(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5893444
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】小形電気機器のスタンド
(51)【国際特許分類】
A45D 27/46 20060101AFI20160310BHJP
A45D 27/29 20060101ALI20160310BHJP
【FI】
A45D27/46
A45D27/29
【請求項の数】14
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-50100(P2012-50100)
(22)【出願日】2012年3月7日
(65)【公開番号】特開2013-183844(P2013-183844A)
(43)【公開日】2013年9月19日
【審査請求日】2014年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005810
【氏名又は名称】日立マクセル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 幸太郎
(72)【発明者】
【氏名】東 誠虎
【審査官】
青木 良憲
(56)【参考文献】
【文献】
実開平06−021584(JP,U)
【文献】
特開2006−004261(JP,A)
【文献】
特開2008−279207(JP,A)
【文献】
米国特許第5727273(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 27/46
A45D 27/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタンドを構成するハウジング(15)の上面に、小形電気機器を起立姿勢で支持する第1載置部(21)と、小形電気機器を起立姿勢で支持して、同機器の2次電池(6)を充電するための第2載置部(22)とが配置してあり、
第1載置部(21)がスタンドを構成するハウジング(15)の上面に凹み形成され、第2載置部(22)が第1載置部(21)の上開口縁に連続して、第1載置部(21)より高い位置に形成してあり、
第1載置部(21)と第2載置部(22)とが隣接配置されて、第1載置部(21)と第2載置部(22)の段差を繋ぐ部分に、第1載置部(21)に載置した小形電気機器の周面を支持する支持壁(44)が設けてあり、
支持壁(44)が傾斜壁で形成されて、傾斜壁の横断面が第2載置部(22)の内部へ向かって内凹み状に湾曲されており、
第1載置部(21)の底壁(21b)に排水口(32)が形成してある小形電気機器のスタンド。
【請求項2】
第2載置部(22)に、基底部(37)と、基底部(37)に突設されるコネクター部(38)と、基底部(37)の周縁を囲む上突状の周壁(39)とが設けられており、
第1載置部(21)の支持壁(44)の両側縁が、周壁(39)に連続するリブ壁(45)で覆われている請求項1に記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項3】
ハウジング(15)の上面上方に、第1載置部(21)および/または第2載置部(22)に載置した小形電気機器の周面の上下中途部を支持する保持リング(16)が設けられており、
保持リング(16)がハウジング(15)で斜めに傾斜する状態で支持してある請求項1または2に記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項4】
ハウジング(15)の内部に、乾燥空気を送出する送風器(24)が設けられており、
第1載置部(21)および/または第2載置部(22)に載置した小形電気機器に対して、送風器(24)で生成した乾燥空気を送給できる請求項1から3のいずれかひとつに記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項5】
スタンドが、電気かみそりを支持するスタンドとして構成されており、
スタンドのハウジング(15)の上面には、電気かみそりを倒立姿勢で支持する第3載置部(23)が凹み形成されており、
ハウジング(15)の内部に、乾燥空気を第3載置部(23)へ向かって供給する送風器(24)が設けてある請求項4に記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項6】
第3載置部(23)の底壁(23b)の内面に、第3載置部(23)に装填したかみそりヘッド(2)を加熱する加熱器(25)が配置してある請求項5に記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項7】
加熱器(25)が、第3載置部(23)の底壁(23b)の内面に環状に配置されており、
加熱器(25)で囲まれる空間に光殺菌作用を発揮する殺菌器(26)が配置してある請求項6に記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項8】
かみそりヘッド(2)を受止める第3載置部(23)の底壁(23b)が、耐熱性に富む弾性体で形成してある請求項5から7のいずれかひとつに記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項9】
第1載置部(21)および第3載置部(23)の下部構造が、耐熱性に富み、摩擦抵抗が大きな弾性体で形成したトレー体(31)で構成されており、
