(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ステップ(a)におけるジビニルアレーンがジビニルベンゼンを含み;形成されるジビニルアレーンジオキシドがジビニルベンゼンジオキシドを含む、請求項1に記載の方法。
ステップ(a)におけるジビニルアレーンの濃度が、0.5質量%〜100質量%の範囲であり、ジビニルアレーンのオレフィン性C=C基に対する次亜塩素酸のモル比が0.5〜1.5の範囲であり、ステップ(a)のクロロヒドリン形成反応において用いる水が全部で5質量部〜50質量部の範囲である、請求項1に記載の方法。
ステップ(b)におけるクロロヒドリンの濃度が10質量%〜70質量%の範囲であり、ステップ(b)におけるクロロヒドリンのクロロヒドリン基に対する塩基化合物のモル比が0.9〜1.1の範囲である、請求項1に記載の方法。
次亜塩素酸が、有機溶媒中に溶解している次亜塩素酸の溶液からなり、該次亜塩素酸溶液が、塩化物イオンを実質的に含まず、該次亜塩素酸溶液が、該有機溶媒で次亜塩素酸反応混合物から次亜塩素酸を抽出することによって得られる、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
発明の詳細な説明
本発明は、その最も広範な範囲で、ジビニルアレーンジオキシドの製造方法であって:
(a)水の存在下で、および任意に溶媒の存在下で、少なくとも1種のジビニルアレーンを次亜塩素酸と反応させてクロロヒドリンを形成し、得られる反応混合物が均一溶液を含むこと;
(b)ステップ(a)で形成されたクロロヒドリンを少なくとも1種の塩基で、ジビニルアレーンジオキシド生成物を形成する条件下で、処理すること;
を含む方法を含む。
【0014】
反応ステップは、他の任意の成分,例えば少なくとも1種の溶媒、または他の所望の添加剤(ジビニルアレーンジオキシドの形成に不利に作用しないもの)を含むことができる。反応は、バッチまたは連続であることができ、反応物質は対応するジビニルアレーンジオキシドを生成する条件下で反応できる。生成物が形成されたら、得られるジビニルアレーンジオキシド生成物を任意に,例えば蒸留、結晶化、および当該分野で公知の他の公知の精製方法で、精製できる。
【0015】
本発明の一態様の例示として、例えば、ジビニルアレーンジオキシド(例えばジビニルベンゼンジオキシド)は、ジビニルベンゼンを次亜塩素酸と、溶媒(例えばアセトン)と反応させることにより製造され、ここで、得られる反応混合物は均一溶液を含み、クロロヒドリンを形成する。次いで、クロロヒドリンを水酸化ナトリウムで後に処理してエポキシド(ジビニルアレーンジオキシド)を得る。得られる水性層(塩副生成物を伴う)を生成物から取り出して、使用可能なエポキシド生成物を生成できる。所望であれば、任意に、エポキシド生成物を続いて公知の手段(例えば蒸留、結晶化等)で精製できる。
【0016】
本発明のクロロヒドリンは、クロロヒドリン形成反応ステップによって製造され、これは本開示で次亜塩素化反応ステップともいい、ジビニルアレーンを次亜塩素酸と、水の存在下および任意に溶媒の存在下および更に任意に界面活性剤の存在下で接触させることを含む。一態様において、得られる反応混合物は均一溶液を含むことができる。均一溶液とは、1つの液相のみを有し、固形分が視覚的に存在しない、肉眼で明澄な溶液を意味する。
【0017】
本発明において有用なジビニルアレーン源は、任意の公知の起源に由来でき、特にジビニルアレーンを製造するための公知のプロセスに由来できる。例えば、ジビニルアレーンは、塩または金属の廃物(アレーンおよびエチレンからの)で調製できる。
【0018】
本発明の一態様において、本発明において有用なジビニルアレーンは、任意の置換または非置換のアレーン核(任意の環部位にて2つのビニル基を有するもの)を含むことができる。アレーンとしては、例えば、ベンゼン、置換ベンゼン、または(置換された)渡環(ring−annulated)ベンゼン、およびこれらの混合物を挙げることができる。一態様において、ジビニルベンゼンは、オルト、メタ、もしくはパラの異性体またはこれらの任意の混合物であることができる。追加の置換基は、酸化耐性基,例えば飽和アルキル、アリール、ハロゲン、ニトロ、イソシアネート、またはRO−(式中、Rは飽和アルキルまたはアリールであることができる)またはこれらの混合物が挙げられる,からなることができる。渡環ベンゼンとしては、例えばナフタレン、テトラヒドロナフタレン等、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0019】
別の態様において、ジビニルアレーンは、置換アレーン分を含有できる。置換アレーンの量および構造はジビニルアレーンの製造で用いる方法に左右される。例えば、ジエチルベンゼン(DEB)の脱水素によって得られるDVBは、エチルビニルベンゼン(EVB)およびDEBを含有できる。
