(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5894119
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】面実装インダクタの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01F 41/10 20060101AFI20160310BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20160310BHJP
H01F 27/255 20060101ALI20160310BHJP
H01F 41/12 20060101ALI20160310BHJP
H01F 27/32 20060101ALI20160310BHJP
H01F 17/04 20060101ALI20160310BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20160310BHJP
H01F 41/02 20060101ALI20160310BHJP
H01F 27/02 20060101ALI20160310BHJP
H01F 37/00 20060101ALI20160310BHJP
【FI】
H01F41/10 C
H01F41/04 B
H01F27/24 D
H01F41/12 C
H01F27/32 B
H01F17/04 F
H01F15/10 F
H01F41/02 Z
H01F27/02 A
H01F15/02 N
H01F37/00 A
H01F41/02 D
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-125283(P2013-125283)
(22)【出願日】2013年6月14日
(65)【公開番号】特開2015-2228(P2015-2228A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2014年7月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003089
【氏名又は名称】東光株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐々森 邦夫
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 昌明
(72)【発明者】
【氏名】境 千寿
(72)【発明者】
【氏名】高橋 直人
(72)【発明者】
【氏名】森 博康
【審査官】
小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−098282(JP,A)
【文献】
特開2010−177492(JP,A)
【文献】
特開2013−211330(JP,A)
【文献】
特開2010−147272(JP,A)
【文献】
特開2005−294461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/24
H01F 27/32
H01F 37/00
H01F 41/00−41/12
H01F 17/04
H01F 15/10
H01F 27/02
H01F 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻線を巻回して形成したコイルと、磁性粉末を含有し、内部に該コイルを内蔵するコアを備えた面実装インダクタの製造方法において、
巻線をその両端が外周に位置する様に巻回し、該巻線の端末を、下型と、3方向を囲み、1方向を開口とする側面を備えた第1の上型と、該第1の上型の開口を塞ぐ第2の上型とでキャビティを形成する成形金型の該第1の上型の側面と該第2の上型に接触する様に加工して引き出し端部を形成することによりコイルを形成する工程と、
該成形金型の該第2の上型を開放した状態で、磁性粉末を含有する封止材を予備成形した板状のタブレット上において、該コイルの一方の引き出し端部の表面を該第1の上型の側面に接触する様に、該下型上に、該板状のタブレットと、該コイルを配置する工程と、
該成形金型に該第2の上型を配置し、型締めすることにより、該コイルの他方の引き出し端部の表面を該第2の上型の側面に接触させて、該コイルをキャビティ内に収納する工程と、
