特許第5893965号(P5893965)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5893965
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】購買動向分析システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20160310BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20160310BHJP
   G07G 1/12 20060101ALN20160310BHJP
【FI】
   G06Q30/02 100
   G06Q30/06 140C
   !G07G1/12 341A
【請求項の数】15
【全頁数】42
(21)【出願番号】特願2012-47438(P2012-47438)
(22)【出願日】2012年3月2日
(65)【公開番号】特開2013-182538(P2013-182538A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2014年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】503342764
【氏名又は名称】カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100071320
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 敏郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126756
【弁理士】
【氏名又は名称】田辺 恵
(72)【発明者】
【氏名】増田 宗昭
【審査官】 大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−216369(JP,A)
【文献】 特開2001−249983(JP,A)
【文献】 特開2007−094592(JP,A)
【文献】 特開2008−287371(JP,A)
【文献】 特開2001−155082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00−50/34
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアライアンス企業に共通のシステムにおける会員の購買データを分析して購買動向分析データを生成するシステムであって、該システムは、アライアンス企業の店舗に設けられるアライアンス端末、購買動向分析データを生成する分析装置および購買動向分析データを出力する分析端末、並びに前記アライアンス端末と前記分析装置間でデータ伝達を可能とする伝達手段および前記分析装置と前記分析端末間でデータ伝達を可能とする伝達手段からなり、
前記アライアンス端末は、会員IDおよび少なくとも商品・サービス毎に割り当てられている商品コードと購買金額データを含む購買データを入力する手段と、該入力手段により入力された会員IDと購買データを前記分析装置に伝達する手段を有し、
前記分析装置は、前記伝達された会員IDと購買データを受信する手段と、前記伝達された会員IDと購買データを関連づけて購買履歴データベースに蓄積する手段と、前記分析端末から伝達された分析手段指定データに基づいて分析手段を決定する手段と、前記分析端末から伝達された条件データに基づいて、前記購買履歴データベースに蓄積されたデータ、並びに会員IDと会員属性データを関連づけて蓄積してなる会員マスタデータベース、商品カテゴリーコードまたは商品コードと商品・サービス名データを関連づけて蓄積してなる商品マスタデータベース、および店舗IDと店舗データを関連づけて蓄積してなる店舗マスタデータベースの少なくともいずれかに蓄積されてなるデータを分析し、購買動向分析データを生成する分析手段を有し、分析手段は、ヒストグラム分析手段、トライアル・リピート分析手段、併買マトリクス分析手段、併買分析手段、ランキング分析手段、時系列分析手段、デシル分析手段、RFM分析手段のうち少なくとも2以上の分析手段を有し、
前記分析装置は、前記分析端末から伝達された分析手段指定データと条件データに基づいて、指定された分析手段によりデータベースに蓄積されたデータを分析し、生成した購買動向分析データに基づき購買動向分析データの一覧表データを作成する手段と、生成した購買動向分析データに基づき購買動向分析データのグラフデータを作成する手段と、生成した購買動向分析データに基づき購買動向分析データの散布図データを作成する手段と、一覧表データ及び/又はグラフデータ及び/又は散布図を分析端末に出力する手段と、
前記分析端末は、複数の分析手段から分析手段を選択する分析手段指定データを入力する手段と指定した分析手段に必要な条件データを入力する手段と、分析手段指定データと条件データを前記分析装置に伝達する手段と、前記分析装置にアクセスして購買動向分析データの一覧表及び/又はグラフ及び/又は散布図を閲覧する手段及び/又は分析装置から購買動向分析データの一覧表及び/又グラフ及び/又は散布図をダウンロードして閲覧する手段を有し、複数のアライアンス端末から伝達された購買データを複数の分析手段により分析した購買動向分析データを分析端末から閲覧させることを特徴とする購買動向分析システム。
【請求項2】
ヒストグラム分析において、会員マスタデータベースには少なくとも性別データと年齢データが蓄積されてなり、分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDを抽出し、該会員IDの数を会員属性データに基づいて性別データグループおよび年齢データグループ毎に集計し、商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する性別データグループ単位かつ年齢データグループ単位の会員IDの数を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項1記載の購買動向分析システム。
【請求項3】
トライアル・リピート分析手段において、購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データが蓄積されてなり、分析装置は、集計期間内に分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数を集計し、集計期間内に分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数を集計期間内に購買データを保有する総会員IDの数で除算したトライアル率を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項1または2記載の購買動向分析システム。
【請求項4】
トライアル・リピート分析手段において、購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データが蓄積されてなり、前記分析装置は、集計期間内に分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数を集計し、さらに該商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを2回以上保有する会員IDの数を集計し、該商品カテゴリーコードまたは商品コードを2回以上含む購買データを保有する会員IDの数を、該商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数で除算したリピート率を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【請求項5】
併買マトリクス分析手段において、購買履歴データベースには、購買データとしての購入時のレシート単位を示す併買単位データが蓄積されてなり、分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードと同一の併買単位で購入されている併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードを照合するとともに、該併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コード毎の適合回数を、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードと同一の併買単位で購入されている併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードの総適合回数で除算してなる同時併買率を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【請求項6】
