(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】
図1Aは、本発明の第1の実施形態に係るサブマウントの構成を示す平面図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の実施形態に係るサブマウントの構成を示す断面図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の第1の実施形態に係るサブマウントを作製する工程を示す図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の第1の実施形態に係るサブマウントを作製する工程を示す図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の第1の実施形態に係るサブマウントを作製する工程を示す図である。
【
図3D】
図3Dは、本発明の第1の実施形態に係るサブマウントを作製する工程を示す図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の第1の実施形態に係るサブマウントを備えたモジュールの構成を示す平面図である。
【
図5A】
図5Aは、本発明の第1の実施形態に係るサブマウントを備えたモジュールの構成を示す平面図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の第2の実施形態に係る封止済み半導体素子の構成を示す平面図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明の第2の実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明の第2の実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【
図7C】
図7Cは、本発明の第2の実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【
図8A】
図8Aは、本発明の第2の実施形態に係る封止済み半導体素子を備えたモジュールの構成を示す平面図である。
【
図9】
図9は、本発明の第3の実施形態に係るサブマウントの構成を示す図である。
【
図10】
図10は、本発明の第4の実施形態に係るサブマウントの構成を示す図である。
【
図11】
図11は、本発明の第5の実施形態に係る封止済み半導体素子の構成を示す図である。
【
図12】
図12は、本発明の第6の実施形態に係る封止済み半導体素子の構成を示す図である。
【
図13A】
図13Aは、本発明の第7の実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図である。
【
図14】
図14は、本発明の第7の実施形態に係る他のモジュールの構成を示す断面図である。
【
図15A】
図15Aは、本発明の第8の実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図である。
【
図16A】
図16Aは、本発明の第9の実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図である。
【
図17A】
図17Aは、本発明の第10の実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図である。
【
図18A】
図18Aは、本発明の第11の実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図である。
【
図19A】
図19Aは、本発明の第12の実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図である。
【
図20】
図20は、本発明の第13の実施形態に係る封止済み半導体素子の構成を示す斜視図である。
【
図21A】
図21Aは、本発明の第13の実施形態に係る封止済み半導体素子を備えたモジュールの構成を示す平面図である。
【
図22A】
図22Aは、本発明の第13の実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【
図22B】
図22Bは、本発明の第13の実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【
図22C】
図22Cは、本発明の第13の実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【
図23】
図23は、本発明の第14の実施形態に係る封止済み半導体素子の構成を示す斜視図である。
【
図24A】
図24Aは、本発明の第14の実施形態に係る封止済み半導体素子を備えたモジュールの構成を示す平面図である。
【
図25A】
図25Aは、本発明の第14の実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【
図25B】
