(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5893160
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】操作装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20160310BHJP
H05K 1/02 20060101ALI20160310BHJP
G01L 1/14 20060101ALI20160310BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20160310BHJP
【FI】
G06F3/01 560
H05K1/02 C
G01L1/14 J
G06F3/02 F
G06F3/02 E
H05K1/02 B
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-547963(P2014-547963)
(86)(22)【出願日】2012年12月19日
(65)【公表番号】特表2015-510159(P2015-510159A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】EP2012076110
(87)【国際公開番号】WO2013092683
(87)【国際公開日】20130627
【審査請求日】2014年6月23日
(31)【優先権主張番号】102011089693.7
(32)【優先日】2011年12月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(72)【発明者】
【氏名】ディアク バイルカー
【審査官】
菅原 浩二
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2011/071837(WO,A2)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0075384(US,A1)
【文献】
米国特許第04325102(US,A)
【文献】
特開昭55−030192(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G01L 1/14
G06F 3/02
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触覚フィードバックを備えた入力エレメントと、リジッドプリント基板とを有する操作装置において、
前記プリント基板(4)は、固定の第1プリント基板領域(8)と、該第1プリント基板領域(8)に隣接し、かつ該第1プリント基板領域(8)に対して変位可能な第2プリント基板領域(10)とを有し、
前記第1プリント基板領域(8)は、コンデンサの第1電極(12)を有し、前記第2プリント基板領域(10)は、前記コンデンサの第2電極(14)を有し、
前記入力エレメント(2)は、前記入力エレメント(2)の操作によって、前記第1電極(12)と前記第2電極(14)との間隔を変化させながら前記第2プリント基板領域(10)が前記第1プリント基板領域(8)に対して変位するように、前記第2プリント基板領域(10)に作用接続されている、
ことを特徴とする操作装置。
【請求項2】
前記第1プリント基板領域(8)又は前記第2プリント基板領域(10)は、前記第1電極(12)又は前記第2電極(14)に対応する別の電極(18)を有し、それぞれ静電容量を形成している、
ことを特徴とする請求項1記載の操作装置。
【請求項3】
前記第2プリント基板領域(10)は、前記固定の第1プリント基板領域(8)に直接接続された指形の接続部分(20)と、
少なくとも前記第2電極(14)を支持し、かつ前記第2プリント基板領域(10)の、前記接続部分(20)とは反対側の端部に配置された電極部分(22)とを有する、
ことを特徴とする請求項1又は2記載の操作装置。
【請求項4】
前記第2プリント基板領域(10)は、U字形に形成されており、
前記U字形における各脚部(28,30)は、それぞれ1つの指形の接続部分(20,32)を形成し、各脚部は、前記第1プリント基板領域(8)に直接接続されており、
前記各脚部(28,30)同士を接続している、前記U字形における底部領域(34)は、前記電極部分(22)を形成し、少なくとも前記第2電極(14)を支持している、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の操作装置。
【請求項5】
少なくとも前記第1電極(12)と前記第2電極(14)とは、それぞれ櫛形に形成されている、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の操作装置。
【請求項6】
前記第2プリント基板領域(10)は、接続箇所(24)において前記第1プリント基板領域(8)に接続されており、
