(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5893816
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】イヤホン及びイヤホンの自動識別切替制御を実現する方法
(51)【国際特許分類】
H04R 1/10 20060101AFI20160310BHJP
【FI】
H04R1/10 104E
H04R1/10 101A
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-552972(P2015-552972)
(86)(22)【出願日】2013年4月17日
(86)【国際出願番号】CN2013074320
(87)【国際公開番号】WO2014114033
(87)【国際公開日】20140731
【審査請求日】2015年7月17日
(31)【優先権主張番号】201310029505.6
(32)【優先日】2013年1月25日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515132700
【氏名又は名称】チンタオ ゴーアテック テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO GOERTEK TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【弁理士】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100114591
【弁理士】
【氏名又は名称】河村 英文
(72)【発明者】
【氏名】リン,メンチャオ
(72)【発明者】
【氏名】ゴング,ジエンタン
【審査官】
菊池 充
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−239395(JP,A)
【文献】
中国特許出願公開第101841586(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第101841753(CN,A)
【文献】
中国特許出願公開第102196076(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イヤホンであって、
電圧制御スイッチ、スイッチボタン組、マイクロホン及び2組以上のイヤホン回路を含み、そのうち、異なるイヤホン回路が異なったスマートフォンのオペレーティングシステムに対応しており、
前記電圧制御スイッチは、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと、前記2組以上のイヤホン回路との間に配置されるとともに、前記電圧制御スイッチの電圧入力端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、
前記電圧制御スイッチは、前記イヤホンのマイクロホン接続端の電圧によって、前記イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、
自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることにより、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと該対応する1組のイヤホン回路との接続を実現する、ことを特徴とするイヤホン。
【請求項2】
前記異なったスマートフォンのオペレーティングシステムは、異なる電圧範囲に対応しており、
前記電圧制御スイッチは、前記イヤホンのマイクロホン接続端の電圧値の入った電圧範囲によって、前記イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、更に、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項3】
前記イヤホンには、2組のイヤホン回路が含まれ、それぞれがiOSのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路及びWindows Phoneのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路であることを特徴とする請求項1に記載のイヤホン。
【請求項4】
前記電圧制御スイッチには、3組の切替スイッチが含まれ、各組の切替スイッチが、固定接点、第1の切替接点、第2の切替接点、及び、固定接点に接続された切替電極を含み、
前記電圧制御スイッチは、電圧入力端の電圧がリファレンス電圧よりも小さい場合、各組の切替スイッチにおける切替電極を、第1の切替接点に切り替えるように制御するのに対して、電圧入力端の電圧がリファレンス電圧よりも大きい場合、各組の切替スイッチにおける切替電極を、第2の切替接点に切り替えるように制御することを特徴とする請求項3に記載のイヤホン。
【請求項5】
前記電圧制御スイッチは、一つの比較制御モジュールを含み、