該成形金型の該キャビティ内に、磁性粉末を含有する封止材を充填又は、磁性粉末を含有する封止材を予備成形した別の板状のタブレットを収納し、該金型でこれらを圧縮成型することにより、磁性粉末を含有する封止材で該コイルが封止されたコアを形成する工程及び、
該コアに外部電極を形成して該コイルの引き出し端部と外部電極を接続する工程を備えたことを特徴とする面実装インダクタの製造方法。
【請求項2】
巻線を巻回して形成したコイルと、磁性粉末を含有し、内部に該コイルを内蔵するコアを備えた面実装インダクタの製造方法において、
巻線をその両端が外周に位置する様に巻回し、該巻線の端末を、下型と、3方向を囲み、1方向を開口とする側面を備えた第1の中型と、該第1の中型の開口を塞ぐ第2の中型と、上型とでキャビティを形成する成形金型の該第1の中型の側面と該第2の中型に接触する様に加工して引き出し端部を形成することによりコイルを形成する工程と、
該成形金型の該第2の中型を開放した状態で、磁性粉末を含有する封止材を予備成形した板状のタブレット上において、該コイルの一方の引き出し端部の表面を該第1の中型の側面に接触する様に、下型上に、該板状のタブレットと、該コイルを配置する工程と、
該成形金型に該第2の中型を配置し、型締めすることにより、該コイルの他方の引き出し端部の表面を該第2の中型の側面に接触させて、該コイルをキャビティ内に収納する工程と、
該成形金型の該キャビティ内に、磁性粉末を含有する封止材を充填又は、磁性粉末を含有する封止材を予備成形した別の板状のタブレットを収納し、該金型でこれらを圧縮成型することにより、磁性粉末を含有する封止材で該コイルが封止されたコアを形成する工程及び、
該コアに外部電極を形成して該コイルの引き出し端部と外部電極を接続する工程を備えたことを特徴とする面実装インダクタの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻線を巻回して形成したコイルと、磁性粉末を含有し、内部にコイルを内蔵するコアを備えた面実装インダクタの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の面実装インダクタに、巻線を巻回してコイルを形成し、このコイルを内部に備える様に、磁性粉末に結合材を添加したものを圧粉成形して又は、磁性粉末と樹脂の複合材料を圧縮成形してコアを形成したものがある。このコアの表面には外部端子が形成され、外部端子間にコイルが接続される。
この様な従来の面実装インダクタは、
図6に示す様に、巻線を巻回して形成したコイル61を、磁性粉末と樹脂の複合材料で形成されたE字状のタブレット62A上に配置した状態で、コイル61の引き出し端61A、61BがE字状のタブレット62Aと金型の内壁で挟まれる様に、下型60Aと上型60Bで構成される金型内に収納し、このタブレット62A上に磁性粉末と樹脂の複合材料で形成されたタブレット62Bを配置し、これらを金型とパンチ60Cで熱圧縮して形成される(例えば、特許文献1を参照。)。
また、この様な従来の面実装インダクタは、
図7に示す様に、巻線を巻回して形成したコイル71を、磁性粉末と樹脂の複合材料で形成されたタブレット72A、72Bで挟まれる様に、下型70Aと上型70Bで構成される金型内に収納し、コイル71の引き出し端71A、71Bを下型70Aと上型70Bで保持し、これらを金型とパンチ70Cで熱圧縮して形成する場合もある(例えば、特許文献2を参照。)。
さらに、この様な従来の面実装インダクタは、
図8に示す様に、巻線を巻回して形成したコイル81を下型80Aと上型80Bで構成される金型内に収納し、コイル81の引き出し端81A、81Bを下型80Aと上型80Bで保持し、この金型内に磁性粉末に結合材を添加したものを充填してこれらを金型とパンチ80Cで高圧で加圧して成形する場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−245473号公報
【特許文献2】特開2009−170488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
