(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5894250
(24)【登録日】2016年3月4日
(45)【発行日】2016年3月23日
(54)【発明の名称】フェムト基地局を有する通信システムおよびその信号送受信方法
(51)【国際特許分類】
H04W 48/18 20090101AFI20160310BHJP
H04W 48/10 20090101ALI20160310BHJP
H04W 16/32 20090101ALI20160310BHJP
H04W 36/04 20090101ALI20160310BHJP
H04W 52/02 20090101ALI20160310BHJP
H04W 88/08 20090101ALI20160310BHJP
【FI】
H04W48/18 115
H04W48/10
H04W16/32
H04W36/04
H04W52/02
H04W88/08
【請求項の数】30
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-253915(P2014-253915)
(22)【出願日】2014年12月16日
(62)【分割の表示】特願2011-553941(P2011-553941)の分割
【原出願日】2010年3月8日
(65)【公開番号】特開2015-80257(P2015-80257A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2014年12月16日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0020098
(32)【優先日】2009年3月10日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】イル・ウォン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ユン・ス・キム
(72)【発明者】
【氏名】ミ・スン・ド
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ヒ・ハン
(72)【発明者】
【氏名】ヒ・ジュン・ビュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン・ミン・ソ
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−278264(JP,A)
【文献】
特開平10−023519(JP,A)
【文献】
特表2010−512680(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2010/0113026(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0244128(US,A1)
【文献】
特開2002−027535(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動通信システムの端末における信号送受信方法において、
前記端末が登録されたフェムト基地局を含むマクロセル(macro cell)へ前記端末が進入する場合、マクロ基地局(macro base station)からホームセルへ進入したことを通知する第1のメッセージを受信するステップと、
前記第1のメッセージに基づいてフェムトセルを駆動するために、前記端末の識別子を含む第2のメッセージを予め設定された送信電力で前記フェムト基地局に送信するステップと、
前記端末の識別子が、前記フェムト基地局に登録された識別子である場合、前記第2のメッセージに基づいて制御されるフェムト基地局の送信部からシステム情報を受信するステップと、
を含むことを特徴とする信号送受信方法。
【請求項2】
前記システム情報を受信するステップは、
前記第2のメッセージに基づいてオフ(off)状態からオン(on)状態になった前記フェムト基地局の送信部を通じて前記システム情報を受信するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の信号送受信方法。
【請求項3】
前記予め設定された送信電力は、前記端末が前記フェムトセルの内にある場合、前記第2のメッセージを前記フェムト基地局に送信することができるように設定されることを特徴とする請求項1に記載の信号送受信方法。
【請求項4】
前記第2のメッセージを送信するための資源割り当て情報を、前記マクロ基地局から受信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の信号送受信方法。
【請求項5】
移動通信システムのマクロ基地局における信号送受信方法において、
