(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
金融機関の現金出納サービスを提供する現金自動預け払い機(以下「ATM」)と、当該ATMと通信可能なサーバ装置と、を備えた災害時支援システムがおこなう災害時支援方法であって、
前記ATMに実行させる、
利用者のカードの記憶媒体に記憶された情報の中から、前記金融機関が当該利用者の口座を識別する口座番号を抽出する口座番号抽出工程と、
前記利用者の目的地点に関する目的地情報の入力を受け付ける目的地入力工程と、
前記目的地入力工程において入力を受け付けた目的地情報に基づいて、当該目的地情報の入力を受け付けた前記ATMの所在地点から前記目的地点までのルートを探索するルート探索工程と、
前記ルート探索工程において探索したルート上または当該ルートの近傍に存在する別のATM(以下「別ATM」という)を特定する別ATM特定工程と、
前記別ATM特定工程が特定した別ATMに関する情報を出力する別ATM情報出力工程と、
前記別ATM情報出力工程において前記別ATMに関する情報を出力した結果、前記別ATMの中から一の別ATMの指定を受け付ける別ATM指定工程と、
前記ATMの所在地点から前記別ATM指定工程において指定を受け付けた別ATMの所在地点までのルートに関する誘導情報を生成する誘導情報生成工程と、
前記誘導情報生成工程において生成した誘導情報を出力する出力工程と、
前記別ATM特定工程において特定した別ATMが設置された店舗の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出するATM抽出工程と、
前記サーバ装置から、前記ATM抽出工程において抽出した店舗に備蓄されている支援物資に関する物資情報、および、前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号によって識別される利用者の支援物資の申し込み履歴に関する情報を取得する物資情報取得工程と、
前記物資情報取得工程において取得した情報に基づいて、前記ATM抽出工程において抽出した店舗ごとに、前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号によって識別される利用者が受け取り可能な支援物資に関する情報を出力する物資情報出力工程と、
前記物資情報出力工程において支援物資に関する情報を出力した結果、前記利用者が支援物資の引き渡しを希望する店舗および前記利用者が要求する支援物資の指定を受け付ける物資指定工程と、
前記物資指定工程において指定を受け付けた店舗および支援物資を特定可能な情報を含む申込票を発行する申込票発行工程と、
前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号と前記物資指定工程において指定を受け付けた店舗および支援物資に関する情報とに基づいて支援要求を生成する要求生成工程と、
前記要求生成工程において生成した支援要求を前記サーバ装置へ送信する要求送信工程と、
前記サーバ装置に実行させる、
前記ATMから送信された支援要求を受信する要求受信工程と、
前記要求受信工程において受信した支援要求に基づいて、前記店舗において提供可能な支援物資から当該支援要求に含まれる支援物資を差し引くことにより、前記ATMが設置された店舗ごとに、当該店舗において提供可能な支援物資に関する情報を関連付けて記憶する支援物資データベースを更新するとともに、前記口座番号ごとに、支援物資の申し込み履歴を関連付けて記憶する履歴データベースを更新する記憶工程と、
前記ATMに実行させる、
前記口座番号抽出工程において口座番号を抽出した場合、前記サーバ装置から、当該口座番号に関連付けて記憶された申し込み履歴を取得する要求取得工程と、
前記要求取得工程において取得した申し込み履歴に基づいて、自装置が設置された店舗が前記利用者が指定した店舗であるか否かを判断する店舗判断工程と、
前記店舗判断工程において自装置が設置された店舗が前記利用者が指定した店舗であると判断した場合に、前記要求取得工程において取得した申し込み履歴に基づいて、前記利用者が指定した支援物資の引換券を発行する引換券発行工程と、
を含んだことを特徴とする災害時支援方法。
金融機関の現金出納サービスを提供する現金自動預け払い機(以下「ATM」)と、当該ATMと通信可能なサーバ装置と、を備えた災害時支援システムがおこなう災害時支援方法であって、
前記ATMに実行させる、
利用者のカードの記憶媒体に記憶された情報の中から、前記金融機関が当該利用者の口座を識別する口座番号を抽出する口座番号抽出工程と、
支援物資の提供を要求する支援要求の入力操作を受け付ける支援要求受付工程と、
前記支援要求受付工程において支援要求の入力操作を受け付けた場合に、前記ATMが設置された店舗の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出するATM抽出工程と、
前記サーバ装置から、前記ATM抽出工程において抽出した店舗に備蓄されている支援物資に関する物資情報、および、前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号によって識別される利用者の支援物資の申し込み履歴に関する情報を取得する物資情報取得工程と、
前記物資情報取得工程において取得した情報に基づいて、前記ATM抽出工程において抽出した店舗ごとに、前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号によって識別される利用者が受け取り可能な支援物資に関する情報を出力する物資情報出力工程と、
前記物資情報出力工程において支援物資に関する情報を出力した結果、前記利用者が支援物資の引き渡しを希望する店舗および前記利用者が要求する支援物資の指定を受け付ける物資指定工程と、
前記物資指定工程において指定を受け付けた店舗および支援物資を特定可能な情報を含む申込票を発行する申込票発行工程と、
前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号と前記物資指定工程において指定を受け付けた店舗および支援物資に関する情報とに基づいて支援要求を生成する要求生成工程と、
前記要求生成工程において生成した支援要求を前記サーバ装置へ送信する要求送信工程と、
前記サーバ装置に実行させる、
前記ATMから送信された支援要求を受信する要求受信工程と、
前記要求受信工程において受信した支援要求に基づいて、前記店舗において提供可能な支援物資から当該支援要求に含まれる支援物資を差し引くことにより、前記ATMが設置された店舗ごとに、当該店舗において提供可能な支援物資に関する情報を関連付けて記憶する支援物資データベースを更新するとともに、前記口座番号ごとに、支援物資の申し込み履歴を関連付けて記憶する履歴データベースを更新する記憶工程と、
前記ATMに実行させる、
前記口座番号抽出工程において口座番号を抽出した場合、前記サーバ装置から、当該口座番号に関連付けて記憶された申し込み履歴を取得する要求取得工程と、
前記要求取得工程において取得した申し込み履歴に基づいて、自装置が設置された店舗が前記利用者が指定した店舗であるか否かを判断する店舗判断工程と、
前記店舗判断工程において自装置が設置された店舗が前記利用者が指定した店舗であると判断した場合に、前記要求取得工程において取得した申し込み履歴に基づいて、前記利用者が指定した支援物資の引換券を発行する引換券発行工程と、
を含んだことを特徴とする災害時支援方法。
金融機関の現金出納サービスを提供する現金自動預け払い機(以下「ATM」)と、当該ATMと通信可能なサーバ装置と、を備えた災害時支援システムがおこなう災害時支援方法であって、
前記ATMに、
利用者のカードの記憶媒体に記憶された情報の中から、前記金融機関が当該利用者の口座を識別する口座番号を抽出する口座番号抽出工程と、
前記利用者の目的地点に関する目的地情報の入力を受け付ける目的地入力工程と、
前記目的地入力工程において入力を受け付けた目的地情報に基づいて、当該目的地情報の入力を受け付けた前記ATMの所在地点から前記目的地点までのルートを探索するルート探索工程と、
前記ルート探索工程において探索したルート上または当該ルートの近傍に存在する別のATM(以下「別ATM」という)を特定する別ATM特定工程と、
前記別ATM特定工程が特定した別ATMに関する情報を出力する別ATM情報出力工程と、
前記別ATM情報出力工程において前記別ATMに関する情報を出力した結果、前記別ATMの中から一の別ATMの指定を受け付ける別ATM指定工程と、
前記ATMの所在地点から前記別ATM指定工程において指定を受け付けた別ATMの所在地点までのルートに関する誘導情報を生成する誘導情報生成工程と、
前記誘導情報生成工程において生成した誘導情報を出力する出力工程と、
前記別ATM特定工程において特定した別ATMが設置された店舗の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出するATM抽出工程と、
前記サーバ装置から、前記ATM抽出工程において抽出した店舗に備蓄されている支援物資に関する物資情報、および、前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号によって識別される利用者の支援物資の申し込み履歴に関する情報を取得する物資情報取得工程と、
前記物資情報取得工程において取得した情報に基づいて、前記ATM抽出工程において抽出した店舗ごとに、前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号によって識別される利用者が受け取り可能な支援物資に関する情報を出力する物資情報出力工程と、
前記物資情報出力工程において支援物資に関する情報を出力した結果、前記利用者が支援物資の引き渡しを希望する店舗および前記利用者が要求する支援物資の指定を受け付ける物資指定工程と、
前記物資指定工程において指定を受け付けた店舗および支援物資を特定可能な情報を含む申込票を発行する申込票発行工程と、
前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号と前記物資指定工程において指定を受け付けた店舗および支援物資に関する情報とに基づいて支援要求を生成する要求生成工程と、を実行させ、
前記要求生成工程において生成した支援要求を前記サーバ装置へ送信する要求送信工程と、
前記サーバ装置に、
前記ATMから送信された支援要求を受信する要求受信工程と、
前記要求受信工程において受信した支援要求に基づいて、前記店舗において提供可能な支援物資から当該支援要求に含まれる支援物資を差し引くことにより、前記ATMが設置された店舗ごとに、当該店舗において提供可能な支援物資に関する情報を関連付けて記憶する支援物資データベースを更新するとともに、前記口座番号ごとに、支援物資の申し込み履歴を関連付けて記憶する履歴データベースを更新する記憶工程と、を実行させ、
前記ATMに、
前記口座番号抽出工程において口座番号を抽出した場合、前記サーバ装置から、当該口座番号に関連付けて記憶された申し込み履歴を取得する要求取得工程と、
前記要求取得工程において取得した申し込み履歴に基づいて、自装置が設置された店舗が前記利用者が指定した店舗であるか否かを判断する店舗判断工程と、
前記店舗判断工程において自装置が設置された店舗が前記利用者が指定した店舗であると判断した場合に、前記要求取得工程において取得した申し込み履歴に基づいて、前記利用者が指定した支援物資の引換券を発行する引換券発行工程と、
を実行させることを特徴とする災害時支援プログラム。
金融機関の現金出納サービスを提供する現金自動預け払い機(以下「ATM」)と、当該ATMと通信可能なサーバ装置と、を備えた災害時支援システムに実行させる災害時支援プログラムであって、
前記ATMに、
利用者のカードの記憶媒体に記憶された情報の中から、前記金融機関が当該利用者の口座を識別する口座番号を抽出する口座番号抽出工程と、
支援物資の提供を要求する支援要求の入力操作を受け付ける支援要求受付工程と、
前記支援要求受付工程において支援要求の入力操作を受け付けた場合に、前記ATMが設置された店舗の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出するATM抽出工程と、
前記サーバ装置から、前記ATM抽出工程において抽出した店舗に備蓄されている支援物資に関する物資情報、および、前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号によって識別される利用者の支援物資の申し込み履歴に関する情報を取得する物資情報取得工程と、
前記物資情報取得工程において取得した情報に基づいて、前記ATM抽出工程において抽出した店舗ごとに、前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号によって識別される利用者が受け取り可能な支援物資に関する情報を出力する物資情報出力工程と、
前記物資情報出力工程において支援物資に関する情報を出力した結果、前記利用者が支援物資の引き渡しを希望する店舗および前記利用者が要求する支援物資の指定を受け付ける物資指定工程と、
前記物資指定工程において指定を受け付けた店舗および支援物資を特定可能な情報を含む申込票を発行する申込票発行工程と、
前記口座番号抽出工程において抽出した口座番号と前記物資指定工程において指定を受け付けた店舗および支援物資に関する情報とに基づいて支援要求を生成する要求生成工程と、
前記要求生成工程において生成した支援要求を前記サーバ装置へ送信する要求送信工程と、を実行させ、
前記サーバ装置に、
前記ATMから送信された支援要求を受信する要求受信工程と、
前記要求受信工程において受信した支援要求に基づいて、前記店舗において提供可能な支援物資から当該支援要求に含まれる支援物資を差し引くことにより、前記ATMが設置された店舗ごとに、当該店舗において提供可能な支援物資に関する情報を関連付けて記憶する支援物資データベースを更新するとともに、前記口座番号ごとに、支援物資の申し込み履歴を関連付けて記憶する履歴データベースを更新する記憶工程と、を実行させ、
前記ATMに、
前記口座番号抽出工程において口座番号を抽出した場合、前記サーバ装置から、当該口座番号に関連付けて記憶された申し込み履歴を取得する要求取得工程と、
前記要求取得工程において取得した申し込み履歴に基づいて、自装置が設置された店舗が前記利用者が指定した店舗であるか否かを判断する店舗判断工程と、
前記店舗判断工程において自装置が設置された店舗が前記利用者が指定した店舗であると判断した場合に、前記要求取得工程において取得した申し込み履歴に基づいて、前記利用者が指定した支援物資の引換券を発行する引換券発行工程と、
を実行させることを特徴とする災害時支援プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる災害時支援システム、災害時支援方法および災害時支援プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
(災害時支援システムのシステム構成)
まず、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システムのシステム構成について説明する。
図1は、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システムのシステム構成を示す説明図である。
【0027】
図1において、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100は、サーバ装置110と、ATM(Automatic teller machine)120と、を備えて構成されている。ATM120は、銀行などの金融機関が発行したカードの挿入を受け付けるカード挿入口121を備えており、カードが挿入された状態において所定の入力操作を受け付けた場合に、預貯金口座への現金の預け入れ、預貯金口座からの現金の引き出し、振込、振替、預貯金残高や取引明細の照会などの金融機関の現金出納サービスを提供する。
【0028】
この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100において、ATM120は、預貯金口座への現金の預け入れ、預貯金口座からの現金の引き出し、振込、振替、預貯金残高や取引明細の照会などの金融機関の現金出納サービスを提供する、いわゆる、現金自動預け払い機と称される機器に加えて、現金自動支払い機あるいはCD(Cash dispenser)などと称され、現金の引き出しと残高照会のみを扱う機器を含んでいてもよい。
【0029】
カードは、たとえば、銀行などの金融機関が預貯金口座の開設者(利用者)に発行するキャッシュカードによって実現することができる。キャッシュカードなどのカードは、たとえば、幅85.60mm、高さ53.98mm、厚さ0.76mmサイズ(いわゆるISO(ISO/IEC 7810)やJIS(JIS−X6301)によって規定されている一般的なカードサイズ)のプラスチック製の板形状をなしている。
【0030】
カードは、たとえば、預貯金口座の口座番号や当該口座番号によって識別される利用者の氏名の文字が記録されている。口座番号は、金融機関において開設した預貯金口座を識別可能な情報であって、預貯金口座ごとに固有の情報によって実現することができる。口座番号や利用者の氏名は、エンボス加工による刻印や印字によって設けられている。
【0031】
カードは、たとえば、プラスチック製の板形状をなす基体にICチップを搭載したICチップ内蔵カードによって実現することができる。あるいは、カードは、基体に磁気製の帯を設けた磁気ストライプカードによって実現されるものであってもよい。口座番号は、利用者(預貯金者)の預貯金口座を識別するために各預貯金口座に対して割り当てられる固有の番号であって、各預貯金口座固有の口座番号(3桁の数字)や銀行を識別するために銀行ごとの銀行番号(3桁の数字)などを含んでいる。