図25Bは、本発明の第14の実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【
図25C】
図25Cは、本発明の第14の実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【
図26】
図26は、従来技術に係るサブマウントを備えたモジュールの構成を示す図である。
【
図27A】
図27Aは、本発明の第1の実施形態に係るワイヤボンディングの工程を示す図である。
【
図27B】
図27Bは、本発明の第1の実施形態に係る他のワイヤボンディングの工程を示す図である。
【
図28A】
図28Aは、本発明の第15の実施形態に係るサブマウントの構成を示す斜視図である。
【
図28B】
図28Bは、本発明の第15の実施形態に係るサブマウントの構成を示す図である。
【
図28C】
図28Cは、本発明の第15の実施形態に係る他のサブマウントの構成を示す図である。
【
図29A】
図29Aは、本発明の第15の本実施形態に係るワイヤボンディングの工程を示す図である。
【
図29B】
図29Bは、本発明の第15の本実施形態に係るワイヤボンディングの工程を示す図である。
【
図29C】
図29Cは、本発明の第15の本実施形態に係るワイヤボンディングの工程を示す図である。
【
図29D】
図29Dは、本発明の第15の本実施形態に係るワイヤボンディングの工程を示す図である。
【
図30】
図30は、本発明の第16の実施形態に係るサブマウントの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0030】
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態に係るサブマウントの構成を示す図である。
図1Aは、サブマウントの平面図である。
図1Bは、
図1Aの断面線IB−IBにおける断面図である。説明のために、
図1Aの上部は樹脂108がない状態での平面図であり、
図1Aの下部は樹脂108がある状態での平面図である。本願のその他の平面図についても同様に示す平面図があるので留意されたい。
【0031】
図1に示すように、サブマウント100は、基板101と、電極102,103と、半導体素子104と、Auワイヤ105と、金バンプ106,107とから構成される。電極102,103と、半導体素子104と、Auワイヤ105と、金バンプ106,107とは、樹脂108により基板101上で封止される。
【0032】
基板101として、ガラスエポキシ基板、紙フェノール基板、紙エポキシ基板、ガラス・コンポジット基板、テフロン(登録商標)基板、アルミナ基板、シリコンインターポーザ基板、もしくはLTCC基板等のリジット基板またはフレキシブル基板を使用することができる。
【0033】
電極は、基板上にパターニングされる。本実施形態では、
図1に示すように、上に半導体素子104が形成される電極102と、各々の上に金バンプ107が形成される直線上に配列された複数の電極103とがパターニングされている。電極材料として、Cuを使うことができる。CuにNi/Auメッキしたものを電極として使用した。なお、電極材料として、Ag,Au等も使用することができ、メッキとして、Ni/Pd/Auメッキ、Ni/Bメッキ、Ni/Pメッキ、Agメッキ、Pd/Niメッキ、Pdメッキ、Ti/Pd/Auメッキ、Ti/Pt/Auメッキ、Ti/Pd/Cu/Ni/Auメッキ等も使用することができる。
【0034】
半導体素子の表面には、
図1Aに示すように、電極などの回路パターンが形成されている。本実施形態に係る半導体素子104は、電極102上に形成されているが、必ずしも電極上に形成する必要はなく、半導体素子は、サブマウントの基板上に形成されれば良い。
【0035】
Auワイヤ105を用いたワイヤボンディングにより、半導体素子104と電極103とが接続される。なお、ワイヤボンディングの種類は、ボールボンディング、ウェッジボンディング等があり、ワイヤとして、Auワイヤ以外にも、Ptワイヤ、Cuワイヤ、またはAlワイヤ等を使用することができる。
【0036】
ワイヤボンディングの方法の例を、
図27AおよびBに示す。一例として、ワイヤボンディングは、(1)ボールボンダーのAuワイヤ105の金バンプ106を半導体素子104のパッドにうつステップと(1stボンディング)、(2)Auワイヤを切らずに基板101上の電極103にAuワイヤ105をつなげるステップと(2ndボンディング)、(3)電極103上かつ2ndボンディングでつなげたAuワイヤ105上に金バンプ107をうつステップとから行うことができる(
図27Aを参照)。
【0037】
他の例として、ワイヤボンディングは、(1)ボールボンダーのワイヤの金バンプ106を半導体素子104のパッドにうちワイヤを切るステップと、(2)電極103上に金バンプ107をうち(1stボンディング)、Auワイヤを切らずに金バンプ106にAuワイヤ105をつなげるステップ(2ndボンディング)とから行うことができる(
図27Bを参照)。本実施形態では、これら2つの工程のどちらかを使用してワイヤボンディングを行う。