併買マトリクス分析手段において、購買履歴データベースには、購買データとしての購入時のレシート単位を示す併買単位データが蓄積されてなり、分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDを照合するとともに、適合された会員IDのうち商品カテゴリーコードまたは商品コードと同一の併買単位で購入されている併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードを含む購買データを保有する会員IDを抽出し、該併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数を、商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数で除算してなる期間併買率を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【請求項7】
購買履歴データベースには、購買データとしての購入時のレシート単位を示す併買単位データが蓄積されてなり、分析装置は、同時併買率または期間併買率を性別別、年齢別にグループ化して会員データの属性別併買率データからなる購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項5または6に記載の購買動向分析システム。
【請求項8】
ランキング分析手段において、購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データと購買金額データが蓄積されてなり、前記分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する、設定期間毎の購買回数データ、販売金額データ、購買会員IDの数を集計し、商品カテゴリーコードまたは商品コードを購買回数データ、販売金額データ、購買会員IDの数の高い順に並べてなる購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【請求項9】
時系列分析手段において、購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データと購買金額データが蓄積されてなり、前記分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する、設定期間毎の購買回数データ、販売金額データ、購買会員IDの数を集計し、商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する購買回数データ、販売金額データ、購買会員IDの数を設定期間単位でプロットする購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【請求項10】
デシル分析手段において、購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データと購買金額データが蓄積されてなり、前記分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する、設定期間毎の購買回数データ、販売金額データを集計し、商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する購買回数データの回数単位または販売金額データの金額単位で該商品コードを含む購買データを保有する購買会員IDをグループ分けしてなる購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【請求項11】
RFM分析手段は、購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データと購買金額データが蓄積されてなり、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに関連づけられている購買日時データの数を集計してなる購買日時データと、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに関連づけられている集計期間あたりの回数を集計してなる購買回数データと、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに関連づけられている集計期間あたりの購買金額を集計してなる購買金額データを生成し、購買日時データ、購買回数データ、購買金額データのいずれかを横軸または縦軸に配列した組み合わせの一覧表データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【請求項12】
商品マスタデータベースには、店舗が仕入れた商品に対応する商品コードに仕入れフラグが付されてなり、分析装置は、任意の店舗の仕入れフラグが付されていない商品コードのうちリピート率が上位の商品コードを所定数抽出し、抽出された商品コードまたは該商品コードに関連づけられている商品名を在庫に入れることを推奨する商品として一覧表示する在庫入替推奨データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項4記載の購買動向分析システム。
【請求項13】
分析装置のデータベースには、店舗が仕入れた商品に対応する商品コードに仕入れフラグが付されてなり、分析装置は、任意の店舗の仕入れフラグが付されている商品コードに対する併買率が上位の商品コードのうち任意の店舗の仕入れフラグが付されていない商品コードを所定数抽出し、抽出された商品コードまたは該商品コードに関連づけられている商品名を在庫に入れることを推奨する商品として一覧表示する在庫入替推奨データを生成する分析手段を有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【請求項14】
分析装置のデータベースには、店舗が仕入れた商品に対応する商品コードに仕入れフラグが付されてなり、分析装置は購買回数、リピート率または併買率が上位の商品コードが有する特性データと同一の特性データを含む商品コードのうち、任意の店舗の仕入れフラグが付されていない商品コードを抽出し、抽出された商品コードまたは該商品コードに関連づけられている商品を在庫に入れることを推奨する商品として一覧表示する在庫入替推奨データを生成することを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【請求項15】
アライアンス端末、分析端末は複数のアライアンス企業に設置されてなり、分析装置の購買履歴データベースには、複数のアライアンス企業の店舗から伝達される購買履歴データが蓄積されてなり、分析装置は、複数のアライアンスにおける購買履歴データを分析して購買動向分析データを生成することを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載の購買動向分析システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顧客の購買動向を分析し分析結果を出力する購買動向分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、顧客の購買行動を分析しマーケティングに活かすシステムは開発されている。例えば、顧客・商品・仕入れ管理システム(POSを含む)と携帯端末とによる顧客商品管理システム(引用文献1)は、顧客の端末からメールアドレス等を取得して商品情報を含む携帯サイトにアクセスさせこのアクセス動向から顧客の商品購買前の購買行動を把握するシステムである。また、商品の在庫管理および販売の最適化システム、その最適化システム、その最適化方法及びその最適化プログラム(引用文献2)は、商品の在庫管理に顧客の質問に対する回答を反映させるシステムである。
【特許文献1】特開2007−241351
【特許文献2】特開2009−205365
【特許文献3】特開2002−123755
【特許文献4】特開2010−252580
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したシステムは、いずれも顧客の購買動向分析をするシステムや、顧客の購買意識の調査結果から在庫管理をするためのシステムである。しかしながら、このシステムで行われる顧客の購買動向の分析や購買意識の調査は、分析が一様に行われるものであり顧客個々の属性や特性を詳細に分析し、これをマーケティングに活かしたものではなかった。また、ある特定の企業における購買動向や購買意識が当該企業への購買行動の分析結果として提示されるものであり、複数の店舗間に亘る購買動向を分析するシステムとはいえなかった。
【0004】