端末が、前記端末に関連するフェムト基地局を含むマクロセル(macro cell)へ進入する場合、ホームセルへ進入したことを通知する第1のメッセージを前記端末に送信するステップと、
前記端末が前記フェムト基地局に前記端末の識別子を含み、前記フェムト基地局の送信部を制御するための第2のメッセージの送信資源割り当て情報を前記端末に送信するステップと、
を含むことを特徴とする信号送受信方法。
【請求項6】
前記資源割り当て情報によって伝送された第2のメッセージに基づいてオフ(off)されていた前記フェムト基地局の送信部がオン(on)されることを特徴とする請求項5に記載の信号送受信方法。
【請求項7】
前記フェムト基地局へ前記端末が進入したことを通知する第3のメッセージを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の信号送受信方法。
【請求項8】
前記フェムト基地局に前記資源割り当て情報を含む第4のメッセージを送信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の信号送受信方法。
【請求項9】
前記第4のメッセージは、SON(self−organizing network)サーバを通じて前記フェムト基地局に送信されることを特徴とする請求項8に記載の信号送受信方法。
【請求項10】
移動通信システムのフェムト基地局における信号送受信方法において、
端末から、前記端末の識別子を含み、予め設定された電力で送信される第1のメッセージを受信するステップと、
前記端末の識別子が、前記フェムト基地局に登録された識別子である場合、前記第1のメッセージに基づいて前記フェムト基地局の送信部を制御するステップと、
を含むことを特徴とする信号送受信方法。
【請求項11】
前記フェムト基地局の送信部を制御するステップは、
干渉制御のためにオフ(off)されていた前記フェムト基地局の送信部を前記第1のメッセージに基づいてオン(on)するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の信号送受信方法。
【請求項12】
前記予め設定された送信電力は、前記端末が前記フェムトセルの内にある場合、前記第1のメッセージが前記フェムト基地局に受信されることができるように設定されることを特徴とする請求項10に記載の信号送受信方法。
【請求項13】
マクロ基地局から前記端末が進入したことを通知する第2のメッセージを受信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の信号送受信方法。
【請求項14】
マクロ基地局から前記第1のメッセージが伝送される資源割り当て情報を含む第3のメッセージを受信するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の信号送受信方法。
【請求項15】
前記第3のメッセージは、SON(self−organizing network)サーバを通じて前記マクロ基地局から受信されることを特徴とする請求項14に記載の信号送受信方法。
【請求項16】
移動通信システムの端末において、
信号を送受信する送受信部と、
前記送受信部を制御し、前記端末が登録されたフェムト基地局を含むマクロセル(macro cell)へ前記端末が進入する場合、マクロ基地局(macro base station)からホームセルへ進入したことを通知する第1のメッセージを受信し、前記第1のメッセージに基づいてフェムトセルを駆動するために、前記端末の識別子を含む第2のメッセージを予め設定された送信電力で前記フェムト基地局に送信し、前記第2のメッセージに基づいて制御されるフェムト基地局の送信部からシステム情報を受信する制御部と、
を含むことを特徴とする端末。
【請求項17】
前記制御部は、前記第2のメッセージに基づいてオフ(off)状態からオン(on)状態になった前記フェムト基地局の送信部を通じて前記システム情報を受信することを特徴とする請求項16に記載の端末。
【請求項18】
前記予め設定された送信電力は、前記端末が前記フェムトセルの内にある場合、前記第2のメッセージを前記フェムト基地局に送信することができるように設定されることを特徴とする請求項16に記載の端末。
【請求項19】
前記制御部は、
前記第2のメッセージを送信するための資源割り当て情報を、前記マクロ基地局から受信することを特徴とする請求項16に記載の端末。
【請求項20】
移動通信システムのマクロ基地局において、
信号を送受信する送受信部と、
前記送受信部を制御し、端末が前記端末に関連するフェムト基地局を含むマクロセル(macro cell)へ進入する場合、ホームセルへ進入したことを通知する第1のメッセージを前記端末に送信し、前記端末が前記フェムト基地局に前記端末の識別子を含み、前記フェムト基地局の送信部を制御するための第2のメッセージの送信資源割り当て情報を前記端末に送信する制御部と、
を含むことを特徴とするマクロ基地局。
