(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のエンド・ノードに向けて単一の収集ポイントの下流で分岐し、前記収集ポイントと前記エンド・ノードの少なくともいくつかとの中間にあるノードを含むネットワーク内において、前記収集ポイントにおけるダウンストリーム・パケット損失についてのデータを収集するステップであって、前記データは、前記収集ポイントと前記ネットワークの異なるブランチ上の2つ以上のエンド・ノードとの間の下流のエンド・ツー・エンド・パケット損失、前記収集ポイントから前記エンド・ノードの対への対―損失率、及び前記エンド・ノードの前記対に向かうことになっている前記収集ポイントから送信されるパケット対の対割合を記述する、ステップと、
前記収集されたデータから、中間ノードから始まるかまたは中間ノードで終わり、かつ、前記ネットワークのブランチ・ポイントである中間ノードを含むかまたは前記ネットワークのブランチ・ポイントである中間ノードから始まるかまたは前記ネットワークのブランチ・ポイントである中間ノードで終わるパケット損失率を推定するステップと
を含む、方法。
前記データ収集は、GPRSコア・ネットワークのGPRSサポート・ノード(GGSN)の下の第1のリンクで展開される専用のハードウェア監視デバイスによって実行される、請求項1に記載の方法。
複数のエンド・ノードに向けて単一の収集ポイントの下流で分岐し、前記収集ポイントと前記エンド・ノードの少なくともいくつかとの中間にあるノードを含むネットワーク内において、前記収集ポイントにおけるダウンストリーム・パケット損失についてのデータを収集するための入力を備え、前記データは、前記収集ポイントと前記ネットワークの異なるブランチ上の2つ以上のエンド・ノードとの間の下流のエンド・ツー・エンド・パケット損失、前記収集ポイントから前記エンド・ノードの対への対―損失率、及び前記エンド・ノードの前記対に向かうことになっている前記収集ポイントから送信されるパケット対の対割合を記述し、さらに
前記収集されたデータから、中間ノードから始まるかまたは中間ノードで終わり、かつ、前記ネットワークのブランチ・ポイントである中間ノードを含むかまたは前記ネットワークのブランチ・ポイントである中間ノードから始まるかまたは前記ネットワークのブランチ・ポイントである中間ノードで終わるパケット損失率の推定値を計算するように構成された回路を備える、監視デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0010】
GPRSコア・ネットワークを有する典型的なワイヤレス通信ネットワークの一部分が、
図1に概略的に示されている。ダウンストリーム方向に進むと、インターネット10からGGSN20へのリンクがあり、GGSNから複数のSGSN(GPRSサポート・ノードをサーブする(Serving))30へのリンクがあり、各SGSNから複数のRNC(無線ネットワーク・コントローラ)40へのリンクがあり、また各RNCから複数の基地局50へのリンクがあることが分かる。各基地局は、複数の移動局60と連絡をとることができる。
【0011】
GGSNから少なくとも基地局へと下に向かって、様々なネットワーク要素は、GGSNにルートが置かれたツリー・グラフのノードを形成し、各要素からその下の要素までのリンクは、ツリー・グラフの頂点を形成することが、
図1から明らかであろう。
【0012】
本発明者等の方法は、ツリー・グラフによって表され得るパケット化された任意の通信ネットワークに適用することができる。上記で指摘されるように、
図1のネットワークなどのワイヤレスGPRSネットワークは、本発明者等の方法が特に有用となる場合の一例である。しかしながら、本発明者等の方法の適用は、GPRSネットワーク、またはワイヤレス・ネットワークだけに限定されるものではない。
【0013】
本発明者等の方法は、
図1のGGSNや他のノードなどのネットワーク・ノードにおいて実行されるコンピュータ、またはデジタル・プロセッサ上で展開することができ、あるいはその方法は、専用マシン上で展開することができる。方法が展開されるマシンは、例えば、ソフトウェア命令の下で動作する汎用マシン、あるいはハードウェアまたはファームウェアの制御の下で動作する特定用途マシンとすることができる。
【0014】
いくつかの実施形態においては、メッセージが展開されるマシンは、リンクの中間ポイントにインストールされるタップを通してパケット・トラフィックのコピーを迂回させることにより、パケット損失情報を収集することになる。例えば、
図2は、
