(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5893282
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】蛍光灯型照明装置
(51)【国際特許分類】
H05B 37/02 20060101AFI20160310BHJP
【FI】
H05B37/02 H
【請求項の数】1
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-165913(P2011-165913)
(22)【出願日】2011年7月28日
(65)【公開番号】特開2013-30365(P2013-30365A)
(43)【公開日】2013年2月7日
【審査請求日】2014年4月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】305004516
【氏名又は名称】株式会社J・M・P
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼倉 美智春
【審査官】
三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−004190(JP,A)
【文献】
特表2005−517278(JP,A)
【文献】
特開2011−108424(JP,A)
【文献】
特開平11−283755(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0046457(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源としての発光ダイオードが長手方向に複数並設され、当該光源が点灯すると蛍光灯の如く光が照射される左右一対の発光手段を並設させて具備した蛍光灯型照明装置において、
長手方向に複数並べられた部位に前記光源がそれぞれ配設され、電源に対して各部位がそれぞれ配線されることにより独立して消灯又は点灯可能に配設されるとともに、前記光源のうち前記発光手段の長手方向に対して半分の部位の発光ダイオードの消灯状態を維持させつつ他の半分の部位の発光ダイオードを点灯させるコントロール手段を具備し、且つ、当該コントロール手段は、一方の前記発光手段及び他方の前記発光手段を全点灯又は全消灯可能とされるとともに、一方の前記発光手段の点灯部位及び他方の前記発光手段の点灯部位を互い違いとする点灯形態と、一方の前記発光手段の点灯部位及び他方の前記発光手段の点灯部位を同一側とする点灯形態とを選択可能とされたことを特徴とする蛍光灯型照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源としての発光ダイオードが長手方向に複数並設され、当該光源が点灯すると蛍光灯の如く光が照射される発光手段を具備した蛍光灯型照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近時の省エネ嗜好に伴い、フェラメントを有したランプ等に代えて低消費電力及び長寿命の発光ダイオード(LED)を光源とした照明装置が多数提供されるに至っている。特に、近時においては、光源としての発光ダイオードを長手方向に複数並設させ、これら光源が点灯すると蛍光灯の如く周囲に光が照射される略円筒状の発光手段を具備した蛍光灯型照明装置が提案されるに至っており、従来の蛍光灯から交換しても違和感を感じないものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−80139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の蛍光灯型照明装置においては、1つの発光手段の全ての発光ダイオードを点灯させていることから、以下の如き問題があった。
すなわち、例えば左右一対の発光手段を具備した蛍光灯型照明装置において更なる省電力化を図るためには、一方の発光手段のみを点灯させ他方の発光手段を照明装置から取り外す必要があったが、この場合、他方の発光手段の取り外し作業が煩わしいという問題がある。また、1本の発行手段を具備した蛍光灯型照明装置においても省電力化を図りたいというニーズも高くなっていた。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、省電力化を容易に図ることができる蛍光灯型照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、光源としての発光ダイオードが長手方向に複数並設され、当該光源が点灯すると蛍光灯の如く光が照射される
左右一対の発光手段を
並設させて具備した蛍光灯型照明装置において、長手方向に複数並べられた部位に前記光源がそれぞれ配設され、電源に対して各部位がそれぞれ配線されることにより独立して消灯又は点灯可能に配設されるとともに、前記光源のうち
前記発光手段の長手方向に対して半分の部位の発光ダイオードの消灯状態を維持させつつ他の
半分の部位の発光ダイオードを点灯させるコントロール手段を具備し