【0032】
サーバ装置110とATM120とは、それぞれ、都市銀行などの金融機関どうしの提携ネットワークなどのネットワーク101に接続されている。金融機関どうしの提携ネットワークは、各金融機関のATM(CDやATM)120どうしを相互に接続することによって構成されるネットワーク101であって、たとえば、BANCS(BANks Cash Service)、MICS(Multi Integrated Cash Service)、ACS(All Japan Card Service)、LONGSなどが存在する。災害時支援システム100において、各ATM120は、それぞれ、サーバ装置110との間で通信可能とされている。
【0033】
災害時支援システム100は、利用者の端末装置130を備えていてもよい。利用者の端末装置130は、インターネットなどのネットワーク101を介してサーバ装置110に接続されており、金融機関がインターネット上に開設した所定のサイトにアクセスすることができる。サーバ装置110や利用者の端末装置130は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現することができる。
【0034】
利用者の端末装置130は、たとえば、後述する災害時伝言サービスの利用に際して用いる、発信先の利用者を特定する情報などを設定する場合に用いることができる。また、利用者の端末装置130は、たとえば、災害時伝言サービスの利用に際して、発信先の利用者への伝言を入力したり、自身宛の伝言を確認したりする場合に用いることができる。また、利用者の端末装置130は、たとえば、後述する帰宅支援サービスの利用に際して用いる、自宅の場所、勤務先の場所あるいは通学先の場所などを設定する場合に用いることができる。
【0035】
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を構成するサーバ装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。
図2−1は、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を構成するサーバ装置110を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
【0036】
図2−1において、コンピュータ装置は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、HDD(ハードディスクドライブ)214と、HD(ハードディスク)215と、ネットワークI/F(インターフェイス)216と、を備えている。また、コンピュータ装置が備える各部211〜216は、バス210によってそれぞれ接続されている。
【0037】
CPU211は、コンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM212は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM213は、CPU211のワークエリアとして使用される。HDD214は、CPU211の制御にしたがってHD215に対するデータのリード/ライトを制御する。HD215は、HDD214の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0038】
ネットワークI/F216は、ネットワーク101を介してATM120に接続されている。また、ネットワークI/F216は、ネットワーク101を介して利用者の端末装置130に接続されている。ネットワークI/F216は、ネットワーク101と内部とのインターフェイスをつかさどり、コンピュータ装置におけるデータの入出力を制御する。
【0039】
(ATM120のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を構成するATM120のハードウエア構成について説明する。
図2−2は、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を構成するATM120のハードウエア構成を示す説明図である。
【0040】
図2−2において、ATM120は、CPU221と、ROM222と、RAM223と、ディスプレイ224と、タッチパネル225と、ネットワークI/F226と、プリンタ227と、カードリーダライタ228と、を備えている。ATM120が備える各部は、バス220によってそれぞれ接続されている。また、ATM120は、各種のデータを記憶するHDや当該HDに対するデータのリード/ライトを制御するHDDなどを備えていてもよい。
【0041】
CPU221は、ATM120全体の制御をつかさどり、RAM223をワークエリアとしながらROM222に記憶された各種プログラムを実行する。ディスプレイ224は、たとえば、表示画面(
図4−1〜
図4−25を参照)を表示する。ディスプレイ224は、具体的には、たとえばTFT液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなど、公知の各種のディスプレイによって実現することができる。
【0042】
タッチパネル225は、ディスプレイ224に積層されており、操作された位置に応じた座標信号を出力する。CPU221は、たとえば、ディスプレイ224における表示内容とタッチパネル225において操作された座標位置とに基づいて、表示内容を切り替える。具体的には、たとえばディスプレイ224に「初期画面」を表示している状態で、タッチパネル225における「災害時支援」キーの位置に対する押圧操作があった場合に、災害時支援をおこなうための「災害時支援画面」を表示する。ATM120は、タッチパネル225に加えて、数値を入力するテンキーを備えていてもよい。また、タッチパネル225に代えてあるいは加えて、キーボードを備えていてもよい。
【0043】
ネットワークI/F226は、ネットワーク101を介して、サーバ装置110を実現するコンピュータ装置との間での通信をおこなう。ネットワークI/F226は、サーバ装置110を実現するコンピュータ装置との間で通信をおこなうことによって、たとえば、伝言情報などの各種の情報をサーバ装置110に送信する。
【0044】
プリンタ227は、タッチパネル225に対する入力操作に応じてATM120がおこなった各種の現金出納サービスの結果を記録媒体に印刷出力する。具体的には、プリンタ227は、たとえば、タッチパネル225に対して預貯金口座から現金を引き出す入力操作がおこなわれた場合に、預貯金残高や取引明細などを印刷し、印刷された記録媒体を所定の排出口から排出する。記録媒体は、所定幅の長尺状のロール紙を用いることができる。このようなロール紙を用いる場合、プリンタ227はロール紙を所定の位置で切断するためのカッタ機構を備えている。プリンタ227は、たとえばレーザプリンタ、インクジェットプリンタ、インクリボンプリンタなど、公知の各種の印刷方法によって印刷をおこなうプリンタによって実現することができる。
【0045】
カードリーダライタ228は、カードが備える記憶媒体に記憶されたカード情報を読み取り、読み取った情報を含む信号をCPU221に出力する。カード情報は、たとえば、カードの識別情報、当該カードの所有者(利用者)の口座番号、暗証番号、預貯金口座を開設した支店名などの情報を含んでいる。
【0046】
たとえば、この発明にかかる実施の形態のカードを、プラスチック製の板形状をなす基体にICチップを搭載したICチップ内蔵カードによって実現する場合、カードリーダライタ228は、たとえば、カードが記憶媒体として備えるICチップに接続される接続端子を備え、当該接続端子を介してICチップに記憶されたカード情報を読み取る。カードリーダライタ228が非接触式ICカードタイプのカードを読み取り対象とする場合は、さらに、カードと通信をおこなう通信部を備えていてもよい。
【0047】
あるいは、たとえば、この発明にかかる実施の形態のカードを、基体に磁気製の帯を設けた磁気ストライプカードによって実現する場合、カードリーダライタ228は、たとえば、カードが記憶媒体として備える磁気帯に記憶されたカード情報を読み取る磁気ヘッドを備え、当該磁気ヘッドの読取位置を磁気タイプのカードが通過する際に、カードの磁気帯に記憶されたカード情報を読み取る。ATM120は、カードリーダライタ228に代えて、カード情報の読み取りのみをおこなうカードリーダを備えていてもよい。
【0048】
(コンピュータ装置のハードウエア構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成について説明する。
図2−3は、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置のハードウエア構成を示す説明図である。
【0049】
図2−3において、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置は、CPU231と、ROM232と、RAM233と、HDD234と、HD235と、ディスプレイ236と、操作部237と、ネットワークI/F238と、を備えている。また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を構成する利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置231〜238は、バス230によってそれぞれ接続されている。
【0050】
CPU231は、利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置全体の制御をつかさどる。ROM232は、ブートプログラムなどのプログラムを記憶している。RAM233は、CPU231のワークエリアとして使用される。HDD234は、CPU231の制御にしたがってHD235に対するデータのリード/ライトを制御する。HD235は、HDD234の制御で書き込まれたデータを記憶する。
【0051】
ディスプレイ236は、たとえば、液晶パネルを備えた表示装置によって実現することができる。ディスプレイ236を実現する液晶パネルは、任意の文字列、数字、記号などを表示することができる。ディスプレイ236は、たとえば、利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置に対して、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を運用する金融機関がインターネット上に開設した所定のサイトにアクセスする入力操作がおこなわれた場合に、該当するWEBページなどを表示する。
【0052】
操作部237は、たとえば、タッチパネル、キーボード、テンキーなどによって実現することができ、利用者による各種の入力操作を受け付ける。また、操作部237は、たとえば、マウスによって実現してもよい。タッチパネル、キーボード、テンキー、マウスなどによって実現される操作部237は、当該操作部237に対する入力操作に応じた信号を出力する。
【0053】
ネットワークI/F238は、インターネットなどのネットワーク101に接続され、当該ネットワーク101を介して、サーバ装置110などの外部装置に接続される。そして、ネットワークI/F238は、ネットワーク101と利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置の内部とのインターフェイスをつかさどり、利用者の端末装置130を実現するコンピュータ装置と外部装置との間におけるデータの入出力を制御する。
【0054】
(利用者データベースの一例)
つぎに、利用者データベースの一例について説明する。
図3−1は、利用者データベースの一例を示す説明図である。
図3−1において、利用者データベース310は、サーバ装置110を実現するコンピュータ装置が備えるHD215などの記憶媒体に設けられている。利用者データベース310は、利用者の口座番号ごとに当該口座番号によって識別される利用者の氏名を含む当該利用者に関する利用者情報を関連付けて記憶する。
【0055】
利用者データベース310は、たとえば、口座番号ごとに、当該口座番号によって識別される預金口座を開設した利用者の氏名や連絡先を示す情報、および、伝言情報などを関連付けて記憶する。連絡先は、たとえば、口座番号によって識別される預金口座を開設した利用者の住所、電話番号、電子メールアドレスなどを示す情報を含んでいる。これにより、利用者の口座番号がわからない場合に、利用者の氏名や連絡先を示す情報に基づいて一の利用者を特定することができる。
【0056】
伝言情報は、たとえば、口座番号によって識別される預貯金口座を開設した利用者から発信した伝言の発信先の利用者(以下、適宜「伝言発信先の利用者」という)を特定可能な情報、あるいは、当該利用者に対して発信された伝言の発信元の利用者(以下、適宜「伝言発信元の利用者」という)を特定可能な情報を含んでいる。また、伝言情報は、たとえば、伝言発信先の利用者あるいは伝言発信元の利用者が残した伝言を示す情報を含んでいる。
【0057】
伝言発信先の利用者あるいは伝言発信元の利用者が残した伝言を示す情報は、あらかじめ設定されたメッセージ(定型メッセージ)によって実現することができる。伝言情報に含まれる定型メッセージは、たとえば、後述する定型メッセージデータベース(
図3−4を参照)が記憶する複数の定型メッセージの中から、伝言発信先の利用者あるいは伝言発信元の利用者によって指定された一の定型メッセージによって実現することができる。
【0058】
伝言発信先の利用者あるいは伝言発信元の利用者は、たとえば、ATM120の表示画面(
図4−5を参照)に表示された「無事」キー、「負傷」キー、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーなどの、定型メッセージデータベースが記憶する複数の定型メッセージをそれぞれ示す操作キーの中のいずれか一つをタッチパネルを介して選択することによって、定型メッセージを指定することができる。
【0059】
伝言発信先の利用者あるいは伝言発信元の利用者が残した伝言を示す情報に定型メッセージを含む場合、利用者データベース310は、定型メッセージデータベースにおいて指定された定型メッセージに関連付けられたメッセージ番号を記憶する。あるいは、伝言発信先の利用者あるいは伝言発信元の利用者が残した伝言を示す情報に定型メッセージを含む場合、利用者データベース310は、指定された定型メッセージを示すテキスト情報を記憶していてもよい。
【0060】
また、伝言発信先の利用者あるいは伝言発信元の利用者が残した伝言を示す情報は、伝言発信先の利用者あるいは伝言発信元の利用者が入力した任意のメッセージによって実現されるものであってもよい。任意のメッセージは、たとえば、ATM120が備えるディスプレイ224に文字キーを表示し、タッチパネルにおいて当該文字キー部分に対する入力操作がおこなわれた場合に入力することができる。
【0061】
また、伝言情報は、たとえば、各伝言を登録した日時を特定可能な情報を含んでいる。また、利用者データベース310は、たとえば、伝言発信先の利用者が伝言情報を確認した(既読)か否(未読)かを示す確認状況情報を記憶している。
【0062】
(支援物資データベースの一例)
つぎに、支援物資データベースの一例について説明する。
図3−2は、支援物資データベースの一例を示す説明図である。
図3−2において、支援物資データベース320は、サーバ装置110を実現するコンピュータ装置が備えるHDなどの記憶媒体に設けられている。支援物資データベース320は、ATM120が設置された店舗ごとに、当該店舗において提供可能な支援物資に関する情報を関連付けて記憶する。
【0063】
支援物資データベース320は、たとえば、ATM120が設置された店舗を識別可能な店舗識別情報ごとに、当該店舗識別情報によって識別される店舗名や当該店舗において提供可能な支援物資に関する情報を関連付けて記憶する。店舗識別情報は、ATM120が設置された店舗ごとに固有の情報であって、たとえば、災害時支援システム100の運用者などによって任意に設定することができる。
【0064】
具体的には、支援物資データベース320は、たとえば、店舗識別情報ごとに、該当する店舗において備蓄されている物資の種類や備蓄数などを示す情報を関連付けて記憶している。物資の種類を示す情報は、具体的な商品名に限らず、たとえば「500mlペットボトル入り水」、「毛布」、「非常食」などのように、店舗に備蓄されている物資のおおよその分類を特定可能な情報であればよい。備蓄数は、たとえば、現時点において備蓄している物資の数量を示す。また、支援物資データベース320は、たとえば、今後引き渡す予定のある物資の数量を示す情報や、店舗識別情報によって識別される店舗の所在地や当該店舗の名称を示す情報などを関連付けて記憶していてもよい。
【0065】
(履歴データベースの一例)
つぎに、履歴データベースの一例について説明する。
図3−3は、履歴データベースの一例を示す説明図である。
図3−3において、履歴データベース330は、サーバ装置110を実現するコンピュータ装置が備えるHD215などの記憶媒体に設けられている。履歴データベース330は、口座番号ごとに、支援物資の申し込み履歴を関連付けて記憶する。履歴データベース330は、たとえば、口座番号ごとに、当該口座番号によって識別される預貯金口座を開設した利用者の氏名や連絡先を示す情報、および、物資の申し込み(申請)履歴に関する情報などを関連付けて記憶する。
【0066】