トレー体(31)の摩擦力で、第1載置部(21)または第3載置部(23)に装填した電気かみそりの滑り動きを阻止できる請求項8に記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項10】
第1載置部(21)と第3載置部(23)とが、電気かみそりの支持空間を共有する状態で連続して形成されており、
第3載置部(23)の底壁(23b)が第1載置部(21)の底壁(21b)の排水口(32)へ向かって下り傾斜してある請求項5から9のいずれかひとつに記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項11】
第3載置部(23)に加熱器(25)から供給される温熱と、送風器(24)から排水口(32)を介して供給される乾燥空気とを作用させて、第3載置部(23)に装填したかみそりヘッド(2)を乾燥させる請求項6から10のいずれかひとつに記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項12】
ハウジング(15)がベース体(17)と、ベース体(17)の上面を覆うハウジング本体(18)とで構成されており、
ベース体(17)の第1載置部(21)との対向面に、送風器(24)から送出された乾燥空気を第1載置部(21)の排水口(32)へ向かって流動案内するガイドリブ(62)の一群が上突状に設けられており、
ガイドリブ(62)が、トレー体(31)の下面を支持する支持構造を兼ねている請求項5から11のいずれかひとつに記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項13】
ハウジング(15)の前部上面に起動スイッチ(51)が配置されており、
保持リング(16)が、起動スイッチ(51)の周囲を囲む状態で、ハウジング(15)の前端から斜め後ろへ向かって傾斜する状態で支持してある請求項3に記載の小形電気機器のスタンド。
【請求項14】
第1載置部(21)の排水口(32)と正対するハウジング(15)の内底に、排水口(32)から流下する水を受止める排水パン(27)が着脱自在に装着されており、
ハウジング(15)の上面側から排水口(32)を介して排水パン(27)を視認して、排水パン(27)の装着の有無を確認できる請求項1から13のいずれかひとつに記載の小形電気機器のスタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気かみそりや携帯電話機などの小形電気機器を載置するためのスタンドに関する。スタンドには充電装置が設けられており、さらに載置対象に応じて乾燥装置を設けることがある。
【背景技術】
【0002】
この種のスタンドは例えば特許文献1に開示がある。そこでは、水洗い式の電気かみそり用の乾燥器に、充電構造と乾燥構造とを設けている。乾燥器は、載置凹部を備えたケーシングと、載置凹部の上面を開閉する蓋を備えており、蓋を開放した状態において、倒立姿勢にした電気かみそりを載置凹部に差込んで、水洗い後のかみそりヘッドを乾燥構造で乾燥できる。また、蓋を閉止した状態では、電気かみそりの充電プラグを蓋に設けたソケットに接続することにより、電気かみそりに内蔵された2次電池を充電できる。かみそりヘッドを乾燥する場合には、ヒーターと送風ファンを同時に駆動して、乾燥風をヒーターで加熱してかみそりヘッドへ向かって送給する。ヒーターのみを作動させて除菌モードにし、あるいは送風ファンのみを作動させて冷却モードにして使用することもできる。
【0003】
上記のように乾燥構造を備えているスタンドは、本出願人の出願に係る特許文献2のクリーニング装置にも見ることができる。そこでは、洗浄液をかみそりヘッドに送給する洗浄構造と、洗浄後のかみそりヘッドを乾燥する乾燥構造と、2次電池を充電する充電構造とが、クリーニング装置に設けてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−279207号公報(段落番号0033、
図1)
【特許文献2】特開2008−302093号公報(段落番号0050、
図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の乾燥器によれば、水洗い後のかみそりヘッドを乾燥構造で乾燥し、あるいは電気かみそりの2次電池を充電構造で充電することができる。また、乾燥モード以外の使用時には、蓋に設けたコネクター部(突起部)に電気かみそりを嵌め込むことにより、乾燥器を電気かみそりの充電スタンドとして、あるいは収納保管用のスタンドとして利用できる。しかし、収納保管用のスタンドとして使用する場合にも、充電時と同様に、電気かみそりの充電用のプラグを蓋に設けたコネクター部に嵌め込む必要があるので、手軽さに欠け使い勝手が悪い。また、充電時および収納保管時の電気かみそりは、乾燥器の蓋の上部に起立保持されるので、収納時の全高寸法が大きくなるのを避けられず、上下方向に長い収納スペースが必要となる。さらに、充電時および収納時の全高寸法が大きいため、電気かみそりを安定した状態で充電し、あるいは収納保管するのが難しい。
【0006】
その点、特許文献2のクリーニング装置は、電気かみそりを支持するハウジングの底面積が大きく、さらにハウジングの重心位置が低いので、電気かみそりを安定した状態で収納保管できる。しかし、クリーニング装置が占める空間が大きいため、特許文献1の乾燥器と同様に収納スペースが大きくなるのを避けられない。また、クリーニング装置に電気かみそりを装填した状態で収納保管することはできるが、電気かみそりを倒立姿勢で装填する必要があるので、収納保管用のスタンドとして使用するには、出入れが煩雑で手軽さに欠けるきらいがある。
【0007】
