特許第5893780号(P5893780)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5893780
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】ビデオデータを復号化する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/119 20140101AFI20160310BHJP
   H04N 19/124 20140101ALI20160310BHJP
   H04N 19/157 20140101ALI20160310BHJP
   H04N 19/176 20140101ALI20160310BHJP
   H04N 19/70 20140101ALI20160310BHJP
【FI】
   H04N19/119
   H04N19/124
   H04N19/157
   H04N19/176
   H04N19/70
【請求項の数】4
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2015-43654(P2015-43654)
(22)【出願日】2015年3月5日
(62)【分割の表示】特願2012-535134(P2012-535134)の分割
【原出願日】2010年10月22日
(65)【公開番号】特開2015-144469(P2015-144469A)
(43)【公開日】2015年8月6日
【審査請求日】2015年3月5日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0101191
(32)【優先日】2009年10月23日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ハン,ウ−ジン
(72)【発明者】
【氏名】ミン,ジョン−ヘ
(72)【発明者】
【氏名】キム,イル−グ
【審査官】 岩井 健二
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−503784(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/019250(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/039728(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/002214(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/105732(WO,A1)
【文献】 国際公開第2008/027192(WO,A1)
【文献】 P. Chen, Y. Ye and M. Karczewicz,Video Coding Using Extended Block Sizes,ITU - Telecommunications Standardization Sector STUDY GROUP 16 Question 6 Video Coding Experts Group (VCEG),36th Meeting: San Diego, USA,2008年10月,VCEG-AJ23_r1,pp.1-3
【文献】 Jaeil Kim et al.,Enlarging MB size for high fidelity video coding beyond HD,ITU - Telecommunications Standardization Sector STUDY GROUP 16 Question 6 Video Coding Experts Group (VCEG),36th Meeting: San Diego, USA,2008年10月,VCEG-AJ21,pp.1-6
【文献】 Siwei Ma and C.-C. Jay Kuo,High-definition video coding with super-macroblocks,Visual Communications and Image Processing,SPIE,2007年 1月29日,Conference Volume 6508,pp.1-12
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 19/00 − 19/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオデータを復号化する方法において、
映像を復号化するためのデータ単位として、前記映像から分割された複数の最大符号化単位を決定する段階と、
前記最大符号化単位から階層的に分割された複数の符号化単位を決定する段階と、
量子化パラメータのデルタ値を含む符号化単位の深度を示す量子化モードをビットストリームから獲得する段階と、
前記量子化モードに基づいて前記量子化パラメータのデルタ値を含む符号化単位の深度を決定する段階と、
決定された前記符号化単位の深度に基づいて前記量子化パラメータのデルタ値を前記ビットストリームから獲得する段階と、
ットストリームから獲得した変換単位の分割情報を用いて、前記決定された深度の符号化単位から一つ以上の変換単位を決定する段階と、
前記量子化パラメータのデルタ値を用いて、前記1つ以上の変換単位に対して逆量子化を行う段階とを含み、
前記複数の符号化単位は、一つ以上の深度に対応し、
階層的に分割された複数の符号化単位を決定する段階は、
前記一つ以上の深度のうち現在深度の符号化単位の分割情報が分割を示す場合、前記現在深度の符号化単位を、隣接する符号化単位とは独立に、下位深度の4つの符号化単位に分割する段階と、を含み、
前記符号化単位から一つ以上の変換単位を決定する段階は、
前記現在深度の符号化単位の分割情報が非分割を示す場合、前記変換単位の分割情報を前記ビットストリームから獲得する段階と、
前記変換単位の分割情報が分割を示す場合、前記現在深度の符号化単位から複数の変換単位を決定する段階とを含み、
前記一つ以上の変換単位に対して逆量子化を行う段階は、
前記変換単位の分割情報が非分割を示す場合、前記現在深度の符号化単位と同じサイズの変換単位に対して逆変換を行う段階を含むことを特徴とするビデオデータを復号化する方法。
【請求項2】
前記符号化単位のサイズは、前記符号化単位の深度に応じて変化することを特徴とする請求項1に記載のビデオデータを復号化する方法。
【請求項3】
前記量子化モードは、現在ピクチャ、現在スライス及び現在シーケンスのうちの何れかのためのヘッダから獲得されることを特徴とする請求項1に記載のビデオデータを復号化する方法。
【請求項4】
ビデオデータを復号化する装置において、
映像をデータ単位として、前記映像から分割された複数の最大符号化単位を決定し、前記最大符号化単位から階層的に分割された複数の符号化単位を決定し、量子化パラメータのデルタ値を含む符号化単位の深度を示す量子化モードをビットストリームから獲得し、前記量子化モードに基づいて前記量子化パラメータのデルタ値を含む符号化単位の深度を決定し、決定された前記符号化単位の深度に基づいて前記量子化パラメータのデルタ値を前記ビットストリームから獲得する取得部と、
変換単位の分割情報を、前記ビットストリームから獲得し、前記変換単位の分割情報を用いて、前記決定された深度の符号化単位から一つ以上の変換単位を決定し、前記量子化パラメータのデルタ値を用いて、前記1つ以上の変換単位に対して逆量子化を行うデコーダとを含み、
前記階層的に分割された複数の符号化単位は一つ以上の深度に対応し、
前記一つ以上の深度のうち現在深度の符号化単位の分割情報が分割を示す場合、前記デコーダは前記現在深度の符号化単位を、隣接する符号化単位とは独立に、下位深度の4つの符号化単位に分割し、
前記現在深度の分割情報が非分割を示す場合、前記取得部が前記変換単位の分割情報を前記ビットストリームから獲得し、
前記デコーダは、前記変換単位の分割情報が分割を示す場合、前記現在深度の符号化単位から複数の変換単位を獲得し、前記変換単位の分割情報が非分割を示す場合、前記現在深度の符号化単位と同じサイズの変換単位に対して逆変換を行うことを特徴とするビデオデータを復号化する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビデオの符号化及び復号化に係わる。
【背景技術】
【0002】
高解像度または高画質ビデオ・コンテンツを再生、保存することができるハードウェアの開発及び普及によって、高解像度または高画質のビデオ・コンテンツを効果的に符号化したり復号化するビデオコーデックの必要性が増大している。既存のビデオコーデックによれば、ビデオは、所定サイズのマクロブロックに基づいて制限された符号化方式によって符号化されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、階層的構造の符号化単位の大きさによって変更されるコーディング・ツールの作動モードで遂行されるビデオ符号化方法及びその装置、並びにビデオ復号化方法及びその装置を開示するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一実施形態によるビデオ符号化方法は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する段階と、最大符号化単位ごとに、前記最大符号化単位の少なくとも1つの符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、深度が深くなるにつれ、前記最大符号化単位が段階的に分割された少なくとも1つの分割領域別に、前記コーディング・ツール別作動モードによって符号化し、最終符号化結果が出力される深度の符号化深度を決定する段階と、前記最大符号化単位ごとに、前記符号化深度の符号化されたビデオデータ、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、並びに前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を含むビットストリームを出力する段階と、を含む。符号化単位のためのコーディング・ツールの作動モードは、符号化単位の深度によって決定されてもよい。
【発明の効果】
【0005】
一実施形態によるビデオ符号化装置は、映像データの特性によって、さらに符号化効率の高い符号化単位の深度、コーディング・ツール別作動モードを決定し、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報を符号化することができる。また、一実施形態によるビデオ復号化装置は、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報に基づいて、受信されたビットストリームを復号化することによって、符号化されたビデオデータからオリジナル映像を復元することができる。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置は、高解像度映像または高画質映像などの大容量の映像データを効果的に符号化/復号化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置のブロック図である。
図2】本発明の一実施形態によるビデオ復号化装置のブロック図である。
図3】本発明の一実施形態による符号化単位の概念を図示する図である。
図4】本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像符号化部のブロック図である。
図5】本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像復号化部のブロック図である。
図6】本発明の一実施形態による深度別符号化単位及び予測単位を図示する図である。
図7】本発明の一実施形態による符号化単位及び変換単位の関係を図示する図である。
図8】本発明の一実施形態による深度別符号化情報を図示する図である。
図9】本発明の一実施形態による深度別符号化単位を図示する図である。
図10】本発明の一実施形態による、符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示する図である。
図11】本発明の一実施形態による、符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示する図である。
図12】本発明の一実施形態による、符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示する図である。
図13】表1の符号化モード情報による符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示する図である。
図14】本発明の一実施形態によるビデオ符号化方法のフローチャートである。
図15】本発明の一実施形態によるビデオ復号化方法のフローチャートである。
図16】一実施形態による、符号化単位の大きさを考慮したコーディング・ツールによるビデオ符号化装置のブロック図である。
図17】一実施形態による、符号化単位の大きさを考慮したコーディング・ツールによるビデオ復号化装置のブロック図である。
図18】一実施形態による、符号化単位の大きさ、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係を図示する図である。
図19】符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係の一実施形態であり、符号化単位の深度、インター予測の作動モードの対応関係を図示する図である。
図20】符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係の一実施形態であり、符号化単位の深度、イントラ予測の作動モードの対応関係を図示する図である。
図21】一実施形態による符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報が挿入されたシーケンスパラメータ・セットのシンタックスを図示する図である。
図22】実施形態による、符号化単位の大きさを考慮したコーディング・ツールによるビデオ符号化方法のフローチャートである。
図23】一実施形態による、符号化単位の大きさを考慮したコーディング・ツールによるビデオ復号化方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一実施形態によるビデオ符号化方法は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する段階と、最大符号化単位ごとに、前記最大符号化単位の少なくとも1つの符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、深度が深くなるにつれ、前記最大符号化単位が段階的に分割された少なくとも1つの分割領域別に、前記コーディング・ツール別作動モードによって符号化し、最終符号化結果が出力される深度の符号化深度を決定する段階と、前記最大符号化単位ごとに、前記符号化深度の符号化されたビデオデータ、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、並びに前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を含むビットストリームを出力する段階と、を含む。符号化単位のためのコーディング・ツールの作動モードは、符号化単位の深度によって決定されてもよい。
【0008】
一実施形態による符号化単位は、最大サイズ及び深度で特徴づけられる。
【0009】
深度とは、符号化単位が階層的に分割される段階を示し、深度が深くなるほど、深度別符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで分割されるのである。本明細書では、高い深度または上位深度から低い深度または下位深度の方向に、「深度が深くなる」と定義する。深度が深くなるにつれ、最大符号化単位の分割回数が増加し、最大符号化単位の分割可能な総回数が「最大深度」に対応する。符号化単位の最大サイズ及び最大深度が事前に設定されていてもよい。
【0010】
一実施形態による符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報は、前記映像のスライス、フレーム及びフレームシーケンスのうちいずれか1つの単位で事前に符号化されてもよい。
【0011】
符号化のためのコーディング・ツールは、量子化、変換、イントラ予測、インター予測、動き補償、エントロピ符号化及びループ・フィルタリングのうち少なくとも一つを含んでもよい。
【0012】
一実施形態によって、符号化単位の深度によって作動モードが決定されるコーディング・ツールがイントラ予測である場合、前記作動モードは、イントラ予測方向の個数によって分類される少なくとも一つ以上のイントラ予測モード、または前記深度別符号化単位内の領域の平坦化のためのイントラ予測モード及び境界線保存のためのイントラ予測モードを含んでもよい。
【0013】