図1のネットワークの一部分を示しており、そこでは、タップ70が、GGSN20と、SGSN80との間のリンクに追加されており、監視デバイス90が、タップ70からコピーされ、迂回されたパケットを受信する。迂回されたパケットから情報を集め、また本発明者等の方法の実施をサポートする必要な計算する能力を有することができる監視デバイスは、よく知られており、そしてここで詳細に説明する必要はない。
【0015】
そのようなロケーションにおいては、一般的に信号伝達情報からネットワーク・トポロジーを取得することができるので、一般に、タップ70は、GGSNに、またはその下における任意のポイントに位置付けることができる。監視デバイスは、そのロケーションの下流のツリー・ネットワークのトポロジーを知って、これから説明する方法によるパケット損失率を推論することができるようになる必要がある。
【0016】
本発明者等は、次に、
図3および4を参照して、本発明者等の方法の例示の実施形態について説明する。
図3は、5つのレベルを有するツリー・グラフの一般化された一例を示すものである。
図4は、本発明者等が、以下で、アルゴリズム1と呼ぶことになるプロシージャのステップのフローチャートである。
【0017】
図3に戻って参照すると、ツリー・グラフ中のレベルの数は、任意であり、5つのレベルのグラフは、例証の目的のためだけに選択されていることに注意すべきである。いくつかの実用的な用途においては、本発明者等の方法は、そのツリー・グラフが、5つよりも少ないレベルを有するネットワークに適用されるであろう。例えば、本方法は、
図1のGGSNにルートが置かれるグラフに有用に適用することができる。グラフの複数のリーフ(leaves)が、複数の移動局であると考えられる場合に、グラフは、5つのレベルを有することになるのに対して、複数のリーフが、複数の基地局であると考えられる場合には、グラフは、4つのレベルだけを有することになる。
【0018】
この点で、少なくともいくつかの実施においては、グラフの複数のリーフとして複数の移動局を含めることが望ましいことになるが、移動局は、あまりにも多数になり得るので、個々のエア・インターフェース・リンクを考慮することは、計算的に実現可能ではないことに注意すべきである。そのような場合には、各基地局が少なくとも2つの等価ノードをサーブするようなやり方で、複数の移動局をひとまとめにした等価ノードへとグループ分けすることが、有利になる。そのようなアプローチは、個々のエア・リンクの損失率を与えないけれども、それは、多くの場合にエア・リンクの母集団(populations)で平均された損失率についての有用な情報を提供することになる。
【0019】
図3において、ルート・ノードは、n
0とラベルが付けられる。本発明者等は、ノードn
4やn
6など、ツリー・グラフのリーフを「エンド・ノード(end nodes)」と呼ぶ。本発明者等は、ルート・ノードと、エンド・ノードとの間のすべてのノードを「中間ノード(intermediate nodes)」と呼ぶ。中間ノードの例は、ノードn
2、n
3、およびn
5である。
【0020】
本発明者等が行ってきている1つの重要な観察は、パケットの相関対の損失に関連したネットワークの1つのリンクにおいて収集される情報は、ネットワークの他のダウンストリーム・リンクの損失率の証拠になり得ることである。この観察を実現するために、本発明者等は、時間間隔δ内に共にルート・ノードから送信された、異なるエンド・ノードに向かう2つのパケットとして「対」を定義している。δの値は、オペレータによって指定することができ、あるいは、それは、適応的に決定することができる。多数のネットワークにおいては、特に、1つのパケットが、バッファ・オーバーフローに起因して脱落される場合に、短時間後に続いているパケットは、同じ運命に出合う可能性が高いので、時間的に十分に近接して送信されるパケットの損失の間には、高い相関が存在することになる。δについての有用な値は、関心のある特定のネットワークの特性に依存することになるけれども、W−CDMAネットワークにおける典型的な値は、50〜100msの範囲内にある可能性がある。
【0021】
パケット損失率を、すなわち監視ポイントから、リーフ・ノードとしてサーブするネットワーク要素へのエンド・ツー・エンド・パスの適切な時間平均化間隔にわたって失われるパケットの割合を決定することができる現在使用可能な監視デバイスが、存在している。1つのそのようなデバイスは、アルカテル・ルーセント9900ワイヤレス・ネットワーク・ガーディアン(Alcatel−Lucent 9900 Wireless Network Guardian)であり、これは、ニュー・ジャージー州、マレー・ヒル市、マウンティン・アベニュー、600番地にオフィスを有するアルカテル・ルーセント社(Alcatel−Lucent Inc.)から入手可能である。そのようなデバイスが、例えば、GPRSコア・ネットワークのGGSNに、またはGGSNの直下に位置付けられるときに、それは、GGSNと、そのGGSNに関連する基地局によって(個々に、あるいは等価ノードにグループ分けされるように)サーブされる移動局との間のエンド・ツー・エンド・パケット損失率を簡単に測定することができる。
