(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の照明装置においては、比較的に短い時間に亘る外乱光に対しては誤って消灯されることが抑制されるものの、照度センサが長時間に亘って外乱光を受けた場合には夜間であっても日出時間であるとして消灯されるおそれがある。外乱光がなくなった場合には、照度レベルが所定値以下となることで再び灯具が点灯される。このような夜間における照明装置の誤動作が懸念されていた。この懸念に対して、照度レベルが所定値以下となる日没から日出までの一定時間に亘って照度レベルに関わらず消灯を継続する構成も考えられるものの、この構成においては季節や天気に応じて変化する日没及び日出の時間に対応した上記一定時間を設定するのが困難であった。
【0007】
また、上記特許文献1及び2を組み合わせた構成においては、人又は車の接近が検出されて灯具が全点灯されたときにその灯具からの光が外乱光と同様に作用して、上記同様の誤動作が懸念される。
【0008】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より日没及び日出の時間に応じた点灯制御が可能となる照明装置及びそれを備えた照明システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、照度を検出する照明装置用照度センサと、前記照明装置用照度センサの検出結果に基づき照度を認識し、その照度が日没及び日出の判断基準となる暗明検出用しきい値を超えているとき灯具を消灯するとともに、その照度が暗明検出用しきい値以下となったときから、日没から日出までの時間に基づき設定される点灯時間に亘って前記照明装置用照度センサの検出結果に関わらず灯具を点灯可能とし、その点灯時間が経過したときに認識した照度が前記暗明検出用しきい値未満である旨判断すると、次回に照度が前記暗明検出用しきい値以下となったときの点灯時間を第1の調整時間だけ長く設定し、前記点灯時間が経過したときに認識した照度が前記暗明検出用しきい値を超えている旨判断すると、次回に照度が前記暗明検出用しきい値以下となったときの点灯時間を第2の調整時間だけ短く設定する照明装置用制御装置と、を備えたことをその要旨としている。
【0010】
同構成によれば、照明装置用制御装置は、照度が暗明検出用しきい値以下となったときから点灯時間に亘って照度センサの検出結果に関わらず灯具を点灯する。よって、点灯時間、すなわち日没から日出までの夜間において、照度センサが例えば車のヘッドライト等の外乱光を受けた場合であっても消灯されることが防止される。
【0011】
また、照明装置用制御装置は、点灯時間が経過したときに認識した照度が暗明検出用しきい値未満である旨判断すると、今回の点灯時間が実際の日没から日出までの時間に対して短いとして、次回に照度が暗明検出用しきい値以下となったとき(日没時)からの点灯時間を第1の調整時間だけ長く設定する。照明装置用制御装置は、点灯時間が経過したときに認識した照度が暗明検出用しきい値を超えている旨判断すると、今回の点灯時間が実際の日没から日出までの時間に対して長いとして、次回に照度が暗明検出用しきい値以下となったときからの点灯時間を第2の調整時間だけ短く設定する。これにより、季節や天気に応じて変化する日没から日出までの時間に応じた点灯時間が設定される。以上により、より日没及び日出の時間に応じた点灯制御が可能となる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の照明装置において、前記照明装置用制御装置は、前記点灯時間が経過したときに認識した照度が前記暗明検出用しきい値未満である旨判断すると、その判断したときから、前記照度が前記暗明検出用しきい値に達するまでの時間を計測し、その時間を前記第1の調整時間とすることをその要旨としている。
【0013】
同構成によれば、点灯時間が実際の日没から日出までの時間に対して短いことによって、その点灯時間が経過したときに認識した照度が暗明検出用しきい値未満である場合には、点灯時間が経過したときから照度が前記暗明検出用しきい値に達するまで(実際の日出まで)の第1の調整時間を計測する。次回の点灯時間を、今回の点灯時間に、当該計測した第1の調整時間を足し合わせた時間とすることで、次回の点灯時間の終了時刻を日出の時間に合わせることができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の照明装置において、前記照明装置用制御装置は、前記照度が前記暗明検出用しきい値以下となったときから再び日没となり得ない時間に設定される日没不判定時間を経過するまでの間に、前記暗明検出用しきい値を超える値の照度が再び前記暗明検出用しきい値以下となっても、前記点灯時間に亘って点灯可能としないことをその要旨としている。
【0015】