本発明の目的は、収納保管時の小形電気機器の出入れを簡便に行なうことができ、しかも、収納保管用のスタンドとして使用する際の収納スペースが小さくて済む、充電構造を備えた小形電気機器のスタンドを提供することにある。
本発明の目的は、水に濡れ、あるいは水洗い洗浄した小形電気機器を短時間で乾燥することができる、乾燥構造と充電構造とを備えた小形電気機器のスタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る小形電気機器のスタンドは、スタンドを構成するハウジング15の上面に、小形電気機器を起立姿勢で支持する第1載置部21と、小形電気機器を起立姿勢で支持して、同機器の2次電池6を充電するための第2載置部22とが配置してあることを特徴とする。
【0009】
図1に示すように、第1載置部21はスタンドを構成するハウジング15の上面に凹み形成され、第2載置部22は第1載置部21の上開口縁に連続して、第1載置部21より高い位置に形成する。
【0010】
第1載置部21と第2載置部22とは前後に隣接する状態で配置する。第1載置部21と第2載置部22の段差を繋ぐ部分に、第1載置部21に載置した小形電気機器の周面を支持する支持壁44を設ける。
【0011】
支持壁44は傾斜壁で形成し、傾斜壁の横断面は第2載置部22の内部へ向かって内凹み状に湾曲させる。第1載置部21の底壁21bに排水口32を形成する。
【0012】
第2載置部22に、基底部37と、基底部37に突設されるコネクター部38と、基底部37の周縁を囲む上突状の周壁39とを設ける。第1載置部21の支持壁44の両側縁を、周壁39に連続するリブ壁45で覆う。
【0013】
ハウジング15の上面上方に、第1載置部21および/または第2載置部22に載置した小形電気機器の周面の上下中途部を支持する保持リング16を設ける。保持リング16はハウジング15で斜めに傾斜する状態で支持する。
【0014】
ハウジング15の内部に、乾燥空気を送出する送風器24を設ける。第1載置部21および/または第2載置部22に載置した小形電気機器に対して、送風器24で生成した乾燥空気を送給できるようにする。
【0015】
スタンドは、電気かみそりを支持するスタンドとして構成する。
図1に示すようにスタンドのハウジング15の上面に、電気かみそりを倒立姿勢で支持する第3載置部23を凹み形成する。ハウジング15の内部に、乾燥空気を第3載置部23へ向かって供給する送風器24を設ける。
【0016】
第3載置部23の底壁23bの内面に、第3載置部23に装填したかみそりヘッド2を加熱する加熱器25を配置する。
【0017】
加熱器25は、第3載置部23の底壁23bの内面に環状に配置する。加熱器25で囲まれる空間に光殺菌作用を発揮する殺菌器26を配置する。
【0018】
かみそりヘッド2を受止める第3載置部23の底壁23bを、耐熱性に富む弾性体で形成する。
【0019】
第1載置部21および第3載置部23の下部構造を、耐熱性に富み、摩擦抵抗が大きな弾性体で形成したトレー体31で構成する。トレー体31の摩擦力で、第1載置部21または第3載置部23に装填した電気かみそりの滑り動きを阻止する。
【0020】
第1載置部21と第3載置部23とは、電気かみそりの支持空間を共有する状態で連続して形成する。第3載置部23の底壁23bを第1載置部21の底壁21bの排水口32へ向かって下り傾斜させる。
【0021】
第3載置部23に加熱器25から供給される温熱と、送風器24から排水口32を介して供給される乾燥空気とを作用させて、第3載置部23に装填したかみそりヘッド2を乾燥する。
【0022】
ハウジング15はベース体17と、ベース体17の上面を覆うハウジング本体18とで構成する。ベース体17の第1載置部21との対向面に、送風器24から送出された乾燥空気を、第1載置部21の排水口32へ向かって流動案内するガイドリブ62の一群を上突状に設ける。ガイドリブ62が、トレー体31の下面を支持する支持構造を兼ねるようにする。
【0023】
ハウジング15の前部上面に起動スイッチ51を配置する。保持リング16は、起動スイッチ51の周囲を囲む状態で、ハウジング15の前端から斜め後ろへ向かって傾斜する状態で支持する。
【0024】
第1載置部21の排水口32と正対するハウジング15の内底に、排水口32から流下する水を受止める排水パン27を着脱自在に装着する。ハウジング15の上面側から排水口32を介して排水パン27を視認して、排水パン27の装着の有無を確認できるようにする。
【発明の効果】
【0025】
本発明においては、ハウジング15の上面に第1載置部21と第2載置部22とを設け、小形電気機器を収納保管する場合と充電する場合とで、その載置位置を変更できるようにした。詳しくは、収納保管時の小形電気機器は第1載置部21に装填し、充電時の小形電気機器は第2載置部22に装填できるようにした。このように、小形電気機器を収納保管する場合と充電する場合とでその載置位置を個別化すると、少なくとも小形電気機器を収納保管する場合には電気的な接続を行う必要がないので、小形電気機器の収納およびスタンドからの取出しを簡便、かつ手軽に行なうことができる。従って、使い勝手に優れたスタンドを提供できる。必要に応じて、小形電気機器を第2載置部22に装填することにより、小形電気機器に設けた2次電池6を充電することもできる。
【0026】
ハウジング15の上面に第1載置部21を凹み形成し、第2載置部22を第1載置部21の上開口縁に連続して同載置部21より高い位置に形成すると、スタンドに小形電気機器を収納した状態における全高寸法を小さくできる。従って、スタンドに小形電気機器を収納する場合の収納スペースを小さくして、収納場所の制約を軽減できる。また、水滴が付着した状態のままで小形電気機器の充電を行うと、そのプラグ9などの接続部分で電気腐食を生じるおそれがあるが、高い位置に設けた第2載置部22で充電を行うことにより、小形電気機器に付着した水滴を第1載置部21側へ流下させて、電気腐食の発生を良く防止できる。
