(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記NAND回路は、ゲートに前記マッチアンプ活性化信号を受け、一端が前記第1のNMOSトランジスタの他端と接続され、他端が前記第1のPMOSトランジスタの他端と接続される第2のNMOSトランジスタを含み、
前記第2のNMOSトランジスタのしきい値は、前記連想記憶装置を構成する標準のNMOSトランジスタのしきい値よりも高い、請求項2記載の連想記憶装置。
前記第1および第2のNAND回路は、ダミーサーチ時に、ダミーサーチ信号によってVDD電源から前記第1および第2のNAND回路の出力への電源の供給をカットするためのPMOSトランジスタを含む、請求項7記載の連想記憶装置。
前記NOR回路は、ダミーサーチ時に、ダミーサーチ信号によって、前記NOR回路の出力のグランドへの放電をカットするためのNMOSトランジスタを含む、請求項9記載の連想記憶装置。
前記各マッチアンプは、ダミーサーチ時において、前記内部データ配線を一致を表わすHレベルに一時的に設定する、請求項4〜11のいずれか1項に記載の連想記憶装置。
前記出力ラッチ回路は、ダミーサーチ時に、前記出力ラッチ信号の活性化タイミングを通常動作時よりも早めて、インバリッドデータによって、前記出力ラッチ回路内部の配線と、前記出力ラッチ回路から出力される出力データ配線に充放電を起こさせる、請求項14記載の連想記憶装置。
前記NAND回路は、ゲートに前記マッチアンプ活性化信号を受け、一端が前記第1のNMOSトランジスタの他端と接続され、他端が前記第1のPMOSトランジスタの他端と接続される第2のNMOSトランジスタを含み、
前記第2のNMOSトランジスタのしきい値は、前記連想記憶装置を構成する標準のNMOSトランジスタのしきい値よりも高い、請求項17記載の連想記憶装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
(連想メモリ全体の構成)
図1は、連想記憶装置(CAM(Content Addressable Memory Chip)の基本構成表わす図である。
【0012】
CAMセルアレイ507は、行列状に配置されたCAMセルからなる。CAMセルアレイ507の各行をエントリとよぶ。各エントリは、アドレスデコーダ505およびプライオリティエンコーダ511のアドレスに対応する。各エントリごとに、各エントリの複数のメモリセルが接続されるマッチラインが設けられている。
【0013】
アドレス/データバッファ502は、ピンPN1を通じて、外部からアドレスおよびデータを受ける。
【0014】
命令バッファ503は、ピンPN2を通じて、外部から命令を受ける。
クロックバッファ504は、ピンPN3を通じて、クロック信号を受ける。
【0015】
アドレスデコーダ505は、入力されたアドレスをデコードして、CAMセルアレイ507内の行を指定する。
【0016】
センスアンプ506は、CAMセルアレイから読み出されたデータを増幅する。
サーチラインドライバ509は、入力されたサーチデータ(アドレスキーと呼ぶ)をすべてのエントリへ伝達する。
【0017】
マッチアンプ帯508は、エントリごとにマッチアンプを備える。マッチアンプは、エントリに格納されたデータとアドレスキーが一致または不一致を検知する。
【0018】
プライオリティエンコーダ511は、1つのエントリが一致した場合はそのエントリのアドレスを出力し、複数のエントリが一致した場合は、これらのエントリのアドレスのうち、最も小さいアドレスを出力する。
【0019】
サーチ出力バッファ512は、 プライオリティエンコーダ511から出力されたアドレスをピンPN4を通じて外部へ出力する。
【0020】
(CAMセルの構成)
図2は、CAMセルの構成を表わす図である。
【0021】
図2に示すように、CAMセル601は、SRAM351と、サーチ部352と、マスクトランジスタN100とを備える。
【0022】
SRAM351は、“L”または“H”の2値の何れか1つを格納する。
サーチ部352は、サーチトランジスタN51〜N54で構成される。サーチトランジスタN51〜N54は、オフリーク電流を軽減するために、HVthのNMOSを使用している。本明細書の以下の記載では、MVthは、通常の一般的なMOSトランジスタのしきい値を意味する。HVthとは、MVthよりも高いしきい値である。LVthは、MVthよりも低いしきい値である。本明細書では、特に記載しない場合には、MOSトランジスタのしきい値は、MVthであるとする。
【0023】
サーチトランジスタN54のゲートは、サーチデータを表わすサーチラインSLと接続する。
【0024】
サーチトランジスタN52のゲートは、サーチデータを表わすサーチライン/SLと接続する。
【0025】
サーチラインSLが“H”であり、かつサーチトランジスタN53の入力ゲートが“H”であるとき、またはサーチライン/SLが“H”であり、サーチトランジスタN51の入力ゲートが“H”のときには、予めマッチラインMLにプリチャージしておいた高電位がグランドVSSに放電される。
【0026】
マスクトランジスタN100は、マスク信号MASKによって、サーチをマスクする機能を有する。すなわち、マスク信号MASKが“L”レベルのときには、サーチラインSL,/SL
のレベルに係らず、マッチラインMLの放電は起こらない。
【0027】
(1エントリの構成)
図3は、第1の実施形態のCAMセルアレイおよびマッチアンプの構成を表わす図である。
【0028】
図3では、
図1のCAMセルアレイ507およびマッチラインMLがブロック1〜ブロック4に4分割される。これによって、1本のマッチラインが4本のマッチラインML1[m]〜ML4[m]に分割されている。
【0029】
図1とは異なり、ブロック1とブロック2の間には、判定回路としてマッチアンプ前半部11[m]が配置されている。
【0030】
図1とは異なり、ブロック3とブロック4の間には、判定回路としてマッチアンプ中間部12[m]が配置される。ブロック4の隣に、出力回路としてマッチアンプ後半部13[m]が配置されている。
【0031】
マッチアンプ前半部11[m]は、ブロック1およびブロック2でエントリ[m]のサーチによって変化したマッチラインML1[m],ML2[m]の電圧を取込んで、ブロック1およびブロック2のエントリ[m]の両方が一致であることを表わす電圧を内部データ配線MAOUT0[m]へ出力する。
【0032】
内部データ配線MAOUT0[m]は、ブロック2およびブロック3を経由してマッチアンプ中間部12[m]に接続する。
【0033】
マッチアンプ中間部12[m]は、ブロック3およびブロック4でエントリ[m]のサーチによって変化したマッチラインML3[m],ML4[m]の電圧と、内部データ配線MAOUT0[m]の電圧とを取込んで、ブロック1〜ブロック4のエントリ[m]の全てが一致であることを表わす電圧を内部データ配線MAOUT1[m]へ出力する。
【0034】
内部データ配線MAOUT1[m]は、ブロック4を経由してマッチアンプ後半部13[m]に接続する。
【0035】
マッチアンプ後半部13[m]は、内部データ配線MAOUT1[m]の電圧を取込んで、プリラッチ信号MALATおよび出力ラッチ信号MALAT_SYNCに従って、出力データ配線MAOUTNにマッチアンプ出力信号を出力する。
【0036】
(マッチアンプ前半部、中間部、後半部の構成)
図4は、マッチアンプ前半部11[m]の構成を表わす図である。
【0037】
マッチアンプ前半部11[m]は、PMOSトランジスタ198,199と、初段NAND回路21_A,21_Bと、次段NOR回路22と、バッファ部BF1とを備える。
【0038】
PMOSトランジスタ199は、VDD電源とマッチラインML1[m]と接続するノードND1との間に設けられ、プリチャージ信号MLPRE_Nを受けるゲートを有する。PMOSトランジスタ198は、VDD電源とマッチラインML2[m]と接続するノードND2との間に設けられ、プリチャージ信号MLPRE_Nを受けるゲートを有する。
【0039】
初段NAND回路21_Aは、PMOSトランジスタPMOS1,195、NMOSトランジスタNMOS1,NMOS2を備える。
【0040】
PMOSトランジスタPMOS1は、VDD電源とノード1aとの間に設けられ、ノードND1と接続するゲートを有する。
【0041】
PMOSトランジスタ195は、VDD電源とノード1aとの間に設けられ、マッチアンプ活性化信号MAEを受けるノードND5と接続するゲートを有する。
【0042】
ノード1aとグランドとの間にNMOSトランジスタNMOS1とNMOS2とが直列に接続される。NMOSトランジスタNMOS1のゲートは、ノードND1と接続する。NMOSトランジスタNMOS2のゲートは、ノードND5と接続する。なお、NMOSトランジスタNMOS1のゲート入力はノードND5、NMOS2のゲート入力はノードND1としても良い。
【0043】
初段NAND回路21_Bは、PMOSトランジスタPMOS2,193、NMOSトランジスタNMOS3,NMOS4を備える。
【0044】
PMOSトランジスタPMOS2は、VDD電源とノード1bとの間に設けられ、ノードND2と接続するゲートを有する。
【0045】
PMOSトランジスタ193は、VDD電源とノード1bとの間に設けられ、マッチアンプ活性化信号MAEを受けるノードND5と接続するゲートを有する。
【0046】
ノード1bとグランドとの間にNMOSトランジスタNMOS3とNMOS4とが直列に接続される。NMOSトランジスタNMOS3のゲートは、ノードND5と接続する。NMOSトランジスタNMOS4のゲートは、ノードND2と接続する。なお、NMOSトランジスタNMOS3のゲート入力はノードND2、NMOS4のゲート入力はノードND5としても良い。
【0047】
NMOSトランジスタNMOS1,NMOS2,NMOS3,NMOS4は、HVthのNMOSである。PMOSトランジスタPMOS1,PMOS2は、LVthのPMOSである。
【0048】
次段NOR回路22は、PMOSトランジスタPMOS3,PMOS4、NMOSトランジスタNMOS5,NMOS6を備える。
【0049】
VDD電源とノード2aとの間にPMOSトランジスタPMOS3とPMOS4とが直列に設けられる。PMOSトランジスタPMOS3のゲートは、ノード1aと接続する。PMOSトランジスタPMOS4のゲートは、ノード1bと接続する。
【0050】
