特許第5894210号(P5894210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5894210
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】高線形特性を有する低雑音増幅器
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/32 20060101AFI20160310BHJP
   H03F 1/26 20060101ALI20160310BHJP
   H03F 3/18 20060101ALI20160310BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20160310BHJP
【FI】
   H03F1/32
   H03F1/26
   H03F3/18
   H03F3/68 B
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-78501(P2014-78501)
(22)【出願日】2014年4月7日
(65)【公開番号】特開2015-91124(P2015-91124A)
(43)【公開日】2015年5月11日
【審査請求日】2014年4月7日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0135010
(32)【優先日】2013年11月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513303968
【氏名又は名称】エフシーアイ インク
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コ,ドンヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ホワン,ミュンウーン
【審査官】 白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−204131(JP,A)
【文献】 特開2002−314347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/32
H03F 1/26
H03F 3/18
H03F 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1バイアス回路及び第2バイアス回路を有し、前記第1バイアス回路及び前記第2バイアス回路と一つの入力信号がそれぞれ接続されて、前記一つの入力信号及び前記第1バイアス回路の接点において第1駆動信号を発生し、前記一つの入力信号及び前記第2バイアス回路の接点において第2駆動信号を発生する信号入力部と、
第1増幅器と、第2増幅器及び1以上の第3増幅器を有し、前記第1増幅器は前記第1駆動信号を印加されて増幅した第1出力信号を出力し、前記第2増幅器は前記第2駆動信号を印加されて増幅した第2出力信号を出力し、前記第1増幅器の電流引出端と前記第2増幅器の電流引込端が接続された接点に前記第1出力信号と前記第2出力信号の重合信号が出力され、前記第3増幅器は前記重合信号を印加されて増幅した第3出力信号を出力する低雑音増幅器(LNA)コアと、
を備え
前記第1増幅器はpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器であり、前記第2増幅器はnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器であることを特徴とする低雑音増幅器。
【請求項2】
前記第1増幅器は、
第1電流引込端と、第1入力端及び第1電流引出端を有し、前記第1電流引込端に前記第1駆動信号が印加されれば、前記第1駆動信号を増幅した前記第1出力信号を前記第1電流引出端に出力することを特徴とする請求項1に記載の低雑音増幅器。
【請求項3】
前記第2増幅器は、
第2電流引込端と、第2入力端及び第2電流引出端を有し、前記第1電流引出端と前記第2電流引込端が接続され、前記第2電流引出端に前記第2駆動信号が印加されれば、前記第2駆動信号を増幅した前記第2出力信号を前記第2電流引込端に出力することを特徴とする請求項2に記載の低雑音増幅器。
【請求項4】
前記第3増幅器は、
nチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器として実現された場合に第3電流引込端と、第3入力端及び第3電流引出端を有し、前記第3電流引出端に前記重合信号を印加されて増幅した前記第3出力信号を前記第3電流引込端に出力することを特徴とする請求項3に記載の低雑音増幅器。
【請求項5】
第4入力端と、第4電流引込端及び第4電流引出端を有し、前記第4入力端と前記第3電流引込端が接続され、前記第4入力端に前記第3出力信号である第4入力信号が印加されれば、前記第4入力信号の位相が反転されて増幅された第4出力信号を前記第4電流引込端に出力することを特徴とする第4増幅器をさらに備え、
前記第4増幅器による差動出力を発生することを特徴とする請求項4に記載の低雑音増幅器。
【請求項6】
インダクタ(L)と可変キャパシタ(C)を有し、前記第3電流引込端と前記インダクタ(L)が接続され、前記インダクタ(L)と前記可変キャパシタ(C)は並列に接続されて負荷を発生する帯域通過フィルタ(BPF)をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の低雑音増幅器。
【請求項7】
前記第3増幅器は複数の増幅器を有し、前記複数の増幅器のそれぞれごとに異なる帯域を支援することを特徴とする請求項4に記載の低雑音増幅器。
【請求項8】
前記第3増幅器は、
pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器として実現された場合に第3電流引込端と、第3入力端及び第3電流引出端を有し、前記第3電流引込端に前記重合信号を印加されて増幅した前記第3出力信号を前記第3電流引出端に出力することを特徴とする請求項3に記載の低雑音増幅器。
