(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5893608
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】卵供給装置および方法
(51)【国際特許分類】
B65B 23/06 20060101AFI20160310BHJP
B65B 5/08 20060101ALI20160310BHJP
B65B 5/10 20060101ALI20160310BHJP
B65B 39/00 20060101ALI20160310BHJP
B65G 47/52 20060101ALI20160310BHJP
B65G 47/14 20060101ALI20160310BHJP
【FI】
B65B23/06
B65B5/08
B65B5/10
B65B39/00 C
B65G47/52 B
B65G47/14 V
【請求項の数】9
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-504847(P2013-504847)
(86)(22)【出願日】2011年4月15日
(65)【公表番号】特表2013-527824(P2013-527824A)
(43)【公表日】2013年7月4日
(86)【国際出願番号】NL2011050257
(87)【国際公開番号】WO2011129698
(87)【国際公開日】20111020
【審査請求日】2014年3月13日
(31)【優先権主張番号】10004055.9
(32)【優先日】2010年4月16日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500513033
【氏名又は名称】モバ グループ ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100084412
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 冬紀
(74)【代理人】
【識別番号】100169018
【弁理士】
【氏名又は名称】網屋 美湖
(72)【発明者】
【氏名】フローテルデール, ベレント デルク
(72)【発明者】
【氏名】デ・ヴラーム, ヘンドリクス ルーイス ステファヌス
(72)【発明者】
【氏名】ドールネカムプ, マルティン
【審査官】
谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】
特開平05−193732(JP,A)
【文献】
米国特許第02855740(US,A)
【文献】
米国特許第02834169(US,A)
【文献】
特開昭58−073515(JP,A)
【文献】
特開昭61−287622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 23/06
B65B 5/08
B65B 5/10
B65B 39/00
B65G 47/14
B65G 47/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1列の隣接配置された受け取りネストを有する包装ユニットに卵を供給する装置であって、
−卵を少なくとも一列に供給する供給コンベヤであって、前記卵は実質的に水平軌道において供給され、相互間の距離が固定されている一連のホルダ内に配置される供給コンベヤと、
−前記ホルダから卵を引き継ぎ、前記引き継いだ卵を包装ユニットに引き渡す転移ユニットであって、順次に前記包装ユニットが、前記少なくとも1列に平行であり、かつその下の所定の高さで、実質的に水平な軌道において中断なく連続して供給される転移ユニットと、
−前記包装ユニットを、前記転移ユニットの下を通る実質的に水平な面内において中断なく連続して搬送するための包装コンベヤと、を備え、
前記少なくとも1列に対応して、前記転移ユニットは、転移のための1つの供給漏斗を備え、前記転移は1つの卵を連続して受け取り、案内し、引き継ぐことを含み、下方かつ前方に中断なく連続して移動および転移する間、前記卵の重心が前記包装ユニットの水平速度に実質的に等しい水平速度で中断なく連続して移動し、
前記供給漏斗はそれぞれ固定部分と少なくとも1つの移動部分とを備え、
前記少なくとも1つの移動部分は実質的に凹状湾曲材料片を備え、前記凹状湾曲材料片は卵を下方かつ前方に案内する際に、前記卵と一緒に下方および前方の両方向に移動しながら前記包装ユニット近傍のポイントまで卵を部分的に包含することを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、
