特許第5894064号(P5894064)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5894064帳票表示システム、帳票表示装置、及び帳票表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5894064
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】帳票表示システム、帳票表示装置、及び帳票表示方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20120101AFI20160310BHJP
   G06K 9/00 20060101ALI20160310BHJP
   G06K 9/03 20060101ALI20160310BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20160310BHJP
【FI】
   G06Q40/02 170
   G06K9/00 K
   G06K9/03 J
   G06T11/60 100C
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-271876(P2012-271876)
(22)【出願日】2012年12月13日
(65)【公開番号】特開2014-119767(P2014-119767A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2015年3月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立オムロンターミナルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】横村 克也
(72)【発明者】
【氏名】桑原 昌也
(72)【発明者】
【氏名】前川 俊介
(72)【発明者】
【氏名】杉山 智之
【審査官】 青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−57049(JP,A)
【文献】 特開平01−121987(JP,A)
【文献】 特開2006−072919(JP,A)
【文献】 特開2005−284758(JP,A)
【文献】 特開2001−202466(JP,A)
【文献】 特開2000−242855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06Q 10/00−50/34
G06K 9/00
G06K 9/03
G06T 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帳票のイメージ情報から帳票に記載された文字を帳票文字情報として認識する文字認識手段と、
口座情報、及び手数料に関する手数料関連情報のうち少なくとも一方から成る帳票要部情報を抽出する基準となる帳票要部抽出基準情報を記憶する記憶手段と、
前記帳票要部抽出基準情報を基に、前記帳票文字情報の中から前記帳票要部情報を抽出する抽出手段と、
前記帳票文字情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記帳票文字情報の中から前記帳票要部情報を強調して表示するように制御する表示態様制御手段を備え、
前記表示態様制御手段には、前記帳票要部情報を順番付けして表示するように制御する機能を備えた
帳票表示装置。
【請求項2】
前記表示態様制御手段を、
前記表示手段に表示された帳票のイメージ情報上において前記帳票要部情報を順番付けして表示可能に構成した
請求項1に記載の帳票表示装置。
【請求項3】
前記表示態様制御手段を、
前記帳票要部情報同士を連結した形で順番付けして表示可能に構成した
請求項1または2に記載の帳票表示装置。
【請求項4】
前記手数料関連情報には、手数料情報を含むことを特徴とする
請求項1乃至3のうちいずれかに記載の帳票表示装置。
【請求項5】
帳票表示装置と上位装置とをネットワークを介して接続した帳票表示システムであって、
上位装置に、
口座情報と手数料に関する手数料関連情報とのうち少なくとも一方から成る帳票要部情報を抽出する基準となる帳票要部抽出基準情報を記憶する記憶手段を備え、
前記帳票表示装置に、
帳票のイメージ情報から帳票に記載された文字を帳票文字情報として認識する文字認識手段と、
前記帳票要部抽出基準情報を基に、前記帳票文字情報の中から前記帳票要部情報を抽出する抽出手段と、
前記帳票文字情報を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記帳票文字情報の中から前記帳票要部情報を強調して表示するように制御する表示態様制御手段を備え、
前記表示態様制御手段には、前記帳票要部情報を順番付けして表示するように制御する機能を備えた
帳票表示システム。
【請求項6】
帳票のイメージ情報から帳票に記載された文字を帳票文字情報として認識する文字認識処理と、
口座情報と手数料に関する手数料関連情報とのうち少なくとも一方から成る帳票要部情報を抽出する基準となる帳票要部抽出基準情報を基に、前記帳票文字情報の中から前記帳票要部情報を抽出する抽出処理と、
前記帳票文字情報を表示する表示処理と、
前記表示処理によって表示された前記帳票文字情報の中から前記帳票要部情報を強調して表示するように制御する表示態様制御処理とを行い、
前記表示態様制御手段では、前記帳票要部情報を順番付けして表示するように制御する処理を行うことを特徴とする
