(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明を、添付の図面を参照しながら説明する。
クラムシェルハウジング上でのディスプレイの回転を固定する、或いは少なくとも抑制するような例示的なシステム及び方法を本明細書で説明する。以下では、多くの特定の詳細が、様々な実施形態の完全な理解を提供するために説明している。しかしながら、当業者であれば、様々な実施形態が、特定の詳細がなくても実施することができることを理解すべきである。他の例では、特定の実施形態を不明瞭にしないように、周知の方法、手順、コンポーネント、及び回路は、詳細に示されておらず或いは説明されていない。
【0006】
図1には、例示的な電子機器110の概略図が示されており、この電子機器110は、いくつかの実施形態に従った第1セクション160及び第2セクション162を有するクラムシェルハウジング上でディスプレイの回転を固定する、或いは少なくとも抑制するようなシステム及び方法を含むように適合される。
図1に示されるように、電子機器10は、ラップトップ型コンピュータ、携帯電話、タブレット型コンピュータ、ポータブル型コンピュータ、携帯情報端末(PDA)等の従来の携帯用機器として具現化することができる。特定の装置構成は重要ではない。
【0007】
様々な実施形態では、電子機器110は、ディスプレイ、1つ以上のスピーカ、キーボード、1つ以上の他の入力/出力装置(複数可)、マウス、カメラ等を含む1つ又は複数の付随のI/O装置を含むか、或いはこのI/O装置に結合される。他の例示的なI/O装置(複数可)は、タッチスクリーン、音声起動入力装置、トラックボール、地理位置情報装置、加速度計/ジャイロスコープ、生体特徴入力装置、及び電子機器110がユーザからの入力を受信することができるような他の任意の装置を含んでもよい。
【0008】
電子機器110は、システム・ハードウェア120及びメモリ140を含んでおり、このメモリ140は、ランダムアクセスメモリ及び/又は読み取り専用メモリとして実装されてもよい。ファイル記憶装置をコンピュータ機器110に通信可能に結合してもよい。ファイル記憶装置は、例えば、eMMC、SSD、1つ以上のハードディスクドライブ、又は他のタイプの記憶装置等としてコンピュータ機器110の内部にあってもよい。ファイル記憶装置180は、例えば、1つ以上の外付けハードディスクドライブ、ネットワーク接続ストレージ、又は別々のストレージ・ネットワーク等としてコンピュータ110の外部にあってもよい。
【0009】
システムハードウェア120は、1つ又は複数のプロセッサ122、グラフィックプロセッサ124、ネットワークインタフェイス126、及びバス構造128を含んでもよい。一実施形態では、プロセッサ122は、米国のカリフォルニア州サンタクララにあるインテル社から入手可能な、Intel(登録商標)ATOM(登録商標)プロセッサ、Intel(登録商標)ATOM(登録商標)ベースのシステム・オン・チップ(SoC)、又はIntel(登録商標)Core2Duo(登録商標)或いはi3/i5/i7シリーズプロセッサとして具現化してもよい。本明細書で使用される場合に、用語「プロセッサ」は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、複合命令セットコンピューティング(CISC)マイクロプロセッサ、縮小命令セット(RISC)マイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、又は他の任意のタイプのプロセッサ若しくは処理回路を含むがこれらに限定されないような任意の種類のコンピュータ要素を意味する。
【0010】
グラフィックプロセッサ(複数可)124は、グラフィック及び/又はビデオ操作を管理する補助プロセッサとして機能する。グラフィックプロセッサ(複数可)124は、電子機器110のマザーボードに統合してもよく、又はマザーボード上の拡張スロットを介して結合させてもよく、或いは、処理ユニットとして同じダイ又は同じパッケージ上に配置してもよい。
【0011】