一実施形態によって、符号化単位の深度によって作動モードが決定されるコーディング・ツールがインター予測である場合、前記作動モードは、少なくとも1つの動きベクトル決定技法によるインター予測モードを含んでもよい。一実施形態によって、符号化単位の深度によって作動モードが決定されるコーディング・ツールが変換である場合、前記作動モードは、回転変換のマトリックスに係わるインデックスによって分類される少なくとも1つの変換モードを含んでもよい。一実施形態によって、符号化単位の深度によって作動モードが決定されるコーディング・ツールが量子化である場合、前記作動モードは、量子化パラメータのデルタ値が利用されるか否かによって分類される少なくとも1つの量子化モードを含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施形態によるビデオ復号化方法は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする段階と、前記ビットストリームから、符号化されたビデオデータ、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、及び符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を抽出する段階と、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、並びに前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、前記符号化されたビデオデータを最大符号化単位別で、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、前記コーディング・ツール別作動モードによって復号化する段階と、を含む。符号化単位のためのコーディング・ツールの作動モードは、符号化単位の深度によって決定されてもよい。
【0015】
一実施形態による前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報は、前記映像のスライス、フレーム及びフレームシーケンスのうちいずれか1つの単位で抽出されてもよい。
【0016】
一実施形態によって、符号化単位の深度によって作動モードが決定される符号化のためのコーディング・ツールは、量子化、変換、イントラ予測、インター予測、動き補償、エントロピ符号化及びループ・フィルタリングのうち少なくとも一つを含み、前記復号化段階は、前記符号化のためのコーディング・ツールに対応するデコーディング・ツールを遂行することができる。
【0017】
本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置は、現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する最大符号化単位分割部と、前記最大符号化単位ごとに、前記最大符号化単位の少なくとも1つの符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、深度が深くなるにつれ、前記最大符号化単位が段階的に分割された少なくとも1つの分割領域別に、前記コーディング・ツール別作動モードによって符号化し、最終符号化結果が出力される深度の符号化深度を決定する符号化深度決定部と、前記最大符号化単位ごとに、前記最終符号化結果の符号化されたビデオデータ、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、並びに前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を含むビットストリームを出力する出力部と、を含む。符号化単位のためのコーディング・ツールの作動モードは、符号化単位の深度によって決定されてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態によるビデオ復号化装置は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする受信部と、前記ビットストリームから、符号化されたビデオデータ、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、及び符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を抽出する抽出部と、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、並びに前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、前記符号化されたビデオデータを最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、前記コーディング・ツール別作動モードによって復号化する復号化部と、を含む。符号化単位のためのコーディング・ツールの作動モードは、符号化単位の深度によって決定されてもよい。
【0019】
本発明の一実施形態によるビデオ復号化方法は、少なくとも1つの最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、及び前記少なくとも1つの最大符号化単位の少なくとも1つの符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、前記符号化されたビデオデータを最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、前記コーディング・ツール別作動モードによって復号化する段階を含む。
【0020】
本発明は、本発明の一実施形態によるビデオ符号化方法を具現するためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含む。また本発明は、本発明の一実施形態によるビデオ復号化方法を具現するためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体を含む。
【0021】
以下、図1ないし図23を参照しつつ、本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置、ビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法について説明する。また、羅列される構成要素に先行する「少なくとも1つの」という表現は、構成要素それぞれを修飾するものではなく、羅列された構成要素全体を修飾するものである。一実施形態で「単位」は、文脈上、サイズの単位でもあり、そうではないこともある。図1ないし図15を参照しつつ、本発明の一実施形態によって、空間的に階層的なデータ単位に基づいたビデオの符号化及びビデオの復号化について述べ、図16ないし図23を参照しつつ、本発明の一実施形態による符号化単位の大きさを考慮して変更されるコーディング・ツールの作動モードで遂行されるビデオの符号化及びビデオの復号化について述べる。
【0022】
後述になる実施形態で、符号化端で、「符号化単位」は、映像データを符号化するデータ単位を意味したり、あるいは復号化端で「符号化単位」は、映像データを復号化するための符号化されたデータ単位を意味する。
【0023】
以下、図1ないし図15を参照しつつ、本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置及びビデオ復号化装置、ビデオ符号化方法及びビデオ復号化方法について説明する。
【0024】
図1は、本発明の一実施形態によるビデオ符号化装置100のブロック図を図示している。
【0025】
一実施形態によるビデオ符号化装置100は、最大符号化単位分割部110、符号化単位決定部120及び出力部130を含む。
【0026】
最大符号化単位分割部110は、映像の現在ピクチャのための最大サイズの符号化単位である最大符号化単位に基づいて、現在ピクチャを区画することができる。現在ピクチャが最大符号化単位より大きいならば、現在ピクチャの映像データは、少なくとも1つの最大符号化単位に分割されるのである。一実施形態による最大符号化単位は、サイズ32x32,64x64,128x128,256x256などのデータ単位であり、縦横サイズ2の二乗である正方形のデータ単位であってもよい。映像データは、少なくとも1つの最大符号化単位別に、符号化単位決定部120に出力されるのである。
【0027】
一実施形態による符号化単位は、最大サイズ及び深度で特徴づけられる。深度とは、最大符号化単位から、符号化単位が空間的に分割された回数を示し、深度が深くなったり増加するほど、深度別符号化単位は、最大符号化単位から最小符号化単位まで分割されるのである。最大符号化単位の深度が最上位深度であり、最小符号化単位が最下位符号化単位と定義される。最大符号化単位は、深度が深くなるにつれ、深度別符号化単位の大きさは小さくなるので、上位深度の符号化単位は、複数個の下位深度の符号化単位を含んでもよい。
【0028】
前述のように、符号化単位の最大サイズによって、現在ピクチャの映像データを最大符号化単位に分割し、それぞれの最大符号化単位は、深度別に分割される符号化単位を含んでもよい。一実施形態による最大符号化単位は、深度別に分割されるので、最大符号化単位に含まれた空間領域(spatial domain)の映像データが、深度によって階層的に分類されるのである。
【0029】
最大符号化単位の高さ及び幅を階層的に分割することができる総回数を制限する最大深度及び符号化単位の最大サイズが事前に設定されていてもよい。
【0030】
符号化単位決定部120は、深度ごとに最大符号化単位の領域が分割された少なくとも1つの分割領域を符号化し、少なくとも1つの分割領域別に最終符号化結果が出力される深度を決定する。すなわち、符号化単位決定部120は、現在ピクチャの最大符号化単位ごとに、深度別符号化単位で映像データを符号化し、最小の符号化誤差が発生する深度を選択し、符号化深度として決定する。従って、決定された符号化深度の符号化単位の符号化された映像データが最終的に出力される。また、符号化深度の符号化単位を、符号化される符号化単位であると見ることができる。
【0031】
決定された符号化深度及び最大符号化単位別映像データは、出力部130に出力される。
【0032】
最大符号化単位内の映像データは、最大深度以下の少なくとも1つの深度によって、深度別符号化単位に基づいて符号化され、それぞれの深度別符号化単位に基づいた符号化結果が比較される。深度別符号化単位の符号化誤差の比較結果、符号化誤差が最小である深度が選択されるのである。それぞれの最大化符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化深度が決定される。
【0033】
最大符号化単位の大きさは、深度が深くなるにつれ、符号化単位が階層的に分割され、符号化単位の個数は増加する。また、1つの最大符号化単位に含まれる同じ深度の符号化単位であるとしても、それぞれのデータに係わる符号化誤差を測定し、下位深度への分割いかんが決定される。従って、1つの最大符号化単位に含まれるデータであるとしても、位置によって深度別符号化誤差が異なるので、位置によって符号化深度が異なって決定される。従って、1つの最大符号化単位に対して、符号化深度が一つ以上設定され、最大符号化単位のデータは、一つ以上の符号化深度の符号化単位によって区画される。
【0034】
従って、一実施形態による符号化単位決定部120は、現在最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位が決定されてもよい。一実施形態による「ツリー構造による符号化単位」は、現在最大符号化単位に含まれるあらゆる深度別符号化単位のうち、符号化深度として決定された深度の符号化単位を含む。符号化深度の符号化単位は、最大符号化単位内で同一領域では、深度によって階層的に決定され、他の領域については、独立して決定されてもよい。同様に、現在領域に係わる符号化深度は、他の領域に係わる符号化深度と独立的に決定されてもよい。
【0035】
一実施形態による最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの分割回数と関連した指標である。一実施形態による第1最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示すことができる。一実施形態による第2最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの深度レベルの総個数を示すことができる。例えば、最大符号化単位の深度が0であるとするとき、最大符号化単位が1回分割された符号化単位の深度は、1に設定され、2回分割された符号化単位の深度が2に設定されてもよい。この場合、最大符号化単位から4回分割された符号化単位が最小符号化単位であるならば、深度0,1,2,3及び4の5つの深度レベルが存在するので、第1最大深度は、4、第2最大深度は、5に設定される。
【0036】
最大符号化単位の予測符号化及び変換が行われる。予測符号化及び変換も同様に、最大符号化単位ごとに、最大深度以下の深度ごとに、深度別符号化単位を基に行われる。変換は、直交変換または整数変換の方式によって行われる。
【0037】
最大符号化単位が深度別に分割されるたびに、深度別符号化単位の個数が増加するので、深度が深くなるにつれて生成されるあらゆる深度別符号化単位に対して、予測符号化及び変換を含んだ符号化が行われねばならない。以下、説明の便宜のために、少なくとも1つの最大符号化単位のうち、現在深度の符号化単位を基に、予測符号化及び変換について説明する。
【0038】
一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のためのデータ単位の大きさまたは形態を多様に選択することができる。映像データの符号化のためには、予測符号化、変換、エントロピ符号化などの段階を経るが、あらゆる段階にわたって、同じデータ単位が使われ、段階別にデータ単位が変更されもする。
【0039】
例えば、ビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけではなく、符号化単位の映像データの予測符号化を行うために、符号化単位と異なるデータ単位を選択することができる。
【0040】
最大符号化単位の予測符号化のためには、一実施形態による符号化深度の符号化単位、すなわち、もうそれ以上分割されない符号化単位を基に予測符号化が行われる。以下、予測符号化の基盤になるもうそれ以上分割されない符号化単位を「予測単位」とする。予測単位が分割されたパーティションは、予測単位、及び予測単位の高さ及び幅のうち少なくとも一つが分割されたデータ単位を含んでもよい。
【0041】
例えば、サイズ2Nx2N(ただし、Nは正の整数)の符号化単位が、それ以上分割されない場合、サイズ2Nx2Nの予測単位になり、パーティションの大きさは、2Nx2N、2NxN、Nx2N、NxNなどであってもよい。一実施形態によるパーティション・タイプは、予測単位の高さまたは幅が対称的割合で分割された対称的パーティションだけではなく、1:nまたはn:1のように非対称的割合で分割されたパーティション、幾何学的な形態に分割されたパーティション、任意的形態のパーティションなどを選択的に含んでもよい。
【0042】
予測単位の予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち少なくとも一つであってもよい。例えば、イントラモード及びインターモードは、2Nx2N,2NxN,Nx2N,NxNサイズのパーティションについて行われる。また、スキップモードは、2Nx2Nサイズのパーティションについてのみ行われる。符号化単位以内の1つの予測単位ごとに、独立して符号化が行われ、符号化誤差が最小である予測モードが選択されるのである。
【0043】
また、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、映像データの符号化のための符号化単位だけではなく、符号化単位と異なるデータ単位を基に、符号化単位の映像データの変換を行うことができる。
【0044】
符号化単位の変換のためには、符号化単位より小さいか、あるいは同じ大きさのデータ単位を基に変換が行われる。例えば、変換のためのデータ単位は、イントラモードのためのデータ単位及びインターモードのためのデータ単位を含んでもよい。
【0045】
以下、変換の基盤になるデータ単位は、「変換単位」とする。一実施形態による変換単位についても、符号化単位の高さ及び幅が分割され、変換単位に至るまでの分割回数を示す変換深度が設定される。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位の変換単位が、現在符号化単位と大きさが同一であるサイズ2Nx2Nの変換単位であるならば、変換深度0に設定され、現在符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ半分になり、総4^1個に分割されたサイズNxNの変換単位であるならば、変換深度1に、現在符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ四分され、総4^2個に分割されたサイズN/2xN/2の変換単位であるならば、変換深度2に設定される。例えば、変換深度の階層的性格によって上、位変換深度の変換単位が4個の下位変換深度の変換単位に分割される階層的ツリー構造による変換単位が設定されてもよい。
【0046】
また、符号化単位と類似した方式で、符号化単位内の変換単位も、再帰的にさらに小さい大きさの変換単位に分割されつつ、領域別に独立して決定されてもよい。従って、一実施形態による符号化単位内で、符号化単位の残差データは、変換深度によって、ツリー構造による変換単位によって区画されてもよい。
【0047】
符号化深度別符号化情報は、符号化深度だけではなく、予測関連情報及び変換関連情報が必要である。従って、符号化単位決定部120は、最小符号化誤差を発生させた符号化深度だけではなく、予測単位をパーティションに分割したパーティション・タイプ、予測単位別予測モード、変換のための変換単位の大きさなどを決定することができる。
【0048】
一実施形態による最大符号化単位のツリー構造による符号化単位及びパーティションの決定方式については、図3ないし12を参照しつつ詳細に後述する。
【0049】
符号化単位決定部120は、深度別符号化単位の符号化誤差をラグランジュ乗数(Lagrangian multiplier)基盤の率歪曲最適化技法(rate-distortion optimization)を利用して測定することができる。
【0050】
出力部130は、符号化単位決定部120で決定された少なくとも1つの符号化深度に基づいて符号化された最大符号化単位の映像データ、及び深度別符号化モードについての情報をビットストリーム形態に出力する。