【請求項21】
前記資源割り当て情報によって伝送された第2のメッセージに基づいてオフ(off)されていた前記フェムト基地局の送信部がオン(on)されることを特徴とする請求項20に記載のマクロ基地局。
【請求項22】
前記制御部は、
前記フェムト基地局へ前記端末が進入したことを通知する第3のメッセージを送信することを特徴とする請求項20に記載のマクロ基地局。
【請求項23】
前記制御部は、
前記フェムト基地局に前記資源の割り当て情報を含む第4のメッセージを送信することを特徴とする請求項20に記載のマクロ基地局。
【請求項24】
前記第4のメッセージは、SON(self−organizing network)サーバを通じて前記フェムト基地局に送信されることを特徴とする請求項23に記載のマクロ基地局。
【請求項25】
移動通信システムのフェムト基地局において、
信号を送信する送信部と、
信号を受信する受信部と、
前記送信部及び受信部を制御し、端末から前記端末の識別子を含み、予め設定された電力で送信される第1のメッセージを受信し、前記端末の識別子が、前記フェムト基地局に登録された識別子である場合、前記第1のメッセージに基づいて前記フェムト基地局の送信部を制御する制御部と、
を含むことを特徴とするフェムト基地局。
【請求項26】
前記制御部は、
干渉制御のためにオフ(off)されていた前記フェムト基地局の送信部を前記第1のメッセージに基づいてオン(on)することを特徴とする請求項25に記載のフェムト基地局。
【請求項27】
前記予め設定された送信電力は、前記端末が前記フェムトセルの内にある場合、前記第1のメッセージが前記フェムト基地局に受信されることができるように設定されることを特徴とする請求項25に記載のフェムト基地局。
【請求項28】
前記制御部は、
マクロ基地局から前記端末が進入したことを通知する第2のメッセージを受信することを特徴とする請求項25に記載のフェムト基地局。
【請求項29】
前記制御部は、
マクロ基地局から前記第1のメッセージが伝送される資源割り当て情報を含む第3のメッセージを受信することを特徴とする請求項25に記載のフェムト基地局。
【請求項30】
前記第3のメッセージは、SON(self−organizing network)サーバを通じて前記マクロ基地局から受信されることを特徴とする請求項29に記載のフェムト基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムおよびその通信方法に関し、特に、通信サービスを提供するための送信部を備えるフェムト基地局を有する通信システムおよびその干渉制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に通信システムは、複数のマクロセル(macro cell)からなる。マクロセルは、それぞれのマクロ基地局によって管理され、該当マクロセル内の通信端末機に通信サービスを提供する。このとき、特定マクロセルで通信端末機別に信号環境は変化する可能性があるが、マクロ基地局は、通信サービスを提供するのに通信端末機別の信号環境を考慮することができない。これによって、通信システムで通信サービスの品質劣化および遅延などが発生する。これによって、通信システムにおいてマクロ基地局と通信端末機との間に中継器(repeater)、リモートユニット(remote unit)のような媒介装置がさらに設置される。しかしながら、マクロ基地局と媒介装置は、サービス事業者によって設置され、通信システムで媒介装置がさらに設置されることによってサービス事業者の支出費用などが増加する可能性がある。また、通信システムにおいてマクロ基地局と媒介装置とを連係させるのに困難があり得る。
したがって、上記した問題点を克服するために、通信システムでマクロセル内にマクロ基地局とは別にフェムト基地局を設置する方案が提案されている。このとき、フェムト基地局は、ユーザの必要に応じて、例えば、家庭または事務室などに設置される宅内型基地局を意味する。このようなフェムトセルは、サービス事業者の追加支出費用なしで、該当フェムト基地局に隣接した通信端末機の信号環境改善および通信サービスの品質向上を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−23519号公報
【特許文献2】国際公開第2009/022534号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Mitsubishi Electric, Dynamic Setup of HNBs for Energy Savings and Interference Reduction, 3GPP TSG RAN WG3 Meeting #59bis, 2008年4月3日, R3-080658 (JP-N6-12-049736)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記通信システムにおいて、