前記第1プリント基板領域(8)と前記第2プリント基板領域(10)とは、少なくとも前記第2プリント基板領域(10)の、少なくとも前記第2電極(14)を有する前記電極部分(22)において、幅狭の空隙(26)のみによって互いに分離されている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の操作装置。
【請求項7】
前記入力エレメント(2)は、力伝達点(FE)において前記第2プリント基板領域(10)に作用接続されており、
前記力伝達点(FE)は、前記第2プリント基板領域(10)の、前記第2プリント基板領域(10)が前記第1プリント基板領域(8)と接続されている接続箇所(24)とは反対側の端部に配置されている、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の操作装置。
【請求項8】
前記入力エレメント(2)は、少なくとも2つの力伝達点(F1,F2,F3)において前記第2プリント基板領域(10)に作用接続されており、
前記少なくとも2つの力伝達点(F1,F2,F3)は、前記第2プリント基板領域(10)に亘って分布して配置されている、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項記載の操作装置。
【請求項9】
固定の2つの第1プリント基板領域(8,8’)が設けられており、
前記2つの第1プリント基板領域(8,8’)は、前記プリント基板(4)の、相対する両側にそれぞれ配置されている、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の、又は、請求項4を引用しない請求項5から8のいずれか一項記載の操作装置。
【請求項10】
前記入力エレメント(2)は、力伝達点(FE)において前記第2プリント基板領域(10)に作用接続されており、
前記力伝達点(FE)は、前記2つの第1プリント基板領域(8,8’)の間に配置されている、
ことを特徴とする請求項9記載の操作装置。
【請求項11】
前記各電極(12,12’,14,14’,18,18’)は、前記プリント基板(4)の導体路を介して、前記プリント基板(4)の上又は中に配置された評価ユニット(16)に接続されている、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項記載の操作装置。
【請求項12】
前記入力エレメント(2)は、ディスプレイ装置を有する、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項記載の操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚フィードバックを備えた入力エレメントと、リジッドプリント基板とを有する操作装置に関する。
【0002】
このような操作装置は、例えば自動車のための触覚フィードバックを備えた入力エレメントを有する操作装置として知られている。触覚(ハプティック)フィードバック、つまり触覚に関連したフィードバックによって、とりわけ自動車の運転手のようなユーザは、操作装置の操作過程全体に亘って充分な注意を払う必要なく操作装置を手で操作することが可能である。というのは、触覚フィードバックによれば、ユーザは、例えば入力が操作装置に実際に入力されたことを、操作装置に目をやる必要なく確認することができるからである。触覚フィードバック並びに入力の認識を保証するために、公知の操作装置においては高コストのセンサ装置が必須である。
【0003】
本発明の課題は、簡単な構造で確実な操作を保証することができる、冒頭に述べた形式の操作装置を提供することである。
【0004】
この課題は、本発明によれば、前記プリント基板が、固定の第1プリント基板領域と、前記第1プリント基板領域に隣接し、かつ前記第1プリント基板領域に対して変位可能な第2プリント基板領域とを有し、前記第1プリント基板領域は、コンデンサの第1電極を有し、前記第2プリント基板領域は、前記コンデンサの第2電極を有し、前記入力エレメントは、前記入力エレメントの操作によって、前記第1電極と前記第2電極の間隔を変化させながら前記第2プリント基板領域が前記第1プリント基板領域に対して変位するように、前記第2プリント基板領域に作用接続されている、ことによって解決される。
【0005】
従属請求項には、本発明の有利な実施形態が示されている。
【0006】