物資の申し込み履歴に関する情報は、たとえば、支援物資の引き渡しを申し込んだ(申請した)店舗や、支援物資の引き渡しをおこなう(受け取る)店舗を特定可能な情報を含んでいる。また、物資の申し込み履歴に関する情報は、たとえば、申し込まれた物資や引き渡し数量(引渡数量)、引渡日などを特定可能な情報を含んでいる。引渡日は、たとえば、店舗が任意に設定することができる。あるいは、引渡日は、たとえば、物資の申し込み操作をおこなった日から所定の範囲内の日付のうち、利用者が指定した任意の日付であってもよい。また、履歴データベース330は、申し込まれた物資の引き渡しが完了したか否かを示す情報を含んでいてもよい。
【0067】
支援物資データベース320においては、各預貯金口座の残高に応じた制限を示す情報を記憶していてもよい。具体的には、たとえば、残高が1000万円以上の預貯金口座の利用者は、1000万円未満の預貯金口座の利用者よりも、引渡可能な物資の数量が多くなるような制限を設定してもよい。
【0068】
サーバ装置110は、上記の利用者データベース310、支援物資データベース320および履歴データベース330に加えて、口座情報データベース(図示を省略する)を備えている。口座情報データベースは、たとえば、口座番号ごとに、当該口座番号によって識別される預貯金口座の残高や入出金履歴などの情報を記憶する。また、口座情報データベースは、口座番号ごとに、当該口座番号によって識別される預貯金口座の開設者である利用者の家族構成や、当該家族に対して発行された特定のカードのカード番号を記憶していてもよい。
【0069】
この発明にかかる実施の形態において、特定のカードは、通常のキャッシュカードのように金融機関の現金出納サービスを利用することはできず、災害時支援サービスの利用のみが可能とされる。特定のカードは、たとえば、口座番号によって識別される預貯金口座の開設者の子供に対して、「子供カード」などと称して発行することができる。子供カードなどの特定のカードは、たとえば、利用者から申請があった場合に、あらかじめ発行しておく。特定のカードは、当該特定のカードを識別可能な識別情報を含むカード情報を記憶する記憶媒体を備えている。特定のカードの利用方法については、説明を後述する。
【0070】
(定型メッセージデータベースの一例)
つぎに、定型メッセージデータベースの一例について説明する。
図3−4は、定型メッセージデータベースの一例を示す説明図である。
図3−4において、定型メッセージデータベース340は、メッセージ番号ごとに、定型メッセージを関連付けて記憶する。
【0071】
定型メッセージは、あらかじめ定められており、たとえば、「無事」や「負傷」などのように、伝言発信元の利用者の安否を示す情報によって実現することができる。また、定型メッセージは、たとえば、「自宅へ向かいます」、「避難所へ向かいます」、「会社(学校)で待機します」などのように、伝言発信元の利用者の所在を示す情報によって実現することができる。定型メッセージデータベース340が記憶する定型メッセージのうち、伝言発信元の利用者によって指定された定型メッセージは、利用者データベース310において、当該伝言発信元の利用者の口座番号に関連付けて伝言情報として記憶される。
【0072】
(ATM120の表示画面例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100におけるATM120が表示する表示画面例について説明する。
図4−1、
図4−2、
図4−3、
図4−4、
図4−5、
図4−6、
図4−7、
図4−8、
図4−9、
図4−10、
図4−11、
図4−12、
図4−13、
図4−14、
図4−15、
図4−16、
図4−17、
図4−18、
図4−19、
図4−20、
図4−21、
図4−22、
図4−23、
図4−24および
図4−25は、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100におけるATM120が表示する表示画面例を示す説明図である。
【0073】
図4−1において、表示画面401は、災害が発生した場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される災害時支援サービス画面を示している。表示画面401は、「お引き出し」キー、「お預け入れ」キー、「残高照会」キーなど、通常時に提供される金融機関の現金出納サービスを指定する各キーに加えて、「災害時支援」キーを表示する。「災害時支援」キーは、災害が発生した場合に有効となる。「災害時支援」キーは、災害が発生した場合に操作可能となるキーであって、通常時は表示されない。あるいは、「災害時支援」キーは、通常時はその他の各キーよりも表示色を薄くし、通常時は操作することはできないように(グレーアウト)してもよい。
【0074】
「災害時支援」キーは、預貯金口座の開設時に金融機関から発行され、当該金融機関の現金出納サービスを利用する際に用いる通常のキャッシュカードなどのカードが挿入された状態においてのみ操作できるようにしてもよい。この場合、カードが挿入されていない状態で「災害時支援」キーが操作されると、ATM120が備えるディスプレイ224に、「カードを入れてください」などのメッセージを表示するようにしてもよい。
【0075】
図4−2において、表示画面402は、表示画面401において「災害時支援」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面402は、災害時伝言サービスを有効にする「災害時伝言サービス」キー、帰宅支援サービスを有効にする「帰宅支援サービス」キー、物資支援サービスを有効にする「物資支援サービス」キーを表示する。
【0076】
図4−3において、表示画面403は、表示画面402において「災害時伝言サービス」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面403は、「カードを入れてください」などのメッセージを表示することによって、利用者にカードの挿入を促す。利用者は、表示画面403にしたがって、あるいは、表示画面403が表示される前までに、カード挿入口121からカードを挿入する。
【0077】
図4−4において、表示画面404は、表示画面403においてカード挿入口121からカードが挿入された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面404は、預貯金口座の開設時に金融機関から発行され、当該金融機関の現金出納サービスを利用する際に用いる通常のキャッシュカードなどのカードが挿入された場合に表示される。表示画面404は、利用者が伝言を残す際に操作される「伝言を残す」キーと、利用者宛の伝言を確認する際に操作される「伝言を確認する」キーを表示する。
【0078】
図4−5において、表示画面405は、表示画面404において「伝言を残す」キーが、操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面405は、伝言発信先の利用者への伝言の入力を促すメッセージと、伝言の内容を選択させるキーと、を表示する。表示画面405において、「無事」キー、「負傷」キー、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーのいずれかが操作された場合、あらかじめ定められた定型の伝言を登録することができる。
【0079】
また、表示画面405において「その他」キーが操作された場合、定型の伝言以外の伝言を登録することができる。
図4−6においては、表示画面405において「その他」キーが操作された場合にATM120が備えるディスプレイ224に表示される表示画面406を示している。表示画面406においては、所定の文字数(たとえば100文字など)の範囲内で、任意のメッセージを入力することができる。
【0080】
任意のメッセージは、たとえば、ATM120が備えるディスプレイ224に文字キーを表示し、タッチパネルにおいて当該文字キー部分に対する入力操作がおこなわれた場合に入力を受け付けることができる。表示画面406は、「決定」キーが操作された場合に、表示画面407に切り替わる。また、表示画面406は、「戻る」キーが操作された場合に、表示画面405へ切り替わる。
【0081】
図4−7において、表示画面407は、表示画面405において「無事」キー、「負傷」キー、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーのいずれかが操作された場合、あるいは、表示画面406において「決定」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面407は、表示画面405あるいは表示画面406において入力を受け付けた伝言と、伝言発信先の利用者の氏名と、を表示する。この発明にかかる実施の形態において、伝言発信先の利用者は、たとえば、災害時支援サービスを利用する前に、利用者に、利用者の端末装置130などを用いて金融機関のWEBサイトにアクセスさせて所定のWEBページを表示させ、当該WEBページの表示内容にしたがって入力操作をおこなわせることによって、あらかじめ指定することができる。
【0082】
また、表示画面407は、「以下の伝言を登録します」などのように、表示画面407に表示されている伝言を伝言発信先の利用者に残すことを案内するメッセージや、当該伝言を当該伝言発信先の利用者に残すか否かを確認する「はい」キーおよび「いいえ」キーを表示する。ATM120は、表示画面407において「いいえ」キーが操作された場合、表示画面405や表示画面407において入力を受け付けた内容を所定のメモリから消去して、表示画面401を表示する。
【0083】
図4−8において、表示画面408は、表示画面407において「はい」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面408は、利用者がすでに登録した伝言の一覧を表示する。利用者がすでに残した伝言の一覧は、該当する伝言を伝言発信先の利用者が確認した(既読)か未確認である(未読)かを示す「区分」、伝言発信先の利用者を示す「通知先」、および、伝言を登録した場所および当該伝言を登録した日時を示す「伝言登録場所 日時」の項目ごとに、伝言の内容を表示する。これにより、伝言発信先の利用者が、伝言発信元の利用者が登録した伝言を確認したか否かを、伝言発信元の利用者が確認することができる。
【0084】
図4−9において、表示画面409は、表示画面404において「伝言を確認する」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面409は、「あなたへ新着メッセージがあります。」などのように新着の伝言の有無を案内するメッセージや、「表示しますか。」などのようにつぎの操作を促すメッセージを表示する。また、表示画面409は、「はい」キーや「いいえ」キーなどのようにつぎの操作を指定させるキーを表示する。
【0085】
図4−10において、表示画面410は、表示画面409において「はい」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面410は、相手からの伝言を受け取った、伝言発信先の利用者が未確認の伝言を表示する。表示画面410は、伝言発信元の利用者の氏名、伝言の内容、当該伝言が登録された場所および日時を表示する。表示画面410は、伝言発信元の利用者が表示画面410に表示されている自身宛の伝言を確認したことを示す「確認」キーを表示する。
【0086】
図4−11において、表示画面411は、表示画面410において「確認」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面411は、「伝言を確認したことを登録者へ通知します。」などのように伝言を確認した旨を伝言発信先の利用者に通知することを案内するメッセージや、「伝言の一覧を表示しますか。」などのようにつぎの操作を促すメッセージを表示する。また、表示画面411は、「はい」キーや「いいえ」キーなどのようにつぎの操作を指定させるキーを表示する。
【0087】
表示画面404において「伝言を確認する」キーが操作され、かつ、該当する利用者への新着メッセージがない場合は、たとえば、「新着メッセージはありません。」などのように新着の伝言の有無を案内するメッセージや、「伝言の一覧を表示しますか。」などのようにつぎの操作を促すメッセージを表示する。この場合、ATM120は、「伝言の一覧を表示しますか。」などのメッセージとともに、「はい」キーや「いいえ」キーなどのようにつぎの操作を指定させるキーを、当該ATM120が備えるディスプレイ224に表示する。
【0088】
図4−12において、表示画面412は、表示画面411において「はい」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面412は、利用者宛に登録された伝言の一覧を表示する。利用者宛に登録された伝言の一覧は、該当する伝言を伝言発信先の利用者(自分)が確認した(既読)か未確認である(未読)かを示す「区分」、伝言発信元の利用者を示す「登録者」、および、伝言が登録された場所および当該伝言を登録した日時を示す「伝言登録場所 日時」の項目ごとに、伝言の内容を表示する。
【0089】
これにより、伝言を受け取った利用者は、いつ誰が伝言を登録したのか、登録された伝言を自身が確認したか否か、を確認することができる。表示画面412において、未読の伝言がある場合、当該伝言の位置を操作することによって、未読の伝言を確認できるようにしてもよい。この場合、表示画面412において操作された伝言に関する情報は、表示画面410のように表示することができる。
【0090】
また、上記の表示画面405は、表示画面402において「帰宅支援サービス」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。ATM120は、表示画面402における「帰宅支援サービス」キーの操作に応じて、「カードを入れてください」などのメッセージを含む表示画面403を表示し、カードの挿入があった場合に表示画面405を表示するようにしてもよい。
【0091】
図4−13において、表示画面413は、表示画面402における「帰宅支援サービス」キーの操作に応じて表示された表示画面405において、「自宅へ向かいます」などの行き先を指定する入力操作を受け付けた場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面413は、自装置の設置地点から、あらかじめ自宅として登録されている目的地点までのルート上に存在するATM120が設置されている店舗に関する情報を表示する。表示画面413は、上記ルート上に存在するATM120が設置されている店舗のうち、設置場所が自装置に近い所定数の店舗に関する情報を表示する。
【0092】
具体的には、店舗に関する情報として、たとえば、「荏原支店」、「自由が丘支店」などの店舗名、各店舗まで歩いた場合のおおよその所要時間などを表示する。また、具体的には、店舗に関する情報として、たとえば、表示画面413に表示された店舗において物資の支援をおこなっているか否かを示す情報を表示してもよい。
【0093】
図4−14において、表示画面414は、表示画面413において、一の店舗を指定する入力操作(この実施の形態においては、表示画面413における「荏原支店」キーを指定する入力操作)を受け付けた場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面414は、指定された店舗へのルートに関する誘導情報を表示する。誘導情報は、たとえば、現在地点から指定された店舗へのルートを含む地図情報によって実現することができる。また、表示画面414は、表示画面414の表示内容(
図4−14においては地図)を印刷して出力するか否かの利用者の意思を確認する「地図を印刷しますか?」などのメッセージや「印刷する」キーおよび「印刷しない」キーなどを表示する。
【0094】
ATM120は、表示画面414において「印刷する」キーが操作された場合に、プリンタにおいて印刷をおこない、地図情報が印刷された記録媒体を発行する(
図5−1を参照)。これにより、利用者は、発行された地図を参照しながら、自身が指定した「荏原支店」へ移動することができる。また、利用者は、「荏原支店」など、つぎのATM120が設置された店舗に到着するごとに、同様の帰宅支援サービスの提供を受けることによって、自宅などの目的地点まで移動することができる。
【0095】
この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100においては、表示画面402における「帰宅支援サービス」が操作された場合に、
図4−15に示した表示画面415を表示してもよい。表示画面415は、「自宅までの地図を印刷する」キーや、「近くの○○を探す」キーなど、利用者に当該利用者の目的地点を選択させる情報を表示する。表示画面415においては、「近くの○○を探す」キーとともに、「避難場所」、「公衆トイレ」、「病院」などのように探す場所の候補を表示する。この場合、ATM120は、表示画面415において「自宅までの地図を印刷する」キー、あるいは、探す場所の候補の中の1つが指定されると、指定された目的地点までの地図を印刷するようにしてもよい。
【0096】
図4−16において、表示画面416は、表示画面402において「物資支援サービス」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。ATM120は、表示画面402における「物資支援サービス」キーの操作に応じて、「カードを入れてください」などのメッセージを含む表示画面403を表示し、カードの挿入があった場合に表示画面416を表示するようにしてもよい。表示画面416は、「物資を申し込む」キーや「申込状況を確認する」キーを表示する。
【0097】
図4−17において、表示画面417は、表示画面416において「物資を申し込む」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面417は、申し込み可能な物資の種類や数量の上限を案内するメッセージや、物資を申し込むか否かを意思表示させる「はい」キーや「いいえ」キーを表示する。