前記比較制御モジュールの一つの入力端がリファレンス電圧に接続され、前記比較制御モジュールのもう一つの入力端が前記電圧入力端に接続され、前記比較制御モジュールの出力制御端が前記3組の切替スイッチにそれぞれ接続されることを特徴とする請求項4に記載のイヤホン。
【請求項6】
前記スイッチボタン組は、電話に出る又は電話を切るスイッチボタンS0、音量上げスイッチボタンS1及び音量下げスイッチボタンS2を含み、
そのうち、S0は、一端が前記イヤホンの接地端に接続され、他端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、S1は、一端が前記イヤホンの接地端に接続され、他端が前記電圧制御スイッチのうちの第1組の切替スイッチにおける固定接点に接続され、S2は、一端が前記イヤホンの接地端に接続され、他端が前記電圧制御スイッチのうちの第2組の切替スイッチにおける固定接点に接続されることを特徴とする請求項4に記載のイヤホン。
【請求項7】
前記iOSのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路が、第1の電気抵抗、第2の電気抵抗、Nチャネル電界効果トランジスタ及び「Mikey Chip」チップを含み、
そのうち、「Mikey Chip」チップが前記イヤホンのマイクロホン接続端、第1の電気抵抗の一端、及び、Nチャネル電界効果トランジスタのゲートにそれぞれ接続され、第1の電気抵抗の他端が第2の電気抵抗の一端に接続され、且つ、第1の電気抵抗の他端が更に電圧制御スイッチのうちの第1組の切替スイッチにおける第2の切替接点に接続され、第2の電気抵抗の他端が電圧制御スイッチのうちの第2組の切替スイッチにおける第2の切替接点に接続され、Nチャネル電界効果トランジスタのソースが前記イヤホンの接地端に接続され、Nチャネル電界効果トランジスタのドレインが電圧制御スイッチのうちの第3組の切替スイッチにおける第2の切替接点に接続され、
マイクロホンは、一端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、他端が電圧制御スイッチのうちの第3組の切替スイッチにおける固定接点に接続されることを特徴とする請求項6に記載のイヤホン。
【請求項8】
前記Windows Phoneのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路が、第3の電気抵抗及び第4の電気抵抗を含み、
そのうち、第3の電気抵抗の一端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、第3の電気抵抗の他端が第4の電気抵抗の一端に接続され、第3の電気抵抗の他端が更に電圧制御スイッチのうちの第1組の切替スイッチにおける第1の切替接点に接続され、第4の電気抵抗の他端が電圧制御スイッチのうちの第2組の切替スイッチにおける第1の切替接点に接続され、電圧制御スイッチのうちの第3組の切替スイッチにおける第1の切替接点が前記イヤホンの接地端に接続され、
マイクロホンは、一端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、他端が電圧制御スイッチのうちの第3組の切替スイッチにおける固定接点に接続されることを特徴とする請求項7に記載のイヤホン。
【請求項9】
前記第1の電気抵抗の抵抗値が6.8kΩであり、
前記第2の電気抵抗の抵抗値が2.61kΩであり、
前記第3の電気抵抗の抵抗値が221Ωであり、
前記第4の電気抵抗の抵抗値が392Ωであることを特徴とする請求項8に記載のイヤホン。
【請求項10】
イヤホンの自動識別切替制御を実現する方法であって、
前記イヤホンに、電圧制御スイッチ、スイッチボタン組、マイクロホン及び2組以上のイヤホン回路を配置する処理であって、そのうち、異なる組のイヤホン回路が異なったスマートフォンのオペレーティングシステムに対応している処理と、
前記電圧制御スイッチを前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと、前記2組以上のイヤホン回路との間に配置するとともに、前記電圧制御スイッチの電圧入力端を前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続する処理と、
前記電圧制御スイッチが、前記イヤホンのマイクロホン接続端の電圧によって、前記イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることにより、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと該対応する1組のイヤホン回路との接続を実現する処理と、
を含むことを特徴とするイヤホンの自動識別切替制御を実現する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イヤホンシステム技術分野に関し、特に、イヤホン及びイヤホンの自動識別切替制御を実現する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンのオペレーティングシステムは、従来のフィーチャーフォンシステムよりも演算能力及び機能が強化されたモバイルフォンシステムである。最も多く利用されているスマートフォンのオペレーティングシステムには、iOS、Windows(登録商標) Phone等がある。それらのアプリケーションソフトには互換性がない。