帳票表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、銀行等の金融機関で取扱う税公金の支払い帳票や振込み帳票において、その帳票イメージ等を利用者に表示する帳票表示システム、帳票表示装置、及び帳票表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、オーギュメンテッド・リアリティ(別名「拡張現実」)の技術が社会に浸透し始めている。例えば、自動車に搭載するカーナビである。現実空間の上に仮想空間での情報を重ね合せ表示し、従来よりもわかりやすい情報として利用者に、道案内の情報を提供している。
【0003】
その他にも、この技術は、銀行で取扱う税公金や振込帳票の画像上に、コンピュータで処理した結果を表示させ、その帳票を取扱う利用者にわかりやすく表示させるなど様々な分野において活かされている。
【0004】
下記特許文献1の「文書管理システム」も上述したオーギュメンテッド・リアリティの技術を活かした発明の1つである。
特許文献1の「文書管理システム」は、検索結果ハイライトが確実にできる文書管理システムであり、画像を入力する画像入力モジュールと、入力された画像中から文字列を抽出する文字抽出モジュールと、抽出された文字列から単語を抽出する単語抽出モジュールと、抽出された単語をインデックスとして登録し、文書検索を行う検索モジュールと、キーワードを入力する検索条件入力モジュールと、キーワードによる検索結果から文書表示を行う際にキーワードもしくは正規化されたキーワードによるヒット文字列を抽出して表示する検索結果表示モジュールと、抽出したヒット文字列と正規化されたキーワードに基づいて、キーワードの位置情報を計算して画像に登録する属性情報を作成する画像属性作成モジュールと画像上の単語をハイライト表示する単語ハイライトモジュールと検索結果より文書を選択して表示する画像表示モジュールとを、備えて構成される。
【0005】
特許文献1の「文書管理システム」によれば、任意の文字列の入力を受け付け、前記文字列を確実に抽出してハイライト表示することができる。
【0006】
一方、金融機関で取扱う、税公金や振込の帳票の場合、例えば、帳票を用いて金額の振込みをする場合などの帳票処理をする際には、銀行へ支払う手数料に関する手数料関連情報を利用者に認識してもらうことが重要であるとともに、この手数料関連情報は口座情報とリンクしていることがある。このため、これら帳票の記載の中でも、手数料関連情報と口座情報が利用者にとって最も関心のある情報となるが、帳票には直接、帳票処理の際には関係のない文字や、読み難い小さな文字も含めて沢山の文字が羅列されていることが多いため、迅速に口座情報や手数料関連情報といった情報のみを迅速、且つ正確に把握することが困難であった。
【0007】
しかし、特許文献1の「文書管理システム」の技術的思想を、金融機関で取扱う、税公金や振込の帳票に適用した場合、口座情報や手数料関連情報といった情報は、帳票内に複数個所に亘って記載されている場合もあり、その中で、これら口座情報や手数料関連情報といった情報を迅速、且つ正確に把握するために、特許文献1の「文書管理システム」のように、単にハイライト表示するだけでは、不十分であると言わざるを得なかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−58605号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、金融機関で取扱う、税公金や振込の帳票を扱う利用者に対して、帳票に記載された文字の中から口座情報や手数料関連情報を分かり易く表示することができる帳票表示システム、帳票表示装置、及び帳票表示方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、帳票のイメージ情報から帳票に記載された文字を帳票文字情報として認識する文字認識手段と、口座情報、及び手数料に関する手数料関連情報のうち少なくとも一方から成る帳票要部情報を抽出する基準となる帳票要部抽出基準情報を記憶する記憶手段と、前記帳票要部抽出基準情報を基に、前記帳票文字情報の中から前記帳票要部情報を抽出する抽出手段と、前記帳票文字情報を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された前記帳票文字情報の中から前記帳票要部情報を強調して表示するように制御する表示態様制御手段を備え、前記表示態様制御手段には、前記帳票要部情報を順番付けして表示するように制御する機能を備えたことを特徴とする。
【0011】
上述した発明によれば、前記帳票要部情報を強調して表示するとともに、順番付けして表示できるため、単に表示する場合と比較して、たとえ複数あっても金融機関で取扱う、税公金や振込の帳票を扱う利用者に対して、帳票に記載された文字の中から口座情報や手数料関連情報を分かり易く表示することができる。
【0012】
順番付けする基準は、例えば、帳票処理するうえで意味的に重要な順番付けして表示する、或いは、帳票の紙面上の上側から下側、左側から右側の順のように帳票上において記載している位置関係を基準として順番付けして表示してもよい。
さらには、このような順番付けの基準を組み合わせた基準で順番付けしてもよい。
その他、利用者が認識し易い順番付けであれば、順番を一部入れ替えて表示するなど、順番付けの基準は特に、限定しない。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、金融機関で取扱う、税公金や振込の帳票を扱う利用者に対して、帳票に記載された文字の中から口座情報や手数料関連情報を分かり易く表示することができる帳票表示システム、帳票表示装置、及び帳票表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態の帳票表示システムの構成を示すブロック図。
図2】銀行名支店名情報を記憶したファイルの概念図。
図3】科目名情報を記憶したファイルの概念図。
図4】口座番号抽出ルール情報を記憶したファイルの概念図。
図5】手数料関連情報を記憶したファイルの概念図。
