【文献】
Curr. Opin. Obstet. Gynecol., 2009, Vol.21, No.4, p.318-324
【文献】
Fertil. Steril., 1995, Vol.63, No.6, p.1184-1189
【文献】
Contraception, 2010 Apr, Vol.81, No.4, p.336-342. Epub 2009 Dec 16.
【文献】
Mol. Cell. Endocrinol., 2002, Vol.188, No.1-2, p.111-123
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
子宮内膜症または子宮筋腫を治療する必要のある女性において、それを治療するための組成物であって、該組成物は、21-メトキシ-17α-アセトキシ-11β-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオンおよび17α-アセトキシ-11β-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオンから選択される化合物を、3.125mgから12.5mgの該化合物の用量で含む組成物であって、該組成物は、少なくとも4ヶ月の期間にわたって該女性の膣粘膜に1日あたり1回投与されることを特徴とする、組成物。
子宮内膜症または子宮筋腫を治療する必要のある女性において、それを治療するための組成物であって、該組成物は、21-メトキシ-17α-アセトキシ-11β-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオンおよび17α-アセトキシ-11β-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオンから選択される化合物を、5mg〜20mgの該化合物の用量で含む組成物であって、該組成物は、少なくとも4ヶ月の期間にわたって該女性の膣粘膜に1日あたり1回投与されることを特徴とする、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(発明の詳細な説明)
本発明はさまざまな形態で具体化することができるが、いくつかの実施形態の以下の説明は、本開示が本発明の例証として見なされるべきであり、例示した特定の実施形態に本発明を限定することを意図しないという理解のもとになされる。見出しは利便性のためのみに提供されており、決して本発明を限定すると解釈されるべきではない。任意の見出しのもとに例示される実施形態は、他の見出しのもとに例示される実施形態と組み合わせてもよい。
【0016】
当然ながら、本明細書に示される数字またはデータのいずれかによって形成される任意の範囲、比率および比率の範囲は、本発明のさらなる実施形態を代表することがある。これには、限定された上方および/または下方境界を含んで、または含まずに形成され得る範囲を含む。従って、当業者であれば、多くのこのような比率、範囲および比率の範囲は、本明細書に示されたデータと数字から明確に派生し得ること、およびそれらのすべてが本発明の実施形態を説明することを理解するであろう。
【0017】
本化合物、組成物および方法が開示・説明される前に、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を説明する目的のみであり、限定的であることを意図しないことが理解される。本明細書および添付の請求項で使用される場合、文脈から明らかにそうでないと分かる場合を除いて、単数形「a」、「an」および「the」は複数形を含む。
【0019】
「経口」投与という用語は、摂取されるようにデザインされた製剤中に活性薬剤があること、すなわち吸収のために胃腸系に送達されるようデザインされていることを意味する。
【0020】
「有効薬量」という用語は、特定の疾患を治療するために十分な組成物の活性成分の量を意味する。
【0021】
「選択的プロゲステロン受容体調節因子」とは、組織特異的にプロゲステロン受容体の機能に影響する化合物を意味する。この化合物は、いくつかの組織(例えば、胸組織)ではプロゲステロン受容体拮抗薬として作用し、他の組織(例えば、子宮)ではプロゲステロン受容体作動薬として作用する。
【0022】
「治療する」または「治療」という用語は本明細書で使用される場合、任意のプロゲステロン依存性障害または疾患の治療を指し、障害または疾患を阻害する、障害または疾患の発症を停止させる、障害または疾患を緩和する、例えば、障害または疾患の退縮を生じさせる、または、疾患または障害によって生じる状態を緩和する、疾患または障害の症状を緩和することを含むがこれに限定されない。
【0023】
プロゲステロン依存性障害または疾患に関しての「防止する」または「防止」という用語は、何も起こっていなかった場合は、障害または疾患発症の発現を防止すること、または障害または疾患が既に存在した場合は、障害または疾患のさらなる発症を防止することを意味する。例えば、本発明の組成物は、腫瘍の再発を防止するために使用し得る。その後臨床的に検出可能な腫瘍に拡大する、腫瘍細胞の残留微小群または巣のために、腫瘍の再発が起こる場合がある。
【0024】
「プロゲステロン作動薬」という用語は、プロゲステロン受容体に結合し、天然ホルモンの作用を模倣する化合物を意味する。
【0025】
「プロゲステロン拮抗薬」という用語は、プロゲステロン受容体に結合し、プロゲステロンの効果を阻害する化合物を意味する。
【0026】
「大幅に低下しない」という用語は、女性のホルモンレベルに関して本明細書で使用される場合、本発明の組成物の投与中に、ホルモンレベルが正常範囲内に維持されていることを意味する。従って、ホルモンレベルが正常範囲内に維持される限り、ホルモンレベルのいくらかの低下が起こる場合があると見なされる。
【0027】
「大幅に増加しない」という用語は、女性のホルモンレベルに関して本明細書で使用される場合、本発明の組成物の投与中に、ホルモンレベルが正常範囲内に維持されていることを意味する。従って、ホルモンレベルが正常範囲内に維持される限り、ホルモンレベルのいくらかの上昇が起こる場合があると見なされる。
【0029】
1つの態様では、本発明は以下の一般式:
【化10】
を持つ化合物およびその薬学的に許容される塩を提供する。式 Iでは、R
1はパラ、オルソまたはメタ位であってよく、-CH(OH)CH
3、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、H、CH
3SO、CH
3SO
2、アシル(例えば、フォルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルなど)、アルコキシ(例えば、-OCH
3、-O(CH
2)
2CH
3、-0-CH
2-CH=CH
2)、チオアルコキシ、チオアルキル(-SCH
3)アルコキシ(例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ、Si(CH
3)
3、
【化11】
を含むがこれに限定されない官能基であり、ここで、XおよびYは、アシル、または好ましくは少なくとも1つの窒素元素を含むヘテロサイクル(例えば、アジリジニル
【化12】
、アジリニル
【化13】
、アゼチジニル、ピロリジニル(-NC
4H
8)、置換ピロリジニル(例えば、メトキシピロリジニル、エトキシピロリジニル)、ピロール
【化14】
、ピペリジニル(-NC
5H
10)、置換ピペリジニル(例えば、-O(CH
2)
2NC
5H
10)、ピリジニル
【化15】
、モルフォニリル(NC
4H
8O)、置換モルフォニル(例えば、エトキシモルフォリニル)、オキサジニル、ピペラジニル
【化16】
、置換ピペラジニル
【化17】
、ジアジニル、およびピラゾール
【化18】
などのアゾール)である。R
2は、水素、ハロゲン、アルキル、アシル、ヒドロキシル、アコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、ビニロキシ、エチニロキシ、シクロプロピロキシなど)、アシロキシ(例えば、フォルミロキシ、アセトキシ、プロピオニロキシ、ヘプタノイルオキシ、グリシネートなど)、アルキル炭酸塩、シピオニロキシ、S-アルキル、S-CN、S-アシルおよび-OC(O)R
6を含むがこれに限定されない官能基であり、ここでR
6は、アルキル、アルコキシアルキル(例えば、-CH
2OCH
3)またはアルコキシ(-OCH
3)を含む官能基である。R
3はアルキル(例えば、メチル、メトキシメチル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、メトキシメチルなど)、およびアシロキシを含むがこれに限定されない官能基であるが、ただしR
3はアセトキシまたはプロピニル以外である。R
4は水素およびアルキルを含むがこれに限定されない官能基である。最後に、Xは=O、=N-OR5を含むがこれに限定されない官能基であり、ここでR5は、水素またはアルキル、OH、CH
2、OAlk
1、およびOCOAlk
2、ここでAlk
1およびAlk
2はC1-C8アルキルまたはC7-C15アララルキルであるが、ただしR
1がパラ位にあり、-OCH
3、-SCH
3、-NC
4H
8、-NC
5H
10、-NC
4H
8O、-CHO、-CH(OH)CH
3、-COCH
3、O(CH
2)
2NC
4H
8、または-O(CH
2)
2NC
5H
10の場合、Xは=Oまたは=N-OR5以外であり、ここでR5は水素またはアルキルである。
【0030】
1つの好適な実施形態では、一般式Iまたはその薬学的に許容可能な塩が提供されており、ここでR
1はパラ位にあり、-OCH
3、-SCH
3、-NC
4H
8(ピロリジノ)、-NC
5H
10(ピペリジノ)、-NC
4H
8O(モルフォリノ)、-CHO、-CH(OH)CH
3、-COCH
3、-O(CH
2)
2NC
4H
8(メトキシピロリジノ)または-O(CH
2)
2NC
5H
10(エトキシピペリジノフェニル)であり、R
2は水素、ハロゲン、アルキル、アシル、ヒドロキシル、アコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、ビニロキシ、エチニロキシ、シクロプロピロキシなど)、アシロキシ(例えば、フォニロキシ、アセトキシ、プロピオニロキシ、ヘプタノイルオキシ、グリシネートなど)、アルキル炭酸塩、シピオニロキシ、S-アルキル、S-CN、S-アシルおよび-OC(O)R
6であり、ここでR
6はアルキル、アルコキシアルキル(例えば、-CH
2OCH
3)またはアルコキシ(-OCH
3)を含む官能基であり、R
3はアルキル(例えば、メチル、メトキシメチル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、メトキシメチルなど)、またはアシロキシであるが、ただしR
3はアセトキシまたはプロピニル以外であり、R
4は水素またはアルキルであり、Xは、OH、CH
2、OAlk1、またはOCOAlk2であり、ここでAlk1およびA1k2はC1-C8アルキルまたはC7-C15アララルキルである。
【0031】
別の好適な実施形態では、一般式Iまたはその薬学的に許容される塩が提供されており、ここでR
1はメタまたはオルソ位にあり、-OCH
3、-SCH
3、-NC
4H
8(ピロリジノ)、-NC
5H
10(ピペリジノ)、-NC
4H
8O(モルフォリノ)、-CHO、-CH(OH)CH
3、-COCH
3、-O(CH
2)
2NC
4H
8(メトキシピロリジノ)または-O(CH
2)
2NC
5H
10(エトキシピペリジノフェニル)であり、R
2は水素、ハロゲン、アルキル、アシル、ヒドロキシル、アコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、ビニロキシ、エチニロキシ、シクロプロピロキシなど)、アシロキシ(例えば、フォルミロキシ、アセトキシ、プロピオニロキシ、ヘプタノイルオキシ、グリシネートなど)、アルキル炭酸塩、シピオニロキシ、S-アルキル、S-CN、S-アシルおよび-OC(O)R