【0003】
一般的に、従来のスマートフォンは、それとマッチングするリモートコントロール機能付きイヤホンを備え、音量上げ(Vol+)、音量下げ(Vol−)、電話に出る又は電話を切る(Send/End)というリモートコントロール機能を有する。しかし、従来のリモートコントロール機能付きイヤホンは、いずれも、特定種類のスマートフォンのオペレーティングシステムのみに適応するものである。例えば、iOSのオペレーティングシステムのモバイルフォンとマッチングするリモートコントロール機能付きイヤホンは、iOSのオペレーティングシステムのモバイルフォンのみに適用可能で、その他のオペレーティングシステムのモバイルフォンに適用できない。同様に、Windows Phoneのオペレーティングシステムのモバイルフォンとマッチングするリモートコントロール機能付きイヤホンは、Windows Phoneのオペレーティングシステムのモバイルフォンのみに適用可能で、その他のオペレーティングシステムのモバイルフォンに適用できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑み、本発明は、イヤホン及びイヤホンの自動識別切替制御を実現する方法を提供することにより、異なるオペレーティングシステムのモバイルフォンに通用するイヤホンを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の技術方案は、次のように実現される。
本発明は、イヤホンを開示しており、該イヤホンは、電圧制御スイッチ、スイッチボタン組、マイクロホン及び2組以上のイヤホン回路を含み、そのうち、異なるイヤホン回路が異なったスマートフォンのオペレーティングシステムに対応しており、前記電圧制御スイッチは、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと、前記2組以上のイヤホン回路との間に配置されるとともに、前記電圧制御スイッチの電圧入力端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、前記電圧制御スイッチは、前記イヤホンのマイクロホン接続端の電圧によって、前記イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることにより、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと該対応する1組のイヤホン回路との接続を実現する。
【0006】
或いは、前記異なったスマートフォンのオペレーティングシステムは、異なる電圧範囲に対応しており、前記電圧制御スイッチは、前記イヤホンのマイクロホン接続端の電圧値の入った電圧範囲によって、前記イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、更に、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替える。
【0007】
或いは、前記イヤホンには、2組のイヤホン回路が含まれ、それぞれがiOSのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路及びWindows Phoneのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路である。
【0008】
或いは、前記電圧制御スイッチには、3組の切替スイッチが含まれ、各組の切替スイッチが、固定接点、第1の切替接点、第2の切替接点、及び、固定接点に接続された切替電極を含み、前記電圧制御スイッチは、電圧入力端の電圧がリファレンス電圧よりも小さい場合、各組の切替スイッチにおける切替電極を、第1の切替接点に切り替えるように制御するのに対して、電圧入力端の電圧がリファレンス電圧よりも大きい場合、各組の切替スイッチにおける切替電極を、第2の切替接点に切り替えるように制御する。
【0009】
或いは、前記電圧制御スイッチは、一つの比較制御モジュールを含み、前記比較制御モジュールの一つの入力端がリファレンス電圧に接続され、前記比較制御モジュールのもう一つの入力端が前記電圧入力端に接続され、前記比較制御モジュールの出力制御端が前記3組の切替スイッチにそれぞれ接続される。
【0010】
或いは、前記スイッチボタン組は、電話に出る又は電話を切るスイッチボタンS0、音量上げスイッチボタンS1及び音量下げスイッチボタンS2を含み、そのうち、S0は、一端が前記イヤホンの接地端に接続され、他端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、S1は、一端が前記イヤホンの接地端に接続され、他端が前記電圧制御スイッチのうちの第1組の切替スイッチにおける固定接点に接続され、S2は、一端が前記イヤホンの接地端に接続され、他端が前記電圧制御スイッチのうちの第2組の切替スイッチにおける固定接点に接続される。
【0011】