【0027】
第1載置部21と第2載置部22の段差部分に支持壁44を設け、第1載置部21に載置した小形電気機器の周面を支持壁44で支持できるようにすると、小形電気機器を安定した状態で支持して起立姿勢に保持できる。また、両載置部21・22を前後に隣接する状態で配置するので、各載置部21・22の小形電気機器を装填した場合に、小形電気機器が占める支持空間を共有することができ、その分だけスタンドを小形化し、コンパクト化できる。
【0028】
支持壁44を傾斜壁で形成し、さらに内凹み状の湾曲壁で構成すると、小形電気機器の周面の後部および左右側部を支持壁44で保持できるので、第1載置部21に装填した小形電気機器をさらに安定した状態で起立姿勢に保持できる。また、第2載置部22から流れ落ちる水または水滴を支持壁44に沿って確実に流下させて、第1載置部21の底壁21bに形成した排水口32から排出することができる。
【0029】
基底部37と、コネクター部38と、これら両者37・38の周縁を囲む周壁39などで第2載置部22を構成すると、小形電気機器から流れ落ちた水または水滴が、第2載置部22の周囲に拡散しながら流動するのを周壁39で防止できる。また、コネクター部38を基底部37に突設するので、プラグ9などの電気的な接続部分に水分が付着して電気腐食が生じるのを良く防止できる。さらに、基底部37で受止められた水または水滴の全てを、先の支持壁44を介して排水口32へと流下することができる。
【0030】
ハウジング15の上面上方に保持リング16を設け、各載置部21・22に起立姿勢で装填した状態の小形電気機器の周面の上下中途部を保持リング16で支持すると、小形電気機器を各載置部21・22と協同してさらに安定した状態で支持できる。また、小形電気機器が保持リング16内に位置している限りは、小形電気機器が前向きあるいは横向きに転倒するのを防止できるので、転倒に伴う傷の発生や破損、あるいは故障の発生などを良く防止できる。さらに、保持リング16をハウジング15で斜めに傾斜支持するので、スタンドの外観において保持リング16が最も目に付きやすくなり、そのデザインの斬新さが強調されるので、スタンドのデザイン効果を向上することができる。
【0031】
各載置部21・22に載置した小形電気機器に対して、送風器24で生成した乾燥空気を送給することにより、小形電気機器に付着した水または水滴を効果的に蒸発させて除去できる。あるいは、充電時に2次電池6の発熱作用で加熱された小形電気機器を、乾燥空気で冷却して常温状態にまで戻すことができる。
【0032】
ハウジング15の上面に第3載置部23を凹み形成し、送風器24で生成した乾燥空気を第3載置部23の内部へ向かって供給すると、同載置部23に装填した電気かみそりの乾燥および冷却を促進できる。たとえば、水洗い洗浄されたかみそりヘッド2を第3載置部23に装填することにより、送風器24から供給された乾燥空気をかみそりヘッド2に吹きつけて、同ヘッド2の内外面に付着した水分の蒸発を促進し、より短い時間で乾燥を行うことができる。
【0033】
第3載置部23の底壁23bの内面に加熱器25を配置したスタンドによれば、送風器24から供給される乾燥空気による乾燥作用と、加熱器25による加熱作用との相乗作用で、かみそりヘッド2の乾燥をさらに効果的に行うことができる。従って、かみそりヘッド2の内外面を乾燥した状態に保持して電気かみそりを衛生的な状態で収納保管できる。
【0034】
環状に配置した加熱器25で囲まれる空間に、光殺菌作用を発揮する殺菌器26を配置すると、加熱器25の加熱作用に並行して、かみそりヘッド2の表面などに付着している雑菌を殺菌器26で殺菌できる。従って、電気かみそりが長期にわたって収納保管される場合でも、毛屑や皮脂などの有機物が雑菌に分解されて腐敗臭が生じるのを良く防止できる。
【0035】
かみそりヘッド2を受止める第3載置部23の底壁23bを、耐熱性に富む弾性体で形成すると、かみそりヘッド2を第3載置部23に倒立姿勢で装填した状態において、外刃3が底壁23bに衝突するような場合に、外刃3が変形しあるいは傷付くのを良く防止できる。また、かみそりヘッド2の外刃3などを底壁23bに密着できるので、加熱器25の熱を外刃3および内刃4などに効果的に伝導して、かみそりヘッド2に付着した水または水滴の乾燥を促進できる。
【0036】
第1載置部21および第3載置部23の下部構造をトレー体31で構成すると、第1載置部21または第3載置部23に装填した電気かみそりの滑り動きを、トレー体31の摩擦力で阻止できる。従って、第1載置部21および第3載置部23に装填した電気かみそりを、ぐら付きのない状態で安定的に保持できる。外部振動を受けて、電気かみそりが振動し、振動騒音を発生することもない。
【0037】
第1載置部21と第3載置部23を、電気かみそりの支持空間を共有する状態で連続して形成すると、電気かみそりが占める支持空間を共有する分だけスタンドを小形化し、コンパクト化できる。また、第3載置部23の底壁23bを第1載置部21の底壁21bの排水口32へ向かって下り傾斜させることにより、かみそりヘッド2から流下した水または水滴を、確実に排水口32へ向かって流下することができるので、かみそりヘッド2の乾燥をさらに促進できる。
【0038】
第3載置部23に加熱器25から供給される温熱と、送風器24から供給される乾燥空気とを同時に作用させてかみそりヘッド2を乾燥すると、かみそりヘッド2の乾燥をさらに効果的に行って、電気かみそりを衛生的な状態で収納保管できる。
