(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アンケート管理サーバと、店舗や交通機関における店舗端末と、アンケートに回答するユーザが所持するユーザ携帯端末とが交信可能に接続されたアンケート実施システムであって、
前記店舗端末は、
前記ユーザ携帯端末の接近を検知する近距離無線通信部と、
前記ユーザ携帯端末が前記店舗端末に接近した際に、前記アンケート管理サーバに特定のアンケートデータを抽出するためのリクエスト情報を前記ユーザの求めに応じて送信するリクエスト情報送信部と、を備え、
前記アンケート管理サーバは、
アンケートデータの入力を受け付けるアンケートデータ受付部と、
前記アンケートデータを格納するアンケートデータDBと、
前記リクエスト情報を基に、特定のアンケートデータを抽出するアンケートデータ抽出部と、
前記抽出したアンケートデータを、前記ユーザ携帯端末に送信するアンケートデータ送信部と、を備え、
前記ユーザ携帯端末は、
前記アンケート管理サーバから前記抽出されたアンケートデータを受信し、前記受信したアンケートデータを格納する受信アンケートデータ格納部と、
前記ユーザ携帯端末が特定の場所で使用されたか否かに基づき、前記アンケートへの回答を促進できる所定のタイミングかどうかを判断し、前記所定のタイミングで前記アンケートデータの回答を促すアンケート回答促進部と、
前記格納されたアンケートデータを表示し、前記アンケートデータの回答入力を受け付けるアンケート回答入力部と、
前記アンケートデータの回答を、前記アンケート管理サーバに送信するアンケート回答送信部と、
を備える、ことを特徴とする、アンケート実施システム。
前記アンケート管理サーバは、選択可能なアンケートを前記店舗端末に送信し、前記店舗端末は、前記送信されたアンケートから1以上のアンケートを、前記店舗端末の店員に選択させる第一アンケート選択部をさらに備え、前記選択されたアンケートを前記ユーザ携帯端末に送信する、ことを特徴とする請求項1に記載のアンケート実施システム。
前記アンケート管理サーバは、選択可能なアンケートを前記ユーザ携帯端末に送信し、前記ユーザ携帯端末は、前記送信されたアンケートから1以上のアンケートを、前記ユーザに選択させる第二アンケート選択部をさらに備える、ことを特徴とする、請求項1に記載のアンケート実施システム。
前記所定のタイミングは、前記ユーザ携帯端末が、特定の場所に所定の時間滞留していることに基づくタイミングである、ことを特徴とする請求項1に記載のアンケート実施システム。
アンケート管理サーバと、店舗や交通機関における店舗端末と、アンケートに回答するユーザが所持するユーザ携帯端末とが交信可能に接続されたシステムが実行するアンケート実施方法であって、
前記店舗端末が、
前記ユーザ携帯端末の接近を検知するステップと、
前記ユーザ携帯端末が前記店舗端末に接近した際に、前記アンケート管理サーバに特定のアンケートデータを抽出するためのリクエスト情報を前記ユーザの求めに応じて送信するステップと、を有し、
前記アンケート管理サーバが、
アンケートデータの入力を受け付けるステップと、
前記アンケートデータを格納するステップと、
前記リクエスト情報を基に、特定のアンケートデータを抽出するステップと、
前記抽出したアンケートデータを、前記ユーザ携帯端末に送信するステップと、を有し、
前記ユーザ携帯端末が、
前記アンケート管理サーバから前記抽出されたアンケートデータを受信し、前記受信したアンケートデータを格納するステップと、
前記ユーザ携帯端末が特定の場所で使用されたか否かに基づき、前記アンケートへの回答を促進できる所定のタイミングかどうかを判断し、前記所定のタイミングで前記アンケートデータの回答を促すステップと、
前記格納されたアンケートデータを表示し、前記アンケートデータの回答入力を受け付けるステップと、
前記アンケートデータの回答を、前記アンケート管理サーバに送信するステップと、
を有する、ことを特徴とする、アンケート実施方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の特許文献1、2のように、電子メールやQRコード(登録商標)を利用して、ユーザが容易にアンケートに回答できるシステムを構築しても、ユーザがアンケートに回答するタイミングを誤ると、回答を回収できる確率が下がってしまったり、適切な意見を回収できない場合も多い。