【0020】
本発明の方法において用いるジビニルアレーンとしては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、ジビニルジフェニルエーテル、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0021】
本発明において用いるジビニルアレーンの濃度は、一般に、約0.5質量%(wt%)〜約90wt%、好ましくは約1wt%〜約10wt%、およびより好ましくは約1wt%〜約5wt%の範囲(組成物の総質量基準)であることができる。
【0022】
本発明において用いる次亜塩素酸(HOCl)としては、任意の公知の入手可能なHOCl製品を挙げることができ、または代替として、本発明において用いるHOClは、一般的に公知の方法,例えば、米国特許第6,048,513号(参照により本明細書に組入れる)に開示される方法、によって形成できる。
【0023】
別の態様において、HOClは、本発明の方法において、インサイチュで、例えば水および塩素を反応混合物に、当該分野で周知の標準的な方法で添加することによって、製造できる。HOClを製造するためのインサイチュ法としては、アルカリ金属次亜塩素酸塩と酸との反応を挙げることができる。
【0024】
該方法で、アルカリ金属次亜塩素酸塩は次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウム、またはこれらの混合物を含み、酸はアルカリ金属炭酸水素塩、二酸化炭素、またはこれらの混合物であり、そしてアルカリ金属炭酸水素塩は炭酸水素ナトリウムである。
【0025】
一態様において、水性HOClは、例えば水での希薄溶液として、例えば濃度約3質量%〜約10質量%で、使用できる。
【0026】
HOClは、任意に、pHレベル約3〜約7に、pH調整剤またはpH調整化合物(例えば塩基化合物(例えば水酸化ナトリウムが挙げられる))で調整できる。最も好ましくは、HOCl溶液のpHは約3〜約6である。
【0027】
HOClの、本発明で用いるジビニルアレーンのオレフィン性C=C基に対するモル比は、約0.5〜約1.5、より好ましくは約0.75〜1.25、最も好ましくは約0.9〜約1.1の範囲であることができる。
【0028】
次亜塩素酸溶液の調製において、または反応混合物の希釈において、用いる水は、任意の水であることができるが、好ましくは脱イオン水を用いる。
【0029】
本発明のクロロヒドリン形成反応において用いる水全体(HOCl溶液とともに添加する水および添加する任意の追加の水を含む)は、約5質量部〜約50質量部、より好ましくは約20質量部〜約30質量部の範囲(用いるジビニルアレーン1質量部当たり)であることができる。
【0030】
次亜塩素酸が、有機溶媒中に溶解している次亜塩素酸の溶液からなるプロセスで;該次亜塩素酸溶液が、塩化物イオンを実質的に含まず;該次亜塩素酸溶液が、該有機溶媒で次亜塩素酸反応混合物から次亜塩素酸を抽出することによって得られ;そして、有機溶媒中の次亜塩素酸の溶液が、約0.1〜約50質量%の次亜塩素酸を含有する。
【0031】
上記のステップ(a)の反応は、次亜塩素化溶媒を含むことができる。本発明において有用な任意の次亜塩素化溶媒としては、例えば、少なくとも部分的に水混和性の溶媒、好ましくは実質的に水混和性の溶媒を挙げることができる。加えて、好ましくは、溶媒は反応混合物中の他の反応物質に対して不活性または非反応性であることができる。例えば、溶媒としては、ケトン,例えばメチルエチルケトンおよびアセトン;ならびに2種以上のケトンの混合物を挙げることができる。最も好ましくは、アセトンを本発明における溶媒として用いる。
【0032】
一般的に、溶媒の濃度は、均一溶液を与えるのに十分である。クロロヒドリン形成反応において用いる溶媒全体は、一般的に、約0質量部〜約90質量部、好ましくは約1質量部〜約60質量部、より好ましくは約5質量部〜約40質量部の範囲(用いるジビニルアレーン1質量部当たり)であることができる。
【0033】
本発明の方法において有用な任意の界面活性剤としては、例えば、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、C
14−C
16アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、6〜12エチレンオキシド単位のノニルフェノールエトキシレート、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0034】