ノード2aとグランドとの間にNMOSトランジスタNMOS5とNMOS6とが並列に設けられる。NMOSトランジスタNMOS5のゲートは、ノード1aと接続する。NMOSトランジスタNMOS6のゲートは、ノード1bと接続する。
【0051】
バッファ部BF1は、2段のインバータ197,196からなる。バッファ部BF1は、次段NOR回路22の出力であるノード2aの電圧をバッファリングして、内部データ配線MAOUT0[m]を介して、マッチアンプ中間部12[m]へ出力する。
【0052】
バッファ部BF1は、ノード2aが“L”レベルのときには、内部データ配線MAOUT0[m]を“L”レベルとし、ノード2aが“H”レベルのときには、内部データ配線MAOUT1[m]を“H”レベルとする。
【0053】
図5は、マッチアンプ中間部12[m]の構成を表わす図である。
マッチアンプ中間部12[m]は、PMOSトランジスタ198,199と、初段NAND回路23_A,23_Bと、次段NOR回路24と、バッファ部BF2とを備える。
【0054】
PMOSトランジスタ199は、VDD電源とマッチラインML3[m]と接続するノードND1との間に設けられ、プリチャージ信号MLPRE_Nを受けるゲートを有する。PMOSトランジスタ198は、VDD電源とマッチラインML4[m]と接続するノードND2との間に設けられ、プリチャージ信号MLPRE_Nを受けるゲートを有する。
【0055】
初段NAND回路23_Aは、PMOSトランジスタPMOS1,195、NMOSトランジスタNMOS1,NMOS2を備える。
【0056】
PMOSトランジスタPMOS1は、VDD電源とノード1cとの間に設けられ、ノードND1と接続するゲートを有する。
【0057】
PMOSトランジスタ195は、VDD電源とノード1cとの間に設けられ、マッチアンプ活性化信号MAEを受けるノードND5と接続するゲートを有する。
【0058】
ノード1cとグランドとの間にNMOSトランジスタNMOS1とNMOS2とが直列に接続される。NMOSトランジスタNMOS1のゲートは、ノードND1と接続する。NMOSトランジスタNMOS2のゲートは、ノードND5と接続する。なお、NMOSトランジスタNMOS1のゲート入力はノードND5、NMOS2のゲート入力はノードND1としても良い。
【0059】
初段NAND回路23_Bは、PMOSトランジスタPMOS2,193、NMOSトランジスタNMOS3,NMOS4を備える。
【0060】
PMOSトランジスタPMOS2は、VDD電源とノード1dとの間に設けられ、ノードND2と接続するゲートを有する。
【0061】
PMOSトランジスタ193は、VDD電源とノード1dとの間に設けられ、マッチアンプ活性化信号MAEを受けるノードND5と接続するゲートを有する。
【0062】
ノード1dとグランドとの間にNMOSトランジスタNMOS3とNMOS4とが直列に接続される。NMOSトランジスタNMOS3のゲートは、ノードND5と接続する。NMOSトランジスタNMOS4のゲートは、ノードND2と接続する。なお、NMOSトランジスタNMOS3のゲート入力はノードND2、NMOS4のゲート入力はノードND5としても良い。
【0063】
NMOSトランジスタNMOS1,NMOS2,NMOS3,NMOS4は、HVthのNMOSである。PMOSトランジスタPMOS1,PMOS2は、LVthのPMOSである。
【0064】
次段NOR回路24は、PMOSトランジスタPMOS3,PMOS4、NMOSトランジスタNMOS5,NMOS6を備える。
【0065】
VDD電源とノード2bとの間にPMOSトランジスタPMOS3とPMOS4とが直列に設けられる。PMOSトランジスタPMOS3のゲートは、ノード1cと接続する。PMOSトランジスタPMOS4のゲートは、ノード1dと接続する。
【0066】
ノード2bとグランドとの間にNMOSトランジスタNMOS5とNMOS6とが並列に設けられる。NMOSトランジスタNMOS5のゲートは、ノード1cと接続する。NMOSトランジスタNMOS6のゲートは、ノード1dと接続する。
【0067】
バッファ部BF2は、NAND回路191と、インバータ196からなる。バッファ部BF2は、次段NOR回路24の出力であるノード2bの電圧をバッファリングして、内部データ配線MAOUT1[m]を介して、マッチアンプ後半部13[m]へ出力する。
【0068】
バッファ部BF2は、内部データ配線MAOUT0[m]が“L”レベルのときには、ノード2bの電圧レベルに係りなく、内部データ配線MAOUT1[m]を“L”レベルとする。バッファ部BF2は、内部データ配線MAOUT0[m]が“H”レベルのとき、かつノード2bが“L”レベルのときには、内部データ配線MAOUT1[m]を“L”レベルとし、内部データ配線MAOUT0[m]が“H”レベルのとき、かつノード2bが“H”レベルのときには、内部データ配線MAOUT1[m]を“H”レベルとする。
【0069】
図6は、マッチアンプ後半部13[m]の構成を表わす図である。
マッチアンプ後半部13[m]は、プリラッチ121と出力ラッチ122とを含む。
【0070】
プリラッチ121は、プリラッチ信号MALATによって内部データ配線MAOUT1[m]のデータを取込んで、プリラッチデータを出力する。
【0071】
出力ラッチ122は、出力ラッチ信号MALAT_SYNCによって、プリラッチ121が出力するプリラッチデータを取り込んで、出力データ配線MAOUTN[m]にマッチアンプ出力信号を出力し、
図1のプライオリティエンコーダ511へ供給する。
【0072】
(不感帯)
第1条件下における、
図4の初段NAND回路21_Aを構成するNMOSトランジスタNMOS1,NMOS2をHVth化し、PMOSトランジスタPMOS1をLVth化した場合における論理しきい値と不感帯を説明する。
図4の初段NAND回路21_Bと、
図5の初段NAND回路23_Aと初段NAND回路23_Bでも、ここで説明する特性は、同様である。ここで、第1条件とは、電源電圧VDDが下限値(約0.7V)、低温(−40度)である条件である。
【0073】
図7は、第1の実施形態における
図4の初段NAND回路21_Aの不感帯を説明するための図である。
図4の初段NAND回路21_Bと、
図5の初段NAND回路23_Aと初段NAND回路23_Bもこれと同様である。
【0074】
図7の(a)の実線で囲む部分に、PMOSトランジスタPMOS1、NMOSトランジスタNMOS1およびNMOS2をMVthのMOSトランジスタで構成した場合における、論理しきい値を示す。PMOSトランジスタ195の論理しきい値は、以下のどの場合でもMVthであるとする。
【0075】
この場合、
NMOSトランジスタ
NMOS1
およびNMOSトランジスタNMOS2の論理しきい値TH4は、
PMOSトランジスタ
PMOS
1の論理しきい値TH2よりも低い。そのため、マッチラインMLの電圧レベルが、しきい値TH1とTH4の間にある場合には、PMOSトランジスタPMOS1、NMOSトランジスタNMOS1、およびNMOSトランジスタNMOS2が同時にオンして貫通電流が流れる。
【0076】
図7の(b)の実線で囲む部分に、PMOSトランジスタPMOS1をMVthのMOSトランジスタで構成し、かつNMOSトランジスタNMOS1とNMOS2をHVthのMOSトランジスタで構成した場合における、論理しきい値を示す。
【0077】
この場合、NMOSトランジスタNMOS1およびNMOS2の論理しきい値TH1は、NAND回路21_A内のPMOSトランジスタPMOS
1の論理しきい値TH
2よりも高い。
【0078】
これにより、PMOSトランジスタPMOS1、NMOSトランジスタNMOS1、およびNMOSトランジスタNMOS
2のいずれもがオンとならない不感帯ができる。その結果、マッチラインMLの電圧がどのようなレベルであっても、貫通電流が流れないようにできる。
【0079】
図7の(c)の実線で囲む部分は、本実施の形態の変形例で採用する構成である、NMOSトランジスタNMOS1とNMOSトランジスタNMOS2をHVth化のMOSトランジスタで構成し、PMOSトランジスタPMOS1をLVthのMOSトランジスタで構成した場合における、論理しきい値を示す。
【0080】
この場合、LVthのPMOSトランジスタPMOS1の論理しきい値TH3は、
図7の(b)の実線で囲む部分におけるMVthPMOSトランジスタPMOS1の論理しきい値TH2よりも高い。つまり、この場合、PMOSトランジスタPMOS1の論理しきい値TH3は、連想記憶装置を構成する一般的なPMOSトランジスタのしきい値よりも高いことになる。しかし、
図7の(b)の実線で囲む部分と同様に、NMOSトランジスタNMOS1およびNMOS2の論理しきい値TH1は、PMOSトランジスタPMOS1の論理しきい値TH3よりも高い。
【0081】
これにより、
図7の(b)の実線で囲む部分より狭いレベル範囲で、PMOSトランジスタPMOS1、NMOSトランジスタNMOS1、およびNMOSトランジスタNMOS
2のいずれもがオンとならない不感帯ができる。その結果、マッチラインMLの電圧がどのようなレベルであっても、貫通電流が流れないようにできる。
【0082】
また、この場合には、LVth化されたPMOS1の論理しきい値TH3が高くなった結果、1ビットMissなどでマッチラインMLのレベルの下降が遅い場合に、より早くMiss(不一致)をセンスすることができる。
【0083】
(シミュレーション)
図8は、不感帯のシミュレーション結果を表わす図である。
【0084】
図8では、
図4の初段NAND回路21_A,21_BのNMOSトランジスタNMOS1,NMOS2,NMOS3,NMOS4をHVthのNMOSトランジスタとし、PMOSトランジスタPMOS1,PMOS2をLVthのPMOSトランジスタとした場合について、VDDを下限電圧(0.7V)とし、温度と仕上がり条件を変えたときのマッチアンプの論理しきい値TH1およびTH3が示される。論理しきい値TH1は、
図7の(c)の実線で囲む部分で説明したように、HVthのNMOSトランジスタNMOS1,NMOS2,NMOS3,NMOS4の論理しきい値である。論理しきい値TH3は、
図7の(c)の実線で囲む部分で説明したように、LVthのPMOSトランジスタPMOS1,PMOS2の論理しきい値である。
【0085】