或いは、前記iOSのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路が、第1の電気抵抗、第2の電気抵抗、Nチャネル電界効果トランジスタ及び「Mikey Chip」チップを含み、そのうち、「Mikey Chip」チップが前記イヤホンのマイクロホン接続端、第1の電気抵抗の一端、及び、Nチャネル電界効果トランジスタのゲートにそれぞれ接続され、第1の電気抵抗の他端が第2の電気抵抗の一端に接続され、且つ、第1の電気抵抗の他端が更に電圧制御スイッチのうちの第1組の切替スイッチにおける第2の切替接点に接続され、第2の電気抵抗の他端が電圧制御スイッチのうちの第2組の切替スイッチにおける第2の切替接点に接続され、Nチャネル電界効果トランジスタのソースが前記イヤホンの接地端に接続され、Nチャネル電界効果トランジスタのドレインが電圧制御スイッチのうちの第3組の切替スイッチにおける第2の切替接点に接続され、マイクロホンは、一端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、他端が電圧制御スイッチのうちの第3組の切替スイッチにおける固定接点に接続される。
【0012】
或いは、前記Windows Phoneのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路が、第3の電気抵抗及び第4の電気抵抗を含み、そのうち、第3の電気抵抗の一端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、第3の電気抵抗の他端が第4の電気抵抗の一端に接続され、第3の電気抵抗の他端が更に電圧制御スイッチのうちの第1組の切替スイッチにおける第1の切替接点に接続され、第4の電気抵抗の他端が電圧制御スイッチのうちの第2組の切替スイッチにおける第1の切替接点に接続され、電圧制御スイッチのうちの第3組の切替スイッチにおける第1の切替接点が前記イヤホンの接地端に接続され、マイクロホンは、一端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、他端が電圧制御スイッチのうちの第3組の切替スイッチにおける固定接点に接続される。
【0013】
或いは、前記第1の電気抵抗の抵抗値が6.8kΩ、前記第2の電気抵抗の抵抗値が2.61kΩ、前記第3の電気抵抗の抵抗値が221Ω、前記第4の電気抵抗の抵抗値が392Ωである。
【0014】
或いは、前記固定電源電圧の値が+1.9Vである。
【0015】
本発明は、更に、イヤホンの自動識別切替制御を実現する方法を開示しており、該方法は、前記イヤホンに、電圧制御スイッチ、スイッチボタン組、マイクロホン及び2組以上のイヤホン回路を配置する処理であって、そのうち、異なる組のイヤホン回路が異なったスマートフォンのオペレーティングシステムに対応している処理と、前記電圧制御スイッチを前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと、前記2組以上のイヤホン回路との間に配置するとともに、前記電圧制御スイッチの電圧入力端を前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続する処理と、前記電圧制御スイッチが、前記イヤホンのマイクロホン接続端の電圧によって、前記イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることにより、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと該対応する1組のイヤホン回路との接続を実現する処理と、を含む。
【0016】
上記から分かるように、本発明のような、イヤホンが電圧制御スイッチ、スイッチボタン組、マイクロホン及び2組以上のイヤホン回路を含み、そのうち、異なるイヤホン回路が異なったスマートフォンのオペレーティングシステムに対応しており、前記電圧制御スイッチは、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと、前記2組以上のイヤホン回路との間に配置されるとともに、前記電圧制御スイッチの電圧入力端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、前記電圧制御スイッチは、前記イヤホンのマイクロホン接続端の電圧によって、前記イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることにより、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと該対応する1組のイヤホン回路との接続を実現するという技術方案によって、一つのイヤホンは、異なったオペレーティングシステムのモバイルフォンに通用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施例によるイヤホンの模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施例によるイヤホンの識別切替制御を実現する回路構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