クロロヒドリン形成反応において用いる界面活性剤全体は、一般的に、約0質量部〜約10質量部、好ましくは約0.1質量部〜約5質量部、より好ましくは約0.5質量部〜約2質量部、および最も好ましくは約1質量部〜約1.5質量部の範囲(用いるジビニルアレーン100質量部当たり)であることができる。
【0035】
本発明の方法の第2のステップ,すなわち脱ハロゲン化水素反応ステップにおいて、ステップ(a)からのクロロヒドリンは、クロロヒドリンを少なくとも1種の塩基化合物と、そして任意に相間移動剤および/または溶媒の存在下で、処理することによってエポキシドに転化する。
【0036】
本発明の方法の第2のステップで用いるクロロヒドリンは、上記ステップ(b)で生成するクロロヒドリンである。
【0037】
本発明において用いるクロロヒドリンの濃度は、一般的に、約10質量%〜約70質量%、好ましくは約20質量%〜約50質量%、より好ましくは約25質量%〜約35質量%の範囲(脱ハロゲン化水素反応組成物の総質量基準)であることができる。
【0038】
本発明の方法において有用な塩基化合物としては、例えば、当該分野で公知の任意の従来の塩基性物質,例えば水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム等,例えば20%水酸化ナトリウムを有する水性溶液、を挙げることができる。一般的に、本発明において用いるクロロヒドリン基に対する塩基化合物のモル比は、好ましくは約0.9〜約1.1の範囲である。
【0039】
処理ステップ(b)は任意に少なくとも1種の相間移動触媒および/または少なくとも1種の脱ハロゲン化水素溶媒を含むことができる。クロロヒドリン転化のための本発明の方法において有用な任意の相間移動剤としては、例えば、テトラアルキル、テトラフェニル、または混合アルキルおよびアリールアンモニウム塩,例えばベンジルトリメチルアンモニウムクロリド(BTMAC)等;およびこれらの混合物を挙げることができる。別の態様において、アルコール,例えばイソプロピルアルコールまたは1−メトキシ−2−プロパノール(例えばDowanol PM,The Dow Chemical Companyから市販で入手可能)またはこれらの混合物を相間移動剤として使用できる。
【0040】
本発明で用いる相間移動剤の濃度は、一般的に、約0.05質量%〜約30質量%、好ましくは約0.1質量%〜約20質量%、より好ましくは約0.1質量%〜約10質量%の範囲(組成物の総質量基準)であることができる。アンモニウム塩(用いる場合)の濃度は、範囲のより下限側であることができるが、アルコールを用いる場合、該濃度は上記範囲のより上限側であることができる。
【0041】
本発明の方法の第2のステップにおいて有用な任意の脱ハロゲン化水素溶媒としては、例えば、反応条件下で強塩基に対して不活性である任意の不活性有機溶媒を挙げることができる。例えば、溶媒としては、ハロゲン化アルカン,例えばジクロロメタン;芳香族物質,例えばトルエン、キシレン;炭化水素溶媒,例えばヘキサンおよびペンテン;エーテル,例えばジメトキシエタン;ケトン,例えばアセトン、メチルイソブチルケトン、またはメチルエチルケトン;およびこれらの混合物を挙げることができる。別の態様において、溶媒の一部は、クロロヒドリン出発物質中に存在する任意の未反応ジビニルアレーンを含むことができる。
【0042】
本発明の第2のステップにおいて用いる溶媒の濃度は、一般的に、約0質量%〜約90質量%、好ましくは約1質量%〜約50質量%、より好ましくは約10質量%〜約40質量%の範囲(組成物の総質量基準)であることができる。
【0043】
不所望の副生成物の共生成が最小限であるジビニルアレーンジオキシドの製造は、反応器に下記反応物質を添加することによって実現でき:(i)少なくとも1種のジビニルアレーン;(ii)次亜塩素酸;および(iii)水;ならびに任意に(iv)溶媒および/または任意に(v)界面活性剤;そして第1のステップで反応物質成分を反応条件下で反応させて本発明のクロロヒドリンを形成する。
【0044】
第1のステップのための次亜塩素化反応条件としては、反応物質の反応を、一般的に約−10℃〜約100℃、好ましくは約5℃〜約80℃、より好ましくは約20℃〜約60℃の温度で行うことが挙げられる。
【0045】
1つの好ましい態様において、HOClは1度に添加せず、ゆっくり一定速度で反応混合物に、所望反応温度を維持するのに十分な時間をかけて添加する。別の態様において、HOClは、ゆっくり一定速度で反応混合物に、30分〜2時間かけて添加する。
【0046】
第1のステップにおける次亜塩素化反応の圧力は、一般的に、約0.1気圧(atm)〜約10atmである。
【0047】