仕上がり条件とは、NMOSトランジスタNMOS1〜NMOS4とPMOSトランジスタPMOS1,PMOS2のプロセス仕上がりを意味し、ここではNMOSトランジスタとPMOSトランジスタについて、FastとSlowの各組み合わせについて示している。温度は、−40℃と125℃の2つを示すが、これらの中間温度での不感帯の状態については、
図8のように線で結ぶことである程度は類推できる。
【0086】
図8に示すように、高温条件では不感帯が小さくなるが、すべての条件で、論理しきい値TH1が論理しきい値TH3よりも高く、不感帯が発生していることがわかる。
【0087】
(不感帯の効果)
図9は、
図4の初段NAND回路21_A,21_Bによる不感帯の効果を表わす図である。
【0088】
図9では、
図4のマッチアンプ前半部の初段NAND回路21_A,21_BのNMOSトランジスタNMOS1,NMOS2,NMOS3,NMOS4をHVthのNMOSトランジスタとし、PMOSトランジスタPMOS1,PMOS2をLVthのPMOSトランジスタとした場合の1ビットMiss時の動作が示されている。
図5のマッチアンプ中間部についても同じである。
【0089】
図9に示すように、1ビットMiss時には、マッチラインMLn[m]がゆるやかに下降する。特に、
図2に示すサーチトランジスタN51〜N54がSlow仕上がりで、Idが減少するローカルなばらつきがあり、低温、かつVDD下限の条件では、ドレインIdがかなり小さくなり、マッチラインMLn[m]の下降速度がかなり遅くなる。
【0090】
NMOSトランジスタNMOS1,NMOS2,NMOS3,NMOS4、PMOSトランジスタPMOS1,PMOS2をMvthのMOSトランジスタとした場合には、マッチラインMLn[m]が論理しき
い値TH0を下回るまで、マッチアンプ活性化信号MAEを立ち上げることができない。インバリデッドデータが発生し、消費電流が増加するためである。また、前述の
図7の(a)の実線で囲む部分の説明のように、PMOS1とNMOS1,NMOS2、またはPMOS2とNMOS3、NMOS4が、マッチラインMLn[m]が中間電位で、かつ、しきい値TH
2とTH4の間にある場合には、これらのトランジスタが同時にオンして貫通電流が流れ、これが電源ノイズとなって、回路が誤作動する原因となってしまうためである。
【0091】
これに対して、NMOSトランジスタNMOS1,NMOS2,NMOS3,NMOS4をHVthのNMOSトランジスタとし、PMOSトランジスタPMOS1,PMOS2をLVthのPMOSトランジスタとした場合には、マッチラインMLn[m]が論理しき
い値TH1を下回るタイミングまで、マッチアンプ活性化信号MAEを立ち上げるタイミングを早め、特にHit(一致)の場合のアクセス速度を高速化し、アクセス速度を早めることで
図6のマッチアンプ後半部のプリラッチ121に内部データMAOUT1[m]を取り込むタイミングを早めることもできて、全体的にサーチ動作周波数を高速化することができる。また、マッチアンプ活性化信号MAEを立ち上がり時には、マッチラインMLn[m]が論理しきい値TH1とTH3の間にあるので、不感帯によって、インバリッドデータは発生せず、貫通電流も流れない。
【0092】
(全体の動作)
図10は、前半で、マッチラインML1[m]またはML2[m]のみがMiss(不一致)し、後半で全てのマッチラインがHit(一致)した場合の連続サーチ動作波形でを表わす図である。
【0093】
前半部については、内部データ配線MAOUT0[m]とMAOUT1[m]は“L”のまま変化しない。従って、Missではマッチラインの充放電が起こる代わりに、先のサーチがHit“一致”でこの状態をラッチした場合のプリラッチ121と出力ラッチ122、出力データ配線MAOUTNを除いて、内部データ配線では充放電が起きない。また、エントリの約80ビットの全てのCAMセルが不一致であっても、内部データ配線の動作はこれと同様である。
【0094】
後半部について、マッチアンプ活性化信号MAEの立ち上がりエッジによって、
図3のマッチアンプ前半部11[m]とマッチアンプ中間部12[m]は、マッチラインML[1]〜ML[4]の“H”(一致)をセンスし、内部データ配線MAOUT0[m]とMAOUT1[m]がともに“L”から“H”に変化する。その後、マッチアンプ活性化信号MAEの立ち下がりエッジによって、内部データ配線MAOUT0[m]とMAOUT1[m]がともに“H”から“L”に変化する。
【0095】
また、プリラッチ信号MALATが立ち下がることによって、
図6のプリラッチ121に内部データ配線MAOUT1[m]のデータが伝わり、プリラッチ121は、受けたデータをラッチする。その後、出力ラッチ信号MALAT_SYNC信号が立ち下がることによって、プリラッチ121にラッチされたデータが出力ラッチ122に伝わり、出力ラッチ122は、受けたデータを出力データ配線MAOUTN[m]に出力する。
【0096】
したがって、Hit(一致)の場合のサーチでは、マッチラインの放電が起きない代わりに、内部データ配線MAOUT0[m]とMAOUT1[m]の充放電が起きる。シミュレーション結果ではこれらの内部データ配線の充放電電流は、マッチラインの充放電電流の約50%である。この充放電電流を、後のダミーサーチ機能では利用する。
【0097】
図10では、特にプリラッチ信号MALATの立ち下がりエッジを、マッチアンプ活性化信号MAEの立ち上がりエッジに比べて、マッチアンプ活性化信号MAEが立ち上がってから、内部データ配線MAOUT1[m]の信号が反転するまでのHit(一致)のアクセス時間だけ遅らせている。すなわち、Hit(一致)のサーチ結果が内部データ配線MAOUT1[m]を伝って、
図6に示すプリラッチ121に届いてから、プリラッチ121のクロックドインバータ32をオンして、プリラッチ121にデータを取り込んでいる。これによって、インバリッドデータの伝播、すなわち、Hit(一致)が伝搬するまでのスタンバイのMiss(不一致)状態をプリラッチ回路に伝えることを防ぎ、プリラッチ回路以後の内部データ配線の余計な充放電による電力消費を無くすことができる。
【0098】
図10の左半分も同様にプリラッチ信号MALATを遅らせているので、Miss(不一致)とHit(一致)のプリラッチまでのアクセス時間はほぼ同じである。
【0099】
図11は、前半で、マッチラインML3[m]またはML4[m]のみがMiss(不一致)し、後半で全てのマッチラインがHit(一致)した場合の連続サーチ動作波形を表わす図である。
【0100】
前半では、マッチアンプ活性化信号MAEの立ち上がりエッジによって、ML1[m]とML2[m]が部分的なHit(一致)であることによって、内部データ配線MAOUT0[m]が “L”から“H”に変化する。その後、マッチアンプ活性化信号MAEの立ち下がりエッジによって、MAOUT0[m]は “H”から“L”に変化する。そのため、内部データ配線MAOUT0[m]までは充放電が起きる。また、マッチラインML3[m]またはML4[m]はMiss(不一致)状態のため、内部データ配線MAOUT1[m]は“L”のままで反転していないので、MAOUT1[m]については充放電電流が発生しない。
【0101】
後半部の動作は、
図10と同様である。
以上のように、本実施の形態によれば、マッチアンプは、入力であるマッチラインMLの電圧に対する不感帯を有し、マッチアンプ内に貫通電流が流れることがない特性を有する。これによって、マッチアンプ活性化信号MAEを立ち上げるタイミングを早めることができ、サーチ動作周期を短くしてサーチ動作周波数を高速化することができる。
【0102】
[第1の実施形態の変形例1]
図12は、第1の実施形態の変更例1のCAMセルアレイおよびマッチアンプの構成を表わす図である。
【0103】
この変形例1では、Hit時のアクセス速度を改善するため、マッチアンプ後半部13[m]がマッチアンプ中間部12[m]の隣に配置される。これによって、内部データ配線MAOUT1[m]の長さを短くすることができ、マッチアンプ後半部13[m]までのアクセス速度を改善できる。
【0104】
図3および
図12は、CAMセルアレイ507およびマッチラインMLを4分割した例について説明したが、4分割に限定されるものではない。
【0105】
6分割した場合には、第5番目のブロックと第6番目のブロックの間にマッチアンプ中間部12[m]を追加配置して、その出力の内部データ配線をマッチアンプ後半部に接続すればよい。第3番目のブロックと第4番目のブロックの間に配置したマッチアンプ中間部12[m]の出力する内部データ配線を第5番目のブロックと第6番目のブロックの間に配置した追加されたマッチアンプ中間部12[m]の内部データ配線に接続することで対応できる。マッチラインを8分割や10分割した場合でも、同様に配置、接続することで対応できる。
【0106】
上記の場合、マッチアンプ後半部を最も後段のマッチアンプ中間部の隣に配置してもよいし、最も後段のブロックの隣に配置してもよい。
【0107】
一般に、CAMセルアレイおよびマッチラインを1〜2×n番目(nは自然数)のブロックに分割した場合には、マッチアンプは、第1〜第n番目の判定回路(マッチアンプ前半部およびマッチアンプ中間部)と、第n番目の判定回路の出力をラッチして、出力するラッチ回路(マッチアンプ後半部)とを備える。
【0108】
1エントリごとに、第1〜第n番目の判定回路と、ラッチ回路とを直列接続する内部データ配線が設けられる。第i番目(1≦i≦n)の判定回路は、第(2×i−1)番目のブロックと第(2×i)番目のブロックの間に配置される。
【0109】
第i番目(1≦i≦n)の判定回路は、第(2×i−1)番目のブロックのマッチラインと第(2×i)番目のブロックのマッチラインがそれぞれ入力される第1および第2のNAND回路と、第1および第2のNAND回路の出力と、内部データ配線を通じて伝達される前段の判定回路の出力を論理演算して、内部データ配線へ出力する論理回路(NOR回路およびバッファ部)とを含む。ラッチ回路は、第2×n番目のブロックの両隣のうちのいずれかに配置される。
【0110】
[第1の実施形態の変形例2]
この変形例では、たとえば、
図4の初段NAND回路21_Aを構成するのうちNMOS1をHVth化し、PMOSトランジスタPMOS1をLVth化した場合における論理しきい値と不感帯を説明する。つまり、この変形例では、NMOSトランジスタNMOS2は、MVthのMOSトランジスタとする。
図4の初段NAND回路21_B、
図5の初段NAND回路21_Aと初段NAND回路21_Bも同様である。
【0111】