一実施形態では、ネットワークインタフェイス126は、イーサネット(登録商標)インタフェイス等の有線インタフェイス(例えば、電気電子学会/IEEE802.3−2002参照)、又はIEEE802.11a,b,又はgに準拠したインタフェイス等の無線インタフェイス(例えば、LAN/MANシステム間のIT−通信及び情報交換のためのIEEE規格−第II部:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)仕様 改定4:2.4GHz帯域でのさらなる高データレート拡張、802.11G−2003参照)とすることができる。無線インタフェイスの別の例は、汎用パケット無線サービス(GPRS)インタフェイス(例えば、GPRSハンドセット要件に関するガイドライン、移動体通信/GSM(登録商標)接続のためのグローバルシステム、バージョン3.0.1、2002年12月参照)である。
【0012】
バス構造128は、システムハードウェア120の様々なコンポーネントを接続する。一実施形態では、バス構造128は、メモリバス、周辺バス又は外部バスを含む1つ以上のいくつかのタイプのバス構造(複数可)、及び/又は11ビットバス、業界標準アーキテクチャ(ISA)、マイクロチャネル・アーキテクチャ(MSA)、拡張型ISA(EISA)、インテリジェント・ドライブ・エレクトロニクス(IDE)、VESAローカルバス(VLB)、周辺コンポーネント相互接続(PCI)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、アドバンストグラフィックポート(AGP)、パーソナルコンピュータ・メモリカード・インターナショナル接続バス(PCMCIA)、及び小型コンピュータシステム・インタフェイス(SCSI)、高速同期シリアルインタフェイス(HSI)、シリアル低電力チップ間メディアバス(SLIMbus(登録商標))等を含むが、これらに限定されない様々な種類の利用可能なバスアーキテクチャを用いるローカルバスであってもよい。
【0013】
電子機器110は、RF信号を送受信するRF送受信部130、近距離無線通信(NFC)134、及びRF送受信部130によって受信された信号を処理する信号処理モジュール132を含む。RF送受信部は、例えば、ブルートゥース(登録商標)又は802.11X、IEEE802.11a,b又はgに準拠したインタフェイス(例えば、LAN/MANシステム間のIT−通信及び情報交換のためのIEEE規格−第II部:無線LAN媒体アクセス制御(MAC)及び物理層(PHY)仕様 改訂4:2.4GHz帯域でのさらなる高データレート拡張、802.11G−2003参照)等のプロトコルを介してローカル無線接続を実行してもよい。無線インタフェイスの別の例は、WCDMA(登録商標)、LTE、汎用パケット無線サービス(GPRS)インタフェイス(例えば、GPRSハンドセット要件に関するガイドライン、移動体通信/GSM(登録商標)接続のためのグローバルシステム、バージョン3.0.1、2002年12月を参照)である。
【0014】
電子機器110は、例えば、キーパッド136及びディスプレイ138等の1つ以上の入力/出力インタフェイスをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、電子機器110は、キーパッドを有しておらず、入力にタッチパネルを使用してもよい。
【0015】
メモリ140は、コンピュータ機器110の動作を管理するオペレーティングシステム142を含んでもよい。一実施形態では、オペレーティングシステム142は、システムハードウェア120にインタフェイスを提供するようなハードウェア・インタフェイス・モジュール154を含む。さらに、オペレーティングシステム140は、コンピュータ機器110の動作で使用されるようなファイルを管理するファイルシステム150と、コンピュータ機器110上で実行するプロセスを管理するプロセス制御サブシステム152とを含んでもよい。
【0016】