【0038】
金バンプ107は、電極103上かつAuワイヤ105上に、ボールボンディングにより形成される。金バンプ107の直径は、20〜200μmであり、望ましくは40〜100μmである。
図1Bに示すように、金バンプ107は、モジュール側面における露出した面を有するが、これはダイシングにより切断面が露出しているのである。ダイシングなどを含むサブマウントの作製方法は後述する。金バンプ107の露出した面は、サブマウント100の側面電極として機能することとなる。なお、バンプとして、金バンプ以外にも、白金(Pt)バンプまたは銅(Cu)バンプ等を使用することができる。
【0039】
樹脂108は、電極102,103と、半導体素子104と、Auワイヤ105と、金バンプ106,107とを基板101上に封止する。樹脂108として、熱硬化性やUV硬化性を持つ、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、またはアクリル樹脂等を使用することができる。樹脂108は、半導体素子104を機械的に保護することまたは湿度、熱などの環境から保護することを目的として設けられる。ワイヤボンディングは加熱処理とともに行うことが多いことを考慮すると、樹脂108は、加熱時においても十分な硬さを有するものが望ましい。
【0040】
図2は、本実施形態に係る他のサブマウントの構成を示す断面図である。なお、
図1では、1個の金バンプ107の露出した面をサブマウントの側面電極として利用する構成を示したが、
図2に示すように複数個のパンプの露出した面をサブマウントの側面電極として使用しても良い。
【0041】
図3AないしDは、本実施形態に係るサブマウントを作製する工程を示す図である。
【0042】
先ず、Auワイヤ105を用いたワイヤボンディングにより、半導体素子104と電極103とを接続する(
図3A)。
【0043】
次に、電極103上かつAuワイヤ105上に、金バンプ107を形成する(
図3B)。
【0044】
次に、樹脂108を塗布して、電極102,103と、半導体素子104と、Auワイヤ105と、金バンプ106,107とを基板101上に封止する。樹脂108は、基板101上に塗布する(
図3C)。樹脂を塗布した後、加熱またはUV硬化等により樹脂を硬化させる。
【0045】
最後に、ダイシングラインに沿ってダイシングし、金バンプ107の切断面を露出させる(
図3D)。金バンプ107の露出した面は、サブマウント100の側面電極として機能することとなる。
【0046】
図4に、本実施形態に係るサブマウントを備えたモジュールの構成を示す。
図4Aは、モジュールの平面図である。
図4Bは、
図4Aの断面線IVB−IVBにおける断面図である。
【0047】
モジュール109は、メイン基板110と、IC111と、サブマウント100と、Auワイヤ112と、金バンプ113とから構成される。
【0048】
IC111は、メイン基板110上に形成される。
【0049】
サブマウント100は、メイン基板110上に形成される。サブマウント100の金バンプ107を有さない方の側面がメイン基板110と接着剤などにより接合される。
【0050】
Auワイヤ112を用いたワイヤボンディングにより、IC111とサブマウント100の側面電極(すなわち、金バンプ107の露出した切断面)とが接続される。ダイシングによって露出した金バンプ107の切断面が、サブマウント100の側面電極として機能していることがわかる。
【0051】
図5に、本実施形態に係るサブマウントを備えたモジュールの別の構成を示す。
図5Aは、モジュールの平面図である。
図5Bは、
図5Aの断面線VB−VBにおける断面図である。
【0052】
モジュール109は、メイン基板110と、IC111と、サブマウント100と、メイン基板110上のパターン電極116と、バンプ123と、スペーサ118と、電気的接続120とから構成される。
【0053】
図5に示す構成により、メイン基板110にBGAのように接着されたIC111と、サブマウント100との間を電気的に接続することができる。
【0054】
サブマウント100は、メイン基板110上に形成される。サブマウント100の金バンプ107を有する方の側面が下向きに配されて、電気的接続120を介して電極116と接続される。
【0055】
金バンプ107と、電極116との間の電気的接続120は、金バンプや導電性接着剤により実現することができる。
【0056】
IC111と電極116との間の電気的接続は、半田ボール等のバンプ123を用いて構成される。
【0057】
本実施形態により、従来技術(
図26参照)のようにサブマウントの側面に電極パターンを形成することなく、IC111とサブマウント100とを電気的に接続することができる。
【0058】
[第2の実施形態]
図6は、本実施形態に係る半導体素子の構成を示す図である。
図6Aは、半導体素子の平面図である。
図6Bは、
図6Aの断面線VIB−VIBにおける断面図である。
【0059】
図6に示すように、半導体素子104は、表面に金バンプ106を形成される。金バンプ106は、樹脂108により半導体素子104上で封止される。