図13は、第1の実施形態の変形例2における初段NAND回路21_Aの不感帯を説明するための図である。
【0112】
図13の(a)の実線で囲む部分には、PMOSトランジスタPMOS1、NMOSトランジスタNMOS1およびNMOS2をMVthのMOSトランジスタで構成した場合における、論理しきい値を示す。
【0113】
この場合、PMOSトランジスタPMOS1の論理しきい値TH
2は、NMOSトランジスタNMOS1およびNMOS2の論理しきい値TH
4よりも高い。マッチラインMLの電圧レベルが、しきい値TH
2とTH4の間にある場合には、PMOSトランジスタPMOS1、NMOSトランジスタNMOS1、およびNMOSトランジスタNMOS2が同時にオンして貫通電流が流れる。
【0114】
図13の(b)の実線で囲む部分には、PMOSトランジスタPMOS1をMVthのMOSトランジスタで構成し、かつNMOSトランジスタNMOS1をHVthのMOSトランジスタで構成した場合における、論理しきい値を示す。
【0115】
この場合でも、
図7の(b)の実線で囲む部分と同様に、NMOSトランジスタNMOS1およびNMOS2の論理しきい値TH5は、PMOSトランジスタPMOS1の論理しきい値TH2よりも高い。
【0116】
これにより、本変形例でも、PMOSトランジスタPMOS1、NMOSトランジスタNMOS1、およびNMOSトランジスタNMOSのいずれもがオンとならない不感帯ができる。その結果、マッチラインMLの電圧がどのようなレベルであっても、貫通電流が流れないようにできる。
【0117】
図13の(c)の実線で囲む部分には、NMOSトランジスタNMOS1のみをHVthのMOSトランジスタで構成し、PMOSトランジスタPMOS1をLVthのMOSトランジスタで構成した場合における、論理しきい値を示す。
【0118】
この場合でも、LVthのPMOSトランジスタPMOS1の論理しきい値TH3は、
図13(b)の場合のMVthのPMOSトランジスタPMOS1の論理しきい値TH2よりも高い。また、
図13の(b)の実線で囲む部分と同様に、NMOSトランジスタNMOS1とNMOS2の論理しきい値TH5は、PMOSトランジスタPMOS1の論理しきい値TH3よりも高い。
【0119】
これにより、
図13の(b)の実線で囲む部分と同様に、PMOSトランジスタPMOS1、NMOSトランジスタNMOS1、およびNMOSトランジスタNMOS2のいずれもがオンとならない不感帯ができる。その結果、マッチラインMLの電圧がどのようなレベルであっても、貫通電流が流れないようにできる。NMOSトランジスタNMOS1のみHVth化しているので、NMOSトランジスタNMOS1とNMOS2の2段の論理しきい値が低く、不感帯の幅は小さいが、不感帯が有ることで、マッチラインMLがどのようなレベルであっても貫通電流が流れることは無い。
【0120】
また、低周波数のHit(一致)サーチ動作の場合に、サーチトランジスタのオフリーク電流によってマッチラインのレベルが低下しても、NMOSトランジスタNMOS1(HVth)とNMOS2(HVth)の2段の場合に比べ、論理しきい値がより低いため、マッチラインのレベルが論理しきい値TH5に達するまで時間がかかり、データホールド時間を改善することができる。
【0121】
また、NMOSトランジスタNMOS1とNMOS2のうち、NMOS2にマッチラインを入力する場合は、NMOS2をHVth化する。そうすることで、マッチラインが中間電位の場合の貫通電流を防ぐことができる。
【0122】
また、LVth化されたPMOS1の論理しきい値TH3が高くなった結果、1ビットMissなどでマッチラインMLのレベルの下降が遅い場合に、より早くMiss(不一致)をセンスすることができる。
【0123】
[第1の実施形態の変形例3]
図14は、次段NOR回路の入力に対する、論理しきい値と不感帯を表わす図である。
【0124】
図14の(a)の実線で囲む部分は、NMOSトランジスタNMOS5、NMOSトランジスタNMOS6、PMOSトランジスタPMOS3、PMOSトランジスタPMOS4を全てMVthのMOSトランジスタで構成した場合における、論理しきい値を示す。
【0125】
この場合、PMOSトランジスタPMOS3、PMOS4の論理しきい値TH8は、NMOSトランジスタNMOS5およびNMOS6の論理しきい値TH7よりも高い。次段NOR回路の入力電圧レベルが、しきい値TH7とTH8の間にある場合には、PMOSトランジスタPMOS3、PMOS4、NMOSトランジスタNMOS5、NMOS6が同時にオンして貫通電流が流れる。
【0126】
図14の(b)の実線で囲む部分は、NMOSトランジスタNMOS5、NMOSトランジスタNMOS6をMVthのMOSトランジスタで構成し、PMOSトランジスタPMOS3、PMOSトランジスタPMOS4をHVthのMOSトランジスタで構成した場合における、論理しきい値を示す。
【0127】
この場合、PMOSトランジスタPMOS3およびPMOS4の論理しきい値TH9は、PMOSトランジスタNMOS5およびNMOS6の論理しきい値TH7よりも低い。
【0128】
これにより、PMOSトランジスタPMOS3、PMOS4、NMOSトランジスタNMOS5、NMOS6のいずれもが同時にオンとならない不感帯ができる。その結果、NOR回路に入力される電圧がどのようなレベルであっても、貫通電流が流れないようにできる。
【0129】
図15は、
図4のマッチアンプ前半部について、マッチアンプ活性化信号MAEの活性タイミングが電源ノイズ等の要因で早まり、初段NANDが“L”に近い中間電位を出力した場合を表わす図である。
図5のマッチアンプ中間部についても同様である。
【0130】
この例では、
図14の(a)の実線で囲む部分で示したように、NMOSトランジスタNMOS5、NMOS6、PMOSトランジスタPMOS3、PMOS4をMVthのMOSトランジスタで構成したものとする。この場合でも、以下に示すように正常に動作する。
【0131】
マッチラインMLn[m]のレベルが初段NAND回路21_Aまたは21_Bの“H”論理しきい値より少し高い時点でマッチアンプ活性化信号MAEが活性するため、初段NAND回路21_Aまたは21_Bの出力であるノード1aまたはノート1bは低下する。ただし、このときマッチラインMLn[m]のレベルは初段NAND回路21_Aまたは21_Bの“H”論理しきい値をわずかに超えている程度で、下降の傾きは比較的緩やかになる。その後、すぐにマッチラインMLn[m]は初段NAND回路の不感帯に達するので、初段NAND回路21_Aまたは21_Bの出力であるノード1aまたはノード2bの下降は止まる。
図15のように、初段NAND回路21_Aまたは21_Bの出力のノード1aまたはノード2bの弱いインバリッドデータの“L”レベルが次段NOR回路22の低い論理しきい値に達しないことで、次段NOR回路22は、インバリッドデータの発生を防止することができる。このように、次段NOR回路22の入力に対する論理しきい値は低いため、インバリッドデータを発生し難いメリットがある。
【0132】
なお、
図14の(b)の実線で囲む部分に示したように、次段NOR回路22のPMOS3とPMOS4の論理しきい値をHVthにすることで、入力に対する“L”論理しきい値をさらに下げて、よりインバリッドデータを発生し難い回路構成とすることができる。また、次段NOR回路22のPMOS3とPMOS4のいずれか一方の論理しきい値をHVthとし、他方の論理しきい値をMVthとしても、特にインバリッドが発生しやすいVDD下限で、次段NOR回路22の入力に対する“L”論理しきい値が低くなるため、多少の効果は得られる。
【0133】
[第1の実施形態の変形例4]
図16は、第1の実施形態の変形例4のCAMセルアレイおよびマッチアンプの構成を表わす図である。
【0134】
本変形例では、CAMセルアレイ507およびマッチラインMLがブロック1〜ブロック3に3分割される。これによって、1本のマッチラインが3本のマッチラインML1[m]〜ML3[m]に分割されている。
【0135】
ブロック1とブロック2の間には、マッチアンプ前半部111[m]が配置されている。
【0136】
ブロック3の隣に、マッチアンプ中間部112[m]が配置されている。マッチアンプ中間部112[m]の隣に、マッチアンプ後半部13[m]が配置されている。
【0137】
マッチアンプ前半部111[m]は、ブロック1およびブロック2でエントリ[m]のサーチによって変化したマッチラインML1[m],ML2[m]の電圧を取込んで、ブロック1およびブロック2のエントリ[m]が同時に一致であることを表わす電圧を内部データ配線MAOUT0[m]へ出力する。
【0138】
内部データ配線MAOUT0[m]は、ブロック2およびブロック3を経由してマッチアンプ中間部112[m]に接続する。
【0139】
マッチアンプ中間部112[m]は、ブロック3でのエントリ[m]のサーチによって変化したマッチラインML3[m]の電圧と、内部データ配線MAOUT0[m]の内部データを取込んで、ブロック1〜ブロック3のエントリ[m]が同時に一致であることを表わす電圧を内部データ配線MAOUT1[m]へ出力する。
【0140】
内部データ配線MAOUT1[m]は、マッチアンプ後半部13[m]に接続する。
マッチアンプ後半部13[m]は、内部データ配線MAOUT1[m]の電圧を取込んで、プリラッチ信号MALATおよび出力ラッチ信号MALAT_SYNCに従って、出力データ配線MAOUTNにマッチアンプ出力信号を出力する。
【0141】
図16のマッチアンプ前半部111[m]は、
図4のマッチアンプ前半部11[m]と同様に、PMOSトランジスタ198,199と、初段NAND回路21_A,21_Bと、次段NOR回路22とを備える。マッチアンプ前半部111[m]は、さらに、バッファ部BF11を備える。
【0142】
図16のマッチアンプ中間部112[m]は、
図5のマッチアンプ中間部12[m]と同様に、PMOSトランジスタ199と、初段NAND回路23_Aを備える。また、MAOUT0[m]を入力する際のデータ極性を調整するためのインバータ203を備える。
【0143】
図16のマッチアンプ中間部112[m]は、
図5のマッチアンプ中間部12[m]とは異なり、PMOSトランジスタ198および初段NAND回路23_Bを含まない。また、
図5のマッチアンプ中間部12[m]のバッファ部BF12のNAND191は、次に説明するバッファ部BF12のインバータ201に変わっている。