図1に示すように、マクロ基地局11とフェムト基地局21のそれぞれの信号が通信端末機31に干渉として作用する可能性がある。または、前記のような通信システムにおいて、
図1に示すように、隣接して設置されたフェムト基地局21の信号が通信端末機31に干渉として作用する可能性がある。これは、マクロ基地局11およびフェムト基地局21は、それぞれ最適の位置に設置されるが、マクロ基地局11またはフェムト基地局21を設置するのに周辺領域の干渉の可能性を考慮することが困難であるためである。例えば、フェムト基地局21が前方向性の放射パターンを有するアンテナを介して信号を送受信し、フェムト基地局21に隣接した通信端末機31は、マクロ基地局11とともにフェムト基地局21の信号を同時に受信して干渉が発生することができる。または、通信端末機31は、他のフェムト基地局21の信号を受信して干渉が発生することもある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための本発明に係る通信システムは、フェムト領域を管理し、予め登録された通信端末機に通信サービスを提供するための送信部を備えるフェムト基地局と、前記フェムト基地局が設置されたマクロセルを管理し、前記マクロセルに前記通信端末機の進入時、前記通信端末機がホームセル(Home Cell)へ進入したことを通知するマクロ基地局と、を含む。また、本発明に係る通信システムにおいて、前記フェムト基地局は、前記通信端末機においてフェムト駆動制御メッセージの受信時、前記フェムト基地局による干渉を制御するために、予めオフされている前記送信部をオン状態に切り換える。
一方、前記課題を解決するための本発明に係る通信システムの干渉制御方法は、通信端末機が、前記通信端末機が登録されたフェムト基地局を有するマクロセルへ進入するとき、前記マクロ基地局が前記通信端末機のホームセルの進入を通知するステップと、前記通信端末機が、前記ホームセルで予め設定された送信の強さでフェムト駆動制御メッセージを前記フェムト基地局に伝送するステップと、前記フェムト駆動制御メッセージの受信時、前記フェムト基地局が、前記フェムト基地局による干渉を制御するために予めオフされている送信部をオン状態に切り換えるステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
したがって、上記した本発明に係るフェムト基地局を有する通信システムおよびその干渉制御方法は、通信端末機で干渉が発生することを抑制することができる。すなわち、フェムト基地局が送信部をオフさせることによって、フェムト基地局で不必要に信号を送信することを抑制することができる。ひいては、フェムト基地局が、通信端末機との距離または通信端末機の登録有無によって送信部をオンさせる時点を判断することによって、フェムト基地局で不必要に信号を送信することをより効率的に抑制することができる。これによって、フェムト基地局で送信される信号によって通信端末機に干渉が発生することを抑制することができる。これによって、通信システムでフェムト基地局の駆動時、通信端末機に発生する可能性のある干渉を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一般的な通信システムの構成を示す構造図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る通信システムの構成を示す構造図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る通信システムの構成を示す構造図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る干渉制御手続きを示すシーケンス図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係る干渉制御手続きを示すシーケンス図である。
【
図6】本発明の第3実施形態に係る干渉制御手続きを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に説明する。添付された図面において同一の構成要素は、同一の符号を示すことに留意すべきである。また、本発明の要旨を不明確にする公知技術および構成についての詳細な説明は省略する。
【0010】
図2および
図3は、本発明の実施形態に係る通信システムの構成を示す構造図である。
【0011】
図2および
図3を参照すると、通信システムは、複数のマクロセル100からなる。このような通信システムは、それぞれのマクロセル100を管理するためのマクロ基地局110と、マクロセル100で特定フェムト領域200を制御するための少なくとも一つのフェムト基地局210と、マクロセル100の内外部または特定フェムト領域200の内外部に移動可能な通信端末機310と、を含む。このとき、マクロ基地局110とフェムト基地局210は、直接的にまたは間接的に通信を行うことができる。