同構成によれば、照明装置用制御装置は、日没に伴い照度が暗明検出用しきい値以下となった場合には、そのときから日没不判定時間を経過するまで、たとえ照度が再度暗明検出用しきい値以下となっても日没ではないとして、点灯可能としない。よって、照明装置の誤点灯が抑制される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の照明装置と、前記照明装置及びそれに電力を供給する電源間に設けられる光電式点滅器とを備えた照明システムにおいて、前記照明装置用制御装置は、設定した前記点灯時間と、前記点灯時間の経過時の照度が前記暗明検出用しきい値未満であるか否かに係る情報とを記憶するとともに、前記照明装置への給電が遮断されたときにもその記憶を保持する不揮発性のメモリを備え、前記光電式点滅器は、照度を検出する点滅器用照度センサと、前記電源から前記照明装置への電力供給が可能な給電状態、及び同電力供給を遮断した遮断状態の間で状態を切り替えるスイッチと、前記点滅器用照度センサの検出結果に基づき照度を認識し、その照度が日没検出用しきい値以下となったと判断したとき、前記スイッチを通じて前記給電状態とし、前記照度が日出検出用しきい値以上となったと判断したとき、前記スイッチを通じて前記遮断状態とする点滅器用制御装置と、を備えたことをその要旨としている。
【0017】
同構成によれば、一般的な光電式点滅器を電源及び照明装置間に設けた場合であっても、光電式点滅器のスイッチが給電状態とされる期間においては照明装置を動作させることができる。特に、不揮発性のメモリに、設定された点灯時間と、点灯時間の経過時の照度が暗明検出用しきい値未満であるか否かに係る情報とが記憶されることで、光電式点滅器を通じて照明装置への給電が遮断された場合であっても、点灯時間及び当該情報がメモリに保持される。よって、光電式点滅器を通じて照明装置への給電が再開された場合には、照明装置は上記と同様に日没及び日出の時間に応じた点灯時間を設定できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、照明装置及びそれを備えた照明システムにおいて、より日没及び日出の時間に応じて点灯制御することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかる照明装置を具体化した第1の実施形態について
図1及び
図2を参照して説明する。
【0021】
図1に示すように、屋外用の照明装置10は、照明用制御装置11と、灯具12と、照度センサ13と、電源装置15とを備える。
照明用制御装置11は、メモリ11a及び複数のタイマ11b1,11b2,11b3を備える。このメモリ11aには、日没及び日出を判定する暗明検出用しきい値Th1、灯具12が点灯される点灯時間Tn(nは自然数)、点灯時間Tnを調整するための調整時間Tα,Tβ、調整時間Tαの長さ変更の際に利用されるタイマフラグ(「0」又は「1」の何れか)、及び日没判定を実行しない日没不判定時間Tcが記憶されている。
【0022】
本例では、メモリ11aは、データの書き換えが可能であるRAM(Random Access Memory)及び読み取り専用のROM(Read Only Memory)からなる。変数である暗明検出用しきい値Th1、点灯時間Tn、タイマフラグ及び調整時間TαはRAMに記憶され、定数である調整時間Tβ及び日没不判定時間TcはROMに記憶される。
【0023】
照度センサ13は、周囲の照度レベルLsを検出し、その検出結果を照明用制御装置11に出力する。
以下、照明用制御装置11による灯具12の点灯制御について
図2(a),(b)のグラフを参照しつつ詳細に説明する。
図2における波形は照度レベルLsの増減を示すものであって、一周期が一日に相当する。
【0024】
図2(a)に示すように、照明用制御装置11は、時刻ta1において照明装置10の電源がオン状態にされると、初期設定を行う。具体的には、照明用制御装置11は、調整時間Tα及びタイマフラグを初期値である「0」に設定し、点灯時間Tnを点灯時間T0に設定する。設定された各情報はメモリ11aのRAMに上書きされる。この点灯時間T0は、例えば、灯具12の点灯が必要となる日没から日出までの平均的な時間より短く設定される。
【0025】
照明用制御装置11は、初期設定後に照度センサ13からの検出結果に基づき照度レベルLsを認識し、その照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1を超えたと判断したとき灯具12の消灯状態を維持する。
【0026】
照明用制御装置11は、時刻ta1以降、一定周期毎に照度センサ13を通じて、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となるか否かを判断する。照明用制御装置11は、時刻ta2において、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となったと判断(日没判定)すると、以下の(a)〜(d)の制御を順に実行する。
【0027】
(a)灯具12を点灯する。
(b)メモリ11aに記憶される点灯時間T0に基づき、新たな点灯時間T1を算出する。
【0028】