【請求項9】
第4入力端と、第4電流引込端及び第4電流引出端を有し、前記第4入力端と前記第3電流引出端が接続され、前記第4入力端に前記第3出力信号である第4入力信号が印加されれば、前記第4入力信号の位相が反転されて増幅された第4出力信号を前記第4電流引込端に出力する第4増幅器をさらに備え、
前記第4増幅器による差動出力を発生することを特徴とする請求項8に記載の低雑音増幅器。
【請求項10】
インダクタ(L)と可変キャパシタ(C)を有し、前記第3電流引出端と前記インダクタ(L)が接続され、前記インダクタ(L)と前記可変キャパシタ(C)は並列に接続されて負荷を発生する帯域通過フィルタ(BPF)をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の低雑音増幅器。
【請求項11】
前記第3増幅器は複数の増幅器を有し、前記複数の増幅器のそれぞれごとに異なる帯域を支援することを特徴とする請求項8に記載の低雑音増幅器。
【請求項12】
前記第1増幅器と、前記第2増幅器及び第3増幅器は共通ゲート増幅器であって、前記第1入力端と、前記第2入力端及び前記第3入力端はグランドに接地されることを特徴とする請求項1に記載の低雑音増幅器。
【請求項13】
前記第1バイアス回路は、
第1インダクタ(L)及び第1キャパシタ(C)を有し、前記第1インダクタ(L)と直流をブロッキングするための前記第1キャパシタ(C)が並列に接続され、前記第1インダクタ(L)は電源電圧(VDD)またはレギュレータ電圧(Vreg)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の低雑音増幅器。
【請求項14】
前記第2バイアス回路は、
第2インダクタ(L)及び第2キャパシタ(C)を有し、前記第2インダクタ(L)と直流をブロッキングするための前記第2キャパシタ(C)が並列に接続され、前記第2インダクタ(L)はグランド(GND)に接地されることを特徴とする請求項1に記載の低雑音増幅器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この実施形態は、単一入力(Single Input)を受けて差動出力(Differential Output)を発生するバルン(Balum)状に設計された高線形特性を有する低雑音増幅器(LNA)に関する。
【背景技術】
【0002】
後述する内容は、単にこの実施形態と関連する背景情報のみを提供するだけであり、従来の技術を構成するものではないことを明らかにしておく。
【0003】
共聴アンテナ式テレビ(CATV:Community Antenna Television)のアプリケーションの場合、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)は約50MHz〜1GHzまでバンドの広範な周波数を入力されて動作せねばならないため、線形性が重視される。
【0004】
2次相互変調歪(IMD2:Inter Modulation Distortion Second)と3次相互変調歪(IMD3:Inter Modulation Distortion Third)の性能が複合3次歪(CTB:Composite Triple Beat)/複合2次歪(CSO:Composite Second Order Beat)指標であって、重要な性能の指標となる。2次相互変調歪(IMD2)の場合、完全差動回路である低雑音増幅器(LNA)構造を有すれば打ち消される項目であるため、3次相互変調歪(IMD3)性能のみ合わせればよい。しかしながら、完全差動低雑音増幅器(LNA)構造を有するためには位相が異なる両信号を発生せねばならないため、均衡対不均衡(Balun:Balance−to−Unbalance)を用いることとなる。
【0005】
しかしながら、バルンの入力においてゲインのロスが発生するため、雑音指数(NF:Noise Figure)の性能低下が起こる。なお、ゲインロスを低減するバルンの場合、コストが高くつくという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この実施形態は、低雑音増幅器(LNA)をバルン状に設計して2次相互変調歪(IM2)を除去し、且つ、入力参照2次インターセプトポイント(IIP2)と雑音指数(NF)を改善する高線形特性を有する低雑音増幅器(LNA)を提供して外部バルンを除去してコストの節減を図るところに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この実施形態の一側面によれば、第1バイアス回路及び第2バイアス回路を有し、前記第1バイアス回路及び前記第2バイアス回路と一つの入力信号がそれぞれ接続されて、前記一つの入力信号及び前記第1バイアス回路の接点において第1駆動信号を発生し、前記一つの入力信号及び前記第2バイアス回路の接点において第2駆動信号を発生する信号入力部と、第1増幅器と、第2増幅器及び1以上の第3増幅器を有し、前記第1増幅器は前記第1駆動信号を印加されて増幅した第1出力信号を出力し、前記第2増幅器は前記第2駆動信号を印加されて増幅した第2出力信号を出力し、前記第1増幅器の電流引出端と前記第2増幅器の電流引込端が接続された接点に前記第1出力信号と前記第2出力信号の重合信号が出力され、前記第3増幅器は前記重合信号を印加されて増幅した第3出力信号を出力する低雑音増幅器(LNA)コアと、を備えることを特徴とする低雑音増幅器を提供する。
【0008】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記第1増幅器は、第1電流引込端と、第1入力端及び第1電流引出端を有し、前記第1電流引込端に前記第1駆動信号が印加されれば、前記第1駆動信号を増幅した前記第1出力信号を前記第1電流引出端に出力してもよい。