E字状のタブレットを用いて形成した従来の面実装インダクタは、面実装インダクタの小型化に伴って、E字状のタブレットを小型化する必要がある場合、タブレットの形状が複雑であるため、E字状のタブレットが形成するのが困難であった。また、E字状のタブレットが形成できた場合でも、コイルを搭載したり、金型内に収納する際にハンドリングしたりするのに必要な強度が保てず、コイルを搭載、金型内に収納する際に破損したりするという問題があった。E字状のタブレットの強度を保つためには、タブレットの外表面とコイル間の厚みを厚くする必要があり、面実装インダクタが大型化したり、コイルの大きさが制限され、充分な特性が得られなかったりする。さらに、面実装インダクタの小型化に伴って、コイルの引き出し端がE字状のタブレットと金型の内壁で挟まれる様金型内に配置することが困難となり、コイルの引き出し端がコア内に埋没し、コイルの引き出し端と外部端子が充分に接続できずに断線するという問題があった。
また、金型でコイルの引き出し端を保持して形成した従来の面実装インダクタは、金型のコイルの引き出し端を保持している部分からコアを構成している材料が漏れ、コアに大きなバリが発生するという問題があった。コアに大きなバリが発生した場合、面実装インダクタが小型であるためバリを除去するのが困難であった。
【0005】
本発明は、特別な部品等を用いることなく、コイルを金型内の所定の位置に位置決めすることができ、それによってコイルをコアの所定の位置に位置決めし、引き出し端がコア内に埋没するのを防止できる面実装インダクタの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、巻線を巻回して形成したコイルと、磁性粉末を含有し、内部にコイルを内蔵するコアを備えた面実装インダクタの製造方法において、下型と、3方向を囲み、1方向を開口とする側面を備えた第1の上型と、第1の上型の開口を塞ぐ第2の上型とでキャビティを形成する成形金型を用い、コイルは、巻線を巻回し、巻線の引き出し端部が第1の上型の側面と第2の上型に接触する様に加工され、コイルを、第1の上型の開口から成型金型のキャビティ内に、コイルの引出し端部が第1の上型の側面と第2の上型に接触する様に配置し、第1の上型と第2の上型を型締めした状態で、磁性粉末を含有する封止材でコイルを封止してコアを形成し、コアに外部電極を形成してコイルの引き出し端部と外部電極を接続する。
また、本発明は、巻線を巻回して形成したコイルと、磁性粉末を含有し、内部にコイルを内蔵するコアを備えた面実装インダクタの製造方法において、下型と、3方向を囲み、1方向を開口とする側面を備えた第1の中型と、第1の中型の開口を塞ぐ第2の中型と、上型とでキャビティを形成する成形金型を用い、コイルは、巻線を巻回し、巻線の引き出し端部が第1の中型の側面と第2の中型に接触する様に加工され、コイルを、第1の中型の開口から成型金型のキャビティ内に、コイルの引出し端部が第1の中型の側面と第2の中型に接触する様に配置し、第1の中型と第2の中型を型締めした状態で、磁性粉末を含有する封止材で該コイルを封止してコアを形成し、コアに外部電極を形成してコイルの引き出し端部と外部電極を接続する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、巻線を巻回して形成したコイルと、磁性粉末を含有し、内部にコイルを内蔵するコアを備えた面実装インダクタの製造方法において、下型と、3方向を囲み、1方向を開口とする側面を備えた第1の上型と、第1の上型の開口を塞ぐ第2の上型とでキャビティを形成する成形金型を用い、コイルは、巻線を巻回し、巻線の引き出し端部が第1の上型の側面と第2の上型に接触する様に加工され、コイルを、第1の上型の開口から成型金型のキャビティ内に、コイルの引出し端部が第1の上型の側面と第2の上型に接触する様に配置し、第1の上型と第2の上型を型締めした状態で、磁性粉末を含有する封止材でコイルを封止してコアを形成し、コアに外部電極を形成してコイルの引き出し端部と外部電極を接続するので、特別な部品等を用いることなく、引き出し端がコア内に埋没しない様にコイルをコアの所定の位置に位置決めし、コイルを外部電極に確実に接続することができる。