そこで、本願発明は、店舗から購買データを入手し、購買データを顧客の属性等とマッチングしたきめ細かい購買動向分析ができるシステムを提供することを目的とする。さらには、異業種間における顧客の購買行動を統括して分析するシステムを提供することを目的とする。加えて、この購買動向分析結果を利用した好適な商品を推奨する在庫管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本願発明の購買動向分析システムは、複数のアライアンス企業に共通のシステムにおける会員の購買データを分析して購買動向分析データを生成するシステムであって、該システムは、アライアンス企業の店舗に設けられるアライアンス端末、購買動向分析データを生成する分析装置および購買動向分析データを出力する分析端末、並びに前記アライアンス端末と前記分析装置間でデータ伝達を可能とする伝達手段および前記分析装置と前記分析端末間でデータ伝達を可能とする伝達手段からなり、
前記アライアンス端末は、会員IDおよび少なくとも商品・サービス毎に割り当てられている商品コードと購買金額データを含む購買データを入力する手段と、該入力手段により入力された会員IDと購買データを前記分析装置に伝達する手段を有し、
前記分析装置は、前記伝達された会員IDと購買データを受信する手段と、前記伝達された会員IDと購買データを関連づけて購買履歴データベースに蓄積する手段と、前記分析端末から伝達された分析手段指定データに基づいて分析手段を決定する手段と、前記分析端末から伝達された条件データに基づいて、前記購買履歴データベースに蓄積されたデータ、並びに会員IDと会員属性データを関連づけて蓄積してなる会員マスタデータベース、商品カテゴリーコードまたは商品コードと商品・サービス名データを関連づけて蓄積してなる商品マスタデータベース、および店舗IDと店舗データを関連づけて蓄積してなる店舗マスタデータベースの少なくともいずれかに蓄積されてなるデータを分析し、購買動向分析データを生成する分析手段を有し、分析手段は、ヒストグラム分析手段、トライアル・リピート分析手段、併買マトリクス分析手段、併買分析手段、ランキング分析手段、時系列分析手段、デシル分析手段、RFM分析手段のうち少なくとも2以上の分析手段を有し、
前記分析装置は、前記分析端末から伝達された分析手段指定データと条件データに基づいて、指定された分析手段によりデータベースに蓄積されたデータを分析し、生成した購買動向分析データに基づき購買動向分析データの一覧表データを作成する手段と、生成した購買動向分析データに基づき購買動向分析データのグラフデータを作成する手段と、生成した購買動向分析データに基づき購買動向分析データの散布図データを作成する手段と、一覧表データ及び/又はグラフデータ及び/又は散布図を分析端末に出力する手段と、
前記分析端末は、複数の分析手段から分析手段を選択する分析手段指定データを入力する手段と指定した分析手段に必要な条件データを入力する手段と、分析手段指定データと条件データを前記分析装置に伝達する手段と、前記分析装置にアクセスして購買動向分析データの一覧表及び/又はグラフ及び/又は散布図を閲覧する手段及び/又は分析装置から購買動向分析データの一覧表及び/又グラフ及び/又は散布図をダウンロードして閲覧する手段を有し、複数のアライアンス端末から伝達された購買データを複数の分析手段により分析した購買動向分析データを分析端末から閲覧させることを特徴とする。
【0006】
本発明の購買動向分析システムにおいて、会員マスタデータベースには少なくとも性別データと年齢データが蓄積されてなり、分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDを抽出し、該会員IDの数を会員属性データに基づいて性別データグループおよび年齢データグループ毎に集計し、商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する性別データグループ単位かつ年齢データグループ単位の会員IDの数を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0007】
購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データが蓄積されてなり、分析装置は、集計期間内に分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数を集計し、集計期間内に分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数を集計期間内に購買データを保有する総会員IDの数で除算したトライアル率を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0008】
購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データが蓄積されてなり、前記分析装置は、集計期間内に分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数を集計し、さらに該商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを2回以上保有する会員IDの数を集計し、該商品カテゴリーコードまたは商品コードを2回以上含む購買データを保有する会員IDの数を、該商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数で除算したリピート率を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0009】
購買履歴データベースには、購買データとしての購入時のレシート単位を示す併買単位データが蓄積されてなり、分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードと同一の併買単位で購入されている併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードを照合するとともに、該併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コード毎の適合回数を、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードと同一の併買単位で購入されている併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードの総適合回数で除算してなる同時併買率を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0010】
購買履歴データベースには、購買データとしての購入時のレシート単位を示す併買単位データが蓄積されてなり、分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDを照合するとともに、適合された会員IDのうち商品カテゴリーコードまたは商品コードと同一の併買単位で購入されている併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードを含む購買データを保有する会員IDを抽出し、該併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数を、商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数で除算してなる期間併買率を示す購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0011】
購買履歴データベースには、購買データとしての購入時のレシート単位を示す併買単位データが蓄積されてなり、分析装置は、同時併買率または期間併買率を性別別、年齢別にグループ化して会員データの属性別併買率データからなる購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0012】
購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データと購買金額データが蓄積されてなり、前記分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する、設定期間毎の購買回数データ、販売金額データ、購買会員IDの数を集計し、商品カテゴリーコードまたは商品コードを購買回数データ、販売金額データ、購買会員IDの数の高い順に並べてなる購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0013】