【0009】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記第2増幅器は、第2電流引込端と、第2入力端及び第2電流引出端を有し、前記第1電流引出端と前記第2電流引込端が接続され、前記第2電流引出端に前記第2駆動信号が印加されれば、前記第2駆動信号を増幅した前記第2出力信号を前記第2電流引込端に出力してもよい。
【0010】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記第3増幅器は、nチャネル金属酸化膜半導体(NMOS、N−Channel Metal Oxide Semiconductor)増幅器として実現された場合に第3電流引込端と、第3入力端及び第3電流引出端を有し、前記第3電流引出端に前記重合信号を印加されて増幅した前記第3出力信号を前記第3電流引込端に出力してもよい。
【0011】
低雑音増幅器に埋め込まれている第4増幅器は、第4入力端と、第4電流引込端及び第4電流引出端を有し、前記第4入力端と前記第3電流引込端が接続され、前記第4入力端に前記第3出力信号である第4入力信号が印加されれば、前記第4入力信号の位相が反転されて増幅された第4出力信号を前記第4電流引込端に出力してもよい。
【0012】
低雑音増幅器に埋め込まれている帯域通過フィルタ(BPF)は、インダクタ(L)と可変キャパシタ(C)を有し、前記第3電流引込端と前記インダクタ(L)が接続され、前記インダクタ(L)と前記可変キャパシタ(C)は並列に接続されて負荷を発生してもよい。
【0013】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記第3増幅器がnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器である場合、前記第3増幅器は複数の増幅器を有し、前記複数の増幅器のそれぞれごとに異なる帯域を支援してもよい。
【0014】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記第3増幅器は、pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器として実現された場合に第3電流引込端と、第3入力端及び第3電流引出端を有し、前記第3電流引込端に前記重合信号を印加されて増幅した前記第3出力信号を前記第3電流引出端に出力してもよい。
【0015】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記第4増幅器は、第4入力端と、第4電流引込端及び第4電流引出端を有し、第3増幅器がpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である場合に前記第4入力端と前記第3電流引出端が接続され、前記第4入力端に前記第3出力信号である第4入力信号が印加されれば、前記第4入力信号の位相が反転されて増幅された第4出力信号を前記第4電流引込端に出力してもよい。なお、低雑音増幅器に埋め込まれている前記第4増幅器による差動出力を発生してもよい。
【0016】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記帯域通過フィルタ(BPF)は、インダクタ(L)と可変キャパシタ(C)を有し、第3増幅器がpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である場合に前記第3電流引出端と前記インダクタ(L)が接続され、前記インダクタ(L)と前記可変キャパシタ(C)は並列に接続されて負荷を発生してもよい。
【0017】
低雑音増幅器は、第3増幅器がpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である場合に前記第3増幅器は複数の増幅器を有し、前記複数の増幅器のそれぞれごとに異なる帯域を支援してもよい。
【0018】
前記第1増幅器と、前記第2増幅器及び第3増幅器は共通ゲート増幅器(Common Gate Amplifier)であって、前記第1入力端と、前記第2入力端及び前記第3入力端はグランドに接地されてもよい。
【0019】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記第1バイアス回路は、第1インダクタ(L)及び第1キャパシタ(C)を有し、前記第1インダクタ(L)と直流をブロッキングするための前記第1キャパシタ(C)が並列に接続され、前記第1インダクタ(L)は電源電圧(VDD)またはレギュレータ(Regulator)電圧(Vreg)に接続されてもよい。
【0020】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記第2バイアス回路は、第2インダクタ(L)及び第2キャパシタ(C)を有し、前記第2インダクタ(L)と直流をブロッキングするための前記第2キャパシタ(C)が並列に接続され、前記第2インダクタ(L)はグランド(GND)に接地されてもよい。
【0021】
低雑音増幅器に埋め込まれている前記第1増幅器はpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器であり、前記第2増幅器はnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器であってもよい。
【発明の効果】
【0022】
以上述べたように、この実施形態によれば、低雑音増幅器(LNA)をバルン状に設計して、2次相互変調歪(IM2)を除去することができる。また、入力参照2次インターセプトポイント(IIP2)と雑音指数(NF)を改善することができ、外部バルンを除去してコストを節減することができる。低雑音増幅器(LNA)負荷に帯域通過フィルタ(BPF)を用いてミキサーの帯域外ジャマーに対する線形性に対する負担を軽減することができるという効果がある。
【0023】