図6】帳票表示システムの基本動作を説明するフローチャート。
図7図6に示したフローチャートのステップ2の詳細フローチャート。
図8】表示・入力部に表示した帳票イメージを示す説明図。
図9図6に示したフローチャートのステップ3の詳細フローチャート。
図10】表示・入力部に表示した帳票イメージを示す説明図。
図11図6に示したフローチャートのステップ5の詳細フローチャート。
図12】表示・入力部に表示した帳票イメージを示す説明図。
図13】第2実施形態の帳票表示システムの構成を示すブロック図。
図14】第2実施形態の帳票表示システムの一実施例の説明図。
図15】第2実施形態の帳票表示システムの一実施例の説明図。
図16】帳票要部情報を順位付けして表示する他の表示態様の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
(第1実施形態)
図1は帳票表示システム100の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、帳票表示システム100は、ATM110(Automated Teller Machine)と上位装置であるホストコンピュータ150(以下、「ホスト150」という。)とをネットワークを介して接続したシステムである。
【0016】
ATM110は、金融機関等に設置され、顧客である利用者の操作によって現金の入金や出金等の取引を行う自動取引装置である。このATM110は、回線接続部129により上位に設けたホスト150の回線接続部161に接続されている。
【0017】
ATM110に備えた制御部111はROM112に格納されたプログラムに沿って各モジュールを制御し、その制御情報をRAM114で読出し可能に記憶する。
【0018】
この制御部111は、CPU113、ROM112、RAM114等のハード構成と、ROM112に記憶されたプログラム、データ等のソフト構成とから成り、各種処理、取引を制御する。
【0019】
さらに、制御部111は、スキャナ121、表示・入力部122、貨幣入出金部123、カード/明細票処理部124、紙幣処理部125、硬貨処理部126、音声ガイダンス部127、利用者検知センサ部128、及び、回線接続部129を接続して制御する。
【0020】
ROM112には、口座情報抽出プログラム、手数料関連情報抽出プログラム、及び、表示態様制御プログラムなどの帳票表示処理を行うための各種プログラムが格納されている。
【0021】
CPU113は、口座情報抽出プログラム、及び手数料関連情報抽出プログラムに基づいて、帳票要部抽出基準情報を基に、帳票文字情報の中から帳票要部情報を抽出する制御を行う。
【0022】
また、CPU113は、表示態様制御プログラムに基づいて、表示・入力部122に表示された帳票文字情報の中から帳票要部情報を強調して表示するように制御するとともに、帳票要部情報を順番付けして表示するように制御する。
【0023】
すなわち、CPU113は、表示態様制御プログラムに基づいて、表示・入力部122に表示された帳票のイメージ情報上において帳票要部情報を順番付けして表示可能に制御する。
スキャナ121は、紙媒体の帳票をスキャンすることで帳票のイメージ情報から帳票に記載された文字を帳票文字情報に変換する。
なお、ここでいう帳票とは、主に銀行等の金融機関で取扱う税公金帳票や振込帳票のことである。
【0024】
表示・入力部122は、利用者のタッチ操作による入力が可能なタッチパネルディスプレイにより構成され、この表示・入力部122には、タッチ操作のための操作案内や、後述のスキャナ121により取り込んだ帳票のイメージ情報を表示する。
なお、表示・入力部122は必ずしもタッチパネルディスプレイでなくてもよく、例えば、表示のためのディスプレイと入力のための入力操作ボタンとが別々であってもよい。
【0025】
貨幣入出金部123は入出金時に硬貨取出口と紙幣取扱口とを開閉して硬貨と紙幣とを入出金処理する。
【0026】
カード/明細票処理部124は、利用者のカードの挿入又は排出動作、キャッシュカード等のカードの磁気ストライプ又はICチップへのリード又はライト動作、カードエンボス部分のイメージの読取り機能などを有する。また取引した内容を印字部により明細票に印字し、装置内から排出する明細票機構を有する。
【0027】
紙幣処理部125と硬貨処理部126は、現金の入金や出金機能、現金の鑑別や搬送、収納機能を有し、紙幣処理部125は、貨幣入出金部123としての紙幣取扱口に投入された紙幣を内部に取込んで受付け処理し、両替時に指定された金種の紙幣を紙幣取扱口に放出する。
一方、硬貨処理部126は両替時に硬貨または包装硬貨を貨幣入出金部123としての硬貨取出口に放出する。
音声ガイダンス部127は、表示・入力部122で利用者が取引を行なう際に、スピーカから音声にて取引案内のサポートを実施する機能を有する。
【0028】
利用者検知センサ部128は、ATM110の前方部に設けられ、該装置の前方の利用者が存在するか否かを検知するものである。この利用者検知センサ部128は、検知結果を制御部111に通知し、利用者の挙動に対する様々な対応を実施するものである。
【0029】
図1に示すように、ATM110と接続するホスト150は、回線接続部161を介してATM110の回線接続部129と接続され、ATM110とのデータの送信または受信を行う。
【0030】
ホスト150は、各種ファイル171〜174を記憶する記憶部162と、この各種ファイル171〜174を制御するホストコンピュータ制御部151とを有する。
【0031】
ファイル171〜174には、帳票要部情報を抽出する基準となる帳票要部抽出基準情報を格納している。
ここで、帳票要部情報とは、口座情報300,400,500と、手数料に関する手数料関連情報600とから成る情報であるが、これに限らず、口座情報300,400,500と手数料関連情報600とのうち少なくとも一方から成る情報であればよい。