【0051】
符号化された映像データは、映像の残差データの符号化結果であってもよい。
【0052】
深度別符号化モードについての情報は、符号化深度情報、予測単位のパーティション・タイプ情報、予測モード情報、変換単位のサイズ情報などを含んでもよい。
【0053】
符号化深度情報は、現在深度で符号化するのではなく、下位深度の符号化単位で符号化するか否かを示す深度別分割情報を利用して定義される。現在符号化単位の現在深度が符号化深度であるならば、現在符号化単位は、現在深度の符号化単位で符号化されるので、現在深度の分割情報は、それ以上下位深度に分割されないように定義されてもよい。反対に、現在符号化単位の現在深度が符号化深度ではないならば、下位深度の符号化単位を利用した符号化を試みなければならないので、現在深度の分割情報は、下位深度の符号化単位に分割されるように定義される。
【0054】
現在深度が符号化深度ではないならば、下位深度の符号化単位で分割された符号化単位に対して符号化が行われる。現在深度の符号化単位内に、下位深度の符号化単位が一つ以上存在するので、それぞれの下位深度の符号化単位ごとに、反復的に符号化が行われ、同じ深度の符号化単位ごとに再帰的(recursive)符号化が行われる。
【0055】
1つの最大符号化単位内に、ツリー構造の符号化単位が決定され、符号化深度の符号化単位ごとに、少なくとも1つの符号化モードについての情報が決定されねばならないので、1つの最大符号化単位については、少なくとも1つの符号化モードについての情報が決定されてもよい。また、最大符号化単位のデータは、深度によって階層的に区画され、位置別に符号化深度が異なることがあるので、データについて、符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報が設定されてもよい。
【0056】
従って、一実施形態による出力部130は、最大符号化単位に含まれている符号化単位、予測単位及び最小単位のうち少なくとも一つについて、当該符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を割り当てることができる。
【0057】
一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度の最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位である。一実施形態による最小単位は、最大符号化単位に含まれるあらゆる符号化単位、予測単位、パーティション単位及び変換単位内に含まれる最大サイズの正方形データ単位でもある。
【0058】
例えば、出力部130を介して出力される符号化情報は、深度別符号化単位別符号化情報と、予測単位別符号化情報とに分類されるのである。深度別符号化単位別符号化情報は、予測モード情報、パーティションサイズ情報を含んでもよい。予測単位別に伝送される符号化情報は、インターモードの推定方向についての情報、インターモードの参照映像インデックスについての情報、動きベクトルについての情報、イントラモードのクロマ成分についての情報、イントラモードの補間方式についての情報などを含んでもよい。また、ピクチャ、スライスまたはGOP(group of pictures)別に定義される符号化単位の最大サイズについての情報及び最大深度についての情報は、ビットストリームのSPS(sequence parameter set)またはヘッダに挿入されてもよい。
【0059】
ビデオ符号化装置100で、深度別符号化単位は、1階層上位深度の符号化単位の高さ及び幅を半分にした大きさの符号化単位である。すなわち、現在深度の符号化単位の大きさが2Nx2Nであるならば、下位深度の符号化単位の大きさは、NxNである。また、2Nx2Nサイズの現在符号化単位は、NxNサイズの下位深度符号化単位を最大4個含む。
【0060】
従って、一実施形態によるビデオ復号化装置100は、現在ピクチャの特性を考慮して決定された最大符号化単位の大きさ及び最大深度を基に、それぞれの最大符号化単位ごとに、最適の形態及び大きさの符号化単位を決定し、ツリー構造による符号化単位を構成することができる。また、それぞれの最大符号化単位ごとに、多様な予測モード、変換方式などで符号化することができるので、多様な映像サイズの符号化単位の映像特性を考慮して、最適の符号化モードが決定される。
【0061】
映像の解像度が非常に高いか、あるいはデータ量が非常に多い映像を、既存マクロブロック単位で符号化するならば、ピクチャ当たりマクロブロックの数が過度に多くなる。これにより、マクロブロックごとに生成される圧縮情報も多くなるので、圧縮情報の伝送負担が大きくなり、データ圧縮効率が低下する傾向がある。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置は、映像の大きさを考慮して符号化単位の最大サイズを増大させつつ、映像特性を考慮して符号化単位を調節することができるので、映像圧縮効率が上昇するのである。
【0062】
図2は、本発明の一実施形態によるビデオ復号化装置200のブロック図を図示している。
【0063】
一実施形態によるビデオ復号化装置200は、受信部210、映像データ及び符号化情報抽出部220及び映像データ復号化部230を含む。一実施形態によるビデオ復号化装置200の各種プロセシングのための符号化単位、深度、予測単位、変換単位、各種符号化モードについての情報など各種用語の定義は、図1及びビデオ符号化装置100を参照して説明した通りである。
【0064】
受信部210は、符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする。映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別にツリー構造による符号化単位によって符号化単位ごとに符号化された映像データを抽出し、映像データ復号化部230に出力する。映像データ及び符号化情報抽出部220は、現在ピクチャに係わるヘッダまたはSPSから、現在ピクチャの符号化単位の最大サイズについての情報を抽出することができる。
【0065】
また、映像データ及び符号化情報抽出部220は、パージングされたビットストリームから、最大符号化単位別にツリー構造による符号化単位に係わる符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を抽出する。抽出された符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、映像データ復号化部230に出力される。すなわち、ビット列の映像データを最大符号化単位に分割し、映像データ復号化部230をして、最大符号化単位ごとに映像データを復号化させる。
【0066】
最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、一つ以上の符号化深度情報について設定され、符号化深度別符号化モードについての情報は、当該符号化単位のパーティション・タイプ情報、予測モード情報及び変換単位のサイズ情報などを含んでもよい。また、符号化深度情報として、深度別分割情報が抽出されもする。
【0067】
映像データ及び符号化情報抽出部220が抽出した最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、一実施形態によるビデオ符号化装置100のように、符号化端で、最大符号化単位別深度別符号化単位ごとに反復して符号化を行い、最小符号化誤差を発生させると決定された符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報である。従って、ビデオ復号化装置200は、最小符号化誤差を発生させる符号化方式によってデータを復号化し、映像を復元することができる。
【0068】
一実施形態による符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報は、当該符号化単位、予測単位及び最小単位のうち所定データ単位に対して割り当てられているので、映像データ及び符号化情報抽出部220は、所定データ単位別に符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を抽出することができる。所定データ単位別に、当該最大符号化単位の符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報が記録されているならば、同じ符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報を有している所定データ単位は、同じ最大符号化単位に含まれるデータ単位と類推することができる。
【0069】
映像データ復号化部230は、最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データを復号化し、現在ピクチャを復元する。すなわち、映像データ復号化部230は、最大符号化単位に含まれるツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位ごとに、読み取られたパーティション・タイプ、予測モード、変換単位に基づいて符号化された映像データを復号化することができる。復号化過程は、イントラ予測及び動き補償を含む予測過程、及び逆変換過程を含んでもよい。逆変換過程は、直交逆変換または整数逆変換の方式に従ってもよい。
【0070】
映像データ復号化部230は、符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティション・タイプ情報及び予測モード情報に基づいて、符号化単位ごとにそれぞれのパーティション及び予測モードによって、イントラ予測または動き補償を行うことができる。
【0071】
また、映像データ復号化部230は、最大符号化単位別逆変換のために、符号化深度別符号化単位の変換単位のサイズ情報に基づいて、符号化単位ごとにそれぞれの変換単位によって、逆変換を行うことができる。
【0072】
映像データ復号化部230は、深度別分割情報を利用し、現在最大符号化単位の符号化深度を決定することができる。もし分割情報が、現在深度で、それ以上分割されないということを示しているならば、現在深度が符号化深度である。従って、映像データ復号化部230は、現在最大符号化単位の映像データについて、各符号化深度に対応する符号化単位の符号化されたデータを、予測単位のパーティション・タイプ、予測モード及び変換単位サイズ情報を利用して復号化し、現在最大符号化単位の映像データを出力することができる。
【0073】
すなわち、符号化単位、予測単位及び最小単位のうち所定データ単位について設定されている符号化情報を観察し、同じ分割情報を含んだ符号化情報を保有しているデータ単位が集まり、映像データ復号化部230によって、同じ符号化モードで復号化する1つのデータ単位と見なされるのである。
【0074】
一実施形態によるビデオ復号化装置200は、符号化過程で最大符号化単位ごとに再帰的に符号化を行い、最小符号化誤差を発生させた符号化単位についての情報を獲得し、現在ピクチャに係わる復号化に利用することができる。すなわち、最大符号化単位ごとに最適符号化単位で決定されたツリー構造による符号化単位の符号化された映像データの復号化が可能になる。符号化単位の最大単位は、解像度または映像データ量を考慮して決定されてもよい。
【0075】
従って、高い解像度の映像またはデータ量が過度に多い映像であっても、符号化端から伝送された最適符号化モードについての情報を利用し、映像の特性に適応的に決定された符号化単位の大きさ及び符号化モードによって、効率的に映像データを復号化して復元することができる。
【0076】
以下、図3ないし図13を参照しつつ、本発明の一実施形態によるツリー構造による符号化単位、予測単位及び変換単位の決定方式について説明する。
【0077】
図3は、階層的符号化単位の概念を図示している。
【0078】
符号化単位の例として、符号化単位の大きさは、幅x高さで表現され、サイズ64x64である符号化単位から、32x32、16x16、8x8を含む。サイズ64x64の符号化単位は、サイズ64x64,64x32,32x64,32x32のパーティションに分割され、サイズ32x32の符号化単位は、サイズ32x32,32x16,16x32,16x16のパーティションに、サイズ16x16の符号化単位は、サイズ16x16,16x8,8x16,8x8のパーティションに、サイズ8x8の符号化単位は、サイズ8x8,8x4,4x8,4x4のパーティションに分割されるのである。
【0079】
第1ビデオデータ310については、解像度は、1920x1080、符号化単位の最大サイズは、64、最大深度が2に設定されている。第2ビデオデータ320については、解像度は、1920x1080、符号化単位の最大サイズは、64、最大深度が3に設定されている。第3ビデオデータ330については、解像度は、352x288、符号化単位の最大サイズは、16、最大深度が1に設定されている。図3に図示された最大深度は、最大符号化単位から最小符号化単位までの総分割回数を示している。
【0080】
解像度が高いか、あるいはデータ量が多い場合、符号化効率の向上だけではなく、映像特性を正確に反映させるために、符号化サイズの最大サイズが相対的に大きいことが望ましい。従って、第3ビデオデータ330に比べ、解像度の高い第1ビデオデータ310及び第2ビデオデータ320は、符号化サイズの最大サイズが64に選択されるのである。
【0081】
第1ビデオデータ310の最大深度が2であるから、第1ビデオデータ310の符号化単位315は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、2回分割して深度が2階層深くなり、長軸サイズが32,16である符号化単位まで含む。一方、第3ビデオデータ330の最大深度が1であるから、第3ビデオデータ330の符号化単位335は、長軸サイズが16である符号化単位から、1回分割して深度が1階層深くなり、長軸サイズが8である符号化単位まで含む。
【0082】
第2ビデオデータ320の最大深度が3であるから、第2ビデオデータ320の符号化単位325は、長軸サイズが64である最大符号化単位から、3回分割して深度が3階層深くなり、長軸サイズが32,16,8である符号化単位まで含んでもよい。深度が深くなるほど、細部情報の表現能力が向上しうる。
【0083】
図4は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像符号化部400のブロック図を図示している。
【0084】
一実施形態による映像符号化部400は、ビデオ符号化装置100の符号化単位決定部120で、映像データを符号化するのに経る作業を含む。すなわち、イントラ予測部410は、現在フレーム405において、イントラモードの符号化単位についてイントラ予測を行い、動き推定部420及び動き補償部425は、インターモードの現在フレーム405及び参照フレーム495を利用し、インター推定及び動き補償を行う。
【0085】
イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425から出力されたデータは、変換部430及び量子化部440を経て、量子化された変換係数として出力される。量子化された変換係数は、逆量子化部460、逆変換部470を介して、空間領域のデータに復元され、復元された空間領域のデータは、デブロッキング部480及びループ・フィルタリング部490を経て後処理され、参照フレーム495として出力される。量子化された変換係数は、エントロピ符号化部450を経て、ビットストリーム455として出力されるのである。
【0086】
一実施形態によるビデオ符号化装置100に適用されるためには、映像符号化部400の構成要素であるイントラ予測部410、動き推定部420、動き補償部425、変換部430、量子化部440、エントロピ符号化部450、逆量子化部460、逆変換部470、デブロッキング部480及びループ・フィルタリング部490がいずれも、最大符号化単位ごとに、最大深度を考慮して、ツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位に基づいた作業を行わねばならない。
【0087】
特に、イントラ予測部410、動き推定部420及び動き補償部425は、現在最大符号化単位の最大サイズ及び最大深度を考慮し、ツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位のパーティション及び予測モードを決定し、変換部430は、ツリー構造による符号化単位のうち、それぞれの符号化単位内の変換単位の大きさを決定せねばならない。
【0088】
図5は、本発明の一実施形態による符号化単位に基づいた映像復号化部500のブロック図を図示している。
【0089】
ビットストリーム505が、パージング部510を経て、復号化対象である符号化された映像データ及び復号化のために必要な符号化についての情報がパージングされる。符号化された映像データは、エントロピ復号化部520及び逆量子化部530を経て、逆量子化されたデータとして出力され、逆変換部540を経て、空間領域の映像データが復元される。
【0090】
空間領域の映像データに係わって、イントラ予測部550は、イントラモードの符号化単位についてイントラ予測を行い、動き補償部560は、参照フレーム585を共に利用して、インターモードの符号化単位について動き補償を行う。
【0091】
イントラ予測部550及び動き補償部560を経た空間領域のデータは、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580を経て後処理され、復元フレーム595として出力されるのである。また、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580を経て後処理されたデータは、参照フレーム585として出力されるのである。
【0092】
ビデオ復号化装置200の映像データ復号化部230で映像データを復号化するために、一実施形態による映像復号化部500のパージング部510以後の段階別作業が行われる。