【0060】
金バンプ106は、半導体素子104上にボールボンディングにより形成される。金バンプの106の直径は、40〜100μmが望ましい。
図6Bに示すように、金バンプ106は、側面が露出しているが、これはダイシングにより切断面が露出しているのである。ダイシングなどを含む封止済み半導体素子の作製方法は後述する。金バンプ106の露出した面は、封止済み半導体素子の側面電極として機能することとなる。なお、バンプとして、金バンプ以外にも、白金(Pt)バンプまたは銅(Cu)バンプ等を使用することができる。
【0061】
樹脂108として、熱硬化性やUV硬化性を持つ、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、またはアクリル樹脂等を使用することができる。樹脂108は、半導体素子104を機械的に保護することまたは湿度、熱などの環境から保護することを目的として設けられる。ワイヤボンディングが加熱処理であることを考慮すると、樹脂108は、ワイヤボンディングの際(加熱時)においても十分な硬さを有するものを使用する必要がある。
【0062】
図7AないしCは、本実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【0063】
先ず、ダイシングしていないウエハ114の表面電極上に金バンプ106を形成する(
図7A)。
【0064】
次に、樹脂108を塗布して、金バンプ106をウエハ114上で封止する。樹脂108は、ウエハ114上で均一になるように塗布する(
図7B)。樹脂を塗布した後、加熱またはUV硬化等により樹脂を硬化させる。
【0065】
最後に、ダイシングラインに沿ってダイシングし、半導体素子104ごとに個片化する。ダイシングにより、金バンプ106の切断面が露出する(
図7C)。金バンプ106の露出した面は、封止済み半導体素子の側面電極として機能することとなる。
【0066】
図8に、本実施形態に係る封止済み半導体素子を備えたモジュールの構成を示す。
図8Aは、モジュールの平面図である。
図8Bは、
図8Aの断面線VIIIB−VIIIBにおける断面図である。
【0067】
モジュール109は、メイン基板110と、IC111と、封止済み半導体素子(樹脂108で封止された金バンプ106を有する半導体素子104)と、Auワイヤ112と、金バンプ113とから構成される。
【0068】
IC111は、メイン基板110上に形成される。
【0069】
封止済み半導体素子は、メイン基板110上に形成される。金バンプ106を有さない方の側面がメイン基板110と接合される。
【0070】
Auワイヤ112を用いたワイヤボンディングにより、IC111と封止済み半導体素子の側面電極(すなわち、金バンプ106の露出した切断面)とが接続される。ダイシングによって露出した金バンプ106の切断面が、封止済み半導体素子の側面電極として機能していることがわかる。なお、ワイヤボンディングの種類は、ボールボンディング、ウェッジボンディング等があり、ワイヤとして、Auワイヤ以外にも、Ptワイヤ、Cuワイヤ、またはAlワイヤ等を使用することができる。
【0071】
上記[第1の実施形態]および[第2の実施形態]では、基板上または半導体素子上に、1種類の樹脂を塗布している。しかし、樹脂塗布による封止には、その他のバリエーションが存在するので、以下の実施形態で説明する。
【0072】
[第3の実施形態]
図9は、本実施形態に係るサブマウントの構成を示す図である。
図9に示すように、樹脂108を金バンプ107が隠れるように塗布することができる。本実施形態に係るサブマウント100は、樹脂108が基板101上で全体に亘って塗布されないことにおいて、[第1の実施形態]と相違する。樹脂108を除く他の構成要素については、[第1の実施形態]と同一であるので、説明を省略する。
【0073】
本実施形態により、樹脂硬化時に半導体素子104に損傷を与えることがなくなる。また、塗布する樹脂の量を少なくすることができる。なお、半導体素子に損傷を与える原因としては、樹脂硬化または樹脂が温度サイクルによって膨張もしくは収縮することによる応力等が考えられる。
【0074】
本実施形態に係るサブマウント100は、金バンプ107を電極103上に形成することと、金バンプ107が隠れる程度に樹脂108を塗布することと、塗布した樹脂108を加熱またはUV硬化等により硬化させた後で金バンプ107の切断面が露出するようにダイシングすることとにより作製される。ここで、樹脂108は、ワイヤボンディングの力に耐えられる硬さを有する。
【0075】
[第4の実施形態]
図10は、本実施形態に係るサブマウントの構成を示す図である。
図10に示すように、樹脂108を金バンプ107が隠れるように塗布し、さらに別の樹脂115を基板101上に塗布することができる。本実施形態に係るサブマウント100は、樹脂115をさらに備えたことにおいて、[第3の実施形態]と相違する。樹脂115を除く他の構成要素については、[第3の実施形態]と同一であるので、説明を省略する。