図4−18において、表示画面418は、表示画面417において「はい」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面418は、利用者が受け取り可能な物資についての情報を表示する。利用者は、表示画面418の内容を承諾した場合に、「つぎへ」キーを操作する。
【0098】
図4−19において、表示画面419は、物資の受け取りが可能な場所(店舗)の一覧を表示する。表示画面419は、たとえば、現在利用者の入力操作を受け付けているATM120が設置された店舗から所定距離範囲内に存在する所定数の店舗を表示する。利用者は、表示画面419の内容にしたがって、表示画面419に表示された店舗の中から、受け取りを希望する店舗を指定する。
【0099】
図4−20において、表示画面420は、表示画面419において受け取りを希望する店舗(たとえば「目黒支店」)が指定された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面420は、表示画面419において利用者が指定した店舗において受け取り可能な物資の数を案内するメッセージや、物資を申し込む場合の数量の指定をさせる各種のキーなどを表示する。
【0100】
図4−21において、表示画面421は、表示画面419や表示画面420において指定された、物資の申し込み内容を表示する。また、表示画面421は、利用者の申し込み内容が表示画面421の内容でよいか確認する「はい」キーや「いいえ」キーなどを表示する。「いいえ」キーが操作された場合、たとえば表示画面417など、表示画面421以前の画面に戻る。
【0101】
図4−22において、表示画面422は、表示画面421における「はい」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面422は、申し込んだ物資の受け取りに際しての注意事項を案内するメッセージなどを表示する。ATM120は、表示画面422を表示している状態において、「つぎへ」キーが操作された場合、プリンタにより必要事項を記録媒体に印字した物資申込票を発行する(
図5−2を参照)。
【0102】
災害時支援システム100の運用上、物資を申し込んだ利用者は、指定された受け取り日付に、当該利用者が指定した受け取り場所の店舗に行き、物資の申し込みに用いたカードをATM120に挿入する。
図4−23において、表示画面423は、表示画面416において「申込状況を確認する」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。ATM120は、表示画面416において「申込状況を確認する」キーが操作された時点において挿入されているカードの記憶媒体に記憶されている口座番号を抽出し、当該口座番号に関連付けて記憶されている申し込み履歴に基づいて表示画面423を表示する。
【0103】
利用者は、すでに発行されている申込票に印刷されている「申込番号」を入力し、「確定」キーを操作する。ATM120は、「確定」キーが操作された場合、入力された申込番号に基づいてサーバ装置110に問い合わせをおこない、入力された申込番号に該当する申し込み履歴を取得する。そして、取得した申し込み履歴に基づいて、物資引換券(
図5−3における符号530を参照)を発行する。問い合わせの結果、サーバ装置110において該当する申し込み履歴がない場合、ATM120は、物資引換券の発行ができないことを案内する表示画面(図示を省略する)を表示してもよい。
【0104】
店舗は、物資引換券を提示した利用者に対して、当該物資引換券と引き換えに該当する物資を引き渡す。これによって、利用者は、申し込んだ物資を、当該利用者が指定した店舗において受け取ることができる。なお、災害時支援システム100の運用に際して、店舗は、物資引換券とあわせて物資申込票の提示を求めるようにしてもよい。これによって、利用者が申し込んだ物資を、当該利用者に確実に引き渡すことができる。
【0105】
この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100においては、預貯金口座を開設した利用者に、あらかじめ、子供カードなどの特定のカードを発行しておくことにより、特定のカードの利用者に対して上記の伝言サービスや帰宅支援サービスを提供することができる。特定のカードは、通常のキャッシュカードのように金融機関の現金出納サービスを利用することはできず、災害時支援サービスの利用のみが可能とされる。
【0106】
特定のカードは、当該特定のカードを識別可能な識別情報を含むカード情報を記憶する記憶媒体を備えている。特定のカードが備える記憶媒体は、当該特定のカードの識別番号の他に、たとえば、特定のカードの元となるカードの名義人と当該特定のカードの所有者(たとえば、カードの名義人の子供など)との関係を示す情報を記憶する。
【0107】
サーバ装置110において、特定のカードを識別可能な識別情報は、預貯金口座を開設した利用者の口座番号に関連付けて記憶されている。また、サーバ装置110において、特定のカードを識別可能な識別情報は、当該特定のカードの元となるカードの名義人と当該特定のカードの所有者(たとえば、カードの名義人の子供など)との関係を示す情報が関連付けられて記憶されていてもよい。
【0108】
図4−24において、表示画面424は、子供カードなどの特定のカードが挿入された状態で表示画面401における「災害時支援」キーが操作された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面424は、当該表示画面424を表示したATM120が設置された店舗から、預貯金口座を開設した利用者などがあらかじめ設定した自宅などの目的地点までのルート上または当該ルートの近傍に存在する別ATM120のうち、当該表示画面424を表示したATM120が設置された店舗にもっとも近い店舗までの誘導情報を表示する。また、ATM120は、子供カードなどの特定のカードが挿入された状態で表示画面401における「災害時支援」キーが操作された場合、プリンタ227により地図を印刷した記録媒体を発行する。
【0109】
この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100において、ATM120は、子供カードなどの特定のカードが挿入された状態で表示画面401における「災害時支援」キーが操作された場合、サーバ装置110との通信をおこなうことにより、当該特定のカードの記憶媒体に記憶された識別情報に関連付けられた伝言情報の有無を確認するようにしてもよい。そして、この場合、該当する識別情報に関連付けられた伝言情報が存在する場合、当該伝言情報をサーバ装置110から取得し、取得した伝言情報に基づいた所定の表示画面(
図4−25を参照)を、ATM120が備えるディスプレイに224に表示してもよい。
【0110】
図4−25において、表示画面425は、子供カードなどの特定のカードが挿入された状態で表示画面401における「災害時支援」キーが操作され、かつ、該当する伝言情報が取得された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。表示画面425は、サーバ装置110において、子供カードなどの特定のカードの記憶媒体に記憶された識別情報に関連付けて記憶されている伝言情報を表示する。ATM120は、子供カードなどの特定のカードが挿入された状態では、表示画面403における「災害時支援」キー以外のキーを操作させることなく、利用者に対して該当する伝言情報を出力する。
【0111】
表示画面424や表示画面425は、表示画面403にしたがって、あるいは、表示画面403が表示される前までに、特定のカードが挿入された場合に、ATM120が備えるディスプレイ224に表示される。この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100において、ATM120は、特定のカードが挿入された場合、災害時支援サービスのみの利用を許可する。
【0112】
図5−1は、地図情報が印刷された記録媒体の一例を示す説明図である。
図5において、地図情報は、通常時における金融機関の現金出納サービスの利用に際して口座残高などが印刷される記録媒体に印刷される。地図情報が印刷された記録媒体510には、利用者が指定した別ATM120の所在地を示す住所情報が印刷されていてもよい。
【0113】
図5−2は、物資申込票の一例を示す説明図である。
図5−2において、物資申込票520には、申し込みの内容を特定可能な識別情報(
図5−2における「申込番号」)、申し込んだ物資を受け取る日付(
図5−2における「受取日」)、申し込んだ物資を受け取る場所(
図5−2における「受取場所」)、受け取る物資の数量(
図5−2における「本数」)などが印刷されている。また、物資申込票には、申し込んだ物資の受け取りに際しての注意事項を案内するメッセージなどが印刷されている。申し込んだ物資を受け取る日付は、たとえば、各店舗における支援物資の備蓄数などに基づいて、ATM120あるいはサーバ装置110が決定することができる。あるいは、申し込んだ物資を受け取る日付は、利用者が指定できるようにしてもよい。
【0114】
図5−3は、物資引換券の一例を示す説明図である。
図5−3において、物資引換券は、申し込みの内容を特定可能な識別情報(
図5−3における「申込番号」)、申し込んだ物資を受け取る日付(
図5−3における「受取日」)、申し込んだ物資を受け取る場所(
図5−3における「受取場所」)、受け取る物資の数量(
図5−3における「本数」)などが印刷されている。また、物資引換券には、申し込んだ物資の受け取りに際しての注意事項を案内するメッセージなどが印刷されている。
図5−3においては、物資引換券と物資とを引き換えるメッセージが印刷されているが、これに限るものではなく、たとえば、物資引換券および物資申込票と物資とを引き換えるような運用としてもよい。
【0115】
(利用者の端末装置130の表示画面例)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100における利用者の端末装置130が表示する表示画面例について説明する。
図6−1、
図6−2、
図6−3および
図6−4は、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100における利用者の端末装置130が表示する表示画面例を示す説明図である。
【0116】
図6−1において、表示画面610は、たとえば、利用者が、利用者の端末装置130に対して、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100を運用する金融機関がインターネット上に開設した所定のサイトにアクセスする入力操作をおこなった場合に、当該利用者の端末装置130が備えるディスプレイ236に表示される。表示画面610は、「振込・振替」、「口座情報照会」、「セキュリティ設定」、「外貨預金」など、通常時にインターネットを介して提供される金融機関のサービスに加えて、「災害時支援」キーを表示する。
【0117】
図6−2において、表示画面620は、表示画面610において「災害時支援」キーが操作された場合に、利用者の端末装置130が備えるディスプレイ236に表示される。表示画面620は、「伝言を残す」キー、「伝言を確認する」キー、「状況を確認する」キーを表示する。利用者の端末装置130は、表示画面620における「伝言を残す」キーが操作された場合、上記の表示画面405や表示画面406のような、伝言を入力する画面(図示を省略する)を表示する。
【0118】
表示画面610において「災害時支援」キーが操作された場合、表示画面620の表示内容に加えて、災害時伝言サービスの利用に際しての発信先の利用者、自宅の場所、勤務先あるいは通学先の場所などを設定する画面を表示させるキー(図示を省略する)を含む表示画面(図示を省略する)を表示してもよい。これにより、パーソナルコンピュータなどのコンピュータ装置によって実現される、利用者の端末装置130を介して、災害時伝言サービスの利用に際しての発信先の利用者、自宅の場所、勤務先あるいは通学先の場所などの各種の情報を設定することができる。そして、これによって、これらの各種の情報の設定をおこなうためにATMまで出向かなくてもよいので、災害時伝言サービスの利用者の負担を軽減することができる。
【0119】
図6−3において、表示画面630は、表示画面620における「状況を確認する」キーが操作された場合に、利用者の端末装置130が備えるディスプレイ236に表示される。表示画面630は、安否などを確認したい利用者(以下「確認対象利用者」という)に関する情報を入力する入力欄を表示する。表示画面630は、確認対象利用者の預貯金口座がある支店名あるいは支店番号と、該当する預貯金口座の口座番号とを入力させる入力欄や、確認対象利用者の氏名および住所を入力させる入力欄などを表示する。支店名あるいは支店番号と該当する預貯金口座の口座番号、または、氏名および住所、のいずれかを入力することによって、所望する利用者の状況を確認することができる。
【0120】
図6−4において、表示画面640は、表示画面630における入力欄に入力された情報に基づいて特定される確認対象利用者のATM120の利用状況を表示する。利用状況は、たとえば、確認対象利用者がATM120を利用した日時、当該ATM120が設置された店舗および当該店舗の所在地などを示す。これにより、ATM120までおもむかなくても、利用者の端末装置130を用いて、所望する確認対象利用者の安否などを確認することができる。
【0121】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、確認対象利用者から自身(利用者の端末装置130の利用者)宛に伝言がなされていない場合、すなわち、確認対象利用者が利用者の端末装置130の利用者を伝言発信先の利用者として登録していない場合にも、所望する確認対象利用者の状況を知ることができるので、所望する確認対象利用者の安否などを確認することができる。
【0122】
(災害時支援システム100の機能的構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100の機能的構成について説明する。
図7は、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100の機能的構成を示すブロック図である。
【0123】
図7において、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100におけるATM120の各機能は、カード情報取得部701と、口座番号抽出部702と、伝言内容入力部703と、要求生成部704と、要求送信部705と、伝言情報取得部706と、出力部707と、目的地入力部717と、ルート探索部718と、別ATM特定部719と、別ATM情報出力部720と、別ATM指定部721と、誘導情報生成部722と、ATM抽出部709と、物資情報取得部710と、物資情報出力部711と、物資指定部712と、申込票発行部713と、要求取得部714と、店舗判断部715と、引換券発行部716と、支援要求受付部708と、によって実現することができる。
【0124】
ATM120の各機能を実現するカード情報取得部701、口座番号抽出部702、伝言内容入力部703、要求生成部704、要求送信部705、伝言情報取得部706、出力部707、支援要求受付部708、ATM抽出部709、物資情報取得部710、物資情報出力部711、物資指定部712、申込票発行部713、要求取得部714、店舗判断部715、引換券発行部716、目的地入力部717、ルート探索部718、別ATM特定部719、別ATM情報出力部720、別ATM指定部721および誘導情報生成部722は、ATM120が備える各部によって実現することができる。
【0125】
カード情報取得部701は、カードが備える記憶媒体に記憶されているカード情報を読み取ることによって当該カード情報を取得する。具体的には、カード情報取得部701は、たとえば、ATM120のカード挿入口121からカードが挿入された場合など、カードがATM120の読み取り位置に位置付けられた場合に、当該カード情報を取得する。
【0126】
口座番号抽出部702は、カード取得部が取得したカード情報の中から口座番号を抽出する。この実施の形態においては、ATM120のカード挿入口121にカードを挿入した状態で「災害時支援」キーを操作し、所定の入力操作をおこなうことによって伝言情報を入力した利用者によって伝言発信元の利用者が実現される。この実施の形態においては、伝言情報の入力操作がおこなわれた時点においてカード挿入口121に挿入されていたカードのカード情報から抽出した口座番号によって、伝言発信元の利用者の口座番号が実現される。
【0127】
伝言内容入力部703は、定型メッセージデータベース340にあらかじめ記憶された定型メッセージのうちの一の定型メッセージを含む伝言情報および伝言発信先の利用者を指定する利用者指定情報の入力を受け付ける。伝言内容入力部703は、たとえば、表示画面405を表示している状態で、「無事」キー、「負傷」キー、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーのいずれかを指定する入力操作を受け付けることによって、定型メッセージデータベース340にあらかじめ記憶された定型メッセージのうちの一の定型メッセージを含む伝言情報の入力を受け付ける。
【0128】
また、伝言内容入力部703は、任意のメッセージを含む伝言情報および伝言発信先の利用者を指定する利用者指定情報の入力を受け付けることができる。この場合、伝言内容入力部703は、たとえば、表示画面405における「その他」キーが操作され、その後表示画面406を表示している状態で任意のメッセージの入力操作を受け付けた状態で表示画面406における「決定」キーの操作を受け付けることによって任意のメッセージを含む伝言情報の入力を受け付けることができる。