オペレーティングシステム142は、システムハードウェア120と連携して動作してリモートソースからデータパケット及び/又はデータストリームを送受信するような1つ又は複数の通信インタフェイス146を含んでもよい(又は管理してもよい)。オペレーティングシステム142は、オペレーティングシステム142及びメモリ140に常駐する1つ又は複数のアプリケーション・モジュールとの間にインタフェイスを提供するようなシステムコール・インタフェイスモジュール144をさらに含んでもよい。オペレーティングシステム142は、UNIX(登録商標)オペレーティングシステムや、これらの任意の派生システム(例えば、Linux(登録商標)、Android(登録商標)等)又はWindows(登録商標)ブランドのオペレーティングシステム、又は他のオペレーティングシステムとして具現化してもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、電子機器は、プライマリ実行環境から分離されるような1つ又は複数のコントローラを含む管理エンジン170を有してもよい。この分離は、管理エンジンがメインプロセッサから物理的に分離されたコントローラに実装されてもよいという意味で物理的である。あるいはまた、信頼できる実行環境は、管理エンジンが、メインプロセッサをホストするような同一のチップ又はチップセットでホストされるとい意味で論理的である。
【0018】
一例として、いくつかの実施形態では、管理エンジン170は、例えば同じSOCダイ上の専用プロセッサブロックとして、電子機器110のマザーボード上に位置する独立した集積回路として実装されてもよい。他の実施形態では、信頼できる実行エンジンは、ハードウェア監視メカニズムを使用して、プロセッサ(複数可)の残りの部分から分離されたプロセッサ(複数可)122の一部に実装してもよい。
【0019】
図1に示される実施形態では、管理エンジン170は、プロセッサ172、メモリモジュール174、制御モジュール176、及びI/Oインタフェイス178を含む。いくつかの実施形態では、メモリモジュール174は、永続的なフラッシュメモリモジュールを含んでもよく、種々の機能モジュールを、例えばファームウェア又はソフトウェア等の、永続的なメモリモジュールでエンコードされた論理命令として実装してもよい。I/Oモジュール178は、シリアルI/Oモジュール又はパラレルI/Oモジュールを含んでもよい。管理エンジン170は、メインプロセッサ(複数可)122及びオペレーティングシステム142から分離されているため、管理エンジン170は、セキュアにすることができる、すなわち、典型的には、ホストプロセッサ122から攻撃を仕掛けるようなソフトウェアを埋め込むようなハッカーのアクセスを防止する。
【0020】
いくつかの実施形態では、電子機器100は、電子機器100のクラムシェルハウジング上でディスプレイの回転を固定する、又は少なくとも抑制するような固定アセンブリを含んでもよい。いくつかの実施形態では、固定アセンブリは、固定ヒンジアセンブリで構成される。要するに、固定ヒンジアッセンブリは、電子機器110のハウジングの第1セクションに取付可能なヒンジアセンブリと、ヒンジアセンブリの回転を制御する回転制御アセンブリと、状態の検出に応答して回転制御アセンブリをアクティブにするコントローラとを有しており、こうして、電子機器のハウジングの第2セクションは、電子機器のハウジングの第1セクションに対して固定することが望まれる。いくつかの実施形態では、この状態は、ハウジングの第2セクションに対するユーザの接近を検出することで構成される。いくつかの実施形態では、この状態は、ハウジングの第2セクションに対するタッチ信号を検出することで構成される。一例として、いくつかの実施形態では、コントローラは、
図1に示される制御モジュール176によって実装されてもよい。こうして、いくつかの実施形態では、コントローラは、電子機器110のプロセッサ(複数可)122上で動作するデバイスのメモリ140に常駐するソフトウェアとして、又は管理エンジン170のプロセッサ172(複数可)上で動作するメモリ174に常駐するソフトウェアとして実装してもよい。代替実施形態では、コントローラは、専用回路内のファームウェアやハードワイヤードロジックにまとめることができる。論理の特定の実装は重要ではない。
【0021】
固定ヒンジアセンブリの実施形態について、
図2及び
図3A〜
図5Cを参照しながら説明する。
図2は、いくつかの実施形態に従った電子機器のクラムシェルハウジングで使用されるような例示のヒンジアセンブリ200を示す概略斜視図である。
図2を参照すると、いくつかの実施形態では、ヒンジアセンブリ200は、電子機器100のハウジングの第1セクション260に取付可能な少なくとも1つのヒンジピンアセンブリ210を含む。