また、本発明は、巻線を巻回して形成したコイルと、磁性粉末を含有し、内部にコイルを内蔵するコアを備えた面実装インダクタの製造方法において、下型と、3方向を囲み、1方向を開口とする側面を備えた第1の中型と、第1の中型の開口を塞ぐ第2の中型と、上型とでキャビティを形成する成形金型を用い、コイルは、巻線を巻回し、巻線の引き出し端部が第1の中型の側面と第2の中型に接触する様に加工され、コイルを、第1の中型の開口から成型金型のキャビティ内に、コイルの引出し端部が第1の中型の側面と第2の中型に接触する様に配置し、第1の中型と第2の中型を型締めした状態で、磁性粉末を含有する封止材でコイルを封止してコアを形成し、コアに外部電極を形成してコイルの引き出し端部と外部電極を接続するので、特別な部品等を用いることなく、引き出し端がコア内に埋没しない様にコイルをコアの所定の位置に位置決めし、コイルを外部電極に確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明に係る面実装インダクタの透過斜視図である。
【
図2】本発明に係る面実装インダクタの斜視図である。
【
図3】本発明の面実装インダクタの製造方法を説明する図であり、(A)は上面図、(B)は(A)のA−B断面図である。
【
図4】本発明の面実装インダクタの製造方法を説明する図であり、(A)は上面図、(B)は(A)のA−B断面図である。
【
図5】本発明の面実装インダクタの別の製造方法を説明する断面図である。
【
図6】従来の面実装インダクタの製造方法を示す部分断面図である。
【
図7】従来の面実装インダクタの別の製造方法を示す部分断面図である。
【
図8】従来の面実装インダクタのさらに別の製造方法を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の面実装インダクタの製造方法は、巻線を巻回して形成したコイルと、磁性粉末を含有し、内部にコイルを内蔵するコアを備えた面実装インダクタを、下型と、3方向を囲み、1方向を開口とする側面を備えた第1の上型と、第1の上型の開口を塞ぐ第2の上型とでキャビティを形成する成形金型を用いて形成する。コイルは、巻線を巻回し、巻線の引き出し端部が第1の上型の側面と第2の上型に接触する様に加工されて形成される。このコイルを、第1の上型の開口から成型金型のキャビティ内に、コイルの引出し端部が第1の上型の側面と第2の上型に接触する様に配置し、第1の上型と第2の上型を型締めした状態で、磁性粉末を含有する封止材でコイルを封止してコアを形成する。このコアに外部電極を形成してコイルの引き出し端部と外部電極を接続する。
従って、本発明の面実装インダクタの製造方法は、第1の上型と第2の上型を型締めする際に、コイルの引き出し端部を第1の上型の側面と第2の上型に圧着させることができるので、弾性の弱い巻線を用いてコイルを形成した場合でも、コアの端面にコイルの引き出し端部を確実に露出させることができる。
また、本発明の面実装インダクタの製造方法は、巻線を巻回して形成したコイルと、磁性粉末を含有し、内部にコイルを内蔵するコアを備えた面実装インダクタを、下型と、3方向を囲み、1方向を開口とする側面を備えた第1の中型と、第1の中型の開口を塞ぐ第2の中型と、上型とでキャビティを形成する成形金型を用いて形成する。コイルは、巻線を巻回し、巻線の引き出し端部が第1の中型の側面と第2の中型に接触する様に加工されて形成される。このコイルを、第1の中型の開口から成型金型のキャビティ内に、コイルの引出し端部が第1の中型の側面と第2の中型に接触する様に配置し、第1の中型と第2の中型を型締めした状態で、磁性粉末を含有する封止材でコイルを封止してコアを形成する。このコアに外部電極を形成してコイルの引き出し端部と外部電極を接続する。
従って、本発明の面実装インダクタの製造方法は、第1の中型と第2の中型を型締めする際に、コイルの引き出し端部を第1の中型の側面と第2の中型に圧着させることができるので、弾性の弱い巻線を用いてコイルを形成した場合でも、コアの端面にコイルの引き出し端部を確実に露出させることができる。
【実施例】
【0010】
以下、本発明の面実装インダクタの製造方法の実施例を
図1乃至
図5を参照して説明する。
図1は本発明に係る面実装インダクタの透過斜視図である。
図1において、11はコイル、12はコアである。
コイル11は、平角線をその両端がコイルの外周に位置するように2段に巻回して形成される。このコイル11は、平角線の端部をそれぞれコイルの外周から引き出して引き出し端部11Aと引き出し端部11Bが形成される。