本発明のジビニルアレーンジオキシドの製造方法は、第2のステップ(すなわち本発明の脱ハロゲン化水素ステップ)に続き、反応器に下記反応物質を添加することを含み:(vi)第1のステップで形成されたクロロヒドリン;および(vii)塩基化合物;(viii)任意に相間移動剤;ならびに(ix)任意に溶媒;そして反応物質成分を反応条件下で反応させてジビニルアレーンジオキシドを生成する。
【0048】
第1のステップで形成されるクロロヒドリン(第1のステップからの次亜塩素化反応混合物流出物を含む)は、脱ハロゲン化水素第2ステップで、クロロヒドリンが形成されるのに比例して使用できる。別の態様において、クロロヒドリンは、脱ハロゲン化水素第2ステップの前に、第1のステップの反応混合物から分離できる。反応混合物からのクロロヒドリンの分離は、当該分野で周知の任意の手段,例えば溶媒(例えばトルエン、塩化メチレンまたはこれらの混合物)を用いた抽出によって実施できる。
【0049】
例えば、一態様において、クロロヒドリンは、塩化メチレン中に抽出し、次いで抽出混合物を有機相および水性相に分離し、次いで有機相を揮散させて溶媒を除去できる。次いで粗クロロヒドリンを溶媒(例えばトルエン−イソプロピルアルコール)中に溶解させ、そしてエポキシ化する(すなわちジビニルアレーンジオキシドを形成する)。別の態様において、クロロヒドリンは、溶媒なしで直接ジビニルアレーンジオキシドにすることができる。
【0050】
ジビニルアレーンジオキシド(例えばDVBDO)を製造するための第2のステップのための反応条件としては、反応物質の反応を、一般的に約0℃〜約100℃、好ましくは約5℃〜約80℃、より好ましくは約20℃〜約60℃の範囲の温度下で行うことが挙げられる。
【0051】
第2のステップにおける脱ハロゲン化水素反応の圧力は、一般的に約0.1気圧(atm)〜約10atmであることができる。
【0052】
本発明の方法全体および/またはそのいずれかのステップは、バッチまたは連続のプロセスであることができる。プロセスにおいて用いる反応器は、当業者に周知の任意の反応器および任意の付属装置であることができる。
【0053】
上記反応に加え、本発明の方法は、更なるプロセスステップ,例えば反応中に形成される任意の共生成物を生成物から分離する方法を含むことができる。分離方法としては、例えば、当業者に周知の任意の分離方法および分離装置を挙げることができる。
【0054】
例えば、ジビニルアレーンジオキシドの製造のための反応の第2のステップの間、等量の塩化ナトリウム副生成物(形成される場合があるもの)は、有機相および水性相の分離、続いて有機相の適切な水洗により除去できる。
【0055】
本発明の2ステップ反応の後、不所望の副生成物、および任意の残留添加剤および溶媒を反応器から除去して、使用可能なジビニルアレーンジオキシド生成物を回収できる。次いで、生成物は当該分野で周知の手段,例えば蒸留、結晶化等によって任意に精製できる。
【0056】
本発明の方法の1つの利点は、高収率のジビニルアレーンジオキシドを本発明の方法で製造できることである。製造される高収率のジビニルアレーンジオキシドとともに、本発明の方法は、有利に、必要とするリサイクルがより少なく、生成する廃物がより少ない。
【0057】
本発明の方法によって製造されるジビニルアレーンジオキシドの高収率は、一般的に約30%超から最大約100%(ジビニルアレーン出発物質基準)である。一態様において、収率は、約40%〜約60%の範囲(ジビニルアレーン出発物質基準)であることができる。別の態様において、収率は約40%〜約55%の範囲(ジビニルアレーン出発物質基準)であることができる。
【0058】
本発明の方法で製造されるジビニルアレーンジオキシド、特にジビニルベンゼンに由来する例えばジビニルベンゼンジオキシド(DVBDO)は、ジエポキシドの分類であり、これは比較的低い液体粘度を有するが、従来のエポキシ樹脂よりも高い剛直性を有する。
【0059】
本発明の方法で製造されるジビニルアレーンジオキシドは、例えば、任意の置換または非置換のアレーン核(2つのビニル基を任意の環部位にて有するもの)を含むことができる。ジビニルアレーンジオキシドのアレーン部分は、ベンゼン、置換ベンゼン、もしくは(置換)渡環ベンゼン、もしくは同族結合(homologously bonded)(置換)ベンゼン、またはこれらの混合物からなることができる。ジビニルアレーンジオキシドのジビニルベンゼン部分はオルト、メタ、もしくはパラの異性体、またはこれらの任意の混合物であることができる。追加の置換基は、飽和アルキル、アリール、ハロゲン、ニトロ、イソシアネートもしくはRO−(ここで、Rは飽和アルキルもしくはアリールであることができる)等のオキシダント耐性基からなることができる。渡環ベンゼンは、ナフタレン、テトラヒドロナフタレン等からなることができる。同族結合(置換)ベンゼンは、例えば、ビフェニル、ジフェニルエーテル等からなることができる。
【0060】