、且つ、当該コントロール手段は、一方の前記発光手段及び他方の前記発光手段を全点灯又は全消灯可能とされるとともに、一方の前記発光手段の点灯部位及び他方の前記発光手段の点灯部位を互い違いとする点灯形態と、一方の前記発光手段の点灯部位及び他方の前記発光手段の点灯部位を同一側とする点灯形態とを選択可能とされたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、コントロール手段にて光源のうち
前記発光手段の長手方向に対して半分の部位の発光ダイオードの消灯状態を維持させつつ他の
半分の部位の発光ダイオードを点灯させることができるので、省電力化を容易に図ることができる。
【0010】
また、コントロール手段は、発光手段における光源のうち半分の発光ダイオードの消灯状態を維持させつつ他の半分の発光ダイオードを点灯させ得るので、周囲への光の照射をある程度確保しつつ省電力化を容易に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る蛍光灯型照明装置における発光手段を示す平面図及び正面図
【
図2】同蛍光灯型照明装置における発光手段内の発光ダイオードを示す拡大図
【
図3】同蛍光灯型照明装置であって左右一対の発光手段を具備した蛍光灯型照明装置を示す平面図
【
図4】同蛍光灯型照明装置における配線状態を示す模式図
【
図5】同蛍光灯型照明装置における発光手段の点灯形態を示す模式図
【
図6】同蛍光灯型照明装置における発光手段の点灯形態を示す模式図
【
図7】同蛍光灯型照明装置における発光手段の点灯形態を示す模式図
【
図8】同蛍光灯型照明装置における発光手段の点灯形態を示す模式図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る蛍光灯型照明装置は、既存の蛍光灯と外観及び寸法が略同一に設定された略円筒状の発光手段を具備して成るものであり、当該発光手段2は、
図1、2に示すように、光源としての発光ダイオード1が長手方向に複数並設され、当該光源(各発光ダイオード1)が点灯すると蛍光灯の如く光が照射されるものである。
【0014】
かかる発光手段2は、カバー部材2aと基台部材2bとを組み合わせて成り、その両端に端子2cが取り付けられて構成されている。カバー部材2aは、光を透過可能な乳白色の樹脂から成り、基台部材2bに取り付けられて一体化されているとともに、その内周面において、透過する光を拡散させる微小寸法の溝又は切欠きが形成されている。しかして、カバー部材2aを光が透過する際、拡散されて、汎用の蛍光灯の如く照明し得るようになっている。
【0015】
基台部材2bは、放熱を良好に行わせるリブ形状が外周面に形成されたアルミ材から成るもので、その上面に基板を固定可能とされるとともに、当該基板上に複数の発光ダイオード1が配設されている。しかるに、基板に形成された配線(具体的にはプリントされた配線)により、複数の発光ダイオード1のそれぞれに電力供給がなされ得るようになっている。
【0016】
ここで、本実施形態においては、
図3に示すように、上記の如き発光手段2が左右一対(2本)並設されて照明装置Kに取り付けられ、蛍光灯型照明装置を構成している。なお、説明上、照明装置Kに取り付けられた発光手段2のうち、一方の発光手段を符号Aで示すとともに、他方の発光手段を符号Bで示すこととする。図中符号4〜7は、整流のための安定器を示している。
【0017】
かかる蛍光灯型照明装置は、
図4に示すように、一方の発光手段Aにおける光源のうち半分の発光ダイオード1(図中左半分)が配設された部位Aaと、他の半分の発光ダイオード1(図中右半分)が配設された部位Abとに区分けされ、それぞれの部位Aa、Abに対して安定器4、5を介して電力供給が行われるよう構成されている。すなわち、電源に対して部位Aaと部位Abとがそれぞれ配線され、これら部位Aaと部位Abとが独立して消灯又は点灯可能とされているのである。しかるに、一方の発光手段Aは、部位Aa及び部位Abの両者が点灯(全点灯)又は消灯(全消灯)可能とされるとともに、部位Aa、Ab毎の点灯又は消灯が可能とされる。
【0018】
また、他方の発光手段Bにおける光源のうち半分の発光ダイオード1(図中左半分)が配設された部位Baと、他の半分の発光ダイオード1(図中右半分)が配設された部位Bbとに区分けされ、それぞれの部位Ba、Bbに対して安定器6、7を介して電力供給が行われるよう構成されている。すなわち、電源に対して部位Baと部位Bbとがそれぞれ配線され、これら部位Baと部位Bbとが独立して消灯又は点灯可能とされているのである。しかるに、他方の発光手段Bは、部位Ba及び部位Bbの両者が点灯(全点灯)又は消灯(全消灯)可能とされるとともに、部位Ba、Bb毎の点灯又は消灯が可能とされる。
【0019】
さらに、各安定器4〜7と電源との間の配線には、コントロール手段3が接続されている。かかるコントロール手段3は、コントローラ電源8にて電力供給されて作動し得るとともに、発光手段A、Bにおける光源のうち一部の発光ダイオード1の消灯状態を維持させつつ他の発光ダイオード1を点灯させるものである。なお、本実施形態に係る蛍光灯型照明装置おいては、照明装置本体の外部にリモコン9を具備しており、コントロール手段3に対する遠隔操作が可能とされている。
【0020】
そして、コントロール手段3により、例えば発光手段Aの部位Abと、発光手段Bの部位Baに対してのみ電力供給を行わせるようにすれば、