【0007】
例えば、QRコード(登録商標)を読み取って、アンケートサイトにアクセスする手続は、この手続自体がユーザにとって面倒と感じられることが多く、アンケートに回答されないことが多い。また、アンケートサイトを利用した収集は、通信状態の悪い場所では利用できないため、効率的な回収ができないといった問題がある。さらに、Webページで提供するアンケートサイトでは、回答を途中で中断せざるを得なかった場合に、回答の保存ができず、保存できなかった場合に、最初からやり直さないといけないことが多い。さらに、電子メールなどでアンケートの回答を促す場合、ユーザの状況が分からないので、アンケートに集中できるタイミングではないことも多く、アンケートを配布するトリガーが店舗訪問や商品購入といった状況に限定され、アンケートの内容は、訪問した店舗や購入した商品に関する画一的なものに限定されることが多い。
【0008】
加えて、アンケートの回収の希望者も、利用するユーザの個別の状況に即して、具体的にアンケートを収集したいという要望がある。すなわち、具体的なユーザの行動に応じて、適切なアンケートを適宜集めたいという要望である。
【0009】
そこで、本発明者は、商品やサービスの提供を受けた後に、ユーザがアンケートに答えられるのではないかと推測できる適切なタイミング(特に用事がないために、ゆっくりとアンケートに回答できるタイミング)に、アンケートの提示を行うことで、アンケートの回収効率と内容の正確性が高められるのではないかという点に着目した。
【0010】
本発明では、ユーザにとってアンケートに回答できる好適なタイミングで、ユーザにアンケートを提示することが可能なアンケート実施システム、及びアンケート実施方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、本発明は、以下のような解決手段を備える。
【0012】
(1) アンケート管理サーバと、店舗や交通機関における店舗端末と、アンケートに回答するユーザが所持するユーザ携帯端末とが交信可能に接続されたアンケート実施システムであって、前記店舗端末は、前記ユーザ携帯端末の接近を検知する近距離無線通信部と、前記ユーザ携帯端末が前記店舗端末に接近した際に、前記アンケート管理サーバに特定のアンケートデータを抽出するためのリクエスト情報を前記ユーザの求めに応じて送信するリクエスト情報送信部と、を備え、前記アンケート管理サーバは、アンケートデータの入力を受け付けるアンケートデータ受付部と、前記アンケートデータを格納するアンケートデータDBと、前記リクエスト情報を基に、特定のアンケートデータを抽出するアンケートデータ抽出部と、前記抽出したアンケートデータを、前記ユーザ携帯端末に送信するアンケートデータ送信部と、を備え、前記ユーザ携帯端末は、前記アンケート管理サーバから前記抽出されたアンケートデータを受信し、前記受信したアンケートデータを格納する受信アンケートデータ格納部と、
前記ユーザ携帯端末が特定の場所で使用されたか否かに基づき、前記アンケートへの回答を促進できる所定のタイミングかどうかを判断し、前記所定のタイミングで前記アンケートデータの回答を促すアンケート回答促進部と、前記格納されたアンケートデータを表示し、前記アンケートデータの回答入力を受
け付けるアンケート回答入力部と、前記アンケートデータの回答を、前記アンケート管理サーバに送信するアンケート回答送信部と、を備える、ことを特徴とする。
【0013】
(1)の発明によれば、アプリケーション等の所定のプログラムにより、ユーザの携帯端末をアンケート回答のための端末として利用し、アンケートの回答を受付けるにあたって、店舗端末がユーザ携帯端末が接近したことを近距離無線通信によって検知し、ユーザ携帯端末が、アンケート管理サーバからアンケートデータを受信し、受信したアンケートデータを、所定のタイミングで表示して、ユーザのアンケートの回答入力を促す。また、アンケートの回答を一時的に保存することを可能として、完了したアンケートの回答を、アンケート管理サーバに送信する。
【0014】
したがって、(1)の発明によれば、ユーザ携帯端末に、街中でのユーザの行動につれてアンケートが溜まっていき、車内や飲食店や自宅などゆとりのあるところでゆっくりそれらに回答することが可能となる。また、アンケートデータをユーザ携帯端末内に保存できるので、ネットワークに接続されていない状態であっても回答を準備し、後に送信することができる。