【0129】
定型メッセージは、たとえば、「無事」、「負傷」、「自宅へ向かいます」、「避難所へ向かいます」、「会社(学校)で待機します」などの定型メッセージを示すテキスト情報によって実現することができる。任意のメッセージは、たとえば、「ブジデス。オトウサントイッショニイマス。アルイテイエマデカエリマス。」などのように、あらかじめ定められた所定の文字数(たとえば100文字など)の範囲内で任意に作成されるテキスト情報によって実現することができる。
【0130】
利用者指定情報は、伝言発信先の利用者を指定する情報であって、たとえば、伝言発信先の利用者の氏名を示すテキスト情報によって実現することができる。この場合、利用者指定情報は、伝言発信先の利用者の氏名に加えて、当該伝言発信先の利用者が預貯金口座を開設した支店名あるいは支店番号などを含んでいてもよい。また、この場合、利用者指定情報は、伝言発信先の利用者の氏名に加えて、当該利用者が居住する住所を示す情報などを含んでいてもよい。あるいは、利用者指定情報は、たとえば、伝言発信先の利用者の口座番号によって実現してもよい。
【0131】
利用者指定情報は、たとえば、災害時支援サービスを利用する前に、利用者に、利用者の端末装置130などを用いて金融機関のWEBサイトにアクセスさせて所定のWEBページを表示させ、当該WEBページの表示内容にしたがって入力操作をおこなわせることによって、あらかじめ指定することができる。あるいは、利用者指定情報は、たとえば、災害時支援サービスを利用する前に、利用者に、ATM120を利用して、所定の表示画面を表示させ、当該表示画面の表示内容にしたがって入力操作をおこなわせることによって、あらかじめ指定することができるようにしてもよい。この場合、あらかじめ指定した利用者指定情報を、カードの記憶媒体に記憶させておいてもよい。また、利用者指定情報は、たとえば、利用者が伝言サービスを利用する時点で任意に入力できるようにしてもよい。
【0132】
伝言内容入力部703は、たとえば、あらかじめ利用者指定情報が指定されている場合は、あらかじめ指定されている利用者指定情報の中から一の利用者指定情報の指定を受け付ける表示画面(図示を省略する)をATM120が備えるディスプレイ224に表示させ、当該表示画面の中から該当する一の利用者指定情報の指定を受け付けることによって、利用者指定情報の入力を受け付ける。また、伝言内容入力部703は、たとえば、利用者が伝言サービスを利用する時点で、利用者指定情報の指定を受け付ける表示画面(図示を省略する)をATM120が備えるディスプレイ224に表示させ、任意の利用者指定情報の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0133】
要求生成部704は、口座番号抽出部702が抽出した口座番号および伝言内容入力部703が入力を受け付けた情報に基づいて伝言登録要求を生成する。伝言登録要求は、サーバ装置110において、口座番号抽出部702が抽出した口座番号と、伝言内容入力部703が入力を受け付けた任意の伝言情報および利用者指定情報と、を関連付けて記憶することを要求するコマンドを含んでいる。また、伝言登録要求は、当該伝言登録要求の送信元となるATM120を識別可能なATM120識別情報を含んでいる。これにより、伝言発信元の利用者が伝言サービスを利用した場所を特定することができる。要求送信部705は、要求生成部704が生成した伝言登録要求を、サーバ装置110へ送信する。
【0134】
伝言情報取得部706は、口座番号抽出部702が口座番号を抽出した場合に、当該口座番号に関連付けられた氏名および伝言情報をサーバ装置110から取得する。伝言情報取得部706は、たとえば、口座番号抽出部702が口座番号を抽出した場合に、サーバ装置110に対して、口座番号抽出部702が抽出した口座番号に関連付けて記憶されている伝言情報の有無の問い合わせをおこない、問い合わせの結果、該当する伝言情報がある場合に当該伝言情報をサーバ装置110から取得する。
【0135】
出力部707は、伝言情報取得部706が取得した氏名および伝言情報を出力する。出力部707は、たとえば、ATM120が備えるディスプレイ224に、伝言情報取得部706が取得した氏名と伝言情報とを、それぞれ対応付けた状態で表示することによって、伝言情報取得部706が取得した氏名および伝言情報を出力する。具体的には、出力部707は、たとえば、ATM120が備えるディスプレイ224に上記の表示画面410を表示することによって、伝言情報取得部706が取得した氏名および伝言情報を出力する。あるいは、出力部707は、たとえば、ATM120が備えるプリンタによって、伝言情報取得部706が取得した氏名と伝言情報とを印刷した記録媒体を発行することによって、伝言情報取得部706が取得した氏名および伝言情報を出力するものであってもよい。
【0136】
支援要求受付部708は、支援物資の提供を要求する支援要求の入力操作を受け付ける。支援要求受付部708は、たとえば、ATM120のカード挿入口121にカードを挿入した状態で、ATM120が備えるディスプレイ224に表示された「災害時支援」キーを操作した後に、所定の入力操作がおこなわれた場合に、支援要求の入力操作を受け付ける。具体的には、支援要求受付部708は、たとえば、表示画面402、表示画面416〜422の各画面において、利用者による入力操作を受け付けることによって支援要求の入力操作を受け付ける。
【0137】
ATM抽出部709は、支援要求受付部708が支援要求の入力操作を受け付けた場合に、災害時支援システム100を構成するすべてのATM120が設置された店舗の中から、自装置に近い順に所定数の店舗を抽出する。ATM抽出部709は、たとえば、支援物資の備蓄があることを申請している店舗(申請済店舗)の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出してもよい。
【0138】
銀行などの金融機関の店舗やコンビニエンスストアなど一般的にATM120を設置している施設は、近隣の住民、通学者、勤務者などに対する認知度が高い。また、公共の施設である場合は耐震性能などにおいて信頼性が高い。近年、このような施設を、災害時における帰宅困難者などの一時避難場所として活用することが期待されている。この発明にかかる災害時支援システム100においては、飲食物や毛布などの支援物資を備蓄し、災害時における帰宅困難者などの一時避難場所を提供する施設からあらかじめ申請を受け付け、申請を受け付けた施設を申請済店舗としてあらかじめ登録しておくことにより、申請済店舗の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出することができる。
【0139】
物資情報取得部710は、サーバ装置110から、ATM抽出部709が抽出した店舗に備蓄されている支援物資に関する物資情報、および、口座番号抽出部702が抽出した口座番号によって識別される利用者の支援物資の申し込み履歴に関する情報を取得する。物資情報取得部710は、たとえば、サーバ装置110に対して、支援物資データベース320において、ATM抽出部709が抽出した店舗に関連付けて記憶されている支援物資情報の問い合わせをおこない、問い合わせの結果、該当する店舗に支援物資がある場合に該当する物資情報をサーバ装置110から取得する。また、物資情報取得部710は、たとえば、サーバ装置110に対して、履歴データベース330において、口座番号抽出部702が抽出した口座番号に関連付けて記憶されている支援物資の申し込み履歴をサーバ装置110から取得する。
【0140】
物資情報は、店舗に備蓄されている支援物資の種類、備蓄数を示す情報を含む。また、物資情報は、すでに受け付けた支援物資の申し込み履歴に基づく予定提供数や、当該予定提供数と備蓄数との差分によってあらわされる提供可能数などを示す情報を含んでいてもよい。また、物資情報は、たとえば、「500mlペットボトル入り水。一人5本まで提供可能。」、「毛布。一人1回のみ申込可能」などのように、支援物資の提供に際しての制限や条件を示す情報を含んでいてもよい。
【0141】
物資情報出力部711は、物資情報取得部710が取得した情報に基づいて、ATM抽出部709が抽出した店舗ごとに、口座番号抽出部702が抽出した口座番号によって識別される利用者が受け取り可能な支援物資に関する情報を出力する。具体的には、物資情報出力部711は、たとえば、「500mlペットボトル入り水:100本備蓄。利用者一人につき5本まで提供可能。」という物資情報と、「申し込み履歴なし」という申し込み履歴情報とを取得した場合、「500mlペットボトル入り水を5本まで申し込むことができます。」というメッセージを、ATM120が備えるディスプレイ224に表示することによって情報を出力する。また、この場合、物資情報出力部711は、さらに、「申し込む場合は本数を指定してください。」や「1本申し込む」、「2本申し込む」、・・・のように、支援物資の支援内容の入力を要求するメッセージを、ATM120が備えるディスプレイ224に表示してもよい。
【0142】
物資指定部712は、物資情報出力部711が支援物資に関する情報を出力した結果、利用者が支援物資の引き渡しを希望する店舗および利用者が要求する支援物資の指定を受け付ける。具体的には、物資指定部712は、たとえば、利用者に対して、ATM120が備えるディスプレイ224の表示内容にしたがって、タッチパネルに対する入力操作をおこなわせることにより、支援を要請する支援物資の種類や数量を入力させ、当該入力操作を受け付けた場合に支援物資の指定を受け付けることができる。
【0143】
申込票発行部713は、物資指定部712が指定を受け付けた店舗および支援物資を特定可能な情報を含む申込票を発行する。申込票発行部713は、たとえば、ATM120が備えるプリンタによって、物資指定部712が指定を受け付けた店舗および支援物資を特定可能な情報を記録媒体に印刷した申込票を発行する。この実施の形態の災害時支援システム100においては、運用上、発行された申込票は利用者が保管する。
【0144】
上記の要求生成部704は、物資指定部712が店舗および支援物資の指定を受け付けた場合に、口座番号抽出部702が抽出した口座番号と物資指定部712が指定を受け付けた店舗および支援物資に関する情報とに基づいて支援要求を生成する。支援要求は、抽出部が抽出した口座番号や、物資指定部712が指定を受け付けた店舗および支援物資に関する情報に加えて、指定を受け付けたATM120が設置されている店舗番号や店舗名などを示す情報を含んでいてもよい。上記の要求送信部705は、要求生成部704が生成した支援要求をサーバ装置110へ送信する。サーバ装置110は、ATM120から送信された支援要求を受信した場合に、受信した支援要求に基づいて支援物資データベース320や履歴データベース330を更新する。
【0145】
要求取得部714は、口座番号抽出部702が口座番号を抽出した場合、サーバ装置110から、当該口座番号に関連付けて記憶された申し込み履歴を取得する。上記のように、支援要求は、口座番号抽出部702が抽出した口座番号や物資指定部712が指定を受け付けた店舗および支援物資に関する情報を含んでいる。店舗判断部715は、要求取得部714が取得した申し込み履歴に基づいて、自装置が設置された店舗が、利用者が物資の受け取り場所として指定した店舗であるか否かを判断する。
【0146】
引換券発行部716は、店舗判断部715が、自装置が設置された店舗が、利用者が物資の受け取り場所として指定した店舗であると判断した場合に、要求取得部714が取得した申し込み履歴に基づいて、利用者が指定した支援物資の物資引換券を発行する。この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100の運用上、利用者は、ATM120から発行された物資引換券を店舗の店員(係員)に渡し、当該物資引換券と引き換えに、希望する支援物資を受け取る。
【0147】
目的地入力部717は、伝言発信元の利用者の目的地点に関する目的地情報の入力を受け付ける。目的地情報は、地図上の地点を特定可能な情報であって、たとえば、緯度や経度を示す情報によって実現することができる。目的地入力部717は、たとえば、カード情報取得部701が取得したカード情報の中に含まれる、利用者によってあらかじめ指定された特定の地点を示す情報を抽出することによって、当該特定の地点を目的地点とする目的地情報の入力を受け付けることができる。
【0148】
この場合、特定の地点は、たとえば、災害時支援サービスを利用する前に、利用者に、利用者の端末装置130などを用いて金融機関のWEBサイトにアクセスさせて所定のWEBページを表示させ、当該WEBページの表示内容にしたがって入力操作をおこなわせることによって、あらかじめ指定することができる。特定の地点は、利用者が任意に指定可能であって、具体的には、たとえば、利用者の自宅や利用者の勤務先(通学先の学校)などとすることができる。
【0149】
また、特定の地点は、たとえば、自装置の周辺の避難所などとすることができる。この場合、目的地入力部717は、たとえば、災害時支援システム100の管理者などによって、あらかじめ登録された周辺の避難所の地点を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて周辺の避難所の一覧を表示し、表示した一覧の中から一の避難所の指定を受け付けることによって、当該指定された避難所の地点を目的地点とする目的地情報の入力を受け付けることができる。
【0150】
周辺の避難所の地点を示す情報は、たとえば、ATM120が備える記憶媒体(ROM222など)にあらかじめ記憶することができる。これにより、災害時に通信障害が発生した場合にも、利用者に対して周辺の避難所を確実に案内することができる。あるいは、周辺の避難所の地点を示す情報は、たとえば、サーバ装置110に記憶しておき、当該サーバ装置110から適宜取得するようにしてもよい。これにより、避難所の場所や収容人数など、避難所に関する情報に変更があった場合にも、サーバ装置110における情報を更新するだけで、すべてのATM120が最新の情報を参照することができ、更新忘れなどによって利用者に誤った避難所を案内することを防止できる。
【0151】
ルート探索部718は、目的地入力部717が入力を受け付けた目的地情報に基づいて、当該目的地情報の入力を受け付けたATM120の所在地点(ATM120が設置された店舗の所在地点)から目的地点までのルートを探索する。ルート探索部718によるルートの探索は、車載用ナビゲーションシステムにおけるルートの探索技術を用いて容易に実現可能であるため、説明を省略する。ルート探索部718は、たとえば、目的地情報の入力を受け付けたATM120の所在地点(ATM120が設置された店舗の所在地点)から目的地点までの最短のルートを探索する。あるいは、ルート探索部718は、災害時支援システム100を構成するATM120の所在地点および上記の最短のルートに基づいて、目的地情報の入力を受け付けたATM120の所在地点から、別ATM120が設置されている店舗の近傍を経由して目的地点に至るルートを探索してもよい。
【0152】
別ATM特定部719は、ルート探索部718が探索したルート上または当該ルートの近傍に存在する別のATM120(以下「別ATM120」という)を特定する。別ATM特定部719は、たとえば、あらかじめ登録されているATM120の所在地点に関する情報と、ルート探索部718が探索したルートに関する情報と、に基づいて別ATM120を特定することができる。別ATM特定部719は、たとえば、ルート探索部718が探索したルート沿いに存在する建物の中に設置されているATM120を、ルートの近傍に存在する別ATM120として特定する。
【0153】
別ATM特定部719は、ルート探索部718が探索したルート上または当該ルートの近傍に存在する別ATM120であって、かつ、自装置から所定距離範囲内に存在する別ATM120を特定してもよい。また、別ATM特定部719は、ルート探索部718が探索したルート上または当該ルートの近傍に存在する別ATM120のうち、自装置から近い順に所定数の別ATM120を特定してもよい。
【0154】
別ATM情報出力部720は、別ATM特定部719が特定した別ATM120に関する情報を出力する。別ATM情報出力部720は、たとえば、別ATM特定部719が特定した別ATM120が設置された店舗の一覧を、ATM120が備えるディスプレイ224に表示することによって、別ATM特定部719が特定した別ATM120に関する情報を出力する。別ATM120が設置された店舗の一覧は、当該別ATM120が設置された店舗の名称や、当該店舗の所在地を示す情報を含んでいてもよい。
【0155】
別ATM指定部721は、別ATM情報出力部720が別ATM120に関する情報を出力した結果、別ATM120の中から一の別ATM120の指定を受け付ける。別ATM指定部721は、たとえば、別ATM情報出力部720がディスプレイに表示した一覧に含まれる店舗の中から、一の店舗を指定する入力操作を受け付けることによって、一の別ATM120の指定を受け付けることができる。
【0156】
誘導情報生成部722は、ATM120の所在地点から別ATM指定部721が指定を受け付けた別ATM120の所在地点までのルートに関する誘導情報を生成する。誘導情報は、たとえば、ATM120の所在地点から別ATM指定部721が指定を受け付けた別ATM120の所在地点までのルートを示す地図情報によって実現することができる。また、誘導情報は、たとえば、ATM120の所在地点から別ATM指定部721が指定を受け付けた別ATM120の所在地点までのルートにおける右左折ポイントなど、進行方向を案内する情報によって実現してもよい。具体的には、たとえば、「・・・→××交差点左折→直進→○○歩道橋を渡る→・・・」などの情報によって進行方向を案内することができる。
【0157】
