(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5893973
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】カートリッジ
(51)【国際特許分類】
B65D 51/28 20060101AFI20160310BHJP
【FI】
B65D51/28 A
【請求項の数】12
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-62420(P2012-62420)
(22)【出願日】2012年3月19日
(65)【公開番号】特開2013-193765(P2013-193765A)
(43)【公開日】2013年9月30日
【審査請求日】2014年10月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(72)【発明者】
【氏名】杉 麻実子
(72)【発明者】
【氏名】相部 かおり
【審査官】
谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】
特開平9−255047(JP,A)
【文献】
特開平10−59427(JP,A)
【文献】
特表2008−514514(JP,A)
【文献】
特開2009−67412(JP,A)
【文献】
特開2007−290755(JP,A)
【文献】
米国特許第7882976(US,B1)
【文献】
米国特許第6840373(US,B1)
【文献】
英国特許出願公開第1479370(GB,A)
【文献】
国際公開第2011/029731(WO,A1)
【文献】
特表2010−521381(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/115709(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/28
B65D 81/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
添加物を収容する第一の部材と切断手段を備えた第二の部材とから構成されたカートリッジにして、
該第一の部材は、円形上面壁と該上面壁の周縁から垂下する円筒形側壁とを有し、下面は開口されている収容体と該収容体の該下面を閉塞するための切断可能な閉塞片とを備え、
該第二の部材は、上面及び下面は開口されている円筒体から構成されており、該切断手段は該円筒体の内側に周方向に間隔をおいて配設された複数個の切断片から構成されており、該切断片の各々は該円筒体の中心に位置する内側先端から半径方向外方に向かって下方に傾斜して延び、次いで半径方向外方に向かって上方に傾斜して外側先端まで延びる放射状切断縁と共に、該外側先端乃至その近傍から周方向片側のみに延びる周方向切断縁を有し、
該収容体の外周面には被係止手段が配設され、該円筒体の内周面には上方係止手段と下方係止手段とが配設されており、
該第一の部材を該円筒体の該上面を通して該円筒体内に、該閉塞片が該切断手段よりも上方に位置する組み合せ位置まで部分的に挿入すると、該被係止手段と該上方係止手段とが協働して、該第一の部材が該円筒体に対して上方に移動することが阻止され、
該第一の部材を該円筒体に対して該組み合せ位置を超えて排出位置まで下降せしめると、該切断手段が該閉塞片に作用して該閉塞片を切断し、該収容体内に収容されていた添加物が該収容体の該下面から排出されると共に、該被係止手段と該下方係止手段とが協働して該第一の部材が該円筒体に対して上方に移動することが阻止される、
ことを特徴とするカートリッジ。
【請求項2】
該切断片の各々の該周方向切断縁は該外側先端乃至その近傍から周方向片側に向かって下方に傾斜して延びる、請求項1記載のカートリッジ。
【請求項3】
該被係止手段は該収容体の外面に配設され周方向に延びる突条から構成されている、請求項1又は2記載のカートリッジ。
【請求項4】
該突条は半径方向外方に向かって上方に傾斜して延びる下面と水平に延びる上面とを有する、請求項3記載のカートリッジ。
【請求項5】