【0144】
図16のマッチアンプ中間部112[m]は、さらに、次段NOR回路241と、バッファ部BF12とを備える。
【0145】
図16の次段NOR回路241は、
図4のマッチアンプ中間部12[m]の次段NOR回路24とは異なり、一方の入力が初段NAND回路23_Aの出力と接続され、他方の入力は、内部データ配線MAOUT0[m]をインバータ203によって反転したものである。次段NOR回路241は、これら2つの入力の否定論理和を取って、バッファ部BF12へ出力する。
【0146】
図16のバッファ部BF12は、
図4のマッチアンプ中間部12[m]のバッファ部BF2と異なり、2段のインバータ201およびインバータ196からなる。バッファ部BF12は次段NOR回路241から入力したデータを内部データ配線MAOUT1に出力する。
【0147】
マッチアンプ後半部13[m]は、
図6のマッチアンプ後半部13[m]と同様である。
【0148】
一般に、CAMセルアレイおよびマッチラインが、1〜(2×n+1)番目(nは自然数)のブロックに分割されたときに、マッチアンプは、第1番目の判定回路(
図4と同様のマッチアンプ前半部)、第2番目〜第(n)番目の判定回路(
図5と同様のマッチアンプ中間部)と、(n+1)番目の判定回路(
図16のマッチアンプ中間部112[m]と同様)と、第(n+1)番目の判定回路の出力をラッチして、出力するラッチ回路(
図16のマッチ後半部13[m]と同様)とを備える。
【0149】
また、1エントリごとに、第1〜第(n+1)番目の判定回路と、ラッチ回路とを直列接続する内部データ配線が設けられる。
【0150】
第i番目(1≦i≦n)の判定回路は、第(2×i−1)番目のブロックと第(2×i)番目のブロックの間に配置される。第i番目(1≦i≦n)の判定回路は、第(2×i−1)番目のブロックのマッチラインと第(2×i)番目のブロックのマッチラインがそれぞれ入力される第1および第2のNAND回路と、第1および第2のNAND回路の出力と、内部データ配線を通じて伝達される前段の判定回路の出力を論理演算して、内部データ配線へ出力する論理回路を含む。
【0151】
第(n+1)番目の判定回路は、第(2×n+1)番目のブロックの両隣のうちのいずれかに配置される。第(n+1)番目の判定回路は、第(2×n+1)番目のブロックのマッチライン(2×n+1)が入力されるNAND回路と、内部データ配線を通じて伝達される前段の判定回路第n番の出力を論理演算して、マッチアンプ後半部へ出力する論理回路(NOR回路およびバッファ部)を含む。マッチアンプ後半部は、第(n+1)番目の判定回路の隣、または第(2×n+1)番目のブロックの隣に配置される。
【0152】
(効果)
本実施の形態のマッチアンプは、従来のクロックドインバーター型マッチアンプやクロスカップル型マッチアンプに比べて制御信号の本数が少なく、制御信号の充放電電流を削減することができる。たとえば、
図3ではマッチアンプ活性化信号MAEの信号線が2本、マッチラインプリチャージ信号MLPRE_Nの信号線が2本、プリラッチ信号MALATとその反転信号の信号数が2本、出力ラッチ信号MALAT_SYNCとその反転信号の信号線が2本であり、これらを合計すると8本であり、複数のマッチラインに分割している割には比較的に少ない。また、信号の系統がMAE、MLPRE_N、MALAT、MALAT_SYNCの4系統と少ないことも、高周波数での信号の生成を容易にしている。
【0153】
マッチアンプ活性化信号MAEが非活性=“L”は、マッチラインがMiss(不一致)=“L”と同じ論理であるため、マッチアンプの内部の非活性時の状態をMiss(不一致)状態に保持することができる。つまり、マッチアンプを活性しセンスして、Miss(不一致)の場合はマッチアンプの内部回路と内部データ配線はスタンバイ状態と同じなので反転せず、制御信号配線以外では充放電が起きない。
【0154】
また、Miss(不一致)時のアクセスは、プリラッチの直前のMiss状態である内部データ配線MAOUT1[m]からのアクセスで良いため、距離が非常に短く、高速である。Missの場合のアクセス時間はMALAT信号の立ち下がりエッジから、既にMiss状態である内部データ配線MAOUT1[m]によって、プリラッチを反転するまでの時間となる。
【0155】
サーチ結果がHit(一致)の場合には、マッチライン=“H”とマッチアンプ活性化信号MAE活性=“H”によって、各初段NAND回路の出力は“H”から“L”に反転する。そして各次段NOR回路からプリラッチまでの全ての内部データ配線が反転する。つまり、アクセス時間が最大になるのはサーチ結果がHit(一致)の場合となる。ただし、マッチラインは、マッチアンプ活性化信号MAEの活性開始時には十分に高い”H”レベルを保持していることから、初段NAND回路のマッチラインを入力するHVthのNMOSトランジスタに十分なドレイン電流を流すことができ、比較的アクセスは早い。
【0156】
また、従来のクロックドインバーター型マッチアンプでは、サーチトランジスタがSlow仕上がりでかつローカルばらつきによってドレイン電流が小さく、さらに低温かつVDD下限の条件でドレイン電流が低下する条件で、1ビットMissサーチ時にマッチラインレベルのマッチラインのレベル低下が遅い。その結果、1ビットMissサーチでサーチラインがセンス可能な“L”レベルまで下降し、さらに貫通電流が流れないレベルに下がるまで、マッチアンプ活性化信号MAEの活性を遅らせなければならない。これに対して、本実施の形態のマッチアンプではNMOSトランジスタをHVthのトランジスタで構成するため、初段NAND回路の“H”論理しきい値が高く、不感帯が出来て貫通電流が流れないため、マッチラインのレベルが下降し、初段NAND回路の比較的高い不感帯のレベルに達するタイミング付近までMAE活性を早められるので、サーチ動作のHit(一致)アクセスが比較的高速である。
【0157】
また、通常サーチトランジスタはオフリーク電流を軽減するため、HVthのNMOSとしているので、このHVthのNMOSトランジスタの仕上がりまたは温度条件による特性に、HVthのNMOSトランジスタを使用した初段NAND回路の特性を合わせることができる。特にサーチトランジスタがSlow仕上がりでVDD下限と低温によってドレイン電流が小さく、1ビットMissによるマッチラインレベルの下降が遅い場合に、初段NAND回路は同条件で不感帯を広くでき、貫通電流を防止できる。
【0158】
本実施の形態のマッチアンプは、入力初段に2入力NAND回路を用いており、回路構成が単純である。次段以後の回路も分割されたマッチアンプのセンス結果を効率良く論理統合するため、素子数が少ない。そのため、マッチラインを分割した場合でも、レイアウト面積が小さい。
【0159】
本実施
の形態のマッチアンプは、初段を2入力NAND回路としているため、制御信号本数が他のタイプに比べて少ない。また、1エントリについて、アレイ上には少ない本数の内部データ配線しか配置しないので、制御信号配線と内部データ配線の充放電電流を減らし、消費電力を削減できる。
【0160】
本実施の形態のマッチアンプは、2つの初段NAND回路の出力のNORを取る、次段の2入力NOR回路を備える。NOR回路は入力に対する“L”論理しきい値が構成的に低いので、サーチトランジスタがSlow仕上がりでかつローカルばらつきによってドレイン電流が小さい。さらに低温/VDD下限の条件でドレイン電流が低下する条件で、1ビットMissサーチ時とでマッチラインレベルの下降が遅い。初段NAND回路がインバリッドデータを発生しやすい場合、すなわち、初段NAND回路は通常はMiss(不一致)をセンスし“H”を出力するが、十分に下がりきらないマッチラインのレベルをセンスして“L”に近いレベルの弱いインバリッドデータを出力してしまうような場合に、NOR回路によってインバリッドデータの出力を防止することができる。NOR回路は入力の論理しきい値が低いことで、初段NAND回路の弱いインバリッドデータの“L”に近い出力がNOR回路の論理しきい値に届かず、インバリッドデータをカットできる。
【0161】
さらに、次段の2入力NOR回路の2つのPMOSトランジスタを通常のMVthのPMOSトランジスタからHVthのPMOSトランジスタに変えることでさらに、論理しきい値を下げてインバリッドデータを出し難くすることができる。
【0162】
[第2の実施形態]
図17は、第2の実施形態のCAMセルアレイおよびマッチアンプの構成を表わす図である。
【0163】
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、
図1のCAMセルアレイ507およびマッチラインMLがブロック1〜ブロック4に4分割される。1本のマッチラインが4本のマッチラインML1[m]〜ML4[m]に分割される。
【0164】
本実施の形態のマッチアンプ中間部92[m]は、マッチアンプ活性化信号MAEの代わりに、マッチアンプ前半部11[m]の出力である内部データ配線MAOUT0[m]を用いる。
【0165】
図17を参照して、マッチアンプ中間部92[m]は、第1の実施形態のものと同様のPMOSトランジスタ199,198と、NOR回路22と、バッファ部BF1とを備える。
【0166】
マッチアンプ中間部92[m]は、第1の実施形態のものとは異なる初段NAND回路191および初段NAND回路192を有する。
【0167】
初段NAND回路191および初段NAND回路192の一方の入力は、マッチアンプ活性化信号MAEではなく、内部データ配線MAOUT0[m]である。
【0168】
これにより、マッチアンプ中間部のマッチアンプ活性化信号MAEが不要になって、この信号配線を充放電に要する電力を削減することができる。
【0169】
なお、CAMセルアレイおよびマッチラインを6分割、8分割、10分割した場合でも、同様にマッチアンプ前半部、またはマッチアンプ中間部の出力を次段のマッチアンプ中間部のマッチアンプ活性化信号MAEの代りに用いることによって、マッチアップ中間部以後のマッチアンプ活性化信号MAEの信号配線を充放電に要する電力を削減することができる。
【0170】
[第2の実施形態の変形例1]
図18は、第2の実施形態の変形例1のCAMセルアレイおよびマッチアンプの構成を表わす図である。
【0171】
本変形例では、
図1のCAMセルアレイ507およびマッチラインMLがブロック1〜ブロック3に3分割され、1本のマッチラインが3本のマッチラインML1[m]〜ML3[m]に分割されている。