【0032】
口座情報300,400,500は、例えば、銀行名、支店名、科目名、口座番号など、口座に関する情報である。ただし、これらの情報に限定せず他の口座に関する情報を口座情報300,400,500として取扱うことができる。
【0033】
手数料関連情報は、例えば、手数料情報や手数料の額に影響する店舗情報など、帳票処理するうえでの手数料に関する情報である。
【0034】
帳票要部抽出基準情報は、銀行名支店名情報、科目名情報、或いは、分類などに属し、キーワード検索により抽出するためのキーワード情報や、口座番号抽出ルール情報500など、帳票要部情報を抽出するために見出された所定の帳票要部情報が有する特有のルール情報である。
【0035】
ファイル171〜174は、図2に示すような銀行名支店名情報300をキーワードとして記憶する銀行名支店名情報格納ファイル171と、図3に示すような科目名情報400をキーワードとして記憶する科目名情報格納ファイル172と、図4に示すような口座番号抽出ルール情報500を記憶する口座番号抽出ルール情報格納ファイル173と、図5に示すような手数料関連情報600を記憶する手数料関連情報格納ファイル174とで構成している。
【0036】
図2図3図4、及び図5は、いずれも記憶部162に記憶したファイルごとの帳票要部抽出基準情報の概念図である。
詳しくは、図2は、銀行名支店名情報300を示すテーブルであり、図3は、科目名情報400を示すテーブルであり、図4は、口座番号抽出ルール情報500を示すテーブルであり、図5は、手数料関連情報600を示すテーブルである。
【0037】
銀行名支店名情報格納ファイル171には、図2に示すように、銀行名支店名情報300が格納され、銀行名支店名情報300は、銀行名情報301と支店名情報302で構成している。
【0038】
銀行名情報301には、複数の銀行名が格納され、支店名情報302には、銀行名情報301に含まれる銀行が有する複数の支店名が格納されている。
【0039】
科目名情報格納ファイル172には、図3に示すように、科目名情報400として、普通、或いは当座をキーワード401として格納している。
【0040】
口座番号抽出ルール情報格納ファイル173には、図4に示すように、口座番号特有の数字列情報として、所定の数列や、7つの数字が連続している場合に、口座番号として抽出するプログラム501を口座番号抽出ルール情報500として格納している。
【0041】
手数料関連情報格納ファイル174には、図5に示すように、手数料情報、店舗情報、金額情報の3種類に分類して、それぞれの分類601ごとにキーワード602を格納している。具体的には、手数料情報は、手数料、料金、手続き料の3つのキーワードから成る。店舗情報は、本店、支店、本支店、〇〇銀行の4つのキーワードから成る。金額情報は、有料、無料、金額、円の4つのキーワードから成る。
【0042】
なお、ファイルは、上述したファイル171〜174に限定せず、その他のファイルで構成してもよい。すなわち、上述したファイルに格納したキーワードやルール以外の情報を格納してもよい。
すなわち、口座情報300,400,500と手数料関連情報600の具体的な項目は図2図5中の内容に限定せず、図中に示した以外の項目であってもよい。
【0043】
続いて、利用者である客がATM110を用いて振込み手続きを行う際の帳票表示システム100による帳票表示動作の主な動作について図6のフローチャートを用いて説明する。図6は帳票表示システム100の主要な動作を示す基本フローチャートである。
【0044】
なお、制御部111は、先ず、利用したいサービスを利用者に選択させるためのサービス項目選択画面を表示・入力部122に表示させ、利用者が表示・入力部122において、振込み処理を選択すると、音声ガイダンス部127によって、客に、スキャナ121の上に振込み用紙を供するように促し、客がスキャナ121の上に振込み用紙を供したことにより、帳票表示システム100による帳票表示動作が開始する。
【0045】
制御部111は、文字認識処理としてスキャナ121で振込み用紙をスキャンし、そのスキャンしたイメージ帳票上の全ての文字を認識する(ステップ1)。
【0046】
制御部111は、口座情報抽出処理として口座情報抽出プログラムに基づいてステップ1で文字認識した結果から口座情報300,400,500を抽出する(ステップ2)。
【0047】
制御部111は、手数料関連情報抽出処理として手数料関連情報抽出プログラムに基づいてステップ1で文字認識した結果から手数料に関連する手数料関連情報600を抽出する(ステップ3)。
【0048】
制御部111は、ハイライト表示処理として表示態様制御プログラムに基づいて、表示・入力部122に表示された帳票のイメージ情報上において、帳票に記載された文字情報の中から帳票要部情報として、口座情報300,400,500と手数料関連情報600を利用者にわかり易いように、該当する表示部分の背景色をハイライト表示するなどして強調表示するように制御する(ステップ4)。
【0049】
さらに、制御部111は、順位付け処理としてステップ2で抽出した口座情報300,400,500やステップ3で抽出した手数料関連情報600を、順番付けするように線で結ぶ形態で表示・入力部122上に表示をする(ステップ5)。
【0050】
以下、帳票表示システム100の動作の中でも上述したステップ2、3、及び5の動作について詳述する。
【0051】
まず、ステップ2で行う動作を、図7、及び図8を用いて説明する。
なお、図7は、口座情報300,400,500を抽出するステップ(ステップ2)の詳細を示すフローチャートである。図8は表示・入力部122の画面枠801と、帳票イメージ802、口座情報300,400,500の記載枠803a、及び手数料関連情報の記載枠803bからなる振込み用紙の帳票イメージの一例を示すステップ21〜24の説明図である。
【0052】