の核心としては、イヤホンに、電圧制御スイッチ、スイッチボタン組、マイクロホン及び2組以上のイヤホン回路を配置し、そのうち、異なる組のイヤホン回路が異なったスマートフォンのオペレーティングシステムに対応しており、電圧制御スイッチをスイッチボタン組及びマイクロホンと、前記2組以上のイヤホン回路との間に配置するとともに、前記電圧制御スイッチの電圧入力端を前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続し、電圧制御スイッチは、該イヤホンのマイクロホン接続端の電圧によって、該イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることにより、スイッチボタン組及びマイクロホンと該対応する1組のイヤホン回路との接続を実現する。
【0019】
本発明は、主に、異なったスマートフォンのオペレーティングシステムの間でイヤホンにおけるマイクロホン接続端(M極)への入力電圧が異なっていることを利用して、電圧制御スイッチを用いてこの異なった電圧を識別し、更に、対応するモバイルフォンのオペレーティングシステムの類型を識別し、そして、イヤホンの配置を自動的に調整して、現在の対応するモバイルフォンのオペレーティングシステムに適応する。
【0020】
本発明の目的、技術方案及び利点がより明瞭に分かるために、以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について更に詳しく説明する。
【0021】
本発明の実施例によるイヤホンは、電圧制御スイッチ、スイッチボタン組、マイクロホン及び2組以上のイヤホン回路を含み、そのうち、異なるイヤホン回路が異なったスマートフォンのオペレーティングシステムに対応しており、前記電圧制御スイッチは、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと、前記2組以上のイヤホン回路との間に配置されるとともに、前記電圧制御スイッチの電圧入力端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、電圧制御スイッチは、該イヤホンのマイクロホン接続端の電圧によって、該イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることにより、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと該対応する1組のイヤホン回路との接続を実現する。
【0022】
本発明の一つの実施例において、具体的に、異なったスマートフォンのオペレーティングシステムが異なる電圧範囲に対応しており、こうして、電圧制御スイッチは、イヤホンのマイクロホン接続端の電圧値の入った電圧範囲によって、イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、更に、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることができる。
【0023】
例えば、イヤホンには、3組のイヤホン回路が含まれ、それぞれが、3種類のスマートフォンのオペレーティングシステムに対応しており、そのうち、第1種のスマートフォンのオペレーティングシステムの対応する電圧範囲が+1.5V〜+1.9Vであり、第2種のスマートフォンのオペレーティングシステムの対応する電圧範囲が+2.0V〜+2.5Vであり、第3種のスマートフォンのオペレーティングシステムの対応する電圧範囲が+2.6V〜+3.5Vである。もし、イヤホンのマイクロホン接続端の電圧が2.1Vであり、+2.0V〜+2.5Vという範囲に入った場合、イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムが前記第2種のスマートフォンのオペレーティングシステムであると確認でき、切替スイッチを該第2種のスマートフォンのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路に切り替えてスイッチボタンに接続させるといったように、その他の場合についても、同じような処理となる。
【0024】
以下、iOSのオペレーティングシステムのモバイルフォン及びWindows Phoneのオペレーティングシステムのモバイルフォンに通用できる4ピン3.5mmのイヤホンを例として、本発明の技術方案を詳しく説明する。
【0025】
図1は、本発明の実施例によるイヤホンの模式図である。
図1に示すように、該イヤホンが4ピン3.5mmのイヤホンであり、Rが右チャンネル端、Lが左チャンネル端、Gが接地端、Mがマイクロホン接続端、Vol+が音量上げスイッチボタン、Vol−が音量下げスイッチボタン、Send/Endが電話に出る又は電話を切るスイッチボタンである。
【0026】
図2は、本発明の実施例によるイヤホンの識別切替制御を実現する回路構造の模式図である。本実施例によるイヤホンは、iOSのオペレーティングシステムのモバイルフォン及びWindows Phoneのオペレーティングシステムのモバイルフォンに通用できる。
【0027】