前記固定部分は水平面に対して所定の角度をもつ面に1つのガイド・ロッドを備えることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項2に記載の装置であって、
少なくとも1つの前記ガイド・ロッドは使用時に前記包装ユニットの真上のポイントに延在することを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置であって、
前記移動部分は、移動ガイドとして、前記凹状湾曲材料片を構成する2つの実質的に対称な二分割体を備え、前記二分割体は、前記卵を下方かつ前方に案内する際に、共同して、前記卵を部分的に、保持し、少なくとも担持しまたは支持して前記包装ユニット近傍まで運び、前記卵と一緒に下方および前方の両方向に移動することを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の装置であって、
前記移動部分は、エンドレス転移コンベヤに結合片を介して結合され、前記エンドレス転移コンベヤは、使用時には駆動され、かつ循環運動に従うように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
前記移動部分は、実質的に細長いヒンジ・ブラケットの第1の端部であって、他方の端部に自由回転する小ホイールを設けたものを形成し、前記結合片は、使用時に第1の閉じた湾曲軌道に追従し、前記小ホイールはカム従動子として第2の湾曲軌道に追従することを特徴とする装置。
【請求項7】
卵を包装ユニットに、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置を用いて供給する方法であって、
各包装ユニットは少なくとも1列の隣接配置された受け取りネストを備え、前記卵は、相互に固定された中間距離をおいて配置された一連のホルダにより少なくとも1列に供給され、
少なくとも1つの供給漏斗を用いて前記卵を前記ホルダから連続的に受け取り、変位し、供給された前記包装ユニットに前記卵を引き継ぎ、
前記包装ユニットは中断なく連続して供給され、前記供給漏斗は前記卵を前記ホルダから連続的に受け取り、前記卵を変位し、前記卵を前記包装ユニットに引き継ぎ、各卵の重心が前記卵を受け取る包装ユニットの水平速度に実質的に等しい水平速度で中断なく連続して移動するようにする方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であって、
各供給漏斗は、周期的にエンドレス軌道に沿って移動する少なくとも1つの漏斗部分を備え、軌道部分は特に卵を受け取る最初の位置から前記エンドレス軌道の第1の部分に沿って移動されて、受け取られた卵を転移することを特徴とする方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法であって、
各供給漏斗はエンドレス軌道に沿って移動する漏斗部分と固定部分とを備え、前記漏斗部分は周期的に前記固定部分から移動して離されて最初の位置に戻ることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は包装ユニットに卵を供給する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第512651号公報明細書(EP0512651)は、卵が供給および運搬される装置であって、最終段階において実質的に水平な供給コンベヤ、例えばローラコンベヤから包装ユニット、例えばトレイ内に卵が移されるものを記載している。かかる機械は当技術分野においてファーム・パッカー(farm packer)として知られる。この名称は、新しく産卵された卵を複数の鶏舎から包装ステーションに供給し、該包装ステーションにおいて集卵し、包装し、これらの鶏舎とは異なる場所においてさらに取り扱うことができるようにする装置を適切に表している。実行されるべき機能は単純であり完全に管理可能であるように思われるが、制御が困難な場合もあり、種々の解決策がこれまでに講じられてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