具体的には、タイマフラグが「0」であれば、記憶される点灯時間Tnに調整時間Tαを足し合わせることで新たな点灯時間Tnを算出する。また、タイマフラグが「1」であれば、記憶される点灯時間Tnから調整時間Tβを差し引くことで新たな点灯時間Tnを算出する。時刻ta2においては、タイマフラグが初期値の「0」であるため、新たな点灯時間T1を算出するために、点灯時間T0に調整時間Tαを足し合わせるものの、調整時間Tαが初期値の「0」であるため、結果的に、新たな点灯時間T1は、点灯時間T0と同一となる。そして、タイマ11b1を通じて時刻ta2からの経過時間の計測を開始する。
【0029】
(c)タイマ11b3を通じて時間(日没不判定時間Tc)の計測を開始する。
(d)メモリ11aに記憶されるタイマフラグを「0」から「1」とする。
照明用制御装置11は、時刻ta2からの経過時間が点灯時間T1に達するまでは照度レベルLsを認識せず、計測時間が点灯時間T1に達したとき(時刻ta3)、以下の(e)〜(g)の制御を順に実行する。
【0030】
(e)灯具12を消灯する。
(f)照度センサ13を通じて照度レベルLsを認識し、その照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以上であるか否かを判断する。時刻ta3においては、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1未満である旨判断すると、メモリ11aに記憶されるタイマフラグを「1」から「0」とする。
【0031】
(g)タイマ11b2を通じて調整時間Tαの計測を開始する。
照明用制御装置11は、時刻ta3以降、一定周期毎に照度センサ13を通じて照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以上となるか否かを判断する。照明用制御装置11は、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1に達したと判断したとき(時刻ta4)、タイマ11b2を通じて調整時間Tαの計測を終了する。この調整時間Tαは、点灯時間Tnが経過したときから日出までの時間となる。ただし、調整時間Tαが8時間を超える場合は8時間を最大とする。照明用制御装置11は、計測した調整時間Tαをメモリ11aに上書きする。これにより、調整時間Tαは初期値「0」から一定時間となる。その後、照明用制御装置11は、タイマ11b2をリセットする。
【0032】
照明用制御装置11は、時刻ta4以降、タイマ11b3を通じた計測時間が日没不判定時間Tcに達するまで、照度レベルLsを認識しない。すなわち、照明用制御装置11は、時刻ta4からの経過時間が日没不判定時間Tcに達するまでは、暗明検出用しきい値Th1を超える照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となった場合であっても、日没ではないとして上記(a)〜(d)の制御を行うことはない。ここで、日没不判定時間Tcは、前回の日没判定時から鑑みて日没となり得ない時間に設定されている。
【0033】
照明用制御装置11は、タイマ11b3を通じた計測時間が日没不判定時間Tcに達したと判断したとき、そのタイマ11b3をリセットするとともに、その後一定周期毎に照度センサ13を通じて、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となるか否かを判断する。
【0034】
照明用制御装置11は、時刻ta5において、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となったと判断すると、上記時刻ta2と同様に(a)〜(d)の制御を順に行う。以下、相違点のある(b)についてのみ説明する。
【0035】
(b)時刻ta5においては、上記(d)の処理によりタイマフラグが「0」であるため、新たな点灯時間T2を算出するために、メモリ11aに記憶される点灯時間T1に、メモリ11aに記憶される調整時間Tαを足し合わせる。従って、点灯時間T2は、前回(前日)に設定された点灯時間T1より調整時間Tαだけ長くなる。これにより、点灯時間T2をより適切な時間(日没から日出までの時間)とすることができる。例えば、日没及び日出の時間が前日と同じであれば、次の点灯時間Tnの終了時刻は日出の時間となる。そして、タイマ11b1を通じて時刻ta5からの経過時間の計測を開始する。
【0036】
照明用制御装置11は、時刻ta5からの経過時間が点灯時間T2に達するまで照度レベルLsを認識せず、計測時間が点灯時間T2に達したとき(
図2(b)の時刻ta6)、上記時刻ta3と同様に(e)の灯具12の消灯制御を行う。以下、相違点のある(f)の制御について説明する。
【0037】
(f)
図2(b)に示すように、時刻ta6においては、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以上である旨判断すると、メモリ11aに記憶されるタイマフラグを「1」に維持する。なお、点灯時間Tn(T2)が経過したとき、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以上である旨判断すると、上記(g)の調整時間Tα計測の制御を行わない。
【0038】