したがって本発明の操作装置は、コンデンサを提供し、このコンデンサは、間接的には、入力エレメントが操作された際に入力エレメントに対してもたらされる力を検出するために使用され、直接的にはこの力に起因した変位を、第2プリント基板領域の変位という形態で、ひいては第1電極と第2電極の間隔の変化という形態で検出するために使用される。第1電極と第2電極の間隔の変化によって、コンデンサの静電容量が変化する。コンデンサのこの静電容量の変化は、例えば操作装置の評価ユニットによって評価することができる。評価結果は例えば、自動車内の電気機器、例えばエアコン装置又はラジオのためのスイッチング信号として使用することができる。つまりコンデンサは、操作装置の静電容量センサの構成部分であり、静電容量センサは、操作装置において力又は変位を検出するために設けられている。状況及び個々の必要に応じて、コンデンサのネットワークを設けることもできる。コンデンサ電極は、有利には銅電極であり、プリント基板の上に設けることも、また例えば、多層プリント基板(又はマルチレイヤプリント基板)の形態でプリント基板の中に設けることも可能である。第1プリント基板領域又は第2プリント基板領域においてのみ、このようなコンデンサ電極のための多層プリント基板構造を設けることも考えられる。
【0007】
入力エレメントは、第2プリント基板領域に作用接続されている。すなわち、入力エレメントに作用する力が第2プリント基板領域に伝達される。最も簡単なケースにおいては、入力エレメントとプリント基板領域とを、力の方向に互いに当接させることができ、このようにして、入力エレメントから第2プリント基板領域へと圧力を伝達させることができる。本発明に基づいて第2プリント基板領域の変位を達成できる限り、入力エレメントと第2プリント基板領域との間の接続は、基本的に任意である。例えば、入力エレメントと第2プリント基板領域とを、弾性的に固定的に結合して互いに接続することも考えられ、こうすることによって、入力エレメントに対する横力及び引張力も、第2プリント基板領域の変位を生じさせる。有利には、入力エレメントは、入力エレメントの表面に対して垂直に操作することができ、入力エレメントの操作によって第2プリント基板領域がリジッドプリント基板のプリント基板平面に対して垂直方向に変位するよう、入力エレメントを第2プリント基板領域に作用接続することができる。しかしながら基本的に他の配向も考えられ、例えば、プリント基板平面に対して平行方向への入力エレメントの操作や、プリント基板平面に対して横方向及び平行方向における第2プリント基板領域の相応の変位も考えられる。
【0008】
本発明においては、第1電極と第2電極との間の間隔、並びに、この間隔に起因して生じるコンデンサの静電容量が重要である。上述の間隔は、入力エレメントが操作されると変化する。評価ユニットでこの間隔変化を評価するためには、入力エレメントが操作された際に上述の間隔が大きくなるか又は小さくなるかということだけが重要である。コンデンサの静電容量の増加並びに減少は、基本的に入力として、つまり入力エレメントの操作として、評価ユニットによって評価及び認識することができる。
【0009】
発明の操作装置における特別な利点は、非常に僅かな構成部材だけで操作装置を製造することができることである。付加的な構成部材−バネエレメント、絶縁エレメント、ガイドエレメント、遮蔽板のような−は、本発明によれば有利にも省略することができる。これによって操作装置のための製造コストが減少し、耐久性が改善する。本発明による操作装置は、製造において簡単かつ低コストであり、高い信頼性及び動作確実性を有する。したがって本発明の操作装置は、とりわけ自動車のための操作装置として適当である。
【0010】
本発明において、特に有利には、操作装置において種々の電気デバイスを収容及びコンタクトするために使用されるリジッドプリント基板が、付加的に、入力エレメントの操作に関連した力又は変位を検出するためにも使用される。第2プリント基板領域は、リジッドはであるが、とりわけ第1プリント基板領域に対して弾性に変位可能である。したがって、全体としてはリジッドなプリント基板であって、しかしながら所定の領域においては、つまり第2プリント基板領域においては弾性特性を有する、プリント基板が設けられる。本発明の操作装置において有利には、入力エレメントの非常に小さい変位、とりわけ0.05mm〜0.4mmの長さの変位、又は、操作のための入力エレメントに対する非常に小さい力、とりわけ1〜4Nの力を識別及び利用することができる。障害影響を遮蔽するために、個々の電極はアースとコンタクトすることができる。
【0011】
本発明の有利な実施形態によれば、第1プリント基板領域又は第2プリント基板領域は、第1電極又は第2電極に対応する別の電極をそれぞれ有し、静電容量を形成する。この別の電極と、第1電極又は第2電極とは、それぞれ不変の基本静電容量を形成することができ、その一方で第1電極と第2電極は、互いに寄生容量を形成することができる。このようにすると、操作装置の機能信頼性を格段に高めることができる。上述した実施形態によれば、コンデンサの基本静電容量を増加させることができる。さらにこの別の電極は、有利には、場合によって遮蔽機能を果たすことができる。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、第2プリント基板領域が、固定の第1プリント基板領域に直接接続された指形の接続部分と、第2電極を支持し、かつ第2プリント基板領域の、前記接続部分とは反対側の端部に配置された電極部分とを有する場合には、本発明の操作装置の入力エレメントの操作を、有利にも容易にすることができる。これにより、第2プリント基板領域の弾性を増加させることができ、第2プリント基板領域の変位特性を簡単にすることができる。第2プリント基板領域の接続部分は、接続箇所において第1プリント基板領域に接続されている。