【0093】
一実施形態によるビデオ復号化装置200に適用されるためには、映像復号化部400の構成要素であるパージング部510、エントロピ復号化部520、逆量子化部530、逆変換部540、イントラ予測部550、動き補償部560、デブロッキング部570及びループ・フィルタリング部580がいずれも、最大符号化単位ごとに、ツリー構造による符号化単位に基づいて作業を行わねばならない。
【0094】
特に、イントラ予測部550、動き補償部560は、ツリー構造による符号化単位それぞれごとに、パーティション及び予測モードを決定し、逆変換部540は、符号化単位ごとに、変換単位の大きさを決定せねばならない。
【0095】
図6は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位及びパーティションを図示している。
【0096】
一実施形態によるビデオ符号化装置100及び一実施形態によるビデオ復号化装置200は、映像特性を考慮するために、階層的な符号化単位を使用する。符号化単位の最大高さ及び幅、最大深度は、映像の特性によって適応的に決定され、ユーザの要求によって、多様に設定されもする。事前に設定された符号化単位の最大サイズによって、深度別符号化単位の大きさが決定されてもよい。
【0097】
一実施形態による符号化単位の階層構造600は、符号化単位の最大高さ及び幅が64であり、最大深度が4である場合を図示している。一実施形態による符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が深くなるので、深度別符号化単位の高さ及び幅がそれぞれ分割される。また、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、それぞれの深度別符号化単位の予測符号化の基盤になる予測単位及びパーティションが図示されている。
【0098】
すなわち、第1符号化単位610は、符号化単位の階層構造600において、最大符号化単位であって深度が0であり、符号化単位の大きさ、すなわち、高さ及び幅が64x64である。縦軸に沿って深度が深くなり、サイズ32x32である深度1の第2符号化単位620、サイズ16x16である深度2の第3符号化単位630、サイズ8x8である深度3の第4符号化単位640、サイズ4x4である深度4の第5符号化単位650が存在する。サイズ4x4である深度4の第6符号化単位650は、最小符号化単位である。
【0099】
それぞれの深度別に横軸に沿って、符号化単位の予測単位及びパーティションが配列される。すなわち、深度0のサイズ64x64の第1符号化単位610が予測単位であるならば、予測単位は、サイズ64x64の第1符号化単位610に含まれるサイズ64x64のパーティション610、サイズ64x32のパーティション612、サイズ32x64のパーティション614、サイズ32x32のパーティション616に分割されるのである。
【0100】
同様に、深度1のサイズ32x32の第2符号化単位620の予測単位は、サイズ32x32の第2符号化単位620に含まれるサイズ32x32のパーティション620、サイズ32x16のパーティション622、サイズ16x32のパーティション624、サイズ16x16のパーティション626に分割されるのである。
【0101】
同様に、深度2のサイズ16x16の第3符号化単位630の予測単位は、サイズ16x16の第3符号化単位630に含まれるサイズ16x16のパーティション630、サイズ16x8のパーティション632、サイズ8x16のパーティション634、サイズ8x8のパーティション636に分割されるのである。
【0102】
同様に、深度3のサイズ8x8の第4符号化単位640の予測単位は、サイズ8x8の第4符号化単位640に含まれるサイズ8x8のパーティション640、サイズ8x4のパーティション642、サイズ4x8のパーティション644、サイズ4x4のパーティション646に分割されるのである。
【0103】
最後に、深度4のサイズ4x4の第5符号化単位650は、最小符号化単位であり、最下位深度の符号化単位であり、当該予測単位もサイズ4x4のパーティション650にのみ設定される。
【0104】
一実施形態によるビデオ符号化装置100の符号化単位決定部120は、第1符号化単位610の符号化深度を決定するために、第1符号化単位610に含まれるそれぞれの深度の符号化単位ごとに符号化を行わねばならない。
【0105】
同一の範囲及び大きさのデータを含むための深度別符号化単位の個数は、深度が深くなるほど、深度別符号化単位の個数も増加する。例えば、深度1の符号化単位1個を含むデータに対して、深度2の符号化単位は、4個が必要である。従って、同一データの符号化結果を深度別に比較するために、1個の深度1の符号化単位及び4個の深度2の符号化単位を利用してそれぞれ符号化されねばならない。
【0106】
それぞれの深度別符号化のためには、符号化単位の階層構造600の横軸に沿って、深度別符号化単位の予測単位ごとに符号化を行い、当該深度で、最小の符号化誤差である代表符号化誤差が選択される。また、符号化単位の階層構造600の縦軸に沿って深度が深くなり、それぞれの深度ごとに符号化を行い、深度別代表符号化誤差を比較し、最小符号化誤差が検索される。最大符号化単位610において、最小符号化誤差が発生する深度及びパーティションが、最大符号化単位610の符号化深度及びパーティション・タイプとして選択されるのである。
【0107】
図7は、本発明の一実施形態による符号化単位及び変換単位の関係を図示している。
【0108】
一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大符号化単位ごとに、最大符号化単位より小さいか、あるいは同じ大きさの符号化単位で映像を符号化したり復号化する。符号化過程において、変換のための変換単位の大きさは、それぞれの符号化単位ほど大きくないデータ単位を基に選択されるのである。
【0109】
例えば、一実施形態によるビデオ符号化装置100、または一実施形態によるビデオ復号化装置200で、現在符号化単位710が64x64サイズであるとき、32x32サイズの変換単位720を利用して変換が行われる。
【0110】
また、64x64サイズの符号化単位710のデータを、64x64サイズ以下の32x32,16x16,8x8,4x4サイズの変換単位でそれぞれ変換を行って符号化した後、オリジナルとの誤差が最も小さい変換単位が選択されるのである。
【0111】
図8は、本発明の一実施形態による深度別符号化情報を図示している。
【0112】
一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、符号化モードについての情報として、それぞれの符号化深度の符号化単位ごとに、パーティション・タイプについての情報800、予測モードについての情報810、変換単位サイズについての情報820を符号化して伝送することができる。
【0113】
パーティション・タイプについての情報800は、現在符号化単位の予測符号化のためのデータ単位であり、現在符号化単位の予測単位が分割されたパーティションの形態についての情報を示す。例えば、サイズ2Nx2Nの現在符号化単位CU_0は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806、サイズNxNのパーティション808のうち、いずれか1つのタイプに分割されて利用される。この場合、現在符号化単位のパーティション・タイプについての情報800は、サイズ2Nx2Nのパーティション802、サイズ2NxNのパーティション804、サイズNx2Nのパーティション806及びサイズNxNのパーティション808のうちいずれか一つを示すように設定される。
【0114】
予測モードについての情報810は、それぞれのパーティションの予測モードを示す。例えば、予測モードについての情報810を介して、パーティション・タイプについての情報800が指すパーティションが、イントラモード812、インターモード814及びスキップモード816のうち、いずれか一つで予測符号化が行われるかが設定される。
【0115】
また、変換単位サイズについての情報820は、現在符号化単位をいかなる変換単位を基に変換を行うかを示す。例えば、変換単位は、第1イントラ変換単位サイズ822、第2イントラ変換単位サイズ824、第1インター変換単位サイズ826、第2イントラ変換単位サイズ828のうち一つであってもよい。
【0116】
一実施形態によるビデオ復号化装置200の映像データ及び符号化情報抽出部210は、それぞれの深度別符号化単位ごとに、パーティション・タイプについての情報800、予測モードについての情報810、変換単位サイズについての情報820を抽出して復号化に利用することができる。
【0117】
図9は、本発明の一実施形態による深度別符号化単位を図示している。
【0118】
深度の変化を示すために、分割情報が利用される。分割情報は、現在深度の符号化単位が、下位深度の符号化単位に分割されるを示す。
【0119】
深度0及び2N_0x2N_0サイズの符号化単位900の予測符号化のための予測単位910は、2N_0x2N_0サイズのパーティション・タイプ912、2N_0xN_0サイズのパーティション・タイプ914、N_0x2N_0サイズのパーティション・タイプ916、N_0xN_0サイズのパーティション・タイプ918を含んでもよい。図9では、予測単位が対称的割合で分割されたパーティション912,914,916,918だけ例示されているが、前述のように、パーティション・タイプは、これに限定されるものではなく、非対称的パーティション、任意的形態のパーティション、幾何学的形態のパーティションなどを含んでもよい。
【0120】
パーティション・タイプごとに、1個の2N_0x2N_0サイズのパーティション、2個の2N_0xN_0サイズのパーティション、2個のN_0x2N_0サイズのパーティション、4個のN_0xN_0サイズのパーティションごとに、反復して予測符号化が行われねばならない。サイズ2N_0x2N_0、サイズN_0x2N_0及びサイズ2N_0xN_0及びサイズN_0xN_0のパーティションについては、イントラモード及びインターモードで予測符号化が行われる。スキップモードは、サイズ2N_0x2N_0のパーティションについてのみ予測符号化が行われる。
【0121】
パーティション・タイプ912,914,916,918による予測符号化を含む符号化誤差が比較され、パーティション・タイプ912,914,916,918において、最小符号化誤差が決定される。サイズ2N_0x2N_0,2N_0xN_0及びN_0x2N_0のパーティション・タイプ912,914,916のうち一つによる符号化誤差が最も小さいならば、それ以上下位深度に分割する必要ない。
【0122】
サイズN_0xN_0のパーティション・タイプ918による符号化誤差が最も小さいならば、深度0を1に変更して分割し(920)、深度2及びサイズN_0xN_0のパーティション・タイプの符号化単位930に対して反復して符号化を行い、最小符号化誤差を検索して行くことができる。
【0123】
深度1及びサイズ2N_1x2N_1(=N_0xN_0)の符号化単位930の予測符号化のための予測単位940は、サイズ2N_1x2N_1のパーティション・タイプ942、サイズ2N_1xN_1のパーティション・タイプ944、サイズN_1x2N_1のパーティション・タイプ946、サイズN_1xN_1のパーティション・タイプ948を含んでもよい。
【0124】
また、サイズN_1xN_1サイズのパーティション・タイプ948による符号化誤差が最も小さいならば、深度1を深度2に変更して分割し(950)、深度2及びサイズN_2xN_2の符号化単位960に対して反復して符号化を行い、最小符号化誤差を検索して行くことができる。
【0125】
最大深度がdである場合、深度別分割情報は、深度d−1であるまで設定され、分割情報は、深度d−2まで設定される。すなわち、深度d−2から分割され(970)、深度d−1まで符号化が行われる場合、深度d−1及びサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)の符号化単位980の予測符号化のための予測単位990は、サイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション・タイプ992、サイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティション・タイプ994、サイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション・タイプ996、サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティション・タイプ998を含んでもよい。
【0126】
パーティション・タイプのうち、1個のサイズ2N_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、2個のサイズ2N_(d−1)xN_(d−1)のパーティション、2個のサイズN_(d−1)x2N_(d−1)のパーティション、4個のサイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティションごとに、反復して予測符号化を介した符号化が行われ、最小符号化誤差が発生するパーティション・タイプが検索される。
【0127】
サイズN_(d−1)xN_(d−1)のパーティション・タイプ998による符号化誤差が最も小さいといっても、最大深度がdであるから、深度d−1の符号化単位CU_(d−1)は、それ以上下位深度への分割過程を経ず、現在最大符号化単位900に係わる符号化深度が、深度d−1に決定され、パーティション・タイプは、N_(d−1)xN_(d−1)に決定されてもよい。また、最大深度がdであるから、深度d−1の符号化単位952に係わる分割情報は設定されない。
【0128】
データ単位999は、現在最大符号化単位に対する「最小単位」とすることができる。一実施形態による最小単位は、最下位符号化深度である最小符号化単位が4分割された大きさの正方形のデータ単位であってもよい。このような反復的符号化過程を介して、一実施形態によるビデオ符号化装置100は、符号化単位900の深度別符号化誤差を比較して、最小の符号化誤差が発生する深度を選択し、符号化深度を決定し、当該パーティション・タイプ及び予測モードが符号化深度の符号化モードとして設定されてもよい。
【0129】
こういう方法で、深度0,1,…,d−1,dのあらゆる深度別最小符号化誤差を比較し、誤差が最小である深度が選択されて符号化深度として決定される。符号化深度、予測単位のパーティション・タイプ及び予測モードは、符号化モードについての情報として符号化されて伝送される。また、深度0から符号化深度に至るまで、符号化単位が分割されねばならないので、符号化深度の分割情報だけ「0」に設定され、符号化深度を除外した深度別分割情報は、「1」に設定されねばならない。
【0130】
一実施形態によるビデオ復号化装置200の映像データ及び符号化情報抽出部220は、符号化単位900に係わる符号化深度及び予測単位についての情報を抽出し、符号化単位912を復号化するのに利用することができる。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、深度別分割情報を利用し、分割情報が「0」である深度を符号化深度として把握し、当該深度に係わる符号化モードについての情報を利用して復号化に利用することができる。
【0131】
図10図11及び図12は、本発明の一実施形態による、符号化単位1010、予測単位1060及び変換単位1070の関係を図示している。
【0132】
符号化単位1010は、最大符号化単位について一実施形態によるビデオ符号化装置100が決定した符号化深度別符号化単位である。予測単位1060は、符号化単位1010において、それぞれの符号化深度別符号化単位の予測単位のパーティションであり、変換単位1070は、それぞれの符号化深度別符号化単位の変換単位である。
【0133】
深度別符号化単位1010は、最大符号化単位の深度が0であるとすれば、符号化単位1012,1054は、深度が1、符号化単位1014,1016,1018,1028,1050,1052は、深度が2、符号化単位1020,1022,1024,1026,1030,1032,1048は、深度が3、符号化単位1040,1042,1044,1046は、深度が4である。
【0134】
予測単位1060のうち、一部パーティション1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、符号化単位が分割された形態である。すなわち、パーティション1014,1022,1050,1054は、2NxNのパーティション・タイプであり、パーティション1016,1048,1052は、Nx2Nのパーティション・タイプ、パーティション1032は、NxNのパーティション・タイプである。深度別符号化単位1010の予測単位及びパーティションは、それぞれの符号化単位より小さいか、あるいは同じである。
【0135】
変換単位1070のうち一部1052の映像データについては、符号化単位に比べて、小さいサイズのデータ単位に対して変換または逆変換が行われる。また、変換単位1014,1016,1022,1032,1048,1050,1052,1054は、予測単位1060において、当該予測単位及びパーティションと比較すれば、互いに異なる大きさまたは形態のデータ単位である。すなわち、一実施形態によるビデオ符号化装置100及び一実施形態によるビデオ復号化装置200は、同じ符号化単位に係わるイントラ予測/動き推定/動き補償作業、及び変換/逆変換作業であるとしても、それぞれ別個のデータ単位を基に行うことができる。
【0136】