6であり、ここでR
6はアルキル、アルコキシアルキル(例えば、-CH
2OCH
3)またはアルコキシ(-OCH
3)を含む官能基であり、R
3はアルキル(例えば、メチル、メトキシメチル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、メトキシメチルなど)、またはアシロキシを含む官能基であるが、ただしR
3はアセトキシまたはプロピニル以外であり、R
4は水素またはアルキルであり、Xは=O、=N-OR5であり、ここでR5は水素またはアルキル、OH、CH
2、OAlk1、またはOCOAlk2であり、ここでAlk1およびAlk2はC1-C8アルキルまたはC7-C15アララルキルである。
【0032】
さらに別の好適な実施形態では、一般式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩が提供されるが、ここでR
1はパラ位にあり、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、H、CH3SO、CH3SO2、チオアルコキシ、Si(CH
3)
3;
【化19】
であり、ここでXおよびYは、アシル、アジリジニル、アジリニル、アゼチジニル、メトキシピロリジニル、エトキシモルフォリニル、オキサジニル、ピペラジニル、メチルピペラジニル、エチルピペラジニルまたはジアジニルであり、R
2は水素、ハロゲン、アルキル、アシル、ヒドロキシル、アコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、ビニロキシ、エチニロキシ、シクロプロピロキシなど)、アシロキシ(例えば、フォニロキシ、アセトキシ、プロピオニロキシ、ヘプタノイルオキシ、グリシネートなど)、アルキル炭酸塩、シピノイロキシ、S-アルキル、S-CN、S-アシルまたは-OC(O)R
6であり、ここでR
6はアルキル、アルコキシアルキル(例えば、-CH
2OCH
3)またはアルコキシ(-OCH
3)を含む官能基であり、R
3はアルキル(例えば、メチル、メトキシメチル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、メトキシメチルなど)、またはアシロキシであるが、ただしR
3はアセトキシまたはプロピニル以外であり、R
4は水素またはアルキルであり、Xは=O、=N-OR5であり、ここでR5は水素またはアルキル、OH、CH
2、OAlk1、またはOCOAlk2であり、ここでAlk1およびAlk2はC1-C8アルキルまたはC7-C15アララルキルである。
【0033】
さらに別の好適な実施形態では、一般式Iまたはその薬学的に許容される塩が提供され、ここでR
1はメタまたはオルソ位にあり、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、H、CH3SO、CH3SO2、チオアルコキシ、Si(CH
3)
3、
【化20】
であり、ここでXおよびYはアシル、アジリジニル、アジリニル、アゼチジニル、メトキシピロリジニル、エトキシモルフォリニル、オキサジニル、ピペラジニル、メチルピペラジニル、エチルピペラジニルまたはジアジニルであり、R
2は水素、ハロゲン、アルキル、アシル、ヒドロキシ、アコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、ビニロキシ、エチニロキシ、シクロプロピロキシなど)、アシロキシ(例えば、フォニロキシ、アセトキシ、プロピオニロキシ、ヘプタノイルオキシ、グリシネートなど)、アルキル炭酸塩、シピオニロキシ、S-アルキル、S-CN、S-アシルまたは-OC(O)R
6であり、ここでR
6はアルキル、アルコキシアルキル(例えば-CH
2OCH
3)またはアルコキシ(-OCH
3)を含む官能基であり、R
3はアルキル(例えば、メチル、メトキシメチル)、ヒドロキシ、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、メトキシメチルなど)またはアシロキシであるが、ただしR
3はアセトキシまたはプロピニル以外であり、R
4は水素またはアルキルであり、Xは=O、=N-OR5であり、ここでR5は水素またはアルキル、OH、CH
2、OAlk1、またはOCOAlk2であり、ここでAlk1およびAlk2はC1-C8アルキルまたはC7-C15アララルキルである。
【0034】
オルソ、メタまたはパラ位であっても、特に好ましいR
1置換基は、
-CHO、-COCH
3および好ましくは少なくとも1つの窒素原子を含むヘテロサイクル、特に-NC
5H
10(ピペリジノ)である。
【0035】
特に好ましいR
2置換基はアルコキシ(特にメトキシまたはエトキシ)およびHである。
【0036】
特に好ましいR
3置換基はアルコキシ(特にメトキシまたはエトキシ)、プロピオニロキシ、フォニロキシ、およびメトキシメチルである。
【0037】
特に好ましいR
4置換基はアルキル、好ましくはメチルである。
【0038】
一般式Iの化合物は、米国特許番号6,861,415および6,900,193(これらの各内容は参照により本明細書に取り込まれる)に開示されている化合物の合成に使用された技術を含む従来の合成化学技術で合成することができる。特に、米国特許番号6,861,415の
図1、2、3および米国特許番号の
図1〜11を、当技術分野で知られている合成技術と組み合わせて本発明の化号物を合成し得る。
【0039】
一般式Iの化合物はC11βにフェニル基を持ち、これは化合物の投与時に代謝されて1級アミンを生成しない官能基とオルソ、メタまたはパラ位(すなわち、一般式IのR
1の位置)で置換される。例えば、C11β位にジメチルアミノフェニル基を持つ化合物は投与時に脱アルキル化を受けて、C11β位に1級アミンアニリン(-フェニル-NH
2)を生成する。脱アルキルは2つの段階で起こる:まず、ジメチルアミノフェニル基がモノメチルアミノフェニルに比較的速くモノ脱メチル化され、次に比較的遅い反応で、残りのアルキル基が除去されて1級アミンを形成する。理論に拘束されるものではないが、アニリンまたは置換アニリン(フェニル-NRH)基は反応性求核試薬の役割を果たし、タンパク質付加物を形成することによって、特に比較的高用量で長期投与された時の、これらの化合物を投与された患者における有害な肝臓反応に寄与すると考えられている。従って、R
1は1級、2級、または3級アミンではない。さらに、R
1はそれ自身が1級、2級または3級アミンと置換される1級、2級または3級アミン以外の官能基ではない。従って本発明の化合物は、ホルモン依存性疾患の長期治療のために、当初予想されたよりも有益である。
【0040】
一般式Iの化合物はC17αの位置(すなわち、一般式IのR
3の位置)にアセトキシまたはプロピニル以外も有する。理論に拘束されるものではないが、これらの部分はC17αの位置にある時は、投与時にアルコールに代謝され、これがこのような化合物を投与された患者におけるタンパク質付加物の形成および肝毒性に寄与する可能性がある。
【0041】
1つの関連する実施形態では、本発明は、上記のように一般式I(または一般式Iの1つ以上の化合物を含む医薬組成物)の1つ以上の化合物を投与することによって、プロゲステロン依存性疾患を治療する方法に関連する。一般式Iの化合物は、この化合物を投与された患者の有害肝臓反応に寄与しないと予測されているため、本発明のこの態様によると、経口(すなわち、胃腸管への投与)、舌下/口腔、血管内、筋肉内、皮下、吸入、粘膜(例えば直腸または膣)、および局所を含む任意の経路を通して投与し得る。1つの好適な実施形態では、一般式Iの1つ以上の化合物を含む組成物が、ホルモン依存性疾患を治療するために、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10カ月またはそれ以上の間、少なくとも25 mg/日、より好ましくは少なくとも50 mg/日の用量で、経口投与される。
【0043】
また本発明は、肝毒性を避ける、ホルモン(例えばプロゲステロン)依存性疾患治療のための抗黄体ホルモン投与方法も提供する。
【0044】
1つの実施形態では、本発明は、アミノ基、N-モノアルキルアミノ基、N-ジアルキルアミノ基、またはアミノ、N-モノアルキルアミノ、またはN-ジアルキルアミノ基で置換された官能基以外のC11β置換基を持つステロイド抗黄体ホルモンの経口投与によって、プロゲステロン依存性疾患を治療する方法に関連する。例えば、ステロイド抗黄体ホルモンのC11β置換基は、N,N-ジアルキルアミノアリール、N-モノアルキルアリールおよびアミノアリール以外である。アミノ基、N-モノアルキルアミノ基、N-ジアルキルアミノ基、またはアミノ、N-モノアルキルアミノ、またはN-ジアルキルアミノ基で置換された官能基以外のC11β置換基を持つステロイド抗黄体ホルモンを、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10カ月またはそれ以上の間、少なくとも25 mg/日、より好ましくは少なくとも50 mg/日の用量で、経口投与し得る。アミノ基、N-モノアルキルアミノ基、N-ジアルキルアミノ基、またはアミノ、N-モノアルキルアミノまたはN-ジアルキルアミノ基で置換された官能基以外のC11β置換基を持つ代表的ステロイド抗黄体ホルモンには、CDB-4119(17α-アセトキシ-11β-(4-アセチルフェニル)-21- チオアセトキシ-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン)、CDB-4239(17α-アセトキシ-11β-(4-アセチルフェニル)-21-メトキシ-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン)、CDB-4241(17α, 21-ジアセトキシ-11β-(4-アセトキシフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン)、CDB-4176(17α-アセトキシ-11β-(4-アセチルフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン)、CDB-4363(17α-アセトキシ-11β-(4(N-ピペリジノ)フェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン)および米国特許番号6,861,415および6,900,193に開示されている他の化合物を含む。
【0045】
別の実施形態では、本発明はホルモン(例えばプロゲステロン)依存性疾患を治療するための、1つ以上の抗黄体ホルモンを含む組成物の非経口投与に関する。本発明のこの態様に従った抗黄体ホルモンは、上記の一般式Iの化合物を含む既知の抗黄体ホルモンであり得る。本発明のこの態様は、19-ノルテストステロンまたは19-ノルプロゲステロン由来の抗黄体ホルモンが、治療濃度で肝臓に有毒作用を呈し、その臨床使用を制限することがあるという予想外の知見に一部起因している。具体的には、抗黄体ホルモン/SPRM CDB-4124の経口(すなわち摂取)治療用量を毎日長期的に投与されている患者は肝毒性を呈することが知られている。大量のCDB-4124のモノ脱メチル化代謝物が、CDB-4124の経口摂取後の患者での薬物動態研究で検出されることから、CDB-4124が肝臓でかなりの初回通過代謝を受け、肝臓障害の機会を与えていることが示唆される。
【0046】