購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データと購買金額データが蓄積されてなり、前記分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する、設定期間毎の購買回数データ、販売金額データ、購買会員IDの数を集計し、商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する購買回数データ、販売金額データ、購買会員IDの数を設定期間単位でプロットする購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0014】
購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データと購買金額データが蓄積されてなり、前記分析装置は、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する、設定期間毎の購買回数データ、販売金額データを集計し、商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する購買回数データの回数単位または販売金額データの金額単位で該商品コードを含む購買データを保有する購買会員IDをグループ分けしてなる購買動向分析データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0015】
購買履歴データベースには、購買データとしての購買日時データと購買金額データが蓄積されてなり、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに関連づけられている購買日時データの数を集計してなる購買日時データと、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに関連づけられている集計期間あたりの回数を集計してなる購買回数データと、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードに関連づけられている集計期間あたりの購買金額を集計してなる購買金額データを生成し、購買日時データ、購買回数データ、購買金額データのいずれかを横軸または縦軸に配列した組み合わせの一覧表データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0016】
商品マスタデータベースには、店舗が仕入れた商品に対応する商品コードに仕入れフラグが付されてなり、分析装置は、任意の店舗の仕入れフラグが付されていない商品コードのうちリピート率が上位の商品コードを所定数抽出し、抽出された商品コードまたは該商品コードに関連づけられている商品名を在庫に入れることを推奨する商品として一覧表示する在庫入替推奨データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0017】
分析装置のデータベースには、店舗が仕入れた商品に対応する商品コードに仕入れフラグが付されてなり、分析装置は、任意の店舗の仕入れフラグが付されている商品コードに対する併買率が上位の商品コードのうち任意の店舗の仕入れフラグが付されていない商品コードを所定数抽出し、抽出された商品コードまたは該商品コードに関連づけられている商品名を在庫に入れることを推奨する商品として一覧表示する在庫入替推奨データを生成する分析手段を有することを特徴とする。
【0018】
分析装置のデータベースには、店舗が仕入れた商品に対応する商品コードに仕入れフラグが付されてなり、分析装置は購買回数、リピート率または併買率が上位の商品コードが有する特性データと同一の特性データを含む商品コードのうち、任意の店舗の仕入れフラグが付されていない商品コードを抽出し、抽出された商品コードまたは該商品コードに関連づけられている商品を在庫に入れることを推奨する商品として一覧表示する在庫入替推奨データを生成することを特徴とする。
【0019】
アライアンス端末、分析端末は複数のアライアンス企業に設置されてなり、分析装置の購買履歴データベースには、複数のアライアンス企業の店舗から伝達される購買履歴データが蓄積されてなり、分析装置は、複数のアライアンスにおける購買履歴データを分析して購買動向分析データを生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本願発明の購買動向分析システムによれば、アライアンス企業は、自己の業務形態に応じて所望する購買動向分析を選択し、購買動向分析結果を取得することができる。分析者は、アライアンス企業からの求めに応じて会員の購買動向を詳細に分析し、分析結果を可視化した情報としてアライアンス企業に提供することができる。また、当該システムを複数のアライアンス企業を跨いだシステムとして構築することで、ある企業の購買動向分析に別の企業の購買動向分析の結果を加味して提供することができる。それにより、自社での購買動向分析をするよりも、より精度の高いマーケティング意思決定を導くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本願発明の購買動向分析システムのブロック図。
図2】本願発明の購買動向分析システムが複数アライアンスに亘り構築されていることを示すブロック図。
図3】購買動向分析システムの第1の購買動向分析手段の条件入力画面。
図4】第1の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表すヒストグラム。
図5】第1の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図6】第1の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図7】購買動向分析システムの第2の購買動向分析手段の条件入力画面。
図8】(A)は、購買動向分析システムの第2の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す散布図。(B)は、第2の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図9】購買動向分析システムの第3の購買動向分析手段の条件入力画面。
図10】第3の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図11】購買動向分析システムの第4の購買動向分析手段の条件入力画面。
図12】(A)は、第4の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表すヒストグラム。
図13】(B)〜(D)は、第4の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図14】(E)は、第4の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図15】購買動向分析システムの第5の購買動向分析手段の条件入力画面。
図16】(A)〜(B)は、第5の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図17】購買動向分析システムの第6の購買動向分析手段の条件入力画面。
図18】第6の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表すヒストグラム。
図19】第6の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図20】第6の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図21】購買動向分析システムの第7の購買動向分析手段の条件入力画面。
図22】第7の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図23】購買動向分析システムの第8の購買動向分析手段の条件入力画面。
図24】第8の購買動向分析手段の購買動向分析結果を表す一覧表。
図25】グラフ選択画面。
図26】本願発明の購買動向分析システムの模式図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
(システム構成)