これにより、最大符号化単位ごとに、領域別に階層的な構造の符号化単位ごとに再帰的に符号化が行われ、最適符号化単位が決定されることによって、再帰的ツリー構造による符号化単位が構成される。符号化情報は、符号化単位に係わる分割情報、パーティション・タイプ情報、予測モード情報、変換単位サイズ情報を含んでもよい。以下の表1は、一実施形態によるビデオ符号化装置100、及び一実施形態によるビデオ復号化装置200で設定することができる一例を示している。
【0137】
【表1】
一実施形態によるビデオ符号化装置100の出力部130は、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を出力し、一実施形態によるビデオ復号化装置200の符号化情報抽出部220は、受信されたビットストリームから、ツリー構造による符号化単位に係わる符号化情報を抽出することができる。
【0138】
分割情報は、現在符号化単位が下位深度の符号化単位に分割されるか否かを示す。現在深度dの分割情報が0であるならば、現在符号化単位が下位符号化単位にそれ以上分割されない深度が符号化深度であるから、符号化深度について、パーティション・タイプ情報、予測モード、変換単位サイズ情報が定義される。分割情報によって、1段階さらに分割される場合には、分割された4個の下位深度の符号化単位ごとに、独立して符号化が行われねばならない。
【0139】
予測モードは、イントラモード、インターモード及びスキップモードのうち一つで示すことができる。イントラモード及びインターモードは、あらゆるパーティション・タイプで定義され、スキップモードは、パーティション・タイプ2Nx2Nでのみ定義される。
【0140】
パーティション・タイプ情報は、予測単位の高さまたは幅が、対称的割合で分割された対称的パーティション・タイプ2Nx2N,2NxN,Nx2N及びNxNと、非対称的割合で分割された非対称的パーティション・タイプ2NxnU,2NxnD,nLx2N,nRx2Nとを示すことができる。非対称的パーティション・タイプ2NxnU及び2NxnDは、それぞれ高さが1:3及び3:1で分割された形態であり、非対称的パーティション・タイプnLx2N及びnRx2Nは、それぞれ幅が1:3及び3:1に分割された形態を示す。
【0141】
変換単位サイズは、イントラモードで2種の大きさ、インターモードで2種の大きさに設定されてもよい。すなわち、変換単位分割情報が0であるならば、変換単位の大きさが現在符号化単位のサイズ2Nx2Nに設定される。変換単位分割情報が1であるならば、現在符号化単位が分割された大きさの変換単位が設定される。また、サイズ2Nx2Nである現在符号化単位に係わるパーティション・タイプが、対称形パーティション・タイプであるならば、変換単位の大きさは、NxN、非対称型パーティション・タイプであるならば、N/2xN/2に設定されてもよい。
【0142】
一実施形態によるツリー構造による符号化単位の符号化情報は、符号化深度の符号化単位、予測単位及び最小単位のうち、少なくとも一つについて割り当てられる。符号化深度の符号化単位は、同じ符号化情報を保有している予測単位及び最小単位を一つ以上含んでもよい。
【0143】
従って、隣接したデータ単位間でそれぞれ保有している符号化情報を確認すれば、同じ符号化深度の符号化単位に含まれるか否かが確認されるのである。また、データ単位が保有している符号化情報を利用すれば、当該符号化深度の符号化単位を確認することができるので、最大符号化単位内の符号化深度の分布が類推される。
【0144】
従って、この場合、現在符号化単位が周辺データ単位を参照して予測する場合、現在符号化単位に隣接する深度別符号化単位内のデータ単位の符号化情報が直接参照されて利用される。しかし、これに限定されるものではなく、他の実施形態も可能である。例えば、他の実施形態によれば、現在符号化単位が周辺符号化単位を参照して予測符号化が行われる場合、隣接する深度別符号化単位の符号化情報を利用し、深度別符号化単位内で、現在符号化単位に隣接するデータが検索されることによって、周辺符号化単位が参照されもする。
【0145】
図13は、表1の符号化モード情報による符号化単位、予測単位及び変換単位の関係を図示している。
【0146】
最大符号化単位1300は、符号化深度の符号化単位1302,1304,1306,1312,1314,1316,1318を含む。このうち1つの符号化単位1318は、符号化深度の符号化単位であるから、分割情報が0に設定される。サイズ2Nx2Nの符号化単位1318のパーティション・タイプ情報は、パーティション・タイプ2Nx2N1322、2NxN 1324、Nx2N 1326、NxN 1328、2NxnU 1332、2NxnD 1334、nLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定されてもよい。
【0147】
パーティション・タイプ情報が、対称形パーティション・タイプ2Nx2N 1322、2NxN 1324、Nx2N 1326及びNxN 1328のうち一つに設定されている場合、変換単位分割情報(TU size flag)が0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1342が設定され、TU size flagが1であるならば、サイズNxNの変換単位1344が設定される。
【0148】
パーティション・タイプ情報が非対称型パーティション・タイプ2NxnU 1332、2NxnD 1334、nLx2N 1336及びnRx2N 1338のうち一つに設定された場合、TU size flagが0であるならば、サイズ2Nx2Nの変換単位1352が設定され、TU size flagが1であるならば、サイズN/2xN/2の変換単位1354が設定される。
【0149】
図13を参照しつつ説明した変換単位分割情報(TU size flag)は、0または1の値を有するフラグであるが、一実施形態による変換単位分割情報が1ビットのフラグに限定されるものではなく、設定によって、0,1,2,3,…などに増加し、変換単位が階層的に分割されもする。
【0150】
この場合、一実施形態による変換単位分割情報を、変換単位の最大サイズ、変換単位の最小サイズと共に利用すれば、実際に利用された変換単位の大きさが表現される。一実施形態によるビデオ符号化装置100は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を符号化することができる。符号化された最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報は、SPSに挿入される。一実施形態によるビデオ復号化装置200は、最大変換単位サイズ情報、最小変換単位サイズ情報及び最大変換単位分割情報を利用し、ビデオ復号化に利用することができる。
【0151】
例えば、現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位サイズが32x32であるならば、変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさが32x32、変換単位分割情報が1であるとき、変換単位の大きさが16x16、変換単位分割情報が2であるとき、変換単位の大きさが8x8に設定される。
【0152】
他の例で、現在符号化単位がサイズ32x32であり、最小変換単位サイズが32x32であるならば、変換単位分割情報が0であるとき、変換単位の大きさが32x32に設定され、変換単位の大きさが32x32より小さくはならないので、それ以上の変換単位分割情報が設定されない。
【0153】
さらに他の例で、現在符号化単位がサイズ64x64であり、最大変換単位分割情報が1であるならば、変換単位分割情報は、0または1であって、他の変換単位分割情報が設定されない。
【0154】
従って、最大変換単位分割情報を「MaxTransformSizeIndex」、最小変換単位サイズを「MinTransformSize」、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズを「RootTuSize」であると定義するとき、現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」は、以下の式(1)のように定義される。
【0155】
CurrMinTuSize
=max(MinTransformSize,RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)) (1)
現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」と比較し、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、システム上、採択可能な最大変換単位サイズを示すことができる。すなわち、式(1)によれば、「RootTuSize/(2^MaxTransformSizeIndex)」は、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」を最大変換単位分割情報に相応する回数ほど分割した変換単位サイズであり、「MinTransformSize」は、最小変換単位サイズであるから、それらのうち小さい値が、現在現在符号化単位で可能な最小変換単位サイズ「CurrMinTuSize」であってもよい。
【0156】
一実施形態による最大変換単位サイズRootTuSizeは、予測モードによって変わりもする。
【0157】
例えば、現在予測モードがインターモードであるならば、RootTuSizeは、下記式(2)によって決定される。式(2)で、「MaxTransformSize」は、最大変換単位サイズ、「PUSize」は、現在予測単位サイズを示す。
【0158】
RootTuSize=min(MaxTransformSize、PUSize) (2)
すなわち、現在予測モードがインターモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在予測単位サイズのうち小さい値に設定される。
【0159】
現在パーティション単位の予測モードがイントラモードであるならば、「RootTuSize」は、下記式(3)によって決定される。「PartitionSize」は、現在パーティション単位の大きさを示す。
【0160】
RootTuSize=min(MaxTransformSize,PartitionSize) (3)
すなわち、現在予測モードがイントラモードであるならば、変換単位分割情報が0である場合の変換単位サイズである「RootTuSize」は、最大変換単位サイズ及び現在パーティション単位サイズのうち小さい値に設定される。
【0161】
ただし、パーティション単位の予測モードによって変動する一実施形態による現在最大変換単位サイズ「RootTuSize」は、一実施形態であるのみ、現在最大変換単位サイズを決定する要因がこれに限定されるものではないことに留意せねばならない。
【0162】
図14は、本発明の一実施形態によるビデオ符号化方法のフローチャートを図示している。
【0163】
段階1210で、現在ピクチャは、少なくとも1つの最大符号化単位に分割される。また、可能な総分割回数を示す最大深度が事前に設定されもする。
【0164】
段階1220で、深度ごとに最大符号化単位の領域が分割された少なくとも1つの分割領域ごとに符号化され、少なくとも1つの分割領域別に、最終符号化結果が出力される深度が決定され、ツリー構造による符号化単位が決定される。
【0165】
最大符号化単位は、深度が深くなるたびに空間的に分割され、下位深度の符号化単位に分割される。それぞれの符号化単位は、隣接する他の符号化単位と独立して、空間的に分割されつつ、さらに下位深度の符号化単位に分割されるのである。深度別に符号化単位ごとに反復して符号化が行われねばならない。
【0166】
また、深度別符号化単位ごとに、符号化誤差が最小であるパーティション・タイプ別変換単位が決定されねばならない。符号化単位の最小符号化誤差を発生させる符号化深度が決定されるために、あらゆる深度別符号化単位ごとに符号化誤差が測定されて比較される。
【0167】
段階1230で、最大符号化単位ごとに、少なくとも1つの分割領域別最終符号化結果の映像データと、符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報とが出力される。符号化モードについての情報は、符号化深度についての情報または分割情報、予測単位のパーティション・タイプ情報、予測モード情報及び変換単位サイズ情報などを含んでもよい。符号化された符号化モードについての情報は、符号化された映像データと共に復号化端に伝送される。
【0168】
図15は、本発明の一実施形態によるビデオ復号化方法のフローチャートを図示している。
【0169】
段階1310で、符号化されたビデオに係わるビットストリームが受信されてパージングされる。
【0170】
段階1320で、パージングされたビットストリームから、最大サイズの最大符号化単位に割り当てられる現在ピクチャの映像データと、最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報とが抽出される。最大符号化単位別符号化深度は、現在ピクチャの符号化過程で、最大符号化単位別に符号化誤差が最も小さい深度に選択された深度である。最大符号化単位別符号化は、最大符号化単位を深度別に階層的に分割した少なくとも1つのデータ単位に基づいて、映像データが符号化されたものである。
【0171】
一実施形態による符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報によれば、最大符号化単位が、ツリー構造による符号化単位に分割されるのである。ツリー構造による符号化単位による符号化単位は、それぞれ符号化深度の符号化単位である。従って、符号化単位別符号化深度を把握した後、それぞれの映像データを復号化することによって、映像の符号化/復号化の効率性が向上しうる。
【0172】
段階1330で、最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードに係わる符号化情報に基づいて、それぞれの最大符号化単位の映像データが復号化される。復号化された映像データは、再生装置によって再生されたり、記録媒体に保存されたり、ネットワークを介して伝送される。
【0173】
以下、図16ないし図23を参照しつつ、一実施形態によって符号化単位の大きさを考慮したコーディング・ツールの作動モードによって行われるビデオ符号化または復号化について説明する。
【0174】
図16は、一実施形態による、符号化単位の大きさを考慮したコーディング・ツールによるビデオ符号化装置のブロック図を図示している。
【0175】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、最大符号化単位分割部1410、符号化深度決定部1420及び出力部1430を含む。
【0176】
最大符号化単位分割部1410は、現在ピクチャを少なくとも1つの最大符号化単位に分割する。
【0177】
符号化深度決定部1420は、最大符号化単位を深度別符号化単位別に符号化する。このとき、符号化深度決定部1420は、最大符号化単位に含まれた符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、最大符号化単位の分割領域別に、当該符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードによって符号化する。
【0178】
符号化深度決定部1420は、あらゆる深度による符号化単位ごとに符号化し、その符号化結果を比較し、符号化効率が最も高い符号化単位の深度を符号化深度として決定する。最大符号化単位内の領域は、位置ごとに符号化効率が最も高い深度が一定なものではないので、所定分割領域に係わる符号化深度は、他の分割領域とは独立して決定されてもよい。従って、1つの最大符号化単位内に、符号化深度が一つ以上定義されてもよい。
【0179】
符号化のためのコーディング・ツールは、ビデオ符号化技法の量子化、変換、イントラ予測、インター予測、動き補償、エントロピ符号化及びループ・フィルタリングなどを指す。一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、それぞれのコーディング・ツールは、少なくとも1つの作動モードによって遂行することができる。作動モードは、コーディング・ツールを遂行する方式を指す。
【0180】
例えば、コーディング・ツールがインター予測であるならば、コーディング・ツールのための作動モードは、周辺予測単位の動きベクトルのメディアン値を選択する第1作動モード、周辺予測単位のうち特定位置の予測単位の動きベクトルを選択する第2作動モード、周辺予測単位のうちから現在予測単位の所定テンプレートと最も類似したテンプレートを含む周辺予測単位の動きベクトルを選択する第3作動モードを含んでもよい。
【0181】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、それぞれのコーディング・ツールを、少なくとも1つの作動モードで遂行することができる。また、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の大きさによって、コーディング・ツールの作動モードを可変的に設定することができる。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の大きさによって、少なくとも1つのコーディング・ツールの作動モードを可変的に設定することができる。また、符号化単位の深度は、符号化単位の大きさと相応するので、符号化単位のためのコーディング・ツールの作動モードは、符号化単位の大きさによる符号化単位の深度に基づいて決定されてもよい。従って、符号化単位の深度、コーディング・ツール及びその作動モードの対応関係が設定される。同様に、コーディング・ツールが符号化単位の予測単位またはパーティションで遂行されるならば、コーディング・ツールの作動モードは、予測単位またはパーティションのサイズに基づいて決定されてもよい。