【0039】
ベース体17の第1載置部21との対向面にガイドリブ62の一群を設けると、送風器24から送出された乾燥空気をガイドリブ62で排水口32へ向かって流動案内して、第3載置部23に装填したかみそりヘッド2に対して乾燥空気を確実に送給して、乾燥をさらに促進できる。また、ガイドリブ62を利用してトレー体31を支持することにより、第1載置部21および第3載置部23に装填した電気かみそりをガイドリブ62で安定した状態で支持できるうえ、別途トレー体31用の支持構造を設ける場合に比べて、ベース体17の構造を簡素化できる。
【0040】
ハウジング15の前部上面に配置した起動スイッチ51の周囲を囲む状態で保持リング16を設けると、起動スイッチ51が誤って切換え操作されるのを保持リング16で妨げることができる。また、スタンドが転倒するような場合に、起動スイッチ51が切換えられてしまうのを防止して、安全性を向上できる。さらに、起動スイッチ51の外形を保持リング16の内面形状に一致させて、スイッチ周りの構造を簡素化し保持リング16のデザインと同化できるので、スタンドの外観上の印象を向上してデザイン性と機能性とを同時に満足することができる。
【0041】
排水口32と正対するハウジング15の内底に排水パン27を配置すると、ハウジング15の上面側から排水口32を介して排水パン27を視認することで、排水パン27の装着の有無を確認できる。従って、排水パン27がハウジング15に装着されていない状態のままで、スタンドに水洗い洗浄後の電気かみそりが装填されるのを防止し、あるいはユーザーの注意を喚起して適正な状態でスタンドを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】本発明に係るスタンドの要部の縦断側面図である。
【
図2】本発明に係るスタンドと小形電気機器の正面図である。
【
図7】ハウジングを構成するベース板とトレー体の分解平面図である。
【
図9】第1載置部に電気かみそりを装填した収納時の使用状態を示す側面図である。
【
図10】第2載置部に電気かみそりを装填した充電時の使用状態を示す側面図である。
【
図11】第3載置部に電気かみそりを装填した乾燥時の使用状態を示す側面図である。
【
図12】乾燥時の各機器と電気かみそりとの関係を示す縦断側面図である。
【
図13】スタンドの別の実施例を示す説明図である。
【
図14】スタンドのさらに別の実施例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
(実施例)
図1ないし
図12は本発明に係る小形電気機器用のスタンドの実施例を示しており、小形電気機器が電気かみそりである場合のスタンドを示している。本発明における前後、左右、上下とは、
図2および
図3に示す交差矢印と、矢印の先端近傍の前後、左右、上下の表示に従うものとする。
【0044】
図2において電気かみそりは、グリップを兼ねる本体部1と、本体部1の上部に設けられるかみそりヘッド2とを備えている。かみそりヘッド2には、網刃からなる断面アーチ形の一対の外刃3と、各外刃3の内面に摺接するロータリー式の内刃4・4と、センター刃とが設けられており、本体部1の内部に設けたモーター5の回転動力で、内刃4・4を回転駆動できる。かみそりヘッド2は水洗い洗浄することができ、洗浄時に内刃4・4を駆動することにより、かみそりヘッド2の内部に付着した毛屑や皮脂などを効果的に洗い流すことができる。
【0045】
本体部1にはモーター5に電力を供給する2次電池6が収容され、その前面にメインスイッチを切り換えるための押しボタン型のスイッチボタン7と、運転モードを表示するためのLED表示8などが設けてある。本体部1の下端には、給電用のプラグ9が設けてあり、このプラグ9を介して充電電流を供給することにより2次電池6を充電することができる。かみそりヘッド2の背面側には、図示していないきわ剃り刃ユニットの収容部10が本体部1と一体に設けてある(
図9参照)。
【0046】
スタンドは、平面視において前後方向に長い楕円状のハウジング15と、ハウジング15の前端から斜め後ろへ向かって上り傾斜する楕円形の保持リング16を備えている。
図3ないし
図5に示すように、ハウジング15は、ベース体17と、ベース体17の上面を覆うハウジング本体18などで構成されており、下向きに開口するハウジング本体18の上面側に第1〜第3の載置部21・22・23が設けてある。また、ハウジング本体18の内部には、軸流ファン(送風器)24と、ヒーターユニット(加熱器)25と、紫外光を照射する殺菌LED(殺菌器)26と、排水パン27などが収容してある。
【0047】
3個の載置部21・22・23は、電気かみそりを起立姿勢で支持するための載置部(第1載置部)21と、電気かみそりの2次電池6を充電するための載置部(第2載置部)22と、電気かみそりを倒立姿勢で支持して乾燥し、または殺菌するための載置部(第3載置部)23とからなる。
図1および
図6に示すように、第3載置部23と、第1載置部21と、第2載置部22は、ハウジング本体18の前部から後部へわたって記載順に配置してある。第1載置部21と第3載置部23が、それぞれハウジング本体18の上面に凹み形成されるのに対し、第2載置部22はハウジング本体18の上面よりも上向きに膨出する状態で形成してある。
【0048】
第1載置部21と第3載置部23とは、電気かみそりの支持空間を互いに共有する状態で前後に連続して形成してある。詳しくは、第1載置部21に装填した状態の電気かみそりが占有する支持空間と、第3載置部23に装填した状態の電気かみそりが占有する支持空間の一部とが、前後に重なるように両載置部21・23が設けてある。