図2に示される実施形態では、ヒンジピンアセンブリ210は、第1位置及び第2位置の間の長手方向軸線の周りに回転可能であり、且つハウジングの第1セクション260及びこのハウジングの第2セクション262に接続可能なピン212を含む。いくつかの実施形態では、第1セクション260は、電子機器のベース部に対応しており、第2セクション262は、電子機器のディスプレイに対応している。
【0022】
ヒンジピンアセンブリ210は、ベースプレート240によって、ハウジングの第1セクション260に取り付けてもよい。ベースプレート240は、適切な金属又はポリマー材料から形成されており、且つ接着剤を使用して、又は例えば、止めねじ、リベット等の適切な固定具によって、ハウジングの第1セクション160に固定してもよい。ハウジングの第1セクション160にベースプレート240を固定する具体的な手法は重要ではない。
【0023】
ヒンジピンアセンブリ210は、マルチ部品要素として実装してもよく、且つピン212を支持する軸受部214を有してもよい。ピン212は、軸受部214内のその長手方向軸の周りを回転することができる。ブレーキ部216は、軸受部214内のピンの自由な角回転を制限するように働くが、ハウジングの第1及び第2セクションの相対位置を調整するために、摩擦力に打ち勝ってピンをさらに回転させることができる。軸受部214は、ブレーキ部216の両側に延びている。軸受部214及びブレーキ部216は、ピン212が配置される軸を規定する。
【0024】
ヒンジアセンブリ200の構成の詳細を説明したが、ここで説明の方向性を、回転制御アセンブリの実施形態と、コントローラと連携するその回転制御アセンブリの動作に向ける。いくつかの実施形態では、回転制御アセンブリは、ヒンジアセンブリ200の一部に取り付けられてもよいし、そうでなければこの一部と一体化してもよい。種々の実施形態では、回転制御アセンブリは、いくつかの実施に従ってクラムシェルハウジング上でディスプレイの回転を固定する、或いは少なくとも抑制するのに役立つ。
【0025】
回転制御アセンブリ300の第1の実施形態について、
図3A〜
図3Dを参照しながら説明する。まず
図3Aを参照すると、回転制御アセンブリ300は、ヒンジピン310に取り付けられたブレーキ314と圧電ディスク316とを含んでもよい。ブレーキ314を第1カラー312Aに近接させて取り付けてもよく、圧電ディスク316をブレーキ314に隣接させて取り付けてもよい。圧電ディスク316を電源に接続するこができ、電源からの出力は、電子機器上で実行される1つ以上の制御モジュール176によって調節することができる。取付ブラケット318を、第2カラー312Bに近接させて取り付けてもよい。取付ブラケット318を使用して、上述したように、電子機器のベース部にヒンジアセンブリを固定することができる。
【0026】
回転制御アセンブリ300の動作について、
図3A〜
図3D及び
図6を参照しながら説明する。
図3Aには、ブレーキ314がカラー312Aからずらされており、それによってヒンジアセンブリが自由に運動できるような非作動状態の回転制御アセンブリ300の構成が示されている。
図6を参照すると、動作において、コントローラ176は、電子機器110の第2セクション162に近接する状態(動作610)を検出する。本明細書で使用される場合に、用語「力(負荷)状態」は、力が電子機器の第2セクション162に加えられている状態、例えば、ユーザによって電子機器110の第2セクション162のタッチスクリーンが押圧されている状態を含むと解釈すべきである。このような実施形態では、制御モジュール176は、タッチスクリーンへの入力を検出することができる。しかしながら、代替実施形態では、様々な入力/出力デバイスを使用して、電子機器110の第2セクション162に加えられる力を検出する、或いは予測することができる。一例として、いくつかの実施形態では、ひずみゲージ又は他の力測定装置を電子機器に組み込んで、第2セクション162への力の適用を検出することができる。代替実施形態では、タッチスクリーンセンサを使用して、電子機器110の第2セクション162に接近する物体を検出することができる。代替実施形態では、カメラ又は他の入力装置は、電子機器110の第2のセクション162に接近する物体を検出することができ、これに応答して信号を生成して、この信号を制御モジュール176に転送することができる。こうして、本明細書で使用される場合に、語句「力(負荷)状態」は、実際の力が電子機器110の第2セクション162に加えられている状態、又は電子機器110の第2セクション162に加えられる力を予測する状態を含むと解釈すべきである。