鶏舎から来て集められた卵は、通常、種々の卵を取り混ぜたものであり、例えば、以下に限定されないが、大きいものや、小さいものがあり、完全に無傷のものから損傷が大きいものまでさまざまである。一方では、そのような卵の取り扱いは非常に注意深く行なわなければならないが、他方では、非常に大きな数が絡んでおり、そのような機械でできるだけ高い処理能力を達成することが企図される。関係する不可欠の側面は、処理速度である。上述の装置において見られるように、種々の個所で卵の供給において停止する瞬間(stop moments)を設ける必要がある。さらに詳しくは、数列のトレイを充填する際に、各列の後に、次の列のネストのために固定された位置を設けて、卵が供給コンベヤから下方方向にできるだけ制御された態様で案内されるようにする必要がある。
【0004】
尖った先端を先頭にして滑り落ちる卵は、それにより一方の側の固定ガイドと他方の側の手の形をしたガイドとの間で実質的に下方方向に案内され、これらのガイドは一緒に移動(して卵を尖った先端を下に向けた状態で包装)する。そのような包装ユニットにおいて包装位置またはネストへと開放される直前に、そのように滑り案内され移動している卵は、数瞬の間、下方移動が停止される。次に開放されるのは、クランプされた位置から少し垂直に落下して固定トレイのそのようなネストに入ったときである。このネストは前記静止位置の実質的に真下に位置している。
【0005】
これらの停止の瞬間および関連する加速および減速によってこの処理能力の限界がかなりの程度決まる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
包装をさらに加速し能率化するために、本発明の装置の転移ユニットは、前記少なくとも1つの列に対して、転移のための1つの対応する供給漏斗を備え、この転移は、順次、1つの卵を受け取り、案内し、および解放することを含み、
下方かつ前方に中断なく連続して移動および転移する間、卵の重心は、包装ユニットの水平速度に実質的に等しい水平速度で中断なく連続して移動する。
【0007】
そのような転移ユニットを用いて達成されることは、大変有利なことに、卵が包装ユニット内における転移位置に注意深く案内されるだけでなく、それにより卵の流れにおける発進−停止の瞬間がなくなるため、卵の流れの進行が滑らかになり、そのため包装が滑らかに進行することである。
【0008】
さらに、このようにして、相互に対をなす進行式移動経路を用いることで、大変有利なことに、充填の進行プロセスが連続的に行なわれることが維持される。
【0009】
好適には、固定載置されたロッドを用いて、卵が包装ユニットの真上のポイントに案内され、起きる可能性のある破損が防止される。
【0010】
本発明は以下のように定義される。
すなわち、少なくとも1列の順次隣接して配列された受け取りネストを設けた包装ユニットに卵を供給する装置であって、
−少なくとも1列に卵を供給する供給コンベヤであって、前記供給コンベヤは前記卵を実質的に水平な軌道に供給するように配置され、前記供給コンベヤは前記卵を保持するための相互に一定の中間距離をおいた一連のホルダを設けられたものと、
−前記包装ユニットを
中断なく連続して、特定の水平速度で供給するための包装コンベヤと、
−前記ホルダから、前記包装コンベヤにより供給された前記包装ユニットへ前記卵を転移するように配置された転移ユニットと、を備え、
前記転移ユニットは、少なくとも1つの供給漏斗を備え、前記少なくとも1つの供給漏斗は、前記供給コンベヤにより前記卵を連続的に受け取り、変位し、かつそれぞれ少なくとも1列に引き渡す(deliver)ために配置され、各卵の重心が包装コンベヤの水平速度に実質的に等しい水平速度で
中断なく連続して移動するようにする。
【0011】
本発明の装置のさらなる例示的実施形態の特徴は、次の通りである。
前記少なくとも1列について、前記供給漏斗は固定部分と少なくとも1つの移動部分とを備える。
前記少なくとも1列について、前記固定部分
は水平面に対して所定の角度を
もつ面に1つの案内ロッドを備える。
前記少なくも1つの案内ロッドは前記包装ユニットの真上に連続している。
前記少なくとも1列について、前記少なくとも1つの移動部分は、実質的に凹状に湾曲した材料片を備え、前記材料片は、使用中に卵を下方に案内する際に、前記卵を部分的に包含し、支持して前記包装ユニット近傍のポイントに案内し、一方において、前記卵と一緒に下方および前方に移動する。
移動ガイドとしての前記移動部分は、実質的に凹状に湾曲した材料片を構成する2つの実質的に対称な二分割体(halves)を備え、前記二分割体は、使用中に卵を下方方向に案内する際に、一緒に前記卵を部分的に包含し、運搬し、前記包装ユニット近傍のポイントに案内し、一方において、そのようにする間に前記卵と一緒に下方および前方の両方向に移動するように構成される。
前記移動ガイドは、
結合片を介してエンドレス転移コンベヤに接続され、前記エンドレス転移コンベヤは駆動され、周期的運動をすることによって、連続的に供給される次の卵のうちの1つが転移される。