制御部111は、記憶部162内の銀行名支店名情報格納ファイル171を、回線接続部129,161を介してホスト150から受信し、口座情報抽出プログラムに基づいて、銀行名支店名情報格納ファイル171に記憶した銀行名支店名情報300のうち銀行名情報301を基に、ステップ1で認識した帳票文字情報の中から銀行名を抽出する(ステップ21)。
【0053】
例えば、制御部111は、銀行名情報301に格納した「AA銀行」を基に、帳票文字情報の中から口座情報300,400,500の記載枠803aに記載された「AA銀行」を銀行名として抽出する(ステップ21)。また同様に、帳票イメージの中から「EE銀行」も銀行名として抽出する(ステップ21)。
【0054】
制御部111は、口座情報抽出プログラムに基づいて、銀行名支店名情報格納ファイル171に記憶した銀行名支店名情報300のうち支店名情報302を基に、ステップ1で認識した帳票文字情報の中から支店名を抽出する(ステップ22)。
【0055】
例えば、制御部111は、支店名情報302に格納した「BB支店」を基に、帳票文字情報の中から口座情報300,400,500の記載枠803aに記載された「BB支店」を支店名として抽出する(ステップ22)。また同様に、帳票イメージの中から「GG支店」も支店名として抽出する(ステップ22)。
【0056】
制御部111は、記憶部162内の科目名情報格納ファイル172を、回線接続部129,161を介してホスト150から受信し、口座情報抽出プログラムに基づいて、科目名情報格納ファイル172に記憶した科目名情報400を基に、ステップ1で認識した帳票文字情報の中から科目名を抽出する(ステップ23)。
【0057】
例えば、制御部111は、科目名情報400に格納した「普通」を基に、帳票文字情報の中から口座情報300,400,500の記載枠803aに記載された「普通」を科目名情報として抽出する(ステップ23)。
【0058】
制御部111は、記憶部162内の口座番号抽出ルール情報格納ファイル173を、回線接続部129,161を介してホスト150から受信し、口座情報抽出プログラムに基づいて、口座番号抽出ルール情報格納ファイル173に記憶した口座番号抽出ルール情報500を基に、ステップ1で認識した帳票文字情報の中から口座番号を抽出する(ステップ24)。
【0059】
例えば、制御部111は、口座番号抽出ルール情報500に格納した「数字列」「7つの数字が連続している」を基に、帳票文字情報の中から口座情報300,400,500の記載枠803aに記載された「1234567」,「7654321」を口座番号として抽出する(ステップ24)。
【0060】
上述したステップ21からステップ24までの処理により、後で行うステップ4において、図8に示すように、帳票イメージ802の中の銀行名、支店名、科目、及び口座番号の表示部分、すなわち、口座情報300,400,500の表示部分を囲われた部分804としてハイライト表示することができる。
【0061】
なお、図8中の符号804のように、口座情報300,400,500の表示部分全体を一まとめにしてハイライト表示したが、複数の口座情報300,400,500を、任意の単位ごとに分けてハイライト表示してもよい。
【0062】
続いて、ステップ3で行う動作を図9、及び図10を用いて説明する。
なお、図9は、手数料関連情報600を抽出するステップ(ステップ3)の詳細を示すフローチャートである。図10は表示・入力部122の画面枠801と、帳票イメージ802、口座情報の記載枠803a、及び手数料関連情報の記載枠803bからなる帳票イメージの一例を示すステップ31〜33の説明図である。
【0063】
制御部111は、記憶部162内の手数料関連情報格納ファイル174を、回線接続部129,161を介してホスト150から受信し、手数料関連情報抽出プログラムに基づいて、手数料関連情報格納ファイル174に記憶した手数料情報を基に、ステップ1で認識した帳票文字情報の中から銀行名を抽出する(ステップ31)。
【0064】
例えば、図10に示すように、手数料関連情報600のうち手数料情報を基に、帳票文字情報の中から手数料関連情報の記載枠803bに記載された「手数料」を抽出する(ステップ31)。
【0065】
制御部111は、手数料関連情報抽出プログラムに基づいて、手数料関連情報格納ファイル174に記憶した手数料関連情報600のうち店舗情報を基に、ステップ1で認識した帳票文字情報の中から支店名を抽出する(ステップ32)。
【0066】
例えば、図10に示すように、手数料関連情報600のうち店舗情報を基に、帳票文字情報の中から手数料関連情報の記載枠803bに記載された「本店」を抽出する(ステップ32)。
【0067】
制御部111は、手数料関連情報抽出プログラムに基づいて、手数料関連情報格納ファイル174に記憶した手数料関連情報600のうち金額情報を基に、ステップ1で認識した帳票文字情報の中から支店名を抽出する(ステップ33)。
【0068】
例えば、図10に示すように、手数料関連情報600のうち金額情報を基に、帳票文字情報の中から手数料関連情報の記載枠803bに記載された「無料」を抽出する(ステップ33)。
【0069】
上述したステップ31からステップ33までの処理により、後で行うステップ4において、図10に示すように、帳票イメージ802の中の手数料、本支店、無料の表示部分、すなわち、手数料関連情報の各表示部分を1001,1002,1003で囲われた部分としてそれぞれを個別にハイライト表示することができる。
続いてステップ5で行う動作を図11、及び図12を用いて説明する。
なお、図11は、上述した「抽出した部分を線で結び表示する」ステップ(ステップ5)の詳細フローチャートである。図12は表示・入力部122の画面枠801と、帳票イメージ802、口座情報の記載枠803a、及び手数料関連情報の記載枠803bからなる帳票イメージ例を示すステップ51〜53の説明図である。