1つの好適な実施形態では、本発明は、限定はされないがCDB-4119、CDB-4239、CDB-4241、CDB-4176およびCDB-4363などの、アミノ基、N-モノアルキルアミノ基、N-ジアルキルアミノ基、またはアミノ、N-モノアルキルアミノ、またはN-ジアルキルアミノ基で置換された官能基以外のC11β置換基を持つステロイド抗黄体ホルモンを含む組成物の非経口投与に関連する。これらの化合物は、肝臓でタンパク質付加物を形成しないと予測されるC11β置換基を持ち、化合物を非経口的に投与することで初回通過代謝を回避することによって、有毒肝臓作用をさらに回避する。1つの関連する実施形態では、化合物は、経口投与された時の治療有効量と比べると比較的低い治療有効量で非経口的に投与される。例えば、膣粘膜に局所投与された時、治療有効量は50 mg/日未満、40 mg/日未満、30 mg/日未満、20 mg/日未満、10 mg/日未満、5 mg/日未満、5mg/日〜50mg/日、5mg/日〜40mg/日、5mg/日〜30mg/日、5mg/日〜20mg/日、または5mg/日〜10mg/日であり得る。別の関連する実施形態では、化合物の有効量は、全身投与された時の有効量より少なく、例えば、膣粘膜に局所投与された時の有効量は、子宮内膜症、子宮筋腫およびその領域に位置する他の疾患を治療するために全身投与される時の2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍および10倍も少ないことがある。
【0047】
上記のような一般式Iの化合物は、経口または非経口のどちらで送達されても、肝毒性が低下するか肝毒性を全く示さないと予測され、経口、舌下/口腔、血管内、筋肉内、皮下、吸入、粘膜(例えば直腸または膣)および局所を含むがこれに限定されない任意の投与経路で投与された時、さまざまなプロゲステロン依存性疾患を治療するための使用に適したものとなる。
【0048】
上記一般式Iの化合物を含む、抗黄体ホルモンの非経口投与は、同じ化合物の経口投与と比較して、肝毒性が低下する可能性がある。好ましくは、抗黄体ホルモンは、静脈内、筋肉内、舌下および粘膜(例えば、膣、子宮内または直腸)などであるがこれに限定されない、初回通過代謝を回避する経路で投与される。
【0049】
抗黄体ホルモンは、その抗黄体ホルモンが低いグルココルチコイド活性をを持つ限り、特異的プロゲステロン受容体調節因子(SPRM)など、プロゲステロン受容体を阻害する任意の化合物であり得る。抗黄体ホルモンの投与後に患者の血清エストロゲンレベルが実質上保存されるように、抗黄体ホルモンは低いエストロゲン/抗エストロゲン活性を持つことが好ましい。
【0050】
下記のさまざまな実施形態に関して、本発明の組成物は、上記の一般式Iの1つ以上の化合物を含むことがあり、その場合、組成物は経口的または非経口的に投与され得る。または、組成物は上記の一般式Iの化合物以外に任意の抗黄体ホルモンを含むことがあり、その場合、組成物は、抗黄体ホルモンの初回通過代謝を回避する経路で投与される。
【0051】
本発明の1つの実施形態では、本発明の組成物は、乳がんの患者に乳がんを治療するために投与される。1つの好適な実施形態では、患者はヒトの女性で、乳がんがヒトエストロゲン受容体(hER)またはヒトプロゲステロン受容体(hPR)を発現し、さらに好ましくはhERとhPRの両方を発現する。
【0052】
本発明の1つの関連する実施形態では、本発明の組成物は、抗エストロゲン治療に耐性を示す1つ以上の腫瘍を持つ乳がん患者に、乳がんを治療するために投与する。例えば、本発明の化合物は、患者のタモキシフェン耐性乳がんを治療するために有用であり得る。
【0053】
本発明の1つの関連する実施形態では、本発明の組成物は、非浸潤性乳管がん(DCIS)、膠様がん、乳房の髄様がん、乳房の乳頭がん、腺様嚢胞がん(ACC)、乳頭のパジェット病、炎症性乳房疾患、線維腺腫および乳腺線維嚢胞症から成るグループから選択される疾患を患う患者に、疾患を治療するために投与される。
【0054】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、女性の乳がんの発症を防ぐために、エストロゲン治療を受けている女性に投与される。
【0055】
1つの関連する実施形態では、組成物は、舌下/口腔、血管内、筋肉内、皮下、吸入、粘膜(例えば、直腸、子宮内または膣)、および局所から成るグループから選択される、初回通過代謝を回避する(非経口)経路で投与される。1つの好適な実施形態では、本発明の組成物は、乳がんを治療するために乳房(例えば、乳頭または乳輪)に直接つける経皮パッチ、ジェルまたは軟膏の形態で乳がん患者に投与される。
【0056】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、子宮内膜増殖を抑制するために、それを必要とする女性患者に投与される。1つの好適な実施形態では、本発明の組成物は、子宮内膜増殖を抑制するために、患者に膣内投与される。
【0057】
本発明の1つの関連する実施形態では、本発明の組成物は、子宮内膜症を治療するために、それを必要とする女性患者に投与される。1つの好適な実施形態では、本発明の組成物は、子宮内膜症を治療するために患者に膣内投与される
【0058】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、月経困難症を治療するために、それを必要とする女性に投与される。1つの好適な実施形態では、本発明の組成物は、月経困難症を治療するために、患者に膣内投与される。
【0059】
本発明のまた別の実施形態では、本発明の組成物は、子宮筋腫を治療するために、それを必要とする女性に投与される。1つの好適な実施形態では、本発明の組成物は、子宮筋腫を治療するために、患者に膣内投与される。
【0060】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、腺筋症を治療するために、それを必要とする女性に投与される。1つの好適な実施形態では、本発明の組成物は、腺筋症を治療するために、患者に膣内投与される。
【0061】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、子宮内膜症を治療するために、それを必要とする女性に投与される。1つの好適な実施形態では、本発明の組成物は、子宮内膜症を治療するために、患者に膣内投与される。
【0062】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、卵巣がんを治療するために、それを必要とする女性に投与される。1つの好適な実施形態では、本発明の組成物は、卵巣がんを治療するために、患者に膣内投与される。
【0063】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、子宮頸がんを治療するために、それを必要とする女性に投与される。1つの好適な実施形態では、本発明の組成物は、子宮頸がんを治療するために、患者に膣内投与される。
【0064】
1つの特に好適な実施形態では、本発明の組成物は、抗黄体ホルモンを病変領域に局所的に提供するようにデザインされた非経口投与経路で、子宮内膜症、月経困難症、子宮筋腫、腺筋症、卵巣がんまたは子宮頸がんを患う患者に投与される。抗黄体ホルモンは、このような非経口局所投与に適した製剤に処方され得る。例えば、抗黄体ホルモンは、限定はされないものの、抗黄体ホルモンを長期間にわたってゆっくりと放出するようにデザインされた蓄積注射(例えば、固体またはオイルベースの皮下または筋肉内)、ドーナッツ型のホルモン放出膣リングなどの膣内製剤、膣坐薬、膣錠、子宮内器具(IUD)または基質製剤などの子宮内製剤、植込み型薬物送達装置、局所ジェル、または経皮パッチとして処方され得る。抗黄体ホルモンは、局所的であって著しく全身的でない抗黄体ホルモンのゆっくりとした連続的な放出を維持する、膣リング、子宮デポ、膣坐薬または同種のものに組み込まれることが望ましい。
【0065】
1つの好適な実施形態では、抗黄体ホルモンを含む膣内製剤を、このような治療を必要とする患者の膣に投与することによって、子宮内膜症、月経困難症、子宮筋腫、腺筋症、卵巣がんまたは子宮頸がんが治療される。抗黄体ホルモンは、膣内製剤と直接接触する膣粘膜から吸収されることが理解される。膣内リングは好適な製剤であり、抗黄体ホルモンを膣に継続的に放出するようにデザインできる。挿入期間は、例えば1〜3カ月であってよく、連続的長期治療を提供するために、その後製剤を新しいものと交換し得る。
【0066】
1つの好適な実施形態では、抗黄体ホルモンを含む膣錠または膣坐薬をこのような治療を必要とする患者の膣に投与することにより、子宮内膜症、月経困難症、子宮筋腫、腺筋症、卵巣がんまたは子宮頸がんが治療される。膣錠および膣坐薬は、希釈剤、結合剤および坐薬基剤など、このような製剤の製造に一般的に使用されるよく知られた添加剤を使用して製造することができる。
【0067】
別の好適な実施形態では、抗黄体ホルモンを含む子宮内製剤を、このような治療を必要とする患者の子宮腔に投与することによって、子宮内膜症、月経困難症、子宮筋腫、腺筋症、卵巣がんまたは子宮頸がんが治療される。子宮内製剤は、子宮内に抗黄体ホルモンの連続的放出を提供する基質製剤であり得る。子宮内製剤の挿入期間は、約6カ月であってよく、その後、疾患の長期治療が達成されるように、製剤は除去され、新しい製剤を挿入することができる。子宮内製剤は、基質基剤(例えば、シリコンゴム、エチレン酢酸ビニル、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマーまたはコラーゲンを含むがこれに限定されないポリマー)、不活性の子宮内器具および随意に適切な架橋剤および/またはポリソルベート60、ポリソルベート80、グリセリン、パルミチン酸イソプロピルおよびミリスチン酸イソプロピルなどの放出促進剤を使用して、常法で製造し得る。基質製剤は1層または2層であり得る。子宮内製剤の形態は、子宮内への局所投与に十分適した形態を持つものであるがこれに限定されない。
【0068】
本発明の別の実施形態では、本発明の組成物は、女性の月経を誘発するために、それを必要とする女性に投与される。
【0069】
本発明のまた別の実施形態では、本発明の組成物は、陣痛を誘発するために、それを必要とする女性に投与される。
【0070】
本発明のまた別の実施形態では、本発明の組成物は避妊薬としてそれを必要とする女性に投与される。
【0071】
上記のように、一般式Iの化合物を含む組成物は、これらの化合物が肝毒性の低下を示すかまたは肝毒性を示さないために、長期経口投与に適している可能性がある。または、抗黄体ホルモン(例えば、一般式Iの化合物)は初回通過代謝を回避し、そのため肝臓による代謝を減少させるか排除する経路で、長期投与され得る。従って、本発明の組成物は有毒な肝臓作用を起こすことなく、長期ベースで投与され得る。化合物は低いグルココルチコイド受容体結合活性を持つだけで、グルココルチコイド受容体の機能を妨げないことが望ましい。従って、本発明の組成物は、一般的にグルココルチコイド受容体に対して高い親和性を持つ抗黄体ホルモンが使用された時に見られる、気分変動、疲労および体重減少などの減弱した副作用にも関連する可能性があり得る。本発明の化合物のエストロゲン活性、抗エストロゲン活性および抗アンドロゲン活性はまた、低いか実質的にないことが望ましい。
【0072】
1つの実施形態では、1つ以上の抗黄体ホルモンをホルモン依存性疾患を治療するために有効な量で含む本発明の組成物が、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31日またはそれ以上の期間投与される。組成物はまた、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12カ月またはそれ以上の投与期間、投与され得る。組成物はまた、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10年またはそれ以上の投与期間、投与され得る。投与期間中、組成物は毎日または隔日、隔月など定期的に投与され得る。組成物は断続的に投与することもできる。例えば、組成物を1、2、3、4、5カ月またはそれ以上の投与期間投与し、その後の中止期間に続いて1、2、3、4、5カ月またはそれ以上の投与期間、投与することなどができる。