また、この実施形態によれば、低雑音増幅器(LNA)の後端には差動出力が発生するので、2次相互変調歪(IMD2)に対して自由になり得るという効果がある。換言すれば、2次相互変調歪(IMD2)性能を改善するために一般に完全差動低雑音増幅器(LNA)に外部バルンを用いるが、この実施形態によれば、低雑音増幅器(LNA)をバルン状に設計して入力参照2次インターセプトポイント(IIP2)と雑音指数(NF)を改善することができ、外部バルンを除去してコストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、この実施形態による低雑音増幅器(LNA)の回路図である。
図2A図2Aは、この実施形態による狭帯域のための低雑音増幅器(LNA)コアの回路図である。
図2B図2Bは、この実施形態による狭帯域のための低雑音増幅器(LNA)コアの回路図である。
図3A図3Aは、この実施形態による広帯域のための低雑音増幅器(LNA)コアの回路図である。
図3B図3Bは、この実施形態による広帯域のための低雑音増幅器(LNA)コアの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づき、この実施形態による高線形特性を有する低雑音増幅器について詳細に説明する。
【0026】
この実施形態による低雑音増幅器100は、単一入力を受けて差動出力を発生する「バルン(Balum)」状(バルン型)の低雑音増幅器(LNA)である。ここで、「バルン」とは、均衡信号を不均衡信号に変換したり、不均衡信号を均衡信号に変換する回路/構造物を通称する。換言すれば、「バルン」は、特定の素子を指し示すものではなく、均衡−不均衡信号を変換するあらゆるものを指し示す。
【0027】
一般に、外部「バルン」を用いる回路は線形性が重要視されるため、2次相互変調歪(IM2)をバルンにより除去し、低雑音増幅器100から完全差動回路として設計する。この場合、バルンのゲインロスに見合う分だけ雑音指数(NF:Noise Figure)の性能が低下され、ロスを低減するためのバルンは高コストがかかる。このため、この実施形態による低雑音増幅器100はバルン状に設計されてコストを節減することができる。低雑音増幅器100は、2次相互変調歪(IM2)除去技術と電流再使用増幅技術を用いて入力参照2次インターセプトポイント(IIP2)と雑音指数(NF)を改善することができる。低雑音増幅器100は、負荷に帯域通過フィルタ(BPF)126を用いてミキサー130の帯域外ジャマーに対する線形性に対する負担を軽減することができる。
【0028】
図1は、この実施形態による低雑音増幅器(LNA)の回路図である。
【0029】
この実施形態による低雑音増幅器100は、信号入力部110と、低雑音増幅器(LNA)コア120及びミキサー130を備える。低雑音増幅器100に埋め込まれている構成要素は、必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0030】
以下、この実施形態に記載の各増幅器gm1〜gm4について、説明の便宜上、バイアス電流を基準として下記のように定義する。
【0031】
第1増幅器gm1は、pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器であり、ゲートと、ドレーン及びソースを備える。第1増幅器gm1は、バイアス電流を基準として「ソース」を「第1電流引込端」と称し、「ドレーン」を「第1電流引出端」と称し、「ゲート」を「第1入力端」と称する。
【0032】
第2増幅器gm2は、nチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器であり、ゲートと、ドレーン及びソースを備える。第2増幅器gm2は、バイアス電流を基準として「ソース」を「第2電流引出端」と称し、「ドレーン」を「第2電流引込端」と称し、「ゲート」を「第2入力端」と称する。
【0033】
第3増幅器gm3は、nチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器またはpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器であり、ゲートと、ドレーン及びソースを備える。第3増幅器gm3がnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器である場合、バイアス電流を基準として「ソース」を「第3電流引出端」と称し、「ドレーン」を「第3電流引込端」と称し、「ゲート」を「第3入力端」と称する。第3増幅器gm3がpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である場合、バイアス電流を基準として「ソース」を「第3電流引込端」と称し、「ドレーン」を「第3電流引出端」と称し、「ゲート」を「第3入力端」と称する。
【0034】
第4増幅器gm4は、nチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器であり、ゲートと、ドレーン及びソースを備える。第4増幅器gm4は、バイアス電流を基準として「ソース」を「第4電流引出端」と称し、「ドレーン」を「第4電流引込端」と称し、「ゲート」を「第4入力端」と称する。
【0035】
第1増幅器gm1〜第4増幅器gm4に埋め込まれているゲートは、ソースとドレーンとの間の電流の流れを制御する。ドレーンは、ソースから供給されたキャリアがチャネル領域を通過して素子の外に放出される端子を意味する。ソースは、電流を運搬するキャリアを供給する。ここで、第1増幅器gm1の第1入力端と、第2増幅器gm2の第2入力端及び第3増幅器gm3の第3入力端は共通のグランドに接続される。
【0036】
信号入力部110は、入力信号の単一入力を直流ブロッキングのためのキャパシタ(第1キャパシタCと第2キャパシタC)を用いて同じ位相の信号をそれぞれ第1増幅器gm1の第1電流引込端(ソース)と第2増幅器gm2の第2電流引出端(ソース)に印加する。低雑音増幅器100の信号入力部110が第1増幅器gm1及び第2増幅器gm2に分けられて入力を受けることは、2次相互変調歪(IMD2)と雑音指数(NF)を改善するためである。