照明用制御装置11は、時刻ta6以降であって、かつ日没不判定時間Tcが経過した後、照度センサ13を通じて、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となるか否かを判断する。照明用制御装置11は、時刻ta7において、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となったと判断すると、上記時刻ta2と同様の(a)〜(d)の制御を順に行う。以下、相違点のある(b)及び(d)の制御についてのみ説明する。
【0039】
(b)時刻ta7においては、タイマフラグが「1」であるため、メモリ11aに記憶される点灯時間T2から、上記メモリ11aに記憶される調整時間Tβ(定数)を差し引いて新たな点灯時間T3を算出する。そして、タイマ11b1を通じて時刻ta7からの経過時間の計測を開始する。
【0040】
(d)タイマフラグを「1」に維持する。
点灯時間T3は、前回(前日)に設定された点灯時間T2より調整時間Tβだけ短くなる。ここで、前日の点灯時間T2は、日出(照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1に達したとき)を超えて設定されている。従って、今回の点灯時間T3が前日の点灯時間T2より短く設定されることで、その点灯時間T3(正確にはその終了時刻)を日出の時間に合わせることができる。
【0041】
照明用制御装置11は、上記同様の制御を毎日行う。
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)照明用制御装置11は、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となったときから点灯時間Tnに亘って照度センサ13の検出結果に関わらず灯具12を点灯する。よって、点灯時間Tn、すなわち夜間において、照度センサ13が例えば車のヘッドライト等の外乱光を受けた場合であっても消灯されることが防止される。
【0042】
また、照明用制御装置11は、点灯時間Tnが経過したときに認識した照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1未満である旨判断すると、今回の点灯時間Tnは実際の日没から日出までの時間に対して短いとして、次回に照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となったとき(日没判定時)からの点灯時間Tnを調整時間Tαだけ長く設定する。ただし、調整時間Tαが8時間を超える場合は8時間を最大とする。照明用制御装置11は、点灯時間Tnが経過したときに認識した照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以上である旨判断すると、今回の点灯時間Tnは実際の日没から日出までの時間に対して長いとして、次回の日没判定時からの点灯時間Tnを調整時間Tβだけ短く設定する。これにより、季節や天気に応じて変化する日没時間及び日出時間に応じた点灯時間Tnが設定される。以上により、より日没時間及び日出時間に応じた点灯制御が可能となる。
【0043】
(2)点灯時間Tnが実際の日没から日出までの時間に対して短いことによって、その点灯時間Tnが経過したときに認識した照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1未満である場合には、点灯時間Tnが経過したときから照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1に達するまで(実際の日出まで)の調整時間Tαを計測する。次回の点灯時間Tn(例えば点灯時間T2)を、今回の点灯時間Tn(例えば点灯時間T1)に、当該計測した調整時間Tαを足し合わせた時間とすることで、次回の点灯時間Tnの終了時刻を日出の時間に合わせることができる。
【0044】
(3)照明用制御装置11は、日没に伴い照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となった場合には、そのときから日没不判定時間Tcを経過するまで、たとえ照度レベルLsが再度暗明検出用しきい値Th1以下となっても日没ではないとして、灯具12を点灯しない。よって、照明装置10の誤点灯が抑制される。
【0045】
(4)照明用制御装置11は、点灯時間Tnにおいては照度センサ33を通じて照度を監視しない。よって、点灯時間Tnにおける照明用制御装置11の照度監視の処理に要する電力が不要となる。
【0046】
(5)調整時間Tαには上限(本例では8時間)が設定されている。ここで、照明装置10を設置した直後には機器の動作確認が施工者によって行われる。動作確認としては、手などで照度センサ33を覆って擬似的に夜間と認識させて(検出される照度レベルLsを暗明検出用しきい値Th1以下とする)、灯具12を点灯させることが想定される。例えば昼の12時に上記動作確認を行った場合、12時から点灯時間T1(例えば8時間)が経過したとき(20時)に調整時間Tαの計測が開始される。このような場合であっても、調整時間Tαは上限を超えて設定されることはない。このため、過度に長い調整時間Tαが設定されること、ひいては点灯時間Tnから調整時間Tβが連日差し引かれることを通じて適切な点灯時間Tnに設定されるまでの期間が長期化することが抑制される。