図6に示すように、電気かみそりの本体部1の下部を受入れる第1載置部21は半楕円状の凹みとして形成してある。また、本体部11より広幅のかみそりヘッド2を受入れる第3載置部23は四隅が丸められた長方形状の凹みとして形成してあり、凹み後側の周囲壁の左右中央に第1載置部21が連続して形成してある。
【0049】
図5に示すように、両載置部21・23の凹みの上周囲壁21a・23aはハウジング本体18と一体に形成してあり、両載置部21・23の凹みの下周囲壁および底壁は1個のトレー体31で形成してある。第3載置部23の上周囲壁23aの前壁には、かみそりヘッド2を受止める3個の位置決めリブ34が突設してある。トレー体31は、耐熱性に富み、摩擦力が大きなゴム(弾性体)を素材とする成形品からなり、その第1載置部21側の底壁21bには排水口32が開口され、第3載置部23側の底壁23bには窓開口33が開口してある。第3載置部23側の底壁23bは、第1載置部21の底壁21bの排水口32へ向かって下り傾斜させてある。第3載置部23の凹部の前壁には、先の位置決めリブ34に対応する位置決めリブ35が突設してある。これらのリブ34・35は、乾燥空気の排出路を確保する区分壁としても機能している。
【0050】
第2載置部22は、第1載置部21の後側に隣接する状態で設けるが、第1載置部21の上開口縁に連続して第1載置部21より高い位置に形成する。第2載置部22は、水平の基底部37と、基底部37に膨出形成されるコネクター部38と、基底部37の周縁を囲むU字状の周壁39とで構成する。コネクター部38は、平面視が凸字状に形成してあり、その内部に電気かみそりのプラグ9を接続するための一対の端子板40が設けてある。
【0051】
基底部37と第1載置部21の底壁21bとの段差を繋ぐ部分には、第1載置部21に載置した電気かみそりの本体部1の周面を支持する支持壁44が設けてある。支持壁44は、底壁21bから基底部37へ向かって上り傾斜する傾斜壁で形成してあり、さらに支持壁44の横断面は、本体部1の周囲形状に対応して、第2載置部22の内部へ向かって内凹み状に湾曲させてある。支持壁44の左右側縁は、周壁39に連続するリブ壁45で覆われており、その上下中途部に受止段部46が形成してある。
【0052】
上記のように、第1載置部21の左右両側をリブ壁45で覆うことにより、水洗い洗浄したかみそりヘッド2を第3載置部23に装填した状態において、本体部1あるいは収容部10などから滴る水滴が、周辺に流動し拡散するのを防止できる。また、受止めた水滴の全てを排水口32へと流下することができる。左右のリブ壁45の対向間隔は、収容部10の左右幅より僅かに大きく設定してある。支持壁44とリブ壁45との間に、第3載置部23にかみそりヘッド2を装填した状態において、収容部10を受止めて電気かみそり全体を安定的に支持する座壁47が形成してある。
【0053】
ハウジング本体18の上面の前部には弦月形状の起動スイッチ51が配置されており、この起動スイッチ51の周囲を囲む状態で、保持リング16がハウジング本体18に固定してある。片持ち梁状に支持される保持リング16を強固に支持するために、ハウジング本体18の前部に支持段部52が形成され、さらにハウジング本体18の前部の左右に三角形状の受座53が突設してある。
図5において符号54は溶着ピンであり、このピン54をハウジング本体18の前壁に係合したのち、先端を溶融変形することにより、保持リング16をハウジング本体18に固定できる。
【0054】
図4に示すように、ハウジング本体18の周囲壁の後部には、軸流ファン24用の吸気開口55が多段溝状に開口してある。また、ハウジング本体18の周囲壁の左右には、排水パン27用の装着口56がトンネル断面状に形成され、右壁の後部に電源コード57のコードアーマー58を収容する凹部59が形成してある。
【0055】
図5に示すように、ベース体17の上面側は、その中途部上面に設けた区分壁60で前後に区分されており、区分壁60より前側に基板ユニット61を収容する区画が設けられ、区分壁60より後側にトレー体31、軸流ファン24、およびヒーターユニット25を収容する区画が設けてある。区分壁60より後側の区画の上面には、軸流ファン24から送出された乾燥空気を第1載置部21の排水口32へ向かって流動案内するガイドリブ62の一群が上突状に設けてある。
図7に示すように、平面から見たときの区分壁60はC字状に形成してある。
【0056】
区分壁60の傾斜壁には、殺菌LED26を差込むためのLED開口63が左右に長い長方形状に開口してある。さらに、ガイドリブ62の後方に軸流ファン24を支持するブラケット64が突設してある。区分壁60およびガイドリブ62の上縁部は、トレー体31の下面を支持する支持構造を兼ねている。詳しくは
図1に示すように、ベース体17をハウジング本体18に組付けた状態において、第1、第3載置部21・23の上周囲壁21a・23aの下開口と、区分壁60およびガイドリブ62の上縁部との間に、トレー体31の周縁のフランジ部31aを挟持し、さらに、トレー体31の排水口32の周囲壁をガイドリブ62で支持している。
【0057】
図5に示すように、基板ユニット61は、カバー体67の上面に制御基板68を垂直姿勢で固定し、その前面側にスイッチ素子69と、スイッチ照明用のLED70とを実装し、その後面側に6個の殺菌LED26を配置して構成してある。起動スイッチ51は、スイッチ素子69の上方に配置されて、保持リング16とハウジング本体18で上下スライド自在に支持されており、カバー体67と起動スイッチ51との間に配置した左右一対のばね71で押し上げ付勢してある(