【0182】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モード間の対応関係を、符号化以前に事前に設定することができる。また、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、最大符号化単位を符号化し、深度別符号化単位ごとに、所定コーディング・ツールについてあらゆる作動モードで符号化した結果、符号化効率が最も高い作動モードを検索することによって、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モード間の対応関係を決定することもできる。
【0183】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、所定サイズ以上の深度別符号化単位については、オーバーヘッドビットが発生する作動モードを対応させることができ、所定サイズより小さい深度別符号化単位については、オーバーヘッドビットが発生しない作動モードを対応させるように決定することができる。
【0184】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モード間の対応関係についての情報を、スライス単位、フレーム単位、ピクチャ単位、GOP(group of pictures)単位のうち、いずれか1つの単位ごとに符号化して伝送することができる。または、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化情報と、符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報とを、シーケンスパラメータ・セット(SPS:sequence parameter set)に挿入することができる。
【0185】
一実施形態による符号化深度決定部1420が、コーディング・ツールにおいてイントラ予測を行う場合、イントラ予測に係わる作動モードは、参照される周辺情報の方向を示す予測方向の個数によって分類されるのである。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400のイントラ予測に係わる作動モードは、符号化単位の大きさによって変更される予測方向の個数を示すイントラ予測モードを含んでもよい。
【0186】
一実施形態による符号化深度決定部1420が、コーディング・ツールにおいてイントラ予測を行う場合、イントラ予測に係わる作動モードは、映像パターンを考慮して平坦化動作を遂行するか否かによって区別される。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400のイントラ予測に係わる作動モードは、符号化単位の大きさによって、符号化単位内の領域の平坦化のためのイントラ予測モード及び境界線保存のためのイントラ予測モードを区別し、イントラ予測を行うか否かを示すことができる。
【0187】
一実施形態による符号化深度決定部1420が、コーディング・ツールにおいてインター予測を行う場合、一つ以上の動きベクトル決定技法を選択的に遂行することができる。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400のインター予測に係わる作動モードは、符号化単位の大きさによって選択的に行われる動きベクトル決定技法を示すインター予測モードを含んでもよい。
【0188】
一実施形態による符号化深度決定部1420が、コーディング・ツールにおいて変換を行う場合、映像パターンによって選択的に回転変換技法が利用されてもよい。一実施形態による符号化深度決定部1420は、回転変換技法を効率的に遂行するために、変換対象になる所定サイズのデータマトリックスに乗じる回転変換のマトリックスを、メモリに保存しおくことができる。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400の変換に係わる作動モードは、符号化単位の大きさによって、対応する回転変換のマトリックスに係わるインデックスを示す変換モードを含んでもよい。
【0189】
一実施形態による符号化深度決定部1420が、コーディング・ツールにおいて量子化を行う場合、現在量子化パラメータ(QP:quantization parameter)及び所定代表量子化パラメータに係わる差値を示す量子化パラメータのデルタ値(delta QP)を利用することができる。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400の量子化に係わる作動モードは、符号化単位の大きさによって変更される量子化パラメータのデルタ値が利用されるか否かを示す量子化モードを含んでもよい。
【0190】
一実施形態による符号化深度決定部1420が、コーディング・ツールにおいてインターポレーションを行う場合、インターポレーション・フィルタを利用することができる。符号化深度決定部1420は、符号化単位の大きさ、予測単位またはパーティションの大きさ及び符号化単位の深度に基づいて、インターポレーション・フィルタのタブの係数または個数を選択的に設定することができる。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400のインターポレーション・フィルタリングに係わる作動モードは、符号化単位の大きさまたは深度、予測単位またはパーティションの大きさによって変更されるインターポレーション・フィルタのタブの係数または個数を示すインターポレーションモードを含んでもよい。
【0191】
一実施形態による出力部1430は、最大符号化単位ごとに、符号化深度決定部1420から出力された最終符号化結果である符号化されたビデオデータ、最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報を含むビットストリームを出力することができる。符号化されたビデオデータは、最大符号化単位のうち、それぞれの分割領域ごとに決定された符号化深度の符号化単位で符号化されたビデオデータの集合である。
【0192】
また、前述の深度別符号化単位によるコーディング・ツール別作動モードは、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報の形態に符号化され、ビットストリームに挿入されて出力されるのである。
【0193】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、コーディング・ツールとして、量子化、変換、イントラ予測、インター予測、動き補償、エントロピ符号化及びループ・フィルタリングなどを行い、それぞれのコーディング・ツールは、深度別符号化単位によって異なる作動モードで行われる。前述のコーディング・ツール別作動モードは、説明の便宜のために説明した実施形態であるのみ、一実施形態によるビデオ符号化装置1400の符号化単位の大きさまたは深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係は、前述の実施形態に限定されるものではない。
【0194】
図17は、一実施形態による、符号化単位の大きさを考慮したコーディング・ツールによるビデオ復号化装置のブロック図を図示している。
【0195】
一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、受信部1510、抽出部1520及び復号化部1530を含む。
【0196】
一実施形態による受信部1510は、符号化されたビデオを含むビットストリームを受信してパージングする。一実施形態による抽出部1520は、受信部1510が受信したビットストリームから、符号化されたビデオデータ、符号化情報、及び符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を抽出する。
【0197】
符号化されたビデオデータは、映像データを最大符号化単位で区画して符号化したデータであり、最大符号化単位内の映像データは、深度別に段階的に分割されてそれぞれの分割領域ごとに符号化深度による符号化単位で符号化された結果である。符号化情報は、最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報を含んでいる。
【0198】
例えば、符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報は、最大符号化単位、フレーム単位、フィールド単位、スライス単位及びGOP単位のうち、いずれか1つの映像データ単位ごとに設定されていてもよい。または、符号化情報、及び符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報、シーケンスパラメータ・セット(SPS)から抽出される。
【0199】
所定映像データ単位別に定義された符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報によって、当該映像データ単位に含まれる符号化単位の映像データは、コーディング・ツールごとに選択的な作動モードで復号化される。
【0200】
一実施形態による復号化部1530は、抽出部1520で抽出された符号化情報、及び符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、符号化されたビデオデータを最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとにコーディング・ツール別作動モードによって復号化することができる。符号化単位の大きさによって、少なくとも1つのコーディング・ツールの作動モードは、可変的に設定される。また、符号化単位の深度は、符号化単位の大きさと相応するので、符号化単位のためのコーディング・ツールの作動モードは、符号化単位の大きさによる符号化単位の深度に基づいて決定されてもよい。従って、符号化単位の深度、コーディング・ツール及びその作動モードの対応関係が設定される。同様に、コーディング・ツールが、符号化単位の予測単位またはパーティションで遂行されるならば、コーディング・ツールの作動モードは、予測単位またはパーティションのサイズに基づいて決定されてもよい。
【0201】
符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係は、コーディング・ツールについて設定されているとしても、復号化部1530は、コーディング・ツールに対応するデコーディング・ツールを遂行することができる。例えば、復号化部1530が、符号化単位の深度によって、量子化に係わる作動モードの対応関係についての情報に基づいて、符号化深度の符号化単位のビットストリームを逆量子化せねばならない。
【0202】
一実施形態による復号化部1530が、デコーディング・ツールにおいてイントラ予測を行う場合、符号化単位の深度、イントラ予測及びイントラ予測モードの対応関係についての情報に基づいて、符号化深度の現在符号化単位に係わるイントラ予測を行うことができる。例えば、一実施形態による復号化部1530は、符号化単位の深度、イントラ予測及びイントラ予測モードの対応関係についての情報に基づいて、符号化深度の現在符号化単位の大きさに対応するイントラ予測方向の個数による周辺情報を参照し、符号化深度の現在符号化単位についてイントラ予測を行うことができる。
【0203】
また、一実施形態による復号化部1530は、符号化単位の深度、イントラ予測及びイントラ予測モードの対応関係についての情報に基づいて、現在符号化単位の符号化深度によって、平坦化のためのイントラ予測モード及び境界線保存のためのイントラ予測モードを区別し、イントラ予測を行うか否かを決定することができる。
【0204】
一実施形態による復号化部1530が、デコーディング・ツールにおいてインター予測を行う場合、符号化単位の深度、インター予測及びインター予測モードの対応関係についての情報に基づいて、符号化深度の現在符号化単位に係わるインター予測を行うことができる。例えば、一実施形態による復号化部1530は、符号化単位の深度、インター予測及びインター予測モードの対応関係についての情報に基づいて、符号化深度に対応する動きベクトル決定技法によって、符号化深度の現在符号化単位に係わるインター予測モードを遂行することができる。
【0205】
一実施形態による復号化部1530が、デコーディング・ツールにおいて逆変換を行う場合、符号化単位の深度、変換及び変換モードの対応関係についての情報に基づいて、選択的に逆回転変換を行うことができる。従って、一実施形態による復号化部1530は、符号化単位の深度、変換及び変換モードの対応関係についての情報に基づいて、符号化深度に対応するインデックスの回転変換のマトリックスを利用し、符号化深度の現在符号化単位に係わる逆回転変換を行うことができる。
【0206】
一実施形態による復号化部1530が、デコーディング・ツールにおいて逆量子化を行う場合、符号化単位の深度、量子化及び量子化モードの対応関係についての情報に基づいて、符号化深度に対応する量子化パラメータのデルタ値を利用し、符号化深度の現在符号化単位に係わる逆量子化を行うことができる。
【0207】
一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、復号化部1530で復号化された映像データを利用し、オリジナル映像を復元することができる。復元された映像は、ディスプレイ装置によって再生されたり、記録媒体に保存されるのである。
【0208】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400及びビデオ復号化装置1500によれば、映像の特性及びその符号化効率によって、符号化単位の大きさが多様に決定されてもよい。また、高解像度映像または高画質映像などの大容量の映像データを符号化するために、符号化単位、予測単位及び変換単位などのデータ単位の大きさが大きくなる。既存のH.264標準による階層的構造によるマクロブロックの大きさは、4X4、8X8、16X16であるが、一実施形態によるビデオ符号化装置1400及びビデオ復号化装置1500は、データ単位の大きさを4X4、8X8、16X16、32X32、64X64、128X128、さらにそれ以上に拡張することができる。
【0209】
データ単位が大きくなるほど、含まれる映像データが多くなるので、データ単位別に当該領域の映像特性が多様になる。従って、あらゆる大きさのデータ単位について、一定のコーディング・ツールを利用して符号化することは効果的ではない。
【0210】
従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、映像データの特性によって、さらに符号化効率の高い符号化単位の深度、コーディング・ツール別作動モードを決定し、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報を符号化し、一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報に基づいて、受信されたビットストリームを復号化することによって、符号化されたビデオデータからオリジナル映像を復元することができる。
【0211】
従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400及びビデオ復号化装置1500は、高解像度映像または高画質映像などの大容量の映像データを効果的に符号化/復号化することができる。
【0212】
図18は、一実施形態による、符号化単位の大きさ、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係を図示している。
【0213】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400、または一実施形態によるビデオ復号化装置1500の符号化単位の大きさとして、4X4サイズの符号化単位1610、8X8サイズの符号化単位1620、16X16サイズの符号化単位1630、32X32サイズの符号化単位1640、64X64サイズの符号化単位1650が利用される。最大符号化単位が、64X64サイズの符号化単位1650である場合、64X64サイズの符号化単位1650の深度は、0、32X32サイズの符号化単位1640の深度は、1、16X16サイズの符号化単位1630の深度は、2、8X8サイズの符号化単位1620の深度は、3、4X4サイズの符号化単位1610の深度は、4である。
【0214】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の深度によって、適応的にコーディング・ツールの作動モードを決定することができる。例えば、第1コーディング・ツールTOOL1を、第1作動モードTOOL1−1、第2作動モードTOOL1−2及び第3作動モードTOOL1−3で遂行することができる場合、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、4X4サイズの符号化単位1610、8X8サイズの符号化単位1620に対して、第1コーディング・ツールを、第1作動モード1660で遂行し、16X16サイズの符号化単位1630、32X32サイズの符号化単位1640に対して、第1コーディング・ツールを、第2作動モード1662で遂行し、64X64サイズの符号化単位1650に対して、第1コーディング・ツールを、第3作動モード1664で遂行することができる。
【0215】
符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係は、現在符号化単位の符号化する過程で、当該コーディング・ツールのあらゆる作動モードで符号化し、最も符号化効率が高い結果が生じる作動モードを検索することによって、決定することができる。また、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係は、符号化するシステムの性能、ユーザ要求または開発環境などによって事前に設定されもする。
【0216】