前記移動ガイドは実質的に細長いヒンジ・ブラケットの終端部を形成し、他方の終端部に自由に回転する小ホイールを有し、前記
結合片は第1の閉じた湾曲軌道に従い、前記小ホイールは、カム従動子として、第2の湾曲軌道に従う。
【0012】
さらに、本発明は
請求項7の構成を特徴とする方法を提供する。
この方法を用いると、上述の利点が達成される。
例えば本発明の装置を使用する包装ユニットに卵を供給する方法は、各包装ユニットが少なくとも1列の順次隣接配置された受け取りネストを備え、
前記卵は、相互に一定の中間距離をおいて配置された一連のホルダにより供給され、
前記包装ユニットは中断なく連続して供給され、
少なくとも1つの供給漏斗を用いて前記卵を前記ホルダから連続的に受け取り、それらを変位し、前記供給された包装ユニットに引き渡し、
卵の重心は、この漏斗による変位の間、中断なく連続して移動し、その速度は前記卵を受け取る包装ユニットの水平速度に実質的に等しい水平速度であることを特徴とする。
【0013】
以下に、本発明を添付図面に基づいてさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本発明の転移ユニットの等角図である。
【
図2】
図2は、本発明の転移ユニットの側面図であり、該転移ユニットの数個の主要素の概略が示されている。
【
図3】
図3は、
図2と同様の図であり、図示の要素に加えて、駆動装置の概略が示されている。 異なる図において、同じ部分、表示または部品は同じ参照符号を有する。
【
図4】
図4は本発明の転移ユニットの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願における同じまたは対応する特徴は同じまたは対応する参照文字を用いて示される。
【0016】
図1において、卵は供給コンベヤ1を用いて供給される。このようなコンベヤはオランダ国特許出願公開第1036717号公報明細書(NL1036717)に詳しく記載されているが、この公報明細書の内容は引用により本明細書に挿入される。この供給コンベヤ上において、卵はホルダ3上に配置され、前記ホルダの複数の平行な列がこの実施形態において用いられる。これらのホルダ3は、卵が搬送方向Tにおいて転移ユニット2まで供給され、該転移ユニット2が卵を供給コンベヤ1から包装ユニット7に転移する。特に、卵は、ホルダ3上に配置されているときは、それぞれ尖った先端が下方を向いている。これはNL1036717に記載されている通りである。
【0017】
図2において、主として転移ユニット2の一部切り欠き概略立面図が示されている。ここでも、供給コンベヤのホルダ3を用いて、生産物、特に卵が運搬方向Tにおいてどのように供給されるかが示されている。公知の方法で、ホルダ3がエンドレス・チェインと結合されている。
図2では、さらに、この供給コンベヤ1の中間距離またはピッチ距離dが示されている。コンベヤ1の下流端において、ホルダ3を方向Cに従って案内するための駆動軸20を備えたリターン・ホイールが存在する。すなわ
ち、ホルダは戻される。ホルダ3が戻るためには、屈曲部を通り、ホルダ3上に配置された卵(尖端が下を向いている)が同様に頭を先にして移動される。
【0018】
卵(それぞれ尖端が下を向いている)のこの移動を案内するために、同時に移動ガイド61が移動され、このような卵がその瞬間にホルダ3とそのような移動ガイド61との間に位置するようにする。ホルダ3がリターン・ホイールにより戻り始めると、下方移動中の卵は、一方では移動ガイド61により案内された状態のまま、他方ではガイド・ロッド5により支持・案内される。ガイド・ロッド5は本実施形態においては固定位置を有する。このロッド5は水平面に角度αをなしている。漏斗4を形成するこれら2つの部分5,61の間に軽く挟まれて、卵はロッド5上を滑って包装ユニット、詳しくはトレイ7のネスト71に転移される。
図2に示すように、このトレイ7は同時に搬送方向Tに変位される。転移後、卵はトレイ7のネスト71中に尖端を下方に向けて受け取られる。
【0019】
当業者には明らかなように、漏斗4とトレイ7の前進速度が同じ速度となるように駆動力が適切に選択されと、卵が終点のネスト71に達する際に、トレイ7の真上の最後の瞬間の下降速度がごく小さいものとなる。
【0020】
漏斗の大きさは、非常に小さいものから非常に大きいものまで、任意の鶏卵が本発明の装置を用いて処理することができるように選ばれ、特にかなり大きい卵の場合でも、依然としてよく案内される。このことが意味しているのは、漏斗の大きさはできるだけ狭いトレイに対応しているということである。