【0015】
なお、ここで「店舗端末」とは、POS(Point Of Sale system)端末、キャッシュレジスタ、電子式店頭看板、店舗入退場管理装置のような、通常、店舗内やその周辺で使用される端末や装置の他、駅の自動改札機、バスの乗降口に設置されるICカード対応運賃精算機を含むものとする。また、「アンケートデータ」とは、アンケート文(アンケートの質問文)の他、場合によっては、店舗ID、店舗端末ID、伝票番号、購入商品情報、乗車駅ID、下車駅ID、ICカードから取得できるユーザ情報を含んでよいものとする。
【0016】
(2) 前記アンケート管理サーバは、選択可能なアンケートを前記店舗端末に送信し、前記店舗端末は、前記送信されたアンケートから1以上のアンケートを、前記店舗端末の店員に選択させる第一アンケート選択部をさらに備え、前記選択されたアンケートを前記ユーザ携帯端末に送信する、ことを特徴とする。
【0017】
したがって、例えばコンビニのレジなどで、顧客の情報(顧客の外見や風貌など)に基づいて、店員がその顧客向けのアンケートデータを選択し、その選択に応じて、アンケート管理サーバがユーザ携帯端末にアンケートを送信することが可能となる。
【0018】
(3) 前記アンケート管理サーバは、選択可能なアンケートを前記ユーザ携帯端末に送信し、前記ユーザ携帯端末は、前記送信されたアンケートから1以上のアンケートを、前記ユーザに選択させる第二アンケート選択部をさらに備える、ことを特徴とする。
【0019】
したがって、ユーザは、自己の意思にもとづいて、アンケートデータを選択することが可能となる。
【0020】
(4) 前記
特定の場所は、自動改札機、ファーストフード店、カフェ又は前記ユーザの自宅であることを特徴とする。
【0021】
したがって、例えば、ユーザ携帯端末が、駅の自動改札機を通過したことを検知し、一定時間経過後に、すなわち、車内にいるタイミングでアンケートの回答を促すということが可能となる。
【0022】
(5) 前記所定のタイミングは、前記ユーザ携帯端末が、特定の場所に所定の時間滞留していることに基づくタイミングである、ことを特徴とする。
【0023】
したがって、例えば、ユーザ携帯端末が、喫茶店などの特定の場所で飲食等を行うため、所定の時間滞在していることを検知し、そのタイミングでアンケートの回答を促すということが可能となる。
【0024】
また、本発明は、システムにおける下記のようなアンケート実施方法の発明、アンケート回答端末としての機能を有するユーザ携帯端末の発明、またはユーザ携帯端末が実行するアンケートの実施方法の発明と捉えることもできる。
【0025】
(6) アンケート管理サーバと、店舗や交通機関における店舗端末と、アンケートに回答するユーザが所持するユーザ携帯端末とが交信可能に接続されたシステムが実行するアンケート実施方法であって、前記店舗端末が、前記ユーザ携帯端末の接近を検知するステップと、前記ユーザ携帯端末が前記店舗端末に接近した際に、前記アンケート管理サーバに特定のアンケートデータを抽出するためのリクエスト情報を前記ユーザの求めに応じて送信するステップと、を有し、前記アンケート管理サーバが、アンケートデータの入力を受け付けるステップと、前記アンケートデータを格納するステップと、前記リクエスト情報を基に、特定のアンケートデータを抽出するステップと、前記抽出したアンケートデータを、前記ユーザ携帯端末に送信するステップと、を有し、前記ユーザ携帯端末が、前記アンケート管理サーバから前記抽出されたアンケートデータを受信し、前記受信したアンケートデータを格納するステップと、
前記ユーザ携帯端末が特定の場所で使用されたか否かに基づき、前記アンケートへの回答を促進できる所定のタイミングかどうかを判断し、前記所定のタイミングで前記アンケートデータの回答を促すステップと、前記格納されたアンケートデータを表示し、前記アンケートデータの回答入力を受
け付けるステップと、前記アンケートデータの回答を、前記アンケート管理サーバに送信するステップと、を有する、ことを特徴とする。
【0026】
(7) アンケートデータを管理するアンケート管理サーバと交信可能に接続され
、アンケー
トに回答するユーザが所持するユーザ携帯端末であって、前記アンケート管理サーバに対して、アンケートデータの送信を要求またはアンケートデータ送信要求に応答し、前記アンケート管理サーバから送信されたアンケートデータを受信し格納する受信アンケートデータ格納部と、