【0013】
本発明の別の有利な実施形態によれば、第2プリント基板領域は、U字形に形成されており、U字形における各脚部は、それぞれ1つの指形の接続部分を形成し、各脚部は、第1プリント基板領域に直接接続されている。各脚部同士を接続している、U字形における底部領域は、電極部分を形成し、少なくとも第2電極を支持している。このようにして操作装置の安定性を高めると同時に、第2プリント基板領域の変位特性を良好にすることができる。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、少なくとも第1電極と第2電極とが櫛形に形成されている場合に、入力エレメントが操作された際のコンデンサの静電容量並びに静電容量変化を増加させることができる。この場合、第1電極と第2電極は、有利にはそれぞれ櫛形構造を形成しており、これらの櫛形構造がコンデンサにおいて互いに噛み合っている。
【0015】
本発明の別の有利な実施形態によれば、第2プリント基板領域は、接続箇所において第1プリント基板領域に接続されており、第1プリント基板領域と第2プリント基板領域とは、少なくとも第2プリント基板領域の、少なくとも第2電極を有する電極部分において、幅狭の空隙のみによって互いに分離されている。これによって、コンデンサの静電容量を増加させることができる。有利には、この空隙は、第1プリント基板領域に対する第2プリント基板領域の変位が邪魔されない程度の幅である。つまり、第2プリント基板領域の変位の際にもこれら2つのプリント基板領域が決して接触しない程度の幅である。有利には、空隙は、プリント基板におけるフライス加工部分とすることができる。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、入力エレメントが、力伝達点において第2プリント基板領域に作用接続されており、力伝達点が、第2プリント基板領域の、第2プリント基板領域と第1プリント基板領域とが接続されている接続箇所とは反対側の端部に配置されている場合には、入力エレメントの操作を有利にも容易にすることができる。力伝達点において、入力エレメントを、第2プリント基板領域に例えば当接させることができ、こうすることによって第2プリント基板領域に対する圧力を伝達させることができる。力伝達点と接続箇所との間隔が大きいので、力伝達点における第2プリント基板領域の弾性が比較的高くなり、ひいては操作力が比較的小さい場合でも、第2プリント基板領域の変位が大きくなる。
【0017】
本発明の別の有利な実施形態によれば、入力エレメントは、少なくとも2つの力伝達点において第2プリント基板領域に作用接続されており、これらの力伝達点は、第2プリント基板領域に亘って分布して配置されている。複数の力伝達点を設けることによって、入力エレメントの操作の際に、第2プリント基板領域の変位に対する平均値を獲得することができる。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、固定の2つの第1プリント基板領域が設けられており、これら2つの第1プリント基板領域が、プリント基板の相対する両側にそれぞれ配置されている場合に、入力エレメントの操作に関する操作装置の感度を特に高めることができる。有利には、2つの第1プリント基板領域は、それぞれU字形に形成されている。プリント基板の相対する両側は、プリント基板の互いに反対の側である。
【0019】
有利な実施形態によれば、特に簡単な操作のために、入力エレメントは、力伝達点において第2プリント基板領域に作用接続されており、力伝達点は、2つの第1プリント基板領域の間に配置されている。有利には力伝達点は、2つの第1プリント基板領域の間に中央に配置されている。
【0020】
コンデンサの静電容量変化を評価するための評価ユニットを、例えば操作装置のケーシングの中に配置することも考えられる。しかしながら本発明の別の実施形態によれば、各電極を、プリント基板の導体路を介して、プリント基板の上又は中に配置された評価ユニットに接続すると、操作装置の構造を簡単にするために特別有利である。さらに、操作装置に生じうる障害影響を最小化することができる。有利には、評価ユニットは集積回路を含む。
【0021】
本発明の別の有利な実施形態によれば、入力エレメントは、ディスプレイ装置を有する。したがって操作装置は、とりわけ自動車における種々の機器及び/又は装置の包括的な種々の操作性のために、タッチスクリーンを有することができる。有利には、ディスプレイ装置は、電気光学的な表示装置、例えば液晶スクリーンを有することができる。
【0022】
本発明の実施例を、図面に概略的に図示し、以下においてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、プリント基板を有する操作装置の側断面図である、