本願発明の購買動向分析システムについて説明する。図1および図26に示すように、本願発明の購買動向分析システム1は、同業種または異業種の複数の企業のアライアンス店舗に設置されるアライアンス端末(装置群)2、統括センターに設置されるサーバー分析装置(装置群)3、アライアンス企業に設置される分析端末4とで構成される。ここで、アライアンス端末2を構成するPOS端末(販売時点情報管理端末)23と、リアル処理システムサーバー21(CPU、RAMなどを含む)および/または、バッチ処理システムサーバー22(CPU、RAMなどを含む)とデータベース24、25を有している。尚、仮想店舗においてシステムを構築する場合には、アライアンス端末3を構成する装置は会員保有のコンピュータ(不図示)に代えることができる。分析装置3は、会員ID、商品コード、購買金額データなどを紐付けて蓄積するポイントシステムサーバー31、購買動向分析をする分析システムデータサーバー32(CPU、RAMなどを含む)、分析システムWEBサーバー33(CPU、RAMなどを含む)とデータベース35、36を有している。分析端末4は、分析装置3にアクセスしてデータをダウンロードあるいは閲覧可能なコンピュータとキーボードなどの入力装置、モニタ、プリンタなどの出力装置からなる分析用コンピュータ41である。アライアンス端末2と分析装置3は、専用線でデータ通信可能に接続されている。分析端末4と分析装置3は、インターネット回線により接続されている。
【0023】
尚、本実施例の購買動向分析システム1は、単独のシステムとして構築することが可能であることはもちろんであるが、図1に示すように、商品・サービスに交換可能なポイントを付与するための既存のポイントシステムを利用することもできる。したがって図1では、分析装置3の会員IDと購買データを取得するサーバーはポイントシステムサーバー31であり、ここにデータベース35が接続されている。ここで、ポイントシステムについて簡単に説明すれば、会員は購買時にポイントを付与してもらうために会員IDを提示し、会員IDと商品コードをPOS端末23で読み取らせ、会員IDと商品コードと購買金額データを含む購買データは、リアルタイムであるいは定期的にポイントシステムサーバー31に伝達される。ポイントシステムサーバー31は、これを受信し会員IDに対するポイントテーブル(不図示)において、購買金額に応じたポイントの加算および減算を行う。またポイントシステムサーバー31にはリコメンドシステムサーバー34を接続してもよく、リコメンドデータベース36に蓄積されている推奨商品名を会員の保有するコンピュータや携帯端末(不図示)に送信したり、POS端末23から出力されるレシートに印刷出力するリコメンドシステムを構築してもよい。このように既に構築されたポイントシステムを利用すれば、例えば、クレジットカードを利用せず現金で購買をする場合についても購買動向を分析することができ、より詳細な購買動向分析をすることもできる。
【0024】
(アライアンス端末)
本願発明の購買動向分析システムに参加するアライアンス企業の店舗には、アライアンス端末2が設置される。アライアンス端末2を構成するPOS端末23は、少なくとも会員IDを読み取る入力手段と商品・サービスに付与された商品コードを読み取る入力手段を有し、さらに金額データ、購買日時データを購買データとして提供することができるようになっている。入力手段には、テンキー、磁気リーダー、バーコードリーダー、二次元バーコードリーダー、RFIDタグリーダー等が例示される。
【0025】
アライアンス端末2において、データを処理する方式にはリアルタイム処理方式とバッチ処理方式がある。購買機会毎にデータを分析装置3のポイントシステムサーバー31に伝達するリアルタイム処理を利用する場合には、アライアンス端末2のPOS端末23にはリアルタイム処理システムサーバー21が接続される。また必要に応じてリアルタイム処理システムサーバー21にはデータベース24が接続される。リアル処理システムサーバー21と分析装置3のポイントシステムサーバー31は、両装置の伝達手段と専用線5を介してデータ通信可能に接続されており、POS端末23で会員IDと購買する商品の商品コードを読み取ると、会員IDと、少なくとも商品コードを含む購買データは、分析装置3のポインシステムサーバー31へ伝達される。
【0026】
設定データ量、あるいは設定時間毎にデータを分析装置3に伝達するバッチ処理を利用する場合には、アライアンス端末2のPOS端末23にはバッチ処理システムサーバー22が構築される。またバッチ処理システムサーバー22にはデータベース25が接続され、例えば商品マスタデータベースには、商品、サービスに付与された商品コードまたは商品カテゴリーコードを、商品名および商品カテゴリー、さらには商品特有のデータ、生産会社データなどの商品の属性に紐付けた商品マスタデータが蓄積される。また必要に応じて購買データを蓄積する購買データベース、付与ポイントに関するポイント付与データを構築してもよい。そして、POS端末23で会員IDと商品コードを読み取るたびに、会員ID、購買データ、ポイントデータが蓄積される。一定時間または一定量データがデータベースに蓄積されると、これらのデータはバッチ処理システムサーバー22から専用線を介して分析装置3のポインシステムサーバー31へ伝達される。尚、リアルタイム処理システムサーバー21とバッチ処理システムサーバー22は、片方だけ設けてもよいし、図1図26に示すように併用することもできる。
【0027】
(分析装置)
本実施例の購買動向分析システム1において、分析装置3は、データを受信し蓄積するポイントシステム部と、データを解析する分析システム部とから成る。分析装置3は、アライアンス端末3からデータを受信し蓄積するポイントシステムサーバー31とここに接続されるデータベース31、データベース31に蓄積されたデータを分析する分析システムデータサーバー32、購買動向分析データを分析端末4に出力する分析システムWEBサーバー33からなる。また必要に応じて、リコメンドシステムサーバー34とここに接続されるデータベース36が設けられる。データベース35には、アライアンス端末3から伝達される会員IDと購買データを随時蓄積する購買履歴データベースが構築される。また、会員の属性データを蓄積してなる会員マスタデータベース、店舗の属性データを蓄積してなる店舗マスタデータベースが構築される。会員マスタデータベースには会員IDに紐付けられて会員の性別、年齢あるいは居住地、職業、嗜好などの会員の属性に関するデータが蓄積される。店舗マスタデータベースには、店舗IDに紐付けられて店舗の所在地、営業形態などの店舗の属性に関する情報が蓄積される。また、アライアンス端末2側に商品マスタデータベースを設けない場合には、データベース35に商品マスタデータベースも構築される。これらのデータベースは条件データに基づいて相互にデータを照合できるように蓄積される。
【0028】
分析システムデータサーバー32は、分析端末4より伝達される分析手段指定データと条件データにより指定されるプログラムに基づいて、決定された購買動向分析方法によりデータベース35に蓄積されてなるデータを分析し購買動向分析データを生成するようになっている。さらに、分析システムデータサーバー32により演算された購買動向分析データは、プログラムに基づいて、グラフ、散布図、一覧表などの出力データに加工され分析システムWEBサーバー33に伝達される。
【0029】
(分析端末)
分析端末4は、分析システムWEBサーバー33とインターネット等の汎用回線を介して接続されている。分析端末4は、分析システムWEBサーバー33に、アカウントとパスワードでログインできるようになっている。分析端末4は、初回にあるいはその都度、所望する購買動向分析の方法を特定する分析手段指定データとこれに対応する条件データ、さらには出力形式を選択入力することができるようになっている。また、分析システムWEBサーバー33から伝達される出力データをダウンロードし、あるいは分析システムWEBサーバーサーバー33にアクセスして購買動向分析データの出力データを閲覧することができるようになっている。また、出力データをあらかじめ分析端末4にインストールしたブラウザや表計算プログラムにより、グラフ、散布図、一覧表など所望の出力形式で表示できるようになっている。
【0030】
尚、図1図26に示す実施例では、分析手段指定データと条件データと出力形式を選択入力する入力手段と、購買動向分析データを出力する手段を一台の分析用コンピュータ41で兼ねているが、入力手段と出力手段の機能は別個の分析用コンピュータ41に担わせてもよい。例えば、分析手段指定データと条件データと出力形式を選択入力する入力手段を備えた分析用コンピュータ41を統括センター側に設置し、出力手段を備えた分析用コンピュータ41をアライアンス企業側に設置することもできる。
【0031】
(購買データの取得動作と蓄積動作)
後述する全ての購買動向分析手段に共通する購買データの取得動作と蓄積動作について説明する。システム動作の前提として、会員IDを取得した会員はシステム利用の前に会員マスタデータ項目としての性別、年齢、居住地などのデータ、また任意の提供情報として、趣味、収入などのデータを提供し、これらの会員の属性に関するデータは会員ID、会員マスタと紐付けられた状態で会員マスタデータベースに蓄積される。ここで会員IDは、会員毎に付与された任意の桁数の数字(本実施例では16桁)であり、会員が形態する会員カードや携帯端末に記録または記憶されていてPOS端末で読み取り可能になっている。