【0073】
1つの実施形態では、被験者が少なくとも1つの中止期間中に月経を経験するように、組成物が断続的に投与される。このアプローチでは、出血、破綻出血、子宮内膜の過剰増殖または子宮内膜がんなどの、プロゲステロン拮抗薬での長期治療に伴い得る肥厚または沈滞した子宮内膜に関連する有害作用を回避することが期待される。少なくとも1つ、好ましくはすべての中止期間は、被験者が月経を経験するために十分な長さである。さらに好ましくは、被験者はすべての中止期間中、月経を経験する。特に好適な実施形態では、組成物は4カ月間毎日投与され、その後被験者が月経を経験する中止期間が続き、その後別の4カ月の投与期間が続く。
【0074】
1つの実施形態では、米国特許番号6,861,415および6,900,193に開示されたステロイド化合物のいずれかを、初回通過代謝を回避する経路で患者に投与し得る。1つの好適な実施形態では、ステロイド化合物は以下の構造式を持つCDB-4124(21-メトキシ-17α-アセトキシ-11β-(4 N, N-ジメチルアミノフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン)である。
【化21】
【0075】
CDB-4124のモノ脱メチル化誘導体であるCDB-4453(21-メトキシ-17α-アセトキシ-11β-(4-N-メチルアミノフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン)は、その親化合物よりもさらに低い抗グルココルチコイド活性を持つことが示されている。Attardi et al., 2002, Mol. Cell. Endocrin. 188:111-123の内容は参照により本明細書に組み込まれる。従って、CDB-4453など、19-ノルテストステロンまたは19-ノルプロゲステロン由来の、11β位の炭素でフェニル環がモノメチルアミン置換されている抗黄体ホルモンは、本発明の方法での使用に好ましい化合物の1つであるが、これらの化合物およびそのジ脱メチル化代謝物は、驚いたことに、経口投与されたときに有毒な肝臓作用を起こすことが分かっているため、これらの化合物は初回通過代謝を回避する経路で投与されるべきである。例えば、化合物21-メトキシ-11β-(4-N-メチルアミノフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオンは、初回通過代謝を回避する経路で投与された時に好ましい化合物であり、米国特許番号6,861,415および6,900,193に記述の化合物(ここでR
Iは-NHCH
3)もそうである。
【0076】
初回通過代謝を回避する経路で投与された時、本方法に従って有用な他の化合物には、以下が含まれるがこれに限定されない:
【0077】
ミフェプリストン(RU-486; 11β-[4 N,N-ジメチルアミノフェニル]-17β-ヒドロキシ-17-(1-プロピニル)-エストラ-4,9-ジエン-3-オン)、リロプリストン(11β-(4 N,N-ジメチルアミノフェニル)-17β-ヒドロキシ-17-((Z)-3-ヒドロキシプロペニル)エストラ-4,9-ジエン-3-オン)、オナプリストン(11β-(4 N,N-ジメチルアミノフェニル)-17α-ヒドロキシ-17-(3-ヒドロキシプロピル)-13α-エストラ-4,9-ジエン-3-オン)、アソプリスニル(ベンズアルデヒド, 4-[(11β,17β-17-メトキシ-17-(メトキシメチル)-3-オキソエストラ-4,9-ジエン-11-イル]-1-(E)- オキシム; J867)、その代謝物 J912 (4[17β-ヒドロキシ-17α-(メトキシメチル)-3- オキソエストラ-4,9-ジエン-11β-イル]ベンズアルデヒド-(1E)-オキシム)、およびDE 43 32 283とDE 43 32 284に記述の他の化合物、およびCDB-2914(17α-アセトキシ-11β-(4-N,N-ジメチルアミノフェニル)-19-ノルプレグナ-4,9-ジエン-3,20-ジオン)およびStratton et al., 2000, Hu. Reprod. 15:1092-1099に記述の他の化合物。
【0078】
またJNJ-1250132およびAllan et al., 2006, Steroids 71:949-954に記述の他の化合物、Zhi et al., 1998, J. Med. Chem. 41:291-302に記述の5-アリール-1,2-ジヒロドクロメノ[3,4-f]キノリン類、Zhang et alによる米国特許番号6,509,334、6,566,358および6,713,478に記述の1,4-ジヒドロ-ベンゾ[d][1,3]オキサジン-2-オン類、Fensome et alによる米国特許番号6,391,907に記述の1,3-ジヒドロ-インドール-2-オン類、Ulrich et alによる米国特許番号6,417,214に記述の2,3-ジヒドロ-1H-インドール類、Zhang et alによる米国特許番号6,380,235に記述のベンズイミダゾロン類およびその類似物、Collins et alによる米国特許番号6,339,098に記述の2,1-ベンズイソチアゾリン2,2-ジオキシド類、Santilli et alによる米国特許番号6,306,851および6,441,019に記述のシクロカルバメート類およびシクロ-アミド類、Zhang et alによる米国特許番号6,369,056に記述の環状尿素および環状アミド誘導体、およびZhang et alによる米国特許番号6,358,948に記述のキナゾリノンおよびベンゾキサジン誘導体も、本発明の使用に企図される。
【0079】
本発明に有用であり得る他の抗黄体ホルモンには、(6α,11β,17β)-11-(4-ジメチルアミノフェニル)-6-メチル-4',5'-ジヒドロスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17,2'(3'H)-フラン]-3-オン(ORG-31710)および米国特許番号4,871,724に記述の他の化合物、(11β,17α)-11-(4-アセチルフェニル)-17,23-エポキシ-19,24-ジノルコラ-4,9,20-トリエン-3-オン(ORG-33628)、(7β,11β,17β)-11-(4-ジメチルアミノフェニル-7-メチル]-4',5'-ジヒドロスピロ[エストラ-4,9-ジエン-17,2'(3'H)-フラン]-3-オン(ORG-31806)および米国特許番号4,921,845に記述の他の化合物、ZK-112993およびMichna et al., 1992, J. Steroid Biochem. Molec. Biol. 41:339-348に記述の他の化合物、ORG-31376、ORG-33245、ORG-31167、ORG-31343、RU-2992、RU-1479、RU-25056、RU-49295、RU-46556、RU-26819、LG1127、LG120753、LG120830、LG1447、LG121046、CGP-19984A、RTI-3021-012、RTI-3021-022、RTI-3021-020、RWJ-25333、ZK-136796、ZK-114043、ZK-230211、ZK-136798、ZK-98229、ZK-98734、およびZK-137316を含むがこれに限定されない。
【0080】
さらに本発明での使用に企図されているのは、米国特許番号5,728,689に記述の(Z)-11β-[(4-ジメチルアミノ)フェニル)]-17β-ヒドロキシ-17α-(3-ヒドロキシ-1-プロペニル)エストロ-4-エン-3-オンなどの11β-アリール-4-エストレン類、米国特許番号5,843,933および5,843,931に記述の11β-アリール-エストレン誘導体、米国特許番号5,693,628に記述の4-[17β-メトキシ-17α-(メトキシメチル)-3-オキソエストラ-4,9-ジエン-11β-イル]ベンズアルデヒド-1-(E)-オキシムなどの11-ベンズアルドキシム-エストラ-ジエン誘導体、米国特許番号5,576,310に記述の4-[17β-メトキシ-17α-(メトキシメチル)-3-オキソエステラ-4,9-ジエン-11β-イル]ベンズアルデヒド-1-(E)-[O-(エチルアミノ)カルボニル]オキシムなどの11-ベンズアルドキシム-17β-メトキシ-17α-メトキシメチル-エストラジエン誘導体、WO 99/45023に記述の4-[17β-メトキシ-17α-(メトキシメチル)-3 -オキソエストラ-4,9-ジエン-11β-イル]ベンズアルデヒド-1-(E)[O-(エチルチオ)カルボニル]オキシムなどのS-置換11β-ベンズアドキシム-エストラ-4,9-ジエン-カルボン酸チオールエステル類、DE 19652408、DE 4434488、DE 4216003、DE 4216004およびWO 98/24803に記述の(Z)-6'-(4-シアノフェニル)-9,11α-ジヒドロ-17β-ヒドロキシ-17α[4-(1-オキソ-3-メチルブトキシ)-1-ブテニル]4'H-ナフト[3',2',1';10,9,11]エステロ-4-エン-3-オンなどのステロイドエステル類、WO 98/34947に記述の11β-(4-アセチルフェニル)-17β-ヒドロキシ-17α-(1,1,2,2,2-ペンタフルオロエチル)エスタ-4,9-ジエン-3-オンなどのフッ素化17α-アルキル鎖ステロイド類、米国特許番号5,292,878に記述の11β-(4-アセチルフェニル)-19,24-ジノル-17,23-エポキシ-17α-コラ-4,9,20-トリエン-3-オン などの17-スピロフラン-3'-イリデン・ステロイド類、米国特許番号5,439,913に記述の(Z)-11β,19-[4-(3-ピリジニル)-o-フェニレン]-17β-ヒドロキシ-17α-[3-ヒドロキシ-1-プロペニル]-4-アンドロステン-3-オンおよび他の化合物、米国特許番号5,446,036に記述の11β[4-(1-メチルエテニル)フェニル]-17α-ヒドロキシ-17β-(3-ヒドロキシプロピル)-13α-エストラ-4,9-ジエン-3-オンなどの13-アルキル-11-β-フェニルゴナン類、米国特許番号4,921,845に記述の4 ' ,5 ' -ジヒドロ-11β- [4-(ジメチルアミノ)フェニル]-6β-メチルスピロ[エストラ-4,9- ジエン-17β,2 '(3'H)-フラン]-3-オンなどの11-アリールステロイド類、米国特許番号4,829,060、4,814,327および5,089,488に記述の11-β-アリール-エストラジエン類、米国特許番号5,739,125、5,407,928および5,273,971に記述の11-β-アリール-4,9ゴナジエン類および11-β-アリール-13-アルキル-4,9-ゴナジエン類、EP 289073に記述の11-β-アリール-6-アルキル(またはアルケニルまたはアルキニル)ステロイド類、米国特許番号5,093,507に記述の10-β,11-β-架橋ステロイド、米国特許番号5,244,886に記述の11-β-アリール-14-β-ステロイド類、米国特許番号5,095,129、5,446,178、5,478,956および5,232,915に記述の19,11-β架橋ステロイド類、米国特許番号5,684,151に記述の1-アリールスルホニル、アリールカルボニル、および1-アリールホスホニル-3-フェニル-1,4,5,6-テトラヒドロピリザジン類、米国特許番号5,753,655に記述の1-アリールスルホニル、アリールカルボニル、およびアリールチオカルボニル・ピリダジノ誘導体、米国特許番号5,688,808、5,693,646、5,693,647、5,696,127、5,696,130および5,696,133に記述の1,2-ジヒドロ-[1,2-g]キノリン誘導体および1,2-ジヒドロ-クロメノ-[3,4-f]キノリン誘導体、Kang et al., 2007, Bioorg. Med. Chem. Lett. 15:907-910に記述の(8S, 13S, 14R)-7-オキサ-エストラ-4,9-ジエン-3,17-ジオン1から由来するオキサステロイド類6、およびKang et al., 2007, Bioorg. Med. Chem. Lett. 17:2531-2534に記述の7-オキサ-ステロイド類である。