前記ユーザ携帯端末が特定の場所で使用されたか否かに基づき、前記アンケートへの回答を促進できる所定のタイミングかどうかを判断し、前記所定のタイミングで、前記アンケートデータの回答を前記ユーザに対して促すアンケート回答促進部と、前記格納されたアンケートデータを表示し、前記ユーザから前記アンケートデータの回答入力を受
け付けるアンケート回答入力部と、前記アンケートデータの回答を、前記アンケート管理サーバに送信するアンケート回答送信部と、を備える、ことを特徴とする。
【0027】
(8) アンケートデータを管理するアンケート管理サーバと交信可能に接続され
、アンケー
トに回答するユーザが所持するユーザ携帯端末が実行するアンケート実施方法であって、前記アンケート管理サーバに対して、アンケートデータの送信を要求またはアンケートデータ送信要求に応答し、前記アンケート管理サーバから送信されたアンケートデータを受信し格納する受信アンケートデータ格納ステップと、
前記ユーザ携帯端末が特定の場所で使用されたか否かに基づき、前記アンケートへの回答を促進できる所定のタイミングかどうかを判断し、前記所定のタイミングで、前記アンケートデータの回答を前記ユーザに対して促すアンケート回答促進ステップと、前記格納されたアンケートデータを表示し、前記ユーザから前記アンケートデータの回答入力を受
け付けるアンケート回答入力ステップと、前記アンケートデータの回答を、前記アンケート管理サーバに送信するアンケート回答送信ステップと、を有する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、ユーザにとって好適なタイミングで、ユーザにアンケートを提示することが可能なアンケート実施システム、アンケート実施方法、及びアンケートの回答するための好適なユーザ携帯端末を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
【0031】
[全体構成と各構成の機能]
図1は、本発明の実施形態に係るアンケート実施システム(以下、本システムと呼ぶ)の機能ブロックを示す図である。本システムは、アンケート管理サーバ10と、ユーザ携帯端末20と、店舗端末30とが相互に通信可能に接続されたシステムである。
【0032】
アンケート管理サーバ10は、ユーザ携帯端末20、店舗端末10と通信可能なサーバコンピュータであって、ユーザ端末通信部101、店舗端末通信部102、アンケートデータ送信部103、アンケートデータ抽出部104、アンケートデータ受付部105、及びアンケートデータDB106を備える。アンケート管理サーバ10は、アンケートをユーザ携帯端末20に送信して表示させ、ユーザ50からアンケートの回答を求め、収集する。なお、アンケート管理サーバ10は、店舗や交通機関の事業者が自己の施設内に設置するが、アンケートの提示と回収のサービスを提供する業者に運営を委託してもよい。
【0033】
ユーザ端末通信部101は、ネットワーク40を介したユーザ携帯端末20との通信を制御する。ネットワーク40は、インターネットのような広域ネットワークの他、域内ネットワークであってもよい。
【0034】
店舗端末通信部102は、店舗端末30との通信を制御する。この通信手段は、有線でも無線であってもよいが、ネットワークは施設内のLANであってよい。
【0035】
アンケートデータ送信部103は、ユーザ携帯端末20または店舗端末30の求めに応じて、アンケートの送信をユーザ携帯端末20に送信する。このとき店舗端末30を経由するようにしてもよい。
【0036】
アンケートデータ受付部105は、アンケート作成者70からのアンケート文及びそのアンケートに関する付随情報(両者を合わせアンケートデータと呼ぶ)を受け付け、アンケートデータDB106に格納する。
【0037】
アンケートデータ抽出部104は、ユーザ携帯端末20または店舗端末30の求めに応じて、アンケートデータDB106からアンケートの抽出を行う。
【0038】
ユーザ携帯端末20は、アンケート回答入力部201、第二近距離無線通信部202、アンケート回答促進部203、第二アンケートデータ選択部204、アンケート回答送信部205、受信アンケートデータ格納部206、サーバ第二通信部207から構成される。
【0039】