【0032】
また、アライアンスの店舗で提供され得る様々な商品・サービスに付与された商品コードが、商品マスタデータ項目としての商品カテゴリー、商品名、生産会社などのデータに関する商品マスタと紐付けられた状態で商品マスタデータベースに蓄積される。ここで商品コードは任意の桁数の数字(本実施例では12桁)であり、この数字により商品が特定される。また商品コードの特定桁の数字が商品のカテゴリー(大分類、中分類、小分類)特定する商品カテゴリーコードになっている。さらに必要に応じて特定桁の数字が生産会社を示す生産会社コード、商品の特性を示す特性コードなどになっている。特定コードとは、例えば、商品名に含まれる特定の言葉(例えば「プレミアム」、「スーパー」など)、商品のランク(特級、期間限定商品、増量中商品など)、あるいは商品パッケージの色(赤、青、黄)などの商品の特性を示すコードである。さらに、アライアンスの店舗毎に付与された店舗コードが、店舗マスタデータ項目としての店舗所在地、営業形態などのデータに関する店舗マスタと紐付けられた状態で店舗マスタデータベースに蓄積される。
【0033】
アライアンス店舗で商品・サービスを販売するときにPOS端末23の入力部は、会員IDを読み取るとともに、購入される商品・サービスの商品コードを読み取る。この入力された会員IDと、商品コード、購買金額データ、購買日時データ、併買単位データなどを含む購買データは、ともにリアル処理方式あるいはバッチ処理方式により処理され、ポイントシステムサーバー31に伝達される。ポイントシステムサーバー31は、伝達された会員IDと、購買データ、さらに店舗コードを紐付けてポイントシステムサーバー31に購買履歴データベースに蓄積する。このデータベース35へは分析システムデータサーバー32側に随時あるいは一定時間毎に伝達されるようになっているか、または、分析システムデータサーバー32側がデータを取得しにいくようになっている。
【0034】
一方、分析端末4からは、購買動向分析の分析手段指定データ(ヒストグラム分析、トライアル&リピート分析、併買マトリクス分析、併買分析、ランキング分析、時系列分析、デシル分析、RFM分析)を選択入力するようになっている。また、各分析手段に対応する条件データを選択入力するようになっている。この選択された分析手段指定データと条件データは、分析端末4の端末番号やアクセスのために付与されるアカウントと紐付けられ、分析システムWEBサーバーを介して分析装置3側に伝達される。この分析手段指定データと条件データの送信は初回と変更時のみ入力・データ伝達させるように設定してもよいし、分析端末4からログインするたびに入力・伝達させるように設定してもよい。そして、分析システムデータサーバー32は、プログラムで設定された所定日時あるいは分析端末4から開始の入力により動作をスタートし、選択された分析内容の種類の分析手段が動作を開始し、購買動向分析データを生成し、分析端末4に出力するようになっている。
【0035】
(購買動向分析動作)
次に本発明の購買動向分析システム1における8パターンの購買動向分析手段について説明する。尚、ここで入力される条件データと生成される購買動向分析データは例示するものである。
【0036】
(ヒストグラム分析)
第1の購買動向分析手段としての、ヒストグラム分析について、図3〜6を参照して説明する。ヒストグラム分析は、購買商品カテゴリーに対する会員属性に関する購買動向分析であり、分析システムデータサーバー32で処理され、分析システムWEBサーバーを介して分析端末4に出力される。分析端末4の入力部より、ヒストグラム分析を指定する分析手段指定データが入力され、モニタに表示される条件入力画面(図3)に基づいて条件データが入力されると、このデータは、分析システムWEBサーバー33へと伝達される。この条件データ入力は初回のみ行ってもよいし、その都度行うこともできる。図3に示す実施例においては、対象とする会員種別(全て)、対象商品(商品コード12345)、対象地区(A地区)、対象曜日(月〜金)、対象時間帯(11時〜15時台)を設定しており、出力する表示の態様を設定している。
【0037】
あらかじめ組み込まれたプログラムまたは分析端末4からの入力により動作スタート信号が入力されると、分析システムデータサーバー32は、設定された条件データに基づいて分析を開始する。例えば、データベース35の蓄積データのうち、選択された商品コード(12345)を購買データに保有する会員IDをマッチングするとともに、会員IDを購買データに含まれる所定の条件(対象地区、対象曜日、対象時間帯)で絞り込む。そして適合された会員IDの数を、該会員IDに紐付けられている会員データの性別データ(例えば、男性、女性、不明の3グループ)、年齢データ(例えば、1歳区切りまたは10歳区切りのグループ)毎に集計し、商品コードに対する性別(男女)グループ別の購買会員IDの数、年齢グループ別の会員IDの数からなる購買動向分析データが生成される。
【0038】
分析システムデータサーバー32は、購買動向分析データから、X軸に購買会員数、Y軸に年齢グループを紐付けて、性別毎の2つのヒストグラムデータに加工する(図4(A))。さらに、分析システムデータサーバー32は、ヒストグラムデータを分析端末4に伝達し、あるいは、分析端末4からのログインにより閲覧可能とする。分析端末4では、ブラウザや表計算ソフトを通じて、分析システムWEBサーバー33から伝達されたヒストグラムデータをヒストグラムの形式で表示する。
【0039】
さらに、分析システムデータサーバー32は、商品カテゴリーに対する性別グループおよび年齢グループ別の購買会員数データ、総購買会員IDの数に対する購買会員数の割合データ、購買会員IDに紐付けられた年齢データから演算される平均年齢データからなる一覧表データを生成するようにしてもよい(図5(B))。また、年齢別の購買会員IDの数の一覧表データを生成するようにしてもよい(図6(C))。分析端末4では、ブラウザや表計算ソフトを通じて、分析システムWEBサーバー33から伝達された一覧表データをマトリクスの形式で表示する。
【0040】
(トライアル・リピート分析)
第2の購買動向分析手段としての、トライアル・リピート分析について、図7,8を参照して説明する。分析端末4の入力部より、トライアル・リピート分析を指定する分析手段指定データが入力され、モニタに表示される条件入力画面(図7)に基づいて、分析する条件が入力されると、この条件は、分析システムWEBサーバー33へと伝達される。この条件入力は初回のみ行ってもよいし、その都度行うこともできる。図7に示す実施例においては、対象とする会員種別(全て)、対象商品カテゴリー(商品大分類:日用品、商品中分類:ペット用品、商品小分類カテゴリーB)、対象地区(福岡県、佐賀県、熊本県)、対象曜日(土、日、祝日)、対象時間帯(13時〜18時台)、性別グループ(女性)、年齢グループ(20代、30代、40代)、集計期間(2012年1月1日〜2012年1月31日)を設定しており、出力する表示の態様(複数グラフ)を設定している。
【0041】
トライアル行動分析の動作スタート信号が入力されると、分析システムデータサーバー32は分析を開始する。例えば、データベース35の集計期間の購買データについて、商品カテゴリーコード(例えば、特定桁に特定の数字が付与されている)を含んでいる商品コードが抽出され、該商品コードが購買データにある会員IDをマッチングするとともに、会員IDを購買データに含まれる所定の条件(対象地区、対象曜日、対象時間帯)で絞り込み会員IDの数を集計する。さらに集計された会員IDの数を、集計期間内の購買データを保有する総会員IDの数で除算し、商品コード毎のトライアル率を算出し購買動向分析データを生成する。
【0042】
また、リピート購買動向分析の動作スタート信号が入力されると、データベース35の蓄積データを集計期間で区切り、該集計期間内に、カテゴリーコード(例えば、特定桁に特定の数字が付与されている)を含んでいる商品コードが抽出され、該商品コードが購買データにある会員IDをマッチングするとともに、購買会員IDの数を集計する。さらに選択されたカテゴリーコードを含んでいる商品コードが購買データに2回以上ある会員IDを抽出し該購買会員IDの数を集計する。そして商品コードが購買履歴に2回以上ある購買会員IDの数を該商品コードが購買データにある会員IDの数(すなわち集計期間内の該カテゴリーコードBを含む商品コードの購買会員IDの数)で除算し、リピート率を算出し購買動向分析データを生成する。
【0043】