【0027】
力状態を検出することに応答して、動作615において、コントローラは、電圧を印加して、回転制御アセンブリを作動させる。
図3A〜
図3Dに示される実施形態では、電圧が圧電ディスク316に印加される。電圧を圧電ディスク316に印加することによって、ディスク316が変形して、圧電ディスクを
図3Dに示されるように拡張させる。圧電ディスク316を拡張させることによって、第1のカラー312Aに対してブレーキ314を付勢し、ヒンジアセンブリの回転を抑制するような摩擦力を生じさせる。十分な力が加えられた場合に、回転が完全に停止して、それによってヒンジアセンブリを固定する。
【0028】
いくつかの実施形態では、ブレーキ314と第1のカラー312Aとの対向面は、ブレーキ314が第1のカラー312Aに係合する場合に噛み合うような歯のようなパターンに押し付けることができ、それによって、ヒンジアセンブリを効果的に固定する。
【0029】
いくつかの実施形態では、制御モジュール176は、所定時間、約1〜60秒の間の時間、好ましくは1秒〜5秒の間の時間に亘って作動された後で回転制御アセンブリを離す。こうして、動作620において、所定時間が経過していない場合には、制御モジュール176は、回転制御アセンブリに電圧を印加し続ける。対照的に、動作620において、所定時間が経過した場合には、次に制御は動作625に進み、制御モジュール176は、回転制御アセンブリへの電圧の印加を終了する。
図3A〜
図3Dに示される実施形態では、電圧の印加を終了することによって、圧電ディスク316を元の形状に戻して、アセンブリが、ヒンジアセンブリの自由な回転を可能にするような
図3Aに示した構成に戻る。いくつかの実施形態では、コントローラは、ユーザが画面の角度を調整するか、クラムシェルを閉じようとすることを示すようなディスプレイの背面やディスプレイの端部での力を検出しない限り、固定機構を常に係合した状態に保つ。
【0030】
回転制御アセンブリ300のさらなる実施形態が、
図3E〜
図3Hに示されている。
図3E〜
図3Hに示された実施形態には、第2カラー312B近接して配置される第2のブレーキアセンブリ320が追加されている。第2ブレーキアセンブリ320は、第1ブレーキ314の代わりに、又は第1ブレーキ314と連携させて使用することができる。第2ブレーキアセンブリ320の構成及び動作が、
図3F及び
図3Hに示されている。まず
図3Fを参照すると、第2ブレーキアセンブリは、ヒンジピン310を取り囲む環状リング322と、この環状リング322に従属する一対の対向脚部324,326とを含む。圧電ディスク328が、脚部324,326の間に配置される。回転制御アセンブリが非作動状態にあるときに、
図3E及び
図3Fに示されるように、圧電ディスク328は、環状リング322を開くように脚部を押し開いて、それによって、環状リング内でヒンジピン310の自由な回転を可能にする。対照的に、ブレーキアセンブリ320を作動させて圧電ディスク328を伸長させた場合に、対向する脚部324,326が閉じた状態になり、それによって、環状リングは、摩擦力をヒンジピン310に加える。
【0031】
回転制御アセンブリ400の別の実施形態が、
図4A〜
図4Dに示されている。概要では、
図4A〜
図4Dに示される実施形態は、ヒンジアセンブリの回転に応答して、第1軸に沿って並進するようなヒンジピンを利用する。液圧式アセンブリがヒンジピンに結合され、それによって、第1軸に沿ったヒンジピンの並進によって、流体を第1チャンバからチャネルを介して第2チャンバに押し込む。チャネルに結合されたソレノイドアセンブリは、流体がチャネルを通じて自由に流れる第1位置と、流体がチャネルを通じて流れることができない第2位置との間で移動可能である。
【0032】