【0037】
信号入力部110は、第1バイアス回路112及び第2バイアス回路114を備える。信号入力部110の第1バイアス回路112及び第2バイアス回路114と一つの入力信号がそれぞれ接続される。
【0038】
第1バイアス回路112は、第1インダクタL及び第1キャパシタCを備える。第1バイアス回路112は、第1インダクタLと並列に接続された直流をブロッキングするための第1キャパシタCを備える。第1インダクタLの一方の端は第1キャパシタCと接続され、第1インダクタLの他方の端は電源電圧VDDまたはレギュレータ電圧Vregに接続される。ここで、電源電圧VDDは、バイアス電圧を意味する。信号入力部110の一つの入力信号及び第1バイアス回路112の接点INPにおいて第1駆動信号を発生する。
【0039】
第2バイアス回路114は、第2インダクタL及び第2キャパシタCを備える。第2バイアス回路114は、第2インダクタL2と並列に接続された直流をブロッキングするための第2キャパシタCを備える。第2インダクタLの一方の端は第2キャパシタCと接続され、第2インダクタLの他方の端はグランドGNDに接地される。信号入力部110の一つの入力信号及び第2バイアス回路114の接点INNにおいて第2駆動信号を発生する。
【0040】
低雑音増幅器(LNA)コア120は、第1増幅器gm1と、第2増幅器gm2と、BPF126及び第4増幅器gm4を備える。但し、図1に示す低雑音増幅器(LNA)コア120においては、第3増幅器gm3を省略して示す。第3増幅器gm3の詳細については、図2A及び図2Bに基づいて説明する。
【0041】
第1増幅器gm1は、信号入力部110の一つの入力信号及び第1バイアス回路112の接点INPから第1駆動信号を印加されて増幅した第1出力信号を出力する。第2増幅器gm2は、信号入力部110の一つの入力信号及び第2バイアス回路114の接点INNから第2駆動信号を印加されて増幅した第2出力信号を出力する。第1増幅器gm1の電流引出端と第2増幅器gm2の電流引込端が接続された接点Aに第1出力信号と第2出力信号の重合信号が出力される。ここで、接点Aから出力された重合信号がミキサー130に印加されるか、あるいは、第4増幅器gm4に印加される。
【0042】
第1増幅器gm1の第1電流引出端(ドレーン)と第2増幅器gm2の第1電流引込端(ドレーン)の接点Aと接続された回路に第3インダクタLと可変キャパシタCを用いた帯域通過フィルタ(BPF)126を設けて既定のバンド以外のバンドをろ過してもよい。帯域通過フィルタ(BPF)126の詳細については、図2A及び図2Bに基づいて説明する。
【0043】
第4増幅器gm4は、第1増幅器gm1の第1電流引出端(ドレーン)と第2増幅器gm2の第2電流引込端(ドレーン)が接続された接点Aから重合信号が印加されれば、重合信号の位相が反転されて増幅された第4出力信号をミキサー130に出力する。第4増幅器gm4の第4入力端(ゲート)は、第3増幅器gm3の第3電流引出端(ドレーン)から第3出力信号である第4入力信号が印加されれば、第4入力信号の位相が反転されて増幅された第4出力信号を第4電流引込端(ドレーン)に出力する。第4増幅器gm4は、位相が180°反転され、−1dBのゲインを有する反転特性を有する増幅器である。
【0044】
低雑音増幅器(LNA)コア120に埋め込まれている各電気的な素子間の接続関係については、図2A、2B、図3A、3Bに基づいて後述する。低雑音増幅器(LNA)コア120からの出力は、ミキサー130に印加される。結果的に、低雑音増幅器(LNA)コア120においては、接点Aからの出力と第4増幅器gm4による出力によって差動出力が発生する。ミキサー130は、低雑音増幅器(LNA)コア120の出力に接続されて低雑音増幅器(LNA)コア120の出力を受信してミックスする。図1には、低雑音増幅器100の後端をミキサー130として示しているが、低雑音増幅器100は必ずしもこれに限定されて実現されるものではない。
【0045】
図2A及び図2Bは、この実施形態による狭帯域のための低雑音増幅器(LNA)コアの回路図である。
【0046】
この実施形態による狭帯域のための低雑音増幅器(LNA)コア120は、第1増幅器gm1と、第2増幅器gm2と、第3増幅器gm3と、帯域通過フィルタ(BPF)126及び第4増幅器gm4を備える。低雑音増幅器(LNA)コア120に埋め込まれている構成要素は、必ずしもこれらに限定されることはない。
【0047】
第1増幅器gm1は、信号入力部110に設けられている一つの入力信号及び第1バイアス回路112の接点INPから第1駆動信号を印加されて増幅した第1出力信号を出力する。図2A及び図2Bに示す第1増幅器gm1は、pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である。第1増幅器gm1は、第1電流引込端(ソース)と、第1入力端(ゲート)及び第1電流引出端(ドレーン)を備える。第1増幅器gm1の第1電流引込端(ソース)は、接点INPと接続される。第1増幅器gm1は、第1電流引込端(ソース)に第1駆動信号が印加されれば、第1駆動信号を増幅した第1出力信号を第1電流引出端(ドレーン)に出力する。
【0048】
第2増幅器gm2は、信号入力部110の一つの入力信号及び第2バイアス回路114の接点INNから第2駆動信号を印加されて増幅した第2出力信号を出力する。図2A及び図2Bに示す第2増幅器gm2は、nチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器である。第2増幅器gm2の第2電流引出端(ソース)は、接点INNと接続される。第2増幅器gm2は、第2電流引込端(ドレーン)と、第2入力端(ゲート)及び第2電流引出端(ソース)を備える。第2増幅器gm2には、第1増幅器gm1の第1電流引出端(ドレーン)と第2電流引込端(ドレーン)が接続される。第2増幅器gm2は、第2電流引出端(ソース)に第2駆動信号が印加されれば、第2駆動信号を増幅した第2出力信号を第2電流引込端(ドレーン)に出力する。