分析システムデータサーバー32は、算出されたトライアル率とリピート率を分析端末4の散布図フォーマットと紐付け、トライアル率をX軸、リピート率をY軸にとり、ここに商品コード毎にトライアル率ラリピート率をプロットしてなる散布図データを生成する(図8(A))。分析端末4では、ブラウザや表計算ソフトを通じて分析システムWEBサーバー33から伝達された散布図データを、散布図表示する。さらに、分析システムデータサーバー32は、トライアル率、リピート率に対する商品コードの一覧表データを生成してもよい(図8(B))。尚、実施例では商品カテゴリー単位での分析について説明したが商品コード単位での分析をすることもできる。トライアル分析により集計期間に購入した率の高い商品を知ることができる。またリピート分析により一度購入した人が再度購入する確率が高い商品を知ることができる。
【0044】
(併買マトリクス分析)
第3の購買動向分析手段としての、併買マトリクス分析について、図9,10を参照して説明する。併買マトリクス分析は、商品・カテゴリー毎に併買率を演算し、マトリクス形式で購買動分析データを出力する分析手段である。前提として購買履歴データベースには、購買データとしての購入時のレシート単位(バスケット単位とも呼ぶ)を示す併買単位データが蓄積されている。分析端末4の入力部より、併買マトリクス分析が指定され、モニタに表示される条件入力画面(図9)に基づいて、分析する条件が入力されると、この条件は、分析システムWEBサーバー33へと伝達される。この条件入力は初回のみ行ってもよいし、その都度行うこともできる。図9に示す実施例においては、対象とする会員種別(全て)、対象商品カテゴリー(商品大分類:日用品、商品中分類:ペット用品、商品小分類:カテゴリーA〜E)、対象地区(北海道、青森県、秋田県、宮城県)、対象曜日(土、日、祝日)、対象時間帯(13時〜15時台)、性別グループ(男性)、年齢グループ(30代)、集計期間(2011年12月1日〜2012年1月31日)、集計単位(同時併買)を設定している。
【0045】
第1の併買分析である、レシート単位(バスケット単位とも呼ぶ)の併買率を分析する同時併買分析は、レシート単位で任意の商品に対する他の商品の併買率を出力する分析である。併買動向分析スタート信号が入力されると、分析システムデータサーバー32は、条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コード(例えば、商品コードの特定桁に特定の数字を含む)を抽出し、該商品コードとレシートあるいはバスケットなどが同一であることを示す同一の併買単位で購入されている併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードを商品カテゴリー毎または商品毎にマッチングするとともに、該併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コード毎の適合回数を、分析端末から伝達される条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コードと同一の併買単位で購入されている併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードの総マッチ回数で除算してなる同時併買率を示す購買動向分析データを生成し、一覧表示データとして出力する(図10)。
【0046】
また、第2の併買マトリクス分析として会員毎の併買分析をする期間併買分析は、任意の会員の併買の有無、あるいは併買率を出力する分析である。併買動向分析スタート信号が入力されると、分析システムデータサーバー32は、条件データに含まれる商品カテゴリーコードまたは商品コード(例えば、商品コードの特定桁に特定の数字を含む)を含む購買データを保有する会員IDをマッチングするとともに、適合された会員IDのうち商品カテゴリーコードまたは商品コードと同一の併買単位で購入されている併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードを含む購買データを保有する会員IDを抽出し、該併買商品カテゴリーコードまたは併買商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数を、商品カテゴリーコードまたは商品コードを含む購買データを保有する会員IDの数で除算してなる期間併買率を示す購買動向分析データを生成し、一覧表示データとして出力する。尚、マッチングする会員の属性の条件や地域の条件を会員マスタデータベースの項目でさらに絞り込んでもよい。分析端末4では、ブラウザや表計算ソフトを通じて分析システムWEBサーバー33から伝達された一覧表データを、マトリクス表示する
【0047】
このような併買マトリクス分析により、任意の商品に対する併買率の高い商品がわかる。また、併買率の高い会員の属性を知ることができる。
【0048】
(併買分析)
第4の購買動向分析手段としての併買分析について図11図14を参照して説明する。併買分析は、併買マトリクス分析の生成データを利用して行う。併買分析は、指定した商品カテゴリーあるいは商品と他の指定した商品カテゴリーあるいは商品または、全ての商品カテゴリーあるいは商品との併買率などを分析する手段である。この分析は、併買マトリクス分析と同様に、同時併買分析と期間併買分析とを選んで分析することができる。分析端末4の入力部より、モニタに表示される条件入力画面(図11)に基づいて、分析する条件が入力されると、この条件は、分析システムWEBサーバー33へと伝達される。この条件入力は初回のみ行ってもよいし、その都度行うこともできる。図11に示す実施例においては、対象とする会員種別(全て)、対象商品カテゴリー(ビール)、併買先商品カテゴリー(紙おむつ)対象地区(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)、対象曜日(土、日、祝日)、対象時間帯(17時〜22時台)、性別グループ(全て)、年齢グループ(全て)、集計期間(指定無し)、集計単位(同時併買)を設定している。
【0049】
併買動向分析スタート信号が入力されると、分析システムデータサーバー32は、データベース35の蓄積データを集計期間の蓄積データについて、商品カテゴリーコードA(ビール)を含む商品コードが抽出され、該商品コードとレシートあるいはバスケットなどの購買単位データが同一の併買元商品カテゴリーコードBをマッチングする。マッチングされた併買商品カテゴリーについて、該当商品(併買先)と併買元商品の併買客数(レシート数)を併買元商品の購買客数(レシート数)で除算し併買率を算出し、レシート毎の併買率からなる購買動向分析データを生成する。
【0050】
会員ごとの集計に係る期間併買分析について説明すれば、併買動向分析スタート信号が入力されると、集計期間内の蓄積データのうちある会員IDの購買履歴にある任意の商品コードと併買単位が同一の商品コードをマッチングし、集計期間における該当商品(併買先)と併買元商品の併買会員数を併買元商品の購買会員数で除算して併買率を算出し、会員ID毎の期間併買率からなる購買動向分析データを生成する。
【0051】
出力データの例を示せば、性別毎の任意の商品に対する併買率のグラフ(図12(A))、会員の属性別の併買の有無の一覧表(図13(B))、任意の商品に対する併買数、併買会員IDの数、併買率の一覧表(図13(D)がある。尚、実施例では商品カテゴリー単位の分析について説明したが商品コード単位でも分析することができる。分析端末4では、ブラウザや表計算ソフトを通じて分析システムWEBサーバー33から伝達された一覧表データを、マトリクス表示する
【0052】
(ランキング分析)
第5の購買動向分析手段としてのランキング分析について図15,図16を参照して説明する。ランキング分析は、商品コード、商品カテゴリーコード別の販売数、販売金額、購買会員数を高い順に並べて一覧表示する機能である。ランキング分析スタート信号が入力されると、分析システムデータサーバー32はデータベースにアクセスし、選択された商品カテゴリーコードまたは商品コードを購買データに含む会員ID数と、該商品カテゴリーコードまたは商品コードに対応する販売数、該商品カテゴリーコードまたは商品コードの販売金額を集計し購買動向分析データを生成すする。そして、商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する会員ID数、販売数、販売金額の数の高い順にランキング一覧表データを生成する。分析端末4では、ブラウザや表計算ソフトを通じて分析システムWEBサーバー33から伝達された一覧表データを、マトリクス表示する
【0053】
(時系列分析)