【0070】
制御部111は、表示態様制御プログラムに基づいて、ステップ2で抽出した口座情報とステップ31で抽出した手数料に関するキーワードを線で結ぶように表示・入力部122に表示する(ステップ51)。
【0071】
具体的には、図12に示すように、表示・入力部122における画面枠801に表示された帳票イメージ802において、口座情報の表示部分804と「手数料」表示部分1001を連結する線1401を表示する(ステップ51)。
【0072】
制御部111は、表示態様制御プログラムに基づいて、ステップ31で抽出した手数料に関するキーワードと店舗情報に関するキーワードを線で結ぶように表示・入力部122に表示する(ステップ52)。
【0073】
具体的には、図12に示すように、表示・入力部122における画面枠801に表示された帳票イメージ802において、「手数料」表示部分1001と「本支店」表示部分1002を連結する線1402を表示する(ステップ52)。
【0074】
制御部111は、表示態様制御プログラムに基づいて、ステップ32で抽出した店舗情報に関するキーワードと金額情報に関するキーワードを線で結ぶように表示・入力部122に表示する(ステップ53)。
【0075】
具体的には、図12に示すように、表示・入力部122における画面枠801に表示された帳票イメージ802において、「本支店」表示部分1002と「無料」表示部分1003を連結する線1403を表示する(ステップ53)。
【0076】
上述したステップ51からステップ53までの処理により、図12に示すように、ハイライト表示した抽出箇所を、「口座情報」、「手数料」、「本支店」、「無料」のそれぞれを順に線で結ぶことによって、順位付けして表示することができる。
【0077】
このように、第1実施形態の帳票表示システム100によれば、帳票要部情報を強調して表示するとともに、順番付けして表示できるため、帳票要部情報を単にハイライト表示する場合と比較して、帳票イメージ上に帳票要部情報がたとえ複数あっても帳票要部情報の内容を迅速、且つ正確に理解することができる。
【0078】
さらに、第1実施形態の帳票表示システム100は、以下のような作用、効果を奏することができる。
上述した構成によれば、複数の帳票要部情報を、表示・入力部122における画面枠801に表示された帳票イメージ802において順番付けして表示することにより、帳票要部情報を強調して表示するとともに、帳票要部情報を順番付けして表示することに加えて、実際に取り扱う帳票上のどの位置に口座情報や手数料関連情報が表されているかについて利用者に対して視覚的に一目で分かるように、より分かり易く表示することができる。
【0079】
また、上述したように、帳票要部情報を単に、強調して断片的に表示するだけでなく、強調して表示した帳票要部情報同士を線1401,1402,1403で連結することで、これら帳票要部情報相互間の繋がり、関連性が明確になるため、帳票要部情報を単に、強調して表示する場合と比較して帳票要部情報をより分かり易く表示することができる。
【0080】
さらに、強調して表示するとともに、順番付けして表示する帳票要部情報を、口座情報と手数料関連情報に設定することにより、帳票処理を行おうとする利用者にとって特に有益な情報を瞬時に表示することができる。
【0081】
詳しくは、例えば、帳票が複数の振込み先が選択可能に記載された振込み依頼書の場合には、その振込み手数料は、銀行によっても異なることが多く、さらには、同一銀行間であっても、支店によっても異なることがある。
【0082】
このため、帳票処理をするうえで利用者にとって手数料情報は帳票文字情報の中でも、関心が高い情報である。
【0083】
しかし、このような具体的な手数料や手数料が有料か無料であるかという手数料情報は、振込み金額等と比較して、小さく読み難い文字で記載されていることが多い。
また、口座情報は、桁数が多く、帳票処理をするうえで必須の情報である。
【0084】
従って、口座情報と手数料関連情報を強調して表示するとともに、順番付けして表示することで利用者にとって特に、関心が高い情報を分かり易く表示することができる。
【0085】
特に、上述したように、帳票が複数の振込み先が選択可能に記載された振込み依頼書の場合には、その振込み手数料は、銀行によっても異なることが多く、さらには、同一銀行間であっても、支店によっても異なることがあるため、手数料関連情報に手数料情報を含めることで、帳票処理を行おうとする利用者にとって関心の高い手数料情報を利用者に対して分かり易く表示することができる。
【0086】
また、第1実施形態の帳票表示システム100において、帳票要部情報の抽出箇所を線で結ぶ順番は、「口座情報」、「手数料情報」、「店舗情報」、「金額情報」の順番に結ぶことで、キーワードだけで意味を瞬時に理解し易くなるが、この順番で結ぶことに限らず、他の順番で抽出箇所を結んでもよい。
【0087】
また、「口座情報」や「手数料情報」など、帳票イメージ802において、同一カテゴリの情報が複数ある場合には、複数の抽出箇所の帳票イメージ802における相対的な位置関係を基準に線で結ぶように設定する方法を採用してもよい。
【0088】
例えば、帳票イメージ802において、ある同一カテゴリの情報が複数存在する場合には、複数の同一カテゴリの情報の中でも帳票イメージ802において下側よりも上側にある抽出箇所、或いは、右側よりも左側にある抽出箇所を優先的に線で結ぶように設定することができる。
【0089】
これにより、帳票イメージ802において、ある同一カテゴリの情報が複数存在する場合であっても、抽出箇所を結ぶ線が混在せずに、整然と順位付けして表示することができ、瞬時に確認することができる。
【0090】
また、税公金帳票や振込帳票に複数の口座情報が記載されている場合には、その口座情報への振込み先ごとで手数料が異なることがある。そこで、本発明では口座情報が複数個ある場合には、その口座情報の表示を強調させてもよい。