ユーザ携帯端末20は、アンケートの表示、回答のための入力が可能な携帯型のコンピュータ端末であって、携帯電話、スマートフォン、スレート端末、ノートパソコン、電子書籍端末等であってよい。また、GPS(Global Positioning System)のような位置情報検出手段を備えることが望ましい。
【0040】
アンケート回答入力部201は、ユーザからのアンケートの回答を受け付けるユーザ・インターフェース部である。
【0041】
第二近距離無線通信部202は、店舗端末30との近距離無線通信を制御する。ここでいう近距離無線通信とは、通信距離が数センチから10メートル程度のものを言う。
【0042】
アンケート回答促進部203は、ユーザ50に対して、ユーザ携帯端末20の内部のメモリに、未回答のアンケートデータが保存されていれば、所定のタイミングでユーザ50に対してアンケートに回答するように促す機能を持っている。所定のタイミングとは、ユーザがゆっくりとアンケートに答えやすいタイミング(場所及び時間を含む)を言うが、詳しくは後述する。
【0043】
第二アンケートデータ選択部204は、ユーザ50に対して、取得したアンケートリストから興味のあるアンケートを選択させるためのユーザ・インターフェースを提供する。
【0044】
アンケート回答送信部205は、回答済みのアンケートデータを、アンケート管理サーバ10に送信する役目を果たす。このとき、ユーザ携帯端末20がネットワーク40に接続中であるか否かを判断し、ネットワーク40に接続中であると判断した場合は、保存した回答済みのアンケートデータを、アンケート管理サーバ10に送信する。これに応じて、アンケート管理サーバ10は、アンケート回答済みアンケートデータを受信してアンケートデータDB106に格納する。また、ネットワーク40に接続されていない場合には、ネットワーク40に接続した時点で自動的にアンケートが送信することができる。
【0045】
受信アンケートデータ格納部206は、アンケート管理サーバ10から、または店舗端末30経由でアンケートデータを受信し、内部の不揮発性メモリに格納する。
【0046】
サーバ第二通信部207は、アンケート管理サーバ10と、ネットワーク40を介した通信を制御する。
【0047】
店舗端末30は、一般的には、店舗施設に設置されるPOS端末、キャッシュレジスタであるが、店頭に設置された電子式看板や、店舗入口付近に設置された入退場管理装置のようなものであってもよい。また、店舗に限らず、駅の自動改札機や、バスの乗車口などに設置されるICカード対応運賃精算機であってもよい。
【0048】
店舗端末30は、近距離無線通信部301、リクエスト情報送信部302、第一アンケートデータ選択部303、サーバ第一通信部304を備えている。
【0049】
近距離無線通信部301は、ユーザ携帯端末20との前述の近距離無線通信を制御する。また、ユーザ携帯端末20が店舗端末30に無線到達距離内に接近したかどうかを検知する機能も果たす。なお、非接触型のICカード等との通信も、この近距離無線通信部301で制御される。
【0050】
リクエスト情報送信部302は、ユーザ携帯端末20が店舗端末30に接近した際に、アンケート管理サーバ10に対して、特定のアンケートデータを抽出するためのリクエスト情報をユーザ50の求めに応じて送信する。
【0051】
第一アンケートデータ選択部303は、アンケート管理サーバ10から送信されたアンケートデータから、1以上のアンケートを、店舗端末の店員に選択させるためのユーザ・インターフェース部である。第一アンケートデータ選択部303について詳しくは後述する。
【0052】
サーバ第一通信部304は、アンケート管理サーバ10との通信を制御する。
【0053】
上述した各機能部は、コンピュータ(CPU、サーバ、装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0054】
図2は、本発明の実施形態に係るアンケート実施システムにおける店舗端末30のイメージを示す図である。
【0055】
店舗端末30は、既に述べたように、POS端末、キャッシュレジスタ、電子式店頭看板、店舗入退場管理装置のような通常、店舗内やその周辺で使用される端末や装置の他、駅の自動改札機、バスの乗車口などに設置されるICカード対応運賃精算機を含むものとする。
【0056】
店舗端末30のうち、特に、キャッシュレジスタのような決算機能を持った端末は、電子乗車券や電子マネーを読出す機能を持ち、電車やバス、売店等の各商品やサービスが提供される場所に設置される端末であるため決算端末と呼ぶことがある。