【0022】
したがって、多数のネットワークの中で測定可能である1つの量は、ルート・ノードn
0からエンド・ノードn
iへのエンド・ツー・エンド・パケット損失率F
iである。2つの異なるエンド・ノードn
i、n
jを仮定すると、別の多くの場合に測定可能な量は、n
iに向かうことになっているパケットと、n
jに向かうことになっているパケットとが、2つのパケットが上記で定義されるような対に属することを仮定すると、共に、失われることになるという確率F
i,j;δである。
【0023】
多数のネットワークの中で測定可能である別の量は、エンド・ノードの与えられた対n
i、n
jに向かうことになっているルート・ノードから送信されるすべてのパケット対(適切な平均化期間の間にカウントされる)の割合W
ijである。すなわち、i≠jであるすべてのエンド・ノードn
i、n
jについて、N
ijが、(n
i、n
j)に向かうことになっているパケット対の平均化期間の間の総カウントを表すものとする。そのときに、一般に、W
ij=N
ij/ΣN
lmであり、そこで総和(すなわち、インデックスl、mにわたっての)が、異なるエンド・ノードのすべての対にわたって取られる。下記で説明される方法の実施のために、総和は、異なる外部ノード(outer nodes)のすべての対にわたってだけ取られ、これらの外部ノードは、下記で定義される。
【0024】
次に、本発明者等は、ルート・ノードn
0から選択された中間ノードn
iへのパケット損失率f
0iを推定するための、本明細書においてアルゴリズム1と称されるプロシージャについて説明する。したがって、例えば、アルゴリズム1は、
図3のルート・ノードからノードn
2への損失率を、すなわち、パスl
1とl
2との連結(concatenation)であるパスの損失率を推定するために適用される可能性がある。本発明者等は、選択された中間ノードを「内部ノード(inner node)」と呼ぶ。当業者は、正確なプロセス・ステップは、非常に多くの変動の影響を受け、説明されるように、単に例示的なものにすぎないことを理解するであろう。
【0025】
中間ノードは、それが内部ノードとして適格であるために満たす必要がある判断基準が存在する。適格であるためには、選択された中間ノードは、選択されたノードにおいて交差する異なるブランチ(branches)を経由して少なくとも2つのエンド・ノードに対するルート・ノードとなる必要がある。例えば、
図3のノードn
2は、ツリー・グラフのブランチ・ポイントである。1つのブランチは、ノードn
3へと進み、そしてそこから2つのサブブランチ(sub−branches)を有し、サブブランチの一方は、エンド・ノードn
4で終結する。他のブランチは、ノードn
5へと進み、次いでエンド・ノードn
6で終結する。
【0026】
本発明者等はまた、ここで外部ノードの概念を導入し、これについては、上記で述べている。選択された内部ノードを仮定すると、1対のエンド・ノードは、(1)選択された内部ノードが、選択されたエンド・ノードに対するルートであり、また(2)少なくとも2つの異なるブランチが、選択された内部ノードにおいて交差し、それらのおのおのが、選択されたエンド・ノードのそれぞれ1つで終結する場合に、外部ノードである。
図3の例においては、n
4とn
6とは、(選択された内部ノードn
2に対する)外部ノードとして適格である。
【0027】
次に
図4を参照すると、プロシージャの第1のステップ110は、ルート・ノードn
0から可能性のある各外部ノードn
pへのエンド・ツー・エンド損失率F
pと、ルート・ノードn
0から外部ノードの可能性のある各対n
p、n
p’への対−損失率(pair−loss rate)F
p,p’;δと、外部ノードのすべての可能性のある対n
p、n
p’についての対割合(pair fractions)W
p,p’とを測定値から取得することである。(この説明の他のどこかで指摘されるように、多数の可能性のある外部ノードが存在する場合に、計算の節約は、複数のエンド・ノードをひとまとめにされた等価ノードへと人為的にグループ分けすることにより達成することができる。
【0028】
プロシージャの次のステップ120は、内部ノードn
iを選択することである。
図3の例においては、ノードn
2は、内部ノードとして選択される。
【0029】
次のステップ130は、外部ノードとして適格である2つのエンド・ノードn
j、n
kを選択することである。次のステップ140は、ステップ110において取得される情報を使用してルート・ノードn