【0091】
例えば、複数の銀行名と店舗名を、銀行ごとに手数料とともに一覧表示し、その際、複数の銀行名の中でも手数料が最も安い銀行と、その手数料とのうち少なくともいずれかを、他の銀行等と比較して強調表示してもよい。
【0092】
詳しくは、現時点において利用者がATMで帳票処理を行っている銀行の手数料と、その銀行の周辺に存在する他の銀行の支店ごとの手数料が無料の場合も含めてその手数料を一覧表示し、その中でも手数料が最安値の銀行等、強調したい情報を情報と比較して強調表示することができる。
【0093】
さらに、複数の銀行名を一覧表示した画面上に表示された指矢印マークや「場所を確認する」などの場所の案内を促す箇所をクリックすると、現在、帳票処理を行おうとしている銀行や、最安値の手数料で同様の処理が行える銀行が掲載された周辺地図が表示された表示枠が画面上に立ち上がり、利用者が手数料や、地理的な利便性の観点から帳票処理をするうえで最適な銀行を選択する選択肢を提供することができる。
【0094】
また、同一銀行においても店舗により手数料が異なる場合もあるため、同一銀行も含めて店舗ごとに画面上に一覧表示して、その際、複数羅列した店舗の中で手数料が最も安い店舗と、その手数料のうち少なくともいずれかを、他の店舗と比較して強調表示してもよい。
【0095】
続いて、他の実施形態における帳票表示システム100Aについて説明する。
以下では、ATM110を備えた上述した第1実施形態の帳票表示システム100とは異なり、ATM機能を有していない帳票表示装置110Aを備えた帳票表示システム100Aの実施形態について説明する。
【0096】
但し、以下で説明する帳票表示システム100Aの構成のうち、上述した第1実施例における帳票表示システム100と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0097】
(第2実施形態)
第2実施形態における帳票表示システム100Aの構成について図13、及び、図14を用いて説明する。
第2実施形態における帳票表示システム100Aは、第1実施形態におけるATM110の代わりに帳票表示装置110Aを備えて構成し、帳票表示装置110Aは、貨幣入出金部123、カード/明細票処理部124、紙幣処理部125、及び、硬貨処理部126を備えずに図13に示すように、構成している。
【0098】
なお、制御部111は、図14に示すように、客M1が不用意に触れることができないようにセキュリティを確保できる店内待合エリア900とは異なる場所901に適宜、設置し、スキャナ121と表示部122Aとのそれぞれに対してケーブルを介して接続している。
【0099】
上述した構成の帳票表示システム100Aの一実施例として実施例1について説明する。
なお、実施例1では、スキャナ121と表示部122Aとは、銀行の店内待合エリア900内の記載台900aに設置している。
【0100】
まず、銀行に振込み処理をするために訪れた利用者である客M1が記載台900aの前に立つと、音声ガイダンス部127の案内に促され、図14に示すように、記載台900aに設置されたスキャナ121に帳票を供することで、制御部111は、スキャナ121で帳票をスキャンし、そのスキャンしたイメージ帳票上の全ての文字を認識する。
【0101】
スキャナ121に取り込まれた認識データは制御部111に送信され、制御部111において、上述したステップ1〜5の帳票表示動作が行われる。これにより、表示部122Aの画面枠801に表示された帳票イメージ802において、図12に示すように、帳票イメージ上において口座情報や手数料関連情報を強調して表示するとともに、これらを互いに線で結んで順番付けして表示できるため、客M1は、表示部122Aの表示を視ることで(図14中のD1参照)、振込みするうえで有用性が高い、口座情報や手数料関連情報を瞬時に理解することができる。
【0102】
続いて、第2実施形態の帳票表示システム100Aの上述した実施例1とは異なる他の一実施例として、上述した実施例1とは異なる実施例2について図14を用いて説明する。
実施例2は、帳票表示システム100Aの利用者が行員M2である場合の実施例であり、表示部122Aを記載台900aに設置せずに、窓口カウンター902において行員M2が視認可能な箇所に設置した場合の実施例である。なお、制御部111とスキャナ121、及び制御部111と表示部122Aはそれぞれケーブルを介して接続している。
【0103】
詳しくは、実施例2の場合も実施例1と同様に、銀行に振込み処理をするために訪れた客M1が記載台900aに設置されたスキャナ121に帳票を供する。その後、客M1は、自分の待ち時間を経て複数ある窓口カウンター902のブースのうち、案内された所定のブース902aへと着席する(図14中の矢印Da参照)。
【0104】
その間、制御部111は、スキャナ121でスキャンされたイメージ帳票上の文字の認識データを受信し、制御部111において、上述したステップ1〜5の帳票表示動作が行われる。
【0105】
すなわち、編集後のイメージ帳票データを、窓口カウンター902に設置した表示部122Aのうち、上述した帳票を供した当該客M1が着席したブース902aに設置した表示部122Aに送信することで、客M1が着席したブース902aに設置した表示部122Aの画面枠801に表示された帳票イメージ802において、図12に示すように、帳票イメージ上において口座情報や手数料関連情報を強調して表示するとともに、これらを互いに線で結んで順番付けして表示できる。
【0106】
これにより、行員M2は、表示部122Aの表示を視ることで(図14中のD2参照)、振込み処理をするうえで有用性の高い、口座情報や手数料関連情報等を瞬時に把握して、窓口カウンター902で対面している客M1に対して迅速に振込み手続をするうえで有効な情報を提供することができる。
【0107】