図5に示すように、発光手段Aにおいては部位Aaの消灯状態を維持させつつ他の部位Abの発光ダイオード1を点灯させるとともに、発光手段Bにおいては部位Bbの消灯状態を維持させつつ他の部位Baの発光ダイオード1を点灯させることができる。すなわち、発光手段Aにて右半分を点灯させつつ発光手段Bにて左半分を点灯させることができるのである。
【0021】
また、コントロール手段3により、例えば発光手段Aの部位Aaと、発光手段Bの部位Bbに対してのみ電力供給を行わせるようにすれば、
図6に示すように、発光手段Aにおいては部位Abの消灯状態を維持させつつ他の部位Aaの発光ダイオード1を点灯させるとともに、発光手段Bにおいては部位Baの消灯状態を維持させつつ他の部位Bbの発光ダイオード1を点灯させることができる。すなわち、発光手段Aにて左半分を点灯させつつ発光手段Bにて右半分を点灯させることができるのである。
【0022】
さらに、コントロール手段3により、例えば発光手段Aの部位Abと、発光手段Bの部位Bbに対してのみ電力供給を行わせるようにすれば、
図7に示すように、発光手段Aにおいては部位Aaの消灯状態を維持させつつ他の部位Abの発光ダイオード1を点灯させるとともに、発光手段Bにおいては部位Baの消灯状態を維持させつつ他の部位Bbの発光ダイオード1を点灯させることができる。すなわち、発光手段A及び発光手段Bにてそれぞれ右半分のみを点灯をさせることができるのである。
【0023】
また更に、コントロール手段3により、例えば発光手段Aの部位Aaと、発光手段Bの部位Baに対してのみ電力供給を行わせるようにすれば、
図8に示すように、発光手段Aにおいては部位Abの消灯状態を維持させつつ他の部位Aaの発光ダイオード1を点灯させるとともに、発光手段Bにおいては部位Bbの消灯状態を維持させつつ他の部位Baの発光ダイオード1を点灯させることができる。すなわち、発光手段A及び発光手段Bにてそれぞれ左半分のみを点灯をさせることができるのである。
【0024】
このように、本実施形態によれば、発光手段2が複数(本実施形態においては2本)並設されて発光手段A、Bが取り付けられた状態とされるとともに、コントロール手段3は、それぞれの発光手段A、Bにおける光源のうち一部の発光ダイオード1の消灯状態を維持させつつ他の任意の発光ダイオード1を点灯させ得るよう構成されている。したがって、本実施形態によれば、複数の発光手段が配設された蛍光灯型照明装置においても、省電力化を容易に図ることができるとともに、コントロール手段3により、任意形態の発光手段による半分点灯を行わせることができる。
【0025】
上記実施形態によれば、コントロール手段3にて光源のうち一部の発光ダイオード1の消灯状態を維持させつつ他の発光ダイオード1を点灯させることができるので、省電力化を容易に図ることができる。特に、本実施形態によれば、コントロール手段3は、発光手段2における光源のうち半分の発光ダイオード1の消灯状態を維持させつつ他の半分の発光ダイオード1を点灯させ得るので、周囲への光の照射をある程度確保しつつ省電力化を容易に図ることができる。
【0026】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば3本以上の発光手段2を並設させるとともに、コントロール手段3にて、それぞれの発光手段2における光源のうち半分の発光ダイオード1の消灯状態を維持させつつ他の半分の発光ダイオード1を点灯させるよう構成してもよい。勿論、1本の発光手段2を具備し、コントロール手段3にて、その発光手段2における光源のうち半分の発光ダイオード1の消灯状態を維持させつつ他の半分の発光ダイオード1を点灯させるよう構成してもよい。なお、適用される照明器具は、笠付1灯式器具、笠付2灯式器具、逆富士1灯式器具、逆富士2灯式器具、トラフ1灯式器具灯、何れのものであってもよい。
【0027】
また、本実施形態の如くリモコン9を具備したものに限らず、タイマ式、壁スイッチ式或いは光センサ式等によりコントロール手段3を操作可能なものとしてもよい。さらに、本実施形態においては、コントロール手段3にて発光手段2における光源のうち半分の発光ダイオード1の消灯状態を維持させつつ他の半分の発光ダイオード1を点灯させるよう構成されているが、光源のうち一部(半分に限らない)の発光ダイオード1の消灯状態を維持させつつ他の発光ダイオード1を点灯させるよう構成したものであれば足りる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
光源のうち
発光手段の長手方向に対して半分の部位の発光ダイオードの消灯状態を維持させつつ他の
半分の部位の発光ダイオードを点灯させるコントロール手段を具備し
、且つ、当該コントロール手段は、一方の発光手段及び他方の発光手段を全点灯又は全消灯可能とされるとともに、一方の発光手段の点灯部位及び他方の前記発光手段の点灯部位を互い違いとする点灯形態と、一方の発光手段の点灯部位及び他方の発光手段の点灯部位を同一側とする点灯形態とを選択可能とされた蛍光灯型照明装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたものに適用してもよい。
【符号の説明】
【0029】
1 発光ダイオード(光源)
2 発光手段
3 コントロール手段
4〜7 安定器
8 コントローラ電源
9 リモコン
A、B 発光手段