【
図2】
図2は、操作装置のプリント基板の平面図である。
【
図4】
図4a,bは、
図2のプリント基板の実施形態の側断面図である。
【
図5】
図5は、操作装置の別のプリント基板の平面図である。
【
図7】
図7は、操作装置の別のプリント基板の平面図である。
【
図8】
図8は、操作装置の別のプリント基板の平面図である。
【0024】
全ての図面において、それぞれ相応するエレメントには同じ参照符号を付している。
【0025】
図1は、触覚フィードバックを備えた入力エレメント2と、リジッドプリント基板4とを有する操作装置1を示す。プリント基板4の位置は、操作装置1の周辺部に対して、例えばケーシングに対して固定されている―支持部5によって表されている―。入力エレメント2を外部の力作用なしに規定された位置に保持するバネエレメント6の位置も、操作装置1の周辺部に対して固定されている。
【0026】
プリント基板4は、固定の第1プリント基板領域8と、第1プリント基板領域8に隣接し、かつ第1プリント基板領域8に対して変位可能な第2プリント基板領域10とを有する。入力エレメント2は、力伝達点FEにおいて第2プリント基板領域10に作用接続されている。例えばユーザの手の指HFにより入力装置2に圧力を加えることによって、第2プリント基板領域10は、
図1において下方を指している矢印Zの方向に、第1プリント基板領域8に対して変位する。
【0027】
第1プリント基板領域8は、コンデンサの第1電極12を有し、第2プリント基板領域10は、前記コンデンサの第2電極14を有する。入力エレメント2は、第2プリント基板領域10に以下のように作用接続されている。すなわち、入力エレメント2の操作によって、つまりここでは指HFで入力エレメント2に圧力を加えることによって、第1電極12と第2電極14の間隔を変化させながら第2プリント基板領域10が第1プリント基板領域8に対して変位するように、入力エレメント2が第2プリント基板領域10に作用接続されている。
【0028】
第1電極12と第2電極14の間隔が互いに変化することにより、コンデンサの静電容量が変化する。この静電容量の変化は、プリント基板4の上に配置された評価ユニット16によって評価される。静電容量の変化は、第2プリント基板領域10の変位に対する尺度であり、ひいては入力エレメント2の操作に対する尺度である。
【0029】
第2プリント基板領域10は、さらに別の電極18を有し、この別の電極は、第2電極14に対応しており、第2電極と共に静電容量を形成する。第2電極14とこの別の電極18は、コンデンサの不変の基本静電容量を形成し、これに対して第2電極14と第1電極12は、第2プリント基板領域10の変位に基づくコンデンサの可変の寄生容量を形成する。
【0030】
図1の操作装置は対称に構成されており、上述した第1の第2プリント基板領域10の他に、同一に構成された別の第2プリント基板領域10’を有することが見て取れる。この別の第2プリント基板領域10’は、第1の第2プリント基板領域10に対向して、かつ、第1プリント基板領域8に隣接して配置されている。
【0031】
図2は、操作装置の固定の第1プリント基板領域8と、第1プリント基板領域8に対して変位可能な第2プリント基板領域10とを備えたリジッドプリント基板4の平面図を示す。第2プリント基板領域10は、固定の第1プリント基板領域8に直接接続されている指形の接続部分20と、電極部分22とを有する。電極部分22は、第2プリント基板領域10の、接続部分20とは反対側の端部に配置されている。
【0032】
第2プリント基板領域10の接続部分20は、接続箇所24において第1プリント基板領域8に接続されている。第2プリント基板領域10の接続部分20、及び、第2プリント基板領域10の電極部分22においては、第1プリント基板領域8と第2プリント基板領域10とが、幅狭の空隙26のみによって互いに分離されている。
【0033】
図3aには、
図2のプリント基板の実施形態の、断面線A−A(
図2参照)での断面図が図示されている。第1プリント基板領域8は、第1電極12を有し、第2プリント基板領域10は、第2電極14を有する。第2プリント基板領域10は、第2電極14と共に基本静電容量を形成する別の電極18を有する。第2プリント基板領域10は、多層プリント基板(又はマルチレイヤプリント基板)の形態で構成されている。
【0034】
図3bは、力Fを加えた
図3aの図を示しており、力Fは、入力エレメント(図示せず)を操作した結果、第2プリント基板領域10に加えられたものである。この第2プリント基板領域10は、第1プリント基板領域8に対して変位している。変位により、第1電極12と第2電極14と別の電極18とを有するコンデンサの全体静電容量が変化する。コンデンサの全体静電容量は、変位によって増大する。
【0035】