【0049】
第1増幅器gm1の電流引出端(ドレーン)と第2増幅器gm2の電流引込端(ドレーン)が接続された接点Aに第1出力信号と第2出力信号の重合信号が出力される。
【0050】
図2A及び図2Bに示す低雑音増幅器100は、共通ゲート増幅器である第1増幅器gm1及び第2増幅器gm2にそれぞれ位相が同じ入力信号を受け取って増幅する。換言すれば、第1増幅器gm1を用いて、信号入力部110の一つの入力信号及び第1バイアス回路112の接点INPに同じ位相を有する入力信号を印加し、第2増幅器gm2を用いて、信号入力部110の一つの入力信号及び第2バイアス回路114の接点INNに同じ位相を有する入力信号を印加して増幅する。
【0051】
通常の低雑音増幅器100は、接点INPのみを用いて共通ゲート増幅器であるnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器に入力信号を印加する。共通ゲート増幅器の場合、「1/gm」とインピーダンスが決定されるため、S11(反射ロス)のためのマッチング回路が不要になってコストを節減することができる。しかしながら、S11(反射ロス)に起因して増幅器の制限が生じるため、雑音指数(NF)の性能に限界がある。このため、この実施形態による低雑音増幅器100においては、雑音指数(NF)を改善するために、pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である第1増幅器gm1をさらに備え、第1増幅器gm1に入力信号を印加して増幅された信号が出力されるようにする。
【0052】
この実施形態による低雑音増幅器100は、図2A及び図2Bに示すように、接点INPから入力信号を印加されるpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である第1増幅器gm1をさらに備えることにより、接点INNから入力信号を印加されるnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器である第2増幅器gm2においても電流を再使用して電流の増大なしに増幅器の増幅大きさをさらに向上させることができて、S11(反射ロス)の変化を極力抑え、雑音指数(NF)の性能を向上させることができる。また、pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である第1増幅器gm1とnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器である第2増幅器gm2のデバイス特性を用いて2次相互変調歪(IMD2)を互いに除去して性能を向上させることができる。
【0053】
第3増幅器gm3は、第1増幅器gm1の電流引出端(ドレーン)と第2増幅器gm2の電流引込端(ドレーン)が接続された接点Aから重合信号を印加されて増幅した第3出力信号を出力する。第3増幅器gm3は、nチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器またはpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器として実現され得る。図2Aに示す第3増幅器gm3は、カスコードnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器であり、図2Bに示す第3増幅器gm3は、カスコードpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である。
【0054】
図2Aに示すように、第3増幅器gm3がnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器として実現された場合、第3電流引込端(ドレーン)と、第3入力端(ゲート)及び第3電流引出端(ソース)を備える。第3増幅器gm3の第3電流引出端(ソース)は、接点Aと接続される。第3増幅器gm3は、第3電流引出端(ソース)に重合信号を印加されて増幅した第3出力信号を第3電流引込端(ドレーン)に出力する。換言すれば、pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である第1増幅器gm1とnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器である第2増幅器gm2との間にカスコードnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器である第3増幅器gm3とLCを低雑音増幅器100の負荷として使用可能な帯域通過フィルタ(BPF)126を備える。
【0055】
図2Bに示すように、第3増幅器gm3がpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器として実現された場合、第3電流引出端(ドレーン)と、第3入力端(ゲート)及び第3電流引込端(ソース)を備える。第3増幅器gm3の第3電流引込端(ソース)は接点Aと接続される。第3増幅器gm3は、第3電流引込端(ソース)に重合信号を印加されて増幅した第3出力信号を第3電流引出端(ドレーン)に出力する。換言すれば、pチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である第1増幅器gm1とnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器である第2増幅器gm2との間にカスコードpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器である第3増幅器gm3とLCを低雑音増幅器100の負荷として使用可能な帯域通過フィルタ(BPF)126を備える。