【0081】
さらに本発明での使用に企図されているのは、米国特許番号4,386,085、4,447,424、4,519,946および4,634,695に開示されている一般式を持つ19-ノルステロイドおよび19-ノル-D-ホモステロイド類であり、これらのそれぞれは参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0082】
さらに本発明の使用に企図されるのは、米国特許番号4,536,401(この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている式Iを持つ11β-アリールエストラジエン類である。
【0083】
さらに本発明の使用に企図されるのは、米国特許番号4,780,461(この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている式Iを持つ13α-アルキル-ゴナン類である。
【0084】
さらに本発明の使用に企図されるのは、米国特許番号4,609,651(この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている式Iを持つ11β-アリールエストラジエン類である。
【0085】
さらに本発明の使用に企図されるのは、米国特許番号5,728,689(この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の式Iの11β-アリール-4-エストレン類である。
【0086】
さらに本発明の使用に企図されるのは、米国特許番号5,843,933および5,843,931(この内容はそれぞれ参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の式Iの11β-アリール-4-エストレン誘導体である。
【0087】
さらに本発明の使用に企図されるのは、米国特許番号4,921,845(この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている11-アリールステロイド類である。
【0088】
さらに本発明の使用に企図されるのは、米国特許番号5,739,125(この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の式Iの11β-アリール-ゴナ-4,9-ジエン-3-オン類である。
【0089】
さらに本発明の使用に企図されるのは、米国特許番号5,407,928(この内容は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)の式Iの11β-アリール-ゴナ-4,9-ジエン類である。
【0090】
さらに本発明の使用に企図されるのは、Kang et al., Bioorg. Med. Chem. Lett., 17(4):907-910 (2007)に開示されているオキサ-ステロイド類の6つの化合物である。
【0091】
本発明に従って採用され得る抗黄体ホルモン化合物は、米国特許番号6,861,415に開示されているものなど、当技術分野で知られている合成化学技術を使用して合成することができる。特定の官能基は他の反応物または試薬をその反応条件下で妨げることがあるため、一時的な保護が必要な場合があることが理解されるべきである。保護基の使用は、「Protective Groups in Organic Synthesis」、第2版、T. W. Greene & P. G. M. Wutz, Wiley-Interscience (1991)に記述されている。
【0092】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、例えば、上記の一般式Iの化合物など、抗黄体ホルモンの薬学的に許容される塩を含む。処理条件によって、得られる塩化合物は中性かまたは塩形態である。塩形態には、水和物と他の溶媒和物および結晶多形も含む。これらの最終生成物の遊離塩基および塩は、本発明に従って使用され得る。
【0093】
酸付加塩はそれ自体が知られている方法で、アルカリなどの塩基物質を使用して、またはイオン交換によって遊離塩基に変換され得る。得られた遊離塩基は有機または無機酸とも塩を形成し得る。
【0094】
酸付加塩の生成では、薬学的に許容される塩を適切に形成するような酸が使用されることが望ましい。このような酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、脂肪酸、脂環式カルボン酸またはスルホン酸であり、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、グルクロン酸、フマル酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、ピルビン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、p-ヒドロキシ安息香酸、エンボン酸、エタンスルホン酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、フェニル酢酸、マンデル酸、アロゲンベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ガラクタル酸、ガラクツロン酸、またはナフタレンスルホン酸である。すべての結晶形多形を本発明に従って使用し得る。
【0095】
塩基付加塩も本発明に従って使用することができ、従来方法で塩を生成するために遊離酸形態を好ましい量の塩基と接触させることにより、生成され得る。遊離酸形態は、塩形態を酸と接触させ、遊離酸を従来法で分離することによって再生成し得る。薬学的に許容される塩基付加塩は、アルカリおよびアルカリ土類金属または有機アミンなどの金属またはアミンとともに形成される。カチオンとして使用される金属の例は、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムおよび同類のものである。適切なアミンの例は、リシンなどのアミノ酸、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチルグルカミンおよび同類のものである。
【0096】
本発明の組成物は、経口(上記の一般式Iの化合物の場合のみ)、舌下/口腔、非経口、経皮、経粘膜(例えば、膣または直腸)、または局所投与のための用量単位形態に調製できる。非経口投与には、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、髄腔内、および関節内が含まれるが、これに限定されない。
【0097】
また別の実施形態では、本発明の組成物は直腸坐薬として製剤化され、これはココアバターまたはグリセリドを含むがこれに限定されない坐薬基剤を含み得る。
【0098】
また別の実施形態では、本発明の組成物は、抗黄体ホルモンおよび米国特許番号4,615,697(これは参照により本明細書に組み込まれる)に記述のものなどの生体接着担体を含む。生体接着担体は、ジェル、クリーム、錠剤、丸剤、カプセル、坐薬、またはフィルム形態または膣粘膜に接着する薬学的に許容可能な他の任意の形態であり得る。
【0099】
本発明の組成物は、吸入用に処方することもでき、これは、ジクロロフルオロメタンまたはトリクロロフルオロメタンなどの高圧ガスを使用して、乾燥粉末としてまたはエアロゾルの形態で投与され得る溶液、懸濁液、またはエマルションを含むがこれに限定されない。
【0100】
本発明の組成物は、例えば、クリーム、軟膏、ローション、ペースト、ジェル、薬用硬膏、パッチ、または膜として経皮送達用に処方することもできる。このような組成物は、例えば浸透促進剤および同類のものなどの、任意の適切な添加剤を含むことができる。
【0101】
本発明の組成物は、注射または連続注入を含むがこれに限定されない非経口投与用に処方することもできる。注射用製剤は、懸濁液、溶液、または油性媒体または水性媒体中のエマルションの形態であり得る。このような組成物は、滅菌水、発熱物質を含まない水、WFIおよび同類のものを含むがこれに限定されない適切な媒体で再構成するための粉末形態でも提供され得る。
【0102】
本発明の組成物は、デポ製剤としても処方することができ、これは移植または筋肉内注射によって投与し得る。このような組成物は、適切な高分子または疎水性材料(例えば許容可能な油中のエマルションとして)、イオン交換樹脂とともに、または難溶性誘導体として(例えば、難溶性塩として)処方され得る。
【0103】
本発明の組成物は、リポソーム製剤としても処方できる。リポソーム製剤は、関心の細胞または角質層を貫通し、細胞膜と融合して、細胞内にリポソーム内の内容物を送達するリポソームを含むことができる。例えば、Yaroshによる米国特許番号5,077,211、Redziniak et al.による米国特許番号4,621,023、またはRedziniak et al.による米国特許番号4,508,703に記述のものなどのリポソームを使用することができる。
【0104】
本発明の組成物は、錠剤(例えば、懸濁錠剤、咀嚼懸濁錠剤、急速分散錠剤、チュアブル錠、発泡錠、二層錠など)、カプレット、カプセル(例えば、軟カプセルまたは硬カプセル)、粉末(例えば、包装粉末、調剤可能粉末または発泡粉末)、ドロップ、小袋、カシェー、トローチ、ペレット、顆粒、微粒、カプセル化微粒、粉末エアロゾル製剤、または投与のために妥当に適応された他の任意の固体剤形などの固体投与単位の形態であり得る。
【0105】
錠剤は多くの関連するよく知られた薬学技術に従って、製造することができる。1つの実施形態では、錠剤または他の固体剤形は、(1)乾燥混合、(2)直接圧縮、(3)粉砕、(4)乾燥または非水造粒、(5)湿式造粒、または(6)溶融を含むがこれに限定されない方法の1つまたは組み合わせを使用したプロセスによって製造され得る。
【0106】
錠剤製造の湿式造粒プロセスの個々のステップは、一般的には原料の粉砕およびふるい分け、乾燥粉末混合、湿式マッシング、造粒および最終粉砕を含む。乾燥造粒には、粉末混合物を強力回転錠剤プレス上で粗錠剤または「スラグ」に圧縮することを伴う。次にスラグは、通常は振動造粒機を通すことによる、粉砕操作によって顆粒粒子に砕かれる。個々のステップには、粉末の混合、圧縮(スラッギング)および粉砕(スラグ低減または造粒)を含む。一般的には、このステップのどれにも、液状結合剤または水分は関与しない。
【0107】
別の実施形態では、固体剤形は、抗黄体ホルモンを1つ以上の医薬品添加剤と混合して実質的に均一な予備処方混合物を形成することによって製造できる。次に予備処方混合物は分割され、望ましい剤形へと随意にさらに処理(例えば、圧縮、カプセル化、包装、分散など)できる。
【0108】
圧縮錠は、本発明の組成物の粉末または顆粒を圧縮することにより製造できる。「圧縮錠」という用語は一般的に、単一圧縮によって、または前圧縮タッピングの後に最終圧縮を行うことによって製造される、経口摂取に適したコーティングされていない素錠を指す。本発明の錠剤は、剤形に取り扱い性または保存性の向上の利点を与えるように、コーティングするかまたは別の方法で作り上げ得る。1つの実施形態では、このようなコーティングは、患者に投与された時の本発明の組成物の治療効果の発現を著しく遅らせないように選択される。「懸濁錠剤」という用語は本明細書で使用される場合、水に入れられた後、急速に崩壊する圧縮錠を指す。
【0109】