図4A〜4Dを参照すると、回転制御アセンブリ400は、ブラケット410,412,414によってハウジングに取り付けることができる。ヒンジピン420が、ブラケット412,414を貫通して延びている。ヒンジピン420は、ねじ山422を含むとともに、ブラケット412,414内にキー止めされており、それによって、ヒンジアセンブリの回転によって、ヒンジピン420をブラケットを貫通してその長手方向軸に沿って並進させる。
【0033】
ヒンジピン420が、液圧式アセンブリ430に結合されている。液圧式アセンブリ430は、チャネル434を介して第2チャンバ436と流体連通する第1チャンバ432を有する。ヒンジピン420の一端が第1チャンバ432に常駐する。第2チャンバ436に向かう方向にその長手方向軸に沿ってヒンジピン420を並進させることによって、流体を第1チャンバ436からチャネル434を介して第2チャンバ432内に押し込む。逆に、第2チャンバから離れる方向にその長手方向軸に沿ってヒンジピン420を並進させることによって、流体を第2チャンバ436からチャネル434を介して第1チャンバ432内に引き込む。
【0034】
ソレノイドアセンブリ440は、ソレノイドのプランジャ442がチャネル434に隣接しているがそのチャネル434の外側にある第1位置と、プランジャ442がチャネル内に配置された第2位置との間でプランジャ442を移動可能なように位置付けており、それによって、チャネル434を通って流れる流体を阻止して、次にヒンジアセンブリの動きを阻止し、アセンブリを効果的に固定する。
【0035】
アセンブリ400は、
図6に示される動作に従って実質的に作動させることができ、動作615において、電圧を印加することによって、ソレノイドアセンブリ440を作動させる。
【0036】
別の実施形態の回転制御アセンブリ500が、
図5A〜
図5Dに示されている。概要では、
図5A〜
図5Cに示される実施形態は、摩擦ハウジング内に位置付けされたシャフトと摩擦ピンとを規定する摩擦ハウジングを利用する。ソレノイドアセンブリを摩擦ピンに結合して、摩擦ピンが摩擦ハウジング内で自由に回転する第1位置と、摩擦ピンの一部が摩擦ハウジングの一部と係合する第2位置との間で摩擦ピンを移動させて、摩擦ハウジング内での摩擦ピンの回転を抑制する。
【0037】
図5A〜
図5Cを参照すると、回転制御アセンブリ500を、ブラケット510によってハウジングに取り付けてもよい。摩擦ハウジング520が、ブロック530A,530Bの間に取り付けられている。摩擦ピン550は、ソレノイドアセンブリ540のプランジャ542に結合されており、この摩擦ピン550は、摩擦ピンがシャフトにおいて自由に回転することができるような第1位置(
図5B)と、摩擦ピンが摩擦ハウジングと係合するような第2位置(
図5C)との間で摩擦ハウジング520のシャフト内で移動可能にされており、摩擦ハウジング520に対する摩擦ピン550の回転を抑制する。
【0038】
アセンブリ500は、
図6に示される動作に従って実質的に作動させることができ、動作615において電圧を印加することによって、ソレノイドアセンブリ540を作動させて、摩擦ピンを摩擦ハウジング520内に押し込む。
【0039】
上述したように、いくつかの実施形態では、電子機器は、コンピュータシステムとして具現化することができる。
図7は、いくつかの実施形態に従ったコンピュータシステム700の概略図である。コンピュータシステム700は、コンピュータ機器702と、(例えばコンピュータ機器702に電力を供給するような)電源アダプタ704とを含む。コンピュータ機器702は、ラップトップ型(又はノート型)コンピュータ、携帯情報端末、デスクトップ型コンピュータ機器(例えばワークステーション又はデスクトップ型コンピュータ)、ラックマウントコンピュータ機器等の任意の適切なコンピュータ機器であってもよい。
【0040】
電力は、1つ又は複数の以下の電源から(例えばコンピュータ機器の電源706を通じて)コンピュータ機器702の様々な構成要素に供給することができる。それら電源として、1つ又はそれ以上のバッテリパック、交流(AC)コンセント(例えば電源アダプタ704等の変圧器及び/又はアダプタを介して)、自動車用電源、航空機用電源等が挙げられる。いくつかの実施形態では、電源アダプタ704は、電源出力源(例えば、約110VAC〜240VACのAC電圧コンセント)を、約5VDC〜12.6VDCの間の直流(DC)電圧に変換する。従って、電源アダプタ704は、AC/DCアダプタとすることができる。