該突条は周方向に間隔をおいて複数個形成されており、該円筒体の内周面上部には周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる複数個の突起が形成されており、該第一の部材が該円筒体内に該組み合せ位置まで部分的に挿入される際には、該突起が該突条間に位置せしめられ、該突起と該突条との協働によって該円筒体に対する該第一の部材の回転が阻止される、請求項3記載のカートリッジ。
【請求項6】
該上方係止手段及び該下方係止手段の各々は該円筒体の内周面に配設され周方向に延びる係止突条から構成されている、請求項3から5までのいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項7】
該収容体の外周面下部には該第一の部材が該排出位置まで下降せしめられると該円筒体の内周面に密接せしめられる環状シール突条が配設されている、請求項1から6までのいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項8】
該円筒体内には、周方向において該切断片の各々の該周方向切断縁と該周方向切断縁が延出する該周方向片側の隣接する切断片との間に位置する、切断された該閉塞片を上方に変位するための弧状拘束片が配設されている、請求項1から7までのいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項9】
該拘束片の各々の外周面は該周方向切断縁よりも半径方向内側に位置し、該拘束片の各々の上端は該放射状切断縁及び該周方向切断縁よりも下方に位置する、請求項8記載のカートリッジ。
【請求項10】
該収容体の外周面上部には該収容体の外周面に沿って周方向に延びる弧状片が分離可能に接続されており、該第一の部材が該組み合せ位置に該円筒体内に部分的に挿入されると、該弧状片が該円筒体の上端に当接し、該第一の部材が該円筒体に対して該組み合せ位置を超えて下降することが阻止される、請求項1から9までのいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項11】
該円筒体にはその上端から軸線方向下方に延びるスリットが形成されており、該収容体の外周面上部には軸線方向に延びる突出片が形成されており、該円筒体に対して該第一の部材を該組み合せ位置を超えて下降せしめる際には、該突出片が該スリット内に進入し、該第一の部材が該円筒体に対して該排出位置にせしめられると、該突出片の下端が該スリットの下端に当接乃至近接する、請求項1から10までのいずれかに記載のカートリッジ。
【請求項12】
該円筒体の内周面には該切断手段よりも下方に位置する雌螺条が形成されている、請求項1から11までのいずれかに記載のカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に収容されている液体の如き内容物に混入すべき添加物を収容したカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1及び2に開示されている如く、容器内に収容されている内容物(通常は液体)に添加すべき添加物(通常は粉体或いは液体)を蓋に収容し、容器内の内容物を消費する際に蓋を適宜に操作することによって、蓋に収容されている添加物を排出して容器内の内容物に混入することができるように構成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−292013号公報
【特許文献2】特開2005−088997号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
而して、上述したとおりの従来の提案には、次のとおりの解決すべき問題がある。第一に、蓋自体に添加物を収容するための収容部を一体に形成しているため、内容物を収容している容器とは別個に添加物を流通せしめることができない。第二に、蓋は容器の口頸部を密封するための通常の蓋としても使用され、従って容器の口頸部に装着し続ける故に、長期間に渡って保存され続けると容器内の内容物由来の水分が、蓋の収容部を規定している部位を透過して添加物が湿気により劣化してしまう傾向がある。
【0005】
上記のとおりの事実に鑑み、本発明者等は、先に、特願2011−117393において、通常の蓋によって口頸部が密封されている容器とは別個に流通せしめられ、口頸部が開封された容器に適用して容器内の内容物に添加物を添加することができる、新規且つ改良されたカートリッジを提示した。かかるカートリッジは