図2参照)。
【0058】
図1に示すように、軸流ファン24は吸気開口55に臨むベース体17の上面後部に配置されて、ブラケット64に傾斜する姿勢で固定してある。
図8において、ヒーターユニット25は、左右に長い四角枠状のヒーターベース75と、ヒーターベース75の周囲に環状に配置されるシーズヒーター76と、金属板製の伝熱板77と、発熱温度を監視する温度センサー78とで構成してある。ヒーターユニット25は、
図7に示すように、LED開口63の上面側の周囲壁にビス79で固定されて、その伝熱板77がトレー体31の窓開口33の下面周縁に密着している(
図12参照)。従って、シーズヒーター76の温熱(約60℃)を伝熱板77を介して、第3載置部23の底壁23bに伝導することができる。
【0059】
基板ユニット61をベース体17に組付けた状態では、6個の殺菌LED26がLED開口63内へ入込んで、窓開口33にはめ込んだ透明の窓板80と正対する。従って、殺菌LED26を点灯した状態では、窓板80を介して第3載置部23の内部へ紫外光を照射することができる。
【0060】
図4および
図5において、排水パン27は、左右に長い長方形状の浅い皿状体84と、皿状体84の左右両側に立設したつまみ部85とを一体に備えており、全体がハウジング本体18の装着口56に着脱自在に装着してある。詳しくは、つまみ部85の上部に設けた係合爪86を、装着口56の内面上方に設けた係合凹部87に係合することにより、排水パン27をハウジング本体18に固定できる。また、一対のつまみ部85を内向きに弾性変形させながら、係合爪86と係合凹部87の係合を解除することにより、排水パン27をハウジング本体18から取外すことができる。
【0061】
図1に示すように、ハウジング本体18に装着した排水パン27の上面の後半部は、ベース体17の底壁88で覆われており、底壁88で覆われていない残りの部分は、底壁88に開口した開口89を介してトレー体31の排水口32と正対している。ベース体17に装着した排水パン27は、排水口32を介して視認することができる。従って、スタンドを使用する際に、ハウジング15の上面側から排水口32を介して排水パン27を視認することにより、排水パン27の有無および装着状態を確認できる。
【0062】
水洗い洗浄した電気かみそりは、かみそりヘッド2を第3載置部23に装填した状態で乾燥する。しかし、かみそりヘッド2が第3載置部23に装填されていない状態で、軸流ファン24、ヒーターユニット25、および殺菌LED26が作動すると、無駄な電力が消費されるのはもちろん、第3載置部23の周囲壁が不必要に加熱されて高温になり、この高温部分に指先が触れて火傷するおそれがある。こうした状況を確実に防止するために、片側のリブ壁45の受止段部46の上側にスイッチレバー92を設けている。
【0063】
図12に示すように、電気かみそりのかみそりヘッド2が第3載置部23に倒立姿勢で装填された状態において、スイッチレバー92が収容部10の突端で押し下げられてスイッチ素子93をオン操作する。この状態で、起動スイッチ51を押下げ操作することにより、軸流ファン24およびヒーターユニット25を起動させ、さらに殺菌LED26を点灯することができる。以後、所定時間が経過して乾燥処理が終了すると、軸流ファン24のみが稼動されてかみそりヘッド2を冷却する。さらに、一定時間が経過したのち、全ての電装機器24〜26に対する給電を停止して待機状態に戻る。
【0064】
以上のように構成したスタンドは、電気かみそりを第1載置部21〜第3載置部23のいずれかに載置した状態で使用する。不使用状態の電気かみそりを単に収納保管する場合には、
図9に示すように、本体部1の下部を第1載置部21に差込み、本体部1の上部背面を保持リング16にもたれさせる。この状態の電気かみそりは、スタンドの最も低い位置で支持されており、しかも、本体部1の上下2個所が第1載置部21と保持リング16との2個所で安定的に支持されている。従って、本体部1あるいはかみそりヘッド2を単に掴んで持ち上げるだけで、電気かみそりをスタンドから簡便に取り出すことができる。収納状態における電気かみそりは、本体部1の下部が排水口32に嵌まり込み、さらにゴム製のトレー体31の底壁21bで受止められるので、本体部1の下部が滑り動くのを良く防止できる。また、収納状態の電気かみそりは、スタンドの最も低い位置で収納されるので、全高寸法を小さくでき、その分だけ収納スペースを小さくできる。
【0065】
電気かみそりをスタンドに載置する場合には、本体部1の下部を第1載置部21の凹みにあてがって、その上部を保持リング16にもたれさせるだけで、安定した状態で収納保管できる。このとき、電気かみそりを第1載置部21に対して厳密に位置決めする必要はなく、本体部1の下部が第1載置部21に入込む程度の大まかな操作で電気かみそりを適正に収納保管できる。以上のように、本発明のスタンドによれば、収納保管時の電気かみそりの出入れを手軽にしかも簡便に行なうことができる。
【0066】
2次電池6の充電を行う場合には、
図10に示すように、本体部1の下端を第2載置部22のコネクター部38に差込んでプラグ9を端子板40に接続し、電気かみそりの全体を起立姿勢にする。この状態では、制御基板68に設けた充電回路から出力される充電電流をプラグ9を介して2次電池6に供給して、同電池6を充電できる。このとき、本体部1に設けたLED表示8を点灯させることにより、充電の進行状況を表示することができる。電気かみそりのプラグ9をコネクター部38に接続した状態では、本体部1の下部が基底部37から浮き離れている。そのため、本体部1に付着していた水または水滴が、基底部37へ流下することがあってもプラグ9が濡れることはなく、安全に充電を行える。