【0057】
図2には、店舗端末30の例として、ICカードリーダを備えたキャッシュレジスタ30a、電子式店頭看板30b、ICカード対応運賃精算機30c、自動改札機30dが示されている。ICカードリーダは、ICカードの記憶部に記憶された電子マネー等に関するデータと、カードの識別情報を読取り可能な装置である。
【0058】
[アンケート実施処理]
図3、
図4に基づいて、ユーザ携帯端末20とアンケート管理サーバ10が実行するアンケート実施処理について説明する。
【0059】
本システムのアンケート実施処理には、2つの処理モードがあり、回答するアンケートをユーザ自身が選択するユーザ選択モードと、ユーザに適した、あるいは、そのユーザにぜひ回答してほしいアンケートを、店舗の店員がユーザの外見や風貌を見て、選択できる店員選択モードがある。
図3は、ユーザ選択モードのアンケート実施処理を示したものであり、
図4は、店員選択モードのアンケート実施処理を示したものである。どちらのモードを使用するかは、店舗端末30の設定によるものとする。
【0060】
まず、
図3のユーザ選択モードについて説明する。図中のステップ番号は、この順に処理が進むことを想定して付されている。なお、ここでは簡略化のため、アンケート管理サーバ10をサーバ10、ユーザ携帯端末20を端末20、店舗端末30を端末30と略すことにする。
【0061】
まず、店舗端末30(端末30)のステップS01において、ユーザ携帯端末20(端末20)の接近があるかどうかを検知する。接近があれば、アンケート伺いを端末20に対して送信する。「アンケート伺い」とは、ユーザがアンケートを受け取る用意があるかどうかを問い合わせるためのメッセージである。なお、前記接近とは、支払いや改札通過のためにユーザ携帯端末をICカードリーダに読み取らせる行為だけでなく、例えば広告看板の傍に設置したアンケート送信のための無線通信装置の通信可能範囲内にユーザ携帯端末が入ることなども含むものである。
【0062】
端末20側でアンケート伺いを受信すると、ステップS03において、それを承認するかどうかの判断がユーザに求められる。ユーザが承認すると、ステップS04において、承認通知が端末30に送信される。このようにすることで、ユーザは、望まない場合はアンケートを受信することを拒否することができる。
【0063】
端末30では、承認通知を受信すると、ステップS06において、現在の店舗の状況に適したアンケートをデータベースから抽出するためのリクエスト情報がサーバ10に送信される。求めるアンケートの条件をリクエスト情報に加えてもよい。なお、ステップS05において、一定時間、承認通知が来なかった場合、あるいは否認通知を受け取った場合には、そのまま処理を終了する。
【0064】
アンケート管理サーバ10(サーバ10)側では、ステップS07において、リクエスト情報がきているかどうかが常にチェックされている。リクエストがあれば、求められた条件のアンケートデータの抽出を行う(ステップS08)。抽出したアンケートのリストは端末20に直接送信される(ステップS09)。もちろん、端末30を経由して送信してもよい。
【0065】
また、アンケートデータの抽出は、
図7に示すアンケート管理テーブルに基づいて行われてもよい。例えば、端末20は、決算端末である端末30から購入した商品やサービスの内容に関するデータを取得する。その取得したデータを、端末20は、サーバ10に送信して、アンケート管理テーブルを参照する。そして、商品やサービスの内容に対応するアンケートデータを抽出する。
図7の例では、商品・サービス内容が「新ブレンドコーヒー」であれば、「朝食の新しいコーヒーはどうでしたか?」のアンケートデータが抽出される。
【0066】
端末20側では、ステップS10において、アンケートリストが受信されるまで所定の時間待機している。アンケートリストを受信すると、それを表示し(ステップS11)、ユーザに対してアンケートの選択を求める。このようにすることで、ユーザは興味のあるアンケートのみを自分の端末に保存することができるのでメモリの浪費を防ぐことができる。もちろん、ユーザがアンケートに回答すると、なんらかの特典が与えられるようにしてもよいのは言うまでもない。
【0067】