【0056】
第1増幅器gm1と、第2増幅器gm2及び第3増幅器gm3は、共通ゲート増幅器である。第1増幅器gm1の第1入力端(ゲート)と、第2増幅器gm2の第2入力端(ゲート)及び第3増幅器gm3の第3入力端(ゲート)は、グランドに接地される。ここで、ゲートが接地されるグランドは、交流グランドを意味する。
【0057】
帯域通過フィルタ(BPF)126は、第3インダクタLと可変キャパシタCを備える。帯域通過フィルタ(BPF)126は、低雑音増幅器100の出力から帯域外信号をろ過して低雑音増幅器100の2次相互変調歪(IMD2)の性能を向上させる役割を果たす。帯域通過フィルタ(BPF)126の可変キャパシタCを制御してより広いバンドを支援することができる。
【0058】
図2Aに示すように、帯域通過フィルタ(BPF)126がnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)として実現された第3増幅器gm3と接続される場合、帯域通過フィルタ(BPF)126の第3インダクタLの一方の端は第3増幅器gm3の第3電流引込端(ドレーン)と接続され、第3インダクタLの他方の端は電源電圧VDDまたはレギュレータ電圧Vregに接続される。帯域通過フィルタ(BPF)126の第3インダクタLは可変キャパシタCと並列に接続されて負荷を発生する。
【0059】
図2Bに示すように、帯域通過フィルタ(BPF)126がpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)として実現された第3増幅器gm3と接続される場合、帯域通過フィルタ(BPF)126の第3インダクタLの一方の端は第3増幅器gm3の第3電流引出端(ドレーン)と接続され、第3インダクタLの他方の端はグランドに接地される。帯域通過フィルタ(BPF)126の第3インダクタLは、可変キャパシタCと並列に接続されて負荷を発生する。
【0060】
第4増幅器gm4は、第4入力端(ゲート)と、第4電流引込端(ドレーン)及び第4電流引出端(ソース)を備える。
【0061】
図2Aに示すように、第4増幅器gm4がnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)として実現された第3増幅器gm3と接続される場合、第4増幅器gm4の第4入力端(ゲート)は第3増幅器gm3の第3電流引込端(ドレーン)と接続される。第4増幅器gm4の第4入力端(ゲート)は、第3増幅器gm3の第3電流引込端(ドレーン)から第3出力信号である第4入力信号が印加されれば、第4入力信号の位相が反転されて増幅された第4出力信号を第4電流引込端(ドレーン)に出力する。第4増幅器gm4の第4電流引込端(ドレーン)は第1抵抗R1の一方の端と接続され、第1抵抗R1の他方の端は電源電圧VDDまたはレギュレータ電圧Vregと接続される。第4増幅器gm4の第4電流引出端(ソース)は第2抵抗R2の他方の端と接続され、第2抵抗R2の他方の端はグランドと接続される。
【0062】
図2Bに示すように、第4増幅器gm4がpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)として実現された第3増幅器gm3と接続される場合、第4増幅器gm4の第4入力端(ゲート)は第3増幅器gm3の第3電流引出端(ドレーン)と接続される。第4増幅器gm4の第4入力端(ゲート)は、第3増幅器gm3の第3電流引出端(ドレーン)から第3出力信号である第4入力信号が印加されれば、第4入力信号の位相が反転されて増幅された第4出力信号を第4電流引込端(ドレーン)に出力する。第4増幅器gm4の第4電流引込端(ドレーン)は第1抵抗R1の一方の端と接続され、第1抵抗R1の他方の端は電源電圧VDDまたはレギュレータ電圧Vregと接続される。第4増幅器gm4の第4電流引出端(ソース)は第2抵抗R2の他方の端と接続され、第2抵抗R2の他方の端はグランドと接続される。
【0063】
低雑音増幅器100は、第4増幅器gm4によって差動出力を発生する。換言すれば、低雑音増幅器100は、第3増幅器gm3による出力OUTPを発生するだけではなく、第4増幅器gm4において位相が反転された出力OUTMが発生するため、結果的に差動出力が発生するのである。
【0064】
図3A及び図3Bは、この実施形態による広帯域のための低雑音増幅器(LNA)コアの回路図である。
【0065】
この実施形態による広帯域のための低雑音増幅器(LNA)コア120は、第1増幅器gm1と、第2増幅器gm2と、複数の増幅器gm3〜gmN及び1以上の帯域通過フィルタ(BPF)126を備える。低雑音増幅器(LNA)コア120に埋め込まれている構成要素は、必ずしもこれらに限定されることはない。
【0066】
図3Aは、図2Aに示す帯域通過フィルタ(BPF)126の第3インダクタLが一つの値をもって約50MHz〜1GHzまでカバーするには無理があるため、それぞれインダクタL〜L値を分けて広帯域を支援することができる。カスコードnチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器である複数の増幅器gm3〜gmNの直流バイアス値を制御してON/OFFしてバンドを分けて支援することができる。例えば、約50MHzのバンドを支援するためには、大きな値のインダクタが必要になるため、低周波数バンドに対しては抵抗(図3Aの第3抵抗R)の負荷を用いることができる。2次相互変調歪(IMD2)の性能が相対的に重要ではない回路に対しては、抵抗(図3Aの第3抵抗R)の負荷のみを用いることができる。
【0067】
図3Aに示す複数の増幅器gm3〜gmNのそれぞれは、nチャネル金属酸化膜半導体(NMOS)増幅器であり、複数の増幅器のそれぞれごとに異なる帯域を支援する。
【0068】