添加物を収容する第一の部材と切断手段を備えた第二の部材とから構成されている。第一の部材は、円形上面壁とこの上面壁の周縁から垂下する円筒形側壁とを有し、下面は開口されている収容体と、この収容体の下面を閉塞するための切断可能な閉塞片とを備え、収容体に
添加物を収容した後に収容体の下面に閉塞片が付設されて収容体の下面が閉塞される。第二の部材は、上面及び下面は開口されている円筒体から構成されており、切断手段は円筒体の内側に周方向に間隔をおいて配設された複数個の切断片から構成されており、切断片の各々は円筒体の中心に位置する内側先端から半径方向外方に向かって下方に傾斜して延び、次いで半径方向外方に向かって上方に傾斜して外側先端まで延びる放射状切断縁を有する。収容体の外周面には被係止手段が配設され、円筒体の内周面には上方係止手段と下方係止手段とが配設されており、第一の部材を円筒体の上面を通して該円筒体内に、閉塞片が切断手段よりも上方に位置する組み合せ位置まで部分的に挿入すると、被係止手段と上方係止手段とが協働して、第一の部材が該円筒体に対して上方に移動することが阻止される。第一の部材を円筒体に対して組み合せ位置を超えて排出位置まで下降せしめると、切断手段が閉塞片に作用して閉塞片を切断し、収容体内に収容されていた
添加物が収容体の下面から排出されると共に、被係止手段と下方係止手段とが協働して第一の部材が円筒体に対して上方に移動することが阻止される。
【0006】
而して、本発明者等の経験によれば、本発明者等が提示した上述したとおりのカートリッジも未だ充分に満足し得るものではなく、切断手段の作用によって閉塞片を切断して閉塞片を適宜に変位せしめ、かくして収容体内に収容されている
添加物を排出する際に、過大な力を必要とする傾向があることが判明している。
【0007】
従って、本発明の主たる技術的課題は、本発明者等が提示して上述したとおりのカートリッジに更に改良を加え、過大な力を必要とすることなく切断手段の作用によって閉塞片を切断して閉塞片を適宜に変位せしめることができるカートリッジを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、切断手段を構成する切断片の各々に、円筒体の中心に位置する内側先端から半径方向外方に向かって下方に傾斜して延び、次いで半径方向外方に向かって上方に傾斜して外側先端まで延びる放射状切断縁に加えて、放射状切断縁の外側先端乃至その近傍から周方向片側のみに延びる周方向切断縁を付加することによって、上記主たる技術的課題が達成される。
【0009】
即ち、本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成するカートリッジとして、
添加物を収容する第一の部材と切断手段を備えた第二の部材とから構成されたカートリッジにして、
該第一の部材は、円形上面壁と該上面壁の周縁から垂下する円筒形側壁とを有し、下面は開口されている収容体と該収容体の該下面を閉塞するための切断可能な閉塞片とを備え
、
該第二の部材は、上面及び下面は開口されている円筒体から構成されており、該切断手段は該円筒体の内側に周方向に間隔をおいて配設された複数個の切断片から構成されており、該切断片の各々は該円筒体の中心に位置する内側先端から半径方向外方に向かって下方に傾斜して延び、次いで半径方向外方に向かって上方に傾斜して外側先端まで延びる放射状切断縁と共に、該外側先端乃至その近傍から周方向片側のみに延びる周方向切断縁を有し、
該収容体の外周面には被係止手段が配設され、該円筒体の内周面には上方係止手段と下方係止手段とが配設されており、
該第一の部材を該円筒体の該上面を通して該円筒体内に、該閉塞片が該切断手段よりも上方に位置する組み合せ位置まで部分的に挿入すると、該被係止手段と該上方係止手段とが協働して、該第一の部材が該円筒体に対して上方に移動することが阻止され、
該第一の部材を該円筒体に対して該組み合せ位置を超えて排出位置まで下降せしめると、該切断手段が該閉塞片に作用して該閉塞片を切断し、該収容体内に収容されていた
添加物が該収容体の該下面から排出されると共に、該被係止手段と該下方係止手段とが協働して該第一の部材が該円筒体に対して上方に移動することが阻止される、