【0172】
ブロック1とブロック2の間には、マッチアンプ前半部111[m]が配置されている。
【0173】
ブロック3の隣に、マッチアンプ中間部192[m]が配置されている。マッチアンプ中間部192[m]の隣に、マッチアンプ後半部13[m]が配置されている。
【0174】
マッチアンプ前半部111[m]は、ブロック1およびブロック2でエントリ[m]のサーチによって変化したマッチラインML1[m],ML2[m]の電圧を取込んで、ブロック1およびブロック2のエントリ[m]の両方が一致であることを表わす電圧を内部データ配線MAOUT0[m]へ出力する。マッチアンプ前半部111[m]は、
図16のマッチアンプ前半部111[m]と同様である。
【0175】
内部データ配線MAOUT0[m]は、ブロック2およびブロック3を経由してマッチアンプ中間部112[m]に接続する。
【0176】
マッチアンプ中間部192[m]は、ブロック3でのエントリ[m]のサーチ結果によって変化したマッチラインML3[m]をNAND回路341によって判定し、NAND回路341が出力した電圧と、内部データ配線MAOUT0[m]のマッチアンプ前半部111[m]のMAOUT0[m]への出力結果とを取込んで、ブロック1〜ブロック3のエントリ[m]の全てが一致であることを表わす電圧を内部データ配線MAOUT1[m]へ出力する。
【0177】
マッチアンプ中間部192[m]は、
図17のマッチアンプ中間部112[m]と同様に、PMOSトランジスタ199と、次段NOR回路241と、バッファ部BF12とを備える。マッチアンプ中間部192[m]は、さらに、
図17のマッチアンプ中間部92[m]とは異なり、初段NAND回路341の1個のみを含む。
【0178】
内部データ配線MAOUT0は初段NAND回路341の一方の入力に接続され、初段NAND回路341の活性信号として利用される。また、内部データ配線MAOUT0はインバータ203にも入力され、インバータ203の出力は次段NOR回路241に入力する。
【0179】
初段NAND回路341は、内部データ配線MAOUT0と接続され、他方の入力がマッチラインML3[m]と接続される。初段NAND回路341は、2つの入力の否定論理積を次段NOR回路241へ出力し、次段NOR回路241は先ほどのインバータ203の出力と否定論理和を取り、バッファ
部BF12へと出力する。
【0180】
バッファ
部BF12は、マッチアンプ後半部113[m]に接続する内部データ配線MAOUT1[m]へ出力する。
【0181】
マッチアンプ後半部13[m]は、内部データ配線MAOUT1[m]の出力結果を取込んで、プリラッチ信号MALATおよび出力ラッチ信号MALAT_SYNCに従って、出力データ配線MAOUTNにマッチアンプ出力信号を出力する。
【0182】
図18のマッチアンプ後半部13[m]は、
図6のマッチアンプ後半部13[m]と同様である。
【0183】
なお、CAMセルアレイおよびマッチラインを5分割、7分割、9分割した場合でも、同様にマッチアンプ前半部、またはマッチアンプ中間部の出力を次段のマッチアンプ中間部のマッチアンプ活性化信号MAEの代りに用いることによって、マッチアップ中間部以後のマッチアンプ活性化信号MAEの信号配線を充放電に要する電力を削減することができる。
【0184】
[第3の実施形態]
本実施の形態では、ダミーサーチ機能を追加される。
【0185】
図19は、第3の実施形態のCAMセルアレイおよびマッチアンプの構成を表わす図である。
【0186】
本実施形態では、第1の実施形態と同様に、
図1のCAMセルアレイ507およびマッチラインMLがブロック1〜ブロック4に4分割される。1本のマッチラインが4本のマッチラインML1[m]〜ML4[m]に分割されている。
【0187】
マッチアンプ前半部81[m]とマッチアンプ中間部82[m]には、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEが入力される。ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEは、ダミーサーチ動作時には、
図1の制御回路510によって、マッチアンプ活性化信号MAEと同じタイミングで“H”に活性される。
【0188】
図20は、マッチアンプ前半部81[m]の構成を表わす図である。
図20に示すマッチアンプ前半部81[m]は、
図4のマッチアンプ前半部11[m]と同様に、PMOSトランジスタ198,199と、次段NOR回路22と、バッファ部BF1とを備える。
【0189】
図20に示すマッチアンプ前半部81[m]は、
図4のマッチアンプ前半部11[m]のものとは異なる初段NAND回路31,32を備える。
【0190】
図20の初段NAND回路31は、
図4の初段NAND回路21_Aと同様に、PMOSトランジスタPMOS1,195、NMOSトランジスタNMOS1,NMOS2を備える。
【0191】
さらに、
図20の初段NAND回路31は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを処理するために、PMOSトランジスタPMOS11と、NMOSトランジスタNMOS11とを備える。
【0192】
PMOSトランジスタPMOS11は、PMOSトランジスタPMOS1のドレインとノード1aとの間に設けられ、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを受けるノードNDD1と接続するゲートを有する。
【0193】
NMOSトランジスタNMOS11は、ノード1aとグランドとの間に設けられ、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを受けるノードNDD1と接続するゲートを有する。
【0194】
初段NAND回路32は、初段NAND回路21_Bと同様に、PMOSトランジスタPMOS2,193、NMOSトランジスタNMOS3,NMOS4を備える。
【0195】
さらに、初段NAND回路32は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを処理するために、PMOSトランジスタPMOS12と、NMOSトランジスタNMOS12とを備える。
【0196】
PMOSトランジスタPMOS12は、PMOSトランジスタPMOS2のドレインとノード1bとの間に設けられ、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを受けるノードNDD1と接続するゲートを有する。
【0197】
NMOSトランジスタNMOS12は、ノード1bとグランドとの間に設けられ、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを受けるノードNDD1と接続するゲートを有する。
【0198】
図21は、マッチアンプ中間部82[m]の構成を表わす図である。
図21のマッチアンプ中間部82[m]は、
図5のマッチアンプ中間部12[m]と同様に、PMOSトランジスタ198,199と、次段NOR回路24と、バッファ部BF2とを備える。
【0199】
図21のマッチアンプ中間部82[m]は、
図5のマッチアンプ中間部12[m]のものとは異なる初段NAND回路31,32を備える。
【0200】
図21の初段NAND回路31は、
図5の初段NAND回路23_Aと同様に、PMOSトランジスタPMOS1,195、NMOSトランジスタNMOS1,NMOS2を備える。
【0201】
さらに、
図21の初段NAND回路31は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを処理するために、PMOSトランジスタPMOS11と、NMOSトランジスタNMOS11とを備える。
【0202】
PMOSトランジスタPMOS11は、PMOSトランジスタPMOS1のドレインとノード1cとの間に設けられ、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを受けるノードNDD1と接続するゲートを有する。
【0203】
NMOSトランジスタNMOS11は、ノード1cとグランドとの間に設けられ、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを受けるノードNDD1と接続するゲートを有する。
【0204】
図21の初段NAND回路32は、
図5の初段NAND回路23_Bと同様に、PMOSトランジスタPMOS2,193、NMOSトランジスタNMOS3,NMOS4を備える。
【0205】
さらに、初段NAND回路32は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを処理するために、PMOSトランジスタPMOS12と、NMOSトランジスタNMOS12とを備える。
【0206】
PMOSトランジスタPMOS12は、PMOSトランジスタPMOS2のドレインとノード1dとの間に設けられ、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを受けるノードNDD1と接続するゲートを有する。
【0207】
NMOSトランジスタNMOS12は、ノード1dとグランドとの間に設けられ、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを受けるノードNDD1と接続するゲートを有する。
【0208】
図22は、本実施の形態におけるダミーサーチ動作時の波形を表わす図である。
図22に示すように、サーチラインSL[l]、SL_N[l]は活性化する必要が無く、グランドVSSのままである。マッチラインプリチャージ信号MLPRE_Nも非活性状態であるVDDのままである。
【0209】
マッチアンプ活性化信号MAEとダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを同じタイミングで“H”に活性することで、マッチラインMLn[m]の状態に関わらず、マッチアンプ前半部81[m」の出力である、内部データ配線MAOUT0[m]から、マッチアンプ中間部82[m」の出力である、内部データ配線MAOUT1[m]および出力データ配線MAOUTN[m]まで擬似的な一致が伝わることを示している。
【0210】
図23は、第3の実施形態における各動作時の電源電圧の振動を説明するための図である。
【0211】