第6の購買行動分析手段としての時系列分析について図17図20を参照して説明する。時系列分析は、商品コード、商品カテゴリーコード別の販売数、販売金額、客数の日毎または週毎における推移を分析する機能である。時系列分析スタート信号が入力されると分析システムデータサーバー32は選択された商品カテゴリーコードを含む商品コードを抽出し、該商品カテゴリーコードまたは商品コードが購買データにある会員ID数と該商品カテゴリーコードまたは商品コードに対する販売数、販売金額を集計し、これらの3要素の推移を示すように設定期間単位(例えば、時間単位、日単位、月単位、週単位、時間単位)でプロットされる折れ線グラフデータ(図18)を生成する。さらに商品コードに対する一定期間単位の会員ID数、販売数、販売金額の数の高い順にランキング一覧表データを生成する(図19図20)。分析端末4では、ブラウザや表計算ソフトを通じて分析システムWEBサーバー33から伝達された折れ線グラフデータを折れ線グラフ表示するとともに、一覧表データを、マトリクス表示する
【0054】
(デシル分析)
第7の購買動向分析手段としてのデシル分析について図21図22を参照して説明する。デシル分析は、会員IDを購買行動の優劣により順位付けするデシル分析機能である。対象会員、集計期間、地域、時間帯等の条件データが入力、伝達され(図21)、デシル分析スタート信号が入力されると、分析システムデータサーバー32は、データベースにアクセスし、会員IDを購入金額、来店回数、客単価の3つの要素毎に所定の設定ランク順にランク分けし、会員IDを要素別かつランク毎にグループ分けした会員ID数からなるデシル分析の一覧表データを生成する(図22)。また、グループ分けされた会員IDと購買履歴データベースにおいて関連づけられている商品コードをリピート率、購買回数毎に順位づけてもよい。分析端末4では、ブラウザや表計算ソフトを通じて分析システムWEBサーバー33から伝達された一覧表データを、マトリクス表示する
【0055】
(RFM分析)
第8の購買行動分析手段であるRFM分析について図23〜24を参照して説明する。RFM分析は、最近いつ購入したかRecency)、どのくらいの頻度で購入しているか(Frequency)、どのくらいの金額を購入したか(Monetary)を組み合わせたRFM分析機能である。Recency分析機能は、会員ID毎の所定期間における最新購入日を抽出する機能である。Frequency分析機能は、会員ID毎の所定期間内における購買回数を抽出する機能である。Monetary分析機能は、会員ID毎の所定期間における購買金額を抽出する機能である。RFM分析スタート信号が入力されると、プログラムによりR×F分析、F×M分析、M×M分析、R×M分析、F×F分析が行われる。F×F分析を例に示せば、F1の指定期間(例えば前々月)とF2の指定期間(例えば前月)が選択されこの期間の購買回数毎の会員ID数が集計され、例えば1回購入者、2回購入者、4回購入者、6回購入者、8回購入者、10回以上購入者の購入回グループ別に会員IDの数が表された一覧表データが生成される。また購入回グループに会員IDを関連づけて、該会員IDに紐付けられている会員データ別にさらに集計をするようにしてもよい。
【0056】
次に、図25に基づいて分析端末からのフォーマット選択について説明する。第1〜第8までに示した購買動向分析結果データを比較グラフ、複数グラフ化するために分析端末は、購買動向分析結果データの出力のフォーマットを選択することができる。本願発明の例によれば、購買動向分析結果データを商品、エリア、曜日・時間帯毎に単一グラフ表示、複数グラフ表示を選択することができる。この選択されたフォーマットは、分析用コンピュータに保存され、該分析コンピュータからアクセスすると選択されたフォーマットのグラフや一覧表が分析コンピュータに表示されるようになっている。
【0057】
(在庫管理システム)
本実施例の購買動向分析システムに任意で付加することのできる在庫管理システムについて説明する。在庫管理システムの前提として、各店舗は、商品マスタに対して、該店舗に仕入れた商品を選択し、商品コードに対して店舗毎の仕入れフラグを立てる。
【0058】
当該在庫管理システムの第1の形態は、トライアル・リピート分析のリピート率データを用いた在庫管理システムである。分析システムデータサーバー32は、該店舗の仕入れフラグが立っていない商品コードのうちリピート率上位の商品コードを所定数抽出し、該商品コードに紐付けられている商品名を在庫に入れることを推奨する商品名として一覧に表示し、在庫入替推奨一覧表データを生成する。また、さらに追加される機能として、任意の店舗が仕入れフラグを立てている商品コードのうちリピート率下位の商品コードを所定数抽出し、該店舗の仕入れフラグが立っていない商品コードのうちリピート率上位の商品コードを同等数抽出し、商品コードのうちリピート率下位の商品コードに紐付けられている商品名を在庫から外すことを推奨する商品名として一覧に表示し、仕入れフラグが立っていない商品コードのうちリピート率上位の商品コードに紐付けられている商品名を在庫に入れることを推奨する商品名として一覧に表示し、在庫入替推奨一覧表データを生成する。この在庫入替推奨一覧表データは、分析システムWEBサーバーを通じてアライアンス企業に設置されている分析コンピュータからブラウザを通じて閲覧可能となっている。これにより、アライアンス企業は店舗の在庫管理について、自己の企業および他のアライアンス企業においてリピート率上位の商品を仕入れることができる。
【0059】
また、第2の形態は、併買分析の併買率データを用いた在庫管理システムである。このシステムは、任意の店舗が仕入れフラグを立てている商品コードを抽出し、該店舗の仕入れフラグが立っていない商品コードのうち仕入れフラグを立てている商品コードに対する併買率が上位の商品コードに紐付けられている商品名を在庫に入れることを推奨する商品名として一覧に表示し、在庫入替推奨一覧表データを生成する。この在庫入替推奨一覧表データは、分析システムWEBサーバーを通じてアライアンス企業に設置されている分析コンピュータからブラウザを通じて閲覧可能となっている。これにより、アライアンス企業は店の在庫管理について、自己の企業および他のアライアンス企業において任意の商品に対して併買率の高い商品を仕入れたり、併買率の高い商品を任意の商品の隣に陳列することができる。
【0060】
さらに、第3の形態は、トライアル・リピート分析のリピート率上位の商品コードや、併買率上位の商品コードに紐付けられている特性コードと同じ特性コードをもつ商品コードに紐付けられている商品コードに紐付けられている商品名を在庫に入れることを推奨する商品名として一覧に表示し、在庫入替推奨一覧表データを生成する。具体例を示せば、商品名に「プレミアム」の言葉を含む商品について、これに紐付けられる商品カテゴリーコードの特定桁に特定の数字を含む商品コードを付与して商品マスタデータベースに蓄積する。仮に、「プレミアムビール」の売れ行きがよい場合には、同じ「プレミアム」という言葉を含む特性コードを有する「プレミアムチョコレート」を推奨する商品名として表示する例が挙げられる。この在庫入替推奨一覧表データは、分析システムWEBサーバーを通じてアライアンス企業に設置されている分析コンピュータからブラウザを通じて閲覧可能となっている。これにより、アライアンス企業は店の在庫管理について、上位品、期間限定品、増量品など会員に好まれる商品特性を有する商品を仕入れることができるようになる。
【0061】
これらの、購買動向分析システムサーバーが行う在庫管理システムは、デシル分析、時系列分析さらには、エリア毎の購買動向分析と組み合わせて、会員のランク別の推奨する商品名、時系列別の推奨する商品名、エリア別の推奨する商品名のデータ生成もすることができるようになっている。
【0062】
購買動向分析システム1によれば、アライアンス企業は、所望の分析の種類を選択することができ、会員の購買動向を詳細に分析し、分析結果を可視化した情報としてアライアンス企業に提供することができる。また、当該システムを複数のアライアンス企業を跨いだシステムとして構築することで、ある企業の購買動向分析に別の企業の購買動向分析の結果を加味して提供することができる。それにより、自社のみにデータを用いた購買動向分析よりも、より精度の高いマーケティング意思決定を導くことができる。尚、購買動向分析システム1は、既存のポイント付与システムを利用して構築することができる。また、上述のように在庫管理システムを構築することが可能であり、購買動向分析データに基づいて顧客の購買行動に即した在庫管理を提案することもできる。
【0063】
本実施例では、一つのアライアンス企業の購買動向分析を例に説明したが、図2に示すように、購買動向分析システム1は複数のアライアンス企業に亘って構築することができる。
【符号の説明】
【0064】
1 購買動向分析システム
2 アライアンス端末
21 リアル処理システムサーバー
22 バッチ処理システムサーバー
23 POS端末
24,25 データベース
3 分析装置
31 ポイントシステムサーバー
32 分析システムデータサーバー
33 分析システムWEBサーバー
34 リコメンドシステムサーバー
35,36データベース
4 分析端末
41 分析用コンピュータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26