ことを特徴とするカートリッジが提供される。
【0010】
好ましくは、該切断片の各々の該周方向切断縁は該外側先端乃至その近傍から周方向片側に向かって下方に傾斜して延びる。該被係止手段は該収容体の外面に配設され周方向に延びる突条から構成されているのが好適であり、該突条は半径方向外方に向かって上方に傾斜して延びる下面と水平に延びる上面とを有するのが好都合である。該突条は周方向に間隔をおいて複数個形成されており、該円筒体の内周面上部には周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる複数個の突起が形成されており、該第一の部材が該円筒体内に該組み合せ位置まで部分的に挿入される際には、該突起が該突条間に位置せしめられ、該突起と該突条との協働によって該円筒体に対する該第一の部材の回転が阻止されるのが好ましい。該上方係止手段及び該下方係止手段の各々は該円筒体の内周面に配設され周方向に延びる係止突条から構成されているのが好適である。好ましくは、該収容体の外周面下部には該第一の部材が該排出位置まで下降せしめられると該円筒体の内周面に密接せしめられる環状シール突条が配設されている。該円筒体内には
、周方向において該切断片の各々の該周方向切断縁と該周方向切断縁が延出する
該周方向片側の隣接する切断片との間に位置する
、切断された該閉塞片を上方に変位するための弧状拘束片が配設されているのが好ましく、該拘束片の各々の外周面は該周方向切断縁よりも半径方向内側に位置し、該拘束片の各々の上端は該放射状切断縁及び該周方向切断縁よりも下方に位置するのが好都合である。好ましくは、該収容体の外周面上部には該収容体の外周面に沿って周方向に延びる弧状片が分離可能に接続されており、該第一の部材が該組み合せ位置に該円筒体内に部分的に挿入されると、該弧状片が該円筒体の上端に当接し、該第一の部材が該円筒体に対して該組み合せ位置を超えて下降することが阻止される。該円筒体にはその上端から軸線方向下方に延びるスリットが形成されており、該収容体の外周面上部には軸線方向に延びる突出片が形成されており、該円筒体に対して該第一の部材を該組み合せ位置を超えて下降せしめる際には、該突出片が該スリット内に進入し、該第一の部材が該円筒体に対して該排出位置にせしめられると、該突出片の下端が該スリットの下端に当接乃至近接するのが好適である。該円筒体の内周面には該切断手段よりも下方に位置する雌螺条が形成されているのが好都合である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のカートリッジにおいては、複数個の切断片の各々が放射状切断縁と共に周方向切断縁を備えており、第一の部材を組み合せ位置から排出位置に下降せしめる際に、閉塞片は複数部位で放射状に切断されると共に外周縁部に沿った複数部位で周方向にも切断される故に、過剰な力を必要とすることなく切断された閉塞片を充分円滑且つ容易に変位せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に従って構成されたカートリッジの好適実施形態における第一の部材を示す斜面図。
【
図3】本発明に従って構成されたカートリッジの好適実施形態における第二の部材を示す斜面図。
【
図4】
図3に示す第二の部材に配設されている切断手段を示す部分斜面図。
【
図5】
図1に示す第一の部材を
図3に示す第二の部材に部分的に挿入して組み合せ位置にせしめて、容器の口頸部に装着した状態を示す断面図。
【
図6】
図5に示す状態から第一の部材を排出位置まで下降せしめた後の状態を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に従って構成されたカートリッジの好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0014】
本発明に従って構成されたカートリッジの好適実施形態は、
図1に示す第一の部材2と
図3に示す第二の部材4とから構成されている。
【0015】
図1及び
図2と共に
図5を参照して説明すると、第一の部材2は、ポリエチレン又はポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出成形することができる収容体6と、アルミニウム箔、合成樹脂膜或いはアルミニウム箔と合成樹脂膜との積層体から形成することができる閉塞片8(