本発明の組成物の適切な液体剤形には、溶液、水性または油性懸濁液、エリキシル、シロップ、エマルション、液体エアロゾル製剤、ジェル、クリーム、軟膏などを含む。このような組成物は、使用前に水または他の適切な媒体で再構成する乾燥製品として処方することもできる。
【0110】
1つの実施形態では、液体または半固体組成物が、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12カ月の間、室温、冷蔵(例えば、約5〜10℃)温度、または冷凍温度のいずれかに維持された密閉容器に保存された時、その中に存在する元の抗黄体ホルモン化合物の少なくとも約92.5%、少なくとも約95%、または少なくとも約97.5%を呈する。
【0111】
本発明の組成物は、必要に応じて、薬学的に許容可能な添加剤を含み得る。この明細書の「添加剤」という用語は、それ自体が治療薬ではなく、被験者への治療薬の送達のための担体または媒体として使用される、または取り扱い性または保存性を向上するために、または組成物の単位用量の形成を可能にするか促進するために医薬組成物に付加される、任意の物質を意味する。添加剤には、実例としてであり制限としてではないが、希釈剤、崩壊剤、結合剤、接着剤(例えば、生体接着剤)、湿潤剤、潤滑剤、流動促進剤、表面修飾剤または表面活性剤、香料、懸濁剤、乳化剤、非水媒体、保存剤、抗酸化剤、接着剤、pHおよび浸透圧を調節する物質(例えば、緩衝剤)、保存剤、増粘剤、甘味剤、香味剤、味のマスキング剤、着色剤または染料、浸透促進剤および組成物の外観を向上するために添加される物質を含む。
【0112】
本発明の組成物に随意に採用される添加剤は、固体、半固体、液体またはその組み合わせであり得る。添加剤を含む本発明の組成物は、添加剤を薬剤または治療薬と混合することを含む、薬学で知られている任意の技術で製造できる。
【0113】
本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な希釈剤を添加剤として随意に含む。適切な希釈剤は実例として、個別にまたは組み合わせで、無水ラクトースおよびラクトース一水和物を含むラクトース、直接圧縮可能なでんぷんおよび加水分解でんぷん(例えば、Celutab
TMおよびEmdex
TM)を含むでんぷん、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、デキストロース(例えば、Cerelose
TM 2000)およびデキストロース一水和物、リン酸水素カルシウム二水和物、ショ糖ベースの希釈剤、粉砂糖、硫酸カルシウム一水和物、硫酸カルシウム二水和物、粒状乳酸カルシウム三水和物、デキストレート、イノシトール、加水分解シリアル固体、アミロース、微結晶セルロース、食品グレードのα-および非結晶セルロース(例えば、Rexcel
TM)および粉末セルロースを含むセルロース、炭酸カルシウム、グリシン、ベントナイト、ポリビニルピロリドン、および同類のものを含む。このような希釈剤は、もしある場合は、合計で組成物の総重量の約5%〜約99%、約10%〜約85%、または約20%〜約80%を占める。選択される希釈剤は、適切な流動特性および、錠剤が望ましい場合は圧縮性を示すことが望ましい。
【0114】
粒子外微結晶セルロース(すなわち、乾燥段階後に湿式造粒組成物に添加される微結晶セルロース)は、(錠剤の)硬度および/または崩壊時間を向上するために使用できる。
【0115】
本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な崩壊剤を、特に錠剤、カプセルまたは他の固体製剤のための添加剤として随意に含む。適切な崩壊剤には、個々にまたは組み合わせで、でんぷんグリコール酸ナトリウム(例えば、PenWestのExplotab
TM)および予備ゼラチン化コーンスターチ(例えば、National
TM 1551、National
TM 1550およびColocorn
TM 1500)を含むでんぷん、粘度(例えば、Veegum
TM HV)、精製セルロース、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース、クロスカロメロースナトリウム(例えば、FMCのAc-Di-Sol
TM)、アルギン酸塩、クロスポビドン、および寒天、グアー、キサンチン、ローカストビーン、カラヤ、ペクチンおよびトラガントガムなどのガムを含む。
【0116】
崩壊剤は、組成物の製造中の任意の適切な段階、特に造粒段階の前または圧縮前の潤滑段階中に、添加し得る。このような崩壊剤は、もしある場合は、合計で組成物の総重量の約0.2%〜約30%、約0.2%〜約10%、または約0.2%〜約5%を占める。
【0117】
本発明の組成物は、特に錠剤製剤のための、1つ以上の薬学的に許容される結合剤または接着剤を添加剤として随意に含む。サイジング、潤滑化、圧縮および包装などの正常な処理ができるが、それでも錠剤が崩壊し、摂取時に組成物が吸収されるように、このような結合剤および接着剤は錠剤化される粉末に十分な凝集性を与えることが望ましい。適切な結合剤および接着剤には、個々にまたは組み合わせのいずれかで、アカシア、トラガント、ショ糖、ゼラチン、グルコース、事前ゼラチン化でんぷん(例えば、National
TM 1511およびNational
TM 1500)などを含むがこれに限定されないでんぷん、メチルセルロースおよびカルメロースナトリウム(例えば、Tylose
TM)を含むがこれに限定されないセルロース、アルギン酸およびアルギン酸の塩、ケイ酸マグネシウム・アルミニウム、PEG、グアーガム、多糖酸、ベントナイト、ポビドン(例えば、ポビドンK-15、K-30およびK-29/32)、ポリメタクリル酸、HPMC、ヒドロキシプロピルセルロース(例えば、Klucel
TM)、およびエチルセルロース(例えば、Ethocel
TM)を含む。このような結合剤および/または接着剤は、もしある場合は、合計で組成物の総重量の約0.5%〜約25%、約0.75%〜約15%、または約1%〜約10%を占める。
【0118】
本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される湿潤剤を添加剤として随意に含む。本発明の組成物の湿潤剤として使用できる表面活性剤の非限定的な例には、4級アンモニウム化合物(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよび塩化セチルピリジニウム)、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレン・アルキルフェニル・エーテル(例えば、ノノキシノール9、ノノキシノール10、およびオクトキシノール9)、ポロキサマー(ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレン・ブロック共重合体)、ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドおよび油(例えば、ポリオキシエチレン(8)カプリル/カプリンモノ-およびジグリセリド(例えば、GattefosseのLabrasol
TM)、ポリオキシエチレン(35)ヒマシ油およびポリオキシエチレン(40)加水分解ヒマシ油、ポリオキシエチレン・アルキル・エステル(例えば、ポリオキシエチレン(20)セトステアリルエーテル)、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル(例えば、ポリオキシエチレン(40)ステアリン酸)、ポリオキシエチレン・ソルビタン・エステル(例えば、ポリソルベート20およびポリソルベート80(例えば、ICIのTween
TM 80))、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、ラウリン酸プロピレングリコール(例えば、GattefosseのLauroglycol
TM))、ラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸およびその塩(例えば、オレイン酸、オレイン酸ナトリウムおよびオレイン酸トリエタノールアミン)、グリセリル脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸グリセリン)、ソルビタンエステル(例えば、ソルビタンラウリン酸モノエステル、ソルビタンオレイン酸モノエステル、ソルビタンモノパルミテートおよびソルビタンモノステアレート)、チロキサポール、およびその混合物を含む。このような湿潤剤は、もしある場合は、合計で組成物の総重量の約0.25%〜約15%、約0.4%〜約10%、または約0.5%〜約5%を占める。
【0119】
本発明の組成物は、1つ以上の薬学的に許容される潤滑剤(抗付着剤および/または流動促進剤)を添加剤として随意に含む。適切な潤滑剤には、個々にまたは組み合わせのいずれかで、べハピン酸グリセリン(例えば、Compritol
TM 888)、マグネシウム(ステアリン酸マグネシウム)、カルシウムおよびナトリウムステアリン酸塩を含むステアリン酸およびその塩、加水分解植物油(例えば、Sterotex
TM)、コロイドシリカ、タルク、ワックス、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、塩化ナトリウム、DL-ロイシン、PEG(例えば、Carbowax
TM 4000およびCarbowax
TM 6000)、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、およびラウリル硫酸マグネシウムを含む。このような潤滑剤は、もしある場合は、合計で組成物の総重量の約0.1%〜約10%、約0.2%〜約8%、または約0.25%〜約5%を占める。
【0120】
適切な抗付着剤には、タルク、コーンスターチ、DL-ロイシン、ラウリル硫酸ナトリウムおよび金属ステアリン酸を含む。タルクは、例えば、製剤の機器への付着を低減するため、また混合物の静電気を低減するために使用される抗付着剤または流動促進剤である。1つ以上の抗付着剤は、もしある場合は、組成物の総重量の約0.1%〜約10%、約0.25%〜約5%、または約0.5%〜約2%を占める。
【0121】
流動促進剤は、固体製剤の粉末流動を促進するために使用され得る。適切な流動促進剤には、コロイド二酸化ケイ素、でんぷん、タルク、第三リン酸カルシウム、粉末化セルロースおよび三ケイ酸マグネシウムを含む。コロイド二酸化ケイ素は特に好ましい。
【0122】
本発明の組成物は1つ以上の抗発泡剤を含むことができる。シメチコンは、例示的な抗発泡剤である。抗発泡剤は、もしある場合は、組成物の総重量の約0.001%〜約5%、約0.001%〜約2%、または約0.001%〜約1%を占める。
【0123】
本発明での使用のための例示的な抗酸化剤には、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、メタ亜硫酸カリウムおよび同類のものが含まれるがこれに限定されない。1つ以上の抗酸化剤は、もしある場合は、本発明の組成物中に、重量で約0.01%〜約2.5%、例えば約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約1.5%、約1.75%、約2%、約2.25%、または約2.5%の量で一般的に存在する。
【0124】
さまざまな実施形態では、本発明の組成物は保存剤を含むことができる。適切な保存剤には、塩化ベンザルコニウム、メチル、エチル、プロピルまたはブチルパラベン、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、ベンゼトニウム、メチルまたはプロピルp-ヒドロキシ安息香酸およびソルビン酸またはその組み合わせが含まれるがこれに限定されない。一般的に、任意の保存剤は、重量で約0.01%〜約0.5%または約0.01%〜約2.5%の量で存在する。
【0125】
