形態において示されたものと全く同一のまたは類似の部材は同じ参照符号によって特定される。
【0051】
図13における実施形態に関して、これは、
図1のものに非常に似ており、第1実施形態と比較した場合の主な変化は、層状部材(特に第1板4)を下部ゾーンの支持スタッドに、および層状部材(特に第2板6)をギター100の肩部に位置する支持スタッドにそれぞれ接続するブラケット5,7であり、これは、
図20および
図23をそれぞれ参照して以下に記載される。
【0052】
図14における実施形態に関して、これは、
図6のものに類似しており、主な相違点は、
図15を参照して以下に説明される
玉継手3と、
図19,
図20,
図21または
図23のいずれかに図示されるスタッドに接続するブラケット5と、
図22を参照して説明されるネックに接続するための装置とである。
【0053】
図15は、
図1〜
図12に図示されるものと異なる壁への接続部材の代替実施形態を示す。図において、壁に接続する円板2と、球形部材31および
玉継手3を壁用円板2に結合するアーム23を内部に有する
玉継手部材3とが見える。アセンブリは、穴の開いた円板33または層状部材(特に板4)に接続するための内部ハウジングおよび環状シールによって完成し、該環状シールは、球形部材31および内部ハウジング33間の良好な可動連結を提供し、かつ支持されているギター重量による力で
玉継手が自由に回転することを防ぐ。このアセンブリは、自由回転移動を可能にし、ギターは所望のとおり傾斜することができる。
玉継手の位置は、グラブネジ231を締め付けることによって固定される。
【0054】
図16,
図17および
図18は、本発明による装置の層状部材を形成している板4または主板の3つの実施形態を示す。明らかなように、ギターのスタッドの位置によるオリフィス43,46,46’,45の位置のように、板4の
外形は、異なるタイプのギターの
外形に整合する。
図17および
図18の実施形態において、細長い開口部461により、異なる肩部形状を有するがギター本体の形を基本的に共有するギターに調整することができる。オリフィスまたは穴43,45,46,46’は、ねじ付きとすることができる。
【0055】
図19は、例えばスタッドに接続するためのブラケットに、または状況に応じて層状部材を形成する板4,6の1つに直接接続することができるスタッド接続のための装置を示す。この部材17は、ノブ571によって締め付けることができる2つのクランプアーム572,573を有する。
【0056】
図20は、スタッドに接続するための層状ブラケット5の代替実施形態を示す。ブラケット5は、層状部材に接続するための細長い開口部51と、通常ギター肩部に位置する上部スタッドであるギターのスタッドに接続するためのフック592とを有する。
【0057】
図21は、ブラケット5の他の実施形態を示す。
【0058】
この場合、スタッドへの接続は、ねじ接続55によってブラケットに取り付けられる湾曲板57,591を介してなされる。
【0059】
図22は、特にアコースティックギター(ギター肩部のスタッドがないことが多い)に適用できるネックへの接続部材の代替実施形態を示す。この実施形態は、クランプの形の一対の部材712,713を組み込み、アレンタイプの工具によって操作可能な細長い開口部714およびネジ715システムを介して装置本体に調整可能に取り付けることができる。機構は、例えばステンレス鋼の棒610に沿って滑ることができ、それは、装置の貫通孔716を通って滑る。装置は、装置本体および棒610の相対位置を固定するための制御部711を有する。装置はまた、ギターのネックを受け入れるクッションを備える。
【0060】
図23は、ギターの下部スタッドとの接続に特に適用する層状ブラケット5の実施形態を示す。このブラケット5は、ギターの下部スタッドを収容するひしゃく形状部材510を組み込み、容易に取り付けることができる。
【0061】
図24は、本発明による装置が地面から垂直に立った台座301にギター100を支持している
図13と類似した実施形態を示す。
【0062】
本発明は、金属、プラスチック、木材等の異なる材料を用いて構成することができる。例えば、金属部材は、304ステンレス鋼板および/または薄鋼板から作られることができる。例えば、部品、
玉継手のハウジング、
玉継手を支持する基部、
玉継手およびギターのための固定ホイールは、304によって作られることができ、任意のタイプのステンレス鋼のピン(選択によりピンまたはねじとすることができる)、壁への接続円板は、塗装薄鋼板から作られることができる。好ましくは、板は、3〜2mmの厚さを、壁用円板は、4mmの厚さを有することができる。鋼鉄およびギター間の接触部を保護するために使用される発泡
材料は、厚さ30mmの45PPIフィルタリング材料とすることができ、かつ例えば,両面接着によって板に固定されることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 装置
2 円板
3 玉継手
4 板
5 ブラケット
6 第2板
7 ブラケット
8 ブラケット
21 接続部材
23 アーム
31 球形部材
32 中間部材
33 円板
100,200 ギター
101,102 スタッド
203 ネック