上記の出力部707は、誘導情報生成部722が生成した誘導情報を出力する。出力部707は、たとえば、ルートを示す地図情報などの誘導情報を、ディスプレイ224に表示することによって誘導情報生成部722が生成した誘導情報を出力することができる。具体的には、たとえば、ATM120が備えるディスプレイ224に、上記の表示画面414を表示することによって、誘導情報生成部722が生成した誘導情報を出力することができる。また、出力部707は、たとえば、ルートを示す地図情報などの誘導情報を、プリンタ227により印刷した記録媒体を発行することによって、誘導情報生成部722が生成した誘導情報を出力してもよい。
【0158】
ATM抽出部709は、別ATM特定部719が特定した別ATM120が設置された店舗の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出する。ATM抽出部709は、さらに、別ATM特定部719が特定した別ATM120が設置された店舗のうち、支援物資の備蓄があることを申請している店舗(申請済店舗)の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出してもよい。
【0159】
銀行などの金融機関の店舗やコンビニエンスストアなど一般的にATM120を設置している施設は、近隣の住民、通学者、勤務者などに対する認知度が高い。また、公共の施設である場合は耐震性能などにおいて信頼性が高い。近年、このような施設を、災害時における帰宅困難者などの一時避難場所として活用することが期待されている。この発明にかかる災害時支援システム100においては、飲食物や毛布などの支援物資を備蓄し、災害時における帰宅困難者などの一時避難場所を提供する施設からあらかじめ申請を受け付け、申請を受け付けた施設を申請済店舗としてあらかじめ登録しておくことにより、申請済店舗の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出することができる。
【0160】
ATM抽出部709は、別ATM特定部719が特定した店舗にかかわらず、災害時支援システム100を構成するすべてのATM120のうち、自装置を除いた別ATM120を抽出してもよい。この場合、別ATM特定部719は、災害時支援システム100を構成するすべてのATM120のうち、自装置から所定距離範囲内に存在する別ATM120を特定してもよい。また、別ATM特定部719は、災害時支援システム100を構成するすべてのATM120のうち、自装置から近い順に所定数の別ATM120を特定してもよい。
【0161】
この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100において、ATM抽出部709は、上記の表示画面402において「帰宅支援サービス」キーが操作された場合、別ATM特定部719が特定した別ATM120が設置された店舗の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出する。また、ATM抽出部709は、上記の表示画面402において「物資支援サービス」キーが操作された場合、災害時支援システム100を構成するすべてのATM120のうち、自装置を除いた別ATM120を抽出する。すなわち、ATM抽出部709は、目的地点が設定されていない場合、災害時支援システム100を構成するすべてのATM120のうち、自装置を除いた別ATM120を抽出する。
【0162】
この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100におけるサーバ装置110の各機能は、データベース格納部730と、要求受信部731と、特定部732と、記憶部733と、応答送信部734と、によって実現することができる。サーバ装置110の各機能を実現するデータベース格納部730、要求受信部731、特定部732、記憶部733、応答送信部734は、サーバ装置110が備える各部によって実現することができる。
【0163】
データベース格納部730は、上記の利用者データベース310、支援物資データベース320、履歴データベース330および口座情報データベースを含む各種のデータベースを格納している。要求受信部731は、ATM120から送信された伝言登録要求を受信する。また、要求受信部731は、ATM120から送信された支援要求や、伝言情報の有無の問い合わせ、支援物資情報の問い合わせなどを受信する。
【0164】
特定部732は、利用者データベース310に記録された情報に基づいて、要求受信部731が受信した伝言登録要求に含まれる利用者指定情報によって指定される伝言発信先の利用者の口座番号、および、当該伝言登録要求に含まれる伝言発信元の利用者の氏名を特定する。また、特定部732は、ATM120から送信され要求受信部731が受信した支援要求、伝言情報の有無の問い合わせ、支援物資情報の問い合わせなどに応じて、利用者データベース310、支援物資データベース320、履歴データベース330および口座情報データベースを検索し、該当する情報を特定する。
【0165】
記憶部733は、特定部732の特定結果に基づいて、伝言発信先の利用者の口座番号に、伝言発信元の利用者の氏名および要求受信部731が受信した伝言登録要求に含まれる伝言情報を関連付けて記憶する。また、記憶部733は、要求受信部731が受信した支援要求に基づいて、店舗において提供可能な支援物資から当該支援要求に含まれる支援物資を差し引くことにより支援物資データベース320を更新する。これにより、支援要求を受信するごとに、受け付けた支援要求に基づいて支援物資データベース320が随時更新されるため、支援物資を引き渡す店舗において支援物資が不足することを防止できる。
【0166】
応答送信部734は、要求受信部731が受信した伝言登録要求に応じて、特定部732が特定した情報を、伝言登録要求の送信元となるATM120に対して送信する。また、応答送信部734は、ATM120から送信され要求受信部731が受信した支援要求や、伝言情報の有無の問い合わせ、支援物資情報の問い合わせなどに応じて特定部732が特定した情報を、送信元となるATM120に対して送信する。
【0167】
(ATM120の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100が備えるATM120の処理手順について説明する。
図8、
図9、
図10および
図11は、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100が備えるATM120の処理手順を示すフローチャートである。
【0168】
図8のフローチャートにおいて、まず、「災害時支援」キーが操作されるまで待って(ステップS801:No)、「災害時支援」キーが操作された場合(ステップS801:Yes)、ATM120が備えるディスプレイ224に、災害時支援サービス画面(表示画面401)を表示する(ステップS802)。そして、ステップS802において表示した災害時支援サービス画面において、「災害時伝言サービス」キー、「帰宅支援サービス」キーあるいは「物資支援サービス」キーのいずれかのキーが操作されたか否かを判断する(ステップS803、ステップS805、ステップS807)。
【0169】
ステップS803においては、「災害時伝言サービス」キーが操作されたか否かを判断する。ステップS803において、「災害時伝言サービス」キーが操作された場合(ステップS803:Yes)、災害時伝言サービス処理を実行する(ステップS804。
図9のフローチャートを参照)。
【0170】
ステップS803において、「災害時伝言サービス」キーが操作されていない場合(ステップS803:No)、「帰宅支援サービス」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS805)。ステップS805において、「帰宅支援サービス」キーが操作された場合(ステップS805:Yes)、帰宅支援サービス処理を実行する(ステップS806。
図10のフローチャートを参照)。
【0171】
ステップS805において、「帰宅支援サービス」キーが操作されていない場合(ステップS805:No)、「物資支援サービス」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS807)。ステップS807において、「物資支援サービス」キーが操作された場合(ステップS807:Yes)、物資支援サービス処理を実行する(ステップS808。
図11のフローチャートを参照)。
【0172】
ステップS807において、「物資支援サービス」キーが操作されていない場合(ステップS807:No)、終了操作があったか否かを判断する(ステップS809)。ステップS809において、終了操作がない場合(ステップS809:No)はステップS803へ移行し、終了操作があった場合(ステップS809:Yes)は一連の処理を終了する。
【0173】
図9のフローチャートは、災害時伝言サービス処理の処理手順を示している。
図9のフローチャートにおいて、まず、カード情報を取得したか否かを判断する(ステップS901)。ステップS901においては、たとえば、カードリーダライタ228によるカード情報の読み取り動作をおこない、その結果カード情報が取得できたか否かを判断する。ステップS901において、カード情報を取得していない(カード情報の取得ができなかった)場合(ステップS901:No)、カードの挿入要求画面(表示画面403)を表示し(ステップS902)、ステップS901へ戻る。
【0174】
ステップS901において、カード情報を取得した場合(ステップS901:Yes)、取得したカード情報の中から、口座番号を抽出して(ステップS903)、伝言入力受付画面(表示画面404)を表示する(ステップS904)。そして、伝言入力受付画面における「伝言を残す」キーが操作されたか否かを判断し(ステップS905)、「伝言を残す」キーが操作された場合(ステップS905:Yes)は、伝言登録画面(表示画面405、表示画面406)を表示する(ステップS906)。
【0175】
つぎに、伝言の登録指示操作があったか否かを判断する(ステップS907)。ステップS907においては、たとえば、定型メッセージデータベース340が記憶する定型メッセージの中からいずれか一つの定型メッセージが指定されたか否かを判断することにより、伝言の登録指示操作があったと判断する。具体的には、ステップS907においては、たとえば、表示画面405における「無事」キー、「負傷」キー、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーのいずれかが操作されたか否かを判断し、「無事」キー、「負傷」キー、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーのいずれかが操作された場合に、伝言の登録指示操作があったと判断する。
【0176】
この実施の形態の災害時支援システム100では、ステップS907において、たとえば、表示画面405における「その他」キーが操作された場合、「その他」キーが操作された後に表示画面406における「決定」キーが操作された場合に、伝言の登録指示操作があったと判断することができる。
【0177】
ステップS907において、伝言の登録指示操作があった場合(ステップS907:Yes)は、ステップS903において抽出した口座番号およびステップS907:Yesにおいて登録を指示された伝言内容情報に基づいて伝言登録要求を生成し(ステップS908)、サーバに対して、生成した伝言登録要求を送信する(ステップS909)。
【0178】
ステップS908においては、ステップS907:Yesにおいて操作されたと判断した、表示画面405における「無事」キー、「負傷」キー、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーのうちのいずれかのキーに応じた定型メッセージを含む伝言登録要求を生成する。
【0179】
また、この実施の形態の災害時支援システム100では、ステップS907において、たとえば、表示画面405における「その他」キーが操作され、その後表示画面406における「決定」キーが操作された場合、ステップS908において、災害時支援システム100の利用者が入力した任意のメッセージを含む伝言登録要求を生成することができる。
【0180】
つぎに、ステップS903において抽出した口座番号によって識別される利用者(伝言発信元の利用者)がすでに登録した伝言情報があるか否かを判断する(ステップS910)。ステップS910においては、たとえば、サーバ装置110に対して、ステップS903において抽出した口座番号に関連付けて記憶されている伝言情報の取得要求を送信する。そして、当該伝言情報の取得要求に応じてサーバ装置110から送信された応答情報を受信し、受信した応答情報に基づいて、伝言発信元の利用者がすでに登録した伝言情報があるか否かを判断することができる。
【0181】
ステップS910において、すでに登録した伝言情報がない場合(ステップS910:No)、ステップS912へ移行する。ステップS910において、すでに登録した伝言情報がある場合(ステップS910:Yes)、すでに登録された伝言情報の一覧(表示画面408)を表示する(ステップS911)。その後、帰宅支援サービス処理の終了操作があるまで待機し(ステップS912:No)、帰宅支援サービス処理の終了操作があった場合(ステップS912:Yes)、カード挿入口121からカードを排出して(ステップS913)、一連の処理を終了する。
【0182】
ステップS907において、伝言の登録指示操作がない場合(ステップS907:No)、帰宅支援サービス処理の終了操作があったか否かを判断し(ステップS914)、帰宅支援サービス処理の終了操作がない場合(ステップS914:No)、ステップS906へ戻る。ステップS914において、帰宅支援サービス処理の終了操作があった場合(ステップS914:Yes)、ステップS913へ移行する。
【0183】
ステップS905において、「伝言を残す」キーが操作されていない場合(ステップS905:No)、「伝言を確認する」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS915)。ステップS915において、「伝言を確認する」キーが操作された場合(ステップS915:Yes)、ステップS903において抽出した口座番号に基づいて、サーバ装置110から、当該サーバ装置110において該当する利用者(伝言発信元の利用者)宛に登録された伝言情報を取得する(ステップS916)。ステップS916においては、たとえば、ステップS903において抽出した口座番号に基づいて、サーバ装置110に対して、当該口座番号に関連付けて記憶されている氏名および伝言情報の取得要求を送信し、送信した結果サーバ装置110から送信された情報を受信することによって該当する伝言情報を取得する。
【0184】
つぎに、ステップS916において取得した伝言情報(氏名および伝言情報)に基づいて、当該伝言情報の中に未確認(未読)の伝言情報があるか否かを判断する(ステップS917)。ステップS917において、未確認(未読)の伝言情報がない場合(ステップS917:No)、ステップS921へ移行する。ステップS917において、未確認(未読)の伝言情報がある場合(ステップS917:Yes)は、未確認(未読)の伝言情報を表示し(ステップS918)、ステップS918において表示した伝言情報の確認操作があるまで待機する(ステップS919:No)。ステップS918において、未確認(未読)の伝言情報が複数ある場合は、たとえば、登録日時がもっとも新しい伝言情報を表示する。ステップS919においては、たとえば、上記の表示画面410における「確認」キーが操作されたか否かを判断することによって、伝言情報の確認操作があったか否かを判断する。
【0185】
ステップS919において、伝言情報の確認操作があった場合(ステップS919:Yes)は、サーバ装置110に対して、利用者データベース310の更新要求を送信する(ステップS920)。ステップS920においてATM120が送信した更新要求を受信したサーバ装置110は、利用者データベース310における該当する伝言情報に関連付けられた確認状況情報を、未読から既読に更新する。
【0186】
つぎに、ステップS916において取得した伝言情報(氏名および伝言情報)に基づいて、当該伝言情報の一覧を表示するか否かを判断する(ステップS921)。ステップS921においては、たとえば、上記の表示画面411における「はい」キーが操作されたか「いいえ」キーが操作されたかを判断することによって、伝言情報の一覧を表示するか否かを判断する。ステップS921において、伝言情報の一覧を表示しない場合(ステップS921:No)、ステップS913へ移行する。
【0187】
ステップS921において、伝言情報の一覧を表示する場合(ステップS921:Yes)、ステップS916において取得した伝言情報(氏名および伝言情報)に基づいて、当該伝言情報の一覧を表示する(ステップS922)。ステップS922においては、たとえば、上記の表示画面412を表示する。そして、ステップS922において表示した伝言情報の一覧の中から一の伝言情報を選択する選択操作があるまで待機し(ステップS923:No)、伝言情報の一覧の中から一の伝言情報を選択する選択操作があった場合(ステップS923:Yes)、選択された伝言情報が未確認の伝言情報であるか否かを判断する(ステップS924)。ステップS924において、選択された伝言情報が未確認の伝言情報である場合(ステップS924:Yes)、ステップS918へ移行する。
【0188】