最大符号化単位の大きさは、所定データについて一定に定義されて設定されているので、符号化単位の大きさは、当該符号化単位の深度に相応する。従って、符号化単位の大きさに適応的なコーディング・ツール及び作動モードの対応関係は、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報で符号化されてもよい。
【0217】
符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報は、符号化単位の深度別に、それぞれのコーディング・ツールごとに行われる最適の作動モードについての情報を示すことができる。
【0218】
【表2】
表2によれば、深度4,3,2,1,0の符号化単位について、第1コーディング・ツール及び第2コーディング・ツールの作動モードが可変的に適応される。かような符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報は、シーケンス、GOP、ピクチャ、フレーム、スライスなどの単位で符号化されて伝送される。
【0219】
以下、符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係の具体的な実施形態について説明する。
【0220】
図19は、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係の一実施形態であり、符号化単位の深度、インター予測の作動モードの対応関係を図示している。
【0221】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、インター予測を行う場合、一つ以上の動きベクトル決定方式を利用することができる。従って、コーディング・ツールにおいて、インター予測に係わる作動モードは、動きベクトル決定方式によって分類されるのである。
【0222】
例えば、インター予測に係わる第1作動モードは、現在符号化単位1700の予測された動きベクトルMVPであり、周辺符号化単位A,B,C 1710,1720,1730の動きベクトルmvpA,mvpB,mvpCのメディアン値を採択する方式である。
【0223】
MVP=median(mvpA,mvpB,mvpC) (4)
第1作動モードによる場合、演算負担が少なく、オーバーヘッドビットが不要である。従って、小さい深度別符号化単位について、第1作動モードでインター予測が行われても、演算または伝送ビットの側面での負担が大きくない。
【0224】
インター予測に係わる第2作動モードは、周辺符号化単位A,B,C 1710,1720,1730の動きベクトルのうち、現在符号化単位1700の予測された動きベクトルとして選択された周辺符号化単位の動きベクトルのインデックスを直接表示する方式である。
【0225】
例えば、一実施形態によるビデオ符号化装置1400が、現在符号化単位1700に係わるインター予測を行った結果、周辺符号化単位A 1710の動きベクトルmvpAが、現在符号化単位1700の最適の予測動きベクトルとして採択され、mvpAのインデックスを符号化する。従って、符号化端では、予測動きベクトルを示すインデックスによるオーバーヘッドは発生するが、復号化端では、第2作動モードによるインター予測によって生じる演算負担が小さいことが特徴である。
【0226】
インター予測に係わる第3作動モードは、現在符号化単位の所定位置のピクセル1705と、周辺符号化単位A,B,C 1710,1720,1730の所定位置のピクセル1715,1725,1735とを比較し、歪曲が最も少ないピクセルが検出され、当該ピクセルが含まれた周辺符号化単位の動きベクトルが、現在符号化単位1700の予測動きベクトルとして採択になる方式である。
【0227】
従って、復号化端で歪曲が最も少ないピクセルを検出するための演算負担量が増加するが、符号化端では、伝送ビットに係わるオーバーヘッドが発生しない。特に、特定映像パターンを含む映像シーケンスについては、周辺符号化単位の動きベクトルのメディアン値を利用する場合より、正確な予測結果が算出される。
【0228】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の深度によって設定されるインター予測の第1作動モード、第2作動モード及び第3作動モードの対応関係についての情報を符号化することができる。また、一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、受信されたビットストリームから、符号化単位の深度によって設定されるインター予測の第1作動モード、第2作動モード及び第3作動モードの対応関係を示す情報を抽出し、符号化深度の現在符号化単位の動き補償及びインター予測と関連したデコーディング・ツールを遂行するのに利用し、映像データを復号化することができる。
【0229】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400が、符号化単位の大きさまたは深度によって、インター予測の作動モードを決定するために、伝送ビットにオーバーヘッドが発生するか否かを考慮する。小さい符号化単位を符号化する場合、付加的なオーバーヘッドの発生は、符号化効率を急低下させることがある。これに比べ、大きい符号化単位の符号化結果に付加的なオーバーヘッドが発生するのは、符号化効率に大きく悪影響を及ぼさない。
【0230】
従って、小さい符号化単位について、伝送ビットに対して付加的なオーバーヘッドを発生させないインター予測の第3作動モードが対応するのが効率的である。このような観点から、符号化単位の大きさによるインター予測の作動モードの対応関係の一例は、表3の通りである。
【0231】
【表3】
図20は、符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係の一実施形態であり、符号化単位の深度、イントラ予測の作動モードの対応関係を図示している。
【0232】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、イントラ予測は現在符号化単位1800周辺の復元されたピクセル1810を利用した方向性エクストラ・ポレーション(directional extrapolation)を利用することができる。例えば、イントラ予測方向は、tan−1(dx,dy)と定義され、複数個の(dx,dy)パラメータによって、イントラ予測方向は、多様な方向性を有することができる。
【0233】
現在符号化単位内部の予測しようとする現在ピクセル1820を中心に、(dx,dy)の値によって決まるtan−1(dy/dx)の角度を有する延長線上に位置した周辺ピクセル1830を、現在ピクセル1820の予測子として利用することができる。このとき、予測子として利用される周辺ピクセルは、以前に符号化されて復元された、現在符号化単位の上側及び左側の以前符号化単位のピクセルであることが望ましい。
【0234】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、イントラ予測を行う場合、符号化単位の大きさによって、イントラ予測方向の個数を調節することができる。従って、コーディング・ツールにおいてイントラ予測に係わる作動モードは、イントラ予測方向の個数によって分類されるのである。
【0235】
イントラ予測方向の適正個数は、符号化単位の大きさ及び符号化単位の階層的構造によって異なるように設定される。また、イントラ予測モードを示すためのオーバーヘッドビットは、小さい符号化単位については、符号化効率を低下させる要因になるが、大きい符号化単位の符号化効率については、大きい影響を及ぼさない。
【0236】
従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の深度によるイントラ予測方向個数を示す作動モードの対応関係についての情報を符号化することができる。また、一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、受信されたビットストリームから、符号化単位の深度によってイントラ予測方向個数を示す作動モードの対応関係についての情報を抽出し、符号化深度の現在符号化単位のイントラ予測と関連したデコーディング・ツールを遂行するのに利用し、映像データを復号化することができる。
【0237】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400が、符号化単位の大きさまたは深度によって、イントラ予測の作動モードを決定するために、現在符号化単位の映像パターンを考慮する。ディテール成分が含まれた映像については、線形的にエクストラポレーションによるイントラ予測が望ましいので、イントラ予測方向の個数がさらに多く必要である。また、平坦な領域については、イントラ予測方向の個数が相対的に少ない。平坦な領域については、周辺の復元されたピクセルのインターポレーションによるプレーンモード(plain mode)または双線形モード(bi-linear mode)などが利用されもする。
【0238】
大きい符号化単位は、平坦な領域で生成されるので、大きい符号化単位に係わるイントラ予測モードでは、予測方向の個数が少ないことが望ましい。また、小さい符号化単位は、ディテール成分が含まれた領域で生成される確率が高いので、小さい符号化単位に係わるイントラ予測モードでは、予測方向の個数が相対的に多いことが望ましい。従って、符号化単位の大きさによるイントラ予測モードの対応関係は、符号化単位の大きさによるイントラ予測方向の個数の対応関係と解釈することができ、このような観点で、符号化単位の大きさによるイントラ予測モードの対応関係の一例は、表4の通りである。
【0239】
【表4】
大きい符号化単位には、多様な方向の映像パターンを含むことができるので、この場合、線形的エクストラポレーションによるイントラ予測が利用されることが望ましい。このような場合の符号化単位の大きさによるイントラ予測モードの対応関係は、表5のように設定される。
【0240】
【表5】
本発明の一実施形態によれば、符号化単位の大きさによって多様に設定されたイントラ予測モードに従って予測符号化を行うことによって、映像の特性によって、さらに効率的な圧縮を可能にする。
【0241】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400によって、符号化単位の深度に従って多様に設定されたイントラ予測モードを適用して出力される予測符号化単位は、イントラ予測モードによって一定の方向性を有する。かような予測符号化単位内部の方向性は、符号化される現在符号化単位のピクセルが一定の方向性を有する場合には、予測効率が向上しうるが、現在符号化単位のピクセルが方向性を有さない場合には、予測効率が落ちることがある。従って、イントラ予測を介して生成された予測符号化単位に係わる後処理動作として、予測符号化単位内部の各ピクセルと、少なくとも1つの周辺ピクセルとを利用し、予測符号化単位内部の各ピクセルのピクセル値が変更されて新しい予測符号化単位が生成されることによって、映像の予測効率が向上しうる。
【0242】
例えば、平坦な領域については、イントラ予測を介して生成された予測符号化単位について、平坦化効果のある後処理動作が効果的である。また、ディテール成分が含まれた領域については、ディテール成分を保存するための後処理動作が望ましい。
【0243】
従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の深度によって、イントラ予測符号化単位に係わる後処理動作の遂行いかんを示す作動モードの対応関係についての情報を符号化することができる。また、一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、受信されたビットストリームから符号化単位の深度によって、イントラ予測符号化単位に係わる後処理動作の遂行いかんを示す作動モードの対応関係についての情報を抽出し、符号化深度の現在符号化単位のイントラ予測と関連したデコーディング・ツールを遂行するのに利用し、映像データを復号化することができる。
【0244】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、イントラ予測符号化単位に係わる後処理動作の遂行いかんを示す作動モードとして、平坦な領域については、平坦化効果のある後処理動作を遂行するイントラ予測モード、ディテール成分が含まれた領域については、平坦化効果のある後処理動作を遂行しないイントラ予測モードを採択することができる。
【0245】
平坦な領域で、大きい符号化単位が決定される可能性が高く、ディテール成分の多い領域で、小さい符号化単位が決定される可能性が高い。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、大きい符号化単位については、平坦化効果のある後処理動作を遂行するイントラ予測モード、小さい符号化単位については、平坦化効果のある後処理動作を遂行しないイントラ予測モードを採択することができる。
【0246】
従って、符号化単位の深度によるイントラ予測符号化単位に係わる後処理動作の遂行いかんを示す作動モードの対応関係は、符号化単位の大きさによる後処理動作の遂行いかんの対応関係と解釈することができ、かような観点から、符号化単位の大きさによるイントラ予測の作動モードの対応関係の一例は、表6の通りである。
【0247】
【表6】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400が、コーディング・ツールにおいて変換を行う場合、映像パターンによって選択的に回転変換技法が利用される。回転変換技法の効率的な演算のために、回転変換のためのデータマトリックスをメモリに保存しておくことができる。一実施形態によるビデオ符号化装置1400が回転変換を行う場合、または一実施形態によるビデオ復号化装置1500が逆回転変換を行う場合、演算のために必要な回転変換データを示すインデックスを利用し、メモリから当該データを呼び出すことができる。かような回転変換データは、符号化単位または変換単位の大きさまたはシーケンスタイプによって設定されている。
【0248】
従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、変換に係わる作動モードとして、符号化単位の深度によって、対応する回転変換のマトリックスに係わるインデックスが示す変換モードを設定することができる。一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の大きさによって、回転変換のためのマトリックスインデックスを示す変換モードの対応関係についての情報を符号化することができる。
【0249】
また、一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、受信されたビットストリームから、符号化単位の深度によって、回転変換のためのマトリックスインデックスを示す変換モードの対応関係についての情報を抽出し、符号化深度の現在符号化単位の逆回転変換を行うのに利用し、映像データを復号化することができる。
【0250】
従って、符号化単位の深度による回転変換及び作動モードの対応関係は、符号化単位の大きさによる回転変換マトリックスのインデックスの対応関係と解釈することができ、かような観点から、符号化単位の大きさによる回転変換の作動モードの対応関係の一例は、表7の通りである。
【0251】
【表7】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400が、コーディング・ツールにおいて量子化を行う場合、所定代表量子化パラメータ(QP)に係わる差値を示す量子化パラメータのデルタ値を利用することができる。量子化パラメータのデルタ値は、符号化単位の大きさによって変更される。従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400の量子化に係わる作動モードは、符号化単位の大きさによって変更される量子化パラメータのデルタ値が利用されるか否かを示す量子化モードを含んでもよい。
【0252】
従って、一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、量子化に係わる作動モードとして、符号化単位の大きさによって対応する量子化パラメータのデルタ値が利用されるか否かを示す量子化モードを設定することができる。一実施形態によるビデオ符号化装置1400は、符号化単位の深度によって、量子化パラメータのデルタ値が利用されるか否かを示す量子化モードの対応関係についての情報を符号化することができる。
【0253】
また、一実施形態によるビデオ復号化装置1500は、受信されたビットストリームから、符号化単位の深度によって、量子化パラメータのデルタ値が利用されるか否かを示す量子化モードの対応関係についての情報を抽出し、符号化深度の現在符号化単位の逆量子化を行うのに利用し、映像データを復号化することができる。
【0254】
従って、符号化単位の深度による量子化及び作動モードの対応関係は、符号化単位の大きさによる量子化パラメータのデルタ値が利用されるか否かの対応関係と解釈することができ、かような観点から、符号化単位の大きさによる量子化の作動モードの対応関係の一例は、表8の通りである。
【0255】
【表8】
図21は、一実施形態による符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報が挿入されたシーケンスパラメータ・セットのシンタックスを図示している。
【0256】
sequence_parameter_setは、現在スライスに係わるシーケンスパラメータ・セット1900のシンタックスを示す。一実施形態による符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報が、スライスに係わるシーケンスパラメータ・セット1900のシンタックスに挿入されている一例について説明する。
【0257】