【0041】
コンピュータ機器702は、1つ又は複数の中央処理装置(複数可)(CPU)708を含んでもよい。いくつかの実施形態では、CPU708は、カリフォルニア州サンタクララのIntel(登録商標)社から入手可能なPentium(登録商標)IIプロセッサファミリー、Pentium(登録商標)IIIプロセッサ、Pentium(登録商標)IV、又はCore2Duoプロセッサを含むPentium(登録商標)ファミリープロセッサのうちの1つ又は複数のプロセッサである。あるいはまた、インテルのItanium(登録商標)、XEON、及びCeleron(登録商標)プロセッサ等の他のCPUを使用することもできる。また、他の業者から製造された1つ以上のプロセッサを利用することができる。さらに、プロセッサは、シングル又はマルチコアデザインを有してもよい。
【0042】
チップセット712は、CPU708に結合、又はこのCPU708と一体化させることができる。チップセット712は、メモリ制御ハブ(MCH)714を含んでもよい。MCH714は、メインシステムメモリ718に結合されるメモリコントローラ716を含んでもよい。メインシステムメモリ718は、CPU708やシステム700に含まれる他の任意のデバイスによって実行されるデータや命令シーケンスを記憶する。いくつかの実施形態では、メインシステムメモリ718は、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含む;しかしながら、メインシステムメモリ718は、ダイナミックRAM(DRAM)、同期型DRAM(SDRAM)等の他のメモリタイプを使用して実装してもよい。マルチプルCPU及び/又はマルチプル・システムメモリ等の追加のデバイスを、バス710に結合してもよい。
【0043】
MCH714は、グラフィックアクセラレータ722に結合されたグラフィックインタフェイス720も含んでもよい。いくつかの実施形態では、グラフィックインタフェイス720は、加速グラフィックスポート(AGP)を介してグラフィックアクセラレータ722に結合されている。いくつかの実施形態では、(フラットパネルディスプレイ等の)ディスプレイ740は、ビデオメモリ又はシステムメモリ等の記憶装置に記憶された画像のデジタル表現を、ディスプレイによって解釈され且つ表示されるディスプレイ信号に変換するような信号変換器を通じてグラフィックインタフェイス720に結合してもよい。ディスプレイ装置によって生成されるディスプレイ信号740は、ディスプレイ上で解釈され、続いて表示される前に、各種コントローラを通過する。
【0044】
ハブインタフェイス724は、MCH714をプラットフォームコントロールハブ(PCH)726に結合する。PCH726は、コンピュータシステム700に結合された入力/出力(I/O)デバイスにインタフェイスを提供する。PCH726を、周辺コンポーネント相互接続(PCI)バスに結合してもよい。こうして、PCH726は、PCIバス730へのインタフェイスを提供するようなPCIブリッジ728を含む。PCIブリッジ728は、CPU708及び周辺機器の間にデータパスを提供する。さらに、カリフォルニア州サンタクララのIntel(登録商標)社から入手できるPCI Expressアーキテクチャ等の他のタイプのI/O相互接続トポロジを利用してもよい。
【0045】
PCIバス730を、オーディオ機器732及び1つ又は複数のディスクドライブ734(複数可)に結合してもよい。他の機器をPCIバス730に結合してもよい。さらに、CPU708及びMCH714を組み合わせて、シングルチップを形成してもよい。さらに、グラフィックアクセラレータ722を、他の実施形態ではMCH714内に含めてもよい。
【0046】
また、様々な実施形態では、PCH726に結合された他の周辺機器として、統合ドライブエレクトロニクス(IDE)又は小型コンピュータ用周辺機器システムインタフェイス(SCSI)ハードディスクドライブ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート(複数可)、キーボード、マウス、パラレルポート(複数可)、シリアルポート(複数可)、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ(複数可)、デジタル出力サポート(例えばデジタルビデオインタフェイス(DVI))等が挙げられる。こうして、コンピュータ機器702は、揮発性及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。