図5も参照されたい)とから構成されている。収容体6は円形上面壁10とこの上面壁10の周縁から垂下する円筒形側壁12とを有し、下面は開口されている。側壁12の外周面における軸線方向中間部には環状フランジ14が形成されている。側壁12の外周面における環状フランジ14よりも上方の部位には、軸線方向に延びる突出片16が形成され、そして更に突出片16が配設されている部位を除いて外周面に沿って周方向に延びる弧状片18が形成されている。弧状片18は側壁12から比較的大きく離隔した上流端部20と側壁12に近接して延在する主部22とを有する。弧状片18の上流端部20は半径方向に延びる接続片24を介して側壁12に接続されている。接続片24の半径方向内側端には断面積が低減されて易破断部が形成されている。弧状片18の主部22の下端縁と側壁12との間には周方向に延在する接続壁26が配設されており、この接続壁26の半径方向内側縁部は肉厚が低減されている(
図5も参照されたい)。側壁12の外周面下部には被係止手段28が配設されていることが重要である。図示の実施形態においては、被係止手段28は周方向間隔をおいて配設され周方向に延びる複数個の突条30から構成されている。
図5を参照することによって明確に理解される如く、突条30の各々は、半径方向外方に向かって上方に傾斜して延びる下面と実質上水平に延びる上面とを有する。側壁12の外周面には、更に、突条30の下方を周方向に連続して延びる環状シール突条32も形成されている。閉塞片8は円板形状であり、収容体6の開口されている下面を通して液体或いは粉体でよい添加物(図示していない)を収容体6内に収容した後に、加熱溶着或いは適宜の接着剤による接着によって収容体6の側壁12の下端面に接合され、収容体6の下面を閉塞する。
【0016】
図3及び
図5を参照して説明を続けると、ポリエチレン或いはポリプロピレンの如き適宜の合成樹脂から射出成形することができる第二の部材4は全体として略円筒形状であり、その上面及び下面は開口されている円筒体34から構成されている。円筒体34は上部36、中間部38及び下部40を含んでおり、
図5を参照することによって明確に理解されるとおり、中間部38の外周面及び内周面は下方に向かって半径方向外方に傾斜する円錐台形状であり、円筒体34の上部36の外径及び内径は下部40の外径及び内径よりも幾分小さく設定されている。上部36の所定角度部位にはその上端縁から下方に延びるスリット42が形成されている。上部36の内周面下端部の内径は内周面主部の内径よりも若干小さく、そして上部36の下端部には必要材料の低減等のためにその下端から上方に延在する環状凹所44(
図5)が形成されている。上部36の外周面には周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる多数の突条から構成されたローレット46が形成されている。上部36の内周面上部には周方向に間隔をおいて軸線方向に延びる複数個の突起48が形成されている。かかる突起48の数は上記第一の部材2の側壁12の外周面に配設されている突条30の数より1個多く、突起48の周方向間隔は突条30の各々の周方向長さに対応している。上部36の内周面には、軸線方向に
間隔をおいて上方係止手段50及び下方係止手段52が配設されていることが重要である。図示の実施形態においては、上方係止手段50は上記突起48間の(上記スリット42の部位を除く)全ての間隙を周方向に延びる複数個の係止突条54から構成されており、下方係止手段52は上記突起48間の一個おきの間隙を周方向に延びる係止突条56から構成されている。
図5に明確に図示する如く、円筒体34の下部40の内周面には雌螺条58が形成されている。また、円筒体34内には上部36の下端から下方に延出する環状シール片60も配設されている。
【0017】
第二の部材4を構成する円筒体34内には切断手段62が配設されていることが重要である。
図3及び
図5と共に
図4を参照して説明すると、図示の実施形態においては、円筒体34の上部36の内周面下端部には半径方向内方に突出する環状フランジ64が付設されており、かかる環状フランジ64に周方向に等間隔をおいて複数個、図示の場合は6個、の切断片66が配設されている。切断手段62を構成する切断片66の各々は、環状フランジ64から半径方向内側に放射状に延出し、各切断片66の半径方向内側縁は円筒体34の中心軸線上で相互に合体されている。