ステップS924において、選択された伝言情報が未確認の伝言情報ではない場合(ステップS924:No)、ステップS923:Yesにおいて選択された伝言情報を表示する(ステップS925)。ステップS925においては、表示画面409を介することなく、表示画面410と同様の表示画面(図示を省略する)を表示する。この場合、表示画面は、表示画面410と同様の情報に加えて、1つ前の表示画面412へ戻る「戻る」キーや、操作を終了する「終了」キーなどを表示してもよい。ステップS926においては、ステップS925において表示した表示画面へ戻る「戻る」キーが操作されたか否かを判断し、当該「戻る」キーが操作された場合(ステップS926:Yes)、ステップS921へ移行する。
【0189】
ステップS926において、ステップS925において表示した表示画面へ戻る「戻る」キーが操作されていない場合(ステップS926:No)、終了操作があったか否かを判断する(ステップS927)。ステップS927においては、たとえば、図示を省略する「終了」キーの操作があったか否かを判断することにより、終了操作があったか否かを判断することができる。ステップS927において、終了操作がない場合(ステップS927:No)はステップS926へ戻り、終了操作があった場合(ステップS927:Yes)はステップS913へ移行する。
【0190】
ステップS915において、「伝言を確認する」キーが操作されていない場合(ステップS915:No)、終了操作があったか否かを判断する(ステップS928)。ステップS928において、終了操作がない場合(ステップS928:No)はステップS905へ移行し、終了操作があった場合(ステップS928:Yes)はステップS913へ移行する。
【0191】
図10のフローチャートは、帰宅支援サービス処理の処理手順を示している。
図10のフローチャートにおいて、まず、上記の
図9におけるステップS901と同様に、カード情報を取得したか否かを判断する(ステップS1001)。ステップS1001において、カード情報を取得していない(カード情報の取得ができなかった)場合(ステップS1001:No)、カードの挿入要求画面(表示画面403)を表示し(ステップS1002)、ステップS1001へ戻る。
【0192】
ステップS1001において、カード情報を取得した場合(ステップS1001:Yes)、取得したカード情報の中から、口座番号を抽出して(ステップS1003)、目的地指定画面(表示画面405)を表示する(ステップS1004)。そして、目的地指定画面における「自宅へ向かいます」キーが操作されたか否かを判断し(ステップS1005)、「自宅へ向かいます」キーが操作された場合(ステップS1005:Yes)、ステップS1001において取得したカード情報の中から、あらかじめ登録された自宅の所在地情報を取得する(ステップS1006)。
【0193】
つぎに、ステップS1006において取得した自宅の所在地情報に基づいて、当該自宅の所在地情報の入力を受け付けたATM120の所在地点(ATM120が設置された店舗の所在地点)から当該自宅の所在地点までのルートを探索する(ステップS1007)。そして、ステップS1007において探索したルート上または当該ルートの近傍に存在する、自装置とは別のATM120(以下「別ATM120」という)を特定し(ステップS1008)、特定した別ATM120が設置された店舗の一覧を表示する(ステップS1009)。ステップS1008においては、たとえば、ステップS1007において探索したルート上または当該ルートの近傍に存在する別ATM120のうち、自装置から近い順に所定数の別ATM120を特定する。ステップS1009においては、たとえば、上記の表示画面413を表示する。
【0194】
つぎに、ステップS1009において表示した別ATM120が設置された店舗の一覧の中から一の店舗が指定されるまで待って(ステップS1010:No)、一の店舗が指定された場合(ステップS1010:Yes)、指定された店舗までの地図を表示する(ステップS1011)。ステップS1011においては、たとえば、上記の表示画面414を表示する。
【0195】
そして、ステップS1011において表示した地図を印刷するか否かを判断する(ステップS1012)。ステップS1012においては、たとえば、上記の表示画面414における「印刷する」キーが操作されたか、「印刷しない」キーが操作されたかを判断することによって、地図を印刷するか否かを判断する。ステップS1012において、地図を印刷しない場合(ステップS1012:No)、ステップS1014へ移行する。
【0196】
一方、ステップS1012において、地図を印刷する場合(ステップS1012:Yes)、プリンタ227によって地図を印刷し(ステップS1013)、地図が印刷された記録媒体を発行する。その後、カード挿入口121からカードを排出して(ステップS1014)、一連の処理を終了する。
【0197】
ステップS1005において、目的地指定画面における「自宅へ向かいます」キーが操作されていない場合(ステップS1005:No)、目的地指定画面における「避難所へ向かいます」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS1015)。ステップS1015において、目的地指定画面における「避難所へ向かいます」キーが操作された場合(ステップS1015:Yes)、自装置の周辺の避難所を示す避難所情報を取得し(ステップS1016)、取得した避難所情報に基づいて周辺の避難所を表示する(ステップS1017)。ステップS1017においては、たとえば、上記の表示画面413と同様の表示画面(図示を省略する)を表示する。また、ステップS1017においては、たとえば、「自装置が設置されている店舗から、距離の近い順に3つの避難所」などのように、あらかじめ定められた所定数の避難所を表示する。
【0198】
つぎに、ステップS1017において表示した、自装置の周辺の避難所の中から一の避難所の指定を受け付けるまで待って(ステップS1018:No)、一の避難所が指定された場合(ステップS1018:Yes)、指定された避難所までの地図を表示して(ステップS1019)、ステップS1012へ移行する。これにより、利用者は、避難所までの地図を確認し、必要に応じて印刷させることができる。そして、これにより、不案内な土地において災害にあった場合にも、利用者を確実に避難所まで誘導することができる。
【0199】
ステップS1015において、「避難所へ向かいます」キーが操作されていない場合(ステップS1015:No)、「会社(学校)で待機します」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS1020)。「会社(学校)で待機します」キーが操作された場合(ステップS1020:Yes)、ステップS1001において取得したカード情報の中から、あらかじめ登録された会社(学校)の所在地情報を取得する(ステップS1021)。
【0200】
つぎに、ステップS1021において取得した会社(学校)の所在地情報に基づいて、該当する会社(学校)までの地図を表示して(ステップS1022)、ステップS1012へ移行する。これにより、利用者は、会社(学校)までの地図を確認し、必要に応じて印刷させることができる。そして、これにより、不案内な土地において災害にあった場合にも、利用者を確実に会社(学校)まで誘導することができる。
【0201】
ステップS1020において、「会社(学校)で待機します」キーが操作されていない場合(ステップS1020:No)、終了操作があったか否かを判断する(ステップS1023)。ステップS1023において、終了操作がない場合(ステップS1023:No)はステップS1005へ移行し、終了操作があった場合(ステップS1023:Yes)はステップS1014へ移行する。
【0202】
帰宅支援サービス処理においては、ステップS1021において取得した会社(学校)の所在地情報に基づいて、該当する会社(学校)の所在地が自装置から所定距離範囲内にあるか否かを判断し、該当する会社(学校)の所在地が自装置から所定距離範囲内にない場合に限って、該当する会社(学校)までの地図を印刷するようにしてもよい。これによって、該当する会社(学校)が近い場合にも地図を印刷することによる時間の無駄をなくし、災害時などの非常時において迅速に行動できるよう支援することができる。
【0203】
帰宅支援サービス処理においては、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーが操作された場合、操作されたキーに応じて伝言登録要求を生成し、生成した伝言登録要求をサーバ装置110に送信してもよい。これにより、帰宅支援サービスの利用者が、災害時伝言サービスを利用しなくても、いつどこでATM120を操作し、どこへ移動したかを、カードの記憶媒体においてあらかじめ指定された家族などの第三者に案内することができる。
【0204】
あるいは、帰宅支援サービス処理においては、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーが操作された場合、カードを排出する前に、
図9におけるステップS906へ移行するようにしてもよい。これにより、いつどこでATM120を操作し、どこへ移動したかを、カードの記憶媒体においてあらかじめ指定された家族などの第三者に案内するとともに、帰宅支援サービスの利用者に、自身の行き先を第三者に伝言したことを認識させることができる。
【0205】
また、あるいは、帰宅支援サービス処理においては、「自宅へ向かいます」キー、「避難所へ向かいます」キー、「会社(学校)で待機します」キーが操作された場合、カードを排出する前に、
図9におけるステップS916へ移行するようにしてもよい。これにより、帰宅支援サービスの利用者に、当該利用者宛に登録されている伝言を確認させることができる。そして、これにより、災害時などの非常時に利用者が慌てている状況において、当該利用者に対して格別な意識をさせることなく、当該利用者宛に登録されている伝言を確認させることができ、連絡を取り合う機会を逸することを低減することができる。
【0206】
図11のフローチャートは、物資支援サービス処理の処理手順を示している。
図11のフローチャートにおいて、まず、上記の
図9におけるステップS901と同様に、カード情報を取得したか否かを判断する(ステップS1101)。ステップS1101において、カード情報を取得していない(カード情報の取得ができなかった)場合(ステップS1101:No)、カードの挿入要求画面(表示画面403)を表示し(ステップS1102)、ステップS1101へ戻る。
【0207】
ステップS1101において、カード情報を取得した場合(ステップS1101:Yes)、取得したカード情報の中から、口座番号を抽出して(ステップS1103)、物資申込画面(表示画面416)を表示する(ステップS1104)。そして、物資申込画面(表示画面416)における「物資を申し込む」キーが操作されたか否かを判断し(ステップS1105)、「物資を申し込む」キーが操作された場合(ステップS1105:Yes)、申し込み可能な物資の案内画面(表示画面417)を表示する(ステップS1106)。ステップS1106においては、利用者の申し込み履歴にかかわらず、申し込み可能な物資の最大数量を案内する案内画面を表示する。申し込み可能な物資の最大数量は、たとえば、あらかじめ定められ、ATM120が備えるROM222やRAM223などの記憶媒体に記憶しておくことができる。
【0208】
つぎに、ステップS1106において表示した案内画面(表示画面417)における「はい」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS1107)。ステップS1107において、「はい」キーが操作された場合(ステップS1107:Yes)は、ステップS1103において抽出した口座番号に基づいて特定される利用者が申し込み可能な物資の案内画面(表示画面418)を表示し(ステップS1108)、表示画面418における「つぎへ」キーが操作されるまで待機する(ステップS1109:No)。
【0209】
ステップS1108においては、たとえば、サーバ装置110に対して、ステップS1103において抽出した口座番号に関連付けて記憶されている申し込み履歴の取得要求を送信する。そして、当該申し込み履歴の取得要求に応じてサーバ装置110から送信された応答情報を受信し、受信した応答情報と申し込み可能な物資の最大数量とに基づいて、該当する利用者が申し込み可能な物資を判断する。そして、その判断結果に基づいて、該当する利用者が申し込み可能な物資の案内画面を表示することができる。
【0210】
ステップS1109において、表示画面418における「つぎへ」キーが操作された場合(ステップS1109:Yes)、店舗指定画面(表示画面419)を表示し(ステップS1110)、店舗の指定を受け付けるまで待機する(ステップS1111:No)。ステップS1111においては、たとえば、店舗指定画面(表示画面419)におけるいずれかのキーが操作されたか否かを判断することにより、店舗の指定を受け付けたか否かを判断することができる。
【0211】
ステップS1111において、店舗の指定を受け付けた場合(ステップS1111:Yes)、数量指定画面(表示画面420)を表示し(ステップS1112)、数量の指定を受け付けるまで待機する(ステップS1113:No)。ステップS1112においては、たとえば、数量指定画面(表示画面420)におけるいずれかのキーが操作されたか否かを判断することにより、数量の指定を受け付けたか否かを判断することができる。
【0212】
ステップS1113において、数量の指定を受け付けた場合(ステップS1113:Yes)は、申し込み内容確認画面(表示画面421)を表示する(ステップS1114)。そして、申し込み内容確認画面(表示画面421)における「はい」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS1115)。
【0213】
ステップS1114において、「はい」キーが操作された場合(ステップS1115:Yes)、サーバ装置110に対して支援要求を送信するとともに、申し込んだ物資の受け取り時の注意事項(表示画面422)を表示する(ステップS1116)。ステップS1116においては、たとえば、ステップS1103において抽出した口座番号と申し込みを受け付けた物資に関する情報とを含む支援要求を送信する。その後、プリンタ227を駆動制御して物資申込票520を発行して(ステップS1117)、一連の処理を終了する。
【0214】
ステップS1115において、「はい」キーが操作されない場合(ステップS1115:No)、申し込み内容確認画面(表示画面421)における「いいえ」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS1118)。ステップS1118において、「いいえ」キーが操作されていない場合(ステップS1118:No)はステップS1115へ戻り、「いいえ」キーが操作された場合(ステップS1118:Yes)は一連の処理を終了する。
【0215】
ステップS1118において、「いいえ」キーが操作されていない場合、たとえば、「操作をはじめからやり直してください。」などのメッセージを、ディスプレイ224に表示することにより出力してもよい。あるいは、この場合、ATM120にスピーカを設け、当該スピーカから「操作をはじめからやり直してください。」などの音声を出力してもよい。
【0216】
ステップS1107において、案内画面(表示画面417)における「はい」キーが操作されない場合(ステップS1107:No)、案内画面(表示画面417)における「いいえ」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS1119)。ステップS1119において、「いいえ」キーが操作されていない場合(ステップS1119:No)はステップS1107へ戻り、「いいえ」キーが操作された場合(ステップS1119:Yes)は一連の処理を終了する。
【0217】
ステップS1105において、物資申込画面(表示画面416)における「物資を申し込む」キーが操作されない場合(ステップS1105:No)、物資申込画面(表示画面416)における「申込状況を確認する」キーが操作されたか否かを判断する(ステップS1120)。ステップS1120において、「申込状況を確認する」キーが操作された場合(ステップS1120:Yes)、申込番号入力画面(表示画面423)を表示する(ステップS1121)。物資支援サービスを利用する利用者は、申込番号入力画面(表示画面423)における入力欄に申込番号を入力した後、「確定」キーを操作する。
【0218】
つぎに、申込番号入力画面(表示画面423)における「確定」キーが操作されるまで待機し(ステップS1122:No)、申込番号入力画面(表示画面423)における「確定」キーが操作された場合(ステップS1122:Yes)、サーバ装置110から、ステップS1122:Yesにおいて入力された申込番号に対応する申し込み履歴を取得する(ステップS1123)。
【0219】
ステップS1123においては、たとえば、サーバ装置110に対して、ステップS1122:Yesにおいて入力された申込番号に対応する申し込み履歴の取得要求を送信する。そして、当該申し込み履歴の取得要求に応じてサーバ装置110から送信された応答情報を受信することにより、該当する申し込み履歴を取得することができる。その後、ステップS1123において取得した申し込み履歴に基づいて物資引換券530を発行して(ステップS1124)、一連の処理を終了する。
【0220】
図示を省略するが、サーバ装置110は、
図9におけるステップS910やステップS916の処理をおこなうためにATM120から送信された伝言情報の取得要求、
図11におけるステップS1108やステップS1123の処理をおこなうためにATM120から送信された申し込み履歴の取得要求など各種の要求を受信した場合、受信した要求に基づいて該当する情報を特定し、特定した情報を要求の送信元となるATM120に送信する。
【0221】
また、図示を省略するが、サーバ装置110は、