【0047】
本明細書で使用される用語「論理命令」は、1つ又は複数のマシンによって1つ以上の論理演算を実行するような表現(式)として理解される。例えば、論理命令は、プロセッサコンパイラによって1つ以上のデータオブジェクト上で1つ以上の動作を実行するような命令を含んでもよい。しかしながら、これは機械可読命令の一例に過ぎず、実施形態はこの点に制限されるものではない。
【0048】
本明細書で使用される用語「コンピュータ可読媒体」は、1つ又は複数のマシンによって知覚可能である表現(式)を保持することが可能な媒体に関する。例えば、コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読命令又はデータを格納するための1つ以上の記憶装置を含んでもよい。このような記憶装置は、例えば、光、磁気又は半導体記憶媒体等の記憶媒体を含んでもよい。しかしながら、これはコンピュータ可読媒体の一例に過ぎず、実施形態はこの点に制限されるものではない。
【0049】
本明細書で使用される用語「論理」は、1つ以上の論理演算を実行する構造に関する。例えば、1つ以上の入力信号に基づいて1つ以上の出力信号を提供するような論理回路を含んでもよい。このような回路は、デジタル入力を受信してデジタル出力を提供する有限状態マシンを含む、又は1つ又は複数のアナログ入力信号に応答して1つ以上のアナログ出力信号を提供する回路を含んでもよい。このような回路は、特定用途向け集積回路(ASIC)又はフィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)として提供されてもよい。また、論理は、このような機械可読命令を実行するために処理回路と組み合わされてメモリに記憶された機械可読命令を含んでもよい。しかしながら、これは論理を提供する構造の一例に過ぎず、実施形態はこの点に制限されるものではない。
【0050】
本明細書で説明されるいくつかの方法は、コンピュータ可読媒体上の論理命令として具体化することができる。プロセッサ上で実行されるときに、論理命令によって、プロセッサが、記載された方法を実行するような専用マシンとしてプログラムされるようにする。論理命令によって本明細書で説明される方法を実行するように構成された場合に、プロセッサは、本明細書で説明した方法を実行する構造を構成する。あるいはまた、本明細書で説明した方法は、例えばフィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)や特定用途向け集積回路(ASIC)等の論理にまとめる(reduce)ことができる。
【0051】
詳細な説明及び特許請求の範囲において、「結合される(coupled)」、「接続される(connected)」という用語又はそれらの派生語を使用してもよい。特定の実施形態では、「接続される(connected)」は、二つ以上の要素が互いに物理的又は電気的に直接的に接触していることを示すために使用してもよい。「結合される(coupled)」は、2つ以上の要素が物理的又は電気的に直接的に接触している状態を意味する。しかしながら、「結合される(coupled)」は、2つ以上の要素が互いに直接的に接触していないが、依然として互いに協働する又は相互作用することも意味する。
【0052】
明細書中の「一実施形態」又は「いくつかの実施形態」という言及は、実施形態に関連して説明された特定の特徴、構造、又は特性が少なくともある実施形態に含まれることを意味する。明細中の様々な場所での「一実施形態では」という語句の出現は、すべて同じ実施形態を参照してもよいし、しなくてもよい。
【0053】
実施形態は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で説明してきたが、特許請求の範囲に記載された主題は、記載された特定の特徴又は動作に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲に記載された主題を実施するサンプル形態として開示されている。