【0047】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について
図3及び
図4(a),(b)を参照して説明する。この実施形態の照明装置は、商用電源50との間に接続される光電式点滅器とともに照明システムを構成している点、並びに調整時間Tαが定数である点が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0048】
図3に示すように、照明システム8は、照明装置10と、光電式点滅器30とを備える。光電式点滅器30は、点滅器用制御装置31と、スイッチ32と、照度センサ33とを備える。
【0049】
スイッチ32は、商用電源50と照明装置10の電源装置15とをつなぐ電力線上に位置する。スイッチ32がオン状態となると商用電源50から照明装置10に電力が供給されるとともに、オフ状態となると商用電源50から照明装置10への電力経路が遮断される。
【0050】
点滅器用制御装置31は不揮発性のメモリ31aを備え、そのメモリ31aには日没検出用しきい値Th2及び日出検出用しきい値Th3が記憶されている。
照度センサ33は、周囲の照度レベルLsを検出し、その検出結果を点滅器用制御装置31に出力する。
【0051】
以下、光電式点滅器30の動作も含めた照明用制御装置11による灯具12の点灯制御について
図4(a),(b)のグラフを参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施形態においては、日没検出用しきい値Th2及び日出検出用しきい値Th3は、暗明検出用しきい値Th1より小さい値に設定されている。
【0052】
図4(a)に示すように、点滅器用制御装置31は、照度センサ33からの検出結果に基づき照度レベルLsを認識し、時刻tb1において、その照度レベルLsが日没検出用しきい値Th2以下となったと判断したとき、スイッチ32をオン状態とする。これにより、照明装置10がオン状態となる。
【0053】
照明用制御装置11は、オン状態となると、第1の実施形態における時刻ta1において行った初期設定をした後に、照度レベルLsが日没検出用しきい値Th2以下である旨判断すると、第1の実施形態における時刻ta2で実行した(a)〜(d)と同一の制御を順に行う。これにより、点灯時間T1が設定される。
【0054】
照明用制御装置11は、時刻tb1からの経過時間が点灯時間T1に達するまで照度レベルLsを認識せず、計測時間が点灯時間T1に達したとき(時刻tb2)、第1の実施形態の時刻ta3で実行した(e)及び(f)と同一の制御を行う。すなわち、本実施形態では、調整時間Tαの計測を行わない。そして、光電式点滅器30の点滅器用制御装置31は、時刻tb3において、照度レベルLsが日出検出用しきい値Th3以上となったと判断すると、スイッチ32をオフ状態とする。これにより、照明装置10もオフ状態となる。
【0055】
点滅器用制御装置31は、時刻tb3以降、一定周期毎に照度レベルLsが日没検出用しきい値Th2以下となるか否かを判断する。そして、点滅器用制御装置31は、時刻tb4において、照度レベルLsが日没検出用しきい値Th2以下となったと判断すると、照明装置10の電源をオン状態とする。照明用制御装置11は、時刻tb4においてオン状態となると、上記時刻tb1と同様に初期設定、(a)〜(d)を順に行う。(b)の処理時に、時刻tb2の(f)の処理によりタイマフラグは「0」であるため、新たに設定される点灯時間T2は点灯時間T1より調整時間Tαだけ長い。この調整時間Tαは、本実施形態においては定数である。
【0056】
図4(b)に示すように、照明用制御装置11は、時刻tb4からの経過時間が点灯時間T2に達するまでは照度レベルLsを認識せず、計測時間が点灯時間T2に達するのを待つ。本例では、点灯時間T2が経過する前に、点滅器用制御装置31は時刻tb5において照度レベルLsが日出検出用しきい値Th3以上となったと判断してスイッチ32をオフ状態とする。よって、照明用制御装置11(照明装置10)は点灯時間T2の経過を待たずにタイマフラグが「1」に維持されたまま電源がオフ状態とされる(強制終了)。
【0057】
点滅器用制御装置31は、時刻tb5以降であって、一定周期毎に照度レベルLsが日没検出用しきい値Th2以下となるか否かを判断する。そして、点滅器用制御装置31は、時刻tb6において、照度レベルLsが日没検出用しきい値Th2以下となったと判断すると、照明装置10の電源をオン状態とする。照明用制御装置11は、時刻tb6においてオン状態となると、上記時刻tb1と同様の初期設定、(a)〜(d)を順に行う。この(b)の処理時においては、照明用制御装置11は、タイマフラグが「1」であるため、新たに設定される点灯時間T3は点灯時間T2より調整時間Tβだけ短い。
【0058】
照明用制御装置11は、上記同様の制御を毎日行う。