本発明の方法で製造されるジビニルアレーンオキシド生成物は、一般に、以下の一般化学構造I〜IVで例示できる。
【0063】
本発明のジビニルアレーンジオキシド生成物の上記構造I,II,III,およびIVにおいて、各R
1、R
2、R
3およびR
4は、個別に水素、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基、またはオキシダント耐性基(例えばハロゲン基、ニトロ基、イソシアネート基、またはRO基が挙げられる)であることができ、ここでRはアルキル、アリールまたはアラルキルであることができ、xは0〜4の整数であることができ、yは2またはこれを超える整数であることができ、x+yは6またはこれ未満の整数であることができ、zは0〜6の整数であることができ、そしてz+yは8またはこれ未満の整数であることができ、そしてArはアレーンフラグメント(例えば1,3−フェニレン基が挙げられる)である。
【0064】
本発明の方法で製造されるジビニルアレーンジオキシド生成物としては、例えば、アルキル−ビニル−アレーンモノオキシド(出発物質中のアルキルビニルアレーンの存在に応じて)を挙げることができる。
【0065】
本発明の一態様において、本発明の方法で製造されるジビニルアレーンジオキシドとしては、例えば、ジビニルベンゼンジオキシド、ジビニルナフタレンジオキシド、ジビニルビフェニルジオキシド、ジビニルジフェニルエーテルジオキシド、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0066】
本発明の好ましい態様において、エポキシ樹脂配合物において用いるジビニルアレーンジオキシドは、例えばDVBDOであることができる。最も好ましくは、本発明において有用であるジビニルアレーンジオキシド成分としては、例えば、構造Vの下記化学式で表されるジビニルベンゼンジオキシドが挙げられる:
【0068】
上記DVBDO化合物の化学式は下記の通りであることができる:C
10H
10O
2;DVBDOの分子量は約162.2であり;DVBDOの元素分析は約:C,74.06;H,6.21;およびO,19.73であり、エポキシド質量当量は約81g/molである。
【0069】
ジビニルアレーンジオキシド、特にジビニルベンゼンに由来するもの、例えばDVBDOは、ジエポキシドの分類であり、これは比較的低い液体粘度を有するが、従来のエポキシ樹脂よりも高い剛直性および架橋密度を有する。
【0070】
下記の構造VIは、本発明において有用なDVBDOの好ましい化学構造の態様を例示する:
【0072】
下記の構造VIIは、本発明において有用なDVBDOの好ましい化学構造の別の態様を例示する:
【0074】
DVBDOを本発明の方法によって製造する場合、オルト、メタ、およびパラの3つの可能な異性体の1つを得ることが可能である。従って、本発明は、上記構造の任意の1つを個別にまたはこれらの混合物として例示されるDVBDOを包含する。上記の構造VIおよびVIIはDVBDOのメタ(1,3−DVBDO)およびパラ(1,4−DVBDO)異性体をそれぞれ示す。オルト異性体は稀であり、通常、DVBDOは殆ど、一般的に約9:1〜約1:9のメタ異性体(構造VI)対パラ異性体(構造VII)の比で製造される。本発明は、好ましくは、一態様として、約6:1〜約1:6比の構造VI対構造VIIを包含し、そして他の態様において、構造VI対構造VIIの比は、約4:1〜約1:4または約2:1〜約1:2であることができる。
【0075】
一態様において、本発明の方法は、ジビニルベンゼンジオキシド、低粘度液体エポキシレジン、の製造に特に好適である。本発明の方法で製造されるジビニルアレーンジオキシドの粘度は、一般に約10mPa・s〜約100mPa・s;好ましくは約10mPa・s〜約50mPa・s;およびより好ましくは約10mPa・s〜約25mPa・sの範囲(25℃にて)である。
【0076】
本発明のジビニルアレーンジオキシドの有用性は、中程度の温度(例えば、温度約100℃〜約200℃)で最大数時間(例えば、少なくとも2時間)の、ジビニルアレーンジオキシドの、オリゴマー化またはホモポリマー化を伴わない配合または加工を可能にする熱安定性を必要とする。配合または加工の間のオリゴマー化またはホモポリマー化は、粘度の実質的な増大またはゲル化(架橋)によって明らかである。本発明のジビニルアレーンジオキシドは、ジビニルアレーンジオキシドが中程度の温度での配合または加工の間に粘度の実質的な増大またはゲル化を被らない十分な熱安定性を有する。
【0077】
本発明のジビニルアレーンジオキシド生成物は、エポキシ樹脂組成物または配合物の製造に有用であり、これは更に、熱硬化物または硬化生成物(コーティング、フィルム、接着剤、ラミネート、コンポジット、エレクトロニクス製品等の形で)の製造に有用である。