続いて、第2実施形態の帳票表示システム100Aの上述した実施例1,2とは異なる他の一実施例として実施例3について図15(a)を用いて説明する。
【0108】
実施例3は、帳票表示システム100Aの利用者が行員M2である場合の実施例であり、スキャナ121、及び表示部122Aを記載台900aに設置せずに、いずれも窓口カウンター902に設置した実施例である。
なお、制御部111とスキャナ121、及び制御部111と表示部122Aはそれぞれケーブルを介して接続している。
【0109】
スキャナ121は窓口カウンター902の各ブース902aにおいて、客M1が帳票を供することができるように客M1側に設置し、表示部122Aは行員M2が視認可能に画面を行員M2に向けて設置している。
【0110】
この実施例3によれば、図15(a)に示すように、窓口カウンター902の所定のブース902aに着席した客M1が帳票を手元のスキャナ121に供し、そのイメージ帳票を上述したように制御部111で編集し、表示部122Aの画面に帳票イメージ上において口座情報や手数料関連情報を強調して表示するとともに、それらを互いに線で結んで順番付けして表示することができる。
【0111】
これにより、行員M2は、表示部122Aの表示を視ることで(図14中のD3参照)、振込み処理をするうえで有用性の高い、口座情報や手数料関連情報を瞬時に把握でき、窓口カウンター902で対面している客M1に対して迅速に振込み手続をするうえで有効な情報を提供することができる。
【0112】
第2実施形態の帳票表示システム100Aは、上述した実施例1,2,3の実施例に限定せず、様々な実施例で実施することができる。
例えば、上述した実施例2では、利用者として行員M2のみが表示部122Aを視認する実施例について説明したが、これに限らず、例えば、図14中の窓口カウンター902の所定のブース902bに示すように、窓口カウンター902において表示部122Aを、行員M2と客M1の双方が視認可能に設置してもよい。同様に、上述した実施例3では、利用者として行員M2のみが表示部122Aを視認する実施例について説明したが、これに限らず、例えば、図15(b)に示すように、窓口カウンター902において、表示部122Aを、行員M2と客M1の双方が視認可能に設置する構成としてもよい。
勿論、図示しないが、窓口カウンター902において、表示部122Aを、行員M2が視認せずに客M1のみが視認可能に設置してもよい。
【0113】
また、ステップ51からステップ53では、表示部分を順位付けする表示として画面上における表示部分を利用者が認識する順番に沿って線で結ぶ方法を採用したが、順位付けする表示は、線で結ぶ方法に限らず、他の方法であってもよい。
【0114】
例えば、図16(a)に示すように、複数の表示部分804,1001,1002,1003を矢印1401D,1402D,1403Dで順に結ぶ方法であってもよい。さらに、その場合、複数の矢印1401D,1402D,1403Dは、順番に一定時間ごとに点滅したり、色調が濃くなるように表示させてもよい。或いは、複数の矢印は、順番に点灯するように表示させてもよい。
さらに、表示部分を順位付けして表示する方法としては、複数の表示部分804,1001,1002,1003それ自体を、図16(b)に示すように、それぞれ順番に点滅させたり、所定の表示部分804,1001,1002,1003を他の表示部分と比較して背景や文字の色調を濃く表示させたりする方法であってもよい。
なお、図16(b)では、表示部分1001が点滅している様子を示している。
【0115】
その他、表示部分の近傍に順位付けした順位を示す番号を表示させるなど、様々な方法を採用することができる。
これにより、利用者の帳票の内容を理解する度合を高めることができる。
【0116】
また、ATM110や帳票表示装置110Aは、第1実施形態の帳票表示システム100、及び第2実施形態の帳票表示システム100Aのように、ホスト150とネットワークを介して帳票表示動作に必要なデータの送受信を行う構成とせずに、ATM110や帳票表示装置110Aの内部に、帳票表示動作に必要な機能を備えて構成してもよい。
【0117】
具体的には、各種ファイル171〜174は、ホスト150側に備えた記憶部162に格納するに限らず、ATM110や帳票表示装置110Aの側に記憶部を備え、該記憶部に格納してもよい。
以上、口座情報と手数料関連情報を抽出し、ハイライト等の強調表示するとともに、順番付けして表示することで、銀行で取扱う税公金帳票や振込帳票の手数料情報を利用者へ判り易く表示する例を説明した。
【0118】
この発明の構成と、実施形態との対応において、
この発明の文字認識手段は、実施形態のスキャナ121に対応し、
以下同様に、
帳票表示装置は、ATM110、又は帳票表示装置,110Aに対応し、
上位装置は、ホストコンピュータ150に対応し、
記憶手段は、記憶部162に対応し、
抽出手段、及び表示態様制御手段は制御部111に対応し、
表示手段は、表示・入力部122、又は表示部122Aに対応し、
ステップ2、及び、ステップ3は、抽出処理に対応し、
ステップ4は、表示態様制御処理に対応し、
ステップ5は、前記帳票要部情報を順番付けして表示するように制御する処理に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
【符号の説明】
【0119】
100,100A…帳票表示システム
110…ATM
110A…帳票表示装置
111…制御部
121…スキャナ
150…ホストコンピュータ
122…表示・入力部
122A…表示部
162…記憶部
300,400,500…口座情報
600…手数料関連情報
S1…文字認識処理
S2…口座情報抽出処理
S3…手数料情報抽出処理
S4…ハイライト表示処理
S5…順位付け処理
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16