1つの実施形態では、本発明の組成物は緩衝剤を随意に含む。緩衝剤には、pH変化を減少させる物質を含む。本発明のさまざまな実施形態での使用のための緩衝剤の例示的なクラスには、例えば、グループIA金属の重炭酸塩、グループIA金属の炭酸塩を含むグループIA金属、アルカリまたはアルカリ土類金属緩衝剤、アルミニウム緩衝剤、カルシウム緩衝剤、ナトリウム緩衝剤、またはマグネシウム緩衝剤を含む。適切な緩衝剤には、例えば、リン酸、クエン酸、ホウ酸、酢酸、重炭酸および炭酸ナトリウムまたはカリウムなど、前述の任意のものの炭酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、フタル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩を含む。
【0126】
適切な緩衝剤の非限定的な例には、アルミニウム、水酸化マグネシウム、グリシン酸アルミニウム、酢酸カルシウム、重炭酸カルシウム、ホウ酸カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、水酸化カルシウム、乳酸カルシウム、フタル酸カルシウム、リン酸カルシウム、コハク酸カルシウム、酒石酸カルシウム、第二リン酸ナトリウム、リン酸水素二カリウム、リン酸二カリウム、リン酸水素二ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、酢酸マグネシウム、アルミン酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、重炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、グルコン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、乳酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、フタル酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、コハク酸マグネシウム、酒石酸マグネシウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、ホウ酸カリウム、クエン酸カリウム、メタリン酸カリウム、フタル酸カリウム、リン酸カリウム、ポリリン酸カリウム、ピロリン酸カリウム、コハク酸カリウム、酒石酸カリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、乳酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、トリポリリン酸ナトリウム、合成ハイドロタルサイト、ピロリン酸四カリウム、ピロリン酸四ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三ナトリウム、およびトロメタノルを含む。(Merck & Co.(ニュージャージー州ローウェイ)のThe Merck Index(2001)に提供されているリストに一部基づく)。さらに、上記に言及されている緩衝剤の2つ以上の組み合わせまたは混合物を、本明細書に記述の医薬組成物に使用できる。1つ以上の緩衝剤は、もしある場合は、本発明の組成物中に重量で約0.01%〜約5%または約0.01%〜約3%の量で存在する。
【0127】
さまざまな実施形態では、本発明の組成物は、粘度を増加させる1つ以上の物質を含み得る。粘度を増加させる例示的な物質には、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、カラギーナン、カーボポールおよび/またはその組み合わせを含むがこれに限定されない。一般的には、必要に応じて、1つ以上の粘度増加剤は、本発明の組成物中に重量で約0.1%〜約10%、または約0.1%〜約5%の量で存在する。
【0128】
さまざまな実施形態では、本発明の組成物は、組成物の官能特性を向上させるために「官能剤」を含む。本明細書において「官能剤」という用語は、本発明の組成物の風味または臭いを向上させる、または本発明の組成物の好ましくない風味または臭いをマスクすることに役立つ任意の添加剤を指す。このような物質には、甘味料、香味剤および/または味覚マスキング剤を含む。適切な甘味料および/または香味剤には、医薬組成物を甘くするかまたは風味を提供する任意の物質を含む。オプションの官能剤は一般的に、本発明の組成物中に、約0.1 mg/ml〜約10 mg/ml、約0.5 mg/ml〜約5 mg/mlまたは約1 mg/mlの量で存在する。
【0129】
例示的な甘味料または香味剤には、アカシアシロップ、アネトール、アニス油、芳香エリキシル、ベンズアルデヒド、ベンズアルデヒドエリキシル、シクロデキストリン、キャラウェー、キャラウェー油、カルダモン油、カルダモンシード、カルダモンスピリッツ、カルダモンチンキ、チェリージュース、チェリーシロップ、桂皮、桂皮油、桂皮水、クエン酸、クエン酸シロップ、丁子油、ココア、ココアシロップ、コリアンダー油、デキストロース、エリオジクチオン、エリオジクチオン流エキス、エリオジクチオンシロップ、芳香植物、酢酸エチル、エチルバニリン、フェンネル油、ショウガ、ショウガ流エキス、ショウガオレオレジン、デキストロース、グルコース、砂糖、マルトデキストリン、グリセリン、甘草、甘草エリキシル、甘草エキス、甘草エキスピューレ、甘草流エキス、甘草シロップ、ハチミツ、イソアルコール性エリキシル、ラベンダー油、レモン油、レモンチンキ、マンニトール、サリチル酸メチル、ナツメグ油、苦橙エリキシル、苦橙油、橙花油、橙花水、橙油、橙皮、苦橙皮甘チンキ、オレンジスピリッツ、オレンジシロップ、ペパーミント、ペパーミント油、ペパーミントスピリッツ、ペパーミント水、フェニルエチルアルコール、ラズベリージュース、ラズベリーシロップ、ローズマリー油、バラ油、バラ水、より高強度のサッカリン、サッカリンカルシウム、サッカリンナトリウム、サルサパリラシロップ、サルサパリラ、ソルビトール溶液、スペアミント、スペアミント油、ショ糖、スクラロース、シロップ、タイム油、トルーバルサム、トルーバルサムシロップ、バニラ、バニラチンキ、バニリン、ワイルドチェリーシロップ、またはその組み合わせを含むがこれに限定されない。
【0130】
例示的な味覚マスキング剤には、シクロデキストリン、シクロデキストリンエマルション、シクロデキストリン粒子、シクロデキストリン複合体、またはその組み合わせを含むがこれに限定されない。
【0131】
例示的な懸濁剤には、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、グルコース/砂糖シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲル、および加水分解食用油脂を含むがこれに限定されない。
【0132】
例示的な乳化剤には、レシチン、ソルビタンオレイン酸モノエステル、およびアカシアを含むがこれに限定されない。非水媒体には、食用油、アーモンド油、分画ココナッツ油、油性エステル、プロピレングリコール、およびエチルアルコールを含むがこれに限定されない。
【0133】
前述の添加剤は、当技術分野で知られているように、複数の役割を持ち得る。例えば、でんぷんは充填剤に加えて崩壊剤の役割を果たすことができる。上記の添加剤の分類は、決して制限として解釈されるべきではない。
【0134】
本発明の組成物は、経口、非経口、舌下、経皮、直腸、経粘膜、局所、吸入、口腔投与、またはその組み合わせを含むがこれに限定されない、任意の方法で投与され得る。非経口投与には、静脈内、動脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、髄腔内、関節内、嚢内および脳室内を含むがこれに限定されない。
【0135】
治療での使用に必要な組成物の治療有効量は、他の因子の中でも、活性が望まれる時間の長さ、治療される患者の年齢および状態によって変化し、最終的には担当医師によって決定される。ただし一般的には、ヒトの治療に使用される用量は典型的に、1日あたり約0.001 mg/kg〜約500 mg/kg、例えば、1日あたり約1 μg/kg〜約1 mg/kgまたは1日あたり約1 μg/kg〜約100 μg/kgの範囲である。ほとんどの大きな哺乳類では、1日合計用量は約1〜100 mg、好ましくは約2〜80 mgである。投薬レジメンは最適な治療反応を提供するために調節し得る。希望する用量を、単回投与するか、または例えば1日あたり2回、3回、4回またはそれ以上の分割用量として、適切な間隔で複数回投与してもよい。
【0136】
例示として、本発明の組成物は、約1 μg/kg〜約1 mg/kg 体重、例えば、約1 μg/kg、約25 μg/kg、約50 μg/kg、約75 μg/kg、約100 μg/kg、約125μ/kg、約150 μg/kg、約175 μg/kg、約200 μg/kg、約225 μg/kg、約250 μg/kg、約275 μg/kg、約300 μg/kg、約325 μg/kg、約350μg/kg、約375 μg/kg、約400 μg/kg、約425 μg/kg、約450 μg/kg、約475 μg/kg、約500 μg/kg、約525 μg/kg、約550 μg/kg、約575 μg/kg、約600 μg/kg、約625 μg/kg、約650 μg/kg、約675 μg/kg、約700 μg/kg、約725 μg/kg、約750 μg/kg、約775 μg/kg、約800 μg/kg、約825 μg/kg、約850 μg/kg、約875 μg/kg、約900 μg/kg、約925 μg/kg、約950 μg/kg、約975 μg/kgまたは約1 mg/kg 体重の量の抗黄体ホルモンを被験者に提供するために、被験者に投与することができる。
【0137】
本発明の組成物での治療を受けている患者は、血清エストロゲンおよびグルココルチコイドのレベルを定期的にモニターするべきである。
【0138】
以下の非限定的な例は、本発明の技術の理解を助けるために提供されている。
【実施例】
【0139】
例1. 本発明の製剤は錠剤として製造できる。
本発明の実施のために錠剤を得るためには、以下の原料を錠剤プレス内で一緒に圧縮し得る:
【化22】
【0140】
本発明の実施のために油性製剤を得るためには、例えば、以下の原料を混合してアンプルに装填し得る:
【化23】
例2. 抗黄体ホルモンの体外結合親和性の測定
【0141】
細胞質製剤を使用して競合的結合アッセイが実施される。
【0142】
ウサギのプロゲステロン受容体(PR)およびグルココルチコイド受容体(GR)への結合を測定するために、エストラジオールで予備刺激した幼若ウサギの子宮または胸腺からそれぞれ細胞質が調製される。ウサギの子宮PRへの結合に対しては、ウサギの子宮PRを含む細胞質がTEGMD緩衝液(10 mMトリス、pH 7.2、1.5 mM EDTA、0.2 mMモリブデン酸ナトリウム、10%グリセロール、1 mM DTT)中で調製され、6 nM 1,2-[
3H]プロゲステロン(NEN Life Science製品、52 Ci/mmol)とともに培養され、試験化合物が2〜100 nMの濃度で添加される。ウサギの胸腺GRへの結合に対しては、細胞質はTEGMD緩衝液中で調製され、6 nM 6,7-[
3H]デックス(NEN、35または40 Ci/mmol)で培養され、試験化合物は2〜100 nMの濃度で添加される。
【0143】
ヒトのプロゲステロン受容体A(rhPR-A)またはプロゲステロン受容体B(rhPR-B)への結合の測定のために、hPR-AまたはhPR-Bのどちらかを発現する遺伝子組み換えバキュロウイルスを感染させたSf9昆虫細胞からの細胞質抽出物が調製される。Sf9 細胞質(次のプロテアーゼ阻害剤を含むTEGMD緩衝液中で調製:バシトラシン100 μg/ml、アプロチニン2 μg/ml、ロイペプチン94 μg/ml、ペプスタチンA 200 μg/ml)を6.8 nM 1,2,6,7,16,17-[