【0021】
本発明の装置のさらなる変形例において、移動ガイドは、実質的に凹状湾曲材料片を構成する2つの実質的に対称な二分割体からなり、一緒に、下方方向に包装ユニット近傍のポイントまで卵を案内する際に、卵を部分的に担持して包装ユニット近傍に運ぶ一方、卵と共に下方および前方に移動する。この構成の利点は、トレイの幅方向の寸法がわずかに逸脱した、すなわち大きい寸法のトレイを充填することが可能であることである。詳しくは、下記の2つの変形例が用いられる。
【0022】
第1の変形例では、中央の移動ガイドから数えて、2つの二分割体が僅かに増加した中間距離をおいてフレーム上に固定されている。卵が漏斗内に受け取られ次第、卵は、一方では、それぞれ同じ固定ロッドによりそれぞれ案内され、他方では、わずかに間隔を開けてフレーム上に固定された二分割体によりそれぞれ案内される。この間隔を開けた構成により、卵の重心もわずかに中心を逸れ、上記下方方向においてロッドの案内線に僅かに近づく。
【0023】
そのような卵に対して部品をそのようにわずかに非対称に位置決めすることで、きわめて適切な方法で包装ユニットのすぐ近傍のポイントに案内される。同じ装置を複数のサイズの包装ユニットに適合させるためには、そのための対応する調整フレームを載置すればよい。当業者には明らかなように、単純なスナップ・システムを用いてフレームを迅速に取り替えることができる。
【0024】
第2の変形例では、フレーム上で二分割体を調整してより偏心させる手段が用いられる。このようにして、卵の処理中に異なるサイズの包装ユニットに簡単にかつ迅速に切り替えることができる。
【0025】
図2において、そしてさらに
図3において、移動ガイドが卵を下方に案内する経路に追従するようにする方法が詳細に示されている。移動ガイド61は、ヒンジ要素またはヒンジ・ブラケット64の一部分としておよびヒンジ要素またはヒンジ・ブラケット64の端部の一方として、ヒンジ・ピボットの周りに蝶番式に結合片62と結合され、これらの結合片62はエンドレス転移コンベヤ63のリンク、例えばチェインに固定され、該チェインは第1の湾曲軌道66内を案内される。ヒンジ・ブラケット64のもう一方の端部において、従ってヒンジ・ピボットのもう一方の側において例えば自由回転ホイールの形の、カム従動子65が配置されており、このカム従動子65は第2の湾曲軌道67に追従する。2つの湾曲軌道66、67の実装は、下方移動の際に移動ガイド61がさらに適切に回転して卵をできるだけ緩やかに下方に案内して卵をトレイ7のネスト71に案内できるように行なわれる。前述の通り、トレイ7は搬送方向Tにおける連続的な移動運動に従うと同時に、卵は、この場合も同様に搬送方向Tの下方および前方移動に従う。その結果、非常に緩やかかつ滑らかな転移が行なわれる。
【0026】
当業者には明らかなように、これらの湾曲軌道66、67は装置の両側のハウジング内に配置されている。
【0027】
さらなる応用において、殻卵に対して一般に用いられる矩形パターンの他に、卵の孵化用のトレイに用いられるパターンも処理することができる。そこで用いられているこれら2つのパターンは、多くの場合に、前述の矩形形状のものの他に、以下の構成を有する。
【0028】
第1のパターンでは、
列が搬送方向に、
行が垂直方向にあり、すべての偶数
行は一方の側にネストのほぼ半分の距離にわたって変位される。そのようなパターンは搬送方向に平行な両長辺において櫛形の外観を有する。そのようなパターンが処理されるためには、
図1に示す2つのフレームが意図された方向における上記の距離に渡ってフレーム上に載置される。さらに、ロッドの余分のセットが載置されて、交互にこれらの位置に置かれた卵が適切な方法で案内されることが可能になる。
【0029】
第2のパターンは同様に変位された
行を有し、櫛形の外観を有するが、同じ
行である。すなわち、奇数の
行はn個のネストまたは包装位置を有し、偶数
行は(n−1)個の位置を有し、nは自然数、n≧2である。
【0030】
そのようなトレイに卵を充填するには、以下の構成またはそれらの組み合わせが適用される。
−供給コンベヤ上の軌道とホルダとの適合パターン
−転移ユニット内の余分の供給漏斗であって、偶数列用および奇数列用の両方に配置されたフレームを有し、必要であれば、一組のフレームが横に互い違いの位置を占め、従って、余分の組の湾曲軌道が配置されるもの
【0031】
図4は転移ユニット103の別の実施形態を示す。
図4に示すユニット103は、