コア12は、磁性粉末と樹脂の複合材料を用いてコイル11を内蔵し、コイル11の引き出し端部11Aと引き出し端部11Bがそれぞれ端面に露出する様に形成される。磁性粉末は金属磁性粉末が用いられる。また、樹脂はエポキシ樹脂が用いられる。このコア12の表面には、
図2に示す様に、外部電極13Aと外部電極13Bが形成される。
そして、コイル11の引き出し端部11Aが外部電極13Aに接続され、コイル11の引き出し端部11Bが外部電極13Bに接続されることにより、コイル11が外部電極11Aと外部電極13B間に接続される。
【0011】
この様な面実装インダクタは以下の様にして製造される。まず、平角線をその両端がコイルの外周に位置するように2段に巻回してコイルが形成される。
次に、このコイルの外周に位置する平角線の端末を後述の成形金型の第1の上型の側面と第2の上型に接触する様に加工して引き出し端部が形成される。
続いて、
図3に示す様に、コイル31の引き出し端部31Aの表面が第1の上型30Bの側面に接触し、コイル31の引き出し端部31Bの表面が第2の上型に接触可能な様に、コイル31を第1の上型30Bの開口から成型金型のキャビティ内に収納される。この時、鉄系金属磁性粉末とエポキシ樹脂の複合材料を板状に予備成形したタブレット42Aを下型30A上に収納し、このタブレット32A上にコイル31が収納される。
さらに、
図4に示す様に、タブレット32Aとコイル31が収納された成形金型の第1の上型30Bの開口を塞ぐ様に第2の上型30Cを配置し、第1の上型30Bと第2の上型30Cを型締めする。これにより、コイル31の引き出し端部31Aを第1の
上型の側面に、コイル31の引き出し端部31Bを第2の
上型にそれぞれ圧着させることができる。
続いて、コイル31が収納された成形金型のキャビティ内に鉄系金属磁性粉末とエポキシ樹脂の複合材料を充填するか又は、コイルが収納された成形金型のキャビティ内に鉄系金属磁性粉末とエポキシ樹脂の複合材料を板状に予備成形したタブレットが収納される。
さらに、これらを下型30Aと、第1の上型30Bと、第2の上型30Cと、パンチによって120〜250℃で圧縮成形することにより、磁性粉末を含有する封止材でコイルが封止され、コイルを内蔵し、コイルの引き出し端部が端面に露出したコア12が形成される。
そして、このコア12に導電ペーストを塗布し、硬化させてコア12に外部電極13A、13Bが形成される。この外部電極13A、13Bは、Ni、Sn、Cu、Au、Pd等から1つもしくは複数を適宜選択した材料でメッキを施してもよい。
【0012】
以上、本発明の面実装インダクタの製造方法の実施例を述べたが、本発明はこの実施例に限られるものではない。例えば、成形金型は、
図5に示す様に、下型50Aと、3方向を囲み、1方向を開口とする側面を備えた第1の中型50Bと、第1の中型の開口を塞ぐ第2の中型50Cと、ピンゲートが設けられた上型とでキャビティを形成する成形金型を用いてもよい。この場合、巻線を巻回し、巻線の引き出し端部が第1の中型の側面と第2の中型に接触する様に加工されたコイルを、第1の中型の開口から成型金型のキャビティ内に、コイルの引出し端部が第1の中型の側面と第2の中型に接触する様に配置し、第1の中型と第2の中型を型締めした状態で、ピンゲートから磁性粉末を含有する封止材を注入することにより、封止材でコイルを封止してコアを形成し、コアに外部電極を形成してコイルの引き出し端部と外部電極が接続される。
また、金属磁性粉末は、その組成を様々に変えることができ、その表面がガラス等の絶縁体で被覆された金属磁性粉末、表面を酸化した金属磁性粉末が用いられても良い。さらに、樹脂は、ポリイミド樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリエチレン樹脂やポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂を用いても良い。またさらに、コアは、コイルが収納された成形金型のキャビティ内に磁性粉末に結合材を添加したもの充填し、これらを金型とパンチを用いて高圧で加圧成形しても良い。この時、磁性粉末として、金属磁性粉末、その表面がガラス等の絶縁体で被覆された金属磁性粉末、表面を酸化した金属磁性粉末等が用いられても良い。
【符号の説明】
【0013】
11 コイル
12 コア