【0078】
本発明の例示として、一般的に、本発明のジビニルアレーンジオキシド生成物を基にする樹脂組成物は、コーティング、ポッティング、封止、成形、およびツーリングに有用であることができる。本発明は、全ての種類の電気キャスト、ポッティング、および封止の用途に;成形およびプラスチックツーリングに;そしてビニルエステル樹脂系コンポジット部品の製造、特に大型ビニルエステル樹脂系部品(キャスト、ポッティングおよび封止によって製造されるもの)の製造に;特に好適である。得られるコンポジット材料は、幾つかの用途,例えば電気キャスト用途または電子封止、キャスト、成形、ポッティング、封止、射出、樹脂トランスファー成形、コンポジット、コーティング等において有用である。
【0079】
例
以下の例および比較例は本発明を詳細に更に例示するがその範囲の限定と解釈すべきではない。
【0080】
以下の例で用いる種々の用語および指示語は例えば以下を包含する:DVBはジビニルベンゼンを表し、DVB、80%テクニカルはAldrichから市販で入手可能であり;NaOClは次亜塩素酸ナトリウムであり、NaOCl,12.5wt%水中溶液はAldrichから市販で入手可能であり、HOC1は次亜塩素酸を表し、HOC1酸溶液(4.2wt%)を例で用い;二酸化炭素(CO
2)はBOCガスから市販で入手可能であり;DVBDCHはジビニルベンゼンジクロロヒドリンを表し;EVBMCHはエチルビニルベンゼンモノクロロヒドリンを表し;DDBSNaはドデシルベンゼンスルホン酸、ナトリウム塩を表し、そしてDDBSNaはAldrichから市販で入手可能であり;そしてトルエン、イソプロピルアルコール、塩化メチレン(MeCl
2)および50%水酸化ナトリウム(NaOH)溶液はFisher Scientificから市販で入手可能である。
【0081】
ガスクロマトグラフィ(GC)分析
以下の例において製造される生成物混合物は標準的なガスクロマトグラフィ(GC)分析装置および方法で分析した。GCにおけるピークの同定は、GCマススペクトル分析で評価した。GCの面積%および質量%の方法を用いて反応の進行を監視し、立ち上げ後に粗生成物を分析した。GC質量%分析は、ジグリムを内部標準として用いて行った。次亜塩素化反応サンプルをジクロロエタンで抽出した後、GC分析した。抽出による既知質量の有機層(約2.0g)を既知質量のジグリム(約0.02g)と混合し、GCで分析した。DVBDCHの純粋サンプルがGC質量%法を進めるために入手できなかったため、GC面積%をDVBDCHについて用いた。GC質量%を、DVBおよびDVBDOについての面積%に加えて用いた。
【0082】
例に記載する収率は下記の通り算出した:
【0083】
充填したDVBに基づくDVBDCHの収率%
DVBDCHの収量(グラム単位にて)は、溶媒除去後の粗生成物の質量から算出した。そして粗DVBDCH中のDVBDCHの概略質量比をGCによって測定した。用いたジビニルベンゼン基準でのDVBDCHの収率%の算出に用いた式は以下のように記載できる:
DVBDCH収量(グラム)=(溶媒除去後の粗DVBDCHの質量)×(粗生成物中のDVBDCH のGC面積比)
理論的なDVBDCH収量(用いたDVB基準),グラム=[(用いたDVB反応剤の質量)×(反応剤中のDVBの質量比)/(130.2gDVB/mol)]×235.1gDVBDCH/mol
DVBDCH収率(%)=(DVBDCH収量,グラム/理論的なDVBDCH収量,グラム)×100%
【0084】
次亜塩素化反応におけるDVBDOの収率%(用いたDVB基準)
DVBDOの収量(グラム単位にて)は、エポキシ化後の粗生成物の質量、および粗生成物中のDVBDOの質量比(内部標準GC分析法で測定したとき)から算出した。DVBDO収率は、下記等式により算出した:
DVBDO収量(グラム)=(粗生成物の質量)×(粗生成物中のDVBDOの質量比)
理論的なDVBDO収量(用いたDVB基準),グラム=[(用いたDVB反応剤の質量)×(反応剤中のDVBの質量比)/(130.2gDVB/mol)]×162.2gDVBDO/mol
DVBDO収率(%)=(DVBDO収量,グラム/理論的なDVBDO収量,グラム)×100%
【0085】
例1
ステップ(a)−次亜塩素化反応
ジビニルベンゼン(18.87g,0.1449mol)、DBBSNa(0.1887g)および脱イオン水(445.1g)を1リットルの5口フラスコ(ジャケット付、バッフル付、機械攪拌器、NaOCl溶液供給入口、CO
2ガス入口(反応器内の液体レベルの下に位置するフリットガラス管)、およびグリコール冷却凝縮器を備える)に入れた。
【0086】
得られる混合物を20℃で激しく攪拌しながら、CO