力Fは、入力エレメントと第2プリント基板領域10とが作用接続されている力伝達点FEにおいて作用する。力伝達点FEは、第2プリント基板領域10の、接続部分20とは反対側の端部に、つまりここでは電極部分22に配置されている。
【0036】
力Fは、自身の形状に起因する、第1プリント基板領域8に対する弾性のバネ特性を有する第2プリント基板領域10を変位させ、これによって電界の経過とコンデンサの静電容量とを変化させる。
【0037】
図4には、
図2のプリント基板4の第2実施形態の、断面線A−A(
図2参照)での断面図が図示されている。第1プリント基板領域8における第1電極12の配置は、
図3a,3bの配置に相当する。第2プリント基板領域10は、ここでは第2電極14と別の電極18とを備える二層のプリント基板として構成されている。第2プリント基板領域10が変位していない位置においては、第1電極12と第2電極14は、1つの平面上に配置されている。
【0038】
力F(
図4b)が作用すると、第2プリント基板領域10は、第1プリント基板領域8に対して変位する。第1電極12と第2電極14と別の電極とを有するコンデンサの全体静電容量は減少する。
【0039】
ここでも力Fは、自身の形状に起因する、第1プリント基板領域8に対する弾性のバネ特性を有する第2プリント基板領域10を変位させ、これによって電界の経過とコンデンサの静電容量とを変化させる。
【0040】
図5は、固定の第1プリント基板領域8と、第1プリント基板領域8に対して変位可能な第2プリント基板領域10とを備える別のリジッドプリント基板4を図示している。第2プリント基板領域10は、U字形に形成されている。U字形における脚部28,30は、それぞれ1つの指形の接続部分20,32を形成しており、第1プリント基板領域8に直接接続されている。脚部28と脚部30とを接続している、U字形における底部領域34は、第2プリント基板領域10の電極部分22を形成している。
【0041】
第2プリント基板領域10には、3つの力伝達点F1,F2,F3が設けられており、これらは第2プリント基板領域10に亘って分布して配置されている。第1力伝達点F1は、脚部30に配置されており、他の2つの力伝達点F2,F3は、底部領域34に配置されている。
【0042】
端面の幅広の底部領域34と、相応に形成された複数の電極12,14,18とによって、コンデンサの寄生容量の影響が増加するので、第2プリント基板領域10が第1プリント基板領域8に対して変位した際の変位捕捉の感度が上昇する。
【0043】
図6a,6bは、
図5のプリント基板の、断面線A−A(
図5参照)での断面図を図示している。第1プリント基板領域8は、第1電極12を有し、第2プリント基板領域10は、第2電極14と別の電極18とを有する。第2電極14と別の電極18は、コンデンサの基本静電容量を形成し、第1電極12と第2電極14は、コンデンサの寄生容量を形成する。力F(
図6b参照)が作用した結果、第2プリント基板領域10が変位すると、コンデンサの寄生容量が変化し、ひいては、基本静電容量と寄生容量から組み合わされるコンデンサの全体静電容量も変化する。
【0044】
図7には、操作装置のリジッドプリント基板4の別の実施例の平面図が図示されている。プリント基板4は、第1電極を有する固定の第1プリント基板領域8と、第2電極を有する第2プリント基板領域10とを有し、第2プリント基板領域10は、第1プリント基板領域8に対して変位可能となっている。
図7のプリント基板4は
図2のプリント基板に類似しているが、
図7のプリント基板の場合には、第1プリント基板領域8と第2プリント基板領域10とが、ひいては第1電極と第2電極とが、互いに櫛形に噛み合っている。第1電極と第2電極は、それぞれ櫛形に形成されている。櫛形に構成することにより、コンデンサの静電容量を増加させることができる。
【0045】
図8は、操作装置のリジッドプリント基板4の別の実施例を図示している。このプリント基板4の場合には、2つの固定の第1プリント基板領域8,8’が設けられており、これら2つの第1プリント基板領域8,8’は、プリント基板4の相対する両側に配置されており、それぞれU字形を形成している。2つの第1プリント基板領域8,8’は、それぞれ1つのコンデンサのそれぞれ1つの第1電極12,12’と、別の電極18,18’とを有する(
図9a参照)。
【0046】
第1プリント基板領域8,8’は、第2プリント基板領域10に対応し、取り囲んでいる。第2プリント基板領域10は、入力エレメント(図示)の操作の結果、力F(
図9b参照)が作用すると、第1プリント基板領域8,8’に対して変位可能である。このために入力エレメントは、力伝達点FEにおいて第2プリント基板領域10に作用接続されており、力伝達点FEは、2つの第1プリント基板領域8,8’の間に、ここでは中央に配置されている。第2プリント基板領域10は、2つのコンデンサの第2電極14,14’を有する。第2プリント基板領域10の変位によってこれらのコンデンサの静電容量が変化し、これによって操作装置において評価ユニットによって入力エレメントの操作が認識される。