以上、説明した実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(6)一般的な光電式点滅器30を商用電源50及び照明装置10間に設けた場合であっても、光電式点滅器30のスイッチ32がオン状態とされる期間においては照明装置10を動作させることができる。よって、光電式点滅器30を設けた場合であっても、照明装置10は第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0059】
(7)タイマフラグは、照度レベルLsが日没検出用しきい値Th2以下となったとき(時刻tb1,tb4,tb6)に「1」とされる。よって、点灯時間Tnが長いことにより、その時刻以降の経過時間が点灯時間Tnに達する前に照明装置10が強制終了された場合であっても、タイマフラグは「1」に維持される。このため、次の日の点灯時間Tnは前日より短く設定される。これにより、日没時間及び日出時間に応じた点灯時間Tnが設定される。
【0060】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記両実施形態においては、タイムフラグは1桁の2進数で表されていたが、2桁の2進数で表してもよい。この場合、照明用制御装置11は、点灯時間Tnの経過時に照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1と同一のときには、同一である旨のタイムフラグとしてもよい。照明用制御装置11は、次回の点灯時間Tnの算出時に、当該同一である旨のタイムフラグであると認識すると、前回と同じ時間の点灯時間Tnを設定する。これにより、点灯時間Tnの経過時に照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1と同一の場合、すなわち、今回の点灯時間Tnが適切な場合には、その適切な点灯時間Tnが維持される。
【0061】
・第2の実施形態において、日没検出用しきい値Th2及び日出検出用しきい値Th3は、暗明検出用しきい値Th1より小さい値に設定されていた。しかし、日没検出用しきい値Th2及び日出検出用しきい値Th3と、暗明検出用しきい値Th1との大小関係はこれに限らない。
【0062】
例えば、
図5に示すように、暗明検出用しきい値Th1を日没検出用しきい値Th2及び日出検出用しきい値Th3間に設定してもよい。この場合、第2の実施形態と異なって、点灯時間Tnの経過時(時刻tc1)の照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以上となることがある。この場合には、第1の実施形態と同様に、照明用制御装置11は、点灯時間Tnの経過時(時刻tc1)の照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以上である旨判断すると、メモリ11aに記憶されるタイマフラグを「1」に維持する。他は第2の実施形態と同様である。なお、第2の実施形態においては、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以上となる前に日出検出用しきい値Th3以上となって強制終了されるため、点灯時間Tnの経過時(時刻tc1)の照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以上となることはない。
【0063】
また、
図6に示すように、暗明検出用しきい値Th1を日没検出用しきい値Th2及び日出検出用しきい値Th3より小さく設定してもよい。この場合、点滅器用制御装置31は、時刻td1において、照度レベルLsが日没検出用しきい値Th2以下となったと判断すると、照明装置10の電源をオン状態とする。照明用制御装置11は、電源オン状態となると初期設定を行った後に、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となるのを待つ。照明用制御装置11は、照度レベルLsが暗明検出用しきい値Th1以下となったと判断すると、第1の実施形態の時刻ta2と同一の(a)〜(d)を行う。他は第2の実施形態と同様である。
【0064】
上記のように、暗明検出用しきい値Th1、日没検出用しきい値Th2及び日出検出用しきい値Th3の大小関係を何れの順番とした場合であっても、第2の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0065】
・第2の実施形態においては、日没検出用しきい値Th2及び日出検出用しきい値Th3は異なる値に設定されていたが、これらしきい値は同一値に設定されていてもよい。
・第1の実施形態においては、調整時間Tαは変数であったが、第2の実施形態と同様に調整時間Tαを定数としてもよい。
【0066】
・上記両実施形態においては、日没判定されない日没不判定時間Tcが設定されていたが、この日没不判定時間Tcを省略してもよい。この場合、タイマ11b3を省略できる。
【0067】
・上記両実施形態においては、点灯時間Tnにおいては常に灯具12が点灯されていたが、点灯時間Tnにおいて灯具12を調光点灯してもよい。また、照明装置10に新たに赤外線センサ等の近接センサを設けてもよい。照明用制御装置11は、点灯時間Tnにおいて近接センサを通じて車又は人の接近を検知したとき、灯具12を消灯状態又は調光点灯状態から点灯状態としてもよい。