picture_widthは、入力映像の幅、picture_heightは、入力映像の高さを示すシンタックスであり、max_coding_unit_sizeは、最大符号化単位の大きさ、max_coding_unit_depthは、最大深度を示すシンタックスである。
【0258】
一実施形態では、スライスに係わるシーケンスパラメータの例として、符号化単位別独立的復号化動作の利用可能性(use_independent_cu_decode_flag)、符号化単位別独立的パージング動作の利用可能性(use_independent_cu_parse_flag)、動きベクトル正確性制御動作の利用可能性(use_mv_accuracy_control_flag)、任意的方向性イントラ予測動作の利用可能性(use_arbitrary_direction_intra_flag)、変換上の予測符号化/復号化動作の利用可能性(use_frequency_domain_prediction_flag)、回転変換動作の利用可能性(use_rotational_transform_flag)、ツリー・シグニフィカントマップを利用した符号化/復号化の利用可能性(use_tree_significant_map_flag)、マルチパラメータを利用したイントラ予測符号化動作の利用可能性(use_multi_parameter_intra_prediction_flag)、改善された動きベクトル予測符号化動作の利用可能性(use_advanced_motion_vector_prediction_flag)、適応的ループ・フィルタリング動作の利用可能性(use_adaptive_loop_filter_flag)、クワッドツリー構造の適応的ループ・フィルタリング動作の利用可能性(use_quadtree_adaptive_loop_filter_flag)、量子化パラメータのデルタ値の利用可能性(use_delta_qp_flag)、ランダムノイズ生成動作の利用可能性(use_random_noise_generation_flag)、非対称的形態に分割される予測単位による動き予測動作の利用可能性(use_asymmetric_motion_partition_flag)を示すシンタックスが利用される。前述の動作の利用可能性を示すシンタックスは、現在スライスの符号化/復号化過程で、当該動作が利用されるか否かを設定し、効率的な符号化/復号化が可能になる。
【0259】
特に、適応的ループ・フィルタリング動作の利用可能性(use_adaptive_loop_filter_flag)及びクワッドツリー構造の適応的ループ・フィルタリング動作の利用可能性(use_quadtree_adaptive_loop_filter_flag)によって、適応的ループフィルタのフィルタ長(alf_filter_length)、適応的ループフィルタ・タイプ(alf_filter_type)、適応的ループフィルタ係数の量子化のための基準値(alf_qbits)、適応的ループ・フィルタリングでのカラー成分の個数(alf_num_color)がシーケンスパラメータ・セット1900で設定される。
【0260】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400及び一実施形態によるビデオ復号化装置1500で利用される符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報は、符号化単位の深度(uiDepth)によって、対応するインター予測の作動モード(mvp_mode[uiDepth])及びツリー・シグニフィカントマップのうち、シグニフィカントマップの種類を示す作動モード(significant_map_mode[uiDepth])を含んでもよい。すなわち、一実施形態による符号化単位の深度による、インター予測及び当該作動モードの対応関係、またはツリー・シグニフィカントマップを利用した符号化/復号化及び当該作動モードの対応関係が、シーケンスパラメータ・セット1900で設定される。
【0261】
入力サンプルのビット深度(input_sample_bit_depth)及び内部サンプルのビット深度(internal_sample_bit_depth)も、シーケンスパラメータ・セット1900で設定される。
【0262】
一実施形態によるビデオ符号化装置1400及び一実施形態によるビデオ復号化装置1500によって符号化/復号化される符号化単位の深度、コーディング・ツール及び作動モードの対応関係についての情報は、図21で図示されたシーケンスパラメータ・セット1900に挿入された実施形態に限定されるものではなく、最大符号化単位、スライス、フレーム、ピクチャ、GOPなどの単位で設定されて符号化/復号化される。
【0263】
図22は、一実施形態による、符号化単位の大きさを考慮したコーディング・ツールによるビデオ符号化方法のフローチャートを図示している。
【0264】
段階2010で、現在ピクチャが最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割される。
【0265】
段階2020で、最大符号化単位ごとに、最大符号化単位の少なくとも1つの符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、深度別符号化単位別に、コーディング・ツール別作動モードによって符号化し、符号化深度が決定される。階層的深度による深度別符号化単位によって符号化深度が決定されるので、最大符号化単位は、一つ以上の符号化深度の符号化単位を含む。
【0266】
符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係は、映像のスライス、フレーム、GOP及びフレームシーケンスのうち、いずれか1つの単位で、事前に設定される。また、符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係は、最大符号化単位の符号化において、深度別符号化単位について、コーディング・ツール別に少なくとも1つの作動モードで符号化した結果を比較し、符号化効率が最も高い作動モードを選択することによって決定することができる。または、所定サイズ以下の深度別符号化単位については、符号化されたデータストリームに挿入されるオーバーヘッドビットが発生しない作動モードを対応させ、所定サイズより大きい深度別符号化単位については、オーバーヘッドビットが発生する作動モードを対応させるように、符号化単位の大きさによるコーディング・ツール別作動モードの対応関係が決定されもする。
【0267】
段階2030で、最大符号化単位ごとに、符号化深度の符号化されたビデオデータ、符号化情報、及び符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を含むビットストリームが出力される。符号化情報は、最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報を含んでもよい。符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報は、映像のスライス、フレーム、GOP及びフレームシーケンスのうち、いずれか1つのデータ単位ごとに挿入される。
【0268】
図23は、一実施形態による、符号化単位の大きさを考慮したコーディング・ツールによるビデオ復号化方法のフローチャートを図示している。
【0269】
段階2110で、符号化されたビデオに係わるビットストリームが受信されてパージングされる。
【0270】
段階2120で、ビットストリームから、符号化されたビデオデータ、符号化情報、及び符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報が抽出される。符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報は、ビットストリームに映像の最大符号化単位、スライス、フレーム、GOP及びフレームシーケンスのうち、いずれか1つの単位で抽出されてもよい。
【0271】
段階2130で、符号化情報及び符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、符号化されたビデオデータを最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、コーディング・ツール別作動モードによって復号化される。
【0272】
一方、前述の本発明の実施形態は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用し、前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現される。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM(read-only memory)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクなど)及び光学的判読媒体(例えば、CD−ROM、DVD(digital versatile disc)など)のような記録媒体を含む。また、ビデオ符号化装置100,1400、ビデオ復号化装置200,1500、映像符号化部400及び映像復号化部500の一つ以上の構成要素は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に保存されたコンピュータプログラムを実行するプロセッサまたはマイクロプロセッサを含んでもよい。
【0273】
以上、本発明についてその望ましい実施形態を中心に説明した。本発明が属する技術分野で当業者は、本発明が本発明の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態で具現されるということを理解することができるであろう。よって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点から考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述の説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたものであると解釈されねばならない。
以下、具体的な実施形態を例示的に列挙する。
(付記1)
ビデオデータの現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する段階と、
前記最大符号化単位ごとに、前記最大符号化単位の少なくとも1つの符号化単位の深度によって決定されるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、深度が深くなるにつれ、前記最大符号化単位が段階的に分割された少なくとも1つの分割領域別に、前記コーディング・ツール別作動モードによって符号化し、最終符号化結果が出力される深度の符号化深度を決定する段階と、
前記最大符号化単位ごとに、前記符号化深度の符号化されたビデオデータ、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、並びに前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を含むビットストリームを出力する段階と、を含むことを特徴とするビデオ符号化方法。
(付記2)
前記符号化のためのコーディング・ツールは、量子化、変換、イントラ予測、インター予測、動き補償、エントロピ符号化及びループ・フィルタリングのうち少なくとも一つを含み、
それぞれのコーディング・ツールは、少なくとも1つの作動モードで行われることを特徴とする付記1に記載のビデオ符号化方法。
(付記3)
前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係は、前記映像のスライス、フレーム及びフレームシーケンスのうちいずれか1つの単位で事前に設定されることを特徴とする付記1に記載のビデオ符号化方法。
(付記4)
前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係は、前記最大符号化単位の符号化において、前記深度別符号化単位に係わる前記コーディング・ツール別に前記少なくとも1つの作動モードで符号化した結果を比較し、符号化効率が最も高い作動モードを選択することによって決定されることを特徴とする付記1に記載のビデオ符号化方法。
(付記5)
所定サイズ以下の深度別符号化単位については、符号化されたデータストリームに挿入されるオーバーヘッドビットが発生しない作動モードを対応させ、前記所定サイズより大きい深度別符号化単位については、オーバーヘッドビットが発生する作動モードを対応させるように、前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係が決定されることを特徴とする付記1に記載のビデオ符号化方法。
(付記6)
前記それぞれの分割領域の符号化深度は、同一最大符号化単位内の他の分割領域とは独立して決定されることを特徴とする付記1に記載のビデオ符号化方法。
(付記7)
符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする段階と、
前記ビットストリームから、符号化されたビデオデータ、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、及び符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を抽出する段階と、
前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、並びに前記符号化単位の深度によって決定されるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、前記符号化されたビデオデータを最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、前記コーディング・ツール別作動モードによって復号化する段階と、を含むことを特徴とするビデオ復号化方法。
(付記8)
前記符号化のためのコーディング・ツールは、量子化、変換、イントラ予測、インター予測、動き補償、エントロピ符号化及びループ・フィルタリングのうち少なくとも一つを含み、それぞれのコーディング・ツールは、少なくとも1つの作動モードで遂行され、
前記復号化段階は、前記符号化のためのコーディング・ツールに対応するデコーディング・ツールを遂行することを特徴とする付記7に記載のビデオ復号化方法。
(付記9)
前記符号化単位の大きさによるコーディング・ツール別作動モードの対応関係は、前記映像のスライス、フレーム及びフレームシーケンスのうちいずれか1つの単位で事前に設定されていることを特徴とする付記7に記載のビデオ復号化方法。
(付記10)
前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係は、前記ビットストリームの符号化において、前記最大符号化単位の深度別符号化単位に係わる前記コーディング・ツール別に、前記少なくとも1つの作動モードで符号化した結果を比較し、符号化効率が最も高い作動モードを選択することによって決定されたことを特徴とする付記7に記載のビデオ復号化方法。
(付記11)
所定サイズ以下の深度別符号化単位については、符号化されたデータストリームに挿入されるオーバーヘッドビットが発生しない作動モードを対応させ、前記所定サイズより大きい深度別符号化単位については、オーバーヘッドビットが発生する作動モードを対応させるように、前記ビットストリームの符号化において、前記符号化単位の大きさによるコーディング・ツール別作動モードの対応関係が決定されたことを特徴とする付記7に記載のビデオ復号化方法。
(付記12)
現在ピクチャを、最大サイズの符号化単位である少なくとも1つの最大符号化単位に分割する最大符号化単位分割部と、
前記最大符号化単位ごとに、前記最大符号化単位の少なくとも1つの符号化単位の深度によって決定されるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、深度が深くなるにつれ、前記最大符号化単位が段階的に分割された少なくとも1つの分割領域別に、前記コーディング・ツール別作動モードによって符号化し、最終符号化結果が出力される深度の符号化深度を決定する符号化深度決定部と、
前記最大符号化単位ごとに、前記最終符号化結果の符号化されたビデオデータ、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、並びに前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を含むビットストリームを出力する出力部と、を含むことを特徴とするビデオ符号化装置。
(付記13)
符号化されたビデオに係わるビットストリームを受信してパージングする受信部と、
前記ビットストリームから、符号化されたビデオデータ、前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報及び符号化単位の深度によって決定されるコーディング・ツール別作動モードの対応関係についての情報を抽出する抽出部と、
前記最大符号化単位別符号化深度及び符号化モードについての情報、並びに前記符号化単位の深度によるコーディング・ツール別作動モードの対応関係に基づいて、前記符号化されたビデオデータを最大符号化単位別に、少なくとも1つの符号化深度別符号化単位ごとに、前記コーディング・ツール別作動モードによって復号化する復号化部と、を含むことを特徴とするビデオ復号化装置。
(付記14)
付記1に記載のビデオ符号化方法を具現するためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
(付記15)
付記7に記載のビデオ復号化方法を具現するためのプログラムが記録されたコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23