0から選択された内部ノードn
iへのパケット損失率f
0iの推定値を計算することである。計算を行うための式は、以下で提供される。
図3の例においては、損失率f
02は、エンド・ツー・エンド損失率F
pと、対割合W
lmと、F
4,6;δとから推定される。
【0030】
本発明者等は、次に、選択された中間ノードn
jからツリー・グラフ中のn
jの下に存在する選択された中間ノードn
kへのパスP
jkのパケット損失率を推定するための、ここでアルゴリズム2と称されるプロシージャについて説明することになる。選択された中間ノードn
jとn
kとが、アルゴリズム2の適用のために適格であるようにするためには、それらのおのおのは、アルゴリズム1に関連して上記で定義されるように、少なくとも1対の外部ノードに対する内部ノードとして適格である必要がある。アルゴリズム2は、
図5および6を参照して説明されることになる。
図5は、さらなる詳細を有する
図3のツリー・グラフを示している。
図6は、アルゴリズム2のステップのフローチャートである。当業者は、正確なプロセス・ステップが、非常に多数の変動の影響を受け、また説明されるように単に例示的なものにすぎないことを理解するであろう。
【0031】
図5の例においては、パケット損失率は、ノードn1からノードn3へのパスP
13で推定されることになる。
図5を参照すると、このパスは、リンクl
2とl
3との連結として説明することができる。
【0032】
次に
図6を参照すると、プロシージャの第1のステップ210は、中間ノードn
j、n
kを選択することである。
図5の例においては、指摘されるように、選択された中間ノードは、n1、n3である。
【0033】
次のステップ220は、アルゴリズム1を使用して損失率f
0j、f
0kを計算することである。
図5の例においては、計算された損失率は、f
01、すなわちリンクl
1の損失率と、f
03、すなわちリンクl
1と、l
2と、l
3との連結であるパスの損失率とである。
【0034】
次のステップ230は、ステップ220において取得された率から選択された中間ノードの間の損失率f
jkを計算することである。
図5の例においては、損失率f
13は、リンクl
2とl
3との連結であるパスの損失率である。
【0035】
図5から、ステップ230は、3−レベルのパスn0・ツー・n1・ツー・n3(n0−to−n1−to n3)を1対の2−レベルのパスn0・ツー・n1(n0−to−n1)と、n0・ツー・n3(n0−to−n3)とに分解して、その分解からもたらされる2つのパスの間の差についてのパケット損失率を取得することであると考えることができることは、明らかであろう。
【0036】
ステップ230において使用される式は、f
jk=(f
0k−f
0j)/(1−f
0j)である。
図5の例においては、その計算は、f
13=(f
03−f
01)/(1−f
01)となる。この式を適用する際に、f
jkの負の値はゼロへと端数を切り上げられる。
【0037】
アルゴリズム1と2とを反復して適用することにより、あらゆる適格リンクでパケット損失率を推定することが簡単に達成可能である。リンクは、(a)リンクが、エンド・ノードで終結し、または(b)リンクが、適格な内部ノードで終結する場合に、適格である。
【0038】
例えば、本発明者等は、次に
図7を参照して、ルート・ノードn
0からエンド・ノードn
4へのパスの各リンクのパケット損失率を推定するためのプロシージャについて説明することになる。
【0039】
n
0からn
4へのエンド・ツー・エンド損失率は、測定可能である。その結果として、f
04は、F
4と見なされる。
【0040】
n
0から中間ノードn
3へのエンド・ツー・エンド損失率f
03は、ルート・ノードn
0からノードn
4およびn
7へのエンド・ツー・エンド損失率の測定値と、対−損失確率F
4,7;δの測定値とを使用してアルゴリズム1によって計算される。次いで、アルゴリズム2を使用して、リンクl
4の損失率f
34を計算する。
【0041】
次いで、アルゴリズム1を使用して、ルート・ノードn
0からノードn
4およびn
6へのエンド・ツー・エンド損失率の測定値と、対−損失確率F
4,6;δの測定値とを使用してn
0から中間ノードn2への損失率f
02を計算する。次いで、アルゴリズム2を使用して、f
02とf
03との決定された値を使用してリンクl
3の損失率f
23を計算する。
【0042】
次いで、アルゴリズム1を使用して、n
0からn
4およびさらなるノードn
8(図の中で識別されていない)へのエンド・ツー・エンド損失率の測定値と、対−損失確率F
4,8;δの測定値とを使用してn
0からn1への損失率F
01を計算する。次いで、アルゴリズム2を使用して、f
01とf