図9におけるステップS909において送信された伝言登録要求、
図11におけるステップS1116において送信された支援要求を受信した場合に、受信した要求に含まれる情報を、該当する口座番号に関連付けて記憶する。
【0222】
上記の物資支援サービス処理においては、各表示画面に、操作された場合に1つ前の表示画面に戻る「戻る」キーを表示してもよい。また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システムにおけるカードは、クレジットカード会社などのカード発行元に対してカードの発行を申し込んだ本人に対して、当該カード発行元から発行され、商品購入やキャッシングなどの各種サービスにかかる代金の支払いに際し、現金に代わる決済手段として機能するクレジットカードなどによって実現してもよい。
【0223】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100は、ATM120が、利用者のカードの記憶媒体に記憶された情報の中から伝言発信元の利用者の預貯金口座を識別する口座番号を抽出するとともに、あらかじめ記憶された定型メッセージのうちの一の定型メッセージを含む伝言情報および伝言発信先の利用者を指定する利用者指定情報の入力を受け付け、抽出した口座番号および入力を受け付けた情報に基づいて伝言登録要求を生成し、生成した伝言登録要求をサーバ装置110へ送信する。サーバ装置110が、ATM120から送信された伝言登録要求を受信すると、伝言発信先の利用者の口座番号および伝言発信元の利用者の氏名を特定し、伝言発信先の利用者の口座番号に、伝言発信元の利用者の氏名および伝言情報を関連付けて記憶する。そして、ATM120は、さらに、口座番号を抽出した場合に、当該口座番号に関連付けられた氏名および伝言情報をサーバ装置110から取得し、取得した氏名および伝言情報を出力することを特徴としている。
【0224】
災害時などの非常時は、多くの人が家族や知人の安否を心配し、多くの人が一斉に安否確認のための行動を起こす。安否確認のための行動は、たとえば、電話回線を利用した電話連絡やショートメッセージおよびインターネット回線を利用した電子メールなどの通信手段を用いておこなわれることが多い。このような通信手段は、各基地局エリア内での容量やネットワーク101全体の容量が不足すると輻輳が発生し通信機能が停止してしまうため、災害時などの非常時に多くの人が一斉に利用する状況下では安定した通信を確保することが難しく、信頼性が低くなる。
【0225】
そして、このような状況において、利用者は、安否確認ができるまでの間、電話をかけ続けたり、ショートメッセージや電子メールの送信操作を続けたりする傾向にある。このため、災害時などの非常時は、電話連絡やショートメッセージおよび電子メールなどの通信手段の利用件数が飛躍的に増加し、これらの通信手段を用いて連絡をとれることが非常に困難になる。
【0226】
これに対し、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、専用回線に接続されているATM120を利用して伝言情報をサーバ装置110に登録し、サーバ装置110に登録された伝言情報をATM120を利用して閲覧することができる。また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、あらかじめ記憶された定型メッセージの中から一の定型メッセージを指定する簡単な操作により、伝言情報を迅速に登録することができる。
【0227】
このように、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、たとえば、災害時などの非常時に、ATM120を介して、確実に連絡を取り合うことができる。さらに、伝言情報を迅速に登録することができるので、伝言情報を登録するまでの利用者の待ち時間を抑制し、非常用電源などの有限の電源がなくなるまでの間に、多くの利用者の伝言情報を登録することができる。
【0228】
これにより、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、金融機関に限らず、コンビニエンスストアなどの小売店や公共施設などに幅広く設置されているATM120を介して伝言を残すことにより、災害時などの非常時に、回線の通信量が許容量を超えてしまうことによって利用しにくくなる電話回線を利用した電話連絡やショートメッセージおよびインターネット回線を利用した電子メールを用いて安否確認などの連絡を取り合う場合と比較して、伝言発信元の利用者からの伝言を伝言発信先の利用者に確実に伝えることができる。
【0229】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、カードの記憶媒体に記憶された口座番号に基づいて伝言発信元の利用者を特定できるため、伝言発信元の利用者に対して、当該利用者が誰であるかを示す氏名などの情報の入力操作をおこなわせることなく、伝言情報を登録させることができる。これによって、伝言登録時における伝言発信元の利用者の負担軽減を図り、短時間で伝言を登録させることができる。
【0230】
上記のように、災害時などの非常時は、利用者は、安否確認ができるまでの間、電話をかけ続けたり、ショートメッセージや電子メールの送信操作を続けたりする傾向にある。このため、災害時などの非常時は、固定電話機、携帯型電話機などの電化製品への電源供給の必要性が高まる。一方で、災害時などの非常時は、電力供給が停止し、固定電話が使えなくなったり携帯電話が使えなくなったりすることが想定される。
【0231】
これに対し、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、短時間で伝言を登録させることにより、氏名などの情報の入力操作をおこなわせる場合と比較して、ATM120への電源供給が停止する前に、より多くの人が自身の安否や居場所などを多くの人に伝えることができる。これにより、安否確認がとれないことによる不安や混乱の発生を抑え、緊急車両の手配や支援物資の手配の連絡など、災害時などの非常時に優先すべき連絡をとりやすくすることができる。
【0232】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100は、ATM120が、利用者のカードの記憶媒体に記憶された情報の中から伝言発信元の利用者の預貯金口座を識別する口座番号を抽出するとともに、あらかじめ記憶された定型メッセージのうちの一の定型メッセージを含む伝言情報および伝言発信先の利用者を指定する利用者指定情報の入力を受け付け、抽出した口座番号および入力を受け付けた情報に基づいて伝言登録要求を生成し、生成した伝言登録要求をサーバ装置110へ送信する。そして、サーバ装置110が、ATM120から送信された伝言登録要求を受信すると、伝言発信先の利用者の口座番号および伝言発信元の利用者の氏名を特定し、伝言発信先の利用者の口座番号に、伝言発信元の利用者の氏名および伝言情報を関連付けて記憶する。そして、ATM120は、さらに、口座番号を抽出した場合に、当該口座番号に関連付けられた氏名および伝言情報をサーバ装置110から取得し、取得した氏名および伝言情報を出力する。
【0233】
さらに、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100は、ATM120が、伝言発信元の利用者の目的地点に関する目的地情報の入力を受け付け、入力を受け付けた目的地情報に基づいて、当該目的地情報の入力を受け付けたATM120の所在地点から目的地点までのルートを探索し、探索したルート上または当該ルートの近傍に存在する別のATM120(以下「別ATM120」という)を特定し、特定した別ATM120に関する情報を出力する。そして、ATM120が、別ATM120に関する情報を出力した結果、別ATM120の中から一の別ATM120の指定を受け付けると、指定を受け付けた別ATM120の所在地点までのルートに関する誘導情報を生成し、生成した誘導情報を出力することを特徴としている。
【0234】
この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、利用者が操作をおこなったATM120から当該利用者が指定した目的地点までの間に存在する別ATM120までのルートを案内することができる。このように、利用者が操作をおこなったATM120から当該利用者が指定した目的地点までの間、利用者に対して、当該利用者が別ATM120に到着するごとに、つぎの別ATM120までのルートを案内することにより、利用者を目的地点まで誘導することができる。
【0235】
これにより、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、利用者が自宅などの目的地点までの道順を知らない場合にも、当該利用者を確実に目的地点まで誘導することができる。また、利用者が最初に操作をおこなったATM120から目的地点までのルートを案内する場合と比較して、当該目的地点までのルート上に存在する別ATM120を案内することにより、利用者は自身が通過してきたルートが正しいことを確認しながら目的地点まで進むことができ、利用者が目的地点までのルートを大きく逸脱することを防止でき、利用者を目的地点まで確実に誘導することができる。
【0236】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、利用者はATM120を利用して状況報告を容易かつ迅速におこないながら、利用者を当該利用者のの目的地点まで誘導することができる。これにより、ルート情報を得るための操作と状況報告をおこなうための操作とを別々におこなう場合と比較して、災害時などの非常時に有用な行動を迅速に完了させることができる。これによって、伝言情報を登録するとともに目的地点までのルート情報を得るまでの利用者の待ち時間を抑制し、非常用電源などの有限の電源がなくなるまでの間に、多くの利用者の伝言情報を登録することができる。
【0237】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100は、ATM120が、別ATM120が設置された店舗の中から自装置に近い順に所定数の店舗を抽出し、抽出した店舗に備蓄されている支援物資に関する物資情報、および、抽出した口座番号によって識別される利用者の支援物資の申し込み履歴に関する情報をサーバ装置110から取得し、抽出した店舗ごとに、抽出した口座番号によって識別される利用者が受け取り可能な支援物資に関する情報を出力する。そして、その結果、利用者が支援物資の引き渡しを希望する店舗および支援物資の指定を受け付けると、指定を受け付けた店舗および支援物資を特定可能な情報を含む申込票を発行するとともに、抽出した口座番号と指定を受け付けた店舗および支援物資に関する情報とに基づいて生成した支援要求をサーバ装置110へ送信する。サーバ装置110は、ATM120から送信された支援要求を受信すると、受信した支援要求に基づいて支援物資データベース320を更新する。ATM120は、さらに、サーバ装置110から、抽出した口座番号に関連付けて記憶された申し込み履歴を取得し、取得した申し込み履歴に基づいて、自装置が設置された店舗が利用者が指定した店舗である場合に、利用者が指定した支援物資の物資引換券を発行することを特徴としている。
【0238】
災害時などの非常時は、「物資が欠乏するかもしれない」という不安から、水などの物資を買いだめするなど過剰な備蓄をおこなう人が多くなり、真に必要とする人が必要とする物資を入手することが困難な状況になることが想定される。具体的には、たとえば、乳児を抱える母親や身体が不自由で物資の調達のために自由に動くことができない老人などは、水や非常食などの物資を入手するためにこれらの物資を入手できる店舗を渡り歩くなど、機動的に行動することが難しい。
【0239】
これに対し、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、利用者が操作をおこなったATM120が設置された店舗において、当該店舗とは別の店舗に備蓄されている支援物資の引き渡しを、当該利用者の支援物資の申し込み履歴に応じて申し込んで予約することができ、予約した支援物資を指定した店舗において受け取ることができる。
【0240】
これによって、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、物資を受け取る場所を利用者の都合などに応じて振り分けることができるので、物資を受け取る際の混雑を緩和することができる。また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、特定の利用者に物資を集中させることなく、幅広い利用者に支援物資を供給することができる。
【0241】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、利用者の支援物資の申し込み履歴に基づいて、預貯金口座ごとに支援物資の割り当ての管理をすることができるため、たとえば、災害発生直後にすべての支援物資を引き渡してしまうことなく、定期的に継続して引き渡すことができる。
【0242】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、各店舗における支援物資の備蓄量に応じて予約を受け付けるため、支援物資の受け取り場所を振り分けて特定の店舗に人が集中することを抑制することができ、支援物資の受け取りのために混雑が発生することを緩和できる。
【0243】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、運用上、支援物資の受け取りに際しては、申込券に加えて、キャッシュカードなどのカードを支援物資を受け取る店舗に携行する必要があるため、支援物資の不正な受け取りを抑制することができ、幅広い利用者に支援物資を供給することができる。
【0244】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、物資引換券530の発行に際してはカードが必要であるため、万一、物資申込票520を紛失したり盗まれたりした場合も、店舗において、カードのカード情報に基づいて申し込みの内容を確認することができる。これによって、正規に物資を申し込んだ利用者に該当する物資を渡すことが可能となる。また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、カードのカード情報に基づいて物資引換券530を発行したか否かを確認することができる。これによって、物資申込票520や物資引換券530をコピーするなどして、物資を不正に多く受け取ることを防止できる。
【0245】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100は、ATM120が、利用者のカードの記憶媒体に記憶された情報の中から利用者の口座番号を抽出し、支援物資の提供を要求する支援要求の入力操作を受け付けた場合に、自装置に近い順に所定数の店舗に備蓄されている支援物資に関する物資情報、および、当該口座番号によって識別される利用者の支援物資の申し込み履歴に関する情報を取得し、取得した情報に基づいて、店舗ごとの支援物資に関する情報を出力する。そして、支援物資に関する情報を出力した結果、利用者が支援物資の引き渡しを希望する店舗および支援物資の指定を受け付け、申込票を発行するとともに、支援要求を生成し、生成した支援要求をサーバ装置110へ送信する。サーバ装置110は、ATM120から送信された支援要求を受信すると、受信した支援要求に基づいて支援物資データベース320を更新する。
【0246】
ATM120は、さらに、口座番号を抽出した場合、サーバ装置110から、当該口座番号に関連付けて記憶された申し込み履歴を取得し、取得した申し込み履歴に基づいて、自装置が設置された店舗が利用者が指定した店舗である場合に、取得した申し込み履歴に基づいて、利用者が指定した支援物資の物資引換券530を発行することを特徴としている。
【0247】
この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、利用者が操作をおこなったATM120が設置された店舗において、当該店舗とは別の店舗に備蓄されている支援物資を、当該利用者の支援物資の申し込み履歴に応じて申し込んで予約することができ、予約した支援物資を指定した店舗において受け取ることができる。これによって、特定の利用者に物資を集中させることなく、幅広い利用者に支援物資を供給することができる。
【0248】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、利用者の支援物資の申し込み履歴に基づいて、口座ごとに支援物資の割り当てを管理することができるため、たとえば、災害発生直後にすべての支援物資を引き渡してしまうことなく、定期的に継続して引き渡すことができる。
【0249】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、各店舗における支援物資の備蓄量に応じて予約を受け付けるため、支援物資の受け取り場所を振り分けて特定の店舗に人が集中することを抑制することができ、支援物資の受け取りのために混雑が発生することを緩和できる。
【0250】
また、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、運用上、支援物資の受け取りに際しては、申込券に加えて、キャッシュカードなどのカードを支援物資を受け取る店舗に携行する必要があるため、支援物資の不正な受け取りを抑制することができ、幅広い利用者に支援物資を供給することができる。
【0251】
上記のように、この発明にかかる実施の形態の災害時支援システム100によれば、災害発生時などの非常時において、被災者などの利用者が必要とする行動が実現できるよう利用者を支援することができる。