2ガスの注入を300cc/分で開始し、その直後に、12.5%NaOCl溶液の添加を速度0.52g/分で開始した。全部で155.2g(0.2605mol)のNaOCl溶液を5時間かけて添加した。温度は、グリコール循環浴を用いたジャケット温度の制御により20℃で維持した。CO
2の注入を実験全体を通じて維持した。反応の進行はGC分析により監視した。最終反応混合物を脱イオン水(64g)で希釈し、次いで塩化メチレン(415g)で抽出した。混合して相分離させた後、有機層を排出し、Whatman No.1紙に通して濾別し、355gの明澄液体を得た。パーセント計算においては塩化メチレンを入れず、液体は43%DVBDCH(メタおよびパラの異性体の合計)(GC面積%分析に基づき)を有した。
【0087】
ステップ(b)−エポキシ化反応
塩化メチレンを次亜塩素化反応抽出物から蒸発によって除去し、次いで粗DVBDCH(24.13g,約0.18eq.のクロロヒドリン、室温で固体)をトルエン(45.6g)中に取り上げ、250mLの3口フラスコ(ジャケット付、バッフル付、機械攪拌器およびNaOH供給入口を備える)に移した。イソプロピルアルコールを添加した(11.4g)。混合物を55℃で激しく撹拌し、その上に20%NaOH溶液(36g,0.18mol)を30分かけて添加した。混合物を1時間60℃で分解し、次いで10℃に冷却した。撹拌を止め、層を分離させた。ブライン層(39g)を除去した。残りの有機層を、40gの2%炭酸水素ナトリウム(水中)で洗浄し、次いで2回、40gの脱イオン水(各回)で水洗した。水性は2回目水洗後にpH6〜7を有していた。2回目水洗後の有機層は75.2gであった。有機層は、残留DVBDCHを含有せず、7.2wt%DVBDO(GC質量%分析より)を含有していた。次亜塩素化反応についてのDVBDCH収率は、38%(DVB基準)と算出された。エポキシ化反応後のDVBDO収率は34%(用いたDVB基準)と算出された。
【0088】
例2−次亜塩素化反応
ジビニルベンゼン(19.0g,0.1459mol)、脱イオン水(253g)、およびDDBSNa(0.197g)を1リットルの5口フラスコ(ジャケット付、バッフル付、機械攪拌器、次亜塩素酸(HOCl)供給入口、およびグリコール冷却凝縮器を備える)に入れた。混合物を、激しく撹拌しながら6℃に冷却した。その上に、4.16%HOCl(水中)を含有する溶液(330.7g,0.2622mol HOC1,pH3.3)の添加を2.75g/分の量で開始した。温度を9℃に維持しながらHOCl溶液を125分かけて添加し、次いで反応物を更に45分間14℃で分解した。分解時間中、固体が反応器の上部にくっ付くのが観測された。反応混合物(幾つかの固体を含有する)を、塩化メチレン(全部で307g)で2回抽出した。分液漏斗内に沈降させた後、有機層を排出し、Whatman No.1濾紙に通して濾別した。有機抽出物の組合せ質量は268グラムであった。有機抽出物を減圧中70℃および20mmHg圧で液化させ、24.4gの粗DVBDCH(38.5%DVB−DCHを含有していた(GC面積%分析より)(メタ異性体およびパラ異性体の合計、残部はEVBMCH、および次亜塩素化反応中に形成された不所望副生成物である))を得た。DVBDCHの収率%は34%であった。DVBDCHはエポキシ化されなかった。
【0089】
例3−次亜塩素化反応
約4.14%HOC1(水中)を有する溶液(pH5.9を有する)を、50%NaOH(1.47g)を、4.16%HOClの撹拌された溶液(217.6g,0.1725mol,pH3.1)に滴下添加することにより調製した。ジビニルベンゼン(10.0g,0.077 mol)、アセトン(300g)および脱イオン水(41.5g)を1リットルの5口フラスコ(ジャケット付、バッフル付、機械攪拌器、次亜塩素酸(HOCl)供給入口、およびグリコール冷却凝縮器を備える)に入れた。混合物を激しく撹拌しながら、予形成したHOCl溶液を3.6g/分の量で60分かけて添加し、一方反応温度を室温(約23℃)から30℃に上げた。反応物を1時間29℃で分解し、次いで20℃に冷却した。得られる明澄で均一な溶液を塩化メチレン(300g)で抽出して545gの有機層を得た。残りの水性は2回目150gの塩化メチレンで抽出して189gの有機層を得た(GCはDVBDCHを有さないことを示した)。第1の塩化メチレン抽出物を減圧中70℃および20mmHg圧で液化させて、17.0gの粗DVBDCHを得た。これは40.2%のDVBDCH(メタ異性体とパラ異性体との合計)(GC面積%分析より)を含有し、残部はEVBMCH、および反応において形成された不所望副生成物であった。DVBDCHの収率%(出発DVB基準)は47%であった。DVBDCHはエポキシ化されていなかった。
【0090】
例4
ステップ(a)−次亜塩素化反応