02とからリンクl
2の損失率f
12を計算する。
【0043】
n
0からn
1への損失率、すなわちリンクl
1の損失率は、率f
01に設定され、この率は、アルゴリズム1を使用して計算されている。
【0044】
数学的詳細
n
kを選択された内部ノードであるとし、またn
iおよびn
jを対応する外部ノードであるとする。f
0kをルート・ノードn
0からノードn
kへのパケット損失率であるとし、またf
kiと、f
kjとをn
kからn
iへと、n
kからn
jへとのそれぞれのパケット損失率であるとする。パケット対のうちの2つのパケットが、同じ損失イベントを、すなわち両方が到着することに成功することになるか、または両方が到着するのに失敗することになるかのいずれかを経験することになり、そして異なるリンクの損失イベントが独立しているという仮定の下では、
F
ij−F
iF
j=f
0k(1−f
0k)(1−f
kif
kj)
のように、またそれゆえに
【0045】
【数1】
のように示すことができ、合計は、外部ノードのすべての可能性のある対に対して取られる。
【0047】
【数2】
によって失われることになる確率の重み付け平均値F
pairを定義し、式中で合計は、外部ノードのすべての可能性のある対に対して取られる。f
kiは、F
iよりも大きくすることができないので、
【0050】
【数4】
によって表されるように、下限と、上限とを有するということになる。
【0051】
上記式を簡略化するための有用な近似によれば、与えられたリーフ対についてのパケット対の発生は、複数のリーフ、それら自体と独立していることが仮定され、すなわち、パケットは、確率w
iでブランチiへと進み、それゆえに、
【0054】
【数6】
となる。それゆえに、対割合W
ijではなくて個々のパケット割合w
iを追跡して、上限と、下限との有用な近似を得ることで十分な可能性がある。
【0055】
次に、リーフに対する平均エンド・ツー・エンド損失率F
Lを
【0056】
【数7】
によって定義し、合計は、可能性のある外部ノードであるすべてのリーフ、すなわち、エンド・ノードにわたって取られる。それゆえに、先行する近似を使用して
【0057】
【数8】
となる。多数のリーフが存在しているが、パケットの到着が、それらのどれもが支配的でないリーフの間で十分に一様である場合に、合計
【0058】
【数9】
は、小さくなる。合計が、無視できるほど小さいと見なされる場合には、近似、
【0059】
【数10】
が、成り立ち、これは、式
【0060】
【数11】
に応じて、近似的な下限と上限とを与える。
【0061】
上記で指摘されるように、計算の簡略化は、ブランチを複数のひとまとめにされた疑似ブランチへとグループ分けすることにより、多数のリーフ・ブランチが存在する場合に達成することができる。このグループ分けは、ランダムに、有利に実行される。これは、推定効率の実質的な損失なしに、行うことができる。すなわち、グループ分けによって削除される唯一の情報は、そのそれぞれの宛先が、同じグループに含まれるパケット対に関連した情報である。それゆえに、例えば、少なくとも10個のグループが存在するという条件では、パケット対のわずか10%についての情報が、失われることになるにすぎない。
【0062】
上記で説明されるように、アルゴリズム1についての計算に必要とされる様々な合計は、外部ノードのすべての可能性のある対にわたって実行される。アルゴリズム1を適用するための代替的なアプローチにおいては、本発明者等は、以下を行う。
【0063】
与えられた内部ノードについて、そのブランチのおのおのと、これらのブランチを終結させるエンド・ノードのすべてとを考える。与えられたブランチを人為的なひとまとめにされたエンド・ノードに終結させるすべてのエンド・ノードをグループ化する。ひとまとめにされたエンド・ノードを単一ノードとして取り扱うことにより、与えられた内部ノードからひとまとめにされたエンド・ノードへと延びるツリー・グラフの一部分は、一般的に、各ブランチが、ひとまとめにされたエンド・ノードのうちの1つによって終結させられる多数のブランチを有する、2−レベルのツリーへと変換される。この代替的なアプローチが適用されるときに、合計は、(異なる)ひとまとめにされたエンド・ノードのすべての可能性のある対にわたって取られる。
【0064】
少なくともいくつかの場合には、上記で説明される代替的なアプローチは、計算の量を低減させることと、精度を高めることとの両方により、有利にすることができる。その理由は、その上で合計を実行すべき有効な外部ノードがより少ないこと、また外部ノードの連結が、あまりにも少ないパケットがいくつかのエンド・ノードに向かうことになっているときにエンド・ツー・エンド損失率の決定において起こる可能性のある不正確さを軽減することである。