図3Aに示す複数の増幅器のうち第3増幅器gm3は、第3電流引込端(ドレーン)と、第3入力端(ゲート)及び第3電流引出端(ソース)を備える。第3増幅器gm3の第3電流引出端(ソース)は、接点Aと接続される。第3増幅器gm3は、第3電流引出端(ソース)に重合信号を印加されて増幅した第3出力信号を第3電流引込端(ドレーン)に出力する。第3増幅器gm3の第3電流引込端(ドレーン)は、第3抵抗R3の一方の端と接続され、第3抵抗R3の他方の端は電源電圧VDDまたはレギュレータ電圧Vregと接続される。ここで、第3抵抗R3を用いた負荷が存在する。
【0069】
図3Aに示す複数の増幅器のうち第4増幅器gm4は、第4電流引込端(ドレーン)と、第4入力端(ゲート)及び第4電流引出端(ソース)を備える。第4増幅器gm4の第4電流引出端(ソース)は、接点Aと接続される。第4増幅器gm4は、第4電流引出端(ソース)に重合信号を印加されて増幅した第4出力信号を第4電流引込端(ドレーン)に出力する。第4増幅器gm4の第4電流引込端(ドレーン)は、第3インダクタLの一方の端と接続され、第3インダクタLの他方の端は電源電圧VDDまたはレギュレータ電圧Vregと接続される。
【0070】
帯域通過フィルタ(BPF)126の第3インダクタLの一方の端は第3増幅器gm3の第3電流引込端(ドレーン)と接続され、第3インダクタLの他方の端は電源電圧VDDまたはレギュレータ電圧Vregに接続される。帯域通過フィルタ(BPF)126の第3インダクタLは可変キャパシタCと並列に接続されて負荷を発生する。
【0071】
図3Aに示す複数の増幅器のうち第N増幅器gm4は、第N電流引込端(ドレーン)と、第N入力端(ゲート)及び第N電流引出端(ソース)を備える。第N増幅器gm4の第N電流引出端(ソース)は、接点Aと接続される。第N増幅器gm4は、第N電流引出端(ソース)に重合信号を印加されて増幅した第N出力信号を第N電流引込端(ドレーン)に出力する。第N増幅器gm4の第N電流引込端(ドレーン)は第NインダクタLの一方の端と接続され、第NインダクタLの他方の端は電源電圧VDDまたはレギュレータ電圧Vregと接続される。
【0072】
帯域通過フィルタ(BPF)126の第NインダクタLの一方の端は第3増幅器gm3の第3電流引込端(ドレーン)と接続され、第NインダクタLの他方の端は電源電圧VDDまたはレギュレータ電圧Vregに接続される。帯域通過フィルタ(BPF)126の第NインダクタLは可変キャパシタCと並列に接続されて負荷を発生する。
【0073】
図3Bにおいて、複数の増幅器gm3〜gmNのそれぞれはpチャネル金属酸化膜半導体(PMOS)増幅器であり、複数の増幅器gm3〜gmNのそれぞれごとに異なる帯域を支援する。
【0074】
図3Bに示す複数の増幅器のうち第3増幅器gm3は、第3電流引込端(ソース)と、第3入力端(ゲート)及び第3電流引出端(ドレーン)を備える。第3増幅器gm3の第3電流引込端(ソース)は、接点Aと接続される。第3増幅器gm3は、第3電流引込端(ソース)に重合信号を印加されて増幅した第3出力信号を第3電流引出端(ドレーン)に出力する。第3増幅器gm3の第3電流引出端(ドレーン)は第3抵抗Rの一方の端と接続され、第3抵抗Rの他方の端はグランドと接地される。ここで、第3抵抗Rを用いた負荷が存在する。
【0075】
図3Bに示す複数の増幅器のうち第4増幅器gm4は、第4電流引込端(ソース)と、第4入力端(ゲート)及び第4電流引出端(ドレーン)を備える。第4増幅器gm4の第4電流引込端(ソース)は、接点Aと接続される。第4増幅器gm4は、第4電流引込端(ソース)に重合信号を印加されて増幅した第4出力信号を第4電流引出端(ドレーン)に出力する。第4増幅器gm4の第4電流引出端(ドレーン)は第3インダクタLの一方の端と接続され、第3インダクタLの他方の端はグランドと接地される。
【0076】
帯域通過フィルタ(BPF)126の第3インダクタLの一方の端は第4増幅器gm4の第4電流引出端(ドレーン)と接続され、第3インダクタLの他方の端はグランドに接地される。帯域通過フィルタ(BPF)126の第3インダクタLは可変キャパシタCと並列に接続されて負荷を発生する。
【0077】
図3Bに示す複数の増幅器のうち第N増幅器gm4は、第N電流引込端(ソース)と、第N入力端(ゲート)及び第N電流引出端(ドレーン)を備える。第N増幅器gm4の第N電流引込端(ソース)は、接点Aと接続される。第N増幅器gm4は、第N電流引込端(ソース)に重合信号を印加されて増幅した第N出力信号を第N電流引出端(ドレーン)に出力する。第N増幅器gm4の第N電流引出端(ドレーン)は第NインダクタLの一方の端と接続され、第NインダクタLの他方の端はグランドと接地される。
【0078】
帯域通過フィルタ(BPF)126の第NインダクタLの一方の端は第N増幅器gm4の第N電流引出端(ドレーン)と接続され、第NインダクタLの他方の端はグランドに接地される。帯域通過フィルタ(BPF)126の第NインダクタLは可変キャパシタCNと並列に接続されて負荷を発生する。
【0079】
以上の説明は、この実施形態の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、この実施形態が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、この実施形態の本質的な特性から逸脱しない範囲内において種々の修正及び変形が可能である。よって、この実施形態は、この実施形態の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施形態によってこの実施形態の技術思想の範囲が限定されることはない。この実施形態の保護範囲は、下記の請求範囲によって解釈さるべきであり、これと同じ範囲内にあるあらゆる技術思想は、この実施形態の権利範囲に含まれるものと解釈さるべきである。
【符号の説明】
【0080】
110:信号入力部
112:第1バイアス回路
114:第2バイアス回路
120:低雑音増幅器(LNA)コア
126:帯域通過フィルタ(BPF)
130:ミキサー
図1
図2A
図2B
図3A
図3B