【0012】
このとき、特定マクロセル100へ進入時、通信端末機310はマクロ基地局110と接続する。また、該当マクロセル100で特定フェムト領域200へ進入時、通信端末機310は該当フェムト領域200のフェムト基地局210と接続する。ここで、通信端末機310は、該当フェムト基地局210に通信可能に予め登録されていてもよい。また、通信端末機310は、マクロ基地局110またはフェムト基地局210を通じて通信サービスを利用することができる。
【0013】
このような通信システムにおいて、フェムト基地局210は、本発明の実施形態によって該当フェムト領域200内の通信端末機310の存在有無に応じて送信部をオン(ON)またはオフ(OFF)させる。すなわち、該当フェムト領域200に通信端末機310が存在しなければ、フェムト基地局210は、該当フェムト領域200に通信サービスを提供しなくてもよいので送信部をオフさせる。また、予め登録された通信端末機310が該当フェムト領域200に隣接した位置に移動するとき、フェムト基地局210は、該当フェムト領域200へ通信サービスを提供するために送信部をオンさせる。
【0014】
また、通信端末機310は、フェムト基地局210の送信部の駆動を制御するためのFTPO(Femto−cell Tx Power On/off)メッセージを伝送する。このとき、通信端末機310は、該当通信端末機310が予め登録されているフェムト基地局210が設置されたマクロセル100でFTPOメッセージを伝送することができる。また、通信端末機310は、予め設定された送信の強さでFTPOメッセージを伝送することができる。これによって、受信部を通じてFTPOメッセージを受信するとき、フェムト基地局210は、送信部をオンまたはオフさせることができる。
【0015】
図4は、本発明の第1実施形態に係る干渉制御手続きを示すシーケンス図である。このとき、マクロ基地局110とフェムト基地局210との間の直接的な無線通信が可能な場合を仮定して説明する。
【0016】
図4を参照すると、本発明の実施形態に係る干渉制御手続きは、特定フェムト基地局210がステップS411で送信部をオフさせることから出発する。このとき、特定フェムト領域200に通信端末機310が存在しなければ、該当フェムト領域200のフェムト基地局210は送信部をオフさせることができる。この後、マクロ基地局110と通信端末機310がステップS413で相互接続する。すなわち、通信端末機310が
図2に示すように、特定マクロセル100へ進入するとき、該当マクロセル100のマクロ基地局110と通信端末機310が相互接続する。これによって、マクロ基地局110は、マクロセル100内の通信端末機310に通信サービスを提供することができる。
【0017】
次に、通信端末機310と接続するとき、マクロ基地局110は、ステップS415で該当マクロセル100が通信端末機310のホームセル(Home Cell;HC)であるか否かを判断する。すなわち、マクロ基地局110は、該当マクロセル100に通信端末機310が予め登録されたフェムト基地局210が設置されているか否かを判断する。設置されていれば、マクロ基地局110は、該当マクロセル100が通信端末機310のホームセルであると判断する。これのために、マクロ基地局110は、該当マクロセル100に設置されたフェムト基地局210のリスト、およびそれぞれのフェムト基地局210に予め登録された通信端末機310のリストを、予め保存していてもよい。
【0018】
次に、ステップS415でホームセルであると判断すれば、マクロ基地局110は、ステップS417で通信端末機310にホームセルの進入通知メッセージを伝送する。すなわち、マクロ基地局110は、該当マクロセル100が通信端末機310のホームセルであることを通信端末機310に通知する。このとき、マクロ基地局110は、通信端末機310にホームセルの指示メッセージ(HC Indication message;HCI message)を伝送することができる。また、マクロ基地局110は、ステップS419で通信端末機310が予め登録されたフェムト基地局210に端末隣接通知メッセージを伝送する。すなわち、マクロ基地局110は、フェムト基地局210に予め登録された通信端末機310が該当マクロセル100へ進入したことをフェムト基地局210に通知する。このとき、端末隣接通知メッセージの受信時、フェムト基地局210は、ステップS421でマクロ基地局110に端末隣接確認メッセージを伝送する。すなわち、フェムト基地局210は、通信端末機310が該当フェムト領域200に隣接して位置することを確認し、マクロ基地局110に応答する。
【0019】