図23に示すように、ダミーサーチ動作を、NOP時、SRAM書き込み動作、またはSRAM読み出し動作時に行うことで、NOP時に電流消費を発生し、SRAM書き込み動作では消費電流を増やして、電流の急激な増減を緩和することで、電源の揺れを緩和することができる。
【0212】
ダミーサーチ動作の消費電流は、サーチラインSL,/SL_Nの充放電が無いことで、1エントリの全てのCAMセルが不一致で有った場合(
図23では全ビットMiss)のサーチ動作の消費電流の約1/3である。特に、NOPの連続回数が2回以下である場合、または、SRAM書き込み動作、またはSRAM読み出し動作時には、このダミーサーチ動作を行うことで消費電流の時間変化率dI/dtを緩和できる。
【0213】
[第3の実施形態の変形例1]
図24は、第3の実施形態の変形例1のCAMセルアレイおよびマッチアンプの構成を表わす図である。
【0214】
本変形例では、
図1のCAMセルアレイ507およびマッチラインMLがブロック1〜ブロック3に3分割される。1本のマッチラインが3本のマッチラインML1[m]〜ML3[m]に分割されている。
【0215】
ブロック1とブロック2の間には、マッチアンプ前半部61[m]が配置されている。
ブロック3の隣に、マッチアンプ中間部62[m]が配置されている。マッチアンプ中間部62[m]の隣に、マッチアンプ後半部13[m]が配置されている。
【0216】
マッチアンプ前半部61[m]は、ブロック1およびブロック2でエントリ[m]のサーチによって変化したマッチラインML1[m],ML2[m]の電圧を取込んで、ブロック1およびブロック2のエントリ[m]の両方が一致であることを表わす電圧を内部データ配線MAOUT0[m]へ出力する。
【0217】
内部データ配線MAOUT0[m]は、ブロック2およびブロック3を経由してマッチアンプ中間部62[m]に接続する。
【0218】
図25は、マッチアンプ前半部61[m]の構成を表わす図である。
図25のマッチアンプ前半部61[m]は、
図20のマッチアンプ前半部81[m]と同様に、PMOSトランジスタ198,199と、初段NAND回路31,32と、次段NOR回路22とを備える。マッチアンプ前半部61[m]は、さらに、バッファ部BF11を備える。
【0219】
図25のバッファ部BF11は、
図20のマッチアンプ前半部81[m]のバッファ部BF1と同様である。
【0220】
図26は、マッチアンプ中間部62[m]の構成を表わす図である。
図26のマッチアンプ中間部62[m]は、
図21のマッチアンプ中間部82[m]と同様に、PMOSトランジスタ199と、初段NAND回路31を備える。
【0221】
図26のマッチアンプ中間部62[m]は、
図21のマッチアンプ中間部82[m]とは異なり、PMOSトランジスタ198および初段NAND回路32を含まない。
【0222】
図26のマッチアンプ中間部82[m]は、さらに、前段のマッチアンプ出力のMAOUT0[m]のデータ極性を揃えるためのインバータ回路203と、次段NOR回路241と、バッファ部BF12とを備える。
【0223】
図26の次段NOR回路241は、
図21のマッチアンプ中間部82[m]の次段NOR回路24とは異なり、一方の入力が初段NAND回路31の出力と接続され、他方の入力にはインバータ回路203によって内部データ配線MAOUT0が反転されて接続される。次段NOR回路241は、2つの入力の否定論理和をバッファ部BF21によってドライブ能力を増幅し、内部データ配線MAOUT1[m]へ出力する。
【0224】
図26のバッファ部BF12は、
図21のマッチアンプ中間部82[m]のバッファ部BF2と異なり、2段のインバータ201およびインバータ202からなる。
【0225】
図24のマッチアンプ後半部13[m]は、
図6のマッチアンプ後半部13[m]と同様である。
【0226】
なお、5分割〜10分割以上のブロックに分割した場合であっても、各初段NAND回路にダミーサーチ活性化信号DMY_MAEとPMOS11またはPMOS12、NMOS11、NMOS12を追加することで、容易に、初段NANDで強制的に一致データを発生させてマッチアンプを動作させることができる。
【0227】
[第3の実施形態の変形例2]
本変形例のCAMセルアレイおよびマッチアンプの構成は、
図19の第3の実施形態と同様である。
【0228】
図27は、第3の実施形態の変形例2のマッチアンプ前半部491[m]の構成を表わす。
【0229】
図27のマッチアンプ前半部491[m]は、
図4のマッチアンプ前半部11[m]と同様に、PMOSトランジスタ198,199と、初段NAND回路21_A,21_Bと、バッファ部BF1とを備える。
【0230】
図27のマッチアンプ前半部491[m]は、
図4のマッチアンプ前半部11[m]のものとは異なる、インバータIV1と、次段NOR回路63とを備える。
【0231】
図27のインバータIV1は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを反転する。
図27の次段NOR回路63は、
図4の次段NOR回路22と同様にPMOSトランジスタPMOS3,PMOS4、NMOSトランジスタNMOS5,NMOS6を備える。
【0232】
さらに、次段NOR回路63は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを処理するために、PMOSトランジスタPMOS21と、NMOSトランジスタNMOS21とを備える。
【0233】
PMOSトランジスタPMOS21は、VDD電源とノード2aとの間に設けられ、インバータIV1の出力と接続するゲートを有する。PMOSトランジスタPMOS21は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAE=“H”でオンし、次段NOR回路63の出力を“H”に充電する。
【0234】
NMOSトランジスタNMOS21は、NMOSトランジスタNMOS5とNMOS6のドレインと接続するノードNDD2とグランドとの間に設けられ、インバータIV1の出力と接続するゲートを有する。NMOSトランジスタNMOS21は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAE=“H”でオフし、初段NAND回路21_A,21_Bの出力が“H”の場合に、次段NOR回路63の出力がNMOSトランジスタNMOS5とNMOS6からグランドへの放電するのをカットする。
【0235】
図28は、第3の実施形態の変形例2のマッチアンプ中間部492[m]の構成を表わす図である。
【0236】
図28のマッチアンプ中間部492[m]は、
図5のマッチアンプ中間部12[m]と同様に、PMOSトランジスタ198,199と、初段NAND回路23_A,23_Bと、バッファ部BF2とを備える。
【0237】
図28のマッチアンプ中間部492[m]は、
図5のマッチアンプ中間部12[m]のものとは異なる、インバータIV1と、次段NOR回路63とを備える。
【0238】
インバータIV1は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを反転する。
図28の次段NOR回路63は、
図5の次段NOR回路24と同様に、PMOSトランジスタPMOS3,PMOS4、NMOSトランジスタNMOS5,NMOS6を備える。
【0239】
さらに、次段NOR回路63は、ダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを処理するために、PMOSトランジスタPMOS21と、NMOSトランジスタNMOS21とを備える。
【0240】
PMOSトランジスタPMOS21は、VDD電源とノード2bとの間に設けられ、インバータIV1の出力と接続するゲートを有する。
【0241】
NMOSトランジスタNMOS21は、NMOSトランジスタNMOS5とNMOS6のドレインと接続するノードNDD2とグランドとの間に設けられ、インバータIV1の出力と接続するゲートを有する。
【0242】
[第3の実施形態の変形例3]
本変形例のCAMセルアレイおよびマッチアンプの構成は、
図24の第3の実施形態の変形例1と同様である。
【0243】
図29は、第3の実施形態の変形例3のマッチアンプ前半部の構成を表わす図である。
図29のマッチアンプ前半部591[m]は、
図27のマッチアンプ前半部491[m]と同様に、PMOSトランジスタ198,199と、初段NAND回路21_A,21_Bと、次段NOR回路63とを備える。マッチアンプ前半部591[m]は、さらに、バッファ部BF11を備える。
【0244】
バッファ部BF11は、
図27のマッチアンプ前半部491[m]のバッファ部BF1と同様である。
【0245】
図30は、第3の実施形態の変形例3のマッチアンプ中間部の構成を表わす図である。
図30のマッチアンプ中間部592[m]は、
図28のマッチアンプ中間部492[m]と同様に、PMOSトランジスタ199と、初段NAND回路23_Aを備える。
【0246】
図30のマッチアンプ中間部592[m]は、
図28のマッチアンプ中間部492[m]とは異なり、PMOSトランジスタ198および初段NAND回路23_Bを含まない。
【0247】
図30のマッチアンプ中間部592[m]は、さらに、次段NOR回路59と、バッファ部BF12とを備える。また、前段の出力である内部データ配線MAOUT0[m]について、データ極性を合わせるため反転させるインバータ回路203を備える。
【0248】
図30の次段NOR回路59は、
図28のマッチアンプ中間部492[m]の次段NOR回路63と同様に、PMOSトランジスタPMOS3,PMOS21、NMOSトランジスタNMOS5,NMOS21を備える。
【0249】
さらに、
図30の次段NOR回路59は、
図28のマッチアンプ中間部492[m]のものとは異なるPMOSトランジスタPMOS41と、NMOSトランジスタNMOS61とを備える。
【0250】
PMOSトランジスタPMOS41は、VDD電源とPMOSトランジスタPMOS3との間に設けられ、インバータ回路203によって反転された内部データ配線MAOUT0[m]と接続するゲートを有する。
【0251】
NMOSトランジスタNMOS61は、ノード2bとノードNDD2との間に設けられ、インバータ回路203によって反転された内部データ配線MAOUT0[m]と接続するゲートを有する。
【0252】