【0076】
本実施形態に係るサブマウント100は、金バンプ107を電極103上に形成することと、金バンプ107が隠れる程度に樹脂108を塗布することと、基板101上に樹脂115を塗布することと、塗布した樹脂115を加熱またはUV硬化等により硬化させた後で金バンプ107の切断面が露出するようにダイシングすることとにより作製される。ここで、樹脂108は、ワイヤボンディングの力に耐えられる硬さを有し、樹脂115は、樹脂108の硬さより柔らかい硬さを有する。
【0077】
樹脂の硬さが硬すぎると、半導体素子104が傷付く恐れがある。しかし、本実施形態では、金バンプ107を硬い樹脂108で保護しながら、半導体素子104を柔らかい樹脂115で保護するので、半導体素子104が傷付くことを防止できる。
【0078】
[第5の実施形態]
図11は、本実施形態に係る封止済み半導体素子の構成を示す図である。
図11に示すように、半導体素子104上で金バンプ106の周りのみに樹脂108を塗布することができる。樹脂108が金バンプ106の周りのみに塗布されること以外は、[第2の実施形態]と同一であるので、説明を省略する。
【0079】
本実施形態では、選択的に樹脂108を塗布する。選択的に樹脂を塗布することで、半導体素子が樹脂に覆われる部分を減らすことができる。本実施形態は、半導体素子が覆われる樹脂によって悪い影響を受けるような場合に有効である。
【0080】
本実施形態に係る封止済み半導体素子は、金バンプ106をウエハ上に形成することと、金バンプ106が隠れる程度に樹脂108をウエハ塗布することと、塗布した樹脂108を加熱またはUV硬化等により硬化させることと、金バンプ106の切断面が露出するようにウエハダイシングし、半導体素子104ごとに個片化することとにより作製される。ここで、樹脂108は、ワイヤボンディングの力に耐えられる硬さを有する。
【0081】
[第6の実施形態]
図12は、本実施形態に係る封止済み半導体素子の構成を示す図である。
図12に示すように、金バンプ106を中心に樹脂108を塗布し、さらに別の樹脂115を半導体素子104上に塗布することができる。本実施形態に係る半導体素子は、樹脂115をさらに備えたことにおいて、[第5の実施形態]と相違する。
【0082】
本実施形態に係る半導体素子は、金バンプ106をウエハ上に形成することと、金バンプ106を中心として金バンプ106が隠れる程度に樹脂108をウエハに塗布することと、ウエハ上に樹脂115を塗布することと、塗布した樹脂115を加熱またはUV硬化等により硬化させることと、金バンプ106の切断面が露出するようにダイシングし、半導体素子104ごとに個片化することとにより作製される。ここで、樹脂108は、ワイヤボンディングの力に耐えられる硬さを有し、樹脂115は、樹脂108の硬さより柔らかい硬さを有する。
【0083】
半導体素子104を覆う樹脂の硬さが硬すぎると、半導体素子104が傷付く恐れがある。しかし、本実施形態では、金バンプ106を硬い樹脂108で保護しながら、半導体素子104を柔らかい樹脂115で保護するので、半導体素子104が傷付くことを防止できる。なお、半導体素子に損傷を与える原因としては、樹脂硬化または樹脂が温度サイクルによって膨張もしくは収縮することによる応力等が考えられる。
【0084】
[第7の実施形態]
上記の[第4の実施形態]に係るサブマウントを搭載したモジュールのバリエーションについて、以下に説明する。
【0085】
図13Aは、本実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図であり、
図13Bは、
図13Aの断面線XIIIB−XIIIBにおける断面図である。
図13AおよびBに示すように、本実施形態に係るモジュール109は、メイン基板110と、メイン基板110上の電極116と、メイン基板110上のIC111と、メイン基板110上のサブマウント100と、IC111とサブマウント100とを接続するAuワイヤ112と、IC111上の金バンプ113とから構成される。
【0086】
サブマウント100は、電極116の上に実装される。この際、サブマウント100の金バンプ107と電極116とは、導電性接着剤により接着されて、電気的に接続される。なお、
図13で示した構造では、金バンプ107と電極116とを導電性接着剤で接着して電気的接続を得た。
【0087】
図14は、本実施形態に係る他のモジュールの構成を示す断面図である。
図14に示すように、サブマウント100と電極116との間にスペーサ118を挿入して、スペーサ118によってできた空間にバンプ123を設けることにより電気的接続を実現しても良い。
【0088】
[第8の実施形態]
図15Aは、本実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図であり、
図15Bは、
図15Aの断面線XVB−XVBにおける断面図である。
図15AおよびBに示すように、本実施形態に係るモジュール109は、メイン基板110と、メイン基板110上の電極116と、メイン基板110上のIC111と、メイン基板110上のサブマウント100と、IC111とサブマウント100とを接続するAuワイヤ112と、IC111上の金バンプ113とから構成される。