次に、マクロ基地局110は、ステップS423で通信端末機310にフェムト駆動制御資源割り当てメッセージを伝送する。すなわち、マクロ基地局110は、通信端末機310において特定目的、例えば、フェムト基地局210の送信部をオンまたはオフさせるためのフェムト駆動制御メッセージの伝送に利用するためのフェムト駆動制御資源を割り当て、これを通信端末機310に通知する。このとき、フェムト駆動制御資源メッセージの受信時、通信端末機310は、ステップS425でマクロ基地局110にフェムト駆動制御資源確認メッセージを伝送する。すなわち、通信端末機310は、該当通信端末機310のフェムト駆動制御資源を確認し、マクロ基地局110に応答する。また、マクロ基地局110は、ステップS427でフェムト基地局210にフェムト駆動制御資源通知メッセージを伝送する。すなわち、マクロ基地局110は、通信端末機310のフェムト駆動制御資源をフェムト基地局210に通知する。
【0020】
続いて、フェムト駆動制御資源通知メッセージを受信するとき、フェムト基地局210は、ステップS429で通信端末機310のフェムト駆動制御資源をモニタリングする。また、通信端末機310は、ステップS431でフェムト駆動制御メッセージを伝送する。このとき、通信端末機310は、該当フェムト駆動制御資源を通じてフェムト駆動制御メッセージを伝送する。また、通信端末機310は、予め設定された送信の強さでフェムト駆動制御メッセージを伝送する。ここで、送信の強さは、通信端末機310が該当フェムト領域200に位置するとき、フェムト基地局210がフェムト駆動制御メッセージを受信するための値として設定されてもよい。すなわち、通信端末機310が
図3に示すように、フェムト領域200の内部へ進入するとき、フェムト基地局210はフェムト駆動制御メッセージを受信することができる。または、通信端末機310がフェムト領域200の外部でフェムト駆動制御メッセージを送信しても、フェムト基地局210はフェムト駆動制御メッセージを受信できないこともある。さらに、フェムト駆動制御メッセージは、該当通信端末機310のユーザ識別情報(User IDentifier;UID)を含む。
【0021】
最後に、フェムト駆動制御資源をモニタリングしてフェムト駆動制御メッセージを受信するとき、フェムト基地局210は、ステップS433で送信部をオンさせる。すなわち、フェムト基地局210は、該当フェムト領域200で通信端末機310の存在を確認し、通信端末機310に通信サービスを提供するために送信部をオフ状態からオン状態に切り換える。このとき、フェムト基地局210は、フェムト駆動制御メッセージのユーザ識別情報を通じて通信端末機310が予め登録されているか否かを判断することができる。予め登録されたと判断されれば、フェムト基地局210は送信部をオンさせることができる。この後、フェムト基地局210は、ステップS435で送信部を通じてフェムト情報(system information)をブロードキャストする。これによって、フェムト基地局210と通信端末機310が相互接続することができ、フェムト基地局210がマクロ基地局110とは別に通信端末機310に通信サービスを提供することができる。このとき、通信端末機310は、マクロ基地局110またはフェムト基地局210を通じて選択的に通信サービスを利用することができる。
【0022】
一方、本実施形態において、マクロ基地局110がフェムト基地局210に端末隣接通知メッセージとフェムト駆動制御資源通知メッセージを個別的に伝送する例を開示したが、これに限定されるものではない。例えば、マクロ基地局110は、ステップS417で通信端末機310にホームセルの進入通知メッセージを伝送した後、ステップS423で通信端末機310にフェムト駆動制御資源割り当てメッセージを伝送することができる。この後、ステップS425で通信端末機310からフェムト駆動制御資源確認メッセージを受信するとき、マクロ基地局110は、ステップS427でフェムト基地局210にフェムト駆動制御資源通知メッセージを伝送することができる。このとき、マクロ基地局110は、フェムト駆動制御資源通知メッセージとともに、端末隣接通知メッセージを伝送することができる。すなわち、マクロ基地局110がステップS419で端末隣接通知メッセージを伝送し、ステップS421で端末隣接確認メッセージを受信しなくても、本発明の実現が可能である。
【0023】
一方、上述した実施形態において、マクロ基地局110とフェムト基地局210との間の直接的な無線通信が可能な場合を開示したが、これに限定されるものではない。すなわち、マクロ基地局110とフェムト基地局210との間の間接的な無線通信を通じて、本発明を実現することも可能である。
図5は、そのような例であって、本発明の第2実施形態に係る干渉制御手続きを示すシーケンス図である。このとき、フェムト基地局210がバックボーン(backbone)を通じてSON(Self−Organizing Networks)サーバ410に連結された場合を仮定して説明する。