図1−3に示すユニット3とは、各供給漏斗104が対向配置された2つの移動部分161a、161bからなり、少なくとも、それらの部分161a、161bにより運ばれてきた卵の下方への搬送の間、対向配置される点において異なる。
【0032】
各移動漏斗部分161a、161bは、例えば、実質的に凹状湾曲材料片を備え、該材料片は卵の下方方向への搬送の際、卵を部分的に担持して包装ユニット近傍のポイントに運ぶ一方、卵とともに下降および前進方向に移動する。本実施例における各移動漏斗部分161a、161bは、関連するエンドレス・コンベヤ163a、163b(例えば、チェイン)に連結され、その閉じた無限経路に追従する。さらに詳しくは、各移動漏斗部分161a,161bは、第1の(斜め下方の)経路部分であって、漏斗部分161a,161bが互いに近傍にあり(相互に対向する凹状の辺を有し)、卵運搬漏斗104を形成しているものに周期的に追従する。さらに、本発明の転移ユニット103の実装は、漏斗部分161a,161bが周期的に第2の(斜め上方の)経路部分に追従し、漏斗部分は移動して離れ再び当初の位置に到達するように行なわれる。特に、漏斗部分は漏斗構成当初位置(供給コンベヤ近傍)に戻され、再び卵を受け取る。
【0033】
この場合も、転移ユニット103は、漏斗104により担持された卵の重心が、卵を受け取る包装ユニット7の水平速度、特に包装コンベヤのそれぞれの水平速度に実質的に等しい水平速度で連続して移動する。
【0034】
図1および
図2に示す実施形態におけるように、移動漏斗部161a、161b(
図4に示す例)はわずかに斜め下方に傾いている経路に追従して卵を下方に運ぶことができる。漏斗部161a、161bのそれぞれは、ヒンジ・ピボットのまわりに蝶番式に、ヒンジ要素またはヒンジ・ブラケットの端部の一方と、接続片を用いて、接続されていてもよく、該接続片は各エンドレス転移コンベヤ163a、163b(各第1の湾曲軌道に案内されていてもよい)のリンクと固定して接続される。この例示的実施形態においても、漏斗部分161a,161bのそれぞれは、第2の湾曲軌道に追従するカム従動子、例えば自由回転する小ホイール、に連結されていてもよい。第1および第2の湾曲軌道の構成は、漏斗104が部分161a,161bからなり、下方移動の際に卵をできるだけ緩やかにトレイ7のネストに移動する。
【0035】
図4を参照すると、分かるように、図示された供給コンベヤ101はそれ自体公知のローラ・コンベヤである。供給コンベヤ101の下流端近傍に、概略を示す卵配向装置を設けて卵をそれぞれ尖端が下方を向くような位置に回すようにしてもよい。そのような装置140は欧州特許第512585号公報明細書(EP0512585)よりそれ自体公知である。この刊行物は参照することによりその全体が本出願の一部を構成するものと了解される。加えて、供給コンベヤは、例えば、
図1−3に示す供給コンベヤ1と同様に構成されていてもよく、あるいは、それとは異なるように構成されていてもよい。図にさらに示されているように、例えば、ガイド構造150が供給コンベヤと転移ユニット3との間に設けられていてもよい。ガイド構造150は供給コンベヤにより供給される卵を受け取り、それらを転移ユニット3の上流部分に移動するように構成されている。ガイド構造150は異なる方法で実装されてもよく、例えば漏斗、ガイド・プレート等の、当業者には明らかであるものを備えていてもよい。
【0036】
当業者には明らかなように、部品、部品の組み合わせ、または適切な材料の選択に関する限り、さらなる変形例も可能であり、それらはすべて添付の特許請求の範囲内に含まれるものと了解される。
【0037】
このように、供給コンベヤにより供給されつつある卵はすでに尖端が下を向くように配向されているようにすることが可能である。加えて、各卵は、転移ユニットにより引き継がれる直前に、または転移ユニット上に運ばれつつある間に、その向きをそのような向きにすることができる。転回は、例えば、EP0512585に記載された装置により行なわれる方法と同じ方法で行なうことができる。従って、例えば、EP0512585に記載された、卵を搬送する回転ローラを備えた供給コンベヤを用いてもよい。
【符号の説明】
【0038】
1 供給コンベヤ
2 転移ユニット
20 駆動軸
3 ホルダ
4 供給漏斗
5 固定部分、ガイド・ロッド
6 移動部分
61 凹状材料片、移動ガイド
62 結合片
63 転移コンベヤ、チェイン
64 ヒンジ・ブラケット
65 カム従動子
66 第1の凹状軌道
67 第2の凹状軌道
7 包装ユニット
71 ネスト
8 供給漏斗フレーム
T 搬送方向
d 中間距離、ピッチ
C 供給コンベヤ移動方向
α ガイド・ロッドの角度
V 包装ユニットの変位方向
P 生産物、卵