【0089】
図15Bに示すように、メイン基板110は、ザグリ加工によって段付けされており、素子搭載面は高い面と低い面とを有する。IC111は、メイン基板110の高い方の面上に実装され、サブマウント100は、メイン基板110の低い方の面上に実装される。
【0090】
IC111とサブマウント100とをAuワイヤ112を用いて接続するために、IC基板上に金バンプ113を設ける。
【0091】
本実施形態では、金バンプ113と、金バンプ107との間のAuワイヤ112の配線が短くインダクタンスを抑えることができる。従って、本実施形態に係るモジュールでは、高速線路を実現することができる。
【0092】
[第9の実施形態]
図16Aは、本実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図であり、
図16Bは、
図16Aの断面線XVIB−XVIBにおける断面図である。
図16AおよびBに示すように、本実施形態に係るモジュール109は、メイン基板110と、メイン基板110上の電極116と、メイン基板110上のIC111と、IC111上のスペーサ118と、スペーサ118上のサブマウント100と、金バンプ113、117とから構成される。金バンプ117は、サブマウント100が備えた金バンプ107の露出した切断面と接触している。
【0093】
スペーサ118が、IC111とサブマウント100との間に設置される。スペーサ118によって作り出された空間において、IC111上の金バンプ113と、金バンプ117とが接触する。かかる構成により、IC111とサブマウント100とを電気的に接続することができる。
【0094】
なお、上記の実施形態では、スペーサによってできた空間に2個の金バンプを設置することで、IC111−サブマウント100間の電気的接続を実現しているが、電気的接続を得るために、スペーサによってできる空間に設置する金バンプの数は1以上の任意の数で良い。スペーサは、配線したパッドから出たAuワイヤ112とサブマウント100とが接触しないように設けられるところ、スペーサにより生じた空間において任意の数の金バンプを使って電気的接続を実現する。
【0095】
[第10の実施形態]
上記の[第6の実施形態]に係る封止済み半導体素子を搭載したモジュールのバリエーションについて、以下に説明する。
【0096】
図17Aは、本実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図であり、
図17Bは、
図17Aの断面線XVIIB−XVIIBにおける断面図である。
図17AおよびBに示すように、本実施形態に係るモジュール109は、メイン基板110と、メイン基板110上の電極116と、メイン基板110上のIC111と、メイン基板110上の封止済み半導体素子と、IC111と封止済み半導体素子とを接続するAuワイヤ112と、IC111上の金バンプ113とから構成される。
【0097】
封止済み半導体素子は、電極116の上に実装される。この際、封止済み半導体素子の金バンプ106と電極116とは、導電性接着剤により接着されて、電気的に接続される。
【0098】
なお、
図17で示した構造では、金バンプ106と電極116とを導電性接着剤で接着して電気的接続を得た。しかし、封止済み半導体と電極116との間にスペーサを挿入して、スペーサ118によってできた空間にバンプを設けることにより電気的接続を実現しても良い。
【0099】
[第11の実施形態]
図18Aは、本実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図であり、
図18Bは、
図18Aの断面線XVIIIB−XVIIIBにおける断面図である。
図18AおよびBに示すように、本実施形態に係るモジュール109は、メイン基板110と、メイン基板110上の電極116と、メイン基板110上のIC111と、メイン基板110上の封止済み半導体素子と、IC111と封止済み半導体素子とを接続するAuワイヤ112と、IC111上の金バンプ113とから構成される。
【0100】
メイン基板110は、ザグリ加工によって段付けされており、素子搭載面は高い面と低い面とを有する。IC111は、メイン基板110の高い方の面上に実装され、封止済み半導体素子は、メイン基板110の低い方の面上に実装される。
【0101】
IC111と封止済み半導体素子とをAuワイヤ112を用いて接続するために、IC111上に金バンプ113を設ける。金バンプ106の露出した切断面が封止済み半導体素子の側面電極として機能するので、IC111と封止済み半導体素子とを電気的に接続することができる。
【0102】
[第12の実施形態]
図19Aは、本実施形態に係るモジュールの構成を示す平面図であり、
図19Bは、
図19Aの断面線XIXB−XIXBにおける断面図である。