ユーザがアンケートリストの中からアンケートを一または複数選択すると(ステップS12;YES)、アンケートの中身(アンケートデータ)を送信してもらうためのアンケート送信要求がサーバ10に対して送信される。もっとも、アンケートリストに含まれるアンケートの量が少ないときは、アンケートリストと共に、アンケートデータが含まれていてもよい。
【0068】
サーバ10側では、アンケート送信要求を受けたら、ステップS15において、アンケートデータを直接端末20に送信する。もちろん、端末30を経由して送信してもよい。
【0069】
端末20側では、ステップS16において、アンケートデータを受信するまで待機する。アンケートデータを受信すると、端末20内の不揮発性メモリに一時的に保存する(ステップS17)。このようにしてすべての処理が完了する。
【0070】
次に、
図4の店員選択モードについて説明する。図中のステップ番号は、
図3とまったく同じものには
図3と同じステップ番号で示し、
図3の場合と対応する処理ではあるが完全には同じでないものは、「S01a」のように「a」を付して区別している。以下は、
図3と異なる部分のみを主に説明する。
【0071】
店舗端末30のステップS01は、
図3のステップS01とまったく同様である。ただし、店員選択モードでは、ステップS01で端末20の接近を検知した後、ユーザにアンケートを受ける用意があるかどうかを問い合わせるための
図3のステップS02〜S05の処理が省略され、直ちにステップS02aにおいて、リクエスト情報の送信がサーバ10に対して行われる。もっともユーザの承認処理を必ず省略しなければならないわけではない。
【0072】
サーバ10側のステップS07,S09〜S15は、
図3の場合とまったく同じである。ただし、ステップS08aにおいて、抽出したアンケートのリストの送信が端末20にではなく、端末30に対して行われる点が異なっている。
【0073】
また、このとき抽出されるアンケートのリストは、店員向けのものであり、ユーザ向けのものとは異なる点に注意する。このアンケートリストには、電子データでは取得できない顧客の情報(例えば、ロンゲであるとか、ひげを生やしているとか、地味な服装であるとか、店員が直に目でみた情報)に基づいて、店員がその人向けのアンケートを選択しやすいようになっている。すなわち、例えば、ユーザの外見や風貌ごとに、選択できるアンケートのリストがあらかじめ用意されていると考えればよい。
【0074】
端末30のステップS10aにおいて、アンケートのリストを受信したことが確認されると、ステップS11aにおいて、そのリストを端末30に表示する。店員が表示されたリストから、一または複数のアンケートを選択すると(ステップS12a;YES)、アンケート送信要求がサーバ10に送信される。サーバ10のステップS15では、選択されたアンケートが直接端末20に送信される。もちろん、端末30を経由してもよい。
【0075】
端末20側の以降の処理は、
図3とまったく同様であり、ステップS17において、受信したアンケートを端末20内に保存してすべての処理が終了する。
【0076】
[アンケート回答促進処理]
次に、
図5に基づいて、ユーザ携帯端末20(端末20)が実行するアンケート回答促進処理について説明する。
【0077】
端末20は、まず、ステップS21において、未回答のアンケートが端末内に保存されているかどうかをチェックする。未回答のアンケートが保存されていなければ、処理を終了するが、未回答のアンケートがあれば、ステップS22に進む。
【0078】
ステップS22においては、端末20が「特定の場所」で使用されたか否かに基づき、アンケートへの回答を促進するタイミングかどうかを判断する。例えば、端末20を特定の場所で使用した後に一定時間経過したかどうかを判断する。「特定の場所」とは、ユーザがアンケートに対して回答するのに適していると管理者が設定している場所(例えば、車内や飲食店等)に、まもなく行く可能性が高い場所である。例えば、自動改札機を通過した数分後には電車に乗っていることが推定できるので、乗車中のタイミングを捉えることができる。または、ファーストフード店などで、端末20を使って支払をした後の数分後には、席に座ってコーヒー等を飲んでいることが推定できるので、席に座って落ち着いているタイミングを捉えることができる。この例では、自動改札機とファーストフード店のカウンターが特定の場所である。なお、当該アンケート回答促進部が端末20が特定の場所で使用されたことを検知する方法は、当該アンケート回答促進部が端末20と店舗端末との近距離無線通信を捉えて判断することでもよいし、アンケート管理サーバ10から当該アンケート回答促進部203に特定の場所で使用されたことが通知されることでもよい。