【0067】
電気かみそりでひげ切断を行ったのち、水洗い洗浄したかみそりヘッド2を乾燥する場合には、
図11に示すように、電気かみそりの全体を倒立姿勢にしたのち、かみそりヘッド2を第3載置部23に装填する。かみそりヘッド2を第3載置部23に装填した状態では、その前面が位置決めリブ34・35で受止められ、さらに外刃3が窓板80で受止められている。また、収容部10の後面が座壁47の上下2個所で受止められ(
図2参照)、収容部10の突端が受止段部46で受止められるため、倒立姿勢にした電気かみそりを、常に一定の姿勢にして安定した状態で支持できる。この装填過程で、スイッチレバー92が収容部10で押下げられてスイッチ素子93が給電回路を通電状態に切換える。
【0068】
かみそりヘッド2を第3載置部23に装填した時点で、かみそりヘッド2の内部に入り込んでいた洗浄水が、外刃3を介して第3載置部23の底壁23b側へ流れ出る。しかし、底壁23bが排水口32へ向かって下り傾斜させてあるため、外刃3から流出した洗浄水は排水口32の側へ流下し、さらに排水口32から排水パン27の皿状体84へと落下する。このとき、本体部1のスイッチボタン7をオン操作して内刃4を所定時間だけ空転させることにより、かみそりヘッド2の内部の洗浄水を効果的に排出することができる。
【0069】
上記の状態で起動スイッチ51を押込んでスイッチ素子69をオン操作することにより、軸流ファン24およびヒーターユニット25を起動させ、さらに殺菌LED26を点灯して、乾燥運転を開始することができる。このとき、LED70を点灯させ、あるいは明滅させることにより、スタンドが乾燥処理状態に切換わったことを表示できる。
図1および
図12に示すように、軸流ファン24から送出された乾燥空気(加圧空気)は、トレー体31の第1載置部21側の底壁21bとベース体17の底壁88との間の隙間へ送給され、この隙間に設けたガイドリブ62で前向きに流動案内されたのち、排水口32から第3載置部23の凹部内へと入込んでかみそりヘッド2の表面に接触し、外刃3や内刃4に付着した水滴を蒸発させる。かみそりヘッド2と窓板80との間の隙間を吹きぬけた乾燥空気は、位置決めリブ35・34の間から上向きに排出される。
【0070】
またヒーターユニット25で生成された熱は、伝熱板77と第3載置部23の底壁23bおよび窓板80を介して外刃3を含むかみそりヘッド2に伝えられ、外刃3や内刃4に付着した水滴の温度を上げて蒸発を促進する。従って、ヒーターユニット25による伝熱作用と、軸流ファン24の送風作用とによって、かみそりヘッド2の内外面に付着している水滴を効果的に蒸発し乾燥させることができる。
【0071】
ヒーターユニット25による伝熱作用と並行して、殺菌LED26から紫外光を外刃3および内刃4に照射して、外刃3および内刃4に付着している雑菌を殺菌し、あるいは水滴に含まれている雑菌を殺菌することができる。乾燥処理を開始して所定時間が経過すると、LED70を明滅させ、あるいは消灯させることにより、スタンドの乾燥処理が終了したことを表示できる。乾燥処理が終了したら、軸流ファン24のみを駆動して乾燥空気をかみそりヘッド2に送給し、加熱されたかみそりヘッド2を常温状態にまで冷却できる。軸流ファン24の起動から一定時間が経過すると、全ての電装機器24〜26に対する給電が停止されて、スタンドは待機状態に復帰する。
【0072】
図13はスタンドの別の実施例を示す。そこでは、殺菌LED26および窓板80を省略して、軸流ファン24から送出された乾燥空気を、窓開口33からかみそりヘッド2へ向かって送給できるようにした。この場合には、ヒーターユニット25を併用してかみそりヘッド2の乾燥を促進することができ、また、乾燥風の一部を排水口32を介してかみそりヘッド2へ向かって送給することができる。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付して、その説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
【0073】
図14はスタンドのさらに別の実施例を示す。この実施例においては小形電気機器が防水機能を備えた携帯電話95である場合を示しており、スタンドには第1載置部21と第2載置部22のみが設けてある。携帯電話95の下端には充電用のプラグ96が設けてあり、このプラグ96が排水口32に臨む状態で携帯電話95を第1載置部21に載置し、乾燥空気を排水口32から携帯電話95に送給して、プラグ96の周辺部分に付着している水滴を蒸発し乾燥させることができる。
【0074】
上記の実施例では、プラグ9を介して2次電池6を充電するようにしたが、その必要はなく非接触式の充電構造で2次電池6を充電することができる。その場合には、第2載置部22の側に発振コイルを設け、電気かみそりの側に受信コイルとコンデンサー、および整流回路などを設けて、非接触状態で充電できるようにするとよい。
【0075】
送風器24は軸流ファンである必要はなく、遠心ファンやターボファンなどのファンを適用することができる。加熱器25の熱源はシーズヒーター以外にセラミックヒーターを適用することができる。殺菌器26としては紫外光を放射するランプ、あるいは蛍光灯であってもよい。
【符号の説明】
【0076】
1 本体部
2 かみそりヘッド
15 ハウジング
16 保持リング
17 ベース体
18 ハウジング本体
21 第1載置部
22 第2載置部
23 第3載置部
24 送風器(軸流ファン)
25 加熱器(ヒーターユニット)
26 殺菌器(殺菌LED)
31 トレー体
32 排水口
51 起動スイッチ