図4を参照することによって明確に理解される如く、切断片66の各々は実質上鉛直に上方に延び、その上端縁には円筒体34の中心に位置する内側先端68aから半径方向外方に向かって下方に傾斜して延び、次いで半径方向外方に向かって上方に傾斜して外側先端68bまで延びる放射状切断縁68を有する。内側先端68aと外側先端68bは実質上同高でよい。切断片66の各々は放射状に延びる部分のみならず半径方向外側縁から周方向片側のみに延びる部分を有し、上記放射状切断縁68の外側先端68b乃至その近傍から周方向片側のみに延びる周方向切断縁70も有している。図示の実施形態においては、周方向切断縁70の各々は放射状切断縁68の外側先端68bより若干下方の位置から
図4における時計周方向下流側に向かって下方に傾斜して延在している。なお、周方向切断縁70の各々は放射状切断縁68の外側先端68bより若干下方の位置から
図4における時計周方向上流側に向かって下方に傾斜して延在してもよい。
【0018】
図4に明確に図示するとおり、図示の実施形態においては、隣接する切断片66間に位置する弧状拘束片72も配設されている。拘束片72の各々は切断片66の周方向切断縁70と前記周方向切断縁70が延出する
図4における時計周方向下流側に隣接する切断片66との間で周方向に延びている。なお、周方向切断縁70の各々が放射状切断縁68の外側先端68bより若干下方の位置から
図4における時計周方向上流側に向かって下方に傾斜している場合は、拘束片72の各々は切断片66の周方向切断縁70と前記周方向切断縁70が延出する
図4における時計周方向上流側に隣接する切断片66との間で周方向に延びている。拘束片72の下端縁は上記環状フランジ64の半径方向内側縁部に接続されており、拘束片72の各々の外周面は切断片66の周方向切断縁70よりも幾分半径方向内側に位置し、拘束片72の各々の上端は切断片66の放射状切断縁68及び周方向切断縁70よりも幾分下方に位置するのが好適である。
【0019】
図1乃至
図5、主として
図5を参照して説明を続けると、上述した第一の部材2と第二の部材4とは
図5に図示するとおりに組み合せて流通される。詳述すると、第二の部材4を構成する円筒体34の開口した上面を通して第一の部材2を円筒体34内に挿入し、第一の部材2の略下半部が円筒体34内に位置する
図5に図示する状態、即ち組み合せ位置に位置せしめる。この際には、第一の部材2の突起16を第二の部材4のスリット42内に位置せしめ、第一の部材2の突条30の各々を周方向において第二の部材4の突起48間に位置せしめる。突条48と突起30の協働によって第二の部材4に対して第一の部材2が回転することが阻止される。第一の部材2を第二の部材4内に挿入して
図5に図示する状態まで下降する間には、被係止手段28を構成する突条30が上方係止手段50を構成する係止突条54を弾性的に乗り越えて突条30が係止突条54の下方に位置し、これによって第二の部材4に対して第一の部材2が
図5に図示する組み合せ位置よりも上方に移動することが阻止される。第一の部材2に配設されている環状フランジ14の外径は円筒体34の上部36の内周面に形成されている複数個の突起48の内側縁によって規制される円形の直径に対応しており、環状フランジ14と複数個の突起48との協働によって円筒体34に対する第一の部材2の横方向の所謂がたつきが防止される。また、
図5に図示する状態においては、弧状片18の下端に位置する接続壁26が円筒体34の上端縁に当接し、これによって第二の部材4に対して第一の部材2が
図5に図示する組み合せ位置を超えて更に下降することが阻止される。
【0020】
カートリッジを購入した消費者が収容体6内に収容されている添加物を消費する際の典型的消費様式は、次のとおりである。
図5に図示する如く、例えば天然水の如き液体である内容物を収容している適宜の容器、例えばポリエチレンテレフタレート製の容器、の口頸部74に装着されている容器蓋(図示していない)を口頸部74から離脱せしめる。周知の形態でよい容器の口頸部74の外周面には雄螺条76が形成されている。次いで、
図5に図示する如く、第二の部材4を構成する円筒体34の下部40を容器の口頸部74に被嵌し、