【0024】
図5を参照すると、本実施形態の干渉制御手続きは、特定フェムト基地局210がステップS511で送信部をオフさせることから出発する。このとき、特定フェムト領域200に通信端末機310が存在しなければ、該当フェムト領域200のフェムト基地局210は送信部をオフさせることができる。この後、マクロ基地局110と通信端末機310がステップS513で相互接続する。すなわち、通信端末機310が
図2に示すように、特定マクロセル100へ進入するとき、該当マクロセル100のマクロ基地局110と通信端末機310が相互接続する。これによって、マクロ基地局110は、マクロセル100内の通信端末機310に通信サービスを提供することができる。
【0025】
次に、通信端末機310と接続するとき、マクロ基地局110は、ステップS515で該当マクロセル100が通信端末機310のホームセルであるか否かを判断する。ステップS515は、上述した
図4のステップS415と類似する。
【0026】
次に、ステップS515でホームセルであると判断されれば、マクロ基地局110は、ステップS517で通信端末機310にホームセルの進入通報メッセージを伝送する。すなわち、該当マクロセル100が通信端末機310のホームセルであることを通信端末機310に通報する。このとき、マクロ基地局110は、通信端末機310にホームセル指示メッセージを伝送することができる。また、マクロ基地局110は、ステップS519でSONサーバ410に端末隣接通報メッセージを伝送する。フェムト基地局210に予め登録された通信端末機310が該当マクロセル100へ進入したことをSONサーバ410に通報する。このとき、端末隣接通報メッセージの受信時、SONサーバ410は、ステップS521でマクロ基地局110に端末隣接確認メッセージを伝送する。
【0027】
続いて、マクロ基地局110は、ステップS523で通信端末機310にフェムト駆動制御資源割り当てメッセージを伝送する。すなわち、マクロ基地局110は、通信端末機310において特定目的、例えば、フェムト基地局210の送信部をオンまたはオフさせるためのフェムト駆動制御メッセージの伝送に利用するためのフェムト駆動制御資源を割り当て、これを通信端末機310に通知する。このとき、フェムト駆動制御資源メッセージの受信時、通信端末機310は、ステップS525でマクロ基地局110にフェムト駆動制御資源確認メッセージを伝送する。また、マクロ基地局110は、ステップS527でSONサーバ410にフェムト駆動制御資源通知メッセージを伝送する。すなわち、マクロ基地局110は、通信端末機310のフェムト駆動制御資源をSONサーバ410に通知する。このとき、フェムト駆動制御資源通知メッセージの受信時、SONサーバ410は、ステップS528で該当フェムト基地局210にフェムト駆動制御資源通知メッセージを伝達する。すなわち、SONサーバ410は、通信端末機310のフェムト駆動制御資源をフェムト基地局210に通知する。
【0028】
続いて、フェムト駆動制御資源通知メッセージの受信時、フェムト基地局210は、ステップS529で通信端末機310のフェムト駆動制御資源をモニタリングする。また、通信端末機310は、ステップS531で該当フェムト駆動制御資源を通じてフェムト駆動制御メッセージを伝送する。また、通信端末機310は、予め設定された送信の強さでフェムト駆動制御メッセージを伝送する。
図4のために上述したように、送信の強さは、通信端末機310が該当フェムト領域200に位置するとき、フェムト基地局210がフェムト駆動制御メッセージを受信するための値として設定される。さらに、フェムト駆動制御メッセージは、該当通信端末機310のユーザ識別情報を含む。
【0029】
最後に、フェムト駆動制御資源をモニタリングしてフェムト駆動制御メッセージを受信するとき、フェムト基地局210は、ステップS533で送信部をオンさせる。すなわち、フェムト基地局210は、該当フェムト領域200で通信端末機310の存在を確認し、通信端末機310に通信サービスを提供するために送信部をオフ状態からオン状態に切り換える。このとき、フェムト基地局210は、フェムト駆動制御メッセージのユーザ識別情報を通じて通信端末機310が予め登録されているか否かを判断することができる。予め登録されたと判断されれば、フェムト基地局210は、送信部をオンさせることができる。この後、フェムト基地局210は、ステップS535で送信部を通じてフェムト情報をブロードキャストする。これによって、フェムト基地局210と通信端末機310が相互接続することができ、フェムト基地局210がマクロ基地局110とは別に通信端末機310に通信サービスを提供することができる。このとき、通信端末機310は、マクロ基地局110またはフェムト基地局210を通じて選択的に通信サービスを利用することができる。
【0030】