ジビニルベンゼン(9.95g,0.077mol)、アセトン(290g)および脱イオン水(73.2g)を1リットルの5口フラスコ(ジャケット付、バッフル付、機械攪拌器、次亜塩素酸(HOCl)供給入口、およびグリコール冷却凝縮器を備える)に入れた。得られた混合物を激しく撹拌しながら、4.16%HOCl溶液(水中)(174.06g,0.138mol HOC1,pH3.7)を混合物に供給速度2.9g/分で添加した。HOCl溶液を60分間かけて添加し、一方、温度を30℃まで上げた。混合物を22℃まで冷却し、次いで得られる明澄で均一な溶液を塩化メチレン(290g)で抽出し、次いで沈降により、得られる相を分離した。溶媒を減圧中70℃および20mmHg圧で除去し、15.0gの粗生成物を得た。これは51.9%DVBDCH(メタ異性体およびパラ異性体の合計)を含有していた。DVBDCHの収率%は55%(DVB基準)であった。
【0091】
ステップ(b)−エポキシ化反応
粗DVBDCHをトルエンーイソプロパノール溶液(28.8gトルエン、7.2gIPA)中で溶解させ、ジャケット付反応器に移した。混合物を55℃まで、激しく撹拌しながら加温し、その上に、20%NaOH溶液(20.5g)を混合物に30分かけて添加した。混合物を更に60分間60℃で撹拌し、次いで20℃に冷却した。反応器内で形成された得られる層を沈降させ、次いで得られる下側のブライン層を除去した。残りの有機層を1回2%NaHCO3溶液(25g)で、次いで2回脱イオン水(各洗浄で25g)で洗浄した。洗浄後の有機層(32.5g)をGCで分析し、14.5wt%のDVBDOを含有していることが分かった。次亜塩素化反応およびエポキシ化反応の両者で採取したサンプルの収率を合わせた後、DVBDO収率は56%と決定された。
【0092】
ジビニルベンゼンのジビニルベンゼンジクロロヒドリンへの次亜塩素化の条件および結果を下記表1に纏める。
【0093】
【表1】
以下もまた開示される。
[1] ジビニルアレーンジオキシドの製造方法であって:
(a)水の存在下で、少なくとも1種のジビニルアレーンを次亜塩素酸と反応させてクロロヒドリンを形成すること;
(b)ステップ(a)で形成されたクロロヒドリンを少なくとも1種の塩基で、ジビニルアレーンジオキシド生成物を形成する条件下で、処理すること;
を含む、方法。
[2] ステップ(a)におけるジビニルアレーンがジビニルベンゼンを含み;形成されるジビニルアレーンジオキシドがジビニルベンゼンジオキシドを含む、上記[1]に記載の方法。
[3] 次亜塩素酸が、ステップ(a)において次亜塩素酸を反応に添加する前に別個のステップにおいて予形成される、上記[1]に記載の方法。
[4] 次亜塩素酸が、インサイチュで、(i)塩素および水;または(ii)アルカリ金属次亜塩素酸塩および酸;の反応によって形成される、上記[1]に記載の方法。
[5] ステップ(a)の反応が次亜塩素化溶媒を含む、上記[1]に記載の方法。
[6] ジビニルアレーンが、ジビニルベンゼンを含み、次亜塩素酸が予形成された次亜塩素酸を含み、次亜塩素化溶媒がアセトンを含む、上記[1]に記載の方法。
[7] ステップ(a)の反応が少なくとも1種の界面活性剤を含み、ステップ(b)における塩基がアルカリ金属水酸化物を含む、上記[1]に記載の方法。
[8] ステップ(b)の処理が少なくとも1種の相間移動剤を含み、またはステップ(b)の処理が少なくとも1種の脱ハロゲン化水素溶媒を含む、上記[1]に記載の方法。
[9] ステップ(a)の反応を、温度約0℃〜約100℃の範囲で行い、予形成された次亜塩素酸のpHが約3〜約7を含む、上記[1]に記載の方法。
[10] ステップ(a)におけるジビニルアレーンの濃度が、約0.5質量%〜約100質量%の範囲であり、ジビニルアレーンのオレフィン性C=C基に対する次亜塩素酸のモル比が約0.5〜約1.5の範囲であり、ステップ(a)のクロロヒドリン形成反応において用いる水が全部で約5質量部〜約50質量部の範囲である、上記[1]に記載の方法。
[11] ステップ(b)におけるクロロヒドリンの濃度が約10質量%〜約70質量%の範囲であり、ステップ(b)におけるクロロヒドリンのクロロヒドリン基に対する塩基化合物のモル比が約0.9〜約1.1の範囲である、上記[1]に記載の方法。
[12] (c)ジビニルアレーンジオキシド反応生成物を精製するステップを含む、上記[1]に記載の方法。
[13] 次亜塩素酸が、有機溶媒中に溶解している次亜塩素酸の溶液からなり、該次亜塩素酸溶液が、塩化物イオンを実質的に含まず、該次亜塩素酸溶液が、該有機溶媒で次亜塩素酸反応混合物から次亜塩素酸を抽出することによって得られる、上記[1]に記載の方法。
[14] 次亜塩素酸の有機溶媒中溶液が、約0.1〜約50質量%の次亜塩素酸を含有する、上記[14]に記載の方法。