図19AおよびBに示すように、本実施形態に係るモジュール109は、メイン基板110と、メイン基板110上の電極116と、メイン基板110上のIC111と、メイン基板110上のスペーサ118と、スペーサ118上の封止済み半導体素子と、IC111上の金バンプ113と、金バンプ117とから構成される。
【0103】
スペーサ118が、メイン基板110と封止済み半導体素子との間に設置され、これにより、モジュール109は、IC111と封止済み半導体素子との間に空間を有する。スペーサ118によって作り出された空間において、IC111上の金バンプ113と金バンプ117とが接触するように構成される。かかる構成により、IC111と封止済み半導体素子とを電気的に接続することができる。
【0104】
なお、上記の実施形態では、スペーサによってできた空間に2個の金バンプが設置されるような構成とすることで、IC111−封止済み半導体素子間の電気的接続を実現しているが、電気的接続を得るために、スペーサによってできる空間に設置する金バンプの数は1以上の任意の数で良い。
【0105】
[第13の実施形態]
図20は、本実施形態に係る封止済み半導体素子の構成を示す斜視図である。
図20に示すように、本実施形態に係る封止済み半導体素子は、半導体素子104と、半導体素子104上の複数の金バンプ106と、複数の金バンプ106を半導体素子104上で封止する樹脂108とから構成される。
【0106】
図21Aは、本実施形態に係る封止済み半導体素子を備えたモジュール平面図であり、
図21Bは、
図21Aの断面線XXIB−XXIBにおける断面図である。
図21AおよびBに示すように、本実施形態に係る封止済み半導体素子は、CSP(Chip Size Package)のように半田121を用いて回路基板122に実装することができる。半田のかわりに導電性接着剤を使用することもできる。
【0107】
図22AないしCは、本実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【0108】
先ず、ダイシングしていないウエハ114の表面電極上に複数の金バンプ106を形成する(
図22A)。
図22Aに示すように、金バンプ106は、x軸方向およびy軸方向に直線上に配列されるように形成される。
【0109】
次に、樹脂108を塗布して、金バンプ106をウエハ114上で封止する。樹脂108は、ウエハ114上で均一になるように塗布する(
図22B)。樹脂108を塗布した後、加熱またはUV硬化等により樹脂を硬化させる。
【0110】
最後に、ダイシングラインに沿ってダイシングし、半導体素子104ごとに個片化する。ダイシングにより、金バンプ106の切断面が露出する(
図22C)。金バンプ106の露出した面は、封止済み半導体素子の側面電極として機能することとなる。
図22Cに示す封止済み半導体素子は、16個の側面電極を有し、16個の側面電極は、x方向またはy方向に直線状に配列されている。
【0111】
[第14の実施形態]
図23は、本実施形態に係る封止済み半導体素子の構成を示す斜視図である。
図23に示すように、本実施形態に係る封止済み半導体素子は、半導体素子104と、半導体素子104上の複数の金バンプ106と、複数の金バンプ106を半導体素子104上で封止する樹脂108とから構成される。
【0112】
図24Aは、本実施形態に係る封止済み半導体素子を備えたモジュール平面図であり、
図24Bは、
図24Aの断面線XXIVB−XXIVBにおける断面図である。
図24AおよびBに示すように、本実施形態に係る封止済み半導体素子は、CSP(Chip Size Package)のように半田121を用いて回路基板122に実装することができる。半田のかわりに導電性接着剤を使用することもできる。
【0113】
また、ザグリ加工によって段付けされ素子搭載面が高い面と低い面とを有したメイン基板に、本実施形態に係る封止済み半導体素子を、実装することもできる。ICは、メイン基板の高い方の面上に実装され、封止済み半導体素子は、メイン基板の低い方の面上に実装される。封止済み半導体素子の一方の側面が、メイン基板の低い方の面と非導電性接着剤、半田、導電性接着剤等により固定される。封止済み半導体素子の他方の側面に露出した金バンプの切断面と、ICとがワイヤにより接続される。
【0114】
図25AないしCは、本実施形態に係る封止済み半導体素子を作製する工程を示す図である。
【0115】
先ず、ダイシングしていないウエハ114の表面電極上に複数の金バンプ106を形成する(
図25A)。
図25Aに示すように、金バンプ106は、y軸方向に直線上に配列されるように形成される。
【0116】
次に、樹脂108を塗布して、金バンプ106をウエハ114上で封止する。樹脂108は、ウエハ114上で均一になるように塗布する(
図25B)。樹脂108を塗布した後、加熱またはUV硬化等により樹脂を硬化させる。
【0117】
最後に、ダイシングラインに沿ってダイシングし、半導体素子104ごとに個片化する。ダイシングにより、金バンプ106の切断面が露出する(
図25C)。金バンプ106の露出した面は、封止済み半導体素子の側面電極として機能することとなる。