一方、本実施形態において、マクロ基地局110がSONサーバ410に端末隣接通知メッセージとフェムト駆動制御資源通知メッセージを個別的に伝送する例を開示したが、これに限定されるものではない。すなわち、
図5に示したような干渉制御方法は、ステップS521で端末隣接確認メッセージを受信しなくても、実現が可能である。
【0031】
一方、本実施形態において、フェムト基地局210が送信部をオンまたはオフさせる例を開示したが、これに限定されるものではない。すなわち、フェムト基地局210は、送信部をオンまたはオフさせることと同時に、受信部をオンまたはオフさせることができる。このとき、フェムト基地局210は、バックボーンを通じてSONサーバ410に連結され、ステップS528でバックボーンを通じてフェムト駆動制御資源通知メッセージを受信することができる。これによって、フェムト基地局210は、無線信号を受信するための受信部をオン状態に維持させる必要がない。また、フェムト基地局210は、ステップS533で送信部とともに受信部をオンさせることができる。これによって、フェムト基地局210で受信部をオフさせても本発明の実現が可能であり、送信部および受信部をオフさせることによって、フェムト基地局210の電力消費を節減させることができる。
【0032】
一方、上述した実施形態において、マクロ基地局110が独立的に通信端末機310にフェムト駆動制御資源を割り当てる例を開示したが、これに限定されるものではない。すなわち、SONサーバ410は、マクロ基地局110とフェムト基地局210との間の無線通信を中継するだけでなく、マクロ基地局110で通信端末機310にフェムト駆動制御資源を割り当てるのに関与することができる。
図6は、そのような例であって、本発明の第3実施形態に係る干渉制御手続きを示すシーケンス図である。このとき、フェムト基地局210がバックボーンを通じてSONサーバ410に連結された場合を仮定して説明する。
【0033】
図6を参照すると、本実施形態の干渉制御手続きにおいてステップS611〜ステップS619は、上述したステップS511〜ステップS519と類似するので、詳細な説明を省略する。
【0034】
端末隣接通知メッセージの受信時、SONサーバ410は、ステップS621でマクロ基地局110にフェムト駆動制御資源要請メッセージを伝送する。ここで、SONサーバ410は、通信端末機310において特定目的、例えば、フェムト基地局210の送信部をオンまたはオフさせるためのフェムト駆動制御メッセージの伝送に利用するためのフェムト駆動制御資源を決定し、これを割り当てることをマクロ基地局110に要請する。
【0035】
続いて、フェムト駆動制御資源要請メッセージの受信時、マクロ基地局110は、ステップS623で通信端末機310にフェムト駆動制御資源割り当てメッセージを伝送する。すなわち、マクロ基地局110は、通信端末機310のフェムト駆動制御資源を割り当て、これを通信端末機310に通知する。このとき、フェムト駆動制御資源メッセージの受信時、通信端末機310は、ステップS625でマクロ基地局110にフェムト駆動制御資源確認メッセージを伝送する。
【0036】
続いて、SONサーバ410は、ステップS628でフェムト基地局210にフェムト駆動制御資源通知メッセージを伝送する。すなわち、SONサーバ410は、通信端末機310のフェムト駆動制御資源をフェムト基地局210に通知する。
【0037】
次に、ステップS619〜ステップS635は、ステップS529〜ステップS535と類似するので、詳細な説明を省略する。
【0038】
本発明によれば、通信システムにおいて、通信端末機に干渉が発生することを抑制することができる。すなわち、フェムト基地局が送信部をオフさせることによって、フェムト基地局で不必要に信号を送信することを抑制することができる。ひいては、フェムト基地局が通信端末機との距離または通信端末機の登録有無によって送信部をオンさせる時点を判断することによって、フェムト基地局で不必要に信号を送信することをより効率的に抑制することができる。これによって、フェムト基地局で送信される信号によって、通信端末機に干渉が発生することを抑制することができる。これによって、通信システムにおいて、フェムト基地局の駆動時、通信端末機に発生可能な干渉を制御することができる。
【0039】
一方、本明細書と図面に開示された本発明の実施形態は、本発明の技術内容を容易に説明し、本発明の理解を助けるために特定例を提示したものであるだけで、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の技術的思想に基づいた他の変形例が実施可能であることは、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に自明である。
【符号の説明】
【0040】
100 マクロセル
110 マクロ基地局
200 フェムト領域
210 フェムト基地局
310 通信端末機
410 SONサーバ