図2を参照して、該構造には、電圧制御スイッチS、電話に出る又は電話を切るスイッチボタンS0、音量上げスイッチボタンS1、音量下げスイッチボタンS2、マイクロホンMic、iOSのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路、及び、Windows Phoneのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路が含まれる。
【0028】
図2を参照して、電圧制御スイッチSの電圧入力端がイヤホンのマイクロホン接続端Mに接続され、電圧制御スイッチS内にリファレンス電圧が内蔵されており、本発明の一つの実施例において、該リファレンス電圧が+1.9Vである。本発明のその他の実施例において、電圧制御スイッチには、外部からリファレンス電圧が接続されてもよく、リファレンス電圧の値を柔軟に変更することができる。電圧制御スイッチSには、3組の切替スイッチが含まれ、左から右へ順に第1組の切替スイッチ、第2組の切替スイッチ、第3組の切替スイッチである。各組の切替スイッチが、固定接点0、第1の切替接点1、第2の切替接点2、及び、固定接点0に接続された切替電極を含む。電圧制御スイッチSが一つのチップであり、自身に制御ロジックが付いている。本実施例において、電圧制御スイッチSは、電圧入力端の電圧がリファレンス電圧よりも小さい場合、各組の切替スイッチにおける切替電極を、第1の切替接点1に切り替えるように制御するのに対して、電圧入力端の電圧がリファレンス電圧よりも大きい場合、各組の切替スイッチにおける切替電極を、第2の切替接点2に切り替えるように制御する。又は、本発明のその他の実施例において、電圧制御スイッチSは、電圧入力端の電圧値が、リファレンス電圧よりも小さい第1の所定電圧範囲内にある場合、各組の切替スイッチにおける切替電極を、第1の切替接点1に切り替えるように制御し、電圧入力端の電圧値が、リファレンス電圧よりも大きい第2の所定電圧範囲内にある場合、各組の切替スイッチにおける切替電極を、第2の切替接点2に切り替えるように制御する。例えば、リファレンス電圧は+1.9Vを取り、第1の所定電圧範囲は+1.5V〜+1.8Vを取り、第2の所定電圧範囲は+2.0V〜2.3Vを取る。
【0029】
本実施例において、電圧制御スイッチSが一つの比較制御モジュールCを含み、比較制御モジュールCの一つの入力端がリファレンス電圧Vrefに接続され、比較制御モジュールCのもう一つの入力端が電圧入力端Vinに接続され、比較制御モジュールCの出力制御端が3組の切替スイッチにそれぞれ接続される。このように、比較制御モジュールCによって電圧入力端の電圧とリファレンス電圧との間の比較を行って、比較結果に応じて3組の切替スイッチの制御を行う。
【0030】
S0は、一端がイヤホンの接地端Gに接続され、他端がイヤホンのマイクロホン接続端Mに接続される。S1は、一端がイヤホンの接地端Gに接続され、他端が電圧制御スイッチSのうちの第1組の切替スイッチにおける固定接点0に接続され、S2は、一端がイヤホンの接地端Gに接続され、他端が電圧制御スイッチSのうちの第2組の切替スイッチにおける固定接点0に接続される。
【0031】
本実施例において、iOSのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路は、第1の電気抵抗R1、第2の電気抵抗R2、Nチャネル電界効果トランジスタQ1及び「Mikey Chip」チップを含む。「Mikey Chip」チップは、アップルモバイルフォンのリモートコントロールイヤホンに専用のチップである。「Mikey Chip」のチップは、イヤホンのマイクロホン接続端M、第1の電気抵抗R1の一端及びNチャネル電界効果トランジスタQ1のゲートにそれぞれ接続される。第1の電気抵抗R1の他端が第2の電気抵抗R2の一端に接続され、且つ、第1の電気抵抗R1の他端が更に電圧制御スイッチSのうちの第1組の切替スイッチにおける第2の切替接点2に接続される。第2の電気抵抗R2の他端が電圧制御スイッチSのうちの第2組の切替スイッチにおける第2の切替接点2に接続される。Nチャネル電界効果トランジスタQ1のソースがイヤホンの接地端Gに接続され、Nチャネル電界効果トランジスタQ1のドレインが電圧制御スイッチSのうちの第3組の切替スイッチにおける第2の切替接点2に接続される。本実施例において、第1の電気抵抗R1の抵抗値が6.8kΩであり、第2の電気抵抗R2の抵抗値が2.61kΩである。ここでのiOSのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路は、従来技術におけるアップルモバイルフォンのリモートコントロールイヤホンにおけるイヤホン回路と同じであるため、ここでは、該イヤホン回路の作動原理を改めて説明する必要がない。
【0032】
マイクロホンMicは、一端がイヤホンのマイクロホン接続端Mに接続され、他端が電圧制御スイッチSのうちの第3組の切替スイッチにおける固定接点0に接続される。
【0033】
本発明の実施例において、Windows Phoneのオペレーティングシステムに対応するイヤホン回路は、第3の電気抵抗R3及び第4の電気抵抗R4を含む。第3の電気抵抗R3の抵抗値が221Ωであり、第4の電気抵抗R4の抵抗値が392Ωである。