3H]プロゲステロン(NEN、143 Ci/mmol)とともに培養し、試験化合物を1〜100 nMの濃度で添加する。
【0144】
4℃で一晩培養した後、デキストランコートの活性炭を加え、4℃、2100 x gで15分間遠心分離することによって、結合および未結合[
3H]-ステロイドを分離する。GRアッセイの上清をデカントして、Beckman LS-1800液体シンチレーションカウンターで計数する。PRを含む上清をピペットで24-ウェルのマイクロプレートに移し、Packard TopCount液体シンチレーションカウンターで計数する。EC
50を計算するために、1分あたりのカウント(cpm)をPackardのRIASmart
TMに入力する。各試験化合物の相対的結合親和性は次のように計算される:(標準のEC
50)/(競合物のEC
50) x100。PR結合アッセイの標準はP4で、GR結合アッセイの標準はデックスである。
例3. 生体内抗グルココルチコイド活性およびプロゲステロン拮抗薬活性の測定。
【0145】
試験化合物の生体内プロゲステロン拮抗薬活性の測定については、10%ウシ胎仔血清(FBS)を添加したフェノールレッドフリーのDMEM中の単層培養で増殖されたT47D-COヒト乳がん細胞、10 U/ml ペニシリンGおよび10 μg/ml 硫酸ストレプトマイシンを、チミジンキナーゼ(tk)プロモーターおよび蛍ルシフェラーゼ(LUC)レポーター遺伝子の上流にある抗黄体ホルモン/グルココルチコイド/アンドロゲン反応因子の2つの複製を含む適切なホルモン感受性レポーター遺伝子プラスミド(例えば、PRE
2-tk-LUC)でトランスフェクトする。トランスフェクトされたT47D-CO細胞を、試験化合物のさまざまな濃度の不在下または存在下、プロゲステロン(例えばP
4)の(所定の)最大刺激濃度で20時間培養する。LUC活性は、Promegaのルシフェラーゼアッセイシステムを使用して決定され、試験化合物のIC
50が決定される。
【0146】
生体内グルココルチコイド拮抗薬活性の測定については、10% FBSおよびペニシリン/ストレプトマイシンを添加したフェノールレッドフリーMEMα中の単層培養で増殖されたHepG2ヒト肝芽腫を、PRE2-tk-LUCおよびGR発現プラスミドなどの適切なホルモン感受性レポーター遺伝子プラスミドでトランスフェクトする。トランスフェクトされたHepG2細胞は、試験化合物のさまざまな濃度の不在下または存在下、デキサメタゾンの(所定)最大刺激濃度で20時間培養する。試験化合物のIC
50は、LUC活性の測定によって決定される。
例4. CDB-4124の毎日の長期投与は有毒な肝臓作用と関連している。
【0147】
Proellex(別名CDB-4124)で実施された最初の試験では、試験されたすべての用量でこの薬物の有効性が示された。Proellexの開発は、高用量で子宮内膜の肥厚および子宮破綻出血の可能性が抑制されたことを示唆するデータに基づいて、試験された2つの最高用量の25 mgと50 mgに焦点が置かれた。動物前臨床試験でも高用量で暴露が最大6カ月間のヨーロッパの女性における小規模試験でも、米国の多様な集団で行われた第III相臨床試験で示された肝毒性は予測されなかった。50 mg/日の用量で経口投与されたProellexは、この用量を投与された女性のおよそ3〜4%に重度の肝毒性を示した。12.5 mgでは、プラセボと異なる有害な肝毒性の兆候はなかった。12.5 mg用量に対するCDB-4124およびそのモノ脱メチル化代謝物(CDB-4453)の最大濃度は、50 mg用量の25%であった。すべての肝毒性は、肝臓関連の重篤な有害作用(SAE)を発症した被験者を含めて、安全性フォローアップに来院した女性において消散した。Proellexを50 mg/日で経口投与したときに観察された作用は、Proellexを25 mg/日で投与した時は、頻度および強度がかなり低かった。この所見は、50 mg/日用量よりも25 mg/日用量で、より長い暴露期間が無事に達成されたという事実によってさらに増幅され、低用量での暴露期間は、50 mg/日で見られるものと同じ肝毒性を必ずしも生じないことが示唆される。
【0148】
現在まで、子宮内膜症または子宮筋腫を持つことが確認されている女性を含む600人以上の患者が、1カ月以上にわたってCDB-4124(Proellex)の12.5mg、25mgまたは50mg用量を含むカプセルを患者に毎日投与する二重盲検および非盲検臨床試験に参加している。これらの患者のうち、約500人がProellexを投与され、約130人がプラセボを投与された。Proellexを投与された患者のうち約190人が1日あたり50mg用量のCDB-4124を投与され、約260人が1日あたり25mg用量のCDB-4124を投与され、約55人が1日あたり12.5mg用量を投与された。
【0149】
参加被験者の肝臓酵素は頻繁にモニターされた。臨床試験を中止する肝臓酵素レベルは、正常上限の3倍以上(≧ 3 x ULN)への肝臓アミノトランスフェラーゼの増加として設定された。
【0150】
臨床試験中、13人の被験者が≧ 3 x ULNの肝臓酵素の増加を示したが、48時間後の反復試験では9人の被験者のみでこれが確認された。≧ 3 x ULNの肝臓酵素の増加が確認された9人の被験者のうち、7人はFDAにSAEとして報告されるほど重度の増加であった。この7人の被験者のうちの1人は1日あたり25mgのCDB-4124を投与されており、残りの6人は1日あたり50mgのCDB-4124を投与されていた。肝臓酵素≧ 3 x ULNは、≧ 3 x ULNの肝臓酵素の増加が確認された9人の被験者のうち5人で持続した。これらの5人の被験者は以前に50mg用量を投与されていた。これらの被験者のうちの1人は、肝臓疾患の治療のために経口薬を投与されている。すべての用量のCDB-4124を使用した臨床試験は、これらのSAEの結果、自主的に中断され、その後安全上の理由で米国食品医薬品局によって臨床試験差し止めとなった。
【0151】
参加被験者に対して実施された薬物動態試験では、投与後1〜2時間で高いC
maxおよびT
maxが検出された。大量のCDB-4124のモノ脱メチル化代謝物も検出され、抗黄体ホルモンの初回通過代謝を明らかに示している。初回通過代謝のさらなる証拠として、ヒトおよび動物肝細胞はCDB-4124のモノ脱メチル化代謝物を急速に生成する。肝臓によるCDB-4124の代謝は、肝臓障害の機会を与え、抗黄体ホルモンが体循環に達する前にその濃度を大きく減少させる。従って、静脈内、筋肉内、および舌下などを含むがこれに限定されない、初回通過代謝を回避する抗黄体ホルモンの代替的投与経路は、体循環に直接吸収されることが可能で、これによって肝毒性を避けながらプロゲステロン依存性疾患の治療方法を提供するものであるべきである。初回通過代謝を避ける投与経路は、経口投与と比較して同じ治療利益を達成するために1用量あたりより少ない薬剤で済む可能性もある。
【0152】
7,12-ジメチルベンズ(a)アントラセン(DMBA)で誘発された乳房腫瘍を持つげっ歯類で、前臨床試験が実施された。これらの試験では、CDB-4124の非経口送達方法の有効性が示された。特に、皮下注射で送達されたCDB-4124は、DMBA誘発乳房腫瘍の量およびサイズの低減に効果的で、コンセプトを実証している。
例5. CDB-4124およびCDB-4453の膣送達は経口投与と比較して全身濃度を減少させ、初回通過代謝を回避する
【0153】
ビーグルに、微小化粉末または膣坐薬のどちらかとして製剤化された25 mgのCDB-4124またはCDB-4453(CDB-4124のモノ脱メチル化代謝物)を投与した。
図1に示されるように、CDB-4124およびCDB-4453は微小化粉末として経口投与された場合、ピーク血漿濃度(Cmax)に達した後に急速に代謝される。対照的に、同じ化合物が膣坐薬で局所的に投与された場合は、薬剤はゆっくりと代謝されピーク血漿濃度(Cmax)は比較的低くなる。さらに、薬剤の全身暴露は、局所投与された場合の方がずっと低い(膣内投与された時と経口投与された時のCDB-4124とCDB-4453のAUCを比較)。
【0154】
ビーグルへの膣内投与後に得られたCDB-4124の最大血中濃度(Cmax)から、第III相臨床試験中に実際に投与されたヒトに対する12.5mg、25mgおよび50 mg用量が推定された。
図2で示されるように、ヒトでのCDB-4124 12.5 mg用量の膣内投与に対する予測Cmaxは、経口投与された場合の同じ用量の約6.5%であり、CDB-4124 50.0 mg用量のヒトでの膣内投与に対する予測Cmaxは、経口投与された場合の同じ用量の約2%である。
例6. 子宮でのCDB-4124のバイオアベイラビリティは、経口投与された場合、驚くほど低い
【0155】
局所投与された時のCDB-4124の低い血中濃度は、有効性の予測に対して何らかの影響があるかどうかを判断するために、抗クラウベルグ試験を実施し、エストラジオールで予備刺激した幼若ウサギにプロゲステロンとさまざまな用量のCDB-4124を、皮下または経口投与で併用投与した。少なくとも3人の高度な訓練を受けた者が、腺状成長、複雑性および全体的プロゲステロン誘発性「発症」についてウサギの子宮を評価した。各用量におけるプロゲステロン誘発性子宮内膜増殖の阻害を(パーセントで)解析した。
図3に示されるように、CDB-4124を皮下投与した場合、最大阻害は1 mg/kg 未満の用量で観察された。ただし、経口投与した場合、最大阻害には用量を〜8倍増加させる必要があった(すなわち、8 mg/kg)。重要な事に、8 mg/kgは、例4で記述された女性被験者に投与されたCDB-4124の50mg/日用量に一致する。これは、子宮内膜でのCDB-4124の有効局所濃度は、薬剤が経口投与された場合は大きく減少することを示しており、これは薬剤の初回通過代謝による可能性が高い。従って、例えば、骨盤および生殖器官に局所的な適応に対する、治療効果を達成するためには、経口投与する場合は比較的高い用量のCDB-4124が必要であり、例4で有毒な肝臓作用が観察されたCDB-4124の用量と一致する。
【0156】
別の抗クラウベルグ試験が実施され、エストラジオールで予備刺激した幼若ウサギに、膣内または経口投与で、プロゲステロンのみ(賦形剤対照)を投与、またはプロゲステロンとCDB-4124の3用量を併用投与した。各用量でのプロゲステロン誘発性子宮内膜増殖の阻害を解析した。
図3は、どちらかの経路でCDB-4124の投与量を増加した後の、McPhail指数の減少を示す。最大阻害(すなわち、McPhail指数の1.5への減少)は、経口投与された時は0.8 mg/kgであったのに対して、膣内投与された時は0.2 mg/kg CDB-4124で起った。この試験のデータは、CDB-4124の膣内送達は、同じ経口用量の抗黄体ホルモン活性の4倍を呈することを示している。
【0157】
累積的に、このデータは、経口投与された時の有効量 と比較して、抗黄体ホルモンの4倍低い用量を膣内投与でき、経口投与と比較してほんのわずかな最大血中濃度にしか達しないので、肝毒性が回避されることを示す。例えば、子宮での同等の抗黄体ホルモン活性は、CDB-4124の50 mg経口用量および12.5 mg 膣内用量で観察される。ただし、12.5 mg膣内用量で観察されたCmaxは50mg 経口用量で観察されたもののわずか2%である。局所投与で達成される薬剤の比較的高い局所濃度によって、骨盤および生殖器官に局所的な適応(例えば、子宮内膜症、子宮筋腫および卵巣がん)の治療効果を達成するための、(経口投与と比較して)薬剤の比較的低い用量が可能となる。局所投与では、体循環中の薬剤の濃度が高くならない(および、関連する初回通過代謝が起こらない)ため、以前の第III相臨床試験の25および50 mg用量でのCDB-4124の経口投与後にわずかな比率の被験者で観察された重度の肝毒性を回避できることは、この薬剤を局所的に投与することの驚くべき利点である。同様の利点は他の抗黄体ホルモンの局所投与でも生じるはずである。