図25Cに示す封止済み半導体素子は、12個の側面電極を有し、12個の側面電極は、y方向に直線状に配列されている。
【0118】
[第15の実施形態]
図28AおよびBは、本実施形態に係るサブマウントの構成を示す図である。
図28Bに示すように、本実施形態に係るサブマウント200は、基板201と、電極203と、半導体素子204と、Auワイヤ205と、金バンプ206および207とから構成される。本実施形態に係るサブマウント200は、基板201に溝213を設け、溝213内に半導体素子204を搭載している点で、
図9の[第3の実施形態]と相違する。溝213を形成する点および半導体素子204を直接基板201上に搭載する点を除く他の構成要素については、[第3の実施形態]と同一であるので、説明を省略する。
【0119】
本実施形態の溝213は、
図28Aに示すように、基板201のy軸の正方向に向いている面上に配列された金バンプ207の配列方向、すなわち、
図28AのX方向に、直線状に形成されている。
【0120】
図28Cは、本実施形態に係る他のサブマウントの構成を示す図である。
図28Cに示すように、本実施形態に係るサブマウント300は、基板201上に、
図28Aの溝213と同方向(X方向)を長手方向とする矩形のくぼみ状の溝214を形成し、くぼみ状の溝214内に半導体素子204を搭載している。
【0121】
図29AないしDは、本実施形態に係るワイヤボンディングの方法の一例を示す図である。一例として、本実施形態に係るワイヤボンディングの方法を以下に示す。なお、
図29Aは、本実施形態に係るワイヤボンディングを行う前の基板201を示している。
【0122】
第1のステップは、基板201上にザグリ(削り)を入れて溝213を形成する(
図29B)。第2のステップは、半導体素子204を溝213内に搭載する(
図29C)。第3のステップは、ボールボンダーでAuワイヤ205の金バンプ206を半導体素子204のパッドに打ち、半導体素子204から基板201上の電極203にAuワイヤ205をつなげる(
図29C)。第4のステップは、電極203上かつ第3のステップでつなげたAuワイヤ205上にボールボンダーで金バンプ207を打つ(
図29D)。以上の工程でワイヤボンディングを行うことができる。
【0123】
本実施形態に係るサブマウント200は、まず、上記本実施形態に係るワイヤボンディングの方法により金バンプ207を電極203上に形成する。金バンプ207を電極203上に形成してから、金バンプ207が隠れる程度に樹脂208を塗布する。そして、塗布した樹脂208を加熱またはUV硬化等により硬化させた後で金バンプ207の切断面が露出するようにダイシングすることにより作製される。ここで、樹脂208は、ワイヤボンディングの力に耐えられる硬さを有する。なお、本実施形態に係るワイヤボンディングの方法は、上記他の実施形態にも適用することができる。
【0124】
本実施形態により、実施形態3と同様に、樹脂硬化時に半導体素子204に損傷を与えることがなくなる。また、塗布する樹脂の量を少なくすることができる。なお、半導体素子に損傷を与える原因としては、樹脂硬化または樹脂が温度サイクルによって膨張もしくは収縮することによる応力等が考えられる。
【0125】
さらに、本実施形態に係るサブマウント200は、半導体素子204を基板201上の溝213に搭載することによって、基板201にザグリを形成していないサブマウントよりも半導体素子204と基板201表面との距離を小さくすることができる。これにより、ワイヤボンディングが短くなるので、さらなる高速線路の実施をすることができる。
【0126】
[第16の実施形態]
図30は、本実施形態に係るサブマウントの構成を示す図である。
図30に示すように、樹脂208を金バンプ207が隠れるように塗布し、さらに別の樹脂215を基板201上に塗布することができる。本実施形態に係るサブマウント300は、樹脂215をさらに備えたことにおいて、[第15の実施形態]と相違する。樹脂215を除く他の構成要素については、[第15の実施形態]と同一であるので、説明を省略する。
【0127】
本実施形態に係るサブマウント300は、まず、実施形態15に係るワイヤボンディングの方法により金バンプ207を電極203上に形成する。金バンプ207を電極203上に形成してから、金バンプ207が隠れる程度に樹脂208を塗布する。樹脂208の塗布後に、基板201上に樹脂215を塗布する。そして、塗布した樹脂215を加熱またはUV硬化等により硬化させた後で金バンプ207の切断面が露出するようにダイシングすることにより作製される。ここで、樹脂208は、ワイヤボンディングの力に耐えられる硬さを有し、樹脂215は、樹脂208の硬さより柔らかい硬さを有する。
【0128】
樹脂の硬さが硬すぎると、半導体素子204が傷付く恐れがある。しかし、本実施形態では、金バンプ207を硬い樹脂208で保護しながら、半導体素子204を柔らかい樹脂215で保護するので、半導体素子204が傷付くことを防止できる。
【0129】
上述の全ての実施形態における半導体素子として、レーザダイオードのような光素子またはドライバICなどが挙げられる。