図2における1%は、精度を表す。これは、従来のWindows Phoneのオペレーティングシステムのモバイルフォンのリモートコントロールイヤホンにおけるイヤホン回路と同じであるため、該イヤホン回路の作動原理を改めて説明する必要がない。
【0034】
本発明の実施例において、第3の電気抵抗R3の一端がイヤホンのマイクロホン接続端Mに接続され、第3の電気抵抗R3の他端が第4の電気抵抗R4の一端に接続され、第3の電気抵抗R3の他端が更に電圧制御スイッチSのうちの第1組の切替スイッチにおける第1の切替接点1に接続される。第4の電気抵抗R4の他端が電圧制御スイッチSのうちの第2組の切替スイッチにおける第1の切替接点1に接続される。電圧制御スイッチSのうちの第3組の切替スイッチにおける第1の切替接点1がイヤホンの接地端Gに接続される。
【0035】
図2に示す回路構造を含むイヤホンのプラグをモバイルフォンのジャックに挿入して、電圧制御スイッチSが、マイクロホン接続端Mの電圧値が+1.9Vよりも小さいことを検出すると、電圧制御スイッチSのうちの3組の切替スイッチにおける切替電極が、いずれも切替接点1に切り替え、電圧制御スイッチSが第3の電気抵抗R3及び第4の電気抵抗R4に接続され、Windows Phoneのオペレーティングシステムのイヤホン回路に切り替えられ、このとき、S0、S1及びS2ボタンは、Windows Phoneのオペレーティングシステムの制御操作を実行する。
【0036】
図2に示す回路構造を含むイヤホンのプラグをモバイルフォンのジャックに挿入して、電圧制御スイッチSが、マイクロホン接続端Mの電圧値が+1.9Vよりも大きいことを検出すると、電圧制御スイッチSのうちの3組の切替スイッチにおける切替電極が、いずれも切替接点2に切り替え、電圧制御スイッチSが第1の電気抵抗R1、第2の電気抵抗R2及びNチャネル電界効果トランジスタQ1に接続され、iOSのオペレーティングシステムのイヤホン回路に切り替えられ、このとき、S0、S1及びS2ボタンは、iOSのオペレーティングシステムの制御操作を実行する。
【0037】
これまで分かるように、
図2に示す回路構造は、一つのイヤホンをWindows Phoneのオペレーティングシステムのモバイルフォン及びiOSのオペレーティングシステムのモバイルフォンに通用させることができる。
【0038】
図2に示す実施例には、Windows Phoneのオペレーティングシステムのモバイルフォン及びiOSのオペレーティングシステムのモバイルフォンに通用するリモートコントロールイヤホンにおける制御構造が示されているが、これは、本発明を限定するものではない。本発明のその他の実施例においては、その他のスマートフォンのオペレーティングシステムであってもよく、対応するスマートフォンのオペレーティングシステムのイヤホン回路を相応的に該構造に配置すればよい。そして、配置されるイヤホン回路は、2組に限定されず、それ以上の複数の組であっても構わなく、電圧制御スイッチにおける切替スイッチの個数、各切替スイッチにおける切替接点の個数、及び、電圧に応じて制御するロジックさえを設計すればよいのである。即ち、電圧制御スイッチをスイッチボタン組及びマイクロホンと、2組以上のイヤホン回路との間に配置するとともに、電圧制御スイッチの電圧入力端をイヤホンのマイクロホン接続端に接続させ、電圧制御スイッチは、該イヤホンのマイクロホン接続端の電圧によって、該イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることにより、スイッチボタン組及びマイクロホンと該対応する1組のイヤホン回路との接続を実現する。このように、任意のオペレーティングシステムのスマートフォンにも通用できるイヤホンを実現することができる。
【0039】
前述したのは、あくまでも本発明の好ましい実施例であり、本発明の保護範囲を限定するためものではない。本発明の精神及び原則内になされたすべての補正、同等の代替、改良等は、いずれも本発明の保護範囲に含まれるものとされる。
【要約】
【解決手段】本発明は、イヤホン及びイヤホンの自動識別切替制御を実現する方法を開示している。該イヤホンは、電圧制御スイッチ、スイッチボタン組、マイクロホン及び2組以上のイヤホン回路を含み、そのうち、異なるイヤホン回路が異なるスマートフォンのオペレーティングシステムに対応しており、前記電圧制御スイッチは、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと、前記2組以上のイヤホン回路との間に配置されるとともに、前記電圧制御スイッチの電圧入力端が前記イヤホンのマイクロホン接続端に接続され、前記電圧制御スイッチは、前記イヤホンのマイクロホン接続端の電圧によって、前記イヤホンが現在挿入されているスマートフォンのオペレーティングシステムを識別し、自身の切替スイッチを制御して、対応する1組のイヤホン回路に切り替えることにより、前記スイッチボタン組及び前記マイクロホンと該対応する1組のイヤホン回路との連通を実現する。本発明の技術方案によって、異なるオペレーティングシステムのスマートフォンに通用できるイヤホンが得られる。
【選択図】
図2