バッファ部BF12は、
図28のマッチアンプ中間部492[m]のバッファ部BF2と異なり、2段のインバータ201およびインバータ196からなる。
【0253】
第3の実施形態の変形例3で、3分割のマッチラインMLを分割した場合は、例えば
図24のマッチアンプ前半部を
図29のマッチアンプ前半部に変えて、
図24の中間部を
図30に変えて、マッチアンプ前半部、マッチアンプ中間部の各NORにダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを入力することで、容易に、次段NORで強制的に一致データを発生させてダミーサーチ動作をさせることができる。
【0254】
また、1〜(2×n+1)番目(nは自然数)のブロックにマッチラインが分割された場合には、マッチアンプは、第1番目は
図27と同様のマッチアンプ前半部491、第2〜第(n)番目の判定回路は
図28と同様のマッチアンプ中間部492と、第(n+1)番目の判定回路は
図30のマッチアンプ中間部592、出力するラッチ回路は
図6のマッチ
アンプ後半部13[m]と同様のものを備える。また、1エントリごとに、第1〜第(n+1)番目の判定回路と、ラッチ回路とを直列接続する内部データ配線が設けられる。この構成によって、マッチアンプ前半部、各マッチアンプ中間部の各NORにダミーサーチ活性化信号DMY_MAEを入力することで、容易に、次段NORで強制的に一致データを発生させてダミーサーチ動作をさせることができる。
【0255】
[第4の実施形態]
本実施の形態は、第3の実施形態のダミーサーチ動作時にさらに、別の電流を消費させる機能を追加したものである。
【0256】
図31は、タイミング制御回路78の構成を表わす図である。
このタイミング制御回路78は、
図1の制御回路510に含まれる。
【0257】
図31を参照して、タイミング制御回路78は、遅延回路71と、NOR回路72と、インバータ73とを備える。
【0258】
遅延回路71は、2段のインバータ74と76と、インバータ74とインバータ76との間のノードと、グランドとの間に設けられた容量素子75とを含む。
【0259】
遅延回路71は、制御回路510の所定の回路で生成されたプリラッチ信号MALAT0を所定時間遅延させる。
【0260】
スイッチ77は、遅延回路71の出力と、プリラッチ信号MALAT0のいずれかを選択して、NOR回路72へ出力する。スイッチ77は、ダミーサーチ時には、プリラッチ信号MALAT0を選択し、通常時には、遅延回路71の出力(すなわち、プリラッチ信号MALAT0を遅延させた信号)を選択して出力する。
【0261】
NOR回路72は、プリラッチ信号MALAT0と、スイッチ77のプリラッチ信号MALAT0を遅延した出力との反転論理和を出力する。
【0262】
インバータ73は、NOR回路72の出力を反転して、プリラッチ信号MALATを
図6に示すマッチアンプ後半部13[m]のプリラッチ121へ出力する。
【0263】
通常時は、遅延回路71がスイッチ77により選択され、プリラッチ信号MALAT0の立下りエッジのみを遅延させた、プリラッチ信号MALATが出力される。
【0264】
ダミー動作時は
図31のスイッチ77を切り替えて、遅延回路71を非選択として、プリラッチ信号MALATの立下りエッジを通常時より早めることができる。
【0265】
図32は、第4の実施形態のタイミング図である。
図32を参照して、従来は、一致データが伝搬するまでにプリラッチ信号MALATが“L”レベルに活性化されると、スタンバイ状態の不一致状態を表わすデータ(インバリッドデータ)を出力してしまうという問題があった。そのため、プリラッチ信号MALATの立ち下がりエッジを一致データが伝搬するまで遅らせていた。
【0266】
これに対して、本実施の形態では、ダミーサージ動作時には、このプリラッチ信号MALATの立ち下がりエッジをマッチアンプ活性化信号MAEの立ち上がりエッジと同様に早める。これによって、故意にプリラッチにインバリッドデータを伝える。これによって、プリラッチ121内部のデータ配線とその出力であるプリラッチデータ配線を充放電して、消費電流を増やす。これによって、第3の実施形態のダミーサーチ動作のみに比べて、さらに消費電流を増やすことができる。
【0267】
図33は、第4の実施形態、または第5の実施形体、または第6の実施形体における各動作時の電源電圧の振動を説明するための図である。
【0268】
図33に示すように、第3の実施形態と同様に、ダミーサーチ動作をNOP時、SRAM書き込み動作、またはSRAM読み出し動作時に行うことで、電源の揺れを緩和することができる。
【0269】
第4の実施形態では、プリラッチ121内部のデータ配線とその出力であるプリラッチデータ配線を充放電して、消費電力を増やすので、ダミーサーチ動作時の消費電流を通常のサーチ時の消費電流に近づけることができ、電源電圧の揺れをほぼ解消することができる。
【0270】
[第5の実施形態]
図34は、タイミング制御回路88の構成を表わす図である。
【0271】
このタイミング制御回路88は、
図1の制御回路510に含まれる。
図34を参照して、タイミング制御回路88は、遅延回路81と、NOR回路82と、インバータ83とを備える。
【0272】
遅延回路81は、2段のインバータ84と86と、インバータ84とインバータ86との間のノードと、グランドとの間に設けた容量素子85とを含む。
【0273】
遅延回路81は、制御回路510の所定の回路で生成された出力ラッチ信号MALAT_SYNC0を所定時間遅延させる。
【0274】
スイッチ87は、遅延回路81の出力と、出力ラッチ信号MALAT_SYNC0のいずれかを選択して、NOR回路82へ出力する。スイッチ87は、ダミーサーチ時には、出力ラッチ信号MALAT_SYNC0を選択し、通常時には、遅延回路81の出力(すなわち、出力ラッチ信号MALAT_SYNC0を遅延させた信号)を選択して出力する。
【0275】
NOR回路82は、出力ラッチ信号MALAT_SYNC0と、スイッチ87の出力との反転論理和を出力する。
【0276】
インバータ83は、NOR回路82の出力を反転して、出力ラッチ信号MALAT_SYNCを
図6に示すマッチアンプ後半部13[m]の出力ラッチ122へ出力する。
【0277】
通常時は、遅延回路71がスイッチ87により選択され、プリラッチ信号MALAT0の立下りエッジのみを遅延させた、プリラッチ信号MALAT_SYNCが出力される。
【0278】
ダミー動作時は
図31のスイッチ87を切り替えて、遅延回路81を非選択として、プリラッチ信号MALAT_SYNCの立下りエッジを通常時より早めることができる。
【0279】
図35は、第5の実施形態のタイミング図である。
さらに、出力ラッチ信号MALAT_SYNCの立ち下がりエッジをマッチアンプ活性化信号MAEの立ち上がりエッジ、プリラッチ信号MALATの立下りと同様に早める。これによって、出力ラッチ122内部のデータ配線と出力データ配線MAOUTN[m]に、故意にインバリッドデータを伝える。これによって、第4の実施形態よりも、さらに消費電流を増やすことができ、電源電圧の揺れをさらに改善することができる。
【0280】
[第6の実施形態]
第6の実施形態は、第5の実施形態の機能にさらに、さらに出力データ配線を充放電電流を増加する機能を追加する。
【0281】
図36は、第6の実施形態の出力データ配線に接続される負荷容量を説明するための図である。
【0282】
ダミーサーチ負荷容量信号DMY_MAE_Cによって、出力データ配線MAOUTN[m]と接続または非接続とされる負荷容量65を備える。
【0283】
通常動作時には、ダミーサーチ負荷容量信号DMY_MAE_Cが非活性化され、負荷容量65が出力データ配線MAOUTN[m]から切り離される。ダミーサーチ動作時には、ダミーサーチ負荷容量信号DMY_MAE_Cが活性化され、負荷容量65が出力データ配線MAOUTN[m]と接続する。これによって、ダミーサーチ動作時での消費電流をさらに増加することができる。
【0284】
[第6の実施形態の変形例1]
図37は、第6の実施形態の変形例1の出力データ配線に接続される負荷容量を説明するための図である。
【0285】
ダミーサーチ負荷容量信号DMY_MAE_C[0]〜DMY_MAE_C[n]によって、出力データ配線MAOUTN[m]と接続または非接続とされる負荷容量61_0〜61_nが設けられる。
【0286】
ダミーサーチ負荷容量信号DMY_MAE_C[0]〜DMY_MAE_C[n]により、負荷容量61_0〜61_nを活性化する個数を切り替えることによって、動作モード(書き込み、読出し、NOP)に応じた、消費電流の大きさに調整することができる。
【0287】
[全体を通じた変形例]
CAMセルの構成は、
図2で説明したものに限定されるものではない。
【0288】
図38は、CAMセルの変形例の構成を表わす図である。
このCAMセルはTCAM(Ternary CAM)と呼ばれるもので、“L”か“H”、“Always Hit(常時一致)”、“Always Miss(常時不一致)”の4値の内の何れか1つを格納できる。これらのCAMセルは用途によって構成を選択することができる。また、DRAMやロジックでCAMセルを構成する場合もある。また、CAMセル内の各SRAMはデータベースの書き込みが可能で、ベリファイ(正常にデータ書き込みが行われているかの確認)用に読み出しも可能である。
【0289】
図38に示すように、CAMセル1601は、SRAMXと、SRAMYと、サーチ部1351を備える。
【0290】
SRAMX、およびSRAMYは、それぞれ“L”または“H”の2値の何れか1つを格納する。
【0291】
サーチ部1351は、サーチトランジスタN155〜N158で構成される。サーチトランジスタN155〜N158は、オフリーク電流を軽減するために、HVthのNMOSを使用している。サーチトランジスタN158のゲートは、サーチデータを表わすサーチラインSLと接続する。サーチトランジスタN156のゲートは、サーチデータを表わすサーチライン/SLと接続する。
【0292】
サーチラインSLが“H”であり、かつSRAMXの内部/BLが“H”であるとき、またはサーチライン/SLが“H”であり、SRAMYの内部BLが“H”のときには、予めマッチラインMLにプリチャージしておいた高電位がグランドに放電される。
【0293】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。