図5において上方から見て時計方向に第二の部材4(及び第一の部材2)を回転せしめて、円筒体34の下部40の内周面に形成されている雌螺条58を口頸部74の雄螺条76に螺合せしめる。雌螺条58と雄螺条76とを所要とおりに螺合せしめると、
図5に図示する如く、円筒体34の上部36の内周面下端に配設されている環状フランジ64の下面が口頸部74の頂面に当接せしめられ、そしてまた円筒体34の上部36の下端から垂下する環状シール片60が口頸部74の外周面上端部に密接せしめられ、これによって口頸部74がシールされる。
【0021】
次いで、第一の部材2における収容体6の外周面に付設されている弧状片18を、その上流端部20を把持して半径方向外方に強制して接続片24の半径方向内側端の易破断部を破断し、次いで上流端部20を半径方向外方及び周方向下流側に向けて強制して接続壁26の薄肉部位を破断することによって、収容体6から離脱せしめる。しかる後に、例えば収容体6の上面壁10を押圧することによって第一の部材2を
図6に図示する排出位置まで下降せしめる。この際には、第一の部材2の被係止手段28を構成する突条30が下方係止手段52を構成する係止突条56を弾性的に乗り越えて突条30が係止突条56の下方に位置し、これによって第二の部材4に対して第一の部材2が
図6に図示する排出位置よりも上方に移動することが阻止される。加えて、第一の部材2が
図6に図示する排出位置まで下降せしめられる際には、第二の部材4に配設されている切断手段62が、第一の部材2を構成する収容体6の側壁12の下端に接合されている閉塞片8に作用して閉塞片8を切断する。更に詳しくは、切断手段62を構成する切断片66の各々は、半径方向に離隔して位置する内側先端68a及び外側先端68bから閉塞片8に作用し始め、これによって閉塞片8の弛みを充分に抑制し、充分容易に且つ過大な力を必要とすることなく閉塞片8の破断を開始する。そして、切断片66の放射状切断縁68によって閉塞片8によって複数個の放射状切り目を生成すると共に周方向切断縁70によって閉塞片8に複数個の周方向切れ目を生成する。そして、閉塞片8の上記のとおりの切断が進行した後に、複数個の弧状拘束片72が閉塞片8に作用して閉塞片8を上方に変位し、かくして収容体6内から容器の口頸部74内に通じる排出路が生成され、収容体6内に収容されていた内容物即ち添加物(図示していない)が容器内に収容されている内容物に混入される。閉塞片8には複数個の放射状切れ目と共に複数個の周方向切れ目が生成されている故に、拘束片72の作用によって充分容易に閉塞片8を上方に変位せしめて所要排出路を生成することができる。
図6に明確に図示するとおり、第二の部材4に対して第一の部材2が
図6に図示する排出位置まで下降せしめられると、第一の部材2の収容体6の側壁12の外周面下部に形成されている環状シール突条32が第二の部材4を構成する円筒体34の上部36の内周面下部に密接せしめられ、かくして収容体6と円筒体34との間が密封される。また、収容体6の側壁12に配設されている突出片16の下端が円筒体34の上部36に形成されているスリット42の下端に当接乃至近接し、これによって消費者は第二の部材4が第一の部材2に対して
図6に図示する排出位置まで下降せしめられたことを視覚的に確認することができる。
【0022】
収容体6内に収容されていた添加物の実質上全てが排出されて容器内に収容されている内容物に混入された後においては、必要に応じて容器を適宜に振って添加物を内容物に充分に混合し、しかる後に第二の部材4を
図6において上方から見て反時計方向に回転せしめて第二の部材4及び第一の部材2を容器の口頸部74から離脱せしめ、容器内の内容物を消費することができる。
【符号の説明】
【0023】
2:第一の部材
4:第二の部材
6:収容体
8:閉塞片
10:収容体の円形上面壁
12:収容体の円筒形側壁
16:突出片
18:弧状片
28:被係止手段
30:突条(被係止手段)
32:環状シール突条
34:円筒体
42:スリット
48:突起
50:上方係止手段
52:下方係止手段
54:係止突条(上方係止手段)
56:係止突条(下方係止手段)
58:雌螺条
62:切断手段
66:切断片
68:放射状切断縁
68a:内側先端
68b:外側先端
70:周方向切断縁
72:拘束片