【0079】
特定の場所での端末20の使用がないと判断した場合(ステップS22;NO)は、ステップS23に進み、今度は、特定の場所に留まって所定時間経過したか否かを判断する。例えば、ステップS23では、GPSなどの機能を活用して、端末20の移動履歴を取得し、特定の場所に所定の時間滞在しているかどうかを判断する。ここでの「特定の場所」には、ICカードによる決算端末を設置していないカフェやユーザの自宅など、端末20を使って買い物や電車に乗ったりすることができない場所も含む。また、ICカードによる決算端末を設置しているカフェで、端末20を使用せず現金による支払がされた場合でも、この機能によりその場所に滞在していることを捉えることが出来る。特定の場所で所定時間滞在しているということは、端末20の使用はしていないが、ユーザがゆったり過ごしている時間と推定できるので、アンケートの回答をすることに適したタイミングと捉えることができる。
【0080】
なお、当該アンケート回答促進部203が端末20が特定の場所に留まっていることを検知する方法は、当該アンケート回答促進部203が端末20のGPS機能から位置情報を取得して行うものでもよいし、アンケート管理サーバ10が端末20の位置情報をモニターしてから特定の場所に滞留していることを当該アンケート回答促進部203に通知することでもよい。
【0081】
ステップS22;YESまたは、ステップS23;Yesと判断した場合は、ステップS24のアンケート回答促進部に処理を移す。アンケート回答促進処理とは、アンケート一覧やアンケート文そのものを端末20に表示することであってもよいが、さらにアンケートの回答を促進するために、促進メッセージを表示したり、音、振動、アイコンを点滅するような、ユーザに対する通知処理であってもよい。なお、ステップS22、ステップS23は、必ずしもステップS22の後にステップS23を実行しなければならないものではなく、アンケート管理者の設定により順序を変えたり、どちらか一方だけを実施することが可能なものである。
【0082】
図6は、端末20に表示されるアンケートデータの具体例である。この画面において、アンケートに対する回答をユーザから受付けることが可能であり、「はい」、「いいえ」、「おいしい」、「普通」などのアイコンを操作することで、回答を受付ける。
【0083】
アンケート回答促進処理によって、ユーザがアンケートに回答したかどうかが判断され(ステップS25)、アンケートの回答が行われていれば、アンケートの回答をサーバ10に送信する(ステップS26)。このとき、端末20内のメモリからそのアンケートに関するデータが消去される(消去せず、保存しておくことも可能とする)。
【0084】
そして、ステップS27において、他に未回答のアンケートがあるかどうかがチェックされ、未回答のアンケートがなければ、処理を終了する。未回答のアンケートがあればステップS22に処理を戻す。このようにして、すべて未回答のアンケートがなくなるまで処理が続けられる。もちろん、ユーザが途中で強制的に処理を中断できるのは言うまでもない。なお、アンケート回答中であっても途中までのデータを保存することが可能である。
【0085】
上記の実施形態では、店舗をはじめ、電車、バス等の交通機関における店舗端末30において本システムの適用例を主に説明したが、店舗端末30は、テーマパークの乗り物に乗るために設置された端末であってもよい。例えば、観覧車の入場ゲートに設置され、乗客のキップをチェックする端末などである。また、テーマパークで乗り物に乗った際に、近辺の端末からアンケートを配布し、カフェや待ち行列中など特定のスポットで回答を促すことができる。
【0086】
さらに、別の実施例として、自動改札機を通過したときに、改札脇の広告を見たか、それは何の広告であったか、何が印象に残ったかといったアンケートを自動改札機から配布したり、店の前の広告看板の前に来た人にアンケートを広告看板から配布したり、百貨店、ショッピングモール内で組織的に配置した端末からアンケートを配布し、回答者には関